- 1二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 22:04:07
マンハッタンカフェとそのトレーナーは、トレーナー室でくつろいでいた。
ただのコーヒーブレイクである。
窓越しの柔らかな日に照らされて、暖かな時間が地を這う小川よりも密やかに過ぎていく。
そんな空間に、響く声が一つ。
「……最近のトレーナーさんからは、良い香りがする……気がします」
切り出したのはカフェだった。
その表情は、珈琲を楽しむ顔でも、憩いの時間を慈しむ顔でもない。
何かを閃いた顔であった。
「……知っていますか? 良い香りのする相手とは、相性が良い……らしいですよ」
微笑を浮かべてカフェは言った。
閃いた事とは、目の前の男を照れさせることであった。
この男は、事あるごとにカフェを赤面させている。
だからそう、これはイタズラ。あるいは日頃の仕返しといったところだった。
「……そう、なんだ」
男の返事は小さかった。
静かな部屋でありながら、耳の良いカフェがかろうじて拾える程度の大きさ。
加えて、彼女の視線から逃げるように背けた顔には、仄かな赤が浮かんでいた。 - 2二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 22:04:21
「……ふふ、冗談です。きっと、私と過ごす内に珈琲の香りが移ってしまっただけでしょう。
私は、その香りが好きですから……」
カフェは満足げに珈琲を啜った。
カップの中の暗闇に、先ほどの光景を想起する。
実に良いものを見た。そう、思っていた。
「……ふーん。じゃあ、今度から自分でも珈琲を淹れるようにしようかな」
今度はハッキリと声がした。先ほどまでの態度がまるで嘘だったかのように。
声に反応してカフェが顔を上げると、男と目が合った。
何かを企む眼であった。
「……どうして、ですか?」
「その香りが強くなれば、もっと君に好きって言ってもらえるから」
先ほどまでの男の姿が、今度はカフェの所にあった。
男を直視できず、俯いた彼女の肌は滾る溶岩のような色を湛えていた。
「……珈琲の香りが体に移るなんて……そんなワケ、無いじゃないですか……」
抵抗のつもりだろうか。絞り出すような言葉を聞いて、男は笑う。
「じゃあ、良い香りっていうのは何だったんだろうね?」
黙りこくっていても、カフェに逃げ場は無かった。 - 3二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 22:29:57
age
- 4二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 22:36:21
甘いわぁ
- 5二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 22:38:27
あらかわいい
- 6二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:02:06
カフェトレ分かってて言ってるだろ
- 7二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:27:02
良い…
- 8二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 01:04:57
age
- 9二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 01:40:04
カフェトレつっよ