- 1二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:05:21
- 2二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:05:44
天誅!!!!
- 3二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:06:12
こっわ!
- 4二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:07:02
絵にかいた餅じゃん
- 5二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:07:56
たかし何してるの
- 6二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:11:40
なんだこのふざけたスレは…
さっさと解放してくれ!警察を呼ぶぞ! - 7二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:13:00
仕方ない、書いて脱出するしかないな…
- 8二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:13:29
困るのは自分と自分のトレーナーだけなのに…
- 9二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:14:17
何してんだたかし
- 10二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:15:53
ウワー!部屋のど真ん中にウェディングケーキとノコギリが置かれてる!!
- 11二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:18:56
おしるこおいしいですわ!
パクパクですわ!!
トレーナーさんも一口いかがです?
え、関節キ……ひゃあああ!!
ほら書いたぞ、脱出させてもらう! - 12二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:19:57
「あーっ!この和風の焼き菓子クッソうめぇですわー!なんて名前ですの!?」
「大判焼きです」
「大判焼きですわね!たまりませんわ!パクパクですわ!」
「今川焼きとも言います」
「あら!二種類も呼び方があるなんて珍しいですわね!餡子がクソうめぇーですわ!」
「回転焼きとも言います」
「回転焼き?確かに作ってる過程はそれっぽかったですわね!皮もはふはふですわ!」
「御座候とも言います」
「なんでも良いから全部よこせですわー!!!!」
「はいはい、全部あげますよ」
「パクパクですわー!!!!!!!!」 - 13二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:20:38
「トレーナーさん今年もよろしくお願いしますわ」
トレーナー寮の一室にはコタツに肩まで浸かり暖を堪能しているウマ娘メジロマックイーン。
「こちらこそ、今年もいいレースを目指そうマックイーン」
コタツを挟んだ向かい側に座るトレーナーはマックイーンの挨拶に応えた。
「それにしても、コタツがこんなに素晴らしい物だとは思いませんでしたわ」
「そうだね。寒い冬場はこれに限るよ」
2人は年末年始の挨拶を済ませ、まったりと過ごしていた。
「しかし、女性の晴れ着てのは肩が凝ってしかたがなかったよ」
先程までトレーナーはマックイーンが用意した華やかな着物を着せられ、年末の挨拶回りをしていたのだ。
「ふふん♪当然ですわ! メジロ家の担当として恥ずかしい姿など出来ませんもの」
コタツから出した尻尾はフリフリと嬉しげに揺れている。
「着物なんて小さい時に着た浴衣ぐらいだったからなぁ」
トレーナーは自分の格好を思い出し苦笑いを浮かべる。
「そんなことありませんわ。とてもよくお似合いでしたわ」
長良な談笑に花を咲かせていると、キッチンから甘い匂いが漂ってきた。
「小豆もいい感じに煮えたみたいだね」
トレーナーはキッチンで火にかけていた鍋から汁粉を注ぎ入れた。
コトッ…… マックイーンの前にお汁粉が置かれ、湯気が立っていた。フーフーと冷ましながら一口飲むと甘ったるさはなく、ちょうど良い味加減。
「美味しいかい?」
「えぇ、とても。これならいくらでも食べられそうですわ」
「そうか、よかった。じゃあ、俺もいただこうかな」
マックイーンの為にミネラルと食物繊維をよく取れるように粒餡と和三盆で仕立てたのだがなかなかの味だ。
マックイーンも耳をふにゃりとしながら、頬に手を当て幸せそうな表情をしていた。
「トレーナーさんお汁粉も色んな種類があるそうですよ。晒し餡や粒餡、お餅の代わりに蕎麦がきを使った物や他にはスペシャルウィークさんからお聞きしたのですが、北海道には白餡と牛乳を用いた真っ白なお汁粉もあるんだとか」 - 14ジグソウ22/01/04(火) 23:21:22
- 15二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:23:13
ようトレーナー! ゴルシちゃん特性スペシャルウルトラマックスケーキやるよ。
え? 食わない? お前マックイーンはパクパクですわって食ってたぞ。全部食いそうだったからな
お前も食えばゴルシちゃんに泣いて感謝することになるぜ、ということでほれー! - 16二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:23:19
11はまだしも12は本当にお前でいいのかマックイーン?
- 171222/01/04(火) 23:24:18
パクパクですわって言ってるからマックイーンやセーフセーフ
- 18二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:27:02
「な、なんということでしょう!カラオケに遊びに来たらモンブランパフェなるものが!」
「こっちのスイートポテトパフェもうまそうだな。でも、カロリーを考えるとどっちかひとつだけだぞ」
「う、うぬぬぬぬ・・・・・・悩みますわ・・・・・・モンブランか、スイートポテトか・・・」
ガチャッ
「ああっ、トレーナーさん!まだ決まってませんの!お待ちください!」
「・・・・・・すいません、モンブランパフェとスイートポテトパフェを1つずつ、あと取り皿を2つください」
「えっ!?」
「半々で分ければ1個分だろ。一緒に食べよう」
「・・・トレーナーさん!感謝いたします!この御恩は、レースの結果で返してみせますわ!」
「うん、期待してるよ」 - 19二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:37:08
「はちみーはちみーはっちみー」
「お前、本当にそれ好きだな」
お気に入りのはちみつドリンクを嬉しそうな顔で啜るトウカイテイオーを見て、苦笑する。
トレーナーとしてはあまりカロリーの高い物を気軽に摂取しないで欲しいのだが、年頃の子に「甘い物を我慢しろ」と言うのも酷な話で。
トレーニングでカロリーを消費させようにも、負荷を掛けすぎて故障したら目も当てられないし、かと言って食事制限などすれば栄養が偏る危険もある。
結構悩ましい問題ではあるのだが、嬉しそうに揺れる尻尾がこちらの足をぺしぺし叩く感触で許す気になってしまうのは、我ながらトレーナー失格と言うべきか。
しばらく、テイオーの横顔を眺めながら今後のプランについて考えていると、こちらの視線に気付いたか彼女が向き直る。
「なに、トレーナー。もしかして、はちみーが気になるの?」
「正確には、それのカロリーとその消費方法が、だな」
「んもー、可愛くないなぁ」
正直な所を述べたまでだが、テイオーのお気に召さなかったらしい。
ぷくーっと頬を膨らませていたが、ふと何か思い付いたのか、悪戯っぽい顔でカップをこちらに差し出してくる。
「はちみーを知らないカワイソーなトレーナーに、特別に一口わけてしんぜよー」
「一体、どういう風の吹き回しだ?」
「一口飲んだらきっとトレーナーも気に入って、毎日ボクにケンジョーしたくなるに違いないもんね」
思った以上にろくでもない答えが返ってきた。というか、俺が自分で飲むという選択肢は無いのか。
まあ、そんなに気に入っているなら、毎日は無理でもちょっとしたご褒美として買ってやるのは有りかもしれない。そんな事を考えながら、ストローに口を付ける。
「どう? おいしーでしょー?」
「あっっま!」
はちみつドリンクは、残念ながら俺には甘すぎた。
さあ、我々を解放しろ! - 20二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:40:51
あれ、テイ・・・テイ・・・・・・マックイーンだな!!
- 21二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:42:11
わあ…!ライス、こんなおっきなケーキみたの、生まれて初めて…!
お兄さま、凄いねっ。ライスよりも…ううんお兄さまよりもおっきい、よ?
とってもいい匂いで…ふふっ、美味しそう!
あっで、でも…どうやって食べよう、かな?
おっきなフォークはあるけど、これだと大きすぎて口元まで持って行けない、ね?
えっ?お、お兄さま!?お兄さまがケーキを掬って、ライスがあーんしたら、食べれるよって…あ、あぅう…。お兄さまが、ライスに…あーん…。
ご、こめんね?お兄さま…ライスからいただきます、するね?…あーんっ!
…美味しい。甘くて、頬が落っこちちゃいそう…。お兄さまっ。今度はライスが、掬う番…だよ?あーん、して欲しいな?
…ふふっ、お兄さま、美味しい?
…うんっ!ライス、おっきくて美味しいケーキをお兄さまと食べれて、とっても幸せ。楽しいね、お兄さまっ。
ヨシ! - 22二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:44:31
「ふいー…今日もトレーニング頑張りましたよーってね」
「お疲れネイチャ!そんなネイチャさんに今日はちょっとしたご褒美があるんですよ」
「お?どういう風の吹き回しですかな?頂いちゃうけど」
「ドン! そこのコンビニで買ってきたプチシュークリーム!」
「ウワーっ!コンビニスイーツだ!嬉しい!」
「しかも豪華7個入り。召し上がれ、ネイチャ!」
「…えっ?アタシが全部食べるの?」
「ん?そうだけど」
「いやいやっ!買ってきたのはトレーナーさんだし、全部食べると流石にそのー…ね?」
「うーん…まあ、それもそっか」
「それに…トレーナーさんと食べる方がアタシは…良い、っていうか…」ボソボソ
「んじゃあ遠慮なく、頂きます!」
「いや切り替え早っ!?」
「んん…舌と脳が喜ぶ味ですなぁ…」パクパク
「俺も良い大人だからねぇ…それこそお高いスイーツ専門店とかに足を運んだこともあるけど…近所のコンビニの170円のプチシューが一番うまい」パクパク
「分かるわぁ…別にそんな高いもの食べたことある訳じゃないケド」 - 23ジグソウ22/01/04(火) 23:44:39
”私”のスイーツSSと言っていますでしょ!
それはそれとして素晴らしいです……出口は開けてありますのよ - 24二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:44:43
(残り一個のシュークリーム)
「…あっどうぞ?トレーナーさん」
「いやいや、ネイチャへのご褒美なんだから」
「いやでも買ってきたのはトレーナーさんなんですし」
「いやでも…」
「…うにゃああああ!!もうめんどくさい!」パクッ
「あっ、やっと食べた…」
「…んで、はい」
「えっ?」
「…半分こ、です」
「ええ!?いやっそれは…」
「…ネイチャさんが恥ずかしくならない内に貰ってください」
「えー…じゃあ、貰いっ」パクッ
「あっ…」
「「………………………」」
「…一番甘い味がしたよ」
「…ソウデスカ」 - 25年の始めは栗きんとん①22/01/04(火) 23:46:24
「おせち料理なんて何度も食べたはずなのに、トレーナーさんと食べるとなんだか新鮮で美味しいですわね」
かまぼこ、田作り、数の子、伊達巻、黒豆……
新春のトレーナー室で重箱をつついているのはメジロマックイーン。幸せそうな顔でおめでたい料理を次々と口に運んでいく。
『Ω いい食べっぷりだな』
「先日まで厳しく食事を管理していただきましたから、たくさん食べられるのが嬉しくて。トレーナーさんもいい食べっぷりでは?」
『Ω マックイーンと一緒だからかな』
「ふふっ、トレーナーさんったら」 - 26年の始めは栗きんとん②22/01/04(火) 23:46:47
彼女が次に箸を運んだ先にあったのは──
「ああ、魅惑の栗金団……」
うっとりした顔で勝ち栗を見つめ
パクッ
「優しい甘さがなめらかに広がって……とても美味しいですわ!」
とても幸せそうな顔で栗金団を堪能する。ここまで喜んで貰えるなら栗金団も本望だろう。
「さ、トレーナーさんも」
『Ω ?』
「今年もトレーナーさんと私で一緒に勝利を目指すのですから、トレーナーさんも勝ち栗あそばせ。はい、あーん」
『Ω !? あ、あーん』
パクッ
『Ω おいしい!』
「今年もよろしくお願いいたしますわね、トレーナーさん」
今まで食べたどのスイーツより甘い栗金団の味が口いっぱいに広がった……
体力が30回復した
『栄養補給』のヒントを得た!
メジロマックイーンとの絆は一心同体だ - 27年の始めは栗きんとん②22/01/04(火) 23:47:12
俺は今から独り寂しくきんとんの余りを処理してくるので失礼する
- 28二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 23:48:59
「マックイーン何食べてるの?」
「まだ食べてませんわ。今日のスイーツはマーラーカオですわ。」
「なにそれ?」
「私も詳しいわけでわないですが...中国風の蒸しパンだそうですわ。触感はシフォンケーキと似ているそうですわ。材料で言うと、シフォンケーキはベーキングパウダー、マーラーカオは蜂蜜やバターが多いのだとか。そのぶんマーラーカオのほうがしっとり、ずっしりとした触感になるのかもしれませんわね。」
「ん~、おいし~」
「!!??」
「ほんとだ、マックイーンの言った通り、ちょっと重たい感じかな~、はちみーのまったりとした甘さがサイコーだね!」
「―――」
「渋い紅茶でもあればもっと、あ、紅茶もらうね(ゴクゴク。」
「――――――」 - 29二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:02:27
「ぎょえええええええ〜〜っ!!?クッソ辛いですわー!これホントにスイーツですの!?!?」
「スイーツだよ」
「あがっ!?おごっ…!ぜ、絶対嘘ですわ!トレーナーさんは私を騙していますわ!美味しいスイーツと聞いてましたのに!」
「しかしこの辛さがまた美味しいんだ もう一口如何かな」
「もう嫌ですわー!舌がヒリヒリしますわ!砂糖を舐めて舌を誤魔化しますわ!」
「あっちょっと待て辛いものを食べて直ぐに甘いものは」
「ひぎゃぎょぎゃぎょぎょぎゃぎょえええええええええええ!!!?!?!?ひ、舌の上で……辛味が増して……あががが…」
「手遅れだったか、ほら、この牛乳で口を」
「み、水っ!水ですわ!ごくごくですわー!!ぶごっ!?がはっごほっ!?」
「…水で辛いものを流すと喉にもダメージが行くんだ…」
「び、びどいですわ……私にこんな恥をかかせて…トレーナーさんなんて嫌いですわ」グスン
「ごめん、悪かった。ちゃんと君の好きなショートケーキも用意してあるよ」
「…こっちは辛くありませんのね?」ウルウル
「ああ。好きなだけ食べな」
「…はむっ。…美味しいですわ!…さっきのイタズラは水に流して差し上げますわ」
「ありがとう。優しいなマックイーン」
「メジロ家の令嬢として心は広く優雅に持っていなくてはなりませんもの。でも、辛いものを食べさせたら次は承知しませんわよ」ニコニコ
「は、はい……」 - 30二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:06:19
とても静かだ。そろりそろりと足を忍ばせて歩いても、軋む廊下の音がハッキリと耳に届いてくる。夏の強化合宿が始まってから3週間。
昼間はジリジリと身を焦がす熱い浜辺でじっくりとトレーニング漬け。宿に戻れば、温泉とマッサージで身を休めることはできるが、それでも制限された食事からは心の充足感を得ることはできない。
「ここに……」
部屋を出てたどり着いたのは、チーム全員の荷物をまとめておくために借りている一人部屋。この部屋の冷蔵庫に用があったのだ。
昼間、宿の主人から拝借した鍵を使い、できる限り音がならないように扉を開けて部屋の中へ。部屋の中に備え付けてある小さな冷蔵庫。その中には、こっそりと隠しておいたショートケーキが2個置いてある。
トレーニング中、飲み物を買いにコンビニへいった時に見つけたのだ。
「1個だけなら……そう、1個だけ……うふふ……」
「あーあーいけないんだ」
突然背後から聞こえてきた声に危うくケーキを取り落としそうになる。
振り替えるとそこには、スマホのライトを照らしてニヤついた顔のテイオーが立っていた。
一体いつからつけられていたのか、全く気がつかなかった。
「マックイーン、それ持ち込み禁止のお菓子だよね~?」
「うっ……その……お、お願いですテイオー!このことは内密に……」
「え~どうしよっかなぁ~……マックイーンが何でもするって言うなら考えてあげよっかな~」
テイオーはまるで鬼の首でも取ったかのようにニヤニヤと勝ち誇った顔で、冷蔵庫の前に座った私を見下ろしている。
本当にこの娘は……!
「な、何でもしますわ……だからこの事は……」
「え?今なんでもするって言ったよね?」
自分で言えと言っておきながら、白々しい言葉を返してくる。
「実はボクもお腹空いちゃってさ。カロリー制限のご飯もあきてきたし。そのケーキ、1個ボクに分けてよ」
「むぅ……」 - 31二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:06:53
せっかく楽しみにとって置いたケーキ。
しかし日持ちはしないし、かといって自分で2個食べるのもさすがにマズイ……それにテイオーに弱みを握られていたら、今後も何を要求されるか分かったものじゃない。この件はここで終わりにするためにも、渋々テイオーにケーキを渡すことにした。だが、テイオーにフォークを渡そうとしてフォークが1本しかついていないことに気がついた。元々1人で食べるつもりだったから、1本しかもらってきていなかったのだ。
「困りましたわね」
「大丈夫だよ、ほら」
仕方なくテイオーにフォークを渡し、どうやって食べようかと考えていると、目の前に小さくカットされたケーキが突きつけられる。
「はい、あーん」
「え、え?あっ……あむ」
自体をよく飲み込めないまま、反射的に目の前につきだされたお菓子を口に含んでしまった。もぐもぐとケーキを咀嚼しながら、今何をされたのかをゆっくりと噛みしめていく。
「な、テ、テイオー……!」
「ん?美味しいね、これ」
テイオーは特に意識もしていないように、先程私の口に入れられたフォークで自分のケーキをもしゃもしゃと食べている。
「あっ、マックイーンも、はいあーん」
「あー……ん」
再び差し出されたケーキを、またしても反射的に口に含む。柔らかなスポンジとクリームの甘味が口の中に広がり、天にも昇るような気持ち。スポンジに奪われる口の中の水分の補給と、甘さのバランスを整えるために紅茶も欲しいところだが、贅沢は言えない……違う、そうではない。
「き、か……」
「もう、さっきからなにさー」
「か、間接……キ……です」
テイオーはキョトンとした表情のまま数秒固まったかと思うと、首から鼻先まで噴火する火山のように一瞬で赤く染まった。
「な、なな、なに言ってるのさ!もー!」
「それは!テイオーが急にこんなことをするから!」
暗い部屋の中、スマホの明かりだけに照らされた小さな言い合いは、しばらく続いた。
- 32二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:11:01
その冬の日は、特別にスイーツをいっぱい食べても良い日でもありました。私はトレーナーさんと一緒に最近評判のお店へと行きました。
まるで旅行プランを練るかのように、何日も前から何を食べるかを……トレーナーさんと一緒に考えていました。
あれもこれも食べたいと思わず言ってしまった私を叱らず、優しくたしなめつつも、可能な限り色々食べられるように……と、色々な案を練ってくれたトレーナーさんには感謝しきれません。
お店も評判どおり美味しいものばかりでした。
しかし、残念なことが一つ。人気がありすぎたせいでしょうか? 一番楽しみにしていたモンブランは売り切れていました。もちろん仕方の無いことですが、とても残念なことでした……。
……お恥ずかしいことに耳やしっぽに態度が出ていたのでしょう。トレーナーさんは、モンブランの代わりとなるものをいくつか挙げてくださり、私の目を輝かせました。
……とはいえ、少し未練はありました。
もちろん、トレーナーさんに言うことでもありませんし、いつまでも引きずるものではありません。
ただ、トレーナーさんと一緒に立てた計画のうち、一番大きな目標を達成できなかった……というのが少し気がかりでした。
楽しい休日でしたが、寒さのせいもあってか、子どもっぽくも私は少しアンニュイな気持ちでしたわ……。
しかし、お店からの帰り道。もう帰る時間だと考えていた私の手を強く引っ張る感覚が……。
寒いだろうと手を握ってくださっていたトレーナーさんが、いつもより強引に私の手を引っ張ります。……え?と顔に熱を感じた私でした。
ただ、すぐに、その意図は分かりました。
その先には別のスイーツショップがあったのです。……予約してあったのでしょう。トレーナーさんはお持ち帰り用の包みを店頭で受け取りました。中身はモンブランです……。最初のお店で私ががっかりしたのを見て、他の店でモンブランを予約注文してくれたようです。なんでも次回以降のために、他の美味しそうなお店もリサーチ済みだったのだとか……。
最初の店より美味しいか分からないけど……とトレーナーさんは言いましたが、私には分かりました。きっと今まで食べたどのモンブランよりも美味しいと……。今日は食べすぎだから、明日になってから食べるように……と、言われましたが、きっとその待ち時間ですら美味しさの調味料になりそうです……。 - 33二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:12:37
「はぁ…なんて美しいのでしょう…。惚れ惚れしてしまいます…。」
それは魔性の輝き。重賞勝利記念という事で、近場のスイーツ専門店へトレーナーと共に繰り出した彼女──メジロマックイーンは、眼前にそびえる黄金色の摩天楼をうっとりとした目で眺めていた。
「ほ…本当に宜しいのですの!?カロリー計算に狂いは無いのですよね!?もうスプーンを差し込んでる私が言えた口ではありませんがもう我慢の限界ですわ…!!」
トレーナーは静かに親指を立てる。彼からのGOサインである。
栗とムースが主体の秋限定パフェ。背の高い器に和栗、マロンのムース、チョコレートソース、ビスケットの層にアイスクリーム。まさに秋の甘味の展覧会。私はここだと言わんばかりに甘い香りをゆったりと漂わせ聳え立つそれは、今日この日まで耐え忍び、飢えに飢えた彼女の獰猛な食欲に火をつけた。
飢餓で飢えた獅子に羊を見せるかの如し。メジロマックイーンはじりじりとスプーンを近づけ、一気に挿し入れた。
「はぁ〜……カロリーを気にせずに食べられるなんて…溜まりませんわぁぁ〜!!」
秋桜、満開である。 - 34ジグソウ22/01/05(水) 00:29:35
- 35ジグソウ22/01/05(水) 00:34:31
まったくトレーナーさんたちってば、誰も”私”のスイーツSSを書いてくれないなんてひどいです!
ね、マックイーンさん……
「んむー! んむー!」
あぁ、ごめんなさい!すぐ猿轡を外しますわね!
とはいえルールはルール。私のSSが無いので”解放”はできませんわ。
なのでお詫びと罰ゲームを兼ねて、お腹いっぱいのスイーツを用意しましたわよ!
私、実は前からマックイーンさんと一緒にスイーツを食べたいと思ってましたの!
さぁ、あーんですわ♪
「あああああああああん♡」
ゲームオーバー、ですの♡
マックイーンは太り気味になった
カワカミプリンセスは太り気味になった
・たづなさんからのアドバイス
マックイーンとカワカミプリンセスの口調は似ている
- 36二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:37:40
- 37二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:38:50
- 38二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:40:26
短い文だと割りとわからんな……
でも1で感じてた違和感はこれか - 39二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 00:53:58
「そう言えば、以前から気になっていたのだが…… トレーナー君の作る卵焼きは、甘いね」
「?」
アグネスタキオンの言葉の意味が分からず、ふと仕事の手を止めて彼女の方を見やった。
彼女に弁当を作るようになってからしばらく経つが、相変わらずあれやこれやと注文が多い。
まあ、元の食生活に戻られても困るので、出来る限り応えるようにはしているが、今日のコレは意味が分からない。
「卵焼き、嫌いだったか?」
「いやいや、そんな事は無いよ。卵は栄養が豊富で素晴らしい食品だし、卵焼きというのも手軽に食べられて良い。
ただ、甘い卵焼きというのはこれまで食べた事が無かったのでね。最初は『砂糖と塩を入れ間違える』という古典ギャグかと思ったのだが、試行回数を重ねる事によって『どうやらコレはこういう料理だ』というのを確信するに至った次第さ」
「……そもそも、卵焼きは甘いもんじゃないのか?」
記憶の中をひっくり返してみるが、甘くない卵焼きと言うのが思い当たらない。
弁当に入れると彩りが良くなるし、個人的にはしょっぱい物が多くなりがちなおかずの中で甘い物があると嬉しいので、入れるようにしていたのだが。
「あー、甘くないのが良ければ、レシピを調べてみるが」
「なに、それには及ばないよ。頭脳労働に糖分の摂取は欠かせないしね。
ただ、君と私の間にある文化的背景の違いという物が感じられる気がして…… 少し面白いと思ったまでだよ」
「そうかい」
よく分からないが、弁当の鉄板メニュー廃止の危機は去ったようだ。
「卵焼き一つでも新しい発見がある…… 自分の世界が広がっていく感覚というのは、実験で思わぬ結果が出た時の驚きにも似ているね」
「満足してくれたようで、なによりだ」
「おっと、君の方はこれで満足して貰っては困るぞ。私のトレーナーとして、共に限界の先を目指して貰わないといけないのだから」
限界の先にある弁当というのは如何なる物か、想像も付かないが。ひとまずは、食後の紅茶を淹れるべく席を立った。
馬鹿な、ここはワザと外れSSを書いて永住を目指すスレではなかったのか!? - 40ジグソウ22/01/05(水) 00:57:22
タキオンさんのスイーツSSはあまり多くないから良いですわね!
ここはもう出口の開いた単なるスイーツSSスレですわ!
思いついたネタの供養場にしてもいいですのよ!! - 41二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 12:04:10
なんだこのスレぁ…
文豪の集まりか? - 42二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 15:22:17
おぉ〜!これがアケボノさん監修のケーキ、シブーストですか!ふむふむ…薄氷の如きフラットな茶色い焼きカラメルがテッペンにあり、そこから垂れますは液体状に溶けたこれまたカラメル!本体はなんとプリン生地!そこに甘〜く煮詰めたリンゴの層が下に構え…最下段には硬めに焼き上げたパイ生地が待ち構えるッッ!!なな…なんと美しく計算し尽くされた外見…!ブラヴォー…!おお、ブラヴォー…!!
え?あ、そうでした…カラメルが溶けきっちゃいますね。失礼いたしました〜…アハハ…。
くっ…フォークを入れるのを躊躇われる完成度よ…!しかぁし!破壊無くして創造無し!!いきますよトレーナーさん!セーのっ!
ぱきん
おひょぉ〜〜〜!こりゃあたまりませんなぁ〜!
しっとりした甘さのプリンにカラメルの苦みが混ざりあい、更に下層のリンゴの甘酸っぱさとカラメルを程良く吸い込んだパイ生地が合わさった結果、より一層複雑な美味しさに繋がっています!これ1つで4種の味を堪能できると言う変幻自在の妙技!素晴らしいッ!!いやぁ、食べ合わせも変えれば自前で味変も出来る、中々変態的な逸品ですね!あ、褒め言葉ですよ!?
…アハッ☆なめぇらかぁ……おいちぃ!!これしゅきぃ……(シュウウウウ…… - 43二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 15:53:50
デジたんがウマ娘以外で召されておる
- 44二次元好きの匿名さん22/01/06(木) 00:44:03
トラックランを終えて、手元のスマートウォッチを見る。表示されてるタイムに舌打ちして、また走り出そうとした所で、トレーナーに止められた。
「タイシン、ストーップ」
「何? 邪魔しないでよ」
「担当が無茶しようとしてたら邪魔するのが、俺の仕事だ」
こちらの行く手を遮るデカイ図体が、無性に腹立たしい。力尽くで押しのける事も出来るけど、無駄な体力を使いたくないし諦めてトラックの外に出た。
手渡された冷タオルを首に当てると、自分の体温がスっと冷えていくのが分かって、少し気持ちいい。自分が思ってた以上に熱くなっていたのが分かるのが、少し癪だけど。
息を整えるアタシの前に、トレーナーがドリンクのボトルとタッパーを置いた。ドリンクはいつも用意されているけど、タッパーは今日が初めてだ。
「なに、コレ?」
「レモンのハチミツ漬け。さっき味見してみたけど、我ながら美味く出来たと思うぞ」
「え。いいよ、要らない」
「そう言わずに、一つだけでも食っといてくれ。タイシンは、ただでさえ食が細いからな。
こまめに糖分補給してないと、カロリーが追っつかないんだ。ハンガーノックでも起こしたら、それこそ数日は練習停止だぞ?」
「ぐ……」
食が細いのは自分でも自覚があるから、強くは言い返せない。スマートウォッチまで支給してやたらと細かくデータを取ってると思ったら、そんな所まで気にしていたらしい。
こういう時のトレーナーは頑固だし、あまりダダをこねるのもガキっぽいかなと思って、大人しくレモンを口に放り込む。
「あ、美味しい……」
「そりゃ良かった」
自慢気に言うだけあって、レモンのハチミツ漬けは美味しかった。甘さと酸っぱさのバランスが丁度良くて、疲れてても難なく食べられる。
薄くスライスされているから口の中に残るような事もなく、スルリと喉を通っていった。思わず二つ目に手を伸ばした所で、トレーナーがニヤケ面でこちらを見ているのに気付く。キッと睨んでやると、肩をすくめながら後ろを向いた。
「おっと。俺は後ろを向いてるから、遠慮なく食ってくれ。作り置きはあるから、全部食っちゃっても良いぞ」
思わずタッパーを投げつけてやろうかと思ったけど、料理に罪はない。腹立たしい気分のまま、レモンを3枚ほど一気に摘まんで口に放り込んだ。