- 1スレ主23/11/27(月) 21:16:02凪×玲王の一番熱い場所🎲🔗(fromあにまん)byスレ主🌵telegra.ph
↑今までのまとめ🔗
11月1日———
ハロウィンの日の翌朝
快晴のディ◯ニーシー内にあるホテルミ◯コスタ
その最高級スイートにて朝食中の二人から再び物語は始まる
凪「朝ごはん食べた後に、ベッドで昨日の続きしよっか?」
凪「(これはもう…決まったでしょ)」
凪はまたしても安易に勝ち確をしていた
彼はこの勝ち確が負けフラグになっていることにそろそろ気づいた方が良いのかもしれない
なぜなら凪が勝ち確した時の玲王との(ある種の)バトルは連戦連敗を更新中だからだ
凪「(0.01mm…今こそお前の出番かもしれない)」
しかし凪が想いを寄せる恋人の反応は、その予想とは大きく異なっていた
玲王「スクランブルエッグとろとろでうま〜。あ、凪のオムレツも一口ちょーだい」
凪「!?(えっ、む、無視ッ…!?)」
玲王『跡、お揃いにしようかと思ったけど、その、うまく噛めなくって…首筋に、見えるとこに、つけちゃって、ごめん、なさい』
ついさっきまでそう言って、自分がしたことへの罪悪感から泣きそうになっていた、あのいじらしくて可愛い恋人は一体どこへ行ってしまったのか
- 2スレ主23/11/27(月) 21:24:36
凪「…ッ(げ、幻覚??)」
玲王の情緒の乱高下の激しさにも慣れてきたと思っていたが、そのあまりの変わり様に凪は狼狽えてしまう
凪「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ…」
玲王「んー?」
玲王は凪の皿にあるケチャップのついたオムレツをフォークで掬って口に含み、満足そうに頬を膨らませていた
凪「(か、可愛いだろッ!)〜〜じゃ、なくてッッ!!」
玲王「なんだよ、急にデケェ声出して。目の前にいるんだから、聞こえてるっつーの」
無駄に大きな声を出す凪を見て、玲王は可笑しそうにその大きな瞳を細める
凪「いや、だから…(ここは、『うん…昨日の続き、知りたい。だから優しく教えて?マイダーリン♡あ、でも明るい時間からなんて…俺、恥ずかしいっ』『大丈夫だよ。レオはいつどこで見たって、最高に綺麗だから』…の流れじゃないのッ!?)」
凪「ねぇっ!この後行くんだよね!?ベッド!!」
玲王「!?(ビクッ!)」
玲王の目が驚いた猫のように丸くなる - 3二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 21:26:04
待ってましたー!!
- 4スレ主23/11/27(月) 21:29:54
チェックアウトまで残り数時間しかないという事実が、凪からわずかな余裕すらも奪い去り、その口調は玲王を威圧するかのように強まってしまっていた
玲王「(え、なんか今…背筋がゾクッてしたんだけど…?)」
凪の後ろに髑髏の様な禍々しい存在を感じた玲王は、モグモグと口の中のオムレツを咀嚼しながら辺りを警戒するように見回す
玲王「(ま、まさか、昨日風呂にいたオバケが…?いや、落ち着け、俺。冷静に考えてこんな明るい時間にオバケが出るワケねえ…多分)」
凪「レオッ!どーなの?俺の『鎖骨へのキスマ講座』受講すんのっ!?しないの!?どっちなのッ!?」
凪は後先考えずに必死になっていた
ダメだ…誘い方がもう、なんていうか最悪だ
目に見えぬ何モノかの恐怖に晒されていて、それどころじゃない玲王
凪のキスマ講座…受講するの?しないの?
玲王の返事を下3レスから🎲 - 5二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 21:31:26
まぁチェックアウトまでなら…
- 6二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 21:32:01
凪はしてほしいの?
- 7二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 21:32:50
このレスは削除されています
- 8二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 21:34:14
受講する(恐怖を紛らわせるため)
- 9スレ主23/11/27(月) 22:09:23
- 10二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 22:12:02
駆け引き上手の御影さん
- 11スレ主23/11/27(月) 23:06:20
玲王「…」
凪「…」
凪は固唾を呑んで玲王の返事を見守っていた
せっかくの美味しそうな朝食も、もう手につかない
「もぉー、レオ勝手に俺のオムレツ食べたー。お返しにスクランブルエッグちょーだい?」という絶好の「あーん」チャンスすらも見落とす程に玲王の唇をジッと熱く見つめ、そこから発せられる言葉を一言一句たりとも漏らさまいと集中している
『鎖骨へのキスマ講座』によるベッドへの誘導、そしてその先のお楽しみバトル(ある種の)に囚われて、お約束の「あーん」をしてもらうことすら凪は忘れてしまっていたのだ
玲王「…」
玲王が気まずそうに辺りを見回す
凪「…大丈夫だよ、レオ。ここには俺とお前しかいない。だから(明るいうちからセッしても)大丈夫」
凪が極めて当人比スパダリ要素強めの表情で玲王に優しく諭すように言うが、その表情筋はほぼ固定である - 12スレ主23/11/27(月) 23:11:04
玲王「あ…ほんと?(凪と俺しかいない、か…てことは、オバケはいないんだ)」
凪の言葉に玲王はホッと胸を撫で下ろしたような表情を見せた
玲王「凪はしてほしいの?」
玲王が優しく微笑みかけるように凪を見つめた
凪「へ!?(な、何?この駆け引き上手…!?明るいうちからセッの誘いに乗るのが恥ずかしくて、大事なコトは俺に言わせようとしてんの?)」
凪「え、あ、あの…だから、レオが鎖骨にキスマ付けたいのかなって思って、俺もおそろいにすんのとかその、いいかなーって…思って…」
先程までの強気はどこへやら
凪の言葉は歯切れ悪く、途端に言い淀んでしまっている
凪「(おかしい、さっきまで俺の方が主導権を握っていたハズなのに…?どーして俺の方がこんなに恥ずかしがってんの…??)」
玲王「(鎖骨へのキスマ講座とかまたワケわかんねぇコト言ってるし…そりゃ教えて欲しい、けど…コイツの言う『教える』って、だいたい変な方向にいくんだよな)」
昨夜風呂場で調子に乗って散々焦らしてしまったせいで、凪の『教える』ワードはすっかり玲王に警戒されてしまっていた - 13スレ主23/11/27(月) 23:13:03
玲王「んー、それって凪が俺の鎖骨にもっかいキスマつけるってこと?」
凪「え、いや…(それもイイけど)俺の鎖骨で実践して!お願いっ!」
玲王「…でもなぁ、最初にシてるとこ見ないとわかんねーかも。『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ〜』って名言あるだろ?」
凪「は?いや、知らないケド…」
玲王「え、知らねーの?まぁ、だからさ。まずはルーちゃんにやってるトコ見せてよ?」
凪「は…?」
「俺にぬいぐるみとイチャつく性癖はございませんッッ!!」そう叫び出したいのを凪はグッと堪える
なぜならこれは、からかい上手の御影さんによるなんらかのパスかも知れないから
ぬいぐるみの鎖骨(?)にキスマをつけろという御曹司からの挑戦状!
果たして凪の返事は?下3レスから🎲 - 14二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 23:15:49
ぬいぐるみにキスマークは付かないから
レオの腕とかで実践してもいい? - 15二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 23:27:18
レオだと思って本気で𝑲𝑰𝑺𝑺
- 16二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 23:28:07
ルーちゃんにキスマなんてつけたらジェラちゃんがヤキモチ焼いちゃうでしょ?だからダメ
- 17二次元好きの匿名さん23/11/27(月) 23:28:46
天才スレ主待ってました!!
前回のイチャイチャの続きからやってくれるの有難い 今回の体育祭と記憶喪失編も楽しみ - 18スレ主23/11/27(月) 23:39:44
- 19スレ主23/11/28(火) 01:06:45
凪「スーッ…」
玲王「?」
凪「フゥーーーッ…」
凪は自身を落ち着かせるために、一つ深呼吸をした
凪「(落ち着け、誠士郎…いや違った、俺…。まだ慌てるような時間じゃナイ)」
玲王「あ、このチョコデニッシュうまー。凪も食べてみろよ♪」
凪「(合理主義でタイムイズマネーのレオがわざわざこんな意味のわからない一休さんも真っ青のトンチを求めてくるはずない、きっと何か意味があるんだ)」
凪はこれは恋人からの意味深なパスだと捉えて、玲王の話に合わせることにする
凪「ルーちゃんにキスマなんてつけたらジェラちゃんがヤキモチ焼いちゃうでしょ?だからダメ」
玲王「モグモグ…え?」
凪「だから、ジェラちゃんがヤキモチを…」
玲王「えっ!何、お前らってそーいうカンケーだったの!?」
凪「!?」
急に玲王がジェ◯トーニとステ◯ルーのいる寝室の方を向いて叫び出したので、凪は目が点になる - 20スレ主23/11/28(火) 01:22:00
凪「な、何…?」
玲王「いやー、あの二人ってそーいうカンケーなんだ、って」
凪「俺とレオみたいなモン…でしょ?」
玲王「んー…」
凪「いや、なんなのレオ。さっきからはぐらかしてさ…シたくないんならシたくないって言えばいいじゃん」
もしかして、先ほどのぬいぐるみへのキスマ要求は、玲王からのパスでも何でもなく、ただのはぐらかしだったのかも知れないと思った凪は一人舞い上がって浮かれていることが恥ずかしくなり、ムスッと口を尖らせ不機嫌になる
玲王「…そんな怒んないでよ」
凪「怒ってないじゃん」
玲王「うそ、怒ってるじゃん」
凪「怒ってねーし」
玲王「…」
イラつきから自ずと語気が強まる凪に、玲王は軽く目が潤んでしまう
差し込む太陽の光がその薄っすらとした涙の膜に反射して、キラキラと光るのを見た凪は胸が鷲掴まれたように苦しくなった
凪「…ほんとにズルいよね、レオ。その顔したら俺が許すって思ってるもんね」
玲王「…思ってない。雰囲気悪くなるから、あんまそーいうこと言うなって…」 - 21スレ主23/11/28(火) 01:29:30
凪「…(あーあ…レオと一緒に住んでたら、こんなに時間に追われて焦ることもないのに…)」
凪「じゃあ、新婚さんごっこしよっか」
玲王「へ?」
凪からの突拍子もない提案に、玲王は持っていたコーヒーカップを手から滑り落としそうになる
凪「(せっかく良い天気で、こうしてレオと美味しい朝食を食べてるんだから…俺と一緒に暮らしたら楽しくなるって、レオには、そーいう良いイメージ持ってて欲しいから…)」
凪「ほら、想像してみてよ。俺とレオが一緒に住んで、今一緒にレオが作った朝ごはん食べてるの」
ロンドンのアパートメントで、朝陽が差し込む窓際のテーブルで、玲王が淹れてくれた紅茶を飲みながら朝食をとる自分、そして、目の前に座る本当のパートナーとなった玲王を想像しながら凪は紅茶を飲む
玲王「は?いや、作んねぇし」
凪「ブフォッ!!」
凪はいつもの如く紅茶を盛大に吹き出したが、もう慣れっこの玲王は瞬時に自分の料理の皿を持って後ろに仰け反った
玲王「俺がメシ作る時間あったらその分働いた方が稼げるじゃん。フツーにお手伝いさん雇うだろ」
凪「はぁぁぁぁぁあ!?」
解釈不一致ィィィイ!!
またしても出てしまった凪の解釈不一致
価値観の違いで別れる夫婦は多いと聞く
最後まで一緒の結婚生活のためには、お互いの価値観をここでキチンと擦り合わせておくことがマストだろう
凪、御曹司にビシッと言ってやってくれ
玲王と二人が良いんだと…!
凪の魂の叫び(?)を、下3レスから🎲 - 22二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 06:15:36
俺縄張り意識強いからムリ!
- 23二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 08:20:04
レオ以外にお世話されたくない!
- 24二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 09:50:08
毎朝レオが作ってくれたお味噌汁を飲んで一緒に朝ごはんを食べる、いやあーんで食べさせてもらう
それが俺のエゴだ - 25スレ主23/11/28(火) 10:08:59
- 26スレ主23/11/28(火) 11:57:14
凪「俺縄張り意識強いからムリ!」
玲王「ブハッ、え?」
玲王は自分とともに避難させていた皿をテーブルに戻しながら、凪の発言に吹き出す
玲王「縄張り?昨日の狼男の続きかよ?」
ニヤニヤと楽しそうにして、玲王が前髪で隠れた凪の表情をたしかめるように、少し下からその顔を覗き込んだ
凪「ワン」
玲王「ワンじゃない。ウォォーンとかだろ?狼なんだから」
凪「(出たよ、完璧御曹司のこだわり…)う、うおおーん」
凪は少し照れながらも狼の鳴き真似をしてみる
玲王「うーん、惜しいっ!もっと遠くの仲間に呼びかけるようにしてさ、ウォォーンて」
凪「うぉぉーん…」
玲王「ウォォーン!」
ミ◯コスタの最高級スイートに、自販機超えの二人による謎の遠吠えがこだました
凪「…いや、もうイイから、鳴き真似は」
玲王「えー?」
「あともうちょっとで良くなんのにぃ」、と玲王は少し不服そうな顔をする - 27スレ主23/11/28(火) 12:03:46
凪「(朝からなんでリアルな狼の遠吠えさせられてんの?俺)」
凪「じゃなくてっ!レオ以外にお世話されたくないし、毎朝レオが作ってくれたお味噌汁を飲んで一緒に朝ごはんを食べる、いやあーんで食べさせてもらう。それが俺のエゴだ」
玲王「…」
凪「(い、言っちゃった…)」
「毎朝味噌汁を作って欲しい」だなんて、まるでプロポーズだ
キョトンとした顔をしながら自分を見る玲王を、凪はドキドキしながら見つめ返す
凪「だ、だからさ、暮らすんなら、俺はレオと二人っきりで…」
玲王「お前ってさ、和食派?」
凪「へ?」
玲王「ごめん…知らなかったわ。凪、和食好きなんだ」
見当違いの御曹司の言葉に、凪は面食らう
凪「いや、ちが、これはその、決まり文句みたいなモンで…」
玲王「決まり文句?何の?」
凪「だ、だ、だ、だから…プロ…プロ…」
玲王「たしかに味噌汁は色んな具材を入れられるし、和食は消化にもいいもんな。プロのアスリートになるなら」
凪「…え?」
俯いていた玲王の長いまつ毛に見惚れていると、その目が前を向いて凪を捉えた - 28スレ主23/11/28(火) 12:06:38
玲王「でもさ、俺は凪と一緒に作りたいかな」
凪「、っ」
その強い瞳の力に、凪は言葉が出なくなってしまう
玲王「俺だけが作るんじゃなくて、たまにでいいからさ…凪と一緒に、朝飯作りたい」
凪「レオ…レオ、それって…」
玲王「うん」
凪「つまり、俺と最後まで、ずっと一緒に、」
シン…と静まり返った部屋に、入園者達の声やパークの音楽の喧騒が入り込んでくる
玲王は少し緊張したような表情をしていた
玲王「凪…」
〜♪
玲王が何かを言いかけたその時、玲王の携帯から二人の雰囲気をぶち壊すようにLINEの通知音が鳴った - 29スレ主23/11/28(火) 12:08:24
玲王「…」
光るその画面にスッと目を遣り、表示された名前を見た玲王の顔が強張る
玲王「やばい…」
凪「え…?(か、株でも失敗した?)」
玲王「父さんから…」
凪「えっ!?」
玲王「『近くまで来てるから、昼に一緒に食事でもどうか』って」
凪「…は?」
パ、パパさん…?
ヤバい、泊まったのバレたのか…?
凪の反応を下3レスから🎲 - 30二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 13:00:51
外堀を埋めるチャンス!ご飯に行く
- 31二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 16:39:12
れ、玲王は行きたい?どうする?
- 32二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 17:52:31
プリンを手土産に渡して、凪は逃げ帰る
- 33スレ主23/11/28(火) 18:03:38
- 34スレ主23/11/28(火) 19:43:38
玲王「…これって、やっぱアレ、かな…」
玲王はLINEのトーク画面を開いたまま、困ったように眉を寄せて微笑う
凪「(外堀を埋めるチャンス!)」
パパさんとの食事の話を聞いた凪は、玲王と一緒にご飯に行く気まんまんだった
凪「え、レオー。そのパパさんとの食事って、俺も一緒に行ってイイの?」
玲王「んー…いや、お前は来ない方がいいと思う…」
凪「なんで!?(俺、レオのパートナーだよ!?)」
玲王「だってほら、ア◯エルのとこで会ったじゃん、父さんの会社の人たちと」
凪「あー、あのレオのこと逆ナンしてたモブ女.さんたち…?」
かろうじて「さん」付けしているものの、トンデモない言いようである
基本凪は「レオかレオ以外か」で生きているため他人のことをあまり覚えないのだが、一応玲王に関係のある人物としてギリギリ覚えていた情報が「逆ナンモブ女」だったのだ
玲王「だから、逆ナンとかじゃなくて、ただの挨拶くらいしかしてねぇって…」
玲王「…」
玲王はマー◯イド・ラグーンでの出来事を振り返る - 35スレ主23/11/28(火) 19:47:29
凪『あ、お姉さんたちごめんね?俺たちデート中なんだ~』
モブ女『あ、玲王さんお友達とデート中だったんですね。お忙しい時にごめんなさい』
玲王『お前と一緒にいたの言わないでいてくれたらいいんだけど…帰って父さんになんて言われるかわかんねぇ。今日ここ泊まるのは母さんとばぁやしか知らないから』
玲王「ハァ…(このタイミングで父さんが俺を食事に誘ってくるって、やっぱり凪と泊まったことが耳に入ったんだよな。てことは、凪を連れて行ったらコイツまで怒られる…)」
スマホの画面を見たまま固まってしまった玲王を見た凪は、心配して声をかける
凪「…どしたの?レオ。パパさんとの食事、行きたくないの?」
凪「(やっぱ俺と二人っきりで過ごしたいのかな?わかる〜)」
凪は浮かれていて玲王の配慮など気づかない
玲王「凪、あの、さ…」
一緒に行ったら凪も怒られるかも知れない
でも、一人で行きたくない、本当は凪にもついて来て欲しい玲王
凪に正直に話してパパさんとの食事について来てもらう?
それとも、凪が怒られないよう一人で行く?
もしくは…?
玲王の発言を下3レスから🎲 - 36二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 19:50:17
凪に隠し事はしない。正直に話す
- 37二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 20:42:24
また凪が怒られないように1人で行こうとする
- 38二次元好きの匿名さん23/11/28(火) 21:35:34
凪についてきてほしいってお願いする!
- 39スレ主23/11/28(火) 21:58:10
- 40スレ主23/11/29(水) 00:32:59
玲王「…スゲェ、言いづらいんだけど…」
凪「何?(やっぱ『鎖骨へのキスマ講座』受講したくなった?)いいよ。レオのお願いなら、いつでもウェルカムだから。何でも言って?」
凪は再び当人比スパダリ要素強めの真剣な表情で玲王を見つめるが、またしてもその表情筋はほぼ(以下同文)
玲王「(ほんとに、話してもいいのかな…。でも、凪には隠し事したくないし、母さんだけじゃなくて父さんにもちゃんと俺の凪への気持ちを理解って欲しいんだよ…)」
玲王「…っ」
凪「…(おや?)」
珍しく言葉を詰まらせる玲王を見た凪は、暴走のエンジンがかかり始める
凪「…レオ、俺とレオの仲でしょ?言えないようなコトなんて、何もないよ。レオが(キスマ講座受講したいって)そー思ってるんなら、もちろん俺だって同じキモチだし」
玲王「えっ?(た、たしかに…凪との関係にやましいことなんてないし、凪も父さんに俺たちのことちゃんと話したいって、俺と同じこと思ってくれてる…?)」
凪の言葉を聞いた玲王は、凪が自分の言わんとすることを理解して、また、自分と同じ気持ちでいてくれたことを知って感動した - 41スレ主23/11/29(水) 00:38:29
玲王「あっ、う、嬉しい…!良かったぁ」
凪「えっ?」
玲王「ワリィ、こんなの、俺の問題なのにな…。お前にこんなことまで頼っていいのかわかんなくってさ。ほんとなら、俺からちゃんとお願いしなきゃいけなかったのに」
凪と気持ちが通じ合っていたことに喜び、安堵した玲王は、少し頬を赤らめてホッとした表情を見せる
凪「…(あー、もー何?つまり、さっきの『ルーちゃんへキスマ付けて』とかいうトンチみたいなパスはただの照れ隠しで、ほんとはレオも俺とシたかったんだ?OK,BOSS。やっぱレオってさ、純粋培養御曹司で根がマジメで超がつくほど良い子でさ…!マジで理想の恋人じゃん。俺の恋人にしたい…!って、ああもう恋人なんだっけ)」
凪はその口元を素早く手で覆い隠す
玲王が恋人であるという事実に、顔を見せられないほどニヤけてしまっていたからだ - 42スレ主23/11/29(水) 00:45:38
玲王「…?(凪、やっぱりこんな急に父さんと真面目な話するのなんて、さすがに緊張するよな…)」
玲王「大丈夫?ほんとに、俺と一緒に(食事に)行ってくれんの…?」
凪「ッ!?(『俺と一緒にイってくれんの…?』だとッ!?)っあ、っ、あ、当たり前じゃん…!俺が一緒にイかなきゃ、誰がレオとイくの?」
玲王「っ、凪…!」
凪の熱い言葉に、玲王は瞳を揺らす
凪「(いや、ちょっと俺が先に暴走するかも知んないし、レオのこともちゃんとイかせられるか分かんないけど…)俺もレオも、二人とも気持ちよくなれるように精一杯頑張りマスッ!!」
かつてないほどのやる気を見せ、瞳にハイライト増し増しで良い返事をした凪を見た玲王は、さらに感動する
玲王「〜〜っ!!ありがとうっ!凪、大好きっ!」
凪「グフゥ……」
太陽のように輝く満面の笑みで玲王から感謝された凪は、危うくその場で尊死しそうになった - 43スレ主23/11/29(水) 00:57:39
玲王「(気持ち良く…か。父さんに胸の内を明かして、二人でスッキリしようってことかな)」
玲王「うん、いつまでもモヤモヤしたままじゃダメだよな!俺も早く凪と気持ち良くなりたい」
凪「ブフォッ!(バカッ!朝から暴発するだろッ!)じゃ、じゃあ、早速(ベッドに)行く?」
凪は玲王の気が変わらないうちに、と、急いで椅子から立ちあがろうとする
玲王「え、いや、さすがにまだ早いって…。だって、今メシ食ったばっかだし(父さんと会うの昼食時だぞ?)」
凪「え?あー(確かに食後すぐの激しい上下運動は良くないのかな。レオ『座ってたら牛になる』とか昨日言ってた気がするケド…)」
凪「じゃあ、ちょっと休憩してからにする?でも、それだと(チェックアウトの)時間に間に合うかな」
凪が心配そうにキョロキョロと時計を探す
玲王「ん?大丈夫だろ。(父さんとの待ち合わせに遅れないよう時間気にしてくれてんのか…)場所は移動するけどさ、ここからそんな遠いとこじゃないと思うし」
凪「えっ!?(セッのために)こっからわざわざ移動すんの!?」
玲王「うん…(食事の)場所、こっちで決めちゃっていいよな?」
凪「え、ああ、も、もちろんいいよ」
凪「(そ、そっか…レオって初めての場所にはこだわりたいタイプなんだった。ディ◯ニーのホテルでも嫌だったのかな。さすがだな、金持ちは…一体どんな場所でイこうとしてんだよ…?)」
凪は日本一実家の太い御曹司の底知れないスーパー金持ちっぷりに、慄いていた
凪「レオがイきたい場所、決めて?」
玲王「オッケー、わかった」
凪と玲王withパパさんの勘違い会場となる食事場所🍴
どこになったの?下3レスから🎲 - 44二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 01:07:55
プリンが美味しいことで有名なちょっとお高めの老舗喫茶店
- 45二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 01:13:59
有名3つ星ホテルのランチ
- 46二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 02:05:34
個室の日本料理店
- 47スレ主23/11/29(水) 02:18:15
- 48二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 12:40:10
凪くんが暴走しませんように…
- 49二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 12:46:37
ここの凪だぞ?暴走するでしょ
- 50二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 12:47:45
またすれ違ってる…
誰と、どこで 何のために 何をどうするのか
ちゃんと口に出して言いなさい! - 51スレ主23/11/29(水) 17:41:34
通常運転ですれ違う二人だが、そのことにはもちろん両者とも気づかない
凪「俺…(どんな所でセッするのか)ドキドキするよ」
玲王「ん、凪、俺も。さすがにちょっと、緊張するよな…こんなあらたまって(父さんと話)するの、さ…」
困ったように笑う玲王を見て、凪は妄想が膨らむ
心臓がバクバク、誠士郎もヤバくなりそうだった
凪「ご、ごめん…レオ。俺、ちょっとシャワー浴びてこよっかな…(暴発しないように)」
玲王「あ、うん…(父さんに会うから身だしなみ整えてくれんのかな)ありがと。時間も気にしてくれたり、凪も色々と気合い入れてくれてるんだな」
凪「うん、気合いって言うか…(誠士郎に)カツ入れてくるね」
玲王「おう!いってらっしゃい」
玲王に笑顔で見送られながら、凪はシャワールームへと消える
そして色々あった最高級スイートの部屋とホテルのキャスト達に別れを告げ、ばぁやの迎えのリムジンでディ◯ニーを後にした
ばぁや「坊ちゃま、誠士郎様。楽しい時間をお過ごしになりましたか?」
凪「うん、超楽しかった!ね、ジェラくん」
玲王「だな、また一緒に来ようなー。ルーちゃん」
二人は膝の上に乗せていたジェ◯トーニとステ◯ルー、そして凪から渡された花のアレンジメントや仮装の衣装など、たくさんの荷物をばぁやに預けて、そのままパパさんの指定した有名3つ星ホテルに向かう - 52スレ主23/11/29(水) 17:46:55
白宝の制服に身を包んだ二人は、ビジネス街にある落ち着いたTHE大人な雰囲気の高級ホテルへと到着した
凪「…っ、ここ?レオのイきたい場所って(なんか、高そうなホテルだけど…わざわざここで?)」
玲王「そう…まぁ(あー、やっぱ緊張すんな…)」
大きな回転式のドアをくぐり、中へと入る
二人は白宝祭の振替休日だが、平日ということもありロビーにはビジネス客がたくさん行き交っていた
凪「部屋とかもうとってんの?」
玲王「…うん(個室だと思う)」
凪「(やば…レオ、緊張してる?なんか俺まで緊張すんだけど…)」
凪は玲王と大理石張りの通路を歩きながらも、玲王の緊張が伝播したのか手と足が一緒に出そうになっていた
御影「凪、無理だったら、お前は座ってるだけでいいからな…」
凪「へ?」
凪「(お、俺にマグロになれってこと…?)」
凪「いや、何言ってんの。(セッは)二人の問題でしょ?俺にもちゃんと参加させてよ」
玲王「…わかった。お前の気持ちは、ほんとに嬉しい。ありがとう、凪」
凪「??」
凪「(初セッ前ってだけで…あのレオがこんなにナーバスになるのかな?)」
朝から謎のテンションで暴走していた凪だが、シャワーで誠士郎にカツを入れたことで少し冷静に考え始めていた
凪「(やっぱ、昨日の今日で無理に色々進めたらダメかな…とりあえず、レオが緊張しないようにリラックスさせてあげなきゃ)」
全然すれ違いは解決していないままだが…このままパパさんと会って大丈夫だろうか
とりあえずなんとか玲王をリラックスさせてあげよう
凪は玲王に何をした?下3レスから🎲 - 53二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 19:52:17
手をぎゅっと握って「大丈夫、俺もすごいドキドキしてる…」と安心させてあげる
- 54二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 20:38:30
ハグして背中ぽんぽん
- 55二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 20:40:41
ディ◯ニーデートの思い出を振り返りする
- 56スレ主23/11/29(水) 21:15:22
- 57スレ主23/11/29(水) 22:01:57
二人はエレベーターに乗り、玲王が最上階のボタンを押す
凪「(なるほど…高層ホテルの最上階での初セッがお望みなんだ。意識高いレオらしいなぁ)」
エレベーターに同乗していた人々が次々と降りて行き、二人だけになったタイミングで凪は玲王の手をぎゅっと握った
凪「レオ…」
玲王「凪?」
凪「大丈夫、俺もすごいドキドキしてる…」
そう言って玲王の手を自分の左胸に当てて、緊張しているのは玲王だけではなく自分も同じなんだと伝えることで、凪は玲王を安心させようとした
玲王「…凪、俺…(父さんとの話し合いが)ちゃんと出来るか、ほんとは心配なんだよ」
二人だけの空間になったことで、玲王は不安な胸の内を凪に吐露する
凪「そんなの、俺に任せてよ!ちゃんとリードするから。レオこそ何もしなくても良いよ(いや、そりゃもちろんそのうちあんなことやこんなこともして欲しいけどさ)」 - 58スレ主23/11/29(水) 22:08:12
凪は妄想に耽りながらも、ガラス張りのエレベーターから落ち葉の舞う秋の街を見下ろした
そして、自分の胸に置いていた玲王の手を両手で温めるようにして再び握り込む
凪「何があっても、外がどれだけ寒くなってもね、俺の恋心は冷めないよ。だから安心して?レオ」
玲王「凪…」
ポーン!
従業員「こちら、最上階フロアでございます」
良い雰囲気になった時にエレベーターのドアが開き、二人は慌てて手を離して違う方を向く
従業員「御影様、どうぞこちらへ」
玲王「ありがとうございます」
凪「え、レオ、ここよく来るの?」
玲王「昔から家族でよく来てるからな…」
凪「そ、そんな思い出の場所ですんの…!?(セッ)」
玲王「…うん、それが希望らしい」
凪「(らしい?)」
従業員の先導で、ワインやシャンパンのボトルが高く並べられているガラス張りのレストランへと案内される - 59スレ主23/11/29(水) 22:14:39
凪「(あれ、ここってレストランだよね?ホテルの部屋じゃないの…?)」
夜はバーとして使われてそうなカウンターや、たくさんの間接照明、大きな観葉植物、低めのソファーセットがいくつもある広い店内を抜けて、一番奥の席へと促される
凪「ここ、レストランだよね?他に誰もいないんだ」
玲王「うん、貸切にしてんのかな。やることがいちいち大げさだよな、ほんと」
凪「?」
10人は座れそうな一際大きなソファーに座る誰かの後ろ姿が見えた
玲王「父さん、来ました」
玲王『「近くまで来てるから、昼に一緒に食事でもどうか」って』
凪「あ」
ここで凪はようやく思い出す
玲王がパパさんから食事に誘われていたことを
玲王父「やぁ。誠士郎君も、よく来たね。今日は来ないかと思っていたよ」
凪「!(パパさん…レストラン…てことは、今までのレオとのやり取りって、もしかして俺またなんか勘違いしてたの…?)」
玲王との初セッに浮かれていた凪は勘違いの事実を認めたくなくて、頭がうまく回らなくなってしまう
凪…とりあえずパパさんに挨拶しとこうか
凪のパパさんへの挨拶を下3レスから🎲 - 60二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 00:33:28
パパさんこんにちは。パートナーなんだから来るに決まってるじゃないすか!
(凪のパパさんへの口調どんなだっけ…?ダイス当たったらいい感じに改変してほしいです) - 61二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 01:18:08
あ、えと、コンニチハパパサン(カタコト)
- 62二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 01:26:27
ま……またおあずけかよ!!!?!(こんにちはパパさんいいお天気ですね)
動揺で本音と建前が逆になる - 63スレ主23/11/30(木) 11:05:28
- 64スレ主23/11/30(木) 12:25:48
凪「(初セッの流れじゃなかったんだ…?)」
凪は動揺した
凪「(嘘…だろ、シャワーまで浴びて、何度もレオと緊張を分かち合って、励ましてきた俺の数々の言動は…全部…全部目の前の🍮大好きおじさんとの昼食のためだったってコト…?)」
凪「あ、えと、コンニチハパパサン」
なんとか挨拶をしなければ、と、凪は口から言葉を捻り出すが、初セッの流れではなかったショックからカタコトになってしまう
玲王「(ああ、凪…やっぱり)」
そんな凪をチラリと横目で見ながら、自分達と食事をするためにわざわざホテル最上階のレストランを貸切にするような父親と話をするのは、やはり緊張するのだろうと、ここに凪を付き合わせてしまったことに玲王は罪悪感を感じていた
玲王「(早く話を終わらせて、凪と帰ろう)」
玲王「父さん、なんの用で」
凪「やー、パパサントイッショニショクジガデキルナンテ、コウエイデスネ」
玲王「?」
玲王の言葉を遮るようにして凪が話す
しかし、依然としてその口調はカタコトのままだった - 65スレ主23/11/30(木) 12:32:16
玲王父「ハハ、誠士郎君と食事をするのは白宝の模擬店以来かな?」
凪「ソウデス…アノ時のメイドレオは、カワイカッタデスネ…あ、イマモダケド」
玲王父「君が撮った写真ね、あの後くれたデータを使ってポスターにしたんだよ。妻とばぁやからも好評だった。我が家の来年のカレンダーにでもしようかな」
凪「ワー、ソレはゼヒ、オレニモ一部クダサイ」
玲王父「じゃあ100万円」
凪「マタ借金ジャナイデスカァー」
玲王「ちょっと!父さん!」
玲王父「どうした、玲王。大きな声を出すなみっともない」
玲王「っ、こんなとこまで俺と凪を呼んだのは、話があるんだろ?」
玲王父「なんだ、分かってるんじゃないか」
話し合う三人のテーブルに、次々とランチの料理が運ばれてくる
玲王父「玲王と誠士郎君が遊んでいると俺の耳に入ってね。調べてみたら昨日は二人だけでホテルに泊まった、と」
玲王父「楽しかったかい?」
玲王「…(やっぱり、そのことか…)」
嘘をついても仕方ない
玲王は正直に話そうと覚悟を決める
玲王父「まわりくどいのは好きじゃない。だから単刀直入に聞こう。誠士郎君、玲王に何かしたのか?」
パパさんから直球ストレートが投げ込まれる
果たして…凪の回答は?下3レスから🎲 - 66二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 12:40:59
カタコトなことを除けば割と楽しく会話出来てて笑っちゃったwww
安価なら
誓って一線を超えるようなことはしていません(事実) - 67二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 13:07:07
何もしていません
- 68二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 14:23:48
何かって例えば何ですか?
- 69スレ主23/11/30(木) 15:15:22
- 70スレ主23/11/30(木) 18:52:34
凪「何もしていません」
凪は急にカタコトから素面に戻る
少しずつ脳が通常モードに戻り、外堀を埋めなければと思っている…のかも知れなかった
玲王父「何もしていない…そんなことあるのか。好き合ってる者同士が同じ部屋に泊まっておいて」
玲王「父さん!」
玲王父「俺は人を見る目があると自負している。誠士郎君の模擬店での様子や、あの写真に映る玲王の表情を見ていたら分かってしまったんだよ。二人がお互いを特別な目で見ていると」
玲王「…っ」
玲王は関係を素直に打ち明けようと思いつつも、いざパパさんからそう言われると恥ずかしさで顔を赤くしてしまった
凪「…(どうしよう)」
凪の目の前には皿に乗ったオマール海老のグリエが置かれている
凪「(食べ方が…わかんないんだけど)」 - 71スレ主23/11/30(木) 18:56:09
凪「レオー、この海老…殻ついてるんだね」
凪はきゅるるん顔で助けを求めるようにして玲王を見つめる
玲王「え?ああ、これはな、まず殻から身を外すんだよ」
凪「ほぇー、さっすがレオ」
玲王父「最初からパートナーだと言われたしね。そんな気はしていたんだ。しかし玲王、お前の夢への情熱はそんなものか?」
玲王「…どういう意味?」
玲王は凪の皿のオマール海老から視線をパパさんへと戻す
カチャカチャ…
凪「レオ〜、これ全然剥がれないよ〜?」
凪はナイフとフォークを持ってオマール海老の半身と格闘しているが、上手くカット出来ずに身がグチャグチャになってしまっていた
玲王「もぉー、しょうがねえな。俺のと取り替えてやるよ」
玲王がササッと自分の皿と凪の皿を交換してやる
凪「ありがと、レオ。大好き」 - 72スレ主23/11/30(木) 19:04:25
玲王父「…サッカー選手になってW杯優勝したいと言いつつ、こうして誠士郎君と毎日(イチャイチャ、ベタベタと)遊んでばかりじゃないのか?」
玲王「…何がダメなの?成績だって下げてないし、サッカーの練習も毎日して、父さんの取引先との会食だってちゃんと出てる」
ガチャガチャ…
凪「ねぇ、外し方わかんないから殻の上から直接切ってもイイ?」
玲王「ダーメ、やってやるから待てって…えっと、何だっけ。とにかく、それ以外で俺がどこで誰と何をしてたって、そんなの俺の自由じゃん」
玲王はパパさんと話しながらも、フォークで海老の頭側の殻を押さえ、ナイフを殻と身の間に深く入れて、頭から尾の方へナイフをスルスルと動かしながら綺麗に身を剥がしていった
凪「うわ、レオうまーい。凄いね」
玲王「だろ?」
玲王父「…」
キラキラと瞳を輝かせて凪と楽しそうに話す玲王を見たパパさんは、幼き日の玲王のことを思い出す - 73スレ主23/11/30(木) 19:09:13
玲王『うわー、パパすごいね』
玲王『パパは世界一カッコいい!』
玲王『将来は父さんみたいな、一流のビジネスマンになる!』
玲王父「…そうやって遊ぶ時間を作ろうとして、予定を詰め込んで体調でも崩したらどうする」
玲王「俺だって、その辺の配分はちゃんと考えてるよ」
玲王はナイフで殻を押さえて、フォークで外した身を刺して皿の手前側に置いてやる
玲王父「プロのアスリートになりたいのなら体調管理は基本だろう。若いからと言って欲張って無理をして、本来の目標を追えなくなったら意味がないと言っているんだ」
凪「あーん」
凪が待ちきれないと言ったふうに口を開けて、玲王を見つめた
玲王「ぷはっ、凪!もぉー、笑わせんなよ。雛鳥かよお前は」
凪「えー、いいじゃん。笑っといてよ。レオは笑顔が一番可愛いんだから。ねぇ?パパさんも、レオは笑顔が一番だって思いますよね」
パパさん…どう思いますか?
パパさんの返事を下3レスから🎲 - 74二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 20:53:20
親の前でイチャイチャするんじゃない!!!!
- 75二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 21:38:38
そんなの当然だろう
- 76二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 21:41:03
勿論笑顔が一番だ...誠士郎くん、玲王を悲しませたり困らせたりしていないか?
- 77スレ主23/11/30(木) 22:04:58
- 78二次元好きの匿名さん23/11/30(木) 22:06:24
怒っちゃった・・・・・
- 79スレ主23/12/01(金) 04:48:18
凪はどこかで甘く見積もっていた
玲王父『分かってしまったんだよ。二人がお互いを特別な目で見ていると』
凪「(なーんだ、パパさん俺とレオの関係に気づいてたんだ…じゃあもう隠す必要もないか)」
それならば、と、通常運転の自分達、その仲の良さを見てもらえればこのラスボスも納得するだろうと思い、凪はいつも通り玲王に甘えてみた
数千億単位の金を動かすこのスーパー社長が、自分達が多少イチャついたくらいでまさか大人気なく怒ったりなどしないだろう、とタカを括っていたのだ
ところが…
玲王父「親の前でイチャイチャするんじゃない!!!!」
凪「うぇ!?」
玲王「!」
そのまさかであった
二人は猫のように毛を逆立てて、互いを守るようにヒシッと身を寄せくっつき合う
先程「大きな声を出すなみっともない」と玲王に言ったのはどの口だったのか
しかしスーパー社長も社長である前に人の親
可愛い我が子が目の前でイチャつく様子には耐えられなかったらしい - 80スレ主23/12/01(金) 04:59:05
凪「ど、どこがですか…!こんなの、全っ然イチャイチャのうちに入ってませんよっ!」
玲王父「では、普段はもっと玲王とイチャついているというんだな?」
凪「あ、いえ…普段も、全然、その、レオはガードが固…いや、純粋で、恥ずかしがり屋さんなので…」
凪はパパさんから核心を突かれたことで、分かりやすく狼狽えてしまう
しかしこの男もエゴイスト。負けてはいなかった
凪「じゃあ、逆にパパさん達の前じゃなかったらレオとイチャイチャしてもイイってことですか?」
玲王父「何?」
玲王「もぉー、あんまヘンなこと父さんに言うなって」
玲王の表情は怒ってはいるものの、頬を赤らめて少し照れている
凪「どしたのレオ、顔赤いよ。もしかして昨日のコト思い出しちゃっ…」
凪「(あ、ヤベ)」
親の前だった、と凪が慌ててパパさんを見ると、パパさんは怒るというより色々と想像してしまったのか、ガックリと項垂れていた
玲王父「…」
凪「あ、あの…ごめんなさい。俺、いつものクセで」
玲王「お前なぁ、マジで今は暴走すんなよ」 - 81スレ主23/12/01(金) 05:07:49
玲王父「…俺はね、誠士郎君」
カチャ…
パパさんが急にナイフを手に取ったことで、凪に緊張が走る
凪「ハ、ハイ?」
玲王父「玲王が可愛くて可愛くて…母さんとばぁやと一緒に、蝶よ花よと何不自由なく大切に育てすぎたのかも知れない」
パパさんはさらにフォークを反対の手に持ち、玲王と同じ手つきでオマール海老のグリエから器用に身を外していった
凪「…」
玲王父「(あの一件以来)今まで玲王に近づく輩は過剰なほど徹底的に排除してきた…玲王が気付かないうちに、ばぁやに頼んで相手に手切れ金を渡したこともある」
玲王「えー、いつだよそれ?」
玲王父「お前が気にしなくてもいい男だ」
凪「!(お、男かよっ!って、パパさんナイス手切れ金!)」
自分と玲王が出逢うまでの間、いつ恋人が出来てもおかしくないほど魅力的な玲王に、変な虫を寄せつけないでいてくれたパパさんに凪は感謝した - 82スレ主23/12/01(金) 05:13:34
玲王父「だからこの子は、17にもなって付き合うことの意味もよくわかっていない子に育ってしまったのかも知れない」
凪「ご協力ありがとうございます!」
玲王父「君のためじゃないんだよ」
凪「ハイ」
玲王父「玲王、誠士郎君を甘やかすのは結構だが、その分自分にも甘くなっているんじゃないのか?」
玲王「ッ、凪は…カンケーないじゃん…」
自分のことだけではなく、凪のことまで揶揄するように言われたことで、玲王はその大きな瞳を哀しそうに揺らす
玲王「俺が甘やかしたくてしてるんだから…凪のことは、言わないでよ」
凪「(やば…え、レオ泣きそう)レオ、俺にあーん…(してる場合じゃないか)プリンッ!誰か、今すぐプリンを持って来てくださいッ!」
凪は近くで作業していたスタッフに救いを求めるようにして声をかけた
従業員「食後のデザート、もうお持ちしてもよろしいでしょうか?」
凪「お願いします!なる早でっ!ホットコーヒー二つとレモンティーも!」
従業員「かしこまりました」 - 83スレ主23/12/01(金) 05:18:07
凪「レオ〜、あ、この海老食べる?美味しそうだよ。ほら、あーんして?」
凪はなんとかしてこの場の空気を変えようと、玲王に取り出してもらった海老の身を一口大に切ってからフォークで食べさせようとするが、玲王は首を横に振って食べようとはしてくれない
当然である。今の玲王はそれどころではないのだ
凪「…」
二人きりなら、今すぐにでも抱きしめてヨシヨシとしたいのに
膝の上に乗せて背中をゆっくりと擦って、「泣かないで」と甘やかせるのに
凪はこんな時、どう玲王を支えれば良いのか分からなくなってしまう
玲王「…父さんは何もわかってない」
玲王が独り言のようにポツリと呟いたのを、パパさんは聞き逃さなかった - 84スレ主23/12/01(金) 05:25:13
玲王父「分かってない?俺には分からないな。お前みたいな甘い考え方は」
玲王「凪は世界一のストライカーになるんだよ。俺はその瞬間を、凪の隣で見てたい」
玲王父「…」
パパさんは玲王には最高のものを与えてきたと自負していた
最高の環境、最高の機会、最高の学友
二世として、御曹司として
決して親の七光だと周囲に言われないよう
御影を継ぐに相応しい人間として育てるために
それらはすべて玲王一人のため
知恵と人脈を駆使して用意したものだった
玲王父「誠士郎君、あの時同じプリンを食べた仲だ…ここは腹を割って話そうじゃないか」
凪「ふぁ、ふぁい…?」
凪は玲王にあーんしようとして拒否された海老を自分でモグモグと食べている
玲王父「君は、玲王とどうなりたいんだ?」
ちょ…食事しに(いや、元はと言えば玲王と初セッするつもりで)来ただけなのに、なんか重い話になってるぞ
玲王とどうなりたいかって?
凪の答えを下3レスから🎲 - 85二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 10:32:49
玲王の全部が欲しい
最後まで一緒にいたい - 86二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 12:34:02
最期まで一緒にいるって約束しました
二人で一生幸せになります - 87二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 14:01:47
レオの1番になりたい
来世もずっと一緒にいたい - 88スレ主23/12/01(金) 16:14:18
- 89スレ主23/12/01(金) 17:38:03
凪「(モグモグ…ゴクン)」
凪は口の中の海老をしっかりと飲み込み、フォークを置いてパパさんの方を向く
この気持ちは、とても片手間に言えるようなものではなかった
凪「俺は、レオの一番になりたいです」
凪はパパさんの目を見てしっかりとそう言った
玲王父「一番…?」
上昇志向の強いスーパー社長は、”一番”と言う単語にピクリと反応を見せる
凪「来世もずっと一緒にいたいです」
玲王父「来世も…」
さっきまでのゆるい感じとは違う、凪の意志を持ったその言葉に、その意味に。パパさんは息を呑む
玲王父「(来世、だと…?知り合いの起業家にも占いに傾倒しているやつはいるが…俺はスピリチュアルなのはちょっとよく分からないんだ)」
御影家、サブカルにも興味なければオカルトの類にも興味は薄かった - 90スレ主23/12/01(金) 17:40:34
よもや、と思いながらパパさんが玲王の方を見ると、玲王も同じく真剣な表情で凪を見つめている
玲王父「玲王…まさか、お前も信じているのか?(来世の存在を)」
玲王「うん、(凪のこと)信じてるよ」
玲王父「(なんということだ)」
二人からの予想外の答えに、パパさんは柄にもなく言葉を失う
玲王父「(玲王…あれほど現実主義、合理主義だったお前が、来世という不確定な存在を信じるなんて…これが俗に言うマインドコントロール、というやつなのか…?分からない、そっち方面の知り合いは俺にはいないぞ。お手上げだ)」
従業員「お待たせしました。食後のデザートでございます」
ベストなタイミングで三人の目の前には船型のグラスにリンゴの飾り切りやアイスクリーム、ホイップ、果物の乗った見た目にも楽しいプリンアラモードが運ばれ、温かい飲み物とともに出された - 91スレ主23/12/01(金) 17:46:08
玲王「わー、懐かしいね、これ。昔家族でよく食べたっけ…最近は忙しくてあんまりゆっくり食事できてなかったけど」
小さい頃に家族で訪れ、その時に初めて目にしたプリンアラモードに玲王はキラキラと瞳を輝かせていたのだ
玲王「今日ここ、貸切にしたの?わざわざ」
玲王がデザートスプーンを手に取りカスタードプリンを掬って口に入れる
凪「(クソ…あーんチャンスが…今日はもう無理そうかな)」
玲王父「いや、ひと月前から予約していた。ここのプリンアラモードを食べるために俺は退屈な商談も耐えてきたんだ」
玲王「ハハ、父さんも無理しないでね」
玲王父「当たり前だ。とにかく誠士郎君、その来世…がどうとかの話は、俺には正直まだよく分からない。保留にさせてくれ」
凪「ハイ」
玲王父「あと、二人だけで泊まりに行くのはやめなさい。まだ高校生だろう。次は俺と母さんも一緒に行く」
凪「いや、それは勘弁してください…」
美味なるプリンアラモードに満足したおかげか、それとも二人のスピリチュアルな思考(誤解アリ)に畏怖の念を抱いたのか、パパさんはそれ以上二人を追及することはなかった - 92スレ主23/12/01(金) 17:56:02
パパさんとの食事を終えて店を出た二人は、ホテルのロビーを歩く
凪「ふぇー、助かったね。なんかあのプリンのおかげで…」
玲王「うん、良かった。それに、凪のおかげで今日はいつもよりちゃんと父さんと話せた気がする」
凪「えっ、そお?(俺、何もしてないけど…)」
玲王「でも父さんが家族の思い出の場所に凪も呼ぶってことはさ、凪のこと、前よりもちょっと認めてくれてんのかな」
凪「えー、だったら嬉しいけど…つーかさ、俺ら朝から食べ過ぎじゃない?移動もリムジンだったし。俺また太っちゃうかも」
玲王「えー、凪が太ったらヤだなぁ。マジでナギマックスになんじゃん」
玲王はその様子を想像したのか、凪を見ておかしそうに笑う
凪「ね、だからやっぱり今から運動しようよ」
玲王「え?いいよ。(このホテル、ジムとかプールとかテニスコートもあったよな)何の?」
何のってそりゃ、ナニだけど!
スポーツの秋(作中は11月です)凪くん言っちゃうのか?
凪の回答を下3レスから🎲 - 93二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 18:13:37
恋人同士がベッドの上でする運動だよ!
- 94二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 19:12:54
キモチいい運動だよー
- 95二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 19:50:34
俺もレオも凄っげえキモチ良くなれる運動
- 96スレ主23/12/01(金) 21:32:35
- 97二次元好きの匿名さん23/12/01(金) 21:38:54
お寿司いいな〜🍣
フードファイトがんばれスレ主 - 98スレ主23/12/02(土) 00:30:31
凪「キモチいい運動だよー」
ストレートに言うのも憚られ、凪は少し濁した表現をした
玲王「気持ちいい運動って?ランニング?あ、それともヨガとかか?じゃあ一回家帰って服とってさぁ、」
笑顔でそう言いかけた玲王の腰に凪がスッと手を伸ばす
バシッ
凪「っ、てぇ…」
平日のまだ明るい時間のホテルのロビーで、パパさんもまだどこかにいるかも知れないのに急に腰を触ってきた凪に驚き、玲王はその手を払い落とした
玲王「…何?」
凪「いや、だから、何って…ナニじゃん。俺ここにヤりに来たんだと思ってたもん」
玲王「(やりに…?)だから、何を?」
凪「ここで言わなくてもいーでしょー。だから、早く部屋とろー?」
玲王「行かない」
凪「は?なんで」
玲王「行きたくない」
凪「いや、意味わかんないんだけど」
玲王「?」
玲王はミ◯コスタからここまでの凪の言動を振り返る - 99スレ主23/12/02(土) 00:33:43
玲王「え、まさか…お前、ずっと父さんとの食事行くのに時間気にしたりシャワー浴びたりさ」
凪「うん」
玲王「俺にも参加させてとか…俺に任せてよ、とか、全部どういうつもりで言ってたの?」
凪「え…いや、(あれ、怒っちゃった?)ちゃんとパパさんとの食事のため、だけど?」
玲王「嘘」
凪「(やば)」
凪は誤魔化すようにきゅるるん顔をしてみるが、もうその手は玲王に通じなかった
玲王「嘘ついてんの、顔見たら分かるから」
凪「えー…」
玲王「俺帰るわ。バイバイ」
凪「は?俺は?」
玲王「走って帰りゃいいじゃん。走んの得意だろ」
玲王は凪の方を振り返ることもなく、早足で回転ドアから出て行ってしまった
凪「嘘…」
凪「え、ここから家まで何キロあんの…?」 - 100二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 00:39:28
アッアッ険悪な雰囲気に……😭
- 101スレ主23/12/02(土) 00:39:40
11月某日———
白宝高校 玲王のクラス
グループワーク…という名のほぼ自由時間
生徒「来週体育祭じゃ〜ん」
生徒「もうしなくていいって、推薦まであと一年だぞ…?」
推薦狙いの内部生たちも、評定を下げないよう勉強に必死だった
生徒「てか何で今年体育祭なの?うち球技大会じゃん毎年」
生徒「何でも生徒会長が玲王くんの応援団姿見たかったからとか」
生徒「私情挟みすぎだろ会長〜!」
生徒「つか三年が可哀想でしょ。受験前だよ?」
生徒「大丈夫、浪人確定ヤケクソ勢と推薦組しか参加しないって話だから」
生徒「でもやだなぁ、高三になったら一気に受験で卒業じゃん。寂しい〜」
生徒「だよねー、来月クリスマスだし恋人欲しいなー」
生徒「わかる。寒くなると人肌恋しくなるよね」
生徒「でもさぁ、男って付き合ったらヤりたがってばっかりらしいよ」
玲王「ッ、」
タブレットでグループのプレゼン資料をまとめていた玲王の手が不自然に止まった - 102スレ主23/12/02(土) 00:44:31
生徒「バカ、DKだぞ!四六時中ヤリてーに決まってんだろ!」
生徒「やだもう男子マジサイテー」
生徒「アンタは彼女もできないし浪人確定〜」
生徒「あ、玲王くんは違うからね!王子様だもん」
生徒「だよね、玲王くんはそんなコト…」
玲王「…」
生徒「「?」」
黙っているのを不思議に思ったクラスメイト達が玲王の方を見ると、その顔は赤かった
生徒「(あれ…このパターンは…)」
生徒「(いつもの、アレなのね…?)」
察しの良い玲王のクラスメイト達
しかし、ここで空気を読まない生徒が玲王に話しかける
生徒「あれ?玲王、顔赤くね?風邪?」
玲王「ち、違う違う…」
生徒「え、じゃあ何でそんなに顔あけーの?暖房効きすぎ?」
玲王「いや、じゃなくて…友達の話、思い出しちゃってさ」
生徒「(ハイ、来ました友達の話!)」
生徒「(いつもの、ね!)」
事情を察するクラスメイトたちは腕を組み、心得たような訳知り顔でウンウンと頷く - 103スレ主23/12/02(土) 00:48:12
玲王「付き合ってる相手と、その、二人で一緒にいる時とかに、さ…」
生徒「二人でいる時、に!?」
勉強漬けで常時ゴシップネタに飢えているクラスメイト達は、喰い気味に玲王の”友達”の話を促す
玲王「…ずっと、変な風に誘ってきたり、触ってくるのって、なんでなんだろうな、って」
生徒「「(ね、寝太郎〜〜〜ッッ!!?)」」
ミシッ…
その日、白宝高校は久しぶりの揺れに襲われた
凪「んぇ、地震…?」
我らの大切な玲王が寝太郎(ほぼ確)にずっと変な風に誘われて触られてるって、どーいうコトだ…?
ほぼ玲王の保護者と化しているクラスメイト達は玲王…いや、その”友達”の疑問に対してどう答えた?
下3レスから🎲 - 104二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 00:50:32
多分それはレ…友達さんのことが好きでシたいからなんじゃないかな…
- 105二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 01:01:07
その友達、恋人にいやらしい目で見られてると思う
許すと間違いなく食べられちゃいますよ - 106二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 01:05:28
恋人なりの性交渉だと思うけど、友達がそれをどう思ったかが重要かと
- 107スレ主23/12/02(土) 01:18:42
- 108二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 01:30:21
凪ちゃんと走って帰ったのかな?w
- 109スレ主23/12/02(土) 03:02:30
生徒「んー、きっとそれは…ね」
玲王「?」
恥ずかしそうに斜め下を向いていた玲王が、クラスメイトの声に顔をあげる
少し頬を赤らめたまま瞳を揺らし、グッと答えを待ち望むその表情は、クラスメイト達もほとんど見たことのないような”恋する乙女”の表情だった
生徒達「「(寝太郎…ッ!クッソうらやましいだろ…ッッ!!)」」
生徒「オホン、えーっと…その友達の、ね。恋人なりの性交渉だと思うけど…友達がそれをどう思ったかが重要かと思うわよ」
玲王「…どう思う?」
玲王がコテンと、無自覚に首を傾げる
生徒達「「(か、かわええ〜!)」」
あどけなさすら感じる玲王のその純粋な反応に、勉強に疲れたクラスメイト達の心は癒された
生徒「そう!恋愛はキモチが大事だから!」
生徒「そうよ!どちらか一方だけが想っててもダメなの…」
玲王「じゃあ…したくないことは、断っても、いいんだよな…?」
生徒「あったりまえじゃん!!」 - 110スレ主23/12/02(土) 03:05:41
生徒「(オイオイオイオイ…寝太郎、玲王に普段何やらせてんのマジで?)」
生徒「(玲王くんがこんなに悩むとか、絶対フツーじゃないよ…)」
クラスメイト達は今すぐにでも凪をここに呼びつけて、『議題:凪誠士郎の御影玲王に対する行為について』をディスカッションしたかったが、これ以上はあくまでも二人のプライベートの話
直接アドバイス出来ない事をもどかしく思いながらも、こうして友達の話として玲王がしてくれるなら、それを介してアドバイスをする事で二人を見守りたいと思っていた
玲王「わかった…今度からちゃんと言ってみることにする。あ、友達が、な」
生徒「うん、友達によろしく伝えといて!いつでも相談にのるって」
玲王「ありがとう」
玲王はいつもの如くフワッと花が咲いたように笑う
凪「ねぇー、ちょっと!その顔俺以外に見せちゃダメなんだって!」
玲王&生徒達「「うわッ!?」」
例の如くこの男も玲王の教室にやって来ていた - 111スレ主23/12/02(土) 03:09:36
話に夢中だったが、いつのまにか昼休みに入っていたらしい
玲王「っ、あ、凪?」
凪の話をしていて急に本人が現れたので、玲王は驚いてしまう
生徒「寝太郎また出たー」
生徒「最近来すぎじゃない?」
凪「(だって最近レオ、全然俺のこと迎えに来ねーんだもん…)」
そう、いつもは昼休みや放課後など必ず玲王が迎えに来てくれていたのに、ホテルのロビーでのあの一件以来、部活中も事務的な会話のみで、昼休みも、やれ教師に呼ばれた、やれ用事があるだのと言って、距離を置かれていた
凪「今日こそは行こーよ、一緒に昼めし」
玲王「…わかったよ」
クラスメイト達に相談したこともあり、玲王はちゃんと凪と向き合おうと思い昼食の誘いに乗ることにした
生徒「(頑張れ玲王…!)」
生徒「(負けないで玲王くん…!)」
クラスメイト達からの心のエールをその背中に受けながら、玲王は凪と教室を後にする - 112スレ主23/12/02(土) 03:16:21
凪「購買でなんか買ってから屋上行く?」
玲王「(二人きりになったら…また流されそうだな)あー…いや、外さみーし、たまにはカフェテリア行かね?俺奢るからさ」
大きな窓から自然光が差し込む気持ちの良いカフェテリア
外にはオープンテラスもあり、中等部から高等部、また来客や教員達も利用する広大な食堂である
各テーブルには既にグループ、コミュニティが出来ている
凪「俺ここ来んのはじめてー」
安くて栄養価の高い食堂のメニューは一人暮らしの凪には打って付けだったのだが、以前までの凪は食への興味がゼロに等しかったため利用したことがなかった
玲王「お前、いっつも購買のパンだっけ?買いそびれたりしたことねーの?」
凪「え、だいたい机にもパン入ってるし、足りなかったらロッカーにゼリー飲料入れてあるよ」
玲王「…」
玲王は凪が自分と出逢うまでのあまりの食生活のヒドさに、あらためて絶句する
玲王「今は部活もしてんだから、そんなので足りねーだろ?ちゃんとした弁当買うか、ここで日替わりメニューとか食べるようにしなきゃな」
凪「うん。あ、でもさ、手作り弁当とかって…いいよね」
玲王「そうそう、お前自炊してんなら自分で弁当作れんじゃん?」
凪「…」
玲王「あ、何食う?」
さて、凪の初のカフェテリア
二人はそれぞれ何のメニューを注文した?
下3レスから🎲 - 113二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 08:35:42
凪→オムライス
玲王→ペペロンチーノ - 114二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 09:57:01
凪はえび天そば
玲王はきつねうどん - 115二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 10:48:55
玲王→コーヒーとクラブハウスサンド
凪→レモンティーとフレンチトースト - 116スレ主23/12/02(土) 11:41:28
- 117スレ主23/12/02(土) 18:20:38
凪「えー、じゃあ海老天そば」
凪は玲王に海老天そばをリクエストする
「またレオの口に海老天をあーんしたい」という邪な気持ちがない、と言ったら嘘だろう。というかそれ狙いだった
玲王「ぷはっ、お前好きだな〜海老天」
凪「この前は誰かさんのせいでぐちゃぐちゃになった海老天しか食べれなかったもんね」
玲王「え」
メニュー表を見ていた玲王は凪の方を見て固まる
凪「だから、ちゃんとサクサクしたのが食べたくなっちゃった」
玲王「…」
凪「ん?」
固まっていた玲王が口を開く
玲王「あれって…俺のせいかよ」
凪「え、そうじゃないの?」
玲王「…あの時食うのが遅くなったのは、お前が鼻血出したり、俺のこと後ろから襲おうとしたからじゃねーの?」
凪「は?(襲う?)いや、なんで?鼻血は不可抗力だし、後ろからしたあれは…襲ったりとか、そんなつもりじゃなかったから」
玲王「…?」
「じゃあどんなつもりだよ」と言いかけたその時
凪「あ!」
玲王「!」
急に凪が大声を出したので玲王は驚く - 118スレ主23/12/02(土) 18:25:57
凪「大変だレオ…」
玲王「…な、なんだよ」
凪「あのホテルのバスローブ…買って帰んの忘れてた…」
凪はあまりのショックからミッ◯ィー口になり、顔を青くしていた
玲王「(そんなにショック受けるようなコトかよ。ビビらせんなって…)あー、あのフワフワなの、気に入ったんだっけ?」
凪「うん、アレ着てるレオ超気に入った」
玲王「…(最近のコイツ…マジでこんな話ばっか)」
口を開けばすぐそちらに話を持っていくような凪に、玲王は疲れてしまう
凪「あ、レオは?レオも海老天にする?」
玲王「…きつねうどん」
凪「きつねうどん?可愛い〜」
玲王「(可愛い?)」
凪「レオ、最近マジでうどん好きだね」
玲王「ハマったからな。結構色んなとこのうどん食べてる」
凪「えー、じゃあ今度レオの作った美味しいうどん食べたい。それか、もっかい俺んち来て俺の作ったうどん食べる?」
凪はいつも以上に玲王との約束を取り付けたがった
なぜなら、あれ以来デートはお預け
二人きりになることを避けられていたため、玲王が凪の家に寄ることも勿論なかった
玲王…凪がおうちデートの約束取り付けたがってますけど
何て返事をしよう?
玲王の返事を下3レスから🎲 - 119二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 19:06:49
「そのうちな」と誤魔化す
- 120二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 19:13:55
…本当にうどん食べるだけか?
- 121二次元好きの匿名さん23/12/02(土) 20:03:50
とか言ってまた変なコトしようと思ってるだろ
- 122スレ主23/12/02(土) 20:14:59
- 123スレ主23/12/03(日) 02:04:24
玲王「そのうちな」
そう言って玲王は凪からの誘いを誤魔化した
凪「…また?」
玲王「何がだよ」
凪「いや、最近いっつもそーじゃん。何で家来ないの?」
玲王「…壁、薄いから?」
玲王は少し苦しい言い訳をしてしまう
凪「(はぁ?)じゃあレオんちなら行ってもいいの?」
玲王「それも無理じゃね?せっかくこの前父さんとの話し合いが平和に終わったんだからさ。ホテル泊まったのもバレてたし、しばらく大人しくしてようぜ」
凪「それレオが俺と一緒にいたくないだけじゃないの」
ピリッと二人の空気が張り詰めた
その瞬間———
職員「ハイッ!天ぷらそばときつねうどんのお客様〜!!」
凪&玲王「「!!」」
食堂のおばちゃんの威勢の良い声によって、その緊張した雰囲気が崩れる - 124スレ主23/12/03(日) 02:23:50
玲王「…ちょっと離れた席行こうぜ」
凪「うん」
なるべく人に聞かれない所でゆっくり話をしたい玲王は、丼の乗ったトレーを持って凪を先導する
カフェテリアの中でも比較的人の少ない奥の窓際の席へと移動した二人は、長いテーブルの端に向かい合うようにして座った
凪「なんでこんな端っこまで来たの?(俺はこっちのが嬉しいけど)」
玲王「んー、凪とナイショの話、しよっかなって」
凪「え!ナ、ナ、ナイショの話って!?何それっ…!」
玲王からの「ナイショの話」という魅惑的な言葉に、凪のテンションは急上昇し、テーブルに身を乗り出す勢いでその話に食いつく
玲王「あのな…俺ら二人についての、大事な話、なんだけどさ…」
凪「うん…!(大事な話って!?結婚!?初セッ!?)」
改まった様子で少し言いづらそうにする玲王を見て、その内容を想う凪の期待は高まっていた
玲王「…」
俯いていた玲王が、大きな瞳を縁取る睫毛を震わせながら、ジッと凪を見据える - 125スレ主23/12/03(日) 02:37:27
凪「〜ッ!(可愛すぎるだろって…!)あ、あんまり見ないでよ、レオ…!(照れるからっ)」
見つめてくる玲王とは逆に、凪は目を逸らしてしまう
玲王「うん…そう、あんまり」
凪「あんまり…?」
玲王の声色に違和感を覚えた凪は、視線を玲王に戻した
玲王「あんまり、くっついたりとか、そーいうのは…ちょっとやめね?って」
凪「…は?」
その凪の大いなる期待とは反対に、玲王の「ナイショの話」は凪にとってはシ刑宣告に等しかった
凪「いや…は?何ソレ…無理…」
凪の天才的頭脳は玲王の言葉の意味を解読することを拒否し、語彙力は著しく低下する
玲王「無理じゃない。するの」
凪「…っ(めんっどくせぇ…!急にまた何言い出すんだよッ!?)」
凪は叫び出しそうになる気持ちをグッと堪え、なんとか目の前の御曹司に自分の気持ちを伝えようと試みた
凪「あの、ね…レオ?俺にレオに触るなって言うのは、たとえばレオの目の前に超美味しそうなイチボのステーキがあるのに、それを『食べちゃダメ』って言われるのと同じようなコトなの。分かる?」
凪は子どもでも分かるくらいに噛み砕いて、自分の気持ちを玲王に伝えた
玲王…この凪の喩えはどうなんでしょうか
玲王の返事を下3レスから🎲 - 126二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 03:53:51
ただ食いたいだけってコトかよ…
聞こえないくらいの声で呟く - 127二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 06:22:09
凪はさ、俺のことを何だと思ってるの
- 128二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 07:07:49
学校では我慢しろよ!
学校以外では俺に聞いてからにしてくれよな - 129スレ主23/12/03(日) 11:55:13
- 130二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 12:46:08
凶!!!!!!!
- 131スレ主23/12/03(日) 13:23:54
玲王「ただ食いたいだけってコトかよ…」
凪「えっ?」
聞こえないくらいの声で呟いたため、凪に玲王の発した言葉は届かない
凪「ねぇ、今なんか言った?」
玲王は黙って首を横に振る
「絶対言ったでしょ」と凪は問いたかったが、自然光が射し込む窓際で秋の陽光が玲王の揺れる紫の髪に反射し、その度にチカチカと光っている様子に凪の目も心も奪われてしまった
凪「(ほぇー…)」
玲王「何も言ってない。早く食べよ。いただきます」
玲王は行儀良く手を合わせ、美しい所作で箸を手に取る
凪「…ねぇ。確認だけど、『ちょっとやめね』のちょっとって、どのくらい?」
玲王「ん…別に、どのくらいとかじゃなくってさ、時と場合によるって言うか…いつでもどこでもそう言う風な話ばっかすんのはやめよ、ってコト」
凪「は?なんのために?(わざわざ我慢すんの?)」
玲王「え?そりゃ恥ずかしいし、周りの目とかもあんじゃん?(こんなの…言わなきゃわかんねえのかな)」
凪「フーン。じゃあ、どーいう時ならイチャイチャしてもいいの?」
玲王「どーいう時って…だから、俺が『いいよ』って言った時、とか?」
凪「〜〜ッッ!?(俺は犬かよッ!?)」
凪は再び叫び出したい気持ちになった - 132スレ主23/12/03(日) 13:31:08
凪「くっ…!」
玲王「…?」
凪「(たしかに、さ…この前ホテルの朝食の時に、『縄張り意識強い』とは言ったけど…俺は犬じゃねーよ!狼だ!狼には『待て』なんか出来ないんだよ…っ!)」
凪「ウォォーン…」
凪は玲王に教わった狼の鳴き真似をしながら、ダラッと脱力して目の前のテーブルに頬をくっつけて伏せる
玲王「こらっ!飯の時に行儀ワリィことしねぇの」
玲王が呆れたように凪を見た
凪「むーりー。俺は狼だから人間の言葉はわかりませーん。一人じゃ起きれないし、誰かがフーフーして優しく食べさせてくれないとご飯も食べれないかもー」
玲王「フーフー、フーフー、フーフー」
凪「…!?」
テーブルに伏したままだった凪の耳に、玲王が何かを冷ますようにフーフーしている息遣いが聞こえてくる - 133スレ主23/12/03(日) 13:36:45
凪「レオっ!?もしかして、俺のためにフーフーして…」
パッと顔を上げた凪のその目に映ったのは、自分のために蕎麦を冷ましてくれていたのではなく、耳に髪をかけてフーフーしたうどんを啜りながら上目遣いでこちらを見ている玲王だった
玲王「ん?」
凪「あ、ありがとうございますッッ!!」
ザワッ…
凪の声にカフェテリアが一瞬ザワつくが、昼食時ということもありすぐに元の騒がしさに戻る
玲王「〜ぐふっ!えほっ!ゲホッ!?」
凪の急なクソデカボイスに動揺した玲王は思わずうどんが気管に入りそうになり、えずいてしまった
玲王「はぁっ、はぁ…うるせぇな…マジで。お前といたら、静かにうどんも食えねーよ」
凪「退屈しないでしょ?てか、レオがそんな危険なモン食べてるからじゃん」
玲王「え?危険…?(うどんが?)」
こんなにもセンシティブにうどんを啜っている様子の玲王を他の誰かがやましい気持ちで見ていないかが心配になり、凪は両手を広げてキョロキョロと周囲を警戒する - 134スレ主23/12/03(日) 13:40:32
玲王「なぁ、サクサクの海老天食べたくて注文したんだろ?お前も早く食えよ」
凪「あっ、そーだった。ハイ、レオあーん?」
凪がいそいそと箸で掴んだ海老天を玲王の口元に持っていく
玲王「…?いや、これお前が食うんだろ?」
凪「え、レオもあの時サクサクの海老天食べてなかったから、食べたいかなー、って思って」
玲王「無理。だから、人前ではこーいうのヤメロって言ってんの」
凪「(クッソッ…!)」
あーんが出来ないと分かった凪は、ガジガジと海老天を齧り、ズルズルとそばを食べ進めていく
玲王「ぷはっ、一人で食えんじゃん」
凪「うん。でも俺は犬じゃないからね?狼だから!」
玲王「もうハロウィンは終わっただろ?お前は人間なの」
凪「…」
凪は蕎麦を食べながらもうどんを啜る玲王に釘付けである
「待て」をさせられて目に見えない耳と尻尾を下げているその様子は、やはり狼というよりは犬なのかも知れなかった
凪「…ねぇー、まさか…ナイショの話って…これで、終わり?」
玲王「うん、これで終わり」
凪「(あああ…)」 - 135スレ主23/12/03(日) 13:43:36
in 凪の教室
生徒「寝太郎〜」
凪「ぐー…スピー…スパーッ…」
玲王との昼食後、凪は自身の机に伏して絶賛ふて寝中であった
凪を起こそうとする生徒の声は届かない
玲王以外の声ではそう簡単には起きられないのだ
凪「Zzz…レオ…(ヒドいよ…『待て』はもう無理だよ…)」
生徒「どーするこれ。なんか寝言言ってるし、起きないよ」
生徒「じゃあもうしょーがないから、うちらで決めちゃってもイイんじゃん?」
生徒「せっかく玲王サマが出るのにねー」
凪「なんだってぇ!?」
ガバァッ!!
生徒達「「ッッ!!?」」
寝ていたはずの190cmの白い大男がいきなり立ち上がったので、凪の机を囲んでいたクラスメイト達は驚き一斉に後退りする - 136スレ主23/12/03(日) 13:48:11
生徒「ビ、ビックリしたぁ…何?寝太郎、起きてたの?」
凪「んぇ…?いや、今レオがどーとかって…誰か言ってなかった…?(夢?)」
生徒「(コイツ…玲王サマの名前で起きたのかよ)そーだよ。いや、体育祭の応援団の話なんだケドさ。アンタ出なくていーの?って思って」
凪はクラスメイトからの急な話に驚く
凪「体育祭の応援団〜?は?何で俺がそんなの出なきゃいけないの…?俺は応援されるのもするのも(レオ以外)興味ないんだけど」
その素っ気ない言葉にクラスメイト達は顔を見合わせた
生徒「じゃあ、いっか」
生徒「ね、他のやつに頼も。玲王サマとの応援団」
凪「はッ!!?」
再びガバァッ!!と身を乗り出してくる190cmに、クラスメイト達はまたしても仰け反る - 137スレ主23/12/03(日) 13:51:43
生徒「怖いって…マジ夢に出そうなんだケド…」
生徒「それなー」
凪「ねぇッ!何ソレ!レオとの応援団って、何!?」
生徒「え、だからー、体育祭の応援団なんだけどさ。各クラスから男女一人ずつ出るんだけど、決まってた男子がインフルかかっちゃったから代わりの男子今探してんの」
生徒「それで、他のクラスの子に聞いたら玲王サマも応援団に出るみたいだからさ。寝太郎もしかして玲王サマと一緒に出たいんじゃないかなって」
凪「ヤりますッ!俺にヤらせてくださいッ!!」
凪は二つ返事でその役を引き受ける
という訳で、無事に凪と玲王が体育祭の応援団に参加することとなったのだが…
しかし、この時の凪は知らなかった
実はこの応援団、応援合戦をする以上紅白の二チームに別れているのだが
赤組…玲王
白組…凪
凪と玲王は別のチームだったのである
それでは、赤組と白組それぞれの応援衣装を下3レスから🎲 - 138二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 13:59:58
赤組→黒短ランに赤ハチマキ
白組→白短ランに白ハチマキ - 139二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 14:12:33
両組とも上が白・下が黒の袴みたいな感じの和装で、ハチマキとかたすき掛けの紐が赤or白
- 140二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 14:21:51
まさかの全員女装(ミニスカチアガール)
赤組は赤を基調に青と白が差し色のチア衣装
白組は白を基調に青と黒が差し色のチア衣装
ポンポンの色は各自組の色で - 141スレ主23/12/03(日) 14:31:06
- 142二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 14:43:19
女神は女装が好きだったか…
- 143二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 22:32:50
ミニスカは足が出るからなー
- 144スレ主23/12/03(日) 23:03:48
放課後———
in 一年生の某教室
外部生として入学し、苦労の末に後期生徒会役員に当選したある生徒が友人に悩みを打ち明けていた
友人「生徒会を辞めたい?」
生徒「そうなんだよ…ずっと憧れてた生徒会なんだけど、汚職のはびこるとんでもない場所だったんだ」
友人「お、汚職…?」
都内屈指のエリートが集まる白宝高校
その中で壮絶な選挙を勝ち抜いたトップの中のトップ集団
その白宝生徒会において汚職がはびこっているというとんでもない情報に、友人は疑問を抱く
友人「汚職って…具体的にどんなことが?」
生徒「俺が憧れていた会長が…私欲のために…」
友人「私欲のために…?」
生徒の告白に友人はゴクリと喉を鳴らす
生徒「伝統ある球技大会を、体育祭に変更してしまったんだ…!」
友人「は、何だ、そんなことか」
それくらいのことで何を言う、と友人は白けた気持ちになる - 145スレ主23/12/03(日) 23:05:49
生徒「それだけじゃない。その体育祭にした理由というのが、ある一人の生徒の応援団姿を見たかったから、という理由なんだ」
友人「え?まぁ、いいんじゃないか?応援団って…学ランとか、ハッピとか…あってもせいぜい男女で制服交換とかそんなのだろ?」
生徒「ハハッ…」
友人「?」
生徒「聞いて驚くな…?会長の決めた今年の応援団の衣装は、まさかの全員女装」
友人「全員女装!?」
生徒「ミニスカチアガールだッッ!!」
友人「変態だーーーッッ!!」
放課後の白宝高校某会議室———
そこには応援団の面々が集まっていた
凪「(…ったく、何でレオは俺に応援団に入ること内緒にしてたんだろ…各クラス男女一人ずつとか、選択授業以外でも一緒になれる時間できてたんじゃん)」
ミスターコン出場を隠していたことは生徒会長の策略だったとはいえ、またしても玲王が自分に内緒にしていたことがある事実に凪は苛立ちを隠せない
凪「(つーか…)」
白団長「白組ィ〜〜!?気合い、入ってるぅぅう〜〜!?」
白団員「「ウエエェェーーーイッッ!!」」
凪「ここ、レオいねえじゃんッッ!!」 - 146スレ主23/12/03(日) 23:08:27
体育祭応援団とは———
陽キャの中の陽キャを煮詰めたようなスポーツ脳筋リア充集団
そんな彼らの見せ場である体育会の中でも、イベント大好きパリピの権化が集まる場所…それが体育祭応援団なのだ(ド偏見)
まさにここは無気力無感動の凪とは正反対の居場所であった
凪「じゃ、俺帰りまーす」
荷物をまとめて帰ろうとする凪を、同じクラスの女子が引き止める
女子「ちょっと!フザけないでよ。やっと代わりのやつ見つかったんだから。帰るなら今すぐ他のやつ見つけてきなさいよね!」
凪「…」
そう、つまりこの状況。端的に言えば凪はクラスメイトに騙されたのだ
体育祭まで1週間を切ったこの時期に、こんなウェイ系集団の中で応援合戦の練習をしたいやつなどそうそう見つからない - 147スレ主23/12/03(日) 23:10:37
凪「(クソが…完全にだまされたし)」
女子「まぁ、男子がやりたがらないのは分かるわね…なんたって今回の応援団衣装がさ…」
凪「?」
白団長「ヨシっ!お前ら気合いはバッチリだな!体育祭まであと1週間…気分アゲてこーぜ!じゃあ早速応援団の衣装だが、知っての通りミニスカチアガールだッ!」
箱の中からは白を基調に青と黒が差し色のチア衣装が出される
白団員「やっべ、俺男の娘になっちゃう!」
白団員「早くインスタ載せたーい!」
白団長「ちなみに会長の独断により、赤組も同じミニスカチアガールの色違いだ!つまり応援自体の力量が試される。みんな気合い入れて…」
凪「なん…だと…?」
団長の言葉で、それまで完全にやる気を失って死んだ魚の目をしていた凪の瞳にハイライトが宿った - 148スレ主23/12/03(日) 23:13:49
凪「団長ッ!」
白団長「どーした新入り!」
凪「それってつまり…赤組のレオもミニスカチアガールってコトですか!?」
白団長「おっ!元気良いね!そうだ、あのミスター白宝の御影玲王くんも、我々と同じミニスカチアガールだよ!」
凪「あ、ありがとうございますッッ!!」
白団長「うむ!気合いの入った良い返事だ!君には期待しているよッ!」
凪は団長に対して礼を言ったのではないのだが、威勢の良いその返事でウェイ系集団達とすぐに馴染むことが出来た
白団長「じゃあ今日から部活もないし、毎日放課後にグラウンドを使って全体練習を始めるぞ!!ウェーイッ!?」
白団員「「ウェーイッ↑↑↑!!」」
凪「ウェーイッ!!」
凪「(って、あれ…?待てよ?放課後毎日って、やっぱレオと一緒にいる時間減るんじゃ…)」 - 149スレ主23/12/03(日) 23:15:22
in グラウンド
白団長「フレーッ、フレーッ、白組!」
白団員「「フレッフレッ白組!!フレッフレッ白組!!」」
全体練習のため体操服を着た白組応援団一同は、白をイメージした銀色のポンポンを持ち踊り狂っていた
その中でも一際存在感を放つ190cm…
女子「うわー、白組も応援練習頑張ってますねー。玲王くん」
玲王「うん。そーだな」
同じくクラスから選ばれた応援団の女子と、体育館で赤組の応援練習をするため校舎を繋ぐ外廊下を歩いていた玲王は、グラウンドで練習中のある人物に釘付けになる
玲王「え、あれ…凪?」
白組応援団の中に凪を見つけた玲王
声をかける?それとも放置?
玲王の反応を下3レスから🎲 - 150二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 23:16:34
凪の邪魔をしないように声はかけない
- 151二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 23:20:54
凪がこっちに気づくかどうかちょっとだけじっと見つめてみる
- 152二次元好きの匿名さん23/12/03(日) 23:22:18
凪の目的を知りたいのでかける
- 153スレ主23/12/03(日) 23:42:11
- 154スレ主23/12/04(月) 00:11:34
玲王「(え、なんで凪も応援団入ってんの…?)」
知らない人たちの中で踊る凪は、玲王からするとまるで知らない人のように見えた
玲王「(ああ、もし俺と凪があの階段で出逢ってなかったら…きっとこんな感じなんだ)」
女子「玲王くん?あ、凪誠士郎?声かけてきますか?」
玲王「いや、いい。大丈夫」
凪の邪魔をしないように、玲王は声をかけるのをやめて体育館に向かった
翌日の昼休み———
in 凪のクラス
凪「(ちかれたー。筋肉痛マジいてー…)」
慣れない踊りを踊り、普段サッカーで使わない場所の筋肉を酷使した凪は、身体の節々が痛み机に臥せっていた
凪「(今日って世界史の授業あったっけ…部活もなくて昼飯も誘わなかったら、マジで俺がレオに会う時間ってないんだ…)」
同じ階にいて
教室は違えどその距離は50mも離れていないのに
クラスが違うってだけでなんでこんなに遠いのだろうと凪は思う - 155スレ主23/12/04(月) 00:16:43
グーッ…
そうして悩んでいたって腹は減る
凪「…」
凪は今日も昼食に玲王を誘いに行こうかどうしようか悩んでいた
凪「(また誘いに行ったらしつこいって思われるかな…レオのクラスの人にも『また来た』とか思われるの、レオ迷惑なのかな。会ったら触りたくなるし、それだったら我慢出来ないから会わない方がマシかな)」
めんどくさいからとりあえず隠密用のメロンパンでも食べようかと机の中に手を伸ばした時、凪の頭上から声がした
生徒「寝太郎〜玲王サマだよ」
凪「何、騙されないよ今日は」
生徒「いや、マジ」
ギャルい女子生徒が指差した先には玲王が立っていた
凪「マジじゃん!!」
生徒「だから言ったっしょ」
凪は机から飛び起き、急いで玲王の元に向かう
凪「レオッ!どーしたの?」
玲王「…弁当、作ってきたんだけど」
凪「は、え、お、俺にッ!?」
落ち着け凪…いや、落ち着いてなどいられない
だって玲王からの初めての手作り弁当なのだ
玲王の作ったお弁当は、どんなお弁当だった?
下3レスから🎲 - 156二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 00:19:33
凪が食べるのめんどくさくないようにおにぎり数個と簡単なおかず
中に入っているタコさんウィンナーがかわいい - 157二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 00:25:53
オムライス(中はチキンライス)、ハンバーグ、プチトマト、ブロッコリーなどのスプーンとフォークだけで食べられる彩り豊かなお弁当
デザートでうさぎさんに剥かれたりんご付き🐰🍎 - 158二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 00:28:51
凪がお腹空かせてると思って豪華な3段弁当 上段から和・洋・中でいろんなおかずが入ってる
- 159スレ主23/12/04(月) 00:37:57
- 160スレ主23/12/04(月) 02:26:27
玲王「お前以外に…誰がいんの?」
自分のために作ったのかと聞いてくる凪に、玲王は少し意地悪な言い方をしてしまう
玲王は凪の教室の中までは入らず、引き戸の枠に添うようにして立っていた
玲王「いらねぇんなら…別にいい、一人で食うから」
少し俯いて喋る玲王は、いつもと様子が違って見える
凪「?なんで、いらないワケないじゃん。レオが俺のために作ってくれたの、食べたいよ」
その言葉にフッ、と顔を上げた玲王が凪を見つめた
玲王「…じゃあ行こ」
凪「〜〜っっ!」
いつぶりだろう。玲王から学校で昼食に誘われたのは
あのハロウィンデートの前から今までずっと無かった
その久しぶりのカンジ。しかも玲王の手作り弁当付きと来たら、凪は嬉しさで震え上がってしまう
凪「うん!行こ行こ!」
上機嫌の凪は玲王の肩を押して廊下へと出て行った
なんとなく今日は二人きりでゆっくりできる場所でお弁当タイムにしたい玲王
学校の中だとそんな場所は少ないかも知れないけど…
二人はお弁当をどこで食べた?
下3レスから🎲 - 161二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 02:50:28
屋上
- 162二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 03:05:15
屋上
- 163二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 06:20:07
屋上!
- 164スレ主23/12/04(月) 09:05:45
- 165スレ主23/12/04(月) 11:44:53
凪「あ、えーっと…どこで食べよっか…」
屋上で二人っきりで食べたいな、と凪は思ったが、玲王が嫌がるのかなと思い口に出せない
エゴを押し通してきた凪だが玲王に会えなくなるのは辛い
同じ学校にいて、50mも離れていない教室で過ごしていても、自分たちの気持ち次第で簡単に会わずに過ごせてしまう
紙による法的な契約でもない
言葉だけで約束した関係なのだ、パートナーというのは
玲王がふと廊下の窓から空を見る
玲王「…今日天気いいし、屋上行く?」
凪「えっ、うん!行く行く!」
これまた凪は二つ返事をする。玲王とのことに関しては即断即決の男である
昨日はそれで応援団に入るというクラスメイトからの罠?にハマったのだが…
凪「あー、筋肉痛いてー」
凪は廊下を歩きながら玲王の前でこれ見よがしに肩を回したりしている
玲王「…なんかあった?」
これは自分に訳を聞けと言うことだろうかと、隣を歩く玲王は凪に理由を聞いた - 166スレ主23/12/04(月) 11:47:53
凪「うん、実はさー、昨日大変だったんだよ。インフルになったやつの代わりに俺が応援団入ることになってさー。練習超つかれたー」
玲王「へぇー、応援団?お前らしくねーな」
凪「え」
てっきり「凪スゲェじゃん!応援団!?あ、実は俺も入ってんだよ」とか言われるかと思っていた凪は、玲王の返答に戸惑ってしまう
凪「(レオと会う時間作りたくて応援団入ったとかは言いづらいから、さりげに言おうとしたけど…あれ?)」
凪は玲王から応援団に入っていることをこの会話の流れでも未だ言って来ないことに違和感を覚えた
凪「(まぁ…そんないちいち何でも全部俺に言うこととか、ないのかも知れないけどさ)」
玲王「珍しいよな、お前から動くとか。誰かに頼まれた?」
凪「え、あ、うん…クラスの女子がさ、いや聞いてよ。騙し討ちみたいなカンジで」
玲王「聞きたくない」
凪「は?」 - 167スレ主23/12/04(月) 11:51:17
玲王は今まで自分の話なら何でも、どんなくだらない中身のないような話でも楽しそうに聞いて相槌を打ってくれて
だから自分は玲王とたくさん話したいといつも思っているのに
「聞きたくない」というのは、相槌を打つとか打たないとか、もうそれ以前の話ではないのか
凪「き、聞きたくないって…俺と話したくないの?」
玲王「べつに」
凪「じゃあなんで?なんで今日誘ったの、そんなお弁当まで作ってきて」
玲王「だから、これは昨日お前の食生活が心配になったからで、誘ったのは…体育祭の部対抗リレーのアンカー…どっちがする、って」
凪「は?それだけ?そんなの当日ジャンケンとかで良くない?」
そんな一瞬で決まるような内容のために、わざわざ弁当を作って昼食に誘って来たのだろうか
二人きりになりたがらない玲王の言動が一致していないようで、凪は理解不能に陥る
凪「(なんなんだこの生き物…)」
どうしようか凪くん
玲王も応援団入ってるよね、って聞いてみる?
凪の対応を下3レスから🎲 - 168二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 12:10:54
レオも応援団入ってるよね?そっちは練習どう?
- 169二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 13:40:57
「本当は何か他に用事があるんじゃないの…?」
玲王の意図がわからないので一応確認してみる - 170二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 15:30:05
レオ最近変だよ、どうかしたの?
- 171スレ主23/12/04(月) 15:51:15
- 172スレ主23/12/04(月) 16:52:04
凪は玲王の意図がわからないので一応本人に直接確認してみることにした
凪「ねー、本当は何か他に用事があるんじゃないの…?」
玲王「用事って?」
凪「いや、だから…アンカー決めるとか以外で、ほかにも…なんか」
玲王「…なんか?…別に。なんもねーけど…。用がないと、来ちゃダメだった?」
凪「は?いや、全然!全然そんなワケないよ。レオならいつでもウェルカムだっていつも言ってんじゃん」
玲王「…」
凪「(うぇ!?反応、ナシ…?)」
玲王は凪と目も合わさない
いつもならきっと「ウェルカムって何だよ!」とか言ってテンポ良く楽しそうにツッコミを入れてくれているはずだ
なのに、今日の玲王は難しそうな顔をしてどこか怒ってるような…落ち着きなくソワソワしてるように見える
凪「(『トイレ?』とか言ったら…怒られそうだな)」 - 173スレ主23/12/04(月) 16:54:43
二人きりになるのを避けられていたかと思えば、今日は二人っきりになるような場所に行く
凪は初めて見るようなその玲王の表情や態度に困惑する
凪「(こ、これって、まさか…別れ話…?)」
最悪のシナリオが脳内を占める
屋上へ向かう階段を上りながら、少し先を行く玲王が持つトートバッグのような袋に目が行く
凪「(…それで、その弁当は、レオからの最後の手料理…?)」
玲王『凪、俺からの最後の手料理の味、覚えとけよ』
凪『いやだ!こんな弁当食べたくない!俺は毎朝レオに味噌汁を作ってもらうんだ!』
凪「…」
元々妄想癖のある凪の脳内イメージ映像は止まらない
シ刑確定、ギロチン台にのぼるような気持ちで階段を上がりきり、屋上のドアを開いた - 174スレ主23/12/04(月) 16:56:36
凪「(…なんということでしょう)」
秋の気持ちの良い日差しと、少し冷たい風が肌を撫でる
凪「(この二人の思い出の場所で、これから俺は別れを告げられると言うのか…)」
いつものように出入り口のある塔屋を背にして、二人は並んで座る
凪「(昨日言われてから今まで触ってないし、ていうかもっと前から触ってないし。変なコトだって言ってないのに…なんで?)」
玲王「…寒い」
凪「うん、寒い…ね」
凪「(心が、冷えっ冷えだよ、もう)」
玲王「…あっためて」
凪「はぁ?」
「はぁ?」じゃないんだよ凪くん
妄想が凄いのは置いておいて、とにかく玲王が寒がってる
あんま触るなと言われていた気がするけど…
どうやって玲王を暖めようか?
凪の暖め方を下3レスから🎲 - 175二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 17:09:00
俺マフラーとか手袋持ってないし…あ パーカー着る?
- 176二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 17:11:30
おそるおそるぎゅって抱きしめようとする
- 177二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 17:40:16
玲王の両手を包む
- 178スレ主23/12/04(月) 17:46:51
- 179スレ主23/12/04(月) 18:52:47
凪「(『あっためて』…だと…?)」
玲王の言葉に凪は固まるが、冷たい風に多少熱を奪われていることでその思考はいつもより冷静であった
凪「(フツー恋人関係でこんな誘い文句を言われた日には、『じゃあ…俺のカラダであっためてアゲル』とか言って、人肌で温もりを伝えるのが最適解なんだろうけど…多分今そんなこと言ったら、俺とレオをかろうじて繋いでるこの最後の、か細い糸が切れそうなんだよ…!)」
凪「(ここは天下の分け目、そして天王山…!判断を誤るな…ッ!凪誠士郎ッ!)」
凪はいつになく緊張を強いられていた
そして、導き出した解がこれである
凪「俺マフラーとか手袋持ってないし…あ、パーカー着る?」
玲王「え…パーカー…?」
凪「うん、あ、臭くないよ?ちゃんと洗ってるし」
そう言って凪はブレザーを脱いでパーカーを脱ごうと手を交差して裾を掴む
玲王「いや…」
凪「嫌?」
玲王「じゃなくて、お前が風邪引くじゃん」
凪「え、大丈夫だけど?下にロンTも着てるし」
玲王は黙って首を振る
玲王「うん、もういいから飯食おーぜ」
凪「(クソ…御曹司、俺の五千円の一張羅のパーカーじゃお気に召さないってか)」 - 180スレ主23/12/04(月) 18:56:18
玲王「ハイ」
玲王が弁当の入ったバッグを渡してくる
凪「…」
玲王「どしたの?」
バッグを受け取ったまま動かなくなった凪を見て、玲王は訝しがった
凪「…これ、食べたら…もう終わりなんでしょ…?」
玲王「え…?何が?」
凪「やっぱり嫌だ!!」
ガシィッ!!
玲王「!?」
凪はバッグを置いて玲王の肩を掴む
掴むというか、指がブレザーに食い込むほどめり込んでいた
玲王「や、何っ!?」
凪「(別れる前に最後に)思いっきり抱きしめさせてくださいッッ!!」
止まれ、暴走———
勘違いしたままなんか悲しくなっちゃった凪が玲王にお願いした
思いっきり抱きしめさせて、だそうですが…
玲王、どうしますか?
玲王の返事を下3レスから🎲 - 181二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 19:12:45
え………別に良いけど…?はいどーぞ(腕を広げる)
- 182二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 19:23:17
(凪、寒いのかな…)
勘違いして玲王から抱きしめてあげる - 183二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 20:05:09
めり込んでて痛いので「わかった!わかったから離せ!」と言う
- 184スレ主23/12/04(月) 20:18:32
- 185スレ主23/12/04(月) 21:13:48
自分と玲王とをかろうじて繋いでる最後のか細い糸(凪談)を、自らブチ切るようなスタイルで玲王に詰め寄った凪
玲王「(凪、寒いのかな…)」
しかしそこは御曹司。超が付くほど純粋なのであった
玲王は掴まれた肩から手を外し、パーカー姿の凪に向けてサッと両手を広げる
凪「(え?)」
…ギュッ
凪も寒いのかと勘違いした玲王は、少し上から包み込む様にして抱きしめてあげた
凪「(うわ…)」
凭れかかる玲王を支える様に、凪もおずおずと玲王の背中に手を回す
凪「(…すっ、すげぇ…なんか、久しぶりだ、このカンジ…レオの匂いとか、重みとか、このあったかさが…!)」
洪水のように脳内に流れ込むその久しぶりの感覚に、凪は意識がトびそうになる - 186スレ主23/12/04(月) 21:19:00
目を閉じてしばらく凪に抱きついていた玲王は、身体に違和感を覚えてパチッと目を開けた
玲王「え…」
玲王が自身の後ろに目をやると、背中に回されていたはずの凪の手が玲王のウエスト部分からシャツの裾を引っ張り出し、直に腰を触っている
玲王「…なんで、シャツ出してんの?…」
凪「(ちっ、ちがうんだ…!これは、手が、手が勝手に…!)」
しかしここで下心を見せたらマジで終わると思った凪は、とんでもないコトを言い始めた
凪「レオ…一緒に裸になろ…?それで、俺と抱き合おうよ」
玲王「は?」
凪「あのね、実は寒い時は人肌をくっつけて温め合った方が良いらしいんだ…」
玲王「え…?」
御曹司が困っている!
それもそうだ。ここは雪山でもないし、二人は遭難もしていない
久しぶりの玲王とのハグで凪は理性が吹っ飛びかけていた
この後の玲王の対応を、下3レスから🎲 - 187二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 21:28:25
いや流石に裸は無理だろ...。...だけど人肌くっつけた方がいいならさ...、と言いながら凪の両手を玲王が両手で包み込んであげる
- 188二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 22:26:14
凪お前風邪でも引いてんじゃね?思考がおかしいぞ?保健室行く?
- 189二次元好きの匿名さん23/12/04(月) 22:27:25
そんなに寒いのか…?
もっとハグする - 190スレ主23/12/05(火) 00:53:54
- 191スレ主23/12/05(火) 05:54:29
玲王「凪、お前風邪でも引いてんじゃね?思考がおかしいぞ?保健室行く?」
凪「いえ!おかしくないです、これが正常です…!」
玲王「じゃあ…もっとヤベェじゃん…フツーのやつは急に人のシャツ引っ張り出したりしねぇから」
凪「(ぐっ…出ました正論!)」
凪はやらかした自分の手を呪った
「いや、勝手に動いたんだから呪われてるんじゃないのか…?」と、その右手をマジマジと観察してみるが、何の変哲もないよく見知ったソロプレイの相棒だった
玲王はドン引いた顔をしながら「さみぃっ」と言いつつ出されたシャツの裾を仕舞っている
凪「(なんだ…?俺、本当に頭おかしいのかな)」
「変なことするな」と言われていたのに
いざ玲王からこうして抱きつかれてその匂いを嗅いだ瞬間、勝手にカラダが動いていた
今まで何度も暴走したことはあったけど、こんな風に本人の同意もとらないままで、いつ人が来てもおかしくない場所で無意識に服を脱がせようとするなんて…
凪「…」
凪は自分のしていることが恐ろしくなる - 192スレ主23/12/05(火) 06:00:37
玲王「…何?」
少し照れたような表情の玲王が、黙ったままの凪を気にして顔を見てくる
凪「(多分…俺がこうなったのは、あの時レオとホテルでちょっとエッチなことをしちゃったからだ…)」
あのお泊まりの日以降のソロプレイは、前よりも妄想の解像度が桁違いに上がっていた
もう8KVRなんて目じゃない
だって本物はこうして匂いも温度も重さもある
その制服の下にある肌の感触も、触った時に玲王がどんな反応を見せるかまで、全部その天才的頭脳に記憶されているのだ
凪「レオ…お願いがあるんだけど」
玲王「何だよ?」
凪「俺のこと…思いっきり罵って」
玲王「はぁ!?」
凪「お願いします…このままじゃ俺、絶対レオに近づいただけで、変なコトする。だから、『暴走ばっかしてんじゃねーよ、このクソ童貞!俺のカラダ触ったくらいで調子乗ってんじゃねー!鏡見て出直してこい』って、こんくらい強めに言ってくれない…?悪いケド」 - 193スレ主23/12/05(火) 06:07:08
玲王「…?は…?やだよ、何で俺がそんなコト…」
自分を罵倒しろという凪からの急な申し出に玲王は驚き戸惑い、次の言葉が続かない
凪「じゃないと、レオ優しいから、俺が頼んだら(受け入れてくれるって)何でもしてくれるって、今スゴく、夢見ちゃってるから…。初心を、取り戻させて欲しい」
玲王「は、やだって、意味わかんねーって…」
凪「お願い…レオの口から言ってくれたら、多分俺、大人しくなるから(誠士郎が…)」
ウルトラジーニアスが導き出した、『玲王の近くにいても暴走しないための唯一の方法』はもうこれしかなかった
玲王…無茶苦茶な頼みだとは思うけど、凪のお願い、聞く?どうする?
玲王の対応を下3レスから🎲 - 194二次元好きの匿名さん23/12/05(火) 07:59:01
言いたくないことは言わない。でもそれ以外で俺にできることある?と聞く
- 195二次元好きの匿名さん23/12/05(火) 11:28:56
罵倒って何だよ凪にそんなことできるわけねーだろ
暴走して欲しないでっていう俺からの頼みとかお願いじゃダメなのか? - 196二次元好きの匿名さん23/12/05(火) 13:36:50
仕方なく渋々言おうとするけど途中で笑っちゃって言えなくなる
- 197スレ主23/12/05(火) 14:27:13
- 198二次元好きの匿名さん23/12/05(火) 15:22:35
今回もおつかれさまスレ主!!
ここからどう記憶喪失になっていくのか楽しみ… - 199スレ主23/12/05(火) 20:02:02
- 200二次元好きの匿名さん23/12/05(火) 20:03:15
今回もイチャつけますように!