翼のある生徒がいた｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 17:56:23

「ようこそおいで下さいました、■■■様」
この都市である店を経営するオーナーはそう私に言った。
キヴォトスの都市にある風紀委員や警察やらが手を出せない、出す必要のないクリーン、と思われている店。
客をもてなすために、踊り、笑わせ、楽しませる。
それをするのは、高圧電流を流す首輪を付けられた傷の多い生徒達。
衣服や装飾品、厚化粧で隠しているようだったが、瞳の色は隠せていない。

2二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 17:58:03

オーナーは、簡潔に言えば事業発展のために融資を受けたいという目的があってこの会食に誘ったのだ。
その目的を遂げる為、私の機嫌を良くするために煌びやかに店を飾り付け、美しい娘たちを踊らせて見せたり、高い食事を用意したりしたのだろう。
「お楽しみください」
私の為だけに用意したのだろうが、正直言って杜撰で稚拙だった。

3二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 17:59:14

翼のある生徒がいた、引っこ抜かれた痕が見えた。
角のある生徒がいた、折れたり、削られた跡が残っていた。
彼女達は私をもてなすために、踊り、笑わせ、楽しませる。
しかし素人目からでも分かる傷痕、歪んだ笑顔、踊りはまあまあ。
店も装飾華美で一見美しく感じるが一周回って落ち着かないくらい飾りが多く、目の疲れる色が多い。
食事も盛り付けは良く出来ているが、肝心の味は面白味はなく、私の好みでないものも多かった。

4二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 18:00:58

私の好物一つ調べず、よく食事に誘えたものだ。
こんなつまらない物をよくも用意してくれたなと机を吹き飛ばそうと思った。
だが少し考えて、せめて余興が改善されれば多少味も変わるかもしれない。
そう思って彼女達の首輪をハッキングして強制的にシャットダウンさせ、持っていた対物拳銃を私の隣に座る生徒に渡してみた。
「君が一番やりたい事をして」
武器を持っていた護衛の大人が撃たれ、他の生徒がそれを奪ってオーナーや店員を撃った。
死ぬまで。

5二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 18:03:01

「うわああああ━━━━っ！！？」
「はぁはぁ……はぁ……」
「おわ…………た？」
味は劇的に改善された。
「美味しかった、ありがとね」

6二次元好きの匿名さん23/11/29(水) 18:04:12

「お姉ちゃん指名手配喰らってるよ……今度は一体なにしたんだか」
「あの……お姉様も悪人様なのですか？」
「いや、私と違って悪人じゃなくてアウトローだよ。そこら辺一緒くたにするとへそ曲げるから気をつけてね」
「は、はい！社長！」
「今から行くところだと私秘書なんだけど……まあいいか面倒くさいし。お姉ちゃーん？コンビニ買ってきたよー！餓死してないよねー？」
「生きてるわよー！？」