俺は風邪で休んだスピカのトレーナー

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:31:22
    俺はスピカのトレーナー昨夜クーラーをガンガンに効かせた状態で腹出して寝たら、案の定風邪を引き今日は休む事となった。今日までにURAに提出しとかないといけない書類があるので、おハナさんに電話した所、呆られながらも代理提出にO…bbs.animanch.com

    ↑の続きです


    やれやれ、昨日は散々だった。風邪を引いた事もそうだが、スピカの連中に要らぬ心配を掛けてしまった。


    昨日、ベッドの中で寝ていた俺を起こしたのは今までに聞いたことのないような轟音だった。具体的に言えば、玄関のドアがぶち壊される音だった。


    びっくりして飛び起きた俺が見たのは、緑色のメンコを耳につけたウマ娘。息を切らして、長い髪を振り乱したウマ娘。そう、スズカだ。


    どうしてスズカが? いや、なんでドアを破壊した? 全く状況が掴めない。


    立ち尽くす俺。そんな俺を目の前に、スズカは独り言のように呟いた。


    「良かった……。トレーナーさん、ちゃんと生きてた。私の景色に……いてくれたっ……!」


    そう呟くやいなや、スズカは俺の胸に飛び込んできた。涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、俺の胸に顔を埋め強く抱きしめてくる。


    「……私の景色から、いなくならないで。ずっとずっと、隣にいて……。あなたのいない景色を私に見せないで……!」


    駄々っ子の様に泣くスズカ。なんで泣いているのかよくわからないが、俺はスズカを落ち着かせるべく語りかけた。


    「いなくならねぇよ。いなくなったら、スズカの走りが見られなくなるからな。スズカが引退するまで、俺は一緒にいるよ」


    そう言うと、スズカは安心したのかあまり嗚咽しなくなった。ただ、まだ完全には落ち着いていない。だから、俺は少しの間、スズカに胸を貸した。時間にして、大体5分位だろうか? スズカの嗚咽がなくなったので、スズカから身体を離して視線を前に戻した。


    「「「「「……………」」」」」


    ゴルシを除くスピカメンバー全員が、そこにはいた。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:31:39

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  • 3二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:32:04

    その後の事はあまり思い出したくない。スペに問い詰められ、テイオーにはジトっとした目で睨まれ、マックイーンにはそっぽをむかれ、ウオッカとスカーレットは口も聞いてくれなかった。いつもの様な暴力がない分、逆にキツかった。スズカは終始顔が真っ赤だった。

    とりあえず、俺自身どうしてこんな状況になっているのかわからないので、彼女らには説明は明日するからと言って、強引に帰ってもらった。

    その夜、家に来たおハナさんから話を聞いて俺は全ての状況を把握した。どうやら、スズカは俺の宛先間違いのLINEを見て、俺が死ぬと思って動揺、授業をすっぽかして俺に会いに来たらしい。スズカの唐突な行動に驚いた友人のエアグルーヴが止めようとした所、真っ青な表情で「トレーナーさんが死んじゃう……!」と繰り返し、彼女を振り切ったそうだ。その行動にエアグルーヴも只ならぬものを感じ、すぐにスピカメンバーに連絡。スズカと俺が心配で、皆授業を抜け出したとの事だ。

    ちなみにゴルシは間が悪く体育の授業中で、スマホが手元になく連絡が取れなかったそうだ。というか、そもそも俺が休みを取った理由もきちんと伝えてなかったらしい。悪いな、メンゴメンゴとは彼女の言だ。

    まあ、休んだ件も含めて俺が全面的に悪い。だからまあ、殴られる覚悟は出来ている。

    「さて、今日もトレーニングに行きますか」

    俺は覚悟を決め、トレーナー室の扉を開いた。

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:32:28

    待ってた

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:57:18

    沖スズは良き
    続きはまだですか…?

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 22:59:24

    トレーナー室で皆に事情を説明した所、やっぱりというか、皆(ゴルシとスズカを除く)には殴られた。マックイーンには大外刈りを決められ、テイオーには拳骨、ウオッカとスカーレットには飛び膝蹴りも決められた。スペにはスズカさんはあげません! と啖呵を切られた。ゴルシは爆笑した後、湿布を渡してきた。

    なお、スズカは終始モジモジしていた。目が合いそうになると、視線を外される。平常通り振る舞おうとしているが、どこかぎこちない。きっと、昨日の件が恥ずかしいのだろう。左回りもいつもより多かった。

    そんな事はありつつも、トレーニング自体は特に問題なく終了。皆を先に寮に戻らせ、俺はトレーニングメニューの見直しを行なった。

    「……あの、トレーナーさん?」

    「どうした、スズカ。スペと一緒に帰ったんじゃないのか?」

    「トレーナーさんに2人きりで聞いて欲しい事があります」

    さっきまでとは違い、どこか凛とした声でスズカは言った。

    「……なんだ?」

    「昨日言った事、全部ホントの事ですから。忘れないで下さいね。ずっと、ずっーと、隣で景色見させて下さいね」

    「……」

    「それと、今度風邪を引いたら私に頼って下さいね。私の景色とあなたの景色、同じものにしたいですから」

    そう言うスズカは恥ずかしそうに、でもどこか楽しそうに俺には見えた。


    おしまい

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:00:55

    面白かったよ、また次の作品が生まれるのを待っている

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:01:37

    単投稿じゃないSSっぽいの書いたの初めてなんで、拙い内容で申し訳ないです。

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:02:05

    沖スズはいいぞ

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:02:11

    ベタベタ(二重の意味で)だけどそれがいいんだよなこういうのは
    面白かったです、次も期待してます!

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:02:28

    続きを書いてくれてありがとう……ありがとう……

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:04:33

    ベタな展開は確かな伝統でもある
    星の数が何億あっても飽きたりしない

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 23:06:53

    >>5です

    続きをありがとうございます…!

    ほんのり沖ハナっぽい感じの沖スズは素晴らしいですね

オススメ

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