ねぇルドルフ【ウマトレ♀】

  • 1二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:56:30

    「もう正月も終わりだけど、最後に羽根つきやらない?」
    「…珍しいね、トレーナー君からそういう話があるのは」

    「だって去年と一昨年は生徒会とかレースで忙しなかったじゃない。今年だって、初詣のあとはずっとお仕事してたし、もったいないよ」
    「確かに仕事続きだったのはそうだが…というか、道具は持っているのかい?」
    「もちろんあるよ!今年は絶対ルドルフとやろうって正月前から買ってたんだ!」
    「アハハ、随分と用意がいいね。…おまけに墨まで」

    「分かった。この書類が片付いたら行こうか」
    「やった♪よーし絶対勝ってルドルフに墨を塗ってやるぞー!」
    「…なるほど、それが目的か」

  • 2二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:57:31


    「…すまない、思いのほか時間がかかってしまった。もう外もだいぶ暗くなってしまったが…」
    「全然大丈夫!終わったんならさ、早く行こう!」

    「うわーもうすっかり夜…だけどあんまり寒くないね」
    「空も晴れて、清風明月といったところか」

    「じゃあ打つよー!負けたら墨だからねー!」
    「ああ。いつでもこい!」

    「いくよー!そいっ!」スカッ
    「あれ?い、今の無し!もう一回!」
    「あ、ああ…」

    「そいやっ」スコーン!!
    「あ、ゴメン!羽変なとこ行った!」
    「よっ…と」カコン
    「え、あれ返せるの!?あ、おりゃっ!」スカッ
    「あれぇ~…?」
    「…もしかしてトレーナー君、羽根つきをやったことがないのかい?」
    「あ、あはは…お恥ずかしながら…」

    「…流石に勝負にならないな。少し練習しようか。」
    「トレーナー君は打つときに板が斜めに曲がってしまっているんだ。だから打つときはこうまっすぐにして…」

    「ふふっ。なんだかいつもと逆の立場…ってほどでもないか。この3年間、教わることも多かったし」
    「それは私も同じだ。私達は共に歩み、時に支えあう。…これからもよろしく頼むぞ、トレーナー君」

    「では実戦だ。負けたら…」
    「墨、だね!」

  • 3二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:59:13


    「うん、トレーナー君も動きが板についてきたね」
    フフッと笑いながら正確にラリーを続けるルドルフ。
    夜を照らす月のような笑顔に気を取られて、一瞬反応が遅れてしまった。

    「っと、あっ」
    羽子板は空を切り、羽はそのままポトリと落ちた。

    「油断大敵。初心者とはいえ、勝負ごとで容赦はしないよ」
    言いながらえらい上機嫌である。
    …どうやら洒落に気を取られたと思われてるらしい。

    「…さて、羽を落としたトレーナー君には『魔除け』を描いてあげないといけないね」
    そういってベンチに置いていた墨と筆を手に取る。
    どこぞの漫画で見たことがある。目の周りに丸を描く、ベタなやつだ。

    「トレーナー君、少し髪を上げさせてもらってもいいかい?」
    「お、お手柔らかにお願いします…」

    なるべく描きやすいように、目の周りにしわが寄らない様にスッと目を閉じて待つ。
    ルドルフが近づいて髪を持ち上げ、筆を走らせていく。
    しかし、予想に反して目の周りに筆の感触はなかった。
    代わりに額にスッ、スッと一筆書きで記号が描かれる。これは…。
    「…三日月?」
    「そうだ」

    目を開けるとルドルフが満足そうに微笑んでいた。
    「これで私とお揃いだな」

    「今年もよろしく。『私の』トレーナー君」

  • 4二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:00:18

    SS化してくれたな!
    あいらぶゆー!!!

  • 5二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:00:51
  • 6二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:03:53

    七日正月終わるまでに書きたかったんだ…
    蛇足だけど2022年1月7日はいい感じの三日月らしいよ!
    なんとなくエモさ1%増しだね!

  • 7二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 02:50:28

    「私の」トレーナー君に独占力がでてる…いい…

オススメ

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