- 1二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:56:30
- 2二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:57:31
⌚
「…すまない、思いのほか時間がかかってしまった。もう外もだいぶ暗くなってしまったが…」
「全然大丈夫!終わったんならさ、早く行こう!」
「うわーもうすっかり夜…だけどあんまり寒くないね」
「空も晴れて、清風明月といったところか」
「じゃあ打つよー!負けたら墨だからねー!」
「ああ。いつでもこい!」
「いくよー!そいっ!」スカッ
「あれ?い、今の無し!もう一回!」
「あ、ああ…」
「そいやっ」スコーン!!
「あ、ゴメン!羽変なとこ行った!」
「よっ…と」カコン
「え、あれ返せるの!?あ、おりゃっ!」スカッ
「あれぇ~…?」
「…もしかしてトレーナー君、羽根つきをやったことがないのかい?」
「あ、あはは…お恥ずかしながら…」
「…流石に勝負にならないな。少し練習しようか。」
「トレーナー君は打つときに板が斜めに曲がってしまっているんだ。だから打つときはこうまっすぐにして…」
「ふふっ。なんだかいつもと逆の立場…ってほどでもないか。この3年間、教わることも多かったし」
「それは私も同じだ。私達は共に歩み、時に支えあう。…これからもよろしく頼むぞ、トレーナー君」
「では実戦だ。負けたら…」
「墨、だね!」 - 3二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 23:59:13
⌚
「うん、トレーナー君も動きが板についてきたね」
フフッと笑いながら正確にラリーを続けるルドルフ。
夜を照らす月のような笑顔に気を取られて、一瞬反応が遅れてしまった。
「っと、あっ」
羽子板は空を切り、羽はそのままポトリと落ちた。
「油断大敵。初心者とはいえ、勝負ごとで容赦はしないよ」
言いながらえらい上機嫌である。
…どうやら洒落に気を取られたと思われてるらしい。
「…さて、羽を落としたトレーナー君には『魔除け』を描いてあげないといけないね」
そういってベンチに置いていた墨と筆を手に取る。
どこぞの漫画で見たことがある。目の周りに丸を描く、ベタなやつだ。
「トレーナー君、少し髪を上げさせてもらってもいいかい?」
「お、お手柔らかにお願いします…」
なるべく描きやすいように、目の周りにしわが寄らない様にスッと目を閉じて待つ。
ルドルフが近づいて髪を持ち上げ、筆を走らせていく。
しかし、予想に反して目の周りに筆の感触はなかった。
代わりに額にスッ、スッと一筆書きで記号が描かれる。これは…。
「…三日月?」
「そうだ」
目を開けるとルドルフが満足そうに微笑んでいた。
「これで私とお揃いだな」
「今年もよろしく。『私の』トレーナー君」 - 4二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:00:18
SS化してくれたな!
あいらぶゆー!!! - 5二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:00:51
- 6二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 00:03:53
七日正月終わるまでに書きたかったんだ…
蛇足だけど2022年1月7日はいい感じの三日月らしいよ!
なんとなくエモさ1%増しだね! - 7二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 02:50:28
「私の」トレーナー君に独占力がでてる…いい…