- 1二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 05:40:08
スン、と澄んだ冬の朝。張り詰めた冷たい空気を溶かすようにして、イキナリそんな声が耳に飛び込んでくる。声の発せられた方向を見やると、私の担当ウマ娘――ライスシャワーが此方に向かって小走りで駆けてきている様だった。
「おはよう、ライス」
私は微笑みと共に挨拶を返す。私の声を認識したライスの耳が、ピョコピョコと嬉しそうに反応する。小顔であることも相俟って頭と同じほどにあろうかという大きな耳は、彼女の上でその存在をカワイらしく主張していた。
朝練の途中だったのか、少し泥の撥ねたジャージを纏ったライス。冷たい外気のために林檎のように染まった頬。髪と同じ美しい黒鹿毛の尻尾が、上機嫌そうに揺れていた。
「えへへ、お姉さまのほっぺりんごみたい」
どうやら寒さに赤く染まった頬に私と同じ感想を抱いたようで、なんだかそれがトテモ嬉しい。
「ライスのほっぺたも林檎みたい。ふふっ……かわいい」
手袋を脱ぎ、露わになった右手でライスの頬を撫でる。柔らかな感触と、冷たい空気に当てられた温度が心地よい。
「ひゃあっ……」
ライスは一瞬驚いたようだったが、スグに満足そうに目を細める。
「はぁ……お姉さまの手、あったかいね……」
つい先刻まで手袋の中にいた手はシッカリと体温を保っていたらしく、ライスはその感触を愛おしむように頬を擦り付けていた。
一頻り私の掌を堪能したライスは、満ち足りた様子の笑みを浮かべながら口にする。
「それじゃあ、ライスは朝練に戻るね。お姉さまもお仕事、がんばって!」
紫水晶にも似た瞳に一パイに元気を宿し、走り去っていくライス。その後ろ姿を眺めながら、私は今日も頑張ろう、と一人決心する。
――それはとても穏やかで、幸せな朝。 - 2二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 05:41:45
土曜のこの時間にしては甘々なスレをたてるねぇ
やるじゃないか - 3二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 05:44:06
- 4二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 05:47:13
いいモノ見れたおかげで、コーヒーが甘くなってうまいな
- 5二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 05:51:54
いいSS!!!!!!尊すぎるにもほどがあるやろ!!!!(ぶちぎれ)