【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑰【閲覧注意】

[1 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:37:10]

終わりの旅にも一騒動起きそうなクローンと生徒会長異世界奇譚です

[2 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:38:21]

今までの章

chapter.0　落下

chapter.1　生徒会長は水の都の夢を見るか？

chapter.2　最初の接触

chapter.3　病院の窓

chapter.4　宿借りの島

chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで

chapter.6　豹は無慈悲な夜の兵器

chapter.7　出来損ないの順列都市

chapter.8　あなたのための物語

chapter.9　豹は街から世界を夢見る

[3 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:38:51]

原作開始（⑨より）
chapter.10　すべての終わりの始まり
・カクと同時に麦わらエンカウント
・最初のアイスバーグさん襲撃に出くわして徹夜で見張り
・白昼押し掛けてきた麦わらに利害の一致で付いていく
・決断、決別
・オリジナルに海まで投げ飛ばされる

chapter.11　たったひとつの冴えたやりかた
・ドボン、波に拐われかける
・アクア・ラグナから逃走ついでに人獣化
・覚悟を宣誓、ロケットマン乗車

chapter.12　今宵我ら星を奪う
・睡眠でほぼ全回復
・体の状況を共有したり、しなかったり
・味覚が治る示唆を得る
・司法の塔探索、そげキングと合流
・ジャブラを騙し討ち成功
・手錠わちゃわちゃの補助
・しっかりクビ宣告
・ルフィと合流、最終決戦へ
・克服、勝利、帰還

[4 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:39:45]

W7終了後
chapter.13　クローンドリーに花束を
・タイルストンの家に居候
・味覚GET
・造船を手伝い、全て話した
・サン・ファルドに降り立つ
・研究所跡地にて少年と会う

previous chapter.　追想、アムネジア
・回想、出会い
・三人(？)仲深めて
・別れ、兆し←ｲﾏｺｺ!

[5 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:40:11]

1スレ

【SS・🎲⚓️】服部ヒョウ太は水の都に居る｜あにまん掲示板

前スレ

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑯【閲覧注意】｜あにまん掲示板

参照概念スレ

服部ヒョウ太を原作ガレーラに投げ込みたい｜あにまん掲示板

服部ヒョウ太は水の都に居るSSリンクまとめ

[6 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:43:54]

怖かった。怖いことだと思っていた。
才能なんてないと言い切られるのは、自分が無意味な人間であるのと同義なのだと。


「僕って、才能無いの？」
「うん、まあ。ド素人のあたしが断言するのもなんだけど、他のことした方がいいと思うよ？」
思い悩む素振りも見せず、シャアナは残酷なまでにはっきりと言い切った。

[7 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:45:44]

「……そっかあ」
恐れていたのに、それなのに、これはなんだ。無神経にも程がある歯に衣着せぬ物言いはひどく鮮やかで爽快じゃないか。

色々と考え込んでいたのが馬鹿馬鹿しく思えてきて、張っていた肩肘が自然と緩む。無自覚に詰まらせていた息を、きちんと意識して解放した。
「お、泣くのやめた？慰めるつもりなかったのに」
「だろうね、それでも。……そもそも泣いてないってば」
ぱ、とソファに食い込ませた指を開く。何でも卒なくこなせる癖に創る物は平均くらいで止まる腕を、シャアナの言う通り他のことに。それもいい、きっとそれがいい。

[8 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:53:09]

それでも。
「……ねえ、シャアナさん」
「うん？」
「僕、もうちょっとだけ頑張ってみる。それでダメだったら、その時には」
それでもまだ、完全には諦めきれないのは未練たらしく情けないだろう。けれど生まれついてから続けてきたものを切り捨てるというのは十一歳の少年にとっては大きな決断だ。
「その時にはさ……良かったら、ここに置いてくれる？」
ついでのように付け足した将来研究所に住まわせてほしいなんていう頼みだって、ヘールシャムにとっては勇気のいる事だった。良くも悪くもルッチという少年以外をあまり意に介さない彼女からあっさりと手を離されることは、簡単に想像が付いてしまったので。

[9 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 01:59:56]

ヘールシャムの頼みから一拍置いて、きゅ、と彼女の目が弓なりに細まる。そこには無関心だとか、ましてや不快感なんてものはないように思えた。

「あっはは、もちろん！そうだなあ、家政夫とかで雇ったげよっか？あとルッチくんの話し相手！今とそんなに変わんないね」
にこにこ変わらない笑みを浮かべて、何でもない風に足を組んで。からりと全ての不安を掻き消してくれる軽口は光明以外の何物でもない。



「いつでもおいで。あたし達はここに居るからさ」



兎にも角にも、救われた。
これ以上はないほどの言葉をくれた。

[10 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 02:02:38]

「せっかくだし、これ持ってきなよ」
「おわ、わあっ！？」

ぽいと何の気なしに投げ渡されたのは真四角の本。わたわた受け取ってシンプルな厚めの表紙を開いてみれば、そこには数枚の写真が散りばめられていた。

「アルバム？」
「そ。きみが来始めたころかな？あたしも趣味ってものを思い出してねー、撮り溜めてたんだ」
そういえば、ふとした時にカメラや電伝虫を向けられることがあったと思い出した。ぺりりと微かな音を立てるビニールに包まれた白紙を彩るのはヘールシャムとルッチ、時折シャアナの三人だけ。ぱらりと一枚捲る度に、薄灰色の背景で代わり映えのしない新たな写真が現れる。

[11 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 02:05:01]

特に枚数の多い……というかほぼ全ての頁に載った無表情の少年はどこをとっても丸ごと写し取ったような顔で、見慣れているとはいえ改めて並べられるとどこかシュール。いくつかの写真がボケていたりすることも相まって、少し笑ってしまいそうだった。

「趣味な訳だから下手の横好き、たまーにブレてたりするのは仕方ないってことで」
「いや、……凄くいいと思うよ、僕は。でもいいの？こんな貰っちゃって」
「いいのいいの、きみの為に作ってたんだから。それがあれば忘れないし……忘れても、でしょ？」
写真がなくたって、と喉奥から出そうになった声は飲み込んだ。
忘れるという言葉の先がヘールシャムだけでないことは、たった十一歳の子どもにだって分かること。



「うん。……大切にする」
両腕に収まるアルバムを、ヘールシャムはぎゅうと抱きしめた。

[12 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 02:08:41]

餞別を肌身離さず持ち歩きつつ、勧められる芸術を凡才なりに努力しつつ。
そんな中で旅立つ準備をこつこつと進めていた。お金を貯めるのは勿論のこと、今まで気にもとめていなかった海の情勢の確認だとか勉強だとか、体力作りだって欠かさずに。
そんなヘールシャムは家族からどう映っていたのだろうか、努力家？それとも奇異な者として？気にならないと言えば嘘になるけれど、どんな形であっても別に構わなかった。あれだけコンプレックスとして頭の上にのしかかっていた兄の存在だって、残影を振り払うことこそ出来はしなかったけれど軽くはなったのだ。


引越し後のごたつきもあって、準備が整うまでに三年と思ったよりも時間が掛かったせいだろうか。
研究所は瓦礫を残して無くなって、面影も消え去って。

──置いていかれた、ともすれば忘れられた。そればっかりは寂しかったけど、悲しかったけど、大丈夫。



もう救われて固まったヘールシャムの芯がこの先折れることなんて、決してありはしないのだ。

[13 二次元好きの匿名さん 23/12/17(日) 07:40:46]

おかえりスレ主さん(泣)
待っでたよ〜〜〜!!!
またヒョウ太たちの物語が読めて安心した
戻って来てくれて嬉しいよ〜!

[14 二次元好きの匿名さん 23/12/17(日) 12:52:47]

スレ主おかえりなさい！待ってました！！

[15 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:31:54]

毎度毎度心配させて申し訳ない
これからもノロノロ更新で続けていきますのでお付き合い下さい

[16 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:37:31]

▶︎帰
chapter.13　クローンドリーに花束を

[17 二次元好きの匿名さん 23/12/17(日) 15:39:25]

スレ主！！！！！！！！お帰りなさいほんとにまってました、スレ立て本当にありがとうございます…………泣
ほんとに待ってました、ありがとうございます…！

[18 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:42:56]

じゅうじゅうと、黒々しい鉄板の熱が脂を弾いて無数の音を絶えず挙げている。同時に燻る肉が焼ける香りにまだテーブルに来ない料理を思い浮かべて、腹の虫がくうと鳴いた。

昼時も少し過ぎた頃。軒下の黒板におすすめとして堂々とビステッカを掲げた店は、まばらに訪れる客をゆったり受け入れていた。
ヘールシャムの案内で想定よりも早く森を出て、ランチでもと中心街に戻ってそのまま入ったこの店はまだおれが表層に出ていく以前に来たことがある場所だ。けれどルッチにとっては色々と散々だったものだから、焼き直し。所謂リベンジを兼ねているという訳だ。

[19 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:48:12]

「──これってどういう場面？」
「ええと、シャアナさんがトランプ持ち出してきた時かな」
座席に腰を落ち着けたからか表情の緩んだヘールシャムの傍ら、厚紙を捲ろうと張り付いたビニール同士をぱりと軽く持ち上げて剥がす。決して多い訳ではないアルバムの頁にはそれぞれ写真が三枚ずつくらい貼られてあって、それを指差して問えば律儀に隣から答えが返ってくる。

料理が出来るまでの時間潰しとして、先程言っていた証拠とはなんなのかと聞いてみたところ取り出されたのが、今目の前に開かれたアルバム。少しの劣化はあるけれど大事に管理されているのが見て取れる真四角の本は、シャアナさんや兄弟達の姿を写したおれにとっての貴重品だ。見せて欲しいと頼めば快諾されて、ついでとばかりに思い出話なんかも聞かせてくれているのである。

「ルッチ兄もシャアナさんもポーカーフェイス上手くって、こういう遊びじゃ大抵僕がボロ負けしてたんだけどね」
「あー、なんかちょっと分かるなァそれ」
「どういう意味だよ」
むす、と薄く頬を膨らませるヘールシャム。兄弟達に感情があろうとなかろうと、その結果は変わらなかったかも。コロコロと表情が変化する少年の考えは随分と分かりやすい。

[20 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:50:35]

微かに苦笑してから、ビニール越しに兄弟の写真を撫でる。真顔も真顔の見慣れ過ぎた同じ顔。何故かおれには振り分けられた番号まで判別できる、血の繋がった家族擬き。

この世界でシャアナさんとクローン達を覚えているのは、きっとおれだけなのだろうと思っていた。だからおれがあっち側に行ってしまえば、存在自体が無かったものになるんだって。
……持ち出された写真を見てしまえば、そんな考えはどこかに消えた。ちゃんと覚えてくれている。生きていた証拠が残っている。それが、無性に。

[21 ◆BtOeeshqkE 23/12/17(日) 15:54:02]

（思ったよりも親密だったらしいな、あの研究所と）
少しばかりの感心が混ざった声が心の中から呟かれる。内情が内情の研究所、その懐に入り込んだヘールシャムは評価対象なのだろうか。
（まァ、嘘ばかり吐かれていたようだが）
（そりゃあホントのことなんて何にも言えないでしょ、危ないことだって色々あるんだし）
伝え聞きの話と写真だけでも分かることはある。被写体は全く同じ顔でもシリアルナンバーはバラバラであり、つまりは健忘症など真っ赤な嘘であること。本当の方が少ないこと。

……といっても彼に明かしたところで、だ。真実を知ったからっていいことなんて一つもない。ここは騙されたままでいてもらおう。

[22 二次元好きの匿名さん 23/12/17(日) 21:23:22]

新スレが立ってて嬉し過ぎて死んでしまった
ずっと待ってたまた新しく建てて頂きありがとうござきます

[23 二次元好きの匿名さん 23/12/18(月) 07:28:02]

うそ！！！！新スレ建ってて本当に嬉しいし物語の続きを書いてくれて本当にありがとうございます…！
あのステーキのリベンジしてくれてよかった　お肉美味しかったら良いな

[24 二次元好きの匿名さん 23/12/18(月) 07:30:25]

シャアナさんとヘールシャム君の心温まるやり取りの事実とヘールシャム君が会ってたクローンがやっぱり一体ではなかったという真実の温度差で風邪ひきそうだぁ

[25 二次元好きの匿名さん 23/12/18(月) 18:40:57]

アルバムを保管してくれてるし、例えば真実が醜かった(?)としてもヘールシャムの中では美しい思い出ならそれでいいな
人に忘れられることこそが真の死だと言われてるような世界で隔離されていたクローン達を知ってる人が居るだけで050嬉しいだろうな

[26 二次元好きの匿名さん 23/12/18(月) 18:46:16]

結局考察されてた通りでクローンは同型じゃなかったか…

[27 ◆BtOeeshqkE 23/12/19(火) 00:53:21]

そうこうしている内にビステッカ……他で言うTボーンステーキが焼き上がったようで、二人分の皿がテーブルに運ばれてきた。前はオリジナルが態々カウンターまで取りに行っていたが、あれは仕込みの為だけだったりしたのだろうか。
骨の付いた厚めの肉をいそいそと切り分け、一切れ口の中に放り込む。歯に食い込むしっかりとした歯応えと溢れる肉汁、スパイスで乗算された旨味はサンジさん作のステーキとはまた違う味わいだ。うん、おいしい。

「そういやヘールシャム、これからどうするの？」
「……ん、あ、何？」
料理に集中するのもいいが、折角こうして一緒に食べているのに黙々と箸を進めるのは勿体ない。そう思って声を掛けたのだけれど、こっちをしっかり向いている顔は何故か硬直していた。
「君はこれからどうしたいのって。なんか気になることでもあった？」
「あ、いや。……美味しそうに、食べるようになったなって」
じい、と何か含みのあるようなヘールシャムの視線がかち合う。含みと言っても悪意じゃない、穏やかな感情が大部分を占めているような。



きっと何か思うところがあったんだろうけど、彼は深掘りすることなくおれの問いに考え込む。
「でもってどうするかって……ううん、そうだな」

[28 ◆BtOeeshqkE 23/12/19(火) 00:55:38]

1.ヒョウ太に頼る

2.一旦保留

3.シャアナを探す

4.安価

dice1d4=1 (1)

[29 二次元好きの匿名さん 23/12/19(火) 08:14:51]

１番安心できるダイス結果で良かった
３じゃ無くてホント良かった

[30 二次元好きの匿名さん 23/12/19(火) 10:21:14]

ステーキリベンジ出来て本当に良かったし多分050すごい嬉しそうに食べるタイプだな
ヘールシャムくんも過去に囚われずこれからのことを考えれるダイス結果で良かった…

[31 二次元好きの匿名さん 23/12/19(火) 15:41:30]

ヘールシャムくん行き場が無かったらガレーラとかどうかな！？でも肉体労働だからどうだろ…

[32 二次元好きの匿名さん 23/12/19(火) 21:47:33]

ちょっと本誌読んでたらステューシーにベガパンクがお前は人だ、と言う描写やくまがボニーにもっとこの世界にある美しいものを見てもらいたいという描写がどこか050と重なってしまう

[33 二次元好きの匿名さん 23/12/20(水) 07:35:10]

>>31

事務作業とかどうだ今有能秘書がいなくなった後だし

ただガレーラではヒョウ太として過ごしてたしルッチは別にいたわけで､そこにヒョウ太を「ルッチ兄」と呼ぶ子が現れたらガレーラの皆もヘールシャム君も大混乱では？

[34 二次元好きの匿名さん 23/12/20(水) 17:47:37]

これってヒョウ太頼られても結構ツテ探すの難しいな？？？

[35 ◆BtOeeshqkE 23/12/20(水) 18:55:11]

しばし唸って、逃避の如く丸眼鏡の奥を閉じて目の前の肉を頬張る。仰々しくも嚥下してから、ふう、と息を吐いて。

「……ルッチ兄、なんか置いてくれそうなとことか知らない？」

「何も考え付かなかったんだね」

そう突っ込めばヘールシャムはフォークをゆらゆらと揺らしながら、眉を下げての誤魔化し笑いを困り顔の代わりに浮かべた。

おれが紹介できるところ、といったらガレーラ以外に選択肢はないのだけれど。

050はいいとしてルッチの意見

1.肯定的

2.否定的

dice1d2=1 (1)

[36 ◆BtOeeshqkE 23/12/20(水) 19:26:18]

「ないことはないんだけど……」

言葉を濁して意識を奥に傾ける。おれはどうしたって肩入れしてしまうけれど、ルッチならば俯瞰した見方をしてくれるはずだ。
（……ガレーラは慈善団体じゃあないが、まァ。今は奴らのせいで人手不足だ。大工職の適正でもあれば受け入れられるだろうし、駄目でも仕事の斡旋なんかはしてくれるかもな）
淡々とした声は、おれの思考を丸ごと読んだような答えを返す。つまりは別にいいだろう、と。


（……大丈夫かな、迷惑にならない？）
（事情が事情、混乱は必至だな。そこは面倒事以外の何物でもないとはいえ、お前の……おれ達の頼みなら、アイツらは無下にはしねェだろ）

[37 二次元好きの匿名さん 23/12/20(水) 22:10:06]

ルッチからまさかの肯定的意見ガレーラの皆ならばきっとという信頼があっての提案なの、とてもいい
長いパートを通して築かれた信頼なのでこういうところで出ると嬉しくなっちゃう

[38 二次元好きの匿名さん 23/12/21(木) 08:02:04]

W7ってワンピ世界の中でもかなり水準が良いので行くだけでも損はないよな

[39 二次元好きの匿名さん 23/12/21(木) 19:40:30]

ほしゅ
応援してます〜！

[40 二次元好きの匿名さん 23/12/22(金) 04:38:07]

保守

[41 二次元好きの匿名さん 23/12/22(金) 08:01:11]

050って50人兄弟の末っ子みたいなもんだからこうしてヘールシャムにアドバイスとかお兄ちゃんしてて嬉しそうで良かったな　ほっこりする

[42 二次元好きの匿名さん 23/12/22(金) 18:55:25]

ガレーラに対して迷惑にならないか心配してるの健気で良い子なんだけどさ〜
もっと周り頼れよ!甘えろよ!!とか思っちゃうよ〜

[43 ◆BtOeeshqkE 23/12/22(金) 19:54:49]

諸々の事情で更新めちゃくちゃ不安定になります申し訳ない

しばらく更新できない可能性あるので先にちょっとだけダイス振っときます

ヘールシャムの船大工周辺適正

艤装・マスト　dice1d100=74 (74)

ピッチ・鍛冶・滑車職　dice1d100=27 (27)

さしもの・コーカー・縫帆　dice1d100=77 (77)

木びき・木釘　dice1d100=18 (18)

大工　dice1d100=69 (69)

秘書　dice1d100=31 (31)

戦闘　dice1d100=22 (22)

この後どうする？（観光とか移動とかなんでも）

>>45

[44 二次元好きの匿名さん 23/12/23(土) 03:23:43]

一応船大工出来そう
真っ当に努力してきたし土台は良いよな

[45 二次元好きの匿名さん 23/12/23(土) 12:00:32]

一旦ガレーラに事情説明の電話いれてその後観光してほしいな､残された日にちは少ないけど楽しんでほしい

[46 二次元好きの匿名さん 23/12/23(土) 12:05:10]

ヘールシャム君のアルバムに050の写真も入れたい!!
というわけでサン・ファルドのカーニバルを背景に記念写真撮りに行こうよ

[47 二次元好きの匿名さん 23/12/23(土) 23:02:17]

夜ほっしゅ

[48 二次元好きの匿名さん 23/12/24(日) 07:49:51]

ヘールシャムくんマストやさしものだったらそれなりに仕事出来そうじゃないか！！ファンブルな結果にならずにそこそこの数値出てよかったよかった

あととにかくヒョウ太には残された時間しっかり楽しんで写真も沢山撮って欲しいよね…それが思い出や生きた証になるから

[49 二次元好きの匿名さん 23/12/24(日) 15:51:10]

リアタイで追い続けたらすっかり050とルッチの幸福を祈るおじさんになったので幸せに観光して欲しいぜ
でもさっき050闇堕ちしかけたのが不安だけど今は兄弟たちの写真見たりヘールシャムくんとステーキリベンジ出来たりこれから観光だったりでホッとなってる

[50 二次元好きの匿名さん 23/12/24(日) 23:17:52]

聖なる夜保守☆

[51 二次元好きの匿名さん 23/12/25(月) 06:14:56]

今日はクリスマスだけど作中のヒョウ太も一年過ごした筈だからクリスマスプレゼントとか貰ったのかな　お祝い出来たかな　てか向こうはクリスマスねぇか…

[53 ◆BtOeeshqkE 23/12/25(月) 15:03:51]

安価に感想に保守ありがとうございます！安価外のも積極的に取り入れていきたい所存



「……よし」
ルッチは未だにヘールシャムという少年のことを警戒している。だというのに提示されたそれは、ガレーラカンパニーという会社への信頼があるからこそ。
そんな当たり前に背中を押され、勢いに任せてヘールシャムに向き直る。

「ヘールシャム。船大工とかって、興味ある？」
「……船大工？」
こてりと首を傾げてオウム返しをする彼へ、元よりない警戒を生ませないように微笑みかけた。

[54 二次元好きの匿名さん 23/12/26(火) 00:16:30]

ガレーラ側も潜入組が抜けて人手不足だろうし渡りに船かもしれないね

[55 二次元好きの匿名さん 23/12/26(火) 05:20:25]

エニエスロビーやカミングアウトもあって、まだ若干身を引こうとしちゃう所もあるけどガレーラを頼るようになってよかった…！

[56 ◆BtOeeshqkE 23/12/26(火) 10:52:09]

空になった鉄板の上に食器を置けば、カチリと小さく音が鳴る。脇に置いたリュックから小型電伝虫を取り出そうとして、店内の通話は良くないかと思い直した手が少しの間彷徨った。

「実はおれ、サン・ファルドから離れて造船会社で働かせてもらってるんだ〜。知ってる？ウォーターセブンの、ガレーラカンパニーってとこなんだけど」
「そりゃあ……ガレーラって言ったら、あの海列車造ったとこだろ？僕でも知ってるよ、凄い会社じゃん！」
考えるような間もなしにそう返された。流石の知名度、海列車の製作というネームバリューが線路が張り巡らされている島に広まっているのは当然か。
別におれが関わった訳じゃないけど、ちょっと嬉しくなって心なしか胸を張る。

[57 ◆BtOeeshqkE 23/12/26(火) 11:02:49]

「……でも、僕みたいなぽっと出を雇ってくれるのか？大工職みたいなのは経験ないし」
ヘールシャムの不安も尤もだろう。実際ガレーラの入社試験に落ちる人だって当然いるんだから、勧誘されたおれたち、というかルッチが特例。
「ガレーラは実力主義だからね！手先が器用なら雑用程度の作業じゃ困らないだろうし。ドジとかがなかったら早めに普通の仕事も任せてくれるはずなんだわ、多分」
「多分って、テキトーだな……」

力があって頭が回って、労働意欲もそれなりにあって。それでもルッチがずっと雑用として留まっていたのは、わざとのドジで自分の昇格を遮るきらいがあったから。『ヒョウ太』としての演技が抜かりないのもあるんだろうけど……いつか帰る、離れるんだって思いが根本にあるからこれ以上の仕事を請け負うことはできなかったんだ。
ヘールシャムにはそんなしがらみはない、年齢の壁は幾分あってもガレーラであれば大丈夫だろう。


「まァ、一旦話は通しておかなきゃかな。ちょっと待ってて！」

[58 ◆BtOeeshqkE 23/12/26(火) 11:03:34]

電話の相手

1.アイスバーグ

2.パウリー

3.ルル

4.タイルストン

dice1d4=2 (2)

[59 二次元好きの匿名さん 23/12/26(火) 17:24:54]

こういう時はルルかタイルストンが多いからパウリー新鮮だな！

[60 二次元好きの匿名さん 23/12/26(火) 23:04:19]

夜保守

[61 二次元好きの匿名さん 23/12/27(水) 09:25:15]

保守

[62 二次元好きの匿名さん 23/12/27(水) 13:19:21]

これってヘールシャムくんもガレーラ行くことになったらヒョウ太との別れどうなっちゃうんだろう
でも本当にすぐの別れになるだろうし、シャアナさんみたいな感じで「ヒョウ太は旅に出たらしい」などという嘘をガレーラの皆に頼むのかなぁ…

[63 二次元好きの匿名さん 23/12/27(水) 19:14:22]

ルッチはヘールシャムが普通の少年って分かったのにまだ警戒してるのか…
さすが相性最悪　ヘールシャムと話すことはないだろうけどもし話すことがあったら信じられないくらい態度悪そう

[64 ◆BtOeeshqkE 23/12/28(木) 03:07:38]

一旦店を出て、人通りのない小道へ。誰もいないことを確認してから電伝虫を操作する。その相手はパウリーさんだ。出来ることならアイスバーグ社長に連絡するのが一番いいんだろうけど今は忙しい時期、電伝虫の対応なんてしている暇はないはず。
職長も職長で大概多忙とはいえ、事情を踏まえて連絡するなら造船のあの場にいた相手じゃないとダメだからそればっかりは仕方がない。


「もしもしー、パウリーさん？今大丈夫？」
「ヒョウ太？どうしたんだ、何かトラブルか！？」
がちゃという音を合図にして話し掛ければ、電伝虫は表情を少し焦ったものに変える。その勘違いを、こちらは問題ないと、伝わりはしないけど手を振りながら否定した。

「ンや、そういうんじゃなくって。一個頼み事があってさ──」

[65 二次元好きの匿名さん 23/12/28(木) 07:58:13]

電話をしたら真っ先に心配モードになってるパウリー　優しい

[66 二次元好きの匿名さん 23/12/28(木) 19:34:45]

やったねパウリー!可愛い弟分が増えるよ!

[67 二次元好きの匿名さん 23/12/29(金) 07:27:02]

保守

[69 ◆BtOeeshqkE 23/12/29(金) 09:45:03]

研究所周辺の込み入った部分はなるべく切り捨てて、さらりと簡単に事情を話した。それでも説明せざるを得なかった部分に頭を悩ませてしまっているのではないかと心配しながら通話越しにパウリーさんの様子を伺う。

「要はお前の知り合いを受け入れてほしいってことだな？一人の宿の用意程度は出来るし、雇うのも構わねェぜ。多少は本人の腕次第になるが」
「あれ、結構あっさり」
平常運転な声の主は、おれの想定以上に何も聞かずに頼みが通した。断られるとはあまり思っていなかったけど、てっきりもうちょっと悩んだりするかなと。
「そりゃあ、お前はヘタな奴を寄越したりしないだろ？今は人手がある程いい、そういう新人なら大歓迎。詳しい事情は後で聞くとしてな」
電伝虫は、アイスバーグさんも同じ考えだろうぜと笑う。『ヘタ』な……つまりはスパイのような人間を雇い入れることに警戒はしているみたいだ。何せ前例が出来てしまったものだから。そんな心配りをしなくてもいいとなれば、確かに悪くないのかも。

[70 ◆BtOeeshqkE 23/12/29(金) 10:54:41]

「って訳でおれらは問題ないんだが……。どうするんだ、そいつには……話すのか？」
暗に寿命のことだとか、おれがいなくなった後のことをどうするのか、と。
……おれの抱えた事情は、その一つ一つがヘールシャムの抱えた思い出に亀裂を刻みかねない真実に繋がることになる。騙されたままでいるのと全部知ってしまうのと、彼にとってどちらがいいのかは分からない。


「後のことは、……何とか誤魔化すよ。だいじょーぶ！演技は得意だし、あの子は随分素直みたいだから」
だから、幾ら不誠実であろうとも隠すと決めたこれはおれの勝手。

[71 二次元好きの匿名さん 23/12/29(金) 16:12:01]

やっぱり隠すことになったか…

[72 二次元好きの匿名さん 23/12/29(金) 22:35:19]

保守

[73 二次元好きの匿名さん 23/12/30(土) 08:25:53]

4月の終わりから始まったSSスレで年を越せるなんて思ってなかった
すげーよスレ主さん
正月休み中にまた１から読み返ししようっと

[74 ◆BtOeeshqkE 23/12/30(土) 14:31:10]

「……無理だけはするなよ」
「うん、大丈夫」
「何かあったら、いや何も無くても！ちゃんと連絡してこいよな！今回みたいな相談だっていつでも受けるぜ」
「ぬはは、そうそうないってば。ありがとね」
「んで面倒事にはなるべく首突っ込むなよ、あと……」
「……パウリー」
「うォ、おう」
「長い」
「ハハ、悪ィ！」

[75 ◆BtOeeshqkE 23/12/30(土) 14:34:06]

からん、とドアベルが音を立てた。入店したのは先程出ていった客だと気付いた店員が興味を無くすのを傍目に、食事を終えてしまったようで手持ち無沙汰にしていたヘールシャムへと手を軽く振る。

「お待たせー！オッケー貰ったよ！」
「……ほんと？許可取るの早くない？」
端的に結果を伝えると、ここまで早く了承を取ってくるとは思っていなかったのだろう彼は目を見開いた。
「ほんとほんと〜。これで心配は晴れたかな」
「うん。……ありがと、ルッチ兄」
少しばかり呆けて、それから綻んだ表情に笑みが浮かんだ。おれ自身は知らないとはいえ知己の助けになれるというのは心が梳く。


「あ、そうだ！その呼び方のことなんだけど」
「？」
無駄に事態をややこしくしないように、とルッチに釘を刺された部分を訂正しておかなきゃならない。丁度いいから、今のうちに。

[76 二次元好きの匿名さん 23/12/30(土) 18:04:05]

もしかしてパウリー、長いの台詞の時だけルッチと交代してる？
とにかく就職先関連の話がなんとかなりそうでよかった！

[77 二次元好きの匿名さん 23/12/31(日) 05:38:51]

朝保守

[78 二次元好きの匿名さん 23/12/31(日) 13:31:33]

ほぼ1年間ずっと楽しませて頂いて、続けて頂いて感謝です
思えばこのスレが日々の日常のささやかなご褒美でしたスレ主さん本当にありがとうございます
来年も更新楽しみに応援させて頂きます

[79 ◆BtOeeshqkE 23/12/31(日) 21:55:22]

「おれのことはヒョウ太って呼んでほしいんだ。今、ルッチって名乗ってなくて」
「……はあ？どういう事だよ、改名したってことか？」
「まーそんな感じ。ウォーターセブンじゃ完全にヒョウ太で通ってるしさ、皆のことあんまり混乱させたくないの」

呼び方どころか名前自体が変わっている、なんて唐突な話は訝しげに唸られて然るべきだろう。でもここで納得してもらわなきゃそりゃもう困る、大体オリジナルのせいで色々と。
お願い、と手を合わせて軽く頭を下げるとヘールシャムは暫く考え込んだようだったけど、やがてこくんと頷いた。
「ピンと来ないけど……んじゃ、ヒョウ太兄……？で、いいのか？」
「うん！やっぱおれはそっちの方がしっくりくるな〜」
呼びにくそうにしている彼には悪いけど、こればっかりは仕方ないと苦笑する。

[80 ◆BtOeeshqkE 23/12/31(日) 21:57:46]

……ルッチは、ルッチと呼ばれたままが良かっただろうか。折角何の含みもなく本当の名で話していてくれていたのに。
（其奴が兄貴分だと認識してるのはおれじゃない、お前だろう050。別に構うことはねェ）
（そう？なら、いいけど）
心に引っかかった欠片は漏れていたらしい、内側から気にするなと首を振る気配がした。


（何ならお前がヒョウ太を名乗ってもいいと思うがな。その仕草に思考、おれより相応しいんじゃないか？）
（……それはいいよ、おれはR-L.050。お前のものでしょ、『ルッチ』も『ヒョウ太』も）

[81 ◆BtOeeshqkE 23/12/31(日) 23:13:57]

そうか、と色の見えない声でそう言って、ルッチは奥へ沈んだ。脳内会話を長引かせるのも不審がられるだろうと頭を切り替える。
「さて！ご飯も食べたし話も着いた、観光に戻るとするかな」
何だかんだでどこも行けてないからなー、とボヤきつつ荷物を持ち直し席を立つ。今の時間は昼過ぎで、まだ十分に見て回る時間はあるだろう。
「んじゃ行こっかヘールシャム！食べたばっかだけど動ける？」
「……え」

ぽかん、沈黙。流れる気まずさに、変なことを言ってしまったかと目が泳ぐ。
「あ、えと、僕も一緒でいいのか？って驚いただけで、嫌とかじゃなくって！」
慌てたのはヘールシャムも同じだったらしい、あわあわと腕を振っての否定に思わず吹き出した。

[82 ◆BtOeeshqkE 23/12/31(日) 23:19:25]

「ふふ、いやごめん、急だったね。……前のおれとは街を回ったりした？」
「ううん。る、……ヒョウ太兄は病気だからあんまり動けなかったし、まして研究所の外に出ることなんてなかったから」
「つまり、おれはサン・ファルドのことをなーんにも知らないってこと。前まで住んでたのに変な話だよねェ」
窓から見える景色は見覚えがあって、気の所為かもしれないけど空気もどこか肌馴染みがするように思える。


「だから色んなとこ案内してよ。ね？」
一応の生まれ故郷を訪れるのは、これが最後。だったらいっとう良いところを見たいと思う。色々なところを見たいと思う。

「いいよ勿論、全然いい！……ほんと、夢みたいだ」
弾かれるように即答を返される。これは彼の見ている夢じゃないと思えばこそ、ちくと胸が痛んだ。

[83 ◆BtOeeshqkE 23/12/31(日) 23:26:43]

フラグ建設は着々と進んでおります　瓦解するかどうかはダイス神様次第！
最良の結末を祈って良いお年を〜

[84 二次元好きの匿名さん 23/12/31(日) 23:40:32]

大晦日更新ありがてぇ
なんとか話が円満にまとまって良かった〜
050君もルッチもヘールシャム君も観光の時にはぜひ頭空っぽにして楽しんでほしいな
スレ主さんも良き新年をお過ごしくださいね

[85 二次元好きの匿名さん 24/01/01(月) 08:47:30]

あけましておめでとうございます！今年も物語を楽しみにしてます
050はほぼ「ヒョウ太」そのものなのにその名を受け取らずにクローンの型番の名前を大切にしてるの凄く良いな
でもそれに対するルッチの色の見えない声ってのが怖過ぎる
一応当面の問題は片付いて後は楽しむだけというのに「瓦解」ってワードが気になって仕方がないよ…フラグってなんだ…ダイス神次第でどうなっちゃうんだ…

[87 二次元好きの匿名さん 24/01/01(月) 22:53:34]

夜ほしゅ

[88 二次元好きの匿名さん 24/01/02(火) 08:14:39]

ルッチも050も心の中で何かが溜まってるような気がするからその蓄積した感情が爆発しないまま、ただ楽しく過ごせるように願ってる

[89 ◆BtOeeshqkE 24/01/02(火) 09:23:28]

「サン・ファルドと言ったらカーニバルだけど……パレードは夜だからな」
それまでに回れる場所を教えてやる、と隣であちらこちらへ指を差す案内役に着いて、煉瓦造りの町並みを歩いていく。

活気のある市場を通れば威勢のいい声が屋台へと誘う。広場や公園では小さめな場でさえも様々なパフォーマンスが披露されていて、賞賛の拍手を送る腕が忙しい。
「この時期は大道芸人も多い、全部見てたらキリがないぞ」
「んむ。……でもさー、ついつい見ちゃうんだよねェこういうの」
（相変わらずだな）
そうせっつくヘールシャムに、食べ歩きの手を止めて言い返す。カラフルに跳び回る道化師達が輝いて見えるのは突っ込まれた通りおれの好み、それに加えて祭りの雰囲気が加算されているんだろう。
「まァ、分かんなくもないけど。こういうの、見る分には悪くないし」
「でしょー？」

[90 二次元好きの匿名さん 24/01/02(火) 20:45:09]

大道芸人の中にカッスン海賊団紛れてないかな〜

[91 ◆BtOeeshqkE 24/01/02(火) 23:25:36]

「ここが大聖堂、一番の名所だね。観光客にとっちゃほとんど美術館って扱い、正直言うと僕もそんな認識してる」
一際立派な建物に足を踏み入れてみる。外のイベントに皆吸い寄せられているのか人は少なく、荘厳な空気そのままに静まり返っていて丁度いい。

「ははあ、美術館……あ、天井に絵飾ってあるよ！凄いデカい！凄い！」
「ちょ、声大きい！響くって！」
（どっちもどっちだろうが。ま、宗教施設なんざウォーターセブンにはそうねェからな……新鮮か）
呆れ混じりなルッチの声が飛んでくるから、誤魔化すように咳払い。

息を飲む、とはこういうことを言うのだろう。関心のなかった分野に心を揺さぶられるとは、流石一番の観光名所なだけある。造詣の深い感想なんて出てこないが、天井まである豪奢なステンドグラスとか柱の一本まで細かい彫刻が施されているだとか、そういうのに逐一目を奪われてしまう。
「はー……凄いなあ。神様信仰も芸術も分かんないけど、圧倒されるというか」
（ンな複雑に考える必要はねェよ。感動したならそれでいい）
（そういうものかなー。ルッチも見てるの、楽しい？）
（……まァ。ここまでのは中々ないしな）
（だよねェ、凄いよね！）

[92 ◆BtOeeshqkE 24/01/02(火) 23:33:30]

うろうろと歩いては、見て回って。ふと気が付けば空が橙色に移ろいでいた。
「やば、もう夕方！これってパレード間に合う！？」
「まだ大丈夫だってば。そんな急がなくてもいいよ、ルッ……ヒョウ太兄」
窘められはしたけれど、暮れ泥む日に焦りは募るもの。少し足早に開始予定地までいけば、前方に大きな人だかりが見えた。ざわめきの度合いからして始まるまでもう少し、と言ったところだろうか。

「はー、はー……まだ始まってない？良かったァ」
「だからまだ時間あるって言ったのに！無理しないでよ、そんなに息切らして！」
「へへ、大丈夫だってば」
額に張り付いた汗を髪ごと拭い、荒くなった息を整えてへらりと笑えば、ねちねちと小さな不平が飛んでくる。


前の運動神経を知られていないのが功を奏した、と内心安堵する。怪我は治って痛みもマシになったとはいえ、根本は駄目になっていることに変わりはない。今のおれは一般人並かそれ以下だと確信できる程に体力が落ちてしまった。

……この体、ちゃんと最後まで持つかな。

[93 二次元好きの匿名さん 24/01/03(水) 08:18:28]

はしゃぐ050ほんまかわいい　その調子でもっと美しいもの楽しいものを見てくれ
でもあのロブルッチの肉体がただ走っただけで息切れするのがあまりにショッキング過ぎる…もうそこまで…

[94 二次元好きの匿名さん 24/01/03(水) 19:35:59]

体力が一般人以下のロブ・ルッチって凄いな想像できん
これからの更新怖いけど楽しみすぎる

[95 ◆BtOeeshqkE 24/01/03(水) 23:34:06]

──弾けるような楽器の音色に顔を上げる。
「お、始まるみたいだぞ」
至近距離にいるヘールシャムの言葉すら掻き消しかねない程に沸き立つ歓声に釣られ人垣の先を目で追えば、鮮やかに組まれた隊列が動き始めていた。
「おわァ馬だ〜！引いてるのはアレ、なにっ？すごいキラキラしてるけど馬車？」
「あれはフロート、パレードの中心だからそこ見とけば間違いないよ」
「なるほど〜〜！詳しいねヘールシャム！」
「そりゃ地元民だし」
人工的な明かりに照らされた道中を進むフロートを、爪先立ちで追いかける。遠目からでも分かる煌びやかな装飾や、賑やかな音程を奏でる楽器達。そして主役は動く舞台の上で舞い踊っている。ああ、見ているだけでもばくばくと鼓動が高鳴ってしょうがない。

ちかちかと視界がきらめく。脳裏に焼き付いた赤と黄色が、夜中の太陽がフラッシュバックして、目の前にあるようで。
「……うん、凄いなあ」

[96 二次元好きの匿名さん 24/01/04(木) 07:53:23]

050は好きなものしっかり見つけられて偉いな

[97 ◆BtOeeshqkE 24/01/04(木) 08:54:21]

カシャ、と。

突然鳴ったシャッター音に意識が引き戻される。音源、つまり隣を見れば、何故かヘールシャムがおれにレンズを向けていて。
「？どーしたの、おれなんか撮って」
「あ、えーと……あんまりにいい顔だったから、つい」
普通にパレード撮るつもりだったんだけど、と両手で持った小さなカメラを照れ臭そうに持ち直した。

「ほんとにいい顔だったんだぞ、今日一だ。……現像したらアルバムに貼っつけていいか？ヒョウ太兄が良ければ、だけど」
「おれはいいけど……アルバムって昼間のだよね？シャアナさんの。そっちこそいいの？」
形見という認識がないにしても大事なものなんじゃないのか、とおれが小首を傾げれば、ヘールシャムはくすと面白がるように笑う。

「全然大丈夫、ヒョウ太兄の写真が増える分にはシャアナさんも喜ぶだろ。むしろ見せたら羨ましがられるかもなァ」
柔らかく細められた目の先にいるのは、ここにはいない、もういないあの人。

[98 ◆BtOeeshqkE 24/01/04(木) 09:13:20]

……同情のような、同調のような。何だかよく分からない感情が積もってしまって、ヘールシャムからカメラを取り上げた。
「ちょ、ちょっと何！？」
「おれだけじゃなくて、君も。ヘールシャムも一緒に写ろ！」
「へ、」

「ほら、こっち寄って！」
空いた手で腕を引っ張り体を寄せる。内側にカメラを向けて、ぱしゃり。軽い音がヘールシャムを巻き込んで鳴った。

[99 ◆BtOeeshqkE 24/01/04(木) 13:36:48]

「どうかな、ちゃんと撮れてる？」
「と、撮れただろうけど！絶対ブレてるだろ今の撮り方じゃ！」
掴んでいた腕を解放し、カメラを元の位置に戻す。きちんと出来てる自信がなかったので訊ねてみれば、きゃんきゃんと至極真っ当な理由で噛み付いてきた。
「無表情が治ったと思ったら今度は自由過ぎるよもう！いいけど！」
「ぬはは、ごめんって！まァブレててもいいじゃん、折角だし二枚ともアルバムに入れてよ」
「最初からそのつもり！」

ふくれっ面で文句は言っても不機嫌ではない。思わずくくと喉を鳴らすと、ヘールシャムも様相を崩して笑い出した。

[100 二次元好きの匿名さん 24/01/04(木) 16:18:52]

心の底から楽しんでそうで本当良かった
まさに同年代の気の許せる友達が出来たって気がする　あともう少ししか仲良く遊べる時間は無いけど…でも精一杯はしゃいでキャッキャッしてほしい
にしても050写真初心者なのに自撮りする発想が出るの強いなぁ！？

[101 二次元好きの匿名さん 24/01/04(木) 21:48:34]

念の為の夜ほしゅ

[102 二次元好きの匿名さん 24/01/05(金) 08:01:01]

年始記念に概念スレから読み直したんだけど本当に面白いし感慨深いな………一気読みも面白いしリアタイで更新読むのもどっちの方法も味わえて幸せ

[103 ◆BtOeeshqkE 24/01/05(金) 09:11:37]

24+dice1d10=3 (3)

[104 ◆BtOeeshqkE 24/01/05(金) 09:46:48]

お祭りの喧騒を、パレードを追い掛ける人波の一部となって過ごす。道すがら出店に立ち寄って買い食いしたり、大技を決める役者に盛り上がったり。
時間は何とも早く進み──移動ショーがクライマックスを迎えたころには、もう日付が変わってからしばらく経っていた。

「もう終わりかあ」
「そうだな。今日を過ぎたらこの街もいつも通りだ」
熱気は残り香にさえならず、人の輪も屋台も徐々に撤収していく祭りの後はどうしたって侘しくて、名残惜しい。

[105 ◆BtOeeshqkE 24/01/05(金) 09:55:18]

「……明日から君はどうするの？もうウォーターセブンに行く？」

このまま宿屋に入るのも何となく嫌で、ヘールシャムにそう訊ねてみる。行き当たりばったり気味の彼は特に決めていなかったらしく、どうしようかな、と呟いて。

ヘールシャムの行き先

1.ウォーターセブン

2.プッチ

3.サン・ファルドに留まる

dice1d3=1 (1)

[106 ◆BtOeeshqkE 24/01/05(金) 19:35:39]

「……うん、じゃあウォーターセブンに。世話になるんだからなるべく早めに挨拶しといた方がいいはずだよね、多分」
「りょーかい。だったら色々教えなきゃだから、……メモはっと」
ヘールシャムは首を小さく捻りつつ、おれの言葉を復唱するように先を決定した。
でもってそこにおれは着いていけないから、今の内に色々根回しが必要だろうとペンを取り出して紙に必要事項を走らせる。ガレーラの場所……はいいか、分かりやすいし。

「ガレーラカンパニーは島の中心にあるからね、そこで一番ドックのパウリーさんに用があるって言えば対応してくれるはず。額にゴーグル付けた人が出てきたらヒョウ太の知り合いだって伝えて」
「ちょっ、と待って」
考えていることをそのまま口に出していると、段々隣の気配が揺らぎ始めた。

[107 ◆BtOeeshqkE 24/01/05(金) 19:42:18]

「ヒョウ太兄はウォーターセブン、行かないのか？一緒じゃないの？」
ペンを動かす手を止めて、動揺交じりの声に顔を向けた。あれ、言ってなかったっけ。
「おれはまだ帰んないよ。次にプッチ行ってー、セント・ポプラ行ってー、それから戻るつもり」
「あ、そ、そうなのか……僕の思い込みだ、ごめん」
首に巻いたマフラーを口まで持ち上げ、少し恥ずかしそうに目を逸らすヘールシャム。か細い謝罪が微笑ましくて、気にしないでとひらひらと手を振った。


「えと、プッチに行くんだよな？それならちょっと、頼まれてほしいことが一つあって」

[108 二次元好きの匿名さん 24/01/05(金) 22:27:48]

ここで一旦ヘールシャム君とはお別れか
プッチとセントポプラでも写真撮って思い出作りしてほしかったのにちょっと寂しいぞ〜
でもセントポプラに居る原作ルッチ含めたCP9メンバーにはヘールシャム君会わせる訳にはいかないしダイス神の神采配かもしれぬ

[109 二次元好きの匿名さん 24/01/06(土) 08:05:17]

保守

[110 二次元好きの匿名さん 24/01/06(土) 08:44:19]

この流れじゃてっきり一緒にウォーターセブン行くって期待しちゃうよなぁその気持ち分かるぜ

[111 二次元好きの匿名さん 24/01/06(土) 17:01:08]

050はしゃいじゃったりすることもあるけど基本大人びてるなぁとひしひし思うわ1歳児なのに
ヘールシャムへの対応での気配りとか小さな一つ一つの行動がなんというか、すごいしっかりしてるわ…

[112 ◆BtOeeshqkE 24/01/06(土) 22:44:29]

「頼み事？おれに出来ることなら、何でも」
（お前はまたそう安請け合いして……）
かぶりを振って立ち直ったヘールシャムの言葉を反芻してそう答えると、溜め息に近い声が呟かれたのは受け流す。酷い無茶振りはしてこないだろうっておれなりの考えがあるんだから。……とはいえおれはプッチに縁もゆかりも無いんだけど、それでもいいのだろうか。

「いや内容くらい聞いてから決めなよ……ダメならダメで構わないんだ、僕もプッチに行けば済む話だから」
遠い目をして、金銭的に厳しいだけで、とぼやくヘールシャム。家出少年の彼にとっては海列車の往復代金さえ痛い出費らしい。


「それで内容なんだけど……伝言を、頼みたくてさ」
すぐに意識を引き戻しておれを見る目からは、若干の後ろめたさが読み取れた。

[113 ◆BtOeeshqkE 24/01/06(土) 23:41:15]

「プッチには僕をここら辺まで船で乗せてってくれた人達がいるんだ。『居場所があるならそれでいい、でもそうじゃなかったら家に送り返す』って言われてて……」
戻るつもりがなくてもせめて話し合えとかを色々言われただとか、ド正論だし助けて貰ってる手前反論出来ないだとか、眉間に皺を寄せながらヘールシャムはもごもごと呟く。
「へェ、協力者みたいな？」
「まあ、うん、そんな感じ。で、どっちにしたって一段落したら連絡してくれって電伝虫の番号渡されたんだけど」
一旦話が切れる。──何となく、展開が読めたような。

「……だけど？」
「……その書かれたメモ、置き忘れて……」
口篭りながらの答えは、見事に想像通りだった。

[114 二次元好きの匿名さん 24/01/07(日) 08:18:31]

ヘールシャムくんヒョウ太といいその協力者といい優しい人ばかりと出会ってて運が良い

[115 二次元好きの匿名さん 24/01/07(日) 12:54:29]

いつの間にか結構進んでた……
ヘールシャムくんとはもうお別れなのかい？寂しいなぁ

[116 二次元好きの匿名さん 24/01/07(日) 21:15:38]

この展開だとプッチでも新キャラクター登場かな?
しかも「船で乗せてってくれた人達」って言ってるから複数人

[117 ◆BtOeeshqkE 24/01/07(日) 23:52:33]

思わず半目になって見やれば、ヘールシャムは肩を縮こませる。別段おれが怒る筋合いもない、申し訳なさそうに萎縮した彼の緊張を解く為に、ばしりと音が鳴るくらいに背を叩いた。
「わ、っ！？」
「いいよォ伝えるだけなら、行くついでだし。これも監督責任ってヤツ？」
快く了承を告げれば、ぱ、と俯きがちだった顔が上がる。明らかに血色の良くなったヘールシャムは本当に分かりやすくて、これでルッチと同年代なんだと思うとその違いがちょっと面白い。
「ほ、本当か！？助けてもらってばっかりでごめん、ありがとう！」
「いいよいいよ、ガレーラに労働力で返してもらえばそれでいいんだわ！」

[118 ◆BtOeeshqkE 24/01/07(日) 23:53:32]

「それで、協力者さんはどんな人なの？大体どこら辺にいるとかって分かるかな」
こくこくと頷くヘールシャムに、そうと決まればと話を先に促す。そうだなァ、と目線を上に向けて思い出しながらといった風に出てくる情報群に耳を傾けた。

「正規の港に居ないのは確かで……あの島には奥まった方にも港があるから、そこに停泊してたな。船自体結構目立つから分かりやすいと思う」
「ふーん、ってことは若干アウトローだったり？」
少し引っ掛かったことを聞いてみる。ウォーターセブンでも海賊や、そうでなくても影を持った船は基本裏の港を使うものだから。

「そう、海賊。……今更だけど言ってなかった、ごめん。父さんの知り合いって印象の方が強くて……悪人じゃないからそこは安心してくれ」
「ここまで君を面倒見てくれたんでしょ？心配してないよ」
おれ自身はガチガチの海賊嫌いという訳でもなし、ルッチも色々あって毛嫌いと言う程でもなくなったしで、それが断る理由にはならない。話を聞く限り相手は至極真っ当そうなのでまあ、大丈夫だろう。

[119 ◆BtOeeshqkE 24/01/07(日) 23:57:28]

「それに職業柄、海賊にはそこそこ詳しいんだ〜。もしかしたら知ってるかも！」
「そうなの？まあ知ってる人は知ってるか、手配書も出てるし」
一般や政府だけでなく海賊も顧客とする造船会社に身を置いているのに加えて、情報収集の一環として新聞のチェックを欠かしたことがほぼないルッチがここにいる。手配書が出ているなら大抵は分かりそうなものだけど。




「カッスン海賊団って人達。知ってる？」
「…………、え」

[120 二次元好きの匿名さん 24/01/08(月) 07:23:03]

ホァ！？ここにきてマジでカッスン海賊団！？

[121 二次元好きの匿名さん 24/01/08(月) 10:52:51]

カッスン海賊団だァァァァァァ！！！！！(大興奮)

[122 二次元好きの匿名さん 24/01/08(月) 21:23:52]

やけに協力者の人達が親身で積極的だからまさかやと思ったら…そのまさかじゃん！？！？！？ほんとに良かったね
今から向かえば出会えるかもしんないじゃん！！

[123 ◆BtOeeshqkE 24/01/08(月) 21:59:26]

何でもない声で紡がれた名前に、かちりと一瞬おれの時は停止した。……聞き間違い、か？だって、そんな偶然。
「船長はサー・カッスンっていう、相当派手なナリしてる賞金首だな。有名か無名かってのは僕詳しくないけど、どうだろう」

（……何の奇跡だ、これは）
間違いでも何でもない、と。驚きと懐疑を織り込んだルッチの唸りに頷きそうになってしまったのを切欠として、思考回路を無理矢理回す。──ヘールシャムの家系が芸術畑っていうのは、聞いた。その家族の知り合いなら文化系に携わっているというのも分かること。だからおかしな話じゃない、ないのだけれど。

[124 ◆BtOeeshqkE 24/01/08(月) 23:38:11]

（……うあーもう頭回んない！代わってルッチ！）
（ッおい！？）

会えるかもしれない、嬉しい、とか。合わせる顔がどこにある、とか。突然打ち込まれた衝撃が脳味噌をぐるぐる巡り、思考と感覚の奔流になって襲ってくるものだから立ってられなくなりそうで、白旗を上げて半ば強引に身体の主導権をルッチに譲る。なんてったって今はまともに話せる気がしないので。

「……ヒョウ太兄？」
「あ、いやァびっくりしちゃって！実はおれカッスンさんとは知り合いでさ〜、すっごい偶然だ！ってね」
碌な反応が返ってこなかったからだろう、不思議そうに首を傾げるヘールシャムにルッチは即座の演技で対応してくれる。流石。
（流石、じゃねェだろ……）
（ごめんって！とにかくしばらくお願い、ルッチ！）
（……まァ構わねェ。ちゃんと落ち着けよ）

[125 二次元好きの匿名さん 24/01/09(火) 08:05:24]

050が処理落ちしてるー!!
会えないとおもってた好きな人に実際会えるよって言われたらバグる気持ちはわかるけども

[126 二次元好きの匿名さん 24/01/09(火) 08:35:05]

ちょっと変わって！っていう無茶振りに適応出来てしまう天才生徒会長は流石としか言いようがないしそんな050無茶振りに「まぁ構わねェ」の一言で許すのあまりにも…あまりにも…あまりにもさ…
にしても050の代役で久々にヒョウ太やることになったルッチは健康に良い

[127 二次元好きの匿名さん 24/01/09(火) 13:42:46]

①を午前0時に読み始めたらここに来るまで13時間は掛かったけど読んでて全然飽きなかった…スレ主様は神様か仏様？

[128 二次元好きの匿名さん 24/01/09(火) 17:47:48]

1つの身体に2人いるからこそのこういうチームワーク(?)の描写ほんと好き
ルッチってこういう無茶振りに怒ると思いきや意外に受け入れるの1年間で築いた関係性だからなのか…もうすぐ終わる存在への精一杯の優しさなのか…色々考えちゃう
でもワン学のルッチって変な着ぐるみ着たり色々と柔軟だからな…

[129 二次元好きの匿名さん 24/01/09(火) 20:56:18]

一応保守

[130 二次元好きの匿名さん 24/01/10(水) 07:22:00]

朝保守

[131 二次元好きの匿名さん 24/01/10(水) 16:14:15]

保守

[132 二次元好きの匿名さん 24/01/10(水) 23:40:30]

カッスン海賊団に会ったら050泣いちゃいそう
カッスン海賊団も１年ぶりに会った恩人であり自分達の弟子みたいな子が余命10日って知ったら泣くぞ
いまから湿度がアクアラグナじゃぁ

[133 ◆BtOeeshqkE 24/01/10(水) 23:44:11]

「しりあい、知り合い！？そりゃあ……世間が狭いというか、縁があるというか」
「ホントにね〜、おれも耳疑っちゃった。そういうことなら尚更断る理由なんてないんだわ、折角なら久しぶりに会いたいしさ！」
「そうか……そういうことなら良かったよ」
ルッチが会話を続けてくれている奥で、言われた通り頭を冷やすことに集中。進められる話を聞き流しながら深呼吸をするように、平常を手繰り寄せていく。

「だったらこれ以上の説明もいらないか。伝言、よろしく頼む」
「おっけー、頼まれた！んじゃおやすみ、ヘールシャム。またウォーターセブンで！」
「うん、また。気を付けてね」

控え目に振られる手が閑散とした街並みから消えるまで見送ってから、表情筋が元に戻る。それと同時にルッチが小さく溜め息を吐いた。

[134 ◆BtOeeshqkE 24/01/11(木) 08:01:00]

「で、どうだ。少しは整理がつきそうか」
（……うん、一応は）
おれの支配下にない体が宿屋に向かって歩き出す。おれだけに聞こえる静かな声は、かつかつと煉瓦を叩く一人分の足音に掻き消されない程度。夜の空気に馴染む低音に肯定を返す。こんがらがった糸を解くのに十分な時間をルッチは作ってくれた。
（会いたい、会わなきゃ。約束破るしかないって思ってたけど……奇跡が降って湧いてきたんだから）
「あァ、お前の好きにすればいい。全部話すかどうかも」
ふ、と口角が緩まる。これからの行動に望まれたのはおれの自由意志。突き放すような言葉でも、これはルッチの優しさだ。

けど、それについてはとっくのとうに決めている。
（まさか！明かすつもりはないよ、何にも。最後なんだ、無駄に悲しませたくないもん）
「……ま、そうだろうな」
ガレーラの中でだって社長と職長以外には知らせてないくらいだ。もうすぐ死ぬ、なんて告げる相手は必要最低限でいいだろう。

[135 二次元好きの匿名さん 24/01/11(木) 10:51:25]

＞夜の空気に馴染む低音

この文好き

[136 二次元好きの匿名さん 24/01/11(木) 22:27:13]

うまく説明できないけど台詞にヒョウ太(ルッチ)とヒョウ太(050)の違いを感じて好き

[137 二次元好きの匿名さん 24/01/12(金) 08:28:05]

ほしゅほしゅ

[138 ◆BtOeeshqkE 24/01/12(金) 20:02:48]

──宿屋のベッドに横たわり、睡魔を待つ。予定を少し早めて今日の内にサン・ファルドを発つことにしたから、体力を回復しないと。移動や宿取りを加味すると、師匠たちと会うのは明日になるだろう。


「なんとか隠しきらないと、なあ」
元から寿命は定まってたんだから、今になったところで変わらない。何も心配することはない、大丈夫。同じように接すればいいだけ。それだけなのに、……何故だろうか、寄る辺のない不安は断ち切れない。

[139 ◆BtOeeshqkE 24/01/13(土) 01:46:35]

だって想定外ばかりなんだ。偶然だとか奇跡だとかの言葉では片付けられないような運命は、最期に創造者を知れとばかりの出会いを用意して、最期に約束を果たせとばかりに縁を繋いで。そのせいで過ぎった疑念だってほんの少しだけどあったくらいに。

それは幸運続きなのかもしれないけれど、おれには清算を求められているように思えて仕方がない。

……長く細く息を吐く。

何があろうと『全部隠し通すこと』。おれに出来るのはそのくらい。せめてそれだけは心に決めて、暗闇になんとか意識を落とした。

27+dice1d10=10 (10)

[140 二次元好きの匿名さん 24/01/13(土) 08:05:22]

さぁどちらが勝つのでしょうか?
050の隠蔽力vsカッスン海賊団の誘導尋問力
ﾌｧｲ!!

[141 二次元好きの匿名さん 24/01/13(土) 11:03:39]

ヘールシャム、カッスン海賊団と続いて最高の幸運が舞い込んできて050にとっては夢のようなんだけどさ

この旅の最後の島が不安だな…だって…居るからさ…………あいつらが………

[142 二次元好きの匿名さん 24/01/13(土) 15:49:54]

秘匿ゲージも気になり過ぎるし〜〜〜！！！050が最後まで隠し切らなきゃって思い続けてるのがフラグになりそうな恐怖もあるし〜〜〜〜〜！！！カッスン海賊団と会った後はCP9とかち合うかもしれないし〜〜〜〜〜！！！めでたいが本当に幸先不安ですね

[143 二次元好きの匿名さん 24/01/13(土) 23:01:45]

夜ほっしゅ

[144 ◆BtOeeshqkE 24/01/14(日) 02:35:23]

視点

1.ルッチ視点

2.050視点

dice1d2=1 (1)

？？ゲージでのダイス数

dice1d2=1 (1)

[145 二次元好きの匿名さん 24/01/14(日) 09:36:46]

久々にルッチ視点に変わったーーーー！語り部枠が050の間は感情が読めなくてどことなく不穏だったからな…
久々の視点で楽しみ

[146 ◆BtOeeshqkE 24/01/14(日) 19:50:33]

元より就寝時間が遅かった上に寝坊し、起きたのは昼。海列車に揺られる時間もあってプッチに着いたのは夜だった。暗がりの中では観光も何も言ってはいられないと、宿をとってまた眠り。


──それが昨日。会いに行くなら早い方がいいと早朝の内に街を出て、奥の方にあるという港へと向かっている、のだが。

（……ずっと会いたがっていただろう、そろそろ腹を決めろ）
（そりゃそうなんだけどォ〜……ほら、いざってなると心の準備が、ね？）
何故だか今おれは盾の如く意識の表層へと押し出されていた。もだもだと渋る050からは喜色こそ感じるが、並び立つ程の迷いもあるらしい。

（はァ……おれが対面するんじゃあ意味がねェ。着いたら交代するからな）
（う、うん。分かった）
落ち着かない様子に溜め息を落として、ここで話していても埒が明かないと歩を進める。拒絶しない辺り、会いたいのには違いないのだろうが……良くも悪くも平常心でいられない、といったところか。

[147 ◆BtOeeshqkE 24/01/14(日) 20:33:09]

1.何事もなく港に着く

2.寄り道

3.トラブル

dice1d3=2 (2)

[148 二次元好きの匿名さん 24/01/14(日) 21:48:32]

美食の町だからね〜
会う前に美味しい物でも食べて緊張解そうぜ

[149 二次元好きの匿名さん 24/01/15(月) 02:38:14]

朝(？)保守

[150 二次元好きの匿名さん 24/01/15(月) 09:37:33]

大丈夫か050！？カッスンさん達の前でも逃げてルッチに交代しちゃったりしないよね！？
てか人格が２人居るって色々と便利だな…050には物心ついた時から内側にルッチが居たけど困ったらあの天才生徒会長と入れ替われるの、かなり強い………

[151 ◆BtOeeshqkE 24/01/15(月) 19:40:39]

空が青く移ろいできたとはいえ、人も疎らな時間帯。時たま家々から物音がする以外は静寂を保った街中では、そわそわと騒がしい内心は分かりやすい。

（うぅ……やっぱ待ってルッチ！）
「お前な……」
ここまでお膳立てされて何が嫌なんだコイツは、という呆れが思わず口を突いた。こんな先延ばし癖はなかった筈なのに、パウリーから伝染りでもしたか？彼奴は普段こそ即断即決だが一部に関して、というか借金返済にだけは行動が遅い。悪い手本だ。

（パウリーさんのアレとは一緒にしないでほしいかも！いや違うんだって、まだ朝早いし？ええと、そのォ〜……朝ごはん！まだ食べてないから、済ませてから！ね！）
（……まァ、それもそうか）
まず腹拵えというのも大切には違いない。しどろもどろになりながら明らかな言い訳を絞り出す050に、しょうがないと取り敢えずの納得を返してやる。

[152 二次元好きの匿名さん 24/01/16(火) 07:11:38]

美味しい朝ごはん食べて緊張がほぐれますように
050もルッチもパウリーの借金癖に関しては本当にボロカスな印象なの笑える　　良い反面教師を持ったな！

[153 二次元好きの匿名さん 24/01/16(火) 14:25:33]

会う前からこんなに緊張してたら食事通るか心配になるな

[154 二次元好きの匿名さん 24/01/16(火) 22:55:26]

朝ご飯食べる為に適当に選んだ店でカッスン海賊団がバイトしてたらおもろいな

[155 二次元好きの匿名さん 24/01/17(水) 07:52:43]

朝保守☆

[157 二次元好きの匿名さん 24/01/17(水) 23:47:55]

保守

[158 ◆BtOeeshqkE 24/01/18(木) 03:17:20]

この時間でも開いている店があるのか若干の心配はあったが、流石は美食の島とでも言うべきか。早朝からどころか丸一日営業している店さえあるらしい。

（モーニングでも頼むか。セットは……）
（そっちの良さそうじゃない？パスタあるよパスタ！）
（ン、これにするか）
適当に入った食事屋、風通しのいい席でメニュー表をぱらぱら捲る。飯となれば途端に張り切りだした050がおれの視界越しに目を付けた料理──この島特有の変わった形状の麺を使ったパスタらしい──を注文。今の時間に客などゼロに等しい、待ち時間は短く済むだろう。……とはいえ手持ち無沙汰になって、吹きさらしの窓から見える景色を眺める。

（キレイな街だよねェ、ここも）
ちょっとウォーターセブンに似てるかも、と感嘆とともに呟かれる。そう言われてみればプッチは、ついでにサン・ファルドの街並みはどことなく雰囲気が似通っているような。この世界にある他の島については疎いが全ての島々がこうではないだろう、海列車による繋がりも要因にありそうだ。

[159 ◆BtOeeshqkE 24/01/18(木) 03:18:14]

エンカウント

1.する

2.しない

dice1d2=1 (1)

[160 二次元好きの匿名さん 24/01/18(木) 08:18:13]

マジでエンカウントして笑っちゃった　050がなにかと言い訳して朝ごはんに逃げたのにその場所に居るわで心の準備も出来ないまま会ってしまう訳だから食べ物吹き出さない？大丈夫？

[161 二次元好きの匿名さん 24/01/18(木) 17:04:45]

このシリーズのダイス神いつも振り回すな…

[162 二次元好きの匿名さん 24/01/18(木) 22:21:10]

ま、まぁまだ何とエンカウントするかわからないから(建前)
いいぞもっとやれ(本心)

[163 二次元好きの匿名さん 24/01/19(金) 08:08:42]

保守

[164 ◆BtOeeshqkE 24/01/19(金) 16:37:48]

そうやってたわいのないことばかりを考えていれば、頼んだ品が運ばれてくるのはすぐだった。

（おー、いい匂い！）
炒められた肉のソースに短く縮れた麺、野菜をフォークで絡めて口に運ぶ。……なるほど、美味い。モーニングが故に量こそ控え目だが、恐らくは食べ終えた辺りで十分に満足感が得られるように対応して味の濃さと麺の硬度が調整されているのだろう。そうやって二口、三口と食べたところで意識を交代する。
（後はお前が食え）
（はーい）
この数日間は食事の大半を050に任せている。味覚は共有しているが、実際に食べるのと味のみが伝わってくるのとでは大きく違うので。

[165 ◆BtOeeshqkE 24/01/19(金) 17:31:40]

ぺろりと平らげて綺麗になった皿の上で手を合わせ、050は落ち着いたと息を吐く。何度遠ざけても戻ってきていた緊張もある程度は解れたらしい。

「ごちそうさま！はー、美味しかった」

「そりゃあ良かった！食べるの好きになったんだなァ」

リアクション

dice1d100=81 (81)

[166 二次元好きの匿名さん 24/01/19(金) 18:45:59]

ダイス神おのれ貴様ァwww
ヒョウ太大丈夫？
心停止まではしてないだろうけど口から心臓飛び出てたりしてない？

[167 ◆BtOeeshqkE 24/01/20(土) 04:00:32]

かち、と。
顔面から指先まで硬直して、050の思考の一切が読み取れなくなった。凍結の元凶、片割れにとってひどく聞き馴染みのある声は、ガラスのない窓の向こうから。

「いやーまさか旅先で会うとは奇遇も奇遇、しっかし久しぶりだなヒョウ太！もしやおれのこと覚えてなかったり……はないか！そう簡単に忘れられないだろうおれ達の魅力は！｣
「ッな、なななん、し、ししょっ…………！」
一拍置いて解凍こそ出来たものの、口も思考も回らないでいるらしい。ずずいと身を乗り出した自己主張の激しい挨拶に面食らい思わず仰け反って、それを背もたれに阻まれ──



「…………わ゛ーーーーッ！？！？」
「ヒョウ太ーーーッ！？」


──そして、衝撃は簡単に椅子の許容量を超過した。つまり、後ろへとひっくり返ってしまったのである。……先延ばしのツケだろうか、ぶつけた所が地味に痛い。

[168 二次元好きの匿名さん 24/01/20(土) 15:57:17]

保守

[169 二次元好きの匿名さん 24/01/20(土) 22:04:51]

カッスンさんと会えて良かったねだけどコントかなこれ？
わ゛ーーーーーー！！って叫び声、甲高い関智一なの文字越しにでも伝わるな…

[170 ◆BtOeeshqkE 24/01/21(日) 05:18:18]

「だッ、大丈夫か！？」
「いっつ゛〜……だいじょぶ、うぅ……」
だが逆に、その痛みで頭が再起動したらしい。窓枠に手を掛けて今にも飛び越えてきそうな顔見知りと、心配半分迷惑半分といった様子で此方を見てくる店員を片手で制して立ち上がる。

肉体的には兎も角として晒した醜態が精神的にキているのは、わざわざ感じ取ろうとせずとも手の平に覆われた熱い顔で察するにあまりあった。
（……ルッチ）
（代わらねェからな）
恥をどう取り繕うか、なんてのはもう諦めた方がいいと思うぞおれは。

[171 ◆BtOeeshqkE 24/01/21(日) 14:16:40]

「すまん、急に声掛けちまったから驚いたよな」
「いやいいの！師匠は悪くないの、おれが勝手にひっくり返っただけ、……うあー……忘れて……」
バツが悪そうに赤い頭を搔く男──カッスンを直視できずにいる050からは、あーだのうーだのはっきりとした言葉にならない程度の煩雑な思考が流れ落ちてくる。

「まァなんだ、改めて久しぶり、だ！折角近くまで来たんだし、用が終わればウォーターセブンに会いに行こうと思ってたんだが……手間が省けた」
磊落な性格に見えて存外細やかさも持ち合わせているのがカッスンという男。今しがた起きた事故にこれ以上触れられたくない、と全身で訴えかけてくる弟子に合わせてやることにしたらしい。
「ここには観光か、それとも仕事だったりするのか？｣
「観光、だね。今は小旅行中ってとこ！」
首を軽く振って気を取り直した050は吹っ切れたようで、いつも通りの振る舞いに戻る。あれだけ悩んでいたのに、会いさえすればまごまごとした躊躇を捨て去れる思い切りの良さはいいのか悪いのか。

[172 二次元好きの匿名さん 24/01/21(日) 22:54:36]

カッスン再登場待ってた！

[173 ◆BtOeeshqkE 24/01/22(月) 06:32:25]

「行先が決まってないなら、もし良かったら一旦おれの船に来ないか？きっと皆喜ぶぞ！」
窓越しに会話を続けるのも邪魔になるだろうと、店を出てカッスンと合流。その矢先にカッスンはおれ達の目的に合致する誘いを切り出してきたので、渡りに船だと二つ返事で頷いた。

「もっちろん！……元からそのつもりだった、って言ったらびっくりする？実は師匠達がプッチにいることは知ってたんだ〜」
こんなに早く会えるとは思ってなくて、結果アレだった訳だけど、と050が零す。
「そうなのか！？そりゃまたどうして……おれも賞金首だし、噂が立っていてもおかしくはないだろうが」
「あ、いやァそういうのじゃなくって──」

[174 二次元好きの匿名さん 24/01/22(月) 08:56:16]

050、困ったらルッチと入れ替わって逃げようとするの面白い
ドリフみたいにずっこけた050に対してカッスンさん優しいしデリカシーなさげに見えてそういうのに言及しないの050が師匠と呼ぶに相応しい人物だなって…
050がここまで明るく振る舞えてるのってカッスンさん始めとしたあの海賊団のみんなと交流したお陰もあるよなぁ

[175 二次元好きの匿名さん 24/01/22(月) 19:40:10]

ルッチと050の兄弟のようでいてそうじゃないし軽口を叩き合う関係好き〜〜！！カッスンさん達登場するたびに物語の悲しい雰囲気吹き飛ばすの最高〜〜！！
ほんと好きで溢れてる…

[176 二次元好きの匿名さん 24/01/23(火) 07:20:17]

朝保守

[177 二次元好きの匿名さん 24/01/23(火) 18:21:27]

ここでリアクション81出して最高の再会にするのマジでダイス神わかっているというかなんというか
読者達が抱く(いいぞもっとやれ)という感情を汲んでくれてこんな良い結果出してくれるのありがたいというか
神様ってすごいね(小並感)

[178 ◆BtOeeshqkE 24/01/24(水) 02:14:09]

「なるほどな、ヘールシャムが……数奇な縁もあったもんだ」
裏港へ向かう道中、サン・ファルドでヘールシャムに会い伝言を預かったことを詳細は省いて話す。最初は頭に疑問符を浮かべていたカッスンも、聞いているうちに理解が及んだとばかりに頷いた。

「てなわけで。あっちから連絡なくても心配しないで！……そういや番号忘れてったって言ってたけど、気付いてた？」
「はっはは、いや全然！」
音沙汰なかったら気付かないまま迎えに行ってただろうな、なんて能天気極まりない声色で呵々と笑う男は繊細な所もあるのに大雑把、しっかりしているようで抜けている。先日の同行者と波長が合いそうな事だ。
（お前の知り合いこんな奴ばっかだな）
（言い返したいけどなんも言えないよ〜……）

[179 ◆BtOeeshqkE 24/01/24(水) 02:26:38]

道中の議題でも作るか　有名になってまた来るって言ってたけど今どんなもんなのダイス

カッスンの懸賞金の増額

3142万+dice1d9999=2812 (2812)

他クルーに懸賞金付いてるか

1で賞金首　2で付いてない

リフター　dice1d2=2 (2)

コンフィ　dice1d2=2 (2)

ウィンド　dice1d2=2 (2)

トラット　dice1d2=2 (2)

ディオン　dice1d2=1 (1)

デイム・クラウ　dice1d2=2 (2)

知名度

1.上がった(いい意味で)

2.上がった(悪い意味で)

3.変わらない

dice1d3=2 (2)

[180 ◆BtOeeshqkE 24/01/24(水) 02:32:15]

5954万　セニョールとかと近い感じか

そして船長以外で唯一懸賞金がかかってるアコーディオン弾きのツンデレ　何をしたんだろうね

ディオンの懸賞金(万)

dice1d9999=2299 (2299)

[181 二次元好きの匿名さん 24/01/24(水) 10:21:52]

ディオンさんたった1人懸賞首になったの相当悪いことしたな！？

[182 二次元好きの匿名さん 24/01/24(水) 18:28:40]

七武海幹部と懸賞金近いって海賊行為してないのに中々高いな…相当天竜人や政府に目付けられたことあった？
最初は煌びやかなサーカス集団だったのに…ほんと大海賊時代は大変だな…

[183 二次元好きの匿名さん 24/01/25(木) 01:40:56]

保守り

[184 二次元好きの匿名さん 24/01/25(木) 08:03:51]

朝保守〜

[185 二次元好きの匿名さん 24/01/25(木) 19:22:43]

ディオンさん気が強かったしなんか汚職海兵とかからセクハラまがいのことされて返り討ちにしたのかもしれない

[186 ◆BtOeeshqkE 24/01/26(金) 03:57:44]

「そういやちょっと前、ディオンさんも賞金首になってたよね？どしたのアレ」
街を抜け人の気配が途切れた辺りで、ふと思い出したと以前新聞に挟まっていた手配書の実態を訊ねる。
市民に危害を加えるような連中ではないからこそ懸賞金額の増加はトラブルに巻き込まれた結果としか考えられないと、紙切れを前にして此奴は酷く気を揉んでいた。この海賊団にはおれとしても同じ印象を持っていたのだが。


「ン、ああそれか。……そうだなァ、どう言えばいいか。やらかした、とは言いたくないな。発端はおれだし」
「やらかした？」

[187 二次元好きの匿名さん 24/01/26(金) 08:20:19]

二人でなにやらかしたんだ〜?
カッスンの懸賞金もそん時に一緒に上がったんやろな

[188 ◆BtOeeshqkE 24/01/26(金) 19:33:17]

普段は黙っていても喧しく思える男の僅かに陰った表情に、少しの懐疑が生じた。050も珍しく歯切れを悪くして言い淀むカッスンを不思議がって軽く首を傾ける。その仕草を促されたと取ったのだろう。何かを迷うようにんんと低く唸り、咳払いを一つしてからぽつぽつ話を進めだした。

「おれ達が海軍にある程度お目こぼしされてるってのは知ってるだろ？」
こくり、頭を縦に振る。あれ程派手に行動しつつも彼らが長期間ウォーターセブンに滞在出来ていたのは、そういった裏の事情があったから。
「とはいえ海賊は海賊、敵意を向けられるのは当然。海軍とトラブっちまってなァ、普段はなるべく交戦は避けてるんだが」
眉と共に下がった声のトーンは追想によって気分が引き摺られているからだろう。とはいえ、重くはない口振りからして危機的状況だったというわけでもなさそうだ。

[189 ◆BtOeeshqkE 24/01/26(金) 20:01:05]

「その時は逃げなかったの？」
「本当はそのつもりだったんだが……あちらさんから、まあ何とも宜しくない罵声がおれに飛んできてな。真っ先にディオンがキレて、こう、グチャっと」
「ぐちゃっと」
（ぐちゃっと）
ぱちん、とカッスンが両手で空気を潰した音に続いて思わず復唱した擬音は、中々の惨状を想起させるもの。……確か彼女は足技使いだったはず、カチ割ったとか、そういうことだろうか。


「誰も死んではいないからな、誓って言うが！」
呆けた顔に慌てたようなフォローが入っても、一度思い浮かべたイメージは物騒なままである。

[190 二次元好きの匿名さん 24/01/26(金) 23:18:16]

カッスン海賊団の中で１番喧嘩早そうだったもんなディオンちゃん
美人なダウナー系お姉さんに踏み潰されたんだ相手も本望だろう

[191 二次元好きの匿名さん 24/01/27(土) 08:09:40]

>グチャっと

こっちも思わず復唱しちゃったよ…

[192 二次元好きの匿名さん 24/01/27(土) 09:38:51]

ぐちゃっと　があまりにも怖すぎる　死んでないだけマシだとは思うんだけどさぁ…

[193 ◆BtOeeshqkE 24/01/27(土) 13:13:04]

次スレ立てました

話がすげー長い…出来れば20スレまでには完結させたい所存

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑱【閲覧注意】｜あにまん掲示板

[194 ◆BtOeeshqkE 24/01/27(土) 13:21:11]

これは前に描いたのを発掘した落書き
彼らの過去とか裏設定諸々も構想はあるけど本編に出すことはないだろうなという気持ち

[195 二次元好きの匿名さん 24/01/27(土) 14:38:10]

右下のニコニコクッキング好きすぎ
本編に出すタイミングのない設定とか過去は聞ければ聞けるだけ嬉しいオタクなのでもし本当に余力があったらテレグラフとかでいつか…出してくださっても…(小声)

[196 二次元好きの匿名さん 24/01/27(土) 19:14:02]

次スレありがとうございます！！！
カッスンさんの更なるビジュや新規イラスト見れて嬉し過ぎるしいつか…いつかで大丈夫ですのでちょいと裏設定など出して頂けると…めちゃくちゃ嬉しいです…たすかる命がある

[197 二次元好きの匿名さん 24/01/27(土) 22:22:09]

スレうめうめ

[198 二次元好きの匿名さん 24/01/28(日) 08:01:39]

このシリーズがほんっっっっっとに好きなんだけどもっと多くの人に読んで欲しくてXでリンク貼って布教とかしてもいいかなぁ…
この良さを多くの人に知って欲しいがかといって隠れ里的なあにまん掲示板のリンクを貼るのも如何なものか…、スレ主さんさえよければ迷惑にならないようこっそり布教しても…いいでしょうか…？

[199 ◆BtOeeshqkE 24/01/28(日) 13:44:03]

>>198

其方がよろしければ布教活動ご自由にどうぞ〜

布教でも三次創作でも怒る人が出ない範囲なら大歓迎ですよ

[200 二次元好きの匿名さん 24/01/28(日) 20:51:52]

パート⑰完!!