【安価・ダイスSS】幸せな帝王

  • 1読み手23/12/17(日) 20:50:33

     むかしむかし この地域を支配していた帝国に「幸福な帝王」と呼ばれた美しい身なりをしたウマ娘の王様がいました。
     帝王はその人当たりの良いハツラツとした性格で民衆からの支持を集め、毎日を幸せに生きていました。

    
 ところがその帝王は突然亡くなってしまいました。

     悲しみにくれる民衆は帝王を忘れないために協力して帝王の銅像を作りました。
     両目はとても大きなサファイアで、髪飾りに輝くのはとても綺麗なルビー。そして全身が金箔で覆われたそれはそれは立派な銅像でした。

     民衆は帝王が自分たちの様子をいつでも見れるよう、銅像を帝都のはずれに建てました。

  • 2読み手23/12/17(日) 20:50:52

     それからかなりの月日が経ちました。

     ある日1人のウマ娘が帝王の銅像の前にやって来ると、銅像を少し眺めた後に台座へ寄りかかるように座り込みました。


    「はぁ…。」

    「キミ、どーしたの?」


     ウマ娘がぼんやりと街ゆく人々を眺めていると、何処からか声をかけられました。

     しかし、近くには誰も居ません。


    「な、なんですの…?」

    「ここだよこ〜こ!見上げてみてっ!」


     ウマ娘が上を見上げても、帝王の銅像が眩しく輝いているだけです。


    「そーそー!そこそこっ♪」

    「…………?も、もしかして帝王さんが喋ってらっしゃるのです…?」

    「ニシシッ!そのとーり!ビックリした〜?」

    「ビックリも何も…!こ、これは…現実なのでしょうか…?」

    「あっ、そーだそーだっ。キミ、今ヒマだったの?なーんかボーッとしてたけど。」

    「そうですわね…少し考え事をしていたのですけれど、ヒマと言われればヒマなのでしょうね。」

    「じゃあさっ!ボクのお願い聞いてほしいなっ!そこに困ってる>>6が居るでしょ?>>6のところにボクの耳飾りに付いてる赤い宝石を持っていってあげてほしいんだっ!」

    「持っていくだけでよろしいのでしたら…分かりましたわ。人助けですわね。」

  • 3二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 20:52:34

    ツルマルツヨシ

  • 4二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 20:52:58

    パン屋

  • 5二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 20:54:42

    カイチョー

  • 6二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 20:55:25

    お祭り好きそうなウマ娘

  • 7読み手23/12/17(日) 21:09:51

     帝王はその辺の砂利をかき集めていたお祭りが好きそうなウマ娘に耳飾りの宝石を渡すよう言ってきた。

    「はぁ…どうしようかなぁ…」
    「そこのウマ娘さん。何かお困りごとですの?」
    「あっ!こんにちは!えーっと、実は友達から綺麗な石を持ってくるように言われてて…。なにかすごい魔法を起こすのに必要なんですって!」
    「ま、魔法…?」
    「それで…その…削れてツルツルになってる石とかを探してきたらいいのかなーって思ってここで探してて…えへへ…。」
    「はぁ…。その…ツルツルな丸い石よりも、こういう綺麗な宝石の方が魔法を起こせそうなものですけれど…。いかがです?」

     ウマ娘は耳飾りの宝石をお祭りウマ娘に差し出した。

    「ええっ!こんな綺麗な宝石!いいんですか!?」
    「多分…いいんだと思いますわ…!あはは…。」
    「ウマ娘のお姉さん、ありがとうございます!これで友達も喜んでくれるはずです!では!」

     お祭りウマ娘は元気にその場を走り去っていった。

  • 8読み手23/12/17(日) 21:17:12

     ウマ娘が帝王の銅像前に行くと、帝王は無邪気な笑い声をあげて待っていた。


    「喜んでくれたみたいだね!」

    「けれど…本当に良かったんですの?あんなに綺麗な宝石…とても価値があると思うのですけれど…。」

    「いいのいいの!帝王様は民の笑顔が何よりの宝なのだ〜っ!それより、キミに名前聞いてなかったね。名前聞いてもいいかな?」

    「そうですわね…。わたくしは…


    dice1d3=1 (1)

    1 メジロマックイーンと申しますわ。

    2 えっと…メグロと申しますわ。

    3 名前はありませんわ。好きに呼んでくださいまし。

  • 9二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:18:11

    縁者ばかりなのビビる

  • 10読み手23/12/17(日) 21:23:16

    「わたくしはメジロマックイーンと申しますわ。」

    「へーっ。じゃあ、マックイーンって呼ぶね!」

    「えらくフレンドリーな帝王さんですわね…本当に王様だったんですの?」

    「そんなに疑うなら、このテイオーアイの力を見せてしんぜよう…!ムムム……ボクの後ろにある施設でまた困ってる人が居るみたいだね!しかも、このボクの瞳に輝くサファイアがご所望と見たっ!」

    「…本当ですの?」

    「ホントだよーっ!疑うのなら見に行ってみればいいさっ。」

    「困ってる人は>>15って名前だよっ!よろしくねマックイーン!」

  • 11二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:24:43

    スーパークリーク

  • 12二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:25:31

    ヒシミラクル

  • 13二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:25:33

    沖野

  • 14二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:27:24

    武豊

  • 15二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:30:04

    ケイエスミラクル

  • 16二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:32:12

    施設って病院とか?

  • 17二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:41:06

    >>10は耳飾りの宝石無くなってるの細かいなあ

  • 18二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 21:43:32

    固有名考えるとどこかで出そうな人選にドンピシャの色なんだよな
    サファイアの力で領域に入る資格を得てもおかしくないやつ

  • 19読み手23/12/17(日) 21:54:02

     帝王は自分の左目のサファイアを取り出してケイエスミラクルという名前の人物にあげるようマックイーンに告げた。
     取り出すことにマックイーンが躊躇するも、帝王に痛みは無いようで、いいよいいよと笑っていた。

    「青い髪で車椅子に座ってる子がケイエスミラクルだよっ!」

     マックイーンは帝王の銅像の裏手に建っているレース場に入っていった。
     しばらく辺りを散策していると、帝王の言う通り、レースを車椅子席から見ている青髪のウマ娘が居た。

    「ケイエスミラクルさん…でよろしいでしょうか…?」
    「はい。おれに何か用ですか?」
    「えーっと…何かお困りごとでも…?」
    「…そんな心配されるぐらい顔に出てましたか…?すみません…。実はおれ、この前のレースで骨折しちゃって…。」

     ケイエスミラクルはギプスに包まれた脚をさすった後、ターフの方を見やる。

    「でも…おれ、もう一度ああやって、みんなみたいに走りたくて…!そのためには手術のためのお金が必要なんです。でも、おれの家はお金に余裕があんまり無くて…。そもそも、おれが走ってたのも両親にいい思いさせたかったからなんです。だけど…こんな足じゃ…ただのお荷物だ……。」
    「……なるほどですわね…。おほん。ケイエスさん、これを…」

     マックイーンはケイエスミラクルの膝にサファイアを置いた。

    「えっ!そ、そんな…!こんな綺麗な大きい宝石…見ず知らずのウマ娘に渡すなんて…!」
    「いいんですわよ。それを売ればかなりの額になると思われます。大切にお使い下さいまし。」
    「…………ありがとう、ございます…!」

     ケイエスミラクルが大粒の涙をこぼす。
     涙が滴り落ちると、サファイアは光を反射させて更に輝きを強めるのだった。

  • 20読み手23/12/17(日) 22:02:37

    「…そもそも、銅像が喋っているのですし、困ってる人を見つけられるなんて簡単ですわよね…。」

    「えへへっ。まぁね♪ …ボクは困ってる人の心の声が聞こえるんだ。さっきのケイエスミラクルも、ずーっと心の中で泣いてるのがボクには聞こえてた。今も誰かが困ったり、泣いてるのが聞こえてくる。そんな民の声を、帝王としては聞き捨てならないんだっ。だからねっマックイーン!」

    「…その人たちを助けにいったらよろしいんですわね?」

    「物分かりがよくなってきたね!」

    「もう…次は何をすればよろしいんですの?」

    「えーっとね、そこに>>23>>24>>25が居るでしょ?その3人が困ってるみたいなんだ!ボクの右目のサファイアを持って行って見に行ってきてよ!」

  • 21二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:04:42

    みなみ

  • 22二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:05:59

    オカベユキオ

  • 23二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:08:30

    デアリングタクト

  • 24二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:08:58

    スーパークリーク

  • 25二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:09:14

    ツルちゃん

  • 26二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:18:48

    どんな困り事かな。

  • 27読み手23/12/17(日) 22:36:34

    「困りましたね〜…。」

    「ゴホッ!そうですね…困りまし…ゲホッ!」

    「ツヨシ先輩!あんまりムリしないで下さい!」


     マックイーンが右目のサファイアを手に向かった先には、今にも倒れそうな顔色の悪いウマ娘を支える2人のウマ娘の姿があった。


    「……何か、お病気とかですの…?」

    「いえっ!お恥ずかしいところを見せてしまってゴホッ申し訳ございませんっ!このツヨシ、顔と気分は生まれつきですのでっ!ガフッ。」

    「本当に大丈夫なのでしょうか…。」

    「私の顔色よりもっ!今はみんなのトレーナーさんへの贈り物を考えてゴホッいるのです!」

    「うふふ、みーんなトレーナーさんのことだーい好きですから、そろそろクリスマスも近いことですし贈り物なんてどうかな〜と思ったんです。」

    「でも…私たちまだ学生だし、やっぱりプレゼントって高くって…。それで困ってたんです。」

    「そ、そうでしたか…。3人とも同じトレーナーさんですの?」

    「いいえ!私のトレーナーさんは髪型が独特ガハッですけど、気配りは出来る方で!」

    「私のトレーナーさんは…うふっ…可愛らしくて…」

    「その…私のトレーナーはおっとりしてるというか…ボーッとしてるというか…」

    「3人ともトレーナーさんはバラバラなのですね…!?う、うーん…このサファイア、どうしたらいいのでしょう…。」


    >>28>>30 でサファイアをどうするか

    その中からダイス

  • 28二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:39:44

    割ってアクセにする

  • 29二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:42:11

    換金して3等分にする

  • 30二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:43:20

    お金にして好きなもの買えるようにしてあげる

  • 31読み手23/12/17(日) 22:44:44

    「そうですわね…」


    dice1d3=3 (3)

    1 >>28

    2 >>29

    3 >>30

  • 32読み手23/12/17(日) 22:50:37

    「これを…。」

     マックイーンは3人の前に大きなサファイアを取り出した。
     3人は申し訳なさそうに受け取るのを拒否しようとするが、マックイーンが続ける。

    「これを売って、お金に変えてください。そのお金を使って、皆さんでトレーナーさんへの贈り物を買ってあげて下さいまし。」
    「太っ腹ですね〜!ありがとうございます〜。」
    「セレブの余裕ってやつを感じます!ゴホッ。」
    「改めて、ありがとうございます。みんなで大事に考えて、贈り物を決めたいと思います。」
    「頑張って下さいまし!」
    「「「はい!」」」

  • 33読み手23/12/17(日) 22:56:17

    「マックイーン、嬉しそうだねっ。」

    「そうですわね…。最初はなんとなく引き受けていましたけど、人助けをするのはやっぱり楽しいですし、気分も晴れますわ。」

    「…………。」

    「…?帝王さん?どうされたんですの?」

    「あぁ…いや、なんでもないよ!アハハ…」

    「あら、もうこんな時間…。そろそろ暗くなってきましたし、わたくしは帰りますわね。」

    「えっと…あの…マックイーン!」

    「はい?」

    「明日も…来てくれるかな…?」

    「ふふっ、全然構いませんわよ。わたくし"ヒマ"ですので。」

    「……もーっゴメンってばーっ!」


    次の日、マックイーンは


    dice1d4=2 (2)


    1 にこやかに来た

    2 考えごとをしながら来た

    3 悲しみながら来た

    4 来なかった

  • 34二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 22:59:53

    これもうマックイーンの顔が見えないよね

  • 35読み手23/12/17(日) 23:00:59

     次の日、マックイーンは考え事をしながらうかない表情でやって来た。


    「マックイーン、何か困りごと…?」

    「…帝王さんなら、分かってしまいますわよね。実は…


    dice1d3=1 (1)


    1 家のことで困っている

    2 友達のことで困っている

    3 心配なことがある

  • 36二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:02:31

    最初から何か困ってそうではあったが…

  • 37読み手23/12/17(日) 23:23:46

    「わたくしの家…メジロ家について、困ってることがありますの。」
    「名前でなんとなく察してたけど、やっぱりメジロ家の子だったんだね。ボクもここで立ってる時に何度か聞いたことあるよっ。あの名家でしょ?」
    「…確かに名家、でしたわ。」

     マックイーンがうつむきながら続ける。

    「実は、我がメジロ家は衰退の一途を辿っているのですわ。この国で最も名誉あるのは長距離、ステイヤーであれという志しの下、様々なウマ娘の育成を続けてきたメジロでしたが、パワーやスタミナが求められるレースから現在はスピードが求められるレースが主流になってきまして…我々メジロは時代に取り残されつつあったのです。それを阻止するためにもトレーニング器具や施設を用意したいものの、メジロがレースに勝てなければお金も入ってきませんわ…。お恥ずかしい話ではありますけれど、端的に言うとお金が無いんですの。」
    「…そうだったんだね。ありがとう、喋ってくれて。」
    「…帝王さん、貴女が宝石を道ゆく困っている方々に渡してあげてと言った時、わたくしの心は何と言っていましたか?」
    「………複雑な顔、してた。」
    「そうでしたの…。フフフッ…聞こえずとも顔にまで出てたのですね。申し訳ございませんわ。…ええ、そう。この帝王さんから預かった宝石があればメジロは、家は少しでも楽が出来る…最初に少しばかりそう思ったのは事実ですわ。」
    「…どうして人助けに協力してくれたの?」
    「………分かりません。でも、多分貴女があまりにも無邪気に頼むものですから…。裏切れませんわ。だって帝王さん、銅像の顔はずーっと笑顔ですけれど、どこか悲しんでいるようにも見えたのですよ。きっと困っている方が見えたり、聞こえたりしても動けない自分がもどかしかったのでしょう?優しすぎますわ…。でも、宝石の無い帝王さんはもうただの銅像。わたくしの言葉に耳を貸さずとも…。」
    「………マックイーン。」

  • 38読み手23/12/17(日) 23:34:13

    「ボクの身体に付いてる金箔を剥がしてよ。」
    「と、突然何を言い出すんですの!?」
    「ボクの身体の金箔を売ればメジロは…マックイーンは…。」
    「…だから、帝王さんは優しすぎますわ…。自己犠牲をするのが、王様ですの?」
    「そうだよ。」

     帝王は力強く答えた。

    「マックイーンだって、ボクの民だ。民を救うのが王様。少なくとも、ボクが1番尊敬してる人は、今のボクと同じことしてたと思う。」
    「………テイオー…。」
    「ニシシッ!ほら〜っ!マックイーン泣かないで!帝王様ご本人の金箔!汚れもないしピッカピカ!高く売れるよ〜?」
    「………そうですわね。…もうっ。では、剥がしますから、少し我慢して下さいませ?」
    「うん!いいよっ!うわあっ!ちょっとコショばい…」

  • 39二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:35:50

    確か、元ネタの最後は……

  • 40二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:36:58

    感動的シーン
    (外から見ればこの都の民度終わってるよな)

  • 41二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:37:20

    なんでみんなしあわせになれないのさぁ〜

  • 42読み手23/12/17(日) 23:39:37

     次の日、マックイーンは少しばかり大きな荷物を持って帝王の近くに座り込んだ。

    「おっ!マックイーンかい?」
    「おはようございますわテイオー。」
    「ねぇねぇっ!ボクの金箔、高く売れた?」
    「ふふっ、ええ!それはもう高く!」
    「アハハッ!よかった〜。これでメジロも、マックイーンも安心そうだね!」
    「そうですわね。……でも、まだ…幸せじゃない人が居ますわ。」
    「えっ?」
    「テイオー、貴女ですわ。」

  • 43二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:41:42

    ん?流れが...?

  • 44二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:42:54

    ウマ娘はハッピーエンドになる世界だからな

  • 45二次元好きの匿名さん23/12/17(日) 23:43:10

    一体何を持って来たんだ

  • 46読み手23/12/17(日) 23:49:55

    「な、なんだよぉマックイーン!ボクは民のみんなが幸せに暮らしてるのを見れればそれで…。」
    「テイオー…。貴女、目が見えてませんのでしょう?」
    「……………。」
    「やっぱり…。貴女は昨日、わたくしに「泣かないで」とおっしゃってましたけれど、その時のわたくしは確かに悲しくはありましたけれど、泣いてはいませんでしたわ。」
    「あっ…。」
    「それと、こんな大荷物!まず持ってきていたら気になるところでしょう!もうっ。」
    「えっ?に、荷物…?マックイーン何するの…?」
    「………わたくしが、貴女の目になりますわ。貴女の隣に立って、貴女が見られない分、貴女が愛してやまない民たちの様子を伝えてあげるのです。ほら、キャンプセットですわ。」
    「そんなぁ!大丈夫だよマックイーン!家のこともあるんでしょ!?」
    「ウフフ!家は他のものに任せましたわ!さぁテイオー!困った人をたくさん助けますわよ!」
    「アハハ…マックイーンには敵わないなぁ……。」

  • 47読み手23/12/18(月) 00:05:12

    「あっ!マックイーンさーん!」
    「あら、キタさん。お友達の魔法の経過はどうですの?」
    「それがぁ…今度はマンドラゴラの根っこが必要らしくてぇ…」
    「また無理難題を押し付けるお友達ですわね…。前のドラゴンの鱗も魚の鱗でOKでしたし…今度はサツマイモとかで…」



    『先頭はダイタクヘリオス!ダイタクヘリオス!大外からやはりこの2人も来た!ダイイチルビーとケイエスミラクルだ!ダイタクヘリオス粘っているが!ケイエスだケイエスだ!ケイエスミラクルゴールイン!奇跡はまた、輝きを増して帰って来ました!』
    「………ふふっ。」



    「トレーナーさん!美味しいですか?ハートパイっ!ゴホッ。」
    「うふふ〜。いい子でちゅね〜。」
    「トレーナー!次の金鯱賞絶対に勝つわよ!」


    「………みんな、幸せそうだね!」
    「ふふっ…そうですわね。」

  • 48読み手23/12/18(月) 00:13:16

     マックイーンが帝王の目となってから初めて、都に本格的な冬が到来しました。

     帝王の頭にも雪が積もります。


    「マックイーン、寒くない?」

    「もうっ。テイオー、わたくしは大丈夫ですから。それより、肩にも雪が積もってますわよ。」

    「えへへ…ありがとう。」


     しばらくして、また帝王に雪が積もった。


    「………マックイーン?」


    マックイーンは…


    dice1d3=2 (2)


    1 その場に倒れていた

    2 眠っていた

    3 帝王の正面に立っていた

  • 49二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:15:59

    セーフ!まだセーフ!

  • 50読み手23/12/18(月) 00:16:10

    「すぅ…すぅ…。」

    「あっ、寝息。もう…あったかくして寝なよ〜?」


    マックイーンは


    dice1d2=2 (2)


    1 あったまって寝ていた

    2 倒れて寝ていた

  • 51二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:16:49

    アカン…

  • 52二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:18:05

    やめろ……

  • 53読み手23/12/18(月) 00:19:23

    「マックイーン、あったかくして寝てるかなぁ…」


    その時…


    dice1d4=4 (4)


    1 キタサンと魔女が駆け寄って来た

    2 ケイエスミラクルが駆け寄って来た

    3 あの3人組が駆け寄って来た

    4 マックイーンが起き上がった

  • 54二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:19:59

    生命力強いな

  • 55二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:21:07

    自力で起き上がるタフさは流石のステイヤー(でいいのか?)

  • 56読み手23/12/18(月) 00:41:45

    「テイ、オー…。」

    「あっ、マックイーンおはよ…う?」


     マックイーンは起き上がったと思うと、そのまますぐにテイオーにもたれかかるように倒れた。


    「ま、マックイーン!?」

    「ダメ、ですのに…。テイオーの目として…わたくしは……」


     もたれかかるマックイーンの身体の熱が、帝王にも直接伝わる。


    「ひ、酷い熱だ!お医者さん呼ばないと…!」

    「でも…テイオーを1人には……。」

    「大丈夫だよマックイーン!ボクは…ずっと1人だったんだ!何年も何年も…。マックイーンが初めてだったんだ!ボクの声が聞こえる人…!」


     帝王の失ったはずの瞳から、降り積もった雪が解けて涙のように滴り落ちる。


    「泣かないで…テイオー……。」

    「……泣いてなんか、ないよ…!」

    「テイオー……。」


    マックイーンは…


    dice1d1=1 (1)


    1 帝王の銅像に口付けをした

  • 57読み手23/12/18(月) 00:47:16

    「…………。」
    「…………。」

     静かに、そして残酷に降る雪の中で、マックイーンは帝王の銅像に口付けをした。
     口が帝王に張り付きそうになりながらも、マックイーンは力無くもたれかかりながら…いや、身を委ねるように口付けをしていた。
     唇を離し、マックイーンが小さく呟く。

    「……ごめんなさい。」

     マックイーンは帝王の肩の方へもたれかかる。
     雪は、まだ降り積り続けていた。

  • 58読み手23/12/18(月) 00:50:33

    「………キミが天まで昇るなら、ボクも一緒に昇るよ。マックイーン…」

     パリン!
     何かが割れるような音が雪の降る街の中を駆け抜けていった。

  • 59二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 00:51:31

    ダイス神がちょっと原理主義者すぎてビビっている

  • 60読み手23/12/18(月) 00:58:16

    「……ょう様…」
    「お嬢様…」
    「お嬢様!」
    「はいっ!!!……えっ?」

     目が覚めると、そこはとても暖かいわたくしの寝室でしたの。

    「………夢…?」

     もしかして、わたくしの体験したことは全て夢だったのでしょうか。
     いや、でも…。

    「主治医です。お嬢様、無理はなさらないでください…雪の日に外で眠るなど…!」
    「も、申し訳ございませんでした主治医さん…!」

     唇に残ったこの冷たさは、痛くて苦くて、やはり本物でした。

  • 61読み手23/12/18(月) 01:24:39

     いつものあの広場にやって来たら、テイオーの銅像はそこにはありませんでした。

     話を聞くと、老朽化が進んでところどころヒビ割れていたので数日前に撤去したというのです。



     テイオーが居たところに立って、テイオーが見ていた景色をわたくしも見てみましたの。心做しか街を行き交う人々の姿一人一人が輝いているように見えましたわ。

     あの方が愛した民たちの姿がこれなのですね…。


    しばらくしてわたくしは…


    dice1d4=3 (3)


    1 家のことなどあって、休学していたトレセンに戻って来た

    2 キタサンと魔女のところに居た

    3 あのレース場で、ケイエスの走るレースを見ていた

    4 また近付いてきたクリスマスに色めき立つ街を歩いていた

  • 62二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 01:29:09

    (頼むぞ……)

  • 63読み手23/12/18(月) 01:37:28

     テイオーの銅像の裏にあったレース場で、楽しそうにレースを走るミラクルさんを見ましたわ。ライバルのダイタクヘリオスさんに、ダイイチルビーさん、ヤマニンゼファーさんらと一緒に走るミラクルさんを。
    あの方、それはもう本当に楽しそうに走りになられるので、見ているとわたくしもつられて走りたくなってしまいますのよね…。

    「じゃあさ、走りにいかない?今からっ。」
    「………!」

     聞き覚えのある甲高い声が、頭に直接ではなく耳から響く。
     自然と涙が溢れそうになるのを抑えて、声の聞こえた方向に顔を向け、また溢れそうになった涙を堪えてわたくしは尋ねる。

    「…コホン。貴女、名前は……?」

    「ボクはトウカイテイオー!幸せいっぱい無敵の帝王様さっ!よろしくね!…マックイーン!」

    〜END〜

  • 64二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 01:39:39

    お疲れ様でした
    この場合何かが割れるような音ってのはつまり殻を破る羽化の音だったのか……?
    撤去されたのはセミならぬテイオーの抜け殻だったんだな

  • 65読み手23/12/18(月) 01:41:53

    遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。
    私、初めてSSを書いたものですので色々と拙いところはあったと思いますが楽しんでいただけたなら何よりです。
    またお会いすることがあればまたお会いしましょう。お疲れ様でした。

  • 66二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 01:53:26

    初挑戦とは思えないクオリティだった
    お疲れ様でした

  • 67二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 02:06:52

    良いもの読ませてもらいました…

    個人的に>>56みたいなダイスの意味を成さないダイスの演出好き

  • 68二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 02:15:49

    お疲れ様でした
    ちなみにダイスの結果によってバッドエンドになる可能性はあるんですか?

  • 69二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 02:23:31

    最後まで目が離せなかった 素敵ですね…
    元になったお話は昔読んだことがあるけど
    感じ入るものがあったのを思い出した

    ハッピーエンドが好きなので
    個人的にこの終わり方はとても好みです

  • 70読み手23/12/18(月) 02:29:20

    >>68

    マックイーンがどうやって来るかのダイスで「来なかった」になると強制的にメジロ責任者ルートになってダイスとかなんやかんやしてテイオー像をマックイーンが撤去するみたいなエンドと、マックイーンが寝ちゃった時に誰かが駆け寄ってきちゃうと口付けを挟まないのでテイオーの痕跡に気付かないままのエンドを一応用意してました。ドキドキでしたね。

  • 71二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 02:35:08

    テイマクのSSここじゃ珍しいからありがたかった

  • 72二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 03:15:15

    よくやった!来ないで正解だった!

    すごく良かったです
    『帝王さん』が『テイオー』に変わるのと「キミが天に昇るなら…」が特に好きです

  • 73二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 07:25:21

    朝からいいSSをありがとう
    原作がメリバだからどうなるかと思ったけど原作を踏襲しつつ上手くハッピーエンドになっててよかった

  • 74二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 08:06:18

    >>64

    テイオーの抜け殻わろた

  • 75二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 09:09:12

    ありがとう。スレ主。

  • 76二次元好きの匿名さん23/12/18(月) 17:47:19

    最後のダイスでバッドエンド無さそうってことはどれ行ってもテイオーは何かしら出てきたのかな?
    キタサンとスイープルートとかどうやって出てきたのか気になるけど

  • 77二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 01:39:50

    しあわせの帝王か…

  • 78二次元好きの匿名さん23/12/19(火) 05:13:10

    >>76

    スレ主じゃないからわからないけど誰かが駆け寄るとマックイーンはその人に助けられ運ばれてマックイーンが寝てる内に撤去されて別れエンドだったんじゃない?口付けによってスーパーワンダフルミラクルウマ娘エボリューションが発揮され自壊し転生する力を得たと解釈した

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