【トレウマSS注意】マルおねとマルトレがクリスマスデートする話

  • 1123/12/25(月) 00:08:11

    「ふわあ…もう朝か」


    マルゼンスキーのトレーナーは、眠気をあまり感じることなく目を覚ました。普通であれば寮の自室で寒気と共に目を覚まし、タイマー機能で付いた暖房が効き始めるまではしばらくは布団の中にいるはずであった。この日も例にもれず、今年一番の冷え込みで、最高気温も10度行くか行かないかというぐらいに寒い日になりそうだ。その上前日は雪が降ったので、体感温度はさらに下がるに違いない。

     しかし、今の彼は寒気を免れることに成功していた。布団から身を起こしてゆったりと出来るだけの暖かい部屋にいた。それもそのはずで、彼は自室とは違うところにいるのだ。


    「おはようトレーナー君♪」



    ここは彼の担当の、マルゼンスキーの家なのだから。先に起きたマルゼンスキーがいそいそと朝食の準備を始めていた。彼女にとっても、トレーナーとの今日のこの日は前々から楽しみにしていたのである。それを見てトレーナーも心が温かくなる。ふと周りを見れば、広々としたお部屋に、明りに照らされて上品な色を見せる家具や小物が置かれ、落ち着いた雰囲気を放っている。間違いなく担当の自宅であった。担当して早二年半、泊り慣れたとは言え、やはり彼女らしくてマブいなとトレーナーは心で思った。

  • 2123/12/25(月) 00:08:37

    「おはようマルゼン。ごめんね後に起きちゃって」

    「問題ナッシングよトレーナー君♪」



    マルゼンスキーは気にしてない様子だった。彼女としても、もともとトレーナーが自分より後に起きることを予想していたし、一緒にいることを苦と思っていないのでどうってことなかったのだ。


    「それよりも、今日はちゃーんとアタシをエスコートしてね?」

    「もっちのろん!」



    マルゼンスキーはそれを見てバッチグーとされた。むしろ彼女にとって、これから始まる楽しいことの方が大事なのだった。

  • 3123/12/25(月) 00:08:49


    担当と一緒に朝食を摂ってると、トレーナーがふと思いついて言った。


    「そう言えば、今日はタッちゃんにする?」


    あと少しで出発という時に、移動手段を聞いてくるのはいささか不自然かもしれない。既に移動の手筈や手段決めていた方が、ことはスムーズに進みトラブルにも遭遇しにくいだろう。


    「うーん…そうねえ…」



    二人はそういったことを承知している。それでも彼はこんなことを聞いて、マルゼンスキーも困った様子を見せてない。なぜなら、端的に言えば今日一日の大まかな予定さえ敢えて決めていないからだ。


    「今日は歩きと電車にしましょ?」


    予定を決めず、気の向くまま行ってみたいところに行ってみましょうという彼女の提案に、彼が乗ったのである。だからあえて何も決めなかったのだ。それもまたトレンディ、である。


    「いいね!クリスマスだし、ぶらぶら歩いて楽しもうか」


    「そうしましょ♪」

  • 4123/12/25(月) 00:09:09

    そうして二人は準備を終えて外に出た。そこには昨日の雪がまだ残っており、街全体が白く染まっているように見えた。


    「うおっ…やっぱちょっと寒いな…」


    今年一番の冷え込みだと朝食の時に見た天気予報が言ってたので、それなりに準備をしてきたつもりではいた。



    コートや厚手のセーターなどは自前で、マフラーや帽子はマルゼンスキーがトレーナー用として買ってきてくれて、その上付けてくれたのだ。


    「うーんそうねえ。思ったより寒いわね…」



    「そうだわ!じゃあまずはお洋服屋さんデートにしましょ」



    今日が晴天とは言え、この冷え込みは日のぬくもりでも吹き飛ばせないだろう。


    「良いね!俺達二人分纏めて良いの買っちゃおうか」


    「オッケーよ!」


    せっかくのデートが寒くて楽しめないじゃつまらない。自然と、二人の脚は行きつけのオシャレな服屋に向かう。デートの第一の目的地がこれで決まった。こうして、二人のぶらぶらクリスマスデート一日目が始まったのである。

  • 5123/12/25(月) 00:09:48

    こうして、おしゃれな服屋から始まった、二人だけのデートは様々な場所を巡った。まずリニューアルオープンした、これまたオシャレなカフェテリアで、ウマスタインフルエンサーのカレンチャンが一押ししたスイーツを分け合って食べたり、カップル価格で少し早めのランチを摂った。

    「ふふっ、あたしたちカップルだって♪」
    「こういうのって嬉しいよね。ああ、俺達カップルなんだって思うとさ」
    「うんうん。こういうのもまたトレンディじゃないかしら?」
    「ははっ、確かに。じゃあ、そんな俺達を記念して、温かいうちに食べちゃおう」

    そう言うトレーナーの目には、美味しそうなメニューが映っていた。

    目の前の彼が、美味しい料理には目が行きがちな性格だと熟知しているマルゼンスキーは嫉妬する素振りすら見せずに笑って食べ始めたのだった。

  • 6123/12/25(月) 00:10:53

    「FOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!最っ高に気持ちいわねトレーナー君!!」


    「ふぉおおあああ!!何だこれ!」


    ランチの後、次は最近できたアミューズメント施設にマルゼンスキーの提案で、向かった。そこで二人は最新のVRを体感した。サトノダイヤモンドの実家が手掛けるVR装置に入り、冬のシドニーを選択できるモードを選んだのだった。そうしていきなり、トーイングの場面となったので、即応できなかったトレーナーは画面に引きずられるような感覚を覚えて困惑していた。横をみれば、VR上での彼女が綺麗なポーズでトーイングを行っていた。経験の差が如実に表れたのだった。

     12月の日本は厳冬期だが、南半球のシドニーは真夏真っ只中だ。軽い気持ちで、寒いから熱いシドニーを味わおうぜ!と提案したことをトレーナーはちょっぴり後悔した。それでも担当の溢れんばかりの笑顔を見ると、そう言ったマイナス感情は綺麗に吹き飛んだ。そうして、仮想のシドニーを心行くまで満喫したのである。


    ※このSS内での12月のシドニーのイメージソング

    Koopa Beach Mario Sports Mix Music Extended HD


  • 7123/12/25(月) 00:11:14

    「うーん楽しかったわ♪また行きましょう?トレーナー君」


    「そうだな!また行って…今度は本当にシドニー行かない?」


    「あー…なるへそ~、その案チョベリグね!今度のお休みの時にでも一緒に生きましょ」


    「そうしよう!」


    マルゼンスキーは、バッチグーとされた。



    しばらく歩いていると、ふと、東京タワーが見えた。


    「ねえマルゼン、今度は東京タワーに行ってみない?」


    そう言ってトレーナーは赤い塔に指をさす。


    「あら、トレンディドラマみたいで良いじゃない!行きましょうか」


    マルゼンスキーは快い返事で賛成した。

  • 8123/12/25(月) 00:12:02

    そうして、東京タワーを2人して会談で上り、150mの展望台に上がる。展望台はそこそこ人で賑わっていたが、窓に寄って景色を見ることは出来た。

    「う~ん♪ 東京の景色っていつ見ても良いものねえ。自然の景色も好きだけど、東京のこの街並みも、あたしは大好きよ」

    二人して東京の景色を、富士山が見える方角の光景を楽しんでいると、彼女はそう口にした。

    「うまく言い表せないけど…分かるな。この建物一つ一つに生活があって、平和に暮らしててさ…それで…なんていうんだろ、良い感じに暖かい…ごめん」

    「ううん。あたしもトレーナー君と同じようなこと考えていたもの」

    そうして、二人は時間を忘れて、眼下に広がる世界最大の人口を擁する都市圏の日常を眺め続けた。



    気が付けばもう日没間際で、時刻は16時25分になろうとしていた。到着した時でさえも夕焼けの雰囲気を出していた東京の景色は、今まさに没しようとする太陽の光を浴びて、赤色に染まりつつあった。

    「綺麗…」

    マルゼンスキーはそう呟く。聳え立つビル群やマンションも、その間を縫うようにして埋める雑居ビルや住宅、公園などが赤や黒に染まり、幻想的な光景を見せる。

    「ああ…やっぱ東京の景色はいつ見ても綺麗なもんだ…」

    眺めてるうちに、日は沈み、そう時間が経たないうちに空が急速に暗くなり始めた。

    「トレーナー君、真っ暗になるまで見ていない?」
    「良いよ。俺も見たいと思っていたし」

    既に展望台を何周もしていたのに、東京の景色に全く飽きていなかった。毎秒毎秒ごとに、違う景色や新しい発見を見せる都市に二人は魅せられていた。そうして、二人は時にお土産屋やレストランに寄り、時にカメラで写真に収めながら、閉店間際まで眺め続けたのだった。

  • 9123/12/25(月) 00:12:46

    「今日はありがとうトレーナー君♪」

    東京タワーから帰る最中、マルゼンスキーはそう言って満面の笑みを浮かべて感謝する。

    「こちらこそありがとうマルゼン。とっても楽しかったよ」

    トレーナーもまた、楽しい時間にしてくれたマルゼンスキーにお礼を言う。

    「また一緒に行こうか?」
    「もっちのろんよ!」

    マルゼンスキーはそう言ってサムズアップした。もっとも、二人は同居しているので、行こうと思えば何時でも行けるのだが…。そうして今日の思い出話に花を咲かせていると、家の前に付いた。すると、マルゼンスキーは何か思いついたようだった。

    「ねえ、トレーナー君。ちょっとやってみたいことがあるの」

    すぐに彼女の意図を理解したトレーナーは、「いいよ」と承諾した。マルゼンスキーが先に家に入ると、トレーナーは時間を置いて家に入る。

    「ただいまー」

    そう彼が言えば、

    「おかえりなさいトレーナー君♪」

    彼女が答えてくれる。それが何だかくすぐったくて、温かくて、二人して笑った。こうして二人のクリスマスデートは無事円満に終わり、二人の前途を、冬の星々が煌めいて祝福してくれるのだった。

    FIN

  • 10123/12/25(月) 00:14:18

    SS書いたことあまりなかったけど、クリスマスの定番ソングを聞いて、マルおねとマルトレはこんなデートするんだろうなと思ってふと書いてみた。

  • 11二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:16:18

    クリスマスマルゼンさんたすかる、

  • 12二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:19:34

    >>11

    クリスマスのマルおね良いよね…

  • 13二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:28:17

    マルゼンスキーはどんなシチュも合う(断言)

  • 14二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 07:10:00

    この二人ならこんなことしそう

  • 15二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 08:31:08

    東京タワーってのがいい

  • 16二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 13:42:51

    永遠にいちゃついててほしい

  • 17二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 17:08:24

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:58:51

    マルおねも何だかんだで女の子なんだなって

オススメ

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