【SS】エル……力を抜いて

  • 1二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:01:10

    「はっ、はい!」

    ぎゅっと目を瞑るエルコンドルパサーの頭を優しく撫でてから、彼女の耳へと手を伸ばす。
    ふわふわとした耳毛に指が触れると、体がびくりと大きく跳ねた。

    「エル」
    「わ、わかってるデース!でも、もうちょっとだけ覚悟の準備をする時間が欲しいといいますか……」
    「……わかったよ」

    どちらにしろ、このまま続けるのは危険だ。
    いつもの元気はどこへやら。借りてきた猫のようになっているエルの緊張をほぐすために、外耳を優しくマッサージする。
    熟した桃を触るような強さで。根元の方から始めて、先の方まで。

    5分くらい続けただろうか。後ろへ固く絞られていた耳から力が抜けてきたため、ようやくハサミを近づけることができるようになった。
    傷つけないように細心の注意を払いながら余計な毛をカットしていると、深いため息のような息遣いと共にエルコンドルパサーのふにゃふにゃとした声が上がってきた。

    「トレーナーさん、いつもグラシアスです。いやー、どうしてもエル、これ、緊張しちゃうんデスよね。嫌いじゃないけど……」
    「仕方ないさ、あまり手入れすることのない所だから。それより動かないでね」
    「オイドコシーナ」

    元々はパドックでより良く見えるようにと始めたトリミングだが、エルコンドルパサー本人が輝く太陽のようなスター性を身につけた今となっては、やってもやらなくても大差ないくらいの微々たるものだろう。
    だからこれは、大切なレースの前日に行う、勝利祈願の儀式みたいなものだ。

  • 2二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:02:18

    >>1

    「それにしても……ウマ娘の耳って、人のに比べて大きいよね」

    「ケ?なんデスか、急に」

    「いや、特に意味はないけど」


    いつもは黙ったまま、さっと終わらせてしまうのだけれど。今日は何故かどうでもいいことが気になって、それが思わず口をついて出てしまったのだ。

    まあ、取り止めのない雑談の話題としては悪くないだろう。

    気の赴くままに言葉を続けることにした。


    「それに、すごく深い……これ、どこまで続いているの?」

    「うーん、どこまでって言われても……説明が難しいデス……」

    「ねえ、耳かきとかしてみていい?」

    「ケ!?そ、それはちょっと照れるデース!」


    恥ずかしげに身をよじるエルコンドルパサー。

    嫌がっているのならやらないほうがいい。そう頭では理解していながらも、自分の子供っぽい好奇心を抑えきれなかった。


    「だめ?」

    「だ、だめデス!」

    「どうしても?」

    「うー……」

    「ね?」

    「や、優しくしてください……ね?」

  • 3二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:07:38

    >>2

    ◆◆◆


    「じゃあ……いくよ?」


    エルコンドルパサーがわずかに頷いたのを確認してから、小刻みに震える耳の中に綿棒を差し込んでいく。


    「んっ……!」

    「痛かった?」

    「いえ、続けてください……」

    「うん」


    少し誤れば傷つけてしまうデリケートな部分をこちらに委ねてくれている状況に、何故か高揚感を覚える。

    柔らかい耳の毛をかき分けるわずかな抵抗を味わいながら、エルコンドルパサーとの間に不思議な信頼関係が生まれていくのを感じていた。


    ◆◆◆


    違和感に気づいたのは綿棒の中腹ほどまでが耳に埋まった時だった。

    おかしい、一向に行き当たりまで届かない。

    いや、もとよりそこまで差し込むつもりもないのだが、エルコンドルパサーの耳の中は奥に向かって収束していくどころか、かえって広がっているように感じる。

    これはどうしたことだろう。

    不意に恐怖を感じ綿棒を抜こうとしたが、時既に遅し。

    何やら大きな力がこちらを捉え、穴の中へと引き摺り込もうとしている。

    助けを求めようと口を開いたが、何かがつかえているかのように空気が喉を通って行かない。音が出ない。

    気づけば既に膝の辺りまで飲み込まれ、吸い込む力は増すばかりだ。

    よもやこれまでか。

  • 4二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:07:55

    >>3

    「あれ?トレーナーさん、どこに……?」


    どこまでも続く暗闇に落ちて薄れゆく意識の最後に、担当の不思議そうな声が微かに響いた。

    ああ、好奇心は猫を殺すとはよく言ったものだ。

    妙な茶目っ気を起こすのではなかった。

    後悔先に立たず。

    この物語はこれにておしまい。

  • 5二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:09:38

    えちえちSSに惹かれてきてみたらホラーに吸い込まれた

    まさにこのトレーナーさんのように

  • 6二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:09:53

    まさかのホラーだったか…

  • 7二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:11:08

    こーゆー事?

  • 8二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:11:27

    何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!

  • 9二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:12:57

    何この……何?

  • 10二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:14:17

    …?

  • 11二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:15:08

    思ってたのとちがう!

  • 12二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:15:38

    何処にいってしまったんだ…?

  • 13二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:17:26

    なにこれぇ?

  • 14二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:18:00

    >>12

    亜空間でしょ

    たぶん中で強大な外向きのエネルギーを出せば帰って来れる(キン肉マン並感)

  • 15二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:18:25

    問1. 作者の気持ちを50文字以内で答えなさい
    (配点:30点)

  • 16二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:18:40

    >>15

    もう疲れた

  • 17二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:18:45

    オイドコシーナってなんだ…?

  • 18二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:20:31

    >>17

    えっ!?あのオイドコシーナを知らんのか!?

  • 19二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:22:05

    >>17

    よく町で見かけるじゃん?

  • 20二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:24:11

    >>17

    Oído cocinaかな?

    あまり使わないみたいだけど……

  • 21二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:26:34

    トレウマの優しいSSだと思ったらホラーな感じで終わった

  • 22二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:30:27

    困惑のコメしかないの草

  • 23二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 16:34:54

    最後クソだったので星1です(ストアレビュー並の感想)

  • 24二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:24:02

    途中までよかったのにどうして……!

  • 25二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:40:07

    「よもやこれまでか」じゃねーよ!
    最後まで書け!!

  • 26二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:43:14

    怪異じゃねぇかよ
    カフェ呼んでこい

  • 27二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:44:08

    SCPか何か?

  • 28二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:52:31

    色々言いたいことはあるけどとりあえず
    このトレーナー男?女?
    妄想には必要な情報なんです

  • 29二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:56:01

    思ってたんとちがーう!

  • 30二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:57:06

    >>26

    あの…こんなよくわからないもの、任されても困ります……

  • 31二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 18:03:49

    なんなん……?

  • 32二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 18:15:12

    >>14

    超人墓場かな?

  • 33二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 19:03:49

    >>32

    ブラックホールじゃないか?

  • 34二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 19:24:03

    耳掃除シチュは私の性癖にあってますね。
    最後まで走り切って欲しいものです。
    わっふるわっふる

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