- 1スレ主23/12/28(木) 21:24:47
- 2スレ主23/12/28(木) 21:32:58
玲王「じゃあ…言ってやるよ。俺の凪は、お前とは全然違うから聞いて驚くなよ!?恋人だった時のお前はなぁ…!」
現・凪に自分と恋人の凪との関係を否定された玲王が、泣いて腫れた目のままドヤ顔で惚気を語りだす
玲王「凪は俺のためなら何でもするし、俺のことしか頭にない奴だった!」
凪「フーン」
しかし、現・凪は「また嘘言ってる」とでも言うように、疑い半分の眼差しで玲王を見つめる
玲王「ぐっ…」
凪の顔で、疑いの目を向けられるのは正直キツイ
でも凪と自分との関係性を疑われ、冒涜されたままでは終われないと、玲王は孤軍奮闘する
玲王「すぐ変な触り方してくるし…キ、キスマとか付けてきて!」
凪「へぇー、俺が…ねぇ?」
玲王を見る凪の眼差しは、八割ほどまで疑いの度合いを深めていく - 3スレ主23/12/28(木) 21:37:51
玲王「キスも長ぇし!目開けてこっち見てるし!いつもレオレオレオって暴走してて、本当に困ったやつだけど…」
ムキになって恋人凪との想い出を語るその口からは、主に凪の暴走シーンしか出てこない
これではただの頭がおかしい恋人と、それに付き合う自分、というバカップルの紹介になってしまう
凪「…ねー、それで終わり?」
現・凪からの眼差しは完全に疑い100%になってしまった
それも仕方ない。玲王と出逢って恋をした記憶を失った今の凪は、自分が誰かに対してそんなに熱くなるなんて、とてもじゃないが信じられなかった
玲王「…でも」
もちろん終わりじゃない。終わるワケない
今、目の前の凪にほんの少し話しただけで自分と凪との関係を理解してもらうなんて事は到底無理な話だ
二人の関係を語り尽くすことなど出来そうになかった - 4スレ主23/12/28(木) 21:41:25
玲王「凪は…」
玲王『あー、嘘、やっぱいらない。それよりお前の食べたいもん作ろうぜ。何がいい?』
凪『いいじゃん、パンケーキ』
玲王『え』
凪『俺も食べてみたかったんだよね。あの分厚くて超フワフワしてそうなやつでしょ?』
玲王「いつでも俺を優先して」
凪『レオは素直じゃないね』
凪『ほんとに俺と、恋人やめたかったの?』
玲王『……ない』
凪『何?ちゃんと言ってよね。じゃないと俺たちすぐに拗れたりすれ違うんだから』
玲王『恋人、やめたくない』
凪『うん』
玲王『もう凪と離れたくない。ずっと、お前と一緒にいたい』
凪『レオ、ちゃんと言えるじゃん』
玲王「助けてくれて、そんな凪のことが俺は大好きで…」
一つのことを思い出せば、凪との想い出が次々と溢れてきて
語るその声は喉の奥に張り付いたように上手く出せなくなり、次第にか細くなっていく - 5スレ主23/12/28(木) 21:45:47
凪「だから?」
玲王「…だから、お前に、その顔と声で…俺と凪の想い出が全部嘘だったって言われるのは、耐えられねぇわ…マジで」
最後は独り言のように、玲王はポツリと呟いた
もう、この凪に分かってもらえなくたっていい
無理に恋人同士だと信じてもらう必要なんかない
恋人の凪と自分との想い出は、自分の心の中だけに在ればそれでいい、と玲王は思った
凪「(意気揚々と話し始めたかと思ったら…もう終わり?一人で熱くなって、落ち込んで…ワケ分かんないな、この人)」
凪は視線をスマホの画面へと戻す
デイリークエストはとっくに達成していて、急ぎでゲームをやる必要もないのだけど
凪は隣に座る玲王とこれ以上何を話せば良いのか分からず、手持ち無沙汰を誤魔化すようにスマホの画面から目を離せずにいた
玲王「(なんかこの感じ…最初の頃の凪思い出すな。ゲームばっかして、全然俺と目ぇ合わせてくんねーの)」
そして、今度は玲王から凪に質問をする - 6スレ主23/12/28(木) 21:50:34
玲王「まぁ、納得…は、できねーよな?さっきの説明じゃ。俺とお前が恋人だったっての」
凪「うん、無理。だってさ、その現実的じゃない暴走気味の俺とアンタのノロケ話聞いても、全然ピンと来ないし」
玲王「あー…」
きっと今の状況を恋人の凪が見ていたら
凪『ウソウソウソ…!こんな俺は全部嘘だよ、信じないでレオ。そいつ、きっとゲームでヘッショし過ぎて自分の頭がバグっちゃってんだよ…!俺とレオは誰がどこから見たって唯一無二のパートナーで恋人同士だからね?不安にならないで?あとでいっぱいチューしようね』
とか言っていたのかなと、玲王は脳内のイマジナリー凪を思い浮かべてつい笑ってしまった
玲王「フフッ」
凪「え、なんで笑ってんの?」
凪「(そんな顔するんだ)」
それまでとは違う玲王の優しい表情に凪は目を見張る
玲王「あ、いや?別に。とにかく凪との想い出は語り尽くせねーわ。朝までかかるな。お望みならずっと話してやるけど」
玲王はイタズラっぽい笑顔で凪の顔を覗き込むようにして聞く - 7スレ主23/12/28(木) 21:56:45
凪「いや、それはいらないし…とにかく今の説明じゃ、わかんないよ。主観とか感情論じゃなくてさ、もっと客観的かつ理論的に話してくんない?」
玲王「客観的かつ、理論的に…?」
いつもは夢見るロマンチストの凪からそのように言われて、玲王は戸惑う
凪「だってさ、わかんないんだよね」
玲王「何が?」
凪「俺と恋人になることで、御影くんにとって何かメリットがあったの?」
玲王「メリット…」
凪「俺んち、家もフツーだし、俺自身も人に興味持ってもらえるような所とか特に無いと思うんだよね」
こんなめんどくさがりの自分のことは、きっと誰も興味など持たないだろうと、凪は諦めていた
それなのに、なぜ学園の王子様がこんなにも自分にこだわるのか不思議でしょうがなかった
凪「恋人同士が本当だったとして…最初のきっかけが分かんない」
凪「はじめに、俺のどこを好きになったの?」
どこって?
サッカーの才能?それとも…?
恋人になる前
玲王はどうして凪を好きになったの?
玲王の回答を下3レスから🎲 - 8二次元好きの匿名さん23/12/28(木) 21:58:19
面白かったから
(続き待ってました〜!) - 9二次元好きの匿名さん23/12/28(木) 22:00:14
おもしれー奴だったから
おかえりスレ主!!! - 10二次元好きの匿名さん23/12/28(木) 22:07:58
面白いところ
ここは満場一致だろう
続き楽しみにしてた🥹更新頑張ってスレ主 - 11二次元好きの匿名さん23/12/28(木) 23:06:29
スレ主更新ありがとう!待ってました!
- 12スレ主23/12/28(木) 23:29:43
- 13スレ主23/12/29(金) 05:50:33
玲王「どこって…」
目の前の凪は恋人の凪ではないと分かっていても、同じ顔をした人間にどこを好きになったのかをあらためて言うのは少し照れた
玲王「おもしれー奴だった、から…」
凪「おもしれー…やつ…」
照れたように顔を赤くして自分から瞳を逸らし、そう言った玲王を見ながら、凪は親鳥を真似る雛鳥のように、玲王が言ったことを復唱する
凪「(学園の王子様が、俺の好きなところを言って顔を赤くしてる…?)」
面白いと言われたことなんて、今まで生きてきて一度もなかった
大抵は変人だとかオタクだとか無気力、変わり者、ヘンな生き物、万年寝太郎…
自分が周りから散々な言われ方をされているのは知っていたし、だからと言ってそれに対して不満もなかった
一人で楽しくゲームが出来れば、凪の人生は別にそれで良かったのだ - 14スレ主23/12/29(金) 05:54:21
凪「(この人、俺のどこを見て面白いって思ったんだろ…俺の中にも、こんなキラキラした人に好かれる所があったんだ…?)」
自分なりに少し考えてみたものの、凪はそれ以上考えるのがめんどくさくなってしまった
なにせこんなに人と喋ったのも久しぶりだ
というか、授業で当てられた教科書の音読以外で、今まで一度に二文以上喋った記憶がない
元々人とずっと一緒にいることにも慣れてない。気を遣ったりするのは、疲れる
凪「…」
しかも、多分この王子様が見てるのは自分じゃなくて恋人だった時の『おもしれー奴』の凪誠士郎だ
凪「…ねぇ、分かったから。もう一人にしてくれていいんだけど」
玲王「はぁ?そーいうワケにもいかねーだろ。いつ急変しても気付けるようにって、うちに連れて帰って来てんだから。近くにいねーと」
凪「(マジか…)」
ハァ、と凪はため息を吐く - 15スレ主23/12/29(金) 06:00:31
玲王『いつもレオレオレオって暴走してて、本当に困ったやつだけど…』
凪「…玲王」
玲王「え」
凪「玲王って、呼ばれてたの?俺に」
恋人だったという自分が、王子様を呼んでいた時の名前をなんとなく口にしてみた
玲王「…うん。でも、やっぱなんか違うんだよなー」
凪「違う?何が」
玲王は顎に手をやり少し考えるような仕草を見せる
玲王「アイツの呼び方は、お前のとも、他の誰とも…同じ音なのに、全然違うんだよ」
そう言って、玲王は先程凪に惚気た時のようなドヤ顔をして見せる
凪「…フーン。じゃあ、恋人の俺に名前呼ばれて喜んじゃって、さっきみたいに自分からキスしたりしてたんだ?」
たった二文字の同じ音なのに「なんか違う」と言われるとなんだか面白くなく、凪はちょっと意地悪なことを言ってしまった - 16スレ主23/12/29(金) 06:04:18
玲王「だーかーらー、さっきのあれは忘れろ!もうお前とはキスしないから」
凪「…あっそ」
玲王「(キスして、ちょっとは思い出すかなって思ったんだけどな…)」
二人の思い出のレモンティーを飲んでキスをしてみたって
目の前にいる凪は自分のことを思い出さなかった
凪の前に置かれているレモンティーは、口を付けられることもなくすっかり冷め切っている
玲王「…」
玲王は、初めて凪の家を訪れた時のことを思い出していた
玲王『凪ってほんとレモンティー好きだよな』
凪『うん』
玲王『そういやなんでレモンティー好きなんだ?聞いたことなかったよな』
凪『あのさ、レオ覚えてないかもしれないけどさ』
玲王『ん?』
凪『一緒にいるようになって、レオが最初にくれたのがパンとレモンティーだったんだよ』
自分との記憶が全て失くなってしまっているのなら、目の前の凪の好物はレモンティーでは無いのかも知れない - 17スレ主23/12/29(金) 06:06:42
凪「?」
あの時、凪にレモンティーを好きになったきっかけは玲王がくれたからだと言われ、「時々お前が何考えてるか分かんなくなるわ」とそっけなく返してしまったけど
玲王「(あの時…ほんとは、嬉しかった)」
当時は凪の気持ちが自分と同じか分からなくて、あんな態度をとってしまったけど
照れ隠しなんかせずに、もっとちゃんと、伝えられる時に気持ちを伝えていれば良かった
凪「ねー、もう終わり?ゲームしていい?」
だって、自分を愛してくれた凪はもうここにいない
玲王「あー、ごめんごめん」
玲王「(大変なのは凪の方なんだから、俺が落ち込んでちゃダメだよな…)」
玲王「あ、そーだ。夕飯何作ろっかな。何も食いたくねーなら、俺が決めちゃっていい?」
せっかく一緒に過ごすのだし、とりあえず手料理で仲良くなろうと考えた玲王
玲王は現・凪に何を作ってあげることにした?
下3レスから🎲 - 18二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 06:20:47
思い出のオムライス!!🥚
- 19二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 07:32:17
カレー
- 20二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 08:49:52
咀嚼面倒くさがりそうなので雑炊
- 21二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:37:22
ここの玲王ってメシマズ攻略したんだっけ?
いつもの暴走凪くんも好きだけど記憶がなくなってちょっとそっけない(けど玲王のこと好きっぽい)凪くんも好きだ - 22二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:43:40
メシウマになってたはず
- 23スレ主23/12/29(金) 19:34:05
- 24二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 19:37:13
音ガいいな!結婚ボイス早く聞きたいわ
- 25二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 19:39:44
スレ主が年末エンジョイできてるようで何より!音ガはいいぞ…
ぷにとっぷ白宝可愛いよね〜 - 26スレ主23/12/30(土) 03:49:25
凪「うん。決めちゃっていーけど…」
玲王「けど?」
凪「あんま噛まなくてもいーやつにしてー」
玲王「ハイハイ、咀嚼はめんどくさいんだろ?」
玲王の言葉に凪は再び目を見張る
凪「…俺のこと、わかってんね」
玲王「当たり前だろ?いっつもお前のことどれだけ見てると思ってんだよ。あとは、剥くのめんどくさいから蟹も嫌いなんだよな?」
凪「え」
まだ嫌いな食べ物を言っていなかったのに、玲王に先に言われたことに凪は驚いた
凪「(この人、マジで俺のことちゃんと見てんだな…)」
何気ない会話から、凪は玲王が本当に自分を見て、知ろうとして、普段から興味を持って接してくれていたのかと思い始める - 27スレ主23/12/30(土) 03:59:28
玲王「残念。蟹じゃねぇから安心しろー?さっき冷蔵庫の中見たけど、材料あんまねーからさ。今日はオムライスにしまーす」
凪「えー、ご飯じゃん。咀嚼めんどくさーい」
玲王「じゃあゼリー飲料でも飲むか?」
凪「んー、でも最近あの味にも飽きたんだよね」
玲王「ハハ、そりゃいっつもあんだけ飲んでたらな」
玲王「(コイツ…やっぱ俺が今日食わせた弁当も、俺に作ってくれたうどんも、一緒に作ったパンケーキとか…全部、全部忘れちゃってんのかな)」
ほんとに食事に興味がなかった頃の凪に戻ってしまったみたいだ、と玲王は思う
玲王「つーか、俺のオムライスはマジで美味いからさ。食ってみな。トぶぞ?」
玲王は気を取り直し、ニッとした表情で凪を見た
凪「(うわーすごい自信…これ、絶対食べなきゃいけない流れじゃん)」
「うへぇー」とした顔の凪を残して、玲王はキッチンに行き愛妻エプロンをつけて急いで仕度を始める
ケンカ別れをした初めてのデートで、凪が選んでプレゼントしてくれた真っ白でシンプルなそれ
別れた後、凪のために無心で肉じゃがを作った時も、その後仲直りのレモンティーを淹れる時も、ずっと身につけていた想い出のエプロン
玲王「(このエプロンのことも、あいつは覚えてねーんだろうな)」
玲王は自ら「自宅で凪の面倒を見る」とは言ったものの、記憶を失くした今の凪と過ごすことは、たったの二日間とはいえ恋人の凪との想い出が消えてしまうような辛い時間になるかも知れないと思った - 28スレ主23/12/30(土) 04:05:58
玲王「(でも、記憶を失くしても凪は凪だ。せっかく二人で過ごすんなら楽しい時間にしたいし、アイツが記憶を戻した時に元気に戻って来れるように、凪の身体に栄養のあるものを与えたい)」
玲王は、少しでも楽しくちゃんとした食事をしてもらおうと、腕によりをかけて凪の好きだったふわとろオムライスを完成させる
ガチャッ
玲王「凪ー!お待たせー。出来たぞ!」
オムライスとケチャップを持った玲王が勢い良く自室のドアを開けた
凪「おかえりなさーい」
玲王「って、寝転んでんじゃねーか!飯だ!起きろ!」
玲王がテーブルの上に二人分のふわとろオムライスを置く
ソファーに寝転んだままスマホで動画を見ていた凪は、その音でようやくゆっくりと起き上がった
玲王「見ろよ♪今日も包丁でオムレツ切るの上手くいったんだぞー?」
「スゲェだろ?」と玲王が得意気に凪を見る
凪「いや、今日も、って…俺、前に作ったの知らないから」
玲王「あ、やっぱ、そーだよな…」
先程までウキウキだった玲王が目に見えてシュン、と落ち込むのを見て、凪はまたため息が出そうだった - 29スレ主23/12/30(土) 04:13:54
凪「(俺のせいじゃないのに、いちいち目の前で落ち込まないでよ)」
凪は、テーブルの上でフワフワと湯気が立ちのぼっている出来立てのオムライスを見る
凪「(たしかに…匂いもいいし、見た目もおいしそーだけど。でも、食べるのめんどくさいんだよなぁ…)」
玲王「待て!」
凪「ん?」
玲王「まだこれで完成じゃねーの。ここにケチャップで絵をだなぁ…」
凪「はぁ?絵?いーよそんなの。食べたら何でも一緒じゃん」
玲王「はっ!?」
玲王『凪、ケチャップ、なんて描いて欲しい?』
凪『えー?じゃあ、俺の似顔絵と「好き」ハート、でお願いします!』
玲王『えー!お前欲張りすぎ、似顔絵か〜…』
玲王「(あ、愛が、愛がない…)」
せっかくの二人の想い出のふわとろオムライス
それなのに、記憶が無いから仕方がないとはいえ「食べたら何でも一緒じゃん」はあまりにも身も蓋もなさすぎる
玲王は再び目に見えてガックリと落ち込んだ
凪「(何なのこの人、めんどくせぇー…)」
現・凪くん。そりゃ君にとっちゃ知ったことじゃないかもしれない
しかし、少しずつ玲王に心開いてきているはずだ
凪はこの後どうした?お絵描きをリクエストする?それとも…この後の凪を下3レスから🎲 - 30二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 04:16:28
あーー…じゃあなんか絵描いてよ。任せるから
- 31二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 07:41:24
(漫画とかではハートとか描いてる事あるっけ?)と記憶を辿って、「じゃあハートとかでいーよ」
- 32二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 09:32:55
俺の下の名前書いて
- 33スレ主23/12/30(土) 11:07:43
- 34スレ主23/12/30(土) 12:21:11
凪「あーー…」
玲王「?」
凪は珍しく長考する
こんなに考えるなんてめんどくさいこと、普段の自分なら絶対にしない
凪は徐々に自分のペースが狂っていくような気がしていた
凪「(なんでたかが食事一つで、こんなに頭悩ませなきゃいけないの…)」
ふと玲王を見ると、先の細くなった赤いドレッシングボトルを手に持っていて、何か描く気満々だったことが伺える
玲王『ここにケチャップで絵をだなぁ…』
凪は心の中でため息を吐きながら、もう玲王のやりたいように流れに身を任せることにした
凪「じゃあなんか絵描いてよ。任せるから」
精一杯譲歩したつもりだった、自分なりに
しかし、玲王は凪のリクエストの曖昧さに対して、口を尖らせて不満を漏らす
玲王「えー、なんかーとか、なんでもーとか。それ一番悩むやつじゃん!」
凪「…」
「俺をこれだけ悩ませてるんだからアンタも少しは悩んだら?」と冷たく言い放ちそうになるのを、凪はグッと堪えた
また玲王に落ち込まれでもしたら非常にめんどくさいからだ
凪は少し大人になる - 35スレ主23/12/30(土) 12:32:43
凪「(大人になれ、凪誠士郎。これが済んだらガチャ回そ)」
凪は頭の中を再びフラットな無の状態に戻した
凪「御影くんは…絵、得意なの?」
玲王「おう!俺に苦手なモンは存在しねーんだよ」
玲王はフフンと得意げに鼻を鳴らす
凪「(まぁ…オムライスもこれだけ上手く作るんだから、絵も得意なんだろ)」
凪は素早くスマホを操作して、画面に表示された青くて丸いキャラクターを玲王に見せる
玲王「あー、なんだっけコレ!お前の好きな…」
凪「(やっぱ、これも知ってんのかよ)アンタ、俺のこと本当に好きなんだね」
玲王「は?え、いや…別に…」
普段よりさらに冷静な表情と声をした凪にそう言われると、玲王は調子が狂ってしまう
玲王「(いっつも凪からばっかり好き好き、って言われすぎてたから…バランスがわかんねぇ。今は俺がちょっとしたことするだけでも、凪のことスゲー好きなやつみたいに思われんのかな??)」
つい先程までは、自分と凪は恋人だと仲の良さを証明したかったハズなのに
いざ想いが自分からの一方通行のようになると、途端に玲王の中で恥ずかしさの方が上回った - 36スレ主23/12/30(土) 12:38:40
玲王「ぼ、ぼのぼのさん!だよな?そのキャラ。全然ヨユー。超カンタンだし!」
玲王は照れているのを誤魔化すかのように勢い良くボトルを振って、意気揚々とオムライスに絵を描き始める
スラスラと…その動きには、一切の迷いも感じられなかった
凪「…」
玲王「ホラ!はい、どーぞ♪ぼのぼのさんオムライスの完成です」
玲王が両手で持った皿を、凪の方に向ける
凪「…何それ」
玲王「え?」
凪「食べたくないんだけど」
そこには、どこまでが目でどこまでが体なのかわからない
どうにか気休め程度に捉えられるヒゲの部分の「三」で、かろうじてぼのぼのさんだったかも知れない…と認識できるレベルの
そんな謎の地球外生命体が描かれていた
もはや現代アートの域である
玲王「…ぁ」 - 37スレ主23/12/30(土) 12:42:03
玲王父『ダメ、出せるクオリティじゃない。やり直し』
玲王『えー、パパたん厳しい〜』
白宝祭のメイド喫茶で父親からパンケーキの絵についてダメ出しを受けたあの時は、全然耐えられた
むしろ父親にダメ出しされることなど玲王にとっては日常であり、冗談ぽく笑って受け流せる余裕すらあったほどだ
凪『…何それ』
凪『食べたくないんだけど』
でも、凪にそれを言われるのは違った
めちゃくちゃ辛い
今の凪は別人だから比べちゃいけないと頭では理解っていても
「恋人の凪なら喜んで食べてくれていたに違いない」と、どうしても思ってしまう
玲王は唇が震えて上手く言葉が出せなくなる
こんなオムライス一つで落ち込むなんて、バカみたいだと分かっているのに
玲王「…じゃあ、お前、も、描けよ…」
玲王は何とか途切れ途切れに声に出して、ケチャップのボトルを凪に差し出した
凪「ウソでしょ」
玲王「嘘じゃねぇよ。撃って良いのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!だから、お前も描けよ。俺のオムライスに!ぼのぼのさんを!」
現・凪くん
批判するからには絵心おありなんでしょうね?
ウルトラジーニアスの絵心はいかほど?
凪の描いたぼのぼのさんの出来栄えを下3レスから🎲 - 38二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 12:44:23
ウルトラジーニアスは絵も上手かった
100点満点のぼのぼのさん - 39二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 12:49:46
70点くらいのクオリティ
- 40二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 12:53:58
玲王のこと言えないくらいの画伯ぶり
- 41スレ主23/12/30(土) 13:01:02
- 42スレ主23/12/30(土) 17:59:47
凪「(決めた。これが済んだら、ガチャ10連回す)」
流れに身を任せると決めた凪は、この後の10連ガチャを餌に自分を奮起させる
凪「貸して」
凪は玲王の手からケチャップのボトルを受け取り、自身の攻撃意識99をなんとか最低限まで抑えつつ、スラスラ、サッサと要領良く玲王のオムライスに推しキャラのぼのぼのさんの絵を描いていく
玲王「(そーいや、凪の絵って見たことねーかも…料理の腕も俺と大して変わんなかったし、コイツもきっと俺と一緒くらいか…?)」
凪「はい」
そのオムライスに描かれていたのは、70点くらいのクオリティのぼのぼのさんであった
玲王「(あ…)」
決してプロのような100点満点ではないが
画伯である自分の絵と二つ並べて見比べると、その差は歴然であった - 43スレ主23/12/30(土) 18:06:12
凪『食べたくないんだけど』
玲王「…」
玲王は自分から「オムライスに絵を描く」と持ちかけたものの、その場から今すぐ逃げ出してしまいたい気持ちになっていた
玲王「…や、スゲー。凪の絵初めて見るけど、意外とうめーじゃん?ビックリしたわ」
凪「別に。ぼのぼのさんの顔とかほぼ丸で描けるし。フツーじゃん、これくらい」
玲王「フツー、な…」
玲王は、あらためてまじまじと自分が絵を描いたオムライスを見る
出来栄えは、フツー以下
以下どころか、むしろマイナスかも知れなかった
玲王「(…たしかに、こんなグチャグチャな絵が描かれてたら、食う気失せるかもなぁ)」
玲王は少し強引に自分のオムライスの皿と凪の皿を交換した
凪「え?」
玲王「やー、ワリーワリー。こっちのは責任持って俺が食べるからさ。お前は自分が描いた方の食えよ」
凪「いや、いーよ。俺はどっちでも」
玲王「いーから!冷めちまう前に早く食おーぜ?いただきまーす」
凪「…いただきます」
そして、何とも言えない空気となった室内に、カチャカチャと食器とスプーンの音だけが響く - 44スレ主23/12/30(土) 18:13:19
凪『はぁ?絵?いーよそんなの。食べたら何でも一緒じゃん』
玲王「(ホントだわ。コイツがさっき言った通りじゃん…)」
皮肉にも、その言葉が今の玲王には痛いほど身に染みていた
カチャ… カチャ…
たしかに凪のオムライスも、今自分が食べているオムライスも、味は一緒だ
卵と、ケチャップと…材料も味付けも、全く同じ
上に描かれている絵なんて、そんなの味自体には何のカンケーもない
でも、玲王の心には関係大アリだった
玲王「…っ」
カチャ… すっ、グスッ… カチャ… うっ…
凪「?」
食器の音に混じって、玲王から啜り泣くような、か細い声が聞こえてくる
玲王「っ、ぇ…グスっ…ふっ…」
凪「…(は?)」
まさかと思い、凪が横目でチラリと見た玲王は完全に泣いていた - 45スレ主23/12/30(土) 18:28:09
凪「(め、めんどくせぇえ〜〜〜!!)」
今の凪にとって、隣にいる玲王は完全なる『なんなんだこの生き物』であった
凪「(はぁ?何でこの人また泣いてんの?俺、スッゲー頑張ったよね?付き合ってケチャップでぼのぼのさんも描いたし、こーやってメンドーな咀嚼も頑張ってご飯食べてるし…これ以上何がご不満なの?さっき食べたくないとか言った俺のせいなの?)」
凪はオムライスを三分の一ほど食べて、スプーンを置いてしまった
玲王「(あーもう、何でまた凪の前で泣いてんだよ俺、最悪…っ!)」
玲王は、「泣いちゃダメだ」と思うほどに涙は溢れ、凪との想い出のオムライスはしょっぱい味になる
自分が泣けば、恋人の凪は背中を優しく叩いてくれたり、冷やしたタオルを持ってきて目元を冷やしてくれたりしていたが、隣にいる凪からは何の反応もない
当然だ。この凪にとって、自分は恋人でも何でもない
だから、それらを求めてしまうのは己の弱さと甘えでしかないと玲王は思った
あの行動は凪が生まれつき優しいとかじゃなく、全て自分への愛から生まれたものだったのだと、今なら分かる
そして、いつの間にか自分はこんなにも心が弱くなるほど凪に依存していたのかと思い知った - 46スレ主23/12/30(土) 18:41:44
凪「…」
凪は、泣いて小刻みに揺れている玲王の背中に、そっと手を伸ばす
玲王「…凪」
凪「!」
突然玲王から名前を呼ばれ、凪は触れかけていたその手をピタリと止めた
玲王「…ごめん。それ以上食いたくなかったら、残していいから…。だって、隣でこんな泣かれたら、食う気なくすよな」
凪「あ…」
玲王「…せっかく、お前と楽しく食事しようと思ってたのにな。盛り上げようとして、俺がオムライスに絵描くとか言ったせいで…結局、スゲー空気悪くしてるわ…」
凪「…あの」
凪「(こんな時、”恋人の”俺はこの人にどーしてあげてたんだろ…)」
凪は途中まで伸ばしかけていたその手のやり場を失くし、その手を自分の首に持っていく
凪「…いや、なんで、みんな人と比べたがるかなぁ、って、思って…」
玲王「え?」
凪「(頑張って競って、誰かに勝ちたいとか、誰かの顔色を伺ったりとか、”自分”の価値を、欲しがったりとか…)」
凪は正直、この言葉は今の自分に言い聞かせていた - 47スレ主23/12/30(土) 18:54:45
凪「人間なんてさ、生きてるだけで別にいいのにね、って」
玲王「ぷはっ」
凪の言葉を聞いた玲王が、思わず破顔して吹き出した
玲王「おもしれー!何だそれ、お前詩人?極論すぎだろ」
凪「え?」
凪は、”恋人だった自分”に向けられていた、フワッとその場に花が咲いたようなあの優しい笑顔が、初めて”今の自分”に対して玲王から向けられた気がした
この瞬間、真っ暗だった凪の瞳に僅かばかりの光が灯る
凪「…いや、だからさ。別にいーじゃん、って。御影くんのぼのぼのさんは、御影くんのぼのぼのさんで、味があって悪くない、と、思うよ」
玲王「え」
凪「あと、さっき俺が食べたくないって言ったの…アレ、冗談で言ったんだけど」
きっと自分は、顔も声も一定でトーンがあまり変わらないから、冗談じゃなく本気でそう思っていると玲王に誤解を与えてしまったかも知れない
玲王「そーなの…?」
凪「うん…だから、誤解しないでください」
凪は首に手を当てたまま、玲王の目を見てそう言った - 48スレ主23/12/30(土) 19:02:37
凪「(どーしたんだ?俺。らしくねーコト言ってる…)」
自身の言動に一番驚いていたのは、他ならぬ凪本人だった
凪は人から誤解されても、今までは「別にそれでもいーや」くらいにしか思っていなかった
人が勝手に近づいて来て、勝手に誤解して、勝手に離れていくなら好きにしろ、って
誰にも認めてもらわなくていいし、こっちだって誰にも興味を持たないから、それでいいや、って
楽に生きていければ、別に凪はそれだけで良かったのだ
それなのに今、「泣いてる王子様をなんとかしなきゃ」って、玲王の泣き顔を見てカラダが勝手に動いていた
もし、泣いてる理由が恋人だった自分を想ってとかじゃなく、さっき自分が言った言葉が誤解を与えていたせいだったらどうしよう、と心配になったのだ
凪「(…今の俺、自分から疲れることしようとしてるよね。みんなと同じ『ヘンな生き物』になっちゃったのかな…?)
凪は先程玲王に向けて伸ばしかけていた自身の手の平を、ジッと見つめる - 49スレ主23/12/30(土) 19:07:55
玲王「凪」
凪「何?」
優しい声色で玲王に話しかけられ、凪は反射的に顔を上げてそちらを向いた
玲王「オムライス…どうだった?」
凪「あ、うん。悪くないんじゃない。まぁ、さすがにトびはしなかったけど」
玲王「ハハ。そーいう時はさ…素直においしい、って言えよ」
玲王がスプーンで凪が残していたオムライスを掬って、凪の口元に運ぶ
凪「えっ」
玲王「ちゃんと食べねーと、夜腹減るだろ?今日体育祭でいっぱい動いたし。俺も、もう泣いたりしねーからさ。ほら、口開けて?あーん」
ちょっとずつ変わってきた現・凪くん
初っ端にキスはしたけど、あの時と違って今は少し玲王のことを意識している
そんな玲王からの初「あーん」に、凪はどんな反応をした?
下3レスから🎲 - 50二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 19:17:18
………あーん
ちょっと恥ずかしいけど食べさせてもらえるなら…って感じで口を開ける - 51二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 19:25:50
じっと玲王の顔を見つめながらあーん
- 52二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 19:32:15
おずおず口を開ける
- 53スレ主23/12/31(日) 03:37:12
- 54二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 12:16:35
凪にも恥じらいがあったのか…
- 55二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 12:19:52
意識し始めちゃってるから…
- 56スレ主23/12/31(日) 12:49:39
凪「……」
凪は、玲王の持つスプーンを見つめたまま再び長考モードに入っていた
凪「(これは…ガチャを餌に嫌々するとかじゃなく、むしろ自分にとってはご褒美のようなもので…ご褒美?)」
玲王「なーぎ!」
凪「うぇ?」
その思考は玲王に呼ばれたことで掻き消される
玲王「ずっと持ってんの手ぇ疲れるから、早く食えって」
凪「あ、じゃ、じゃあ…」
ちょっと恥ずかしいけど食べさせてもらえるなら…と、凪は口を開けた
凪「あーん」 パクッ
玲王「おいし?」
目の前にいる玲王が、”自分”だけを見て微笑む
玲王「って、さっきも聞いたっけ。しつけーよな、ハハ」
そう言いながら玲王は再びオムライスを掬ったスプーンを凪の口に向けた
凪「あ、いや、あーんはもういーよ。御影くんが食べれないじゃん」
玲王「え、俺?優しーね、お前」
玲王が笑いながら凪の手にスプーンを握らせ、その上からギュッと自分の手で包む
玲王「じゃあ、ちゃんと最後まで自分で食べれる?」
凪「食べれ…マス」
その返事を聞いた玲王は、目を細めて凪の頭をヨシヨシした - 57スレ主23/12/31(日) 12:58:02
玲王「食ったらこのあと風呂入って、今日はもうさっさと寝よーな」
凪「うん」
玲王「あ、でもお前寝れっかなー?病院でもずっと寝てたもんな。そーいえばあそこの先生がさー…」
凪「(…考えてみたら)」
凪「(誰かと食事するのは、本当に久しぶりだ)」
凪は、玲王と他愛のない会話をしながら、こうして人と食事をとるのはいつぶりかと思い返していた
親元を離れて白宝に入学してからも、凪は昼休みも屋上で一人で過ごしていて、食事の時はいつも一人だった
実家にいる時でさえ放任主義の親はご飯だけ用意してあって、家族の食事の時間はバラバラだったりして
だから誰かと一緒に話をしながら食事をするのなんて、凪にとっては本当に久しぶりのことだった
凪「…オムライス自体も、おいしいけど」
玲王「ん?」
凪「(こうして誰かと話しながら食べると、ほんとにトぶくらいおいしく感じるのかも…)」
凪「(あ、でも、それはきっと誰でもいいわけじゃないよね…多分、きっと…一緒にいたい、人…?)」
そのことに気付いた凪が照れるのを隠すかのように俯くと、玲王の手がその顔に伸びてくる
凪「うわっ!?」
玲王「あ、ゴメン。驚かせた?いや、前髪けっこー伸びてんなと思って…あとで切ってやろっか?」
凪「(…また、キスされんのかと思った)」
凪の心臓は、自分でもその鼓動の速さが分かるくらいに、ドキドキと激しく脈打っていた - 58スレ主23/12/31(日) 13:02:29
凪「いや、大丈夫…前髪こだわりあるから、自分で、やる」
玲王「ハハッ、ホントかよ?それ。まぁーお前マジで変なトコこだわり強いもんな」
凪「…ねぇ」
凪は自分から意志を持って玲王に話しかける
玲王「何?」
凪「御影くんは、こんな俺のこと…変わってるって、思う?」
玲王には何を話しても、自分の全てを包んでくれるような優しさとか、温もりとか、安心感があった
玲王「んー?お前?そりゃ、最初は変わった奴だと思ったよ。授業中も寝てばっかだし、隠れてパン食ってるし。なんなんだ、この生き物…って」
玲王は自分のオムライスを食べながら昔の凪を思い出して笑っている
凪「(うわ…隠密パンの存在まで知られてるとか…やっぱ、この人俺のことめっちゃ見てる)」
玲王「でも、俺も結構完璧主義だったり、人と違うトコたくさんあるし…だからお前にもきっと、なんか事情があるんだろうな、って思った」
凪「え」
玲王「人を色眼鏡で見るのは、好きじゃないからさ。もっと、凪のこと知りたいって思うよ」
そう言って玲王が自分を見つめてくる
今、もっと知りたいと言ったのは、どっちの「凪」のことなのか - 59スレ主23/12/31(日) 13:12:49
「恋人だった俺が羨ましい」
凪は、生まれて初めて誰かに嫉妬した
それは玲王と恋人関係にあった自分に対して抱いた、初めての感情
凪「(この人とするキスが気持ちイイから好きとか、そんなカラダだけのことじゃなくて…この人は、俺のことを見て、俺のすることに泣いて、笑って、怒って、考えて…全力で向き合ってくれる人なんだ)」
凪『病院で俺のこと相棒って言ってたの、アレ本当なの?』
凪があれを玲王に尋ねたのは本心からだった
玲王の家で二日間を過ごすと決めた後、病院のベッドから起き上がって鞄の中のスマホを見た時
その待ち受け画面には、玲王がいた
どこかのテーマパークらしき場所で、耳とリボンのついたカチューシャを頭につけて
ピンクの可愛らしいお菓子を持って、べっと舌を出した表情のロック画面
そして、開いたホーム画面には玲王が自分の学生寮の部屋にいて、おそらく位置的にベッドで寝る自分に対して柔らかい笑顔を向けていた
その二つの画像は、どこからどう見ても恋人にだけ向ける表情の写真で
「ただの相棒ってだけでこんな表情をするのか」と、凪は純粋にそう思った - 60スレ主23/12/31(日) 13:21:39
凪『うーん、やっぱ恋人とか作らないと思うんだよね。俺』
凪『俺と恋人になることで、御影くんにとって何かメリットがあったの?』
だから不思議だったのだ
キラキラの学園の王子様が、どうしてこんな俺のことを好きになったのか
そして、極度のめんどくさがりの俺が、どうしてこんなめんどくさい人を好きになったのか
言葉だけで説明されてもピンと来なかったその疑問の答えが、今、自分の目の前にある気がした
凪「好き…」
玲王「え?」
凪「…だった?俺のこと」
凪はスプーンの動きを止めて、視線は皿に向けたままで玲王に訊く
玲王「…うん。めちゃくちゃ好き」
玲王「今もだよ。分かるだろ、俺には、凪しかいねーの」
凪「じゃあ”俺”のことは?」
玲王「俺?」
凪「今、アンタの目の前にいる俺のこと…どう思う?」
チャレンジャーだな現・凪くん
玲王、恋人の凪じゃなく、今目の前にいる凪のことはどう思うの?
玲王の答えを下3レスから🎲 - 61二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 13:33:25
好きだよ。出会い方が違うだけで、お前も凪だもん
- 62二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 13:48:58
好きだけど、優しかったらもっと好きかも(いたずらっぽく)
- 63二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 14:26:34
「もしかしてヤキモチ妬いてる?」ってからかってから「好きだよ」って言う
- 64二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 14:33:23
このレスは削除されています
- 65スレ主23/12/31(日) 20:43:48
- 66二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 20:50:18
からかい上手の御影さんだ!
スレ主のSSとイラストに出会えて今年は幸せだったよ
年越し凪玲かわいい〜 - 67二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 23:45:23
スレ主こちらこそ今年はありがとうね!
来年もよろしく🍊 - 68スレ主24/01/01(月) 10:29:54
玲王「好き」
凪「えっ」
玲王からのその二文字に凪の瞳はさらに輝く
玲王「だけど…」
凪「?」
玲王「優しかったら、もっと好きかも」
そういたずらっぽく笑って、玲王が言った
しかし、それを冗談だとは思わなかった凪は首を傾げる
凪「…優しく、なかった?」
たしかにちょっと意地悪なことを言ってしまった気はするけど
あれは全て嫉妬だったり、自分の配慮の足りなさだったりして
玲王に心惹かれ始め、必死で、余裕をなくしてる凪は、玲王の言葉をまともに受け取ってしまっていた
玲王「えー、もしかして気にしてる?」
凪「いや…別に」
嘘だった。自分のこれまでの言動を脳内で振り返って、めちゃくちゃ気にしている
玲王「怒ってるワケじゃねーからな?マジになんなよ。お前はそのままでいいって」
凪「そーなの?」
玲王「うん。凪のおもしれーところが好きだから。無理に変わろうとしなくて良いよ」 - 69スレ主24/01/01(月) 10:36:08
凪「…」
人間の心ってムズカシイ
凪「(さっきのって、冗談だったの?わかんねー…)」
今この瞬間でさえも、既に玲王とすれ違いそうになっていた
凪「(性格も何もかも真逆の自分とこの人は、どんな風にして恋に落ちて、お互いに想いを告げたんだろう…)」
玲王の口から積極的に恋人の自分との馴れ初めを聞きたいとは思えなかったけど、今の凪からしたら、玲王と結ばれることは果てしなく遠い道のりに思えた
玲王「あー」
玲王が再び何かに気付いたように、凪の顔を見てニヤニヤしている
凪「え?」
その手が唇に伸びてきた
凪「!」
玲王「もぉ、口についてるぞ。おっきいのにマジで赤ちゃんだよなー、凪は」
口についていたケチャップを指で拭われ、そのままペロッとその指を舐める玲王の仕草から凪は目が離せなかった - 70スレ主24/01/01(月) 10:40:21
玲王「でもちゃんと残さず自分で食べて、エライエライ」
凪「…」
自分はもう高校生で
一人で食べるなんてそんなのは当たり前のことで
むしろ小さい頃から人より背が高くて、年齢よりも上に見られていた
おまけに要領も良かったから、何でも出来て当たり前
誰かに褒められたことなんてほとんど記憶にない
それなのに、今頃になってこんなに綺麗で優しい人にグズグズに甘やかされて
今までの人生で初めてのことの連続で、凪は頭がどうにかなりそうだった
凪「…」
自然と視線が玲王の唇に吸い寄せられる
玲王『だーかーらー、さっきのあれは忘れろ!もうお前とはキスしないから』
凪「あ、あの」
玲王「あー、食った食った。ん?なんか言った?」
凪「…何でもない。えっと、お風呂入るんだっけ、この後」
玲王「おー、入ろ入ろ。さっき湯溜めといたんだよな〜。お前の好きな泡風呂だぞ!」
凪「…あー」
凪「(それ、”俺”が好きなやつじゃないんだけど)」
凪はまた子どもみたいなことを言いそうになる自分を、グッと抑えた - 71スレ主24/01/01(月) 10:47:01
凪「(あぶな…また拗ねたコト言いそうになってたな、俺。自分に嫉妬したって仕方ないのに)」
この人の目の映るのは、今の俺なんだから
もっと好きになってもらえるように、優しくしたいのに
凪は八つ当たりみたいなことはもうやめようと、気持ちを切り替える
凪「泡風呂?とか、楽しそう」
玲王「んー、そっか。”お前”は初めてか。一緒に入ってベ◯マックスナギにしてやるからなー?」
凪「え…今、なんて?」
玲王「ああ、ベ◯マックスナギって、これだけ聞いても意味わかんねーよな、ハハ」
凪「じゃなくて、その前の…一緒に、って」
凪は自分の耳を疑った
さっきのは幻聴だろうか。たしか「一緒に入る」と聞こえたような
玲王「入るだろ、一緒に。一人がいいならそれでもいいけどさ。風呂とか一番頭打ちそうであぶねーじゃん。お前が一人で入んなら俺は近くで見とくけどさ。それなら、もう一緒に入った方が早くね?凪はどっちがいい?」
この凪くんは玲王と風呂に入った記憶も勿論ない
つまり、玲王とは初風呂になるワケだが…
凪は玲王と一緒に入った?それとも一人で入った?(ただし近くに玲王はいる)
凪の回答を下3レスから🎲 - 72二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 10:50:04
一緒に入ってください(スレ民の懇願)
- 73二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 10:50:09
一緒に入ろう
- 74二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 10:53:42
じゃあ、一緒で…
- 75二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 10:55:24
スレ民と凪くんの欲が垣間見える…
- 76スレ主24/01/01(月) 13:58:33
- 77二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 14:06:02
男2人っきり、記憶をなくした恋人、一緒にお風呂…何も起こらないはずがなく…
- 78二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 19:56:38
なにか起こってくれないと困りますよ(煩悩)
- 79二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 03:04:03
何が起こるのやら
- 80スレ主24/01/02(火) 06:20:59
凪「一緒に入ろう」
もちろん、凪は玲王からのこの提案に即断即決であった
その答えには一片の迷いもない
彼も自分のエゴを自覚し始めているのだろうか
玲王「ん?だろ。入るよなー、一緒に。俺が洗ってやるからさ、その方が楽じゃん?お前も」
玲王がカチャカチャと二人分の食器をトレイに乗せながら、何でもないことのように凪に言う
凪「えっ」
一緒に入ることを即決した凪も、これには驚いた
凪「いや、洗ってやる、って…?」
1.一体どこを洗うのか
2.恋人だった俺は学園の王子様にどこまで洗わせていたのか
凪「…」
凪はそれらについて真剣に悩み始める
凪「それって…俺も(御影くんのこと)洗った方がいいの?」
凪は玲王の顔を見てそれを訊くのが躊躇われ、視線は玲王の持つ皿へと注がれていた - 81スレ主24/01/02(火) 06:24:18
玲王「え?(皿のこと?)いーよ、それは俺が洗うから大丈夫」
凪「そ、そう?いや、なんかそれだと御影くんばっかりが大変かなって」
玲王「ん?まぁー、たしかに俺が疲れてる時は凪が(皿を)洗ってくれる時もあったかなー」
凪「(う、うわぁ…)」
玲王「すぐ片付けてくるからさ、ちょっと待っててよ」
そう言って玲王は部屋を出て行った
ちなみに玲王が先程「洗ってやる」と言ったのは、頭をシャンプーする、という意味である
いくら世話好きの玲王でも、自分と同い年で自分よりデカい身体の男を洗うほどではなかった
少なくとも現時点では
凪「(恋人の俺、マジで御影くんとお風呂で洗いっことかしてたの…?ていうか、俺と御影くんて、”そっち”はどこまで進んでたんだろ…?だって身体を洗い合うって、もう相当な仲じゃないの…?)」
玲王の部屋で、凪は一人悶々と考えていた - 82スレ主24/01/02(火) 06:28:14
凪「(待てよ…もし、もし恋人だった俺と御影くんが既に”最後まで”シてるんだとしたら、あの人、さっきも自分からスッゲー熱いキスしてきたくらいだし、今日の夜とかさ…ヤバいんじゃない…?)」
凪の妄想は止まらない
記憶を失くしてもその妄想癖は健在のようであった
凪「(それで、その場合はさ…どっちがいわゆる、上、なんだろ…。え?まさか、やっぱ見るからにスパダリっぽいあの王子様が上??)」
凪は自身の貞操に危機を覚えた
「考えたくないけど…もしかすると、いつのまにか俺の”後ろ”は大変なことになっているのではないか」と、凪はそっと自身の後ろに手を伸ばして確かめようとする
落ち着け凪くん、話が一気に飛躍しすぎだ - 83スレ主24/01/02(火) 06:31:54
凪「(いや、だって、そりゃ抱くのは絶対俺がいいけどさ。俺みたいなめんどくさがり屋が…どーやってあんな完璧な人を抱かせてもらうんだよ…)」
ガチャッ!
玲王「お待たせー、風呂行くぞ!」
凪「ッぉ!?」
急に玲王が部屋に戻ってきたため、後ろに手を伸ばしかけていた凪はとっさにそれを誤魔化そうとソファの上で変な体勢をとる
玲王「凪っ!?は?大丈夫か!?」
ソファの上で変な向きに身体を曲げて謎の体勢になっている凪を見て、もしや容態が急変してしまったのか、と玲王が慌てて駆け寄ってきた
凪「ねぇ、御影くんは上と下どっちなの…?」
玲王「は?」
上と下…?
こんなこと訊かれても玲王にその意味が分かるはずがない
玲王の回答を下3レスから🎲 - 84二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:13:58
(上?下?何の話だ?立場とか成績とかそういう事かな)下…になったことはねぇと思うけど…
- 85二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:38:38
一瞬考えてから(あ、身長の話かな?)と誤解して
「パッと見じゃ分かんないよな(凪って猫背だし)俺の方が下だよ。お前こんなところ(身体の成長速度)も天才なんだもんなー?さすが俺の宝物♪」
とニコニコ - 86二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 09:23:10
上と下って何が?
いっそ聞いちゃう - 87スレ主24/01/02(火) 12:26:47
- 88二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 12:37:55
和装可愛い!
お年玉は結婚資金貯金に回してもろて… - 89スレ主24/01/02(火) 19:04:21
玲王「(上?下?何の話だ?)」
急に凪から「上と下どっちなの?」と訊かれても、玲王からしてみれば当然それが何のことだか分からない
それならばここで「何の話?」と、一旦凪に聞いてみれば良かったのかも知れない
しかし、玲王は人より頭が回るだけにそのまま自己完結してしまった
玲王父『分かっているな?お前は人の上に立つべき人間だ。今日使われる方の身になってみて分かっただろう。どちらが自分に相応しいのか』
玲王「…」
玲王の中で「上か下か」と言うのは、『社会において自分がどの位置にいるか』である
父親からそう教え込まれて育ったため、玲王は真っ先にそのことが頭に浮かんだ
玲王「(あー…立場とか成績とかそういう事かな)」
玲王「下…になったことはねぇと思うけど…」
凪「(ああ、やっぱり…)」
その答えに凪は絶望する
「抱かれる側は、俺だったのか」と
玲王「なんで?」
玲王がちょっと困ったような顔をして尋ねた
凪「いや、俺の知らない二人の(夜の)こと、もっとちゃんと確認しといた方が良いのかな、って。今後の(夜の)ために…」
殊勝な心がけをする凪の答えに、玲王は思わず吹き出した - 90スレ主24/01/02(火) 19:09:18
玲王「ぷはっ。いや、そんな真面目に考えなくても大丈夫だって。俺と凪のどっちが上かなんて、そんなの考えたことねーよ」
凪「え、そーなの?」
玲王は凪の肩を両手でガシッと力強く掴んだ
凪「うぇっ!?」
玲王「お前にBOSSとか呼ばれることもたまにあるけど、どっちの立場が上とか下とか、カンケーねぇ。だって、俺とお前はパートナーなんだ。分かるだろ?凪」
真っ直ぐな瞳で玲王に見つめられる
キラキラと眩しくて、きっとこの家から見える夜景よりももっと綺麗で、澄んだ朝焼けみたいなその紫色に凪は吸い込まれそうになった
凪「…つまり、俺と御影くんは、平等、ってコト?」
玲王「もちろん!そーだよ」
凪「(それは…俺が”上”になる可能性もアリってことだよね?)」
凪はホッと胸を撫で下ろす
凪「うん。分かったよ、御影くん。ありがとね(今日は絶対上にさせてもらおう)」
玲王「だーかーらー!」
凪「ッ?」
玲王の急な大声に凪は驚く - 91スレ主24/01/02(火) 19:13:44
玲王「もういい加減俺のこと玲王って呼べっての!マジでやめろ、それ」
凪「れ、玲王…?」
玲王「そう!それでいーの」
凪「…玲王」
「同じ音でも全然違う」と玲王から言われたその二文字を口にするのは、無意識であっても恋人の自分のそれと比べられはしないかと、凪は心配になった
凪「玲王…」
でも繰り返し口にしてみると、自分の中で何故だかしっくりくる
今までほとんど口にしたことのない名前のはずなのに、やはり自分の身体がこの音を覚えているのだろうか
凪「たしかに、こっちのが恋人っぽいよね(そーいうコトするんなら名前呼びのがいいか)」
玲王「え?あ、ああ。うん…」
玲王「(恋人、か…)」
玲王は玲王で、その定義に悩んでいた - 92スレ主24/01/02(火) 19:19:17
自分と凪とは間違いなく恋人だったが、目の前の凪とはほぼ初対面のような状態だ
同じ凪だから「好き」なことに違いはないのだが、目の前の凪が「恋人」なのかと言われると、それは何か違うような気がしていた
玲王「(俺からキスとかしといてアレだけど…。冷静に考えたら、この凪と恋人っぽいコトすんのは、なんか違うかもな…って、恋人っぽいコト…?)」
その様を少し想像した玲王は、顔が赤くなる
凪「あれ、玲王…顔、赤くない?」
玲王「あー、部屋、暑いのかも!汗かいたわ」
玲王「(まぁ、コイツ…俺と恋人なの信じてなさそーだったし、特に何も起こらねーだろ)」
玲王「よっしゃ!風呂行くぞ!風呂!」
玲王は一人で変な想像をしてしまったことが恥ずかしくなり、いつもよりムダに張り切った声を出した
凪「うん、レッツゴー!」
玲王「え?お前も乗り気じゃん。やっぱベ◯マックスナギが楽しみなんだろ?」
玲王が、からかうようにして凪の腕を肘でつつく
凪「だから、そのベ◯マックスナギってなんなのー?」
こうして二人は初混浴することになる
食い違う思考の中、一体彼らに何が起こるのか
それはまだ誰にも分からない - 93二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 19:23:31
凪くんヤる気満々で草
- 94スレ主24/01/02(火) 19:30:38
in 脱衣所
凪「(うわ…マジで…今からここで裸になんのか)」
少し楽しみにしていた玲王との風呂とは言え、いざお互いが裸になる状況を前にして凪の心拍数は上がっていく
しかし、隣の玲王を見ると恥じらいなど微塵もないかのようにテキパキとタオルや下着の準備をしていた
玲王「パンツ、俺の新しいのでいい?」
凪「あ、うん。あの…れ、玲王ってさ」
玲王「んー?」
凪「俺と、今まで何回くらい風呂入ったコトあんの…?」
凪は思い切って聞いてみた
だって、これから恋人同士が裸になって一緒に風呂に入ると言うのに、あまりにも玲王が平気そうだったから
玲王「えー?なんだよその質問。そりゃ(サッカーして)汗かいたら入ってたから…数えきれないかもな」
凪「(マジかよ…)」
凪は恋人の自分と玲王がどんな割合で”上下”を変えていたのかは知らないが、とにかく数えきれないほどの回数の夜の交渉を繰り返していたのかと、その爛れた関係を憂えた - 95スレ主24/01/02(火) 19:34:56
凪「(スッゲー綺麗でお上品な顔してんのに…ヤる時はヤるんですね、お坊ちゃん)」
好きな人が経験済みだったどころか、(自分相手とは言え)めちゃくちゃヤリまくっている事実に、凪はなんとも言えない複雑な気持ちになった
そんな凪の気も知らず、入浴後の用意を済ませた玲王は凪のジャージのジッパーに手をかけてそのまま下げていき、手際良く凪の肩から脱がせたそれを洗濯カゴに入れる
凪「??」
あまりに当たり前のような早業でジャージを脱がされ、凪はその電光石火の動きに思考が追いつかない
凪「(今、俺…脱がされた…?)」
玲王「ジャージ、俺のと一緒に洗っとくなー」
凪「えっ、えっ」
玲王は戸惑う凪に気付かないまま、そのシャツの裾を掴んで持ち上げようとする
玲王「ほら、脱ぐぞ?バンザー…」
凪「いや!ちょ!自分で脱げるからっ!」
玲王「ッ、あ、ワリィ…いつもの癖で」
凪「うん…」
玲王「(あー…どうしよ。やっぱ、加減がわかんねぇな)」 - 96スレ主24/01/02(火) 19:41:41
凪の着替えを手伝うのは玲王にとっては日常だったのだが、この凪にとっては抵抗があるらしく、玲王はまた自分がやり過ぎてしまったのかと落ち込んだ
凪「(え、今のって…もしかしてそのまま脱がせてもらった方が良かったのかな…?)」
玲王に甘えるチャンスを逸したかと凹む凪の視界に、玲王が自分のジャージのジッパーを下げる様子が映る
なんとなく目を離せずにいると、その隙間から赤い色が覗いた
凪「えっ」
そして玲王が完全にジャージのジャケットを脱ぐと、例のチア衣装が現れる
凪「…な、何?その、服…」
丈の短いトップス、その下にある玲王の形良く綺麗に割れた腹筋から凪は目が離せなくなる
玲王「え?ああ、体育祭の衣装。着替える時間なくてリレーは上にジャージ着て出て、その後お前が倒れてそのまま一緒に病院行ったからさ…ずっとこれ中に着たままだったわ」
凪「へ、へぇー?凄い服、だね…」
凪「(体育祭の衣装?おいおい、誰の趣味だよ…。まぁ王子様は男だし、さすがに下は短パンとかだよね…?)」
興味のないフリをしながらも、凪はますます玲王から目が離せなくなっていた - 97スレ主24/01/02(火) 19:50:35
玲王「え、何?」
凪「へ?」
玲王「そんな見られると、脱ぎづれぇんだけど…」
凪「あ、ご、ごめんなさい…」
玲王に気づかれるほど熱い視線を送ってしまっていたのかと、凪はバツが悪そうに慌ててシャツを脱ぐ
玲王「…」
玲王は凪からの視線に少し居心地の悪さを感じながらも、ウエストのゴムを引っ張りながらジャージを下ろしていった
凪「(あんま見ちゃダメなんだけど…視界に入るくらいはイイよね)」
そして、玲王のジャージが膝まで落ち、その下から現れたのはトップスと同じ赤色のチアのミニスカであった
凪「!?」
学園の王子様が、ミニスカを履いてらっしゃる…!?
この凪くんはコスプレ好きなのかは分からないが…
中身が同じ人間ならば、やはりこの凪もコスプレ好きなのか?
それとも、メイドの玲王を知らないこの凪はコスプレには興味がないのか…?
ミニスカチア姿の玲王を見た凪の反応を下3レスから🎲 - 98二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 19:53:27
待って脱ぐ前に全身見せて
- 99二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 19:58:12
宇宙猫でガン見
- 100二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 20:10:39
スカートの下が気になってつい捲ってしまう
- 101スレ主24/01/02(火) 21:53:53
- 102二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 22:42:17
欲望に忠実な凪くん草
- 103二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 09:30:38
ほしゅ
- 104スレ主24/01/03(水) 15:40:33
チア姿になった玲王は、手を交差させて何事もなかったかのようにそのままトップスを脱ごうとした
凪「待って」
玲王「え」
その声に脱ぎかけていた玲王の手が止まる
凪「脱ぐ前に全身見せて」
玲王「…全身?」
相手がいつもの凪ならば、きっと「そういう目的」で言ってきているのだろうと玲王はなんとなく察しはついた
玲王「…」
玲王『(まぁ、コイツ…俺と恋人なの信じてなさそーだったし、特に何も起こらねーだろ)』
しかし、目の前の凪は自分に対しては特に何とも思ってなさそうな、自分と出逢う前の凪である
凪『いや!ちょ!自分で脱げるからっ!』
玲王『ッ、あ、ワリィ…いつもの癖で』
玲王『(あー…どうしよ。やっぱ、加減がわかんねぇな)』
玲王「(もしここで『全身?何でだよ!またお前変なコト考えてるだろ!』とか言ったら、俺マジで自意識過剰なヤツだと思われるよな…)」
今の凪との加減がイマイチわからない玲王は深く考えることをやめて、素直に凪の言う通りにした
もしかしたら、凪は自分の応援団衣装を見て体育祭の記憶を取り戻そうとしている可能性だってある - 105スレ主24/01/03(水) 15:42:47
玲王「…ほら、全身どーぞ?似合ってる?」
玲王が手を広げてクルリと一周回ってみせる
凪「うん…凄く、似合ってる」
しかし凪は玲王を見たまま何かを考えているようだった
玲王「ハハ、もしかして何か思い出した?」
凪「…いや…この衣装って、チアだよね」
玲王「うん」
凪「これで完成なのかな、って」
凪誠士郎
サブカル方面からの影響により、やはりコスプレにはそれなりの知識があった
何か足りない、そんな気がしたのだ
玲王「あー、他にもポンポンとかあったし、俺らはき◯ねダンス踊ったから耳とか尻尾とかもあったんだけど…覚えてねーか」
玲王が少し残念そうな顔をしながら俯く
玲王「(結局、恋人の凪からは、この衣装一言も似合ってるって言われなかったんだよな…)」
凪「耳…尻尾…ポンポン…」
玲王「完成バージョンも気になんの?あとで写真見せてやるよ。多分誰かイ◯スタあげてるはず」
そう言って玲王は再びトップスに手をかけて脱ぎ始めた - 106スレ主24/01/03(水) 15:47:22
凪「!?」
その時、見るつもりはなかった玲王の胸に目がいき、凪はギョッとする
凪「どうしたの…それ」
玲王「え…?」
凪の視線の先にある玲王の胸には、鬱血して紫色になっている痛々しい歯形があった
玲王「あ…」
そう言われて玲王も凪の視線を辿り自分の胸を見る
玲王『何?お前…今俺に何したの、マジで。なんで噛んだの?』
玲王「あー、(昨日風呂入った時より酷くなってるな…)気持ちワリィ?ゴメンな」
凪「??」
玲王は変なものを見せて申し訳ない、と言った感じで謝っているが、およそ自分でつけられる場所じゃない
となれば…学園の王子様の胸にこんな事が出来る人物はただ一人
凪「(それが許される相手といえば…恋人の、俺?)」 - 107スレ主24/01/03(水) 15:51:20
凪「ねぇ」
玲王「ん?」
凪「…それ、俺がしたの?」
玲王「うん。お前以外に誰がすんだよ、こんなこと」
凪「(やっぱり…)」
どんな状況で付けたのかは分からないが、おそらく跡の状態からして数日以内の話だろう
玲王「あ、でも、別にお前は気にしなくていーからな」
凪「いや、気にするって言うか…」
凪「(マジで、俺と玲王は、そーいう関係なんだ…)」
やっぱりキスだけじゃない
身体の関係もあるという証拠を目の前で見せられ、モヤモヤとした黒い感情が湧き上がった凪は驚くべきことを口にする
凪「じゃあさ、俺も玲王に同じ跡付けていい?」
玲王「は?」
スカートを脱ぎかけていた玲王は、凪からの突然の提案に固まった
凪「だって、それしたの俺なんでしょ?前の俺と同じことしたら、なんか思い出すかもなー、って」
突っ走りすぎだ現・凪くん
玲王と自分は経験済みだと思っている彼に「遠慮」の二文字はなかった
凪に記憶は取り戻させたいが、恋人ではない凪にそんなことをさせても良いのだろうか?
玲王の答えを下3レスから🎲 - 108二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 15:56:28
しばらく悩んだ末に
……分かった(記憶取り戻すかもしれないし) - 109二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 16:16:34
良いけど、あんまり痛くしないでほしい
- 110二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 16:21:21
いいけど…嫌じゃねーの?
- 111スレ主24/01/03(水) 17:03:03
- 112二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 17:08:52
だって見たいんだもん!!!!!!
- 113二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 17:10:32
スレ民総手でやらしい雰囲気にしていく姿勢
- 114二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 22:39:52
スレ民意見が一致しすぎw
- 115二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:45:47
凪くんとスレ民のエゴが一致した
- 116二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 09:36:07
コラー!記憶喪失前の凪には厳しかったのにスレ民ー!!なんでだ!!
- 117スレ主24/01/04(木) 13:55:40
玲王「いいけど…」
凪「(いいんだ…?)けど…?」
半分ダメ元、冗談のつもりで言ったのに、学園の王子様の胸に噛み跡をつけるお許しが出た事に凪は内心驚いていた
もちろんその表情に驚きは微塵も表れてはいないのだが
玲王「嫌じゃねーの?」
凪「…」
凪「(嫌?今、俺に嫌かって訊いたの?この人?)」
凪「(…そんなの、嫌なワケ、あるもんか…)」
好きな人、一緒にいたいかもと思える人に生まれて初めて出逢って
その人から「自分のものだ」と身体に印を付けるようなことを許可されたのだ
それを嫌だと言う男など存在するハズがない
玲王『優しかったら、もっと好きかも』
凪「…」
しかしきっと、今までの自分のそっけない態度の積み重ねが、玲王に対して関心が薄く、消極的な男のように思わせてしまっているのかも知れなかった - 118スレ主24/01/04(木) 14:02:52
それならば、ここで急に「ハイ!噛み跡付けたいです」と素直に告げるのは、(恐らく恋人の自分とヤりまくって)セッセ経験値カンスト中の御曹司に「俺は好きな人とエロいことしたくてしょうがない童◯です!」と自己紹介をしているようなものだ
凪「(…それはナシだ)」
むしろこのまま自分は玲王に対して何の下心も抱いていない、人畜無害のエロとは無縁なキャラを貫き通した方が得策なのかも知れない、と凪は思う
そう、この凪も見事に童◯を拗らせていた
凪「嫌っていうか…まぁ、仕方ないよね」
玲王「え?」
凪「だって玲王のチアの格好、全身見たけど俺、やっぱ何も思い出せなかったし…ゴメン」
玲王「凪…いいよ、そんな焦んなくても。気にすんなって」
玲王「(でも、嬉しいな…)」
玲王は、凪も少しでも自分との記憶を取り戻そうと努力してくれているのか、と秘かに心を打たれていた
しかし、今その凪が頑張っているのはいかに童◯っぽい下心を見せずにこのまま玲王とエロい流れに持って行けるか、その一点のみである - 119スレ主24/01/04(木) 14:14:49
凪「だからさ、記憶を思い出すためには視覚だけじゃなくて…もっと、俺の五感とか全部にまで刺激を与えた方が良いと思うんだよね」
玲王「五感とか、全部…?」
もっともらしい凪の言葉に、玲王は名案か、と瞳を輝かせる
玲王「え、それってつまり…目だけじゃなくて、もっと触覚とか、嗅覚にも…ってこと?」
凪「そう。だから、実際に俺が玲王の胸に噛み跡を付けてみるのは、記憶を思い出すのに有効な手段だと思う」
玲王「なるほど…たしかにその説は一理ありそうだな。わかった!じゃあ、やってくれるか?凪」
凪「うん、玲王。俺、やってみる」
玲王「ヨシ!いいぞ、おいで?」
そう言って玲王が笑顔で両手を広げた
凪は心の中でガッツポーズを決める
チョロい、チョロいぞ御曹司…!
そしてツッコミ不在のまま、凪はエゴの赴くままに、上半身裸でミニスカを履いただけの玲王の胸元に顔を寄せた - 120二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 14:17:12
この凪くんの方が元の凪くんより事を運ぶのが上手いぞ
- 121スレ主24/01/04(木) 14:17:30
凪「…」
今、凪の目の前には白い肌にピンク色の突起が際立つ玲王の滑らかな肌がある
玲王「ちょ、さすがにそんな見られたら、照れんだけど…」
凪「え?ああ、ごめん…ちょっと、考え事してて」
玲王「あ、そっか、邪魔してゴメンな(もしかして、もうなんか思い出せそうなのか…?)」
凪は玲王の胸元を眺め、どちらに噛みつこうかと長考していた
凪「(跡…俺が付けた上に上書きしちゃおうかな…お清めセッみたいなカンジで…でも、この跡を上からさらに噛んだらスゲー痛そうだよね…じゃあ、やっぱ反対側…?)」
玲王「クシュン!」
凪「あ、ごめん…寒かった?」
玲王「ん…(恥ずかしいし)ワリィけど、出来れば、早くして欲しい…」
凪「(早くシて?おねだりかよ、参ったな)分かりました。じゃあ、いただきまー」
本能のままに凪が玲王の胸に齧り付こうとしたその瞬間———
玲王「ちょっと待った!!」
凪「うぇっ!?」
急に手で頭を押さえられ、お預けを喰らった凪は玲王を見上げる - 122スレ主24/01/04(木) 14:20:55
玲王「あ…(なんだろ、無意識に止めちまった…)や、やっぱこーいうのはさ、風呂入ってからのが良くね?って思ったんだけど…」
凪「風呂?」
玲王「だって、今日体育祭したから汗かいてるし…」
凪「…えー」
玲王「えーって…そんな顔すんなよ…」
子どもみたいに口を尖らせて不服そうにする凪を見た玲王は、甘やかしたいという母性本能をくすぐられてしまう
凪「ていうか、この跡付けられたのっていつなの?」
凪は玲王の左胸にある痛々しい噛み跡を見つめた
玲王「昨日…体育倉庫の中に、二人で閉じ込められてて…その時」
凪「…(は?やってんなー…)」
凪は自身のあまりのリア充っぷりに言葉を失う
まさか学園の王子様と、憧れの体育倉庫イベントまで済ませているとは - 123スレ主24/01/04(木) 14:24:32
凪「…じゃあ、その時の状況も風呂の後じゃないんじゃん」
玲王「うん」
凪「それならいいって。このまました方が思い出すかも知れないし」
玲王「そ、そっか?分かった…」
玲王「(あの時は寝てる時にされたからよく分かんなかったけど…今、こんな明るいとこでされんのは、なんか、ちょっと恥ずいかも…)」
凪「?」
先程から頬を赤らめてオドオドと目を泳がせる玲王に、凪は違和感を覚えた
凪「(いや…いまさら何なの…?まるで『ハジメテです』みたいな初々しい雰囲気出してるけど)」
さすが学園の王子様は人の心を掴むのが上手い、と凪は思う
たとえ自分とヤりまくっていても、行為を飽きさせないように意図的に初めてのような恥じらいのある雰囲気を出しているのかも知れない
いや、きっとそうに違いない - 124スレ主24/01/04(木) 14:28:27
凪「…」
恋人の自分が付けた噛み跡の残る玲王の左胸に、凪がそっと手を這わせた
玲王「ッ」
血の固まった傷口を触った瞬間、玲王がビクンと肩を竦める
凪「あ…やっぱ、痛い?」
玲王「…うん」
凪「(じゃあ、反対にしよ)」
まだ跡のない方の綺麗な胸を前に、凪は再び長考を始める
凪「(よく考えたら俺、人の肌を鬱血させるなんて今までやったコトないんだけど…とりあえず噛んで吸えばいいのかな)」
凪は玲王の右胸を左手で触ってみる
玲王「あ…」
凪「こっちは?触ってもヘーキでしょ?」
玲王「ん…うん…」
凪「(うわ、スゲーすべすべしててキモチイイ…)」
玲王の胸に触れた凪のIQは途端に下がり、服を脱いだ寒さで少し硬くなっている玲王の右胸の突起を親指で優しく押してみた - 125スレ主24/01/04(木) 14:34:58
玲王「〜んッ…!」
凪「?」
玲王「(うわ…どうしよ…まさかコイツとこんな風になると思ってなかったから、スゲー緊張すんだけど…変な声出さないようにしなきゃ)」
玲王の脳内は凪に触られたことで押し寄せる感覚と、それに反応しないよう自制しなくてはという感情により、軽いパニックを起こしていた
玲王「〜〜っ」
あくまでこの凪がしているのは記憶を取り戻すための行為で、そこに何ら深い意味はないのに
また自分だけが恋人みたいな甘い気持ちでいると思われないよう、玲王は唇を引き結んで溢れそうになる声を我慢する
凪「(ん?…この人、シてる時にあんま声出さないのかな?)」
玲王は普段の声も大きいし、自分と違って感情表現豊かだからきっと行為の時も遠慮なく喘ぐのかと思っていた凪は、アテが外れたような思いだった - 126スレ主24/01/04(木) 14:37:35
凪「(どんな声出すのか聞いてみたかったんだけどな…もしかして俺の触り方がヘタとか?それとも、俺が下になるばっかりで玲王はまだ乳◯開発されてないってコト?)」
じゃあ俺が開発してやるよ、と凪はグニグニと指で突起を押し潰すように左右に動かし、そこを強く責めていく
実際には乳◯開発どころか本番すら済ませていない清らかな二人である
凪は盛大に勘違いをしたままだった
玲王「ッ、なぁ?」
玲王の声に反応した凪が顔をあげる
凪「何?(玲王の顔、赤…)」
玲王「お前、さっきから何シてんだよ…?」
凪「え?」
玲王「そんな、触んなくてもいーって…だって噛み跡付けるだけ、だろ?」
漏れそうになる声を押しころそうとしながら快感に耐え、既に涙目になっている玲王に凪は見下ろされる - 127スレ主(※微エロ注意)24/01/04(木) 14:43:37
凪「あーうん…そうだったね。じゃあ…」
玲王の乳◯開発を自分がしようと目論んでいた凪だが、本来の主旨をようやく思い出した
脱線し過ぎて玲王に下心を気付かれてしまっては、元も子もない
凪はおずおずと舌を玲王の右胸の突起に伸ばし、その先端に触れる
玲王「んっ」
凪「(…ていうか、こーいうのってマジでどれくらいの強さですればいいの…?)」
加減が分からず、とりあえず突起の周りを舌で優しくなぞってみた
玲王「ぅぁっ…」
凪「!(ちょっと声出た?指で触るより舐められる方が好きなのかな…?)」
凪は舌全体で突起を包み込むようにして、軽く歯を立ててそこに吸い付いてみる
チュッ
音を出しながら口を離してみたが、その場所は唾液で濡れているだけで鬱血するまでには至っていなかった - 128スレ主(※微エロ注意)24/01/04(木) 14:47:44
凪「(えー…跡ついてないな…もうちょっと強くした方がいいのかな)」
玲王「(やば…こんなの、どーしよ…)」
自身の胸元にはふわふわと凪の髪が当たり、最初はくすぐったいだけだった突起とその周りを、上手く跡が付くまで何度も舌の上で転がされて歯を立てられ、玲王の口からは次第に声が漏れ始める
玲王「はっ…ぅ、あっ…(まだ…?)」
凪『ねぇー、俺に揉まれて乳◯おっきくなってきてるよ。やっぱここ触られんの、好き?』
玲王『わかんなっ、あっ、早く、なぁ…』
玲王「(なんで今、あの時のこと思い出すんだよ…俺が記憶を思い出してどーすんだ…)」
凪と同じ唇で、舌で、手で触れられ、その熱さと感触により、玲王はホテルのシャワールームでの行為を思い出す
声を出したくないのに
凪からされる行為により、玲王は自然と結んでいたはずの口を開いてしまっていた - 129スレ主(※微エロ注意)24/01/04(木) 14:51:29
玲王「んんっ、ぁっ…なぁ、はっ、いいってそれ、もう、跡付けろよ、早くっ」
これ以上恋人ではない凪の前で痴態を晒せない、と玲王は性急に先を求める
凪「(乳◯だけでこんなに喘ぐって…)やっぱ俺に開発されてた?」
玲王「(開発?)何それ、知らなっ、ぁっ、やだッ、んあッ…」
いつもはこんなんじゃないのに
口を開けば声が漏れてしまう今の状況に、玲王はせめて顔だけは見られたくないと、胸元にある凪の首に腕を回して、その顔をさらに自分の胸に押し付けるようにして引き寄せた
凪「(うわー、積極的なの超可愛い…こんな可愛い人がホントに俺の上でヤれてたの…?)」
凪「(今日は絶対俺が上になるんだから、もっと強気に責めなきゃな)」
いつもの二人がどうだったかは知らないが、今日は絶対に自分が玲王にイレたい…
凪の中で変なスイッチが入ってしまった - 130スレ主(※無理矢理表現注意)24/01/04(木) 14:59:13
凪は口に右胸の突起を含んだまま、外から回すようにして玲王の太腿の内側へと手を伸ばし、そのまま片脚を抱え上げる様にして空いた脚の隙間に自分の身体を割り込ませる
玲王「何、して」
凪「…」
玲王の左胸にこんな激しい噛み跡を付けた時の自分は、恐らくミニスカから伸びるこの長い脚の、布で隠されているもっとその奥まで触っていたはずだ
凪は躊躇うことなくスカートの中に手を入れる
玲王「ちょ、待っ…」
凪「何コレ、短パン履いてんの?脱がすよ」
玲王「そこ、ダメだって、やめて」
玲王が凪の手を押さえて止めさせる
凪「なんで?もっと先までさせてんでしょ?アイツには」
恋人の自分に操を立てているのだろうか
これだけ瞳を潤ませ、顔を赤くして誘うような声を出しているクセに、自分にこうして抵抗を見せる玲王の様子に凪は苛立ちを募らせる
凪は歯形がついて鬱血した方の玲王の左胸の突起を指で摘んで、そのまま強く捻った - 131スレ主24/01/04(木) 15:02:40
玲王「ィッ、んアッ」
そのあまりの痛みに玲王は大きく喉を反らせ、手を回したままの凪の顔に胸を押し付けるようになってしまう
凪「は、スゲーおっきい声出すね。もしかして痛くされんの好きなの?」
凪が自身を玲王のそこに押し付けながら耳元で囁く
玲王「あっ、もぉ、やだ、やめ」
玲王がふと目を開けると、脱衣所にある鏡に映った自身と目が合った
玲王「…」
口では嫌だと言いつつも、その顔は物欲しそうに蕩けて目の前の男の首にしがみつき、行為の先を望むように悦んでいる - 132スレ主24/01/04(木) 15:05:55
玲王「…ぅっ」
その自身の表情を見た瞬間、玲王は無意識に凪を突き飛ばしていた
凪「ッ!?いってぇ…」
玲王「…ハァッ、ごめ…」
玲王は肩で荒い息をする
凪「…何なの」
玲王「?」
凪「マジで、セッ◯スすんの初めてとか言わないよね?」
玲王「え」
凪「だってアンタの態度…全然慣れてるみたいに見えないんだけど」
先程からの玲王の様子を見て、それが玲王がしている恥じらいの演技だとは凪にはどうしても思えなかった
凪「俺と玲王って、どこまでシてたの?」
どこまでシてたのって…?
玲王の回答を下3レスから🎲 - 133二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 15:08:37
そんなの、したことない
- 134二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 15:41:30
どこまでってどこまでだよ?
- 135二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 16:33:46
どこまでって…?き、キスとか?
- 136二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 17:45:56
最高SSが投下されてる
神スレ主ありがとう - 137スレ主24/01/04(木) 19:00:37
- 138二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 22:35:23
御曹司は大丈夫なんですかねー本当に
- 139二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 22:49:17
凪くんこれセルフNTRの危機じゃね?イイゾ!
- 140スレ主24/01/05(金) 07:46:35
凪『俺と玲王って、どこまでシてたの?』
この言葉の意味が分からないほど玲王も初心ではない
玲王「どこまでって…?き、キスとか?」
質問に素直に答えてはみたものの、何故今それを訊く必要があるのか玲王にはさっぱり分からない
玲王「(何だ…?記憶を思い出すのに必要なのか?)」
もしかしたらこの凪も、自分と同じく先程の行為で何かの記憶を思い出したのかも知れなかった
玲王「もしかして、何か思い出した?俺とのこと」
凪「いや…?玲王ってエロいんだなー、ってコトくらいしか分かんなかったけど」
玲王「何だよ、それ…」
期待して、ガッカリした
普段玲王は人には期待しない
期待して裏切られた時の方が辛いし、困るからだ
人は思うように動かないし、予定外のことだって起こる
それならば自分が動いた方が確実だった
でも、凪には期待していた
それだけの信頼と価値がこの宝物にはあったからだ - 141スレ主24/01/05(金) 07:50:44
玲王「(でも、記憶喪失なんて…ほんと厄介だよな。俺がどう頑張ったって、結局はコイツ頼みなんだから…)」
鏡に映った自身の右胸には血が滲むほどではないものの、薄っすらとした跡がついている
愛する凪が元に戻るために、自分に出来ることなら何でもしてやりたいと病院では思っていたけど
こうして自分の身体を使うのが正しいことなのか、玲王は分からなくなっていた
凪「キスだけ、じゃないでしょ?こんなトコに跡まで付けられて…ねぇ、もっと際どいとこにも付いてたりするんじゃないの?」
再び下の方へと手を伸ばしてこようとする凪の手首を掴んで押さえる
玲王「やめろ…これ以上されたら、またお前のこと痛い目に遭わせなきゃいけなくなる」
ホテルで後ろから抱きついて来た凪に仕掛けた、ばぁや仕込みの戦闘術クラヴマガ
なぜパートナー相手に二度もお披露目しなくてはいけないのか、と玲王は嘆息した - 142スレ主24/01/05(金) 07:54:05
凪「痛い目って?何?」
ワザと挑発するように瞬きもせず、目を見つめたまま顔を寄せてくる凪に対して、玲王も負けじと目を背けることはしなかった
玲王「やられてーの?」
凪「(ヤられたいかって?今日上になるのは絶対俺なんだけど)そんなに言うならしてくれてもいーけどさ…どうなるか分かってる?」
玲王「?」
凪「今の俺って、たしか頭ぶつけたりしたらダメなんじゃなかったっけ?」
玲王「あ…」
医者『もし繰り返し頭部に衝撃が加わった場合には、脳に損傷を認めたり、後遺症が残る可能性もあります』
凪「もっかいぶつけたら二度と記憶も、アンタの好きな俺も戻らないかもね」
凪の態度が頭に来て冷静さを失っていたが、よく考えてみればそうだ
危ない目に遭わないよう見張るためにうちまで連れて帰ったのに、正当防衛とはいえ自分が凪に暴力を振るっては本末転倒になる
凪「怒った?ごめんね…脱いでお風呂入ろっか?」
手首を掴まれている凪が、そのまま玲王のスカートのファスナーに手を伸ばした
途中まで脱ぎかけていたそれは軽い衣擦れの音を立てて、玲王の足元に落とされる - 143スレ主24/01/05(金) 07:57:00
玲王は滑らかな背中を肩甲骨から腰に向かって凪の手で辿られ、そのまま凪の身体に引き寄せられた
その手の動きは止まることなく下着のゴムに指をかけられる
玲王「ッ、あとは、自分で脱ぐから…」
玲王『んー、そっか。”お前”は初めてか。一緒に入ってベ◯マックスナギにしてやるからなー?』
玲王「(何が、ベ◯マックスナギだよ…俺一人で、またバカみてぇに浮かれて…)」
記憶を失っただけで、急にこんなにも人が変わったみたいになるのだろうか
玲王は自分の愛した凪がどんどん遠くに行くような気がしていた
玲王「…」
玲王はミ◯コスタのバスルームで凪と一緒に湯船に浸かっていた時のことを思い出す
凪『コンニチハ、レオ』
玲王『…やぁ、ナギマックス』
凪『さっきベ◯マックスが言ってたでしょ。「カラダがないと、感じることができません」って』
凪『生きてるからこうしてレオに触れるんだよ。だから、生きてることに感謝する日だね』
玲王『…うん』
凪『あったかい?』
玲王『あったかい』
凪『じゃあ俺とこーしてんのは?幸せ?』
玲王『あったけーし幸せ』
自分に触れる凪の手の温度はあの時と変わらないのに
玲王は凪に触られたところから心が冷えていくような気がした - 144スレ主24/01/05(金) 07:58:54
玲王「なぎ…」
玲王の頬を、静かに一筋の涙が伝い落ちる
玲王の耳元に顔を寄せている凪はその涙に気付かなかった
そして、玲王の髪に顔を埋めた凪には少しだけ変化が起こっていた
凪「(何だっけ、この匂い…なんか思い出せそう)」
凪「ッ…」
それ以上考えると頭が痛みそうになり、凪は玲王の髪に埋めていた顔を首筋に向かわせる
凪「(王子様は、鎖骨の形までスゲー綺麗だなー…)」
くっきりと浮き出て横に真っ直ぐ伸びるそれを、凪が指でツーッとなぞっていく
凪「ねぇ…ここにも跡付けたい。付けてもいい?痛くしないから」
玲王「…」 - 145スレ主24/01/05(金) 08:00:27
凪『違う。鎖骨についたキスマ見てんの』
玲王『は?よく分かんねー。なんだそれ。見てどーすんの?』
凪『えー、俺の付けた跡がレオに残ってんの見たら興奮するじゃん。レオは?俺に跡つけたくない?俺のこと独占したいって思わないの?』
凪『え、あ、あの…だから、レオが鎖骨にキスマ付けたいのかなって思って、俺もおそろいにすんのとかその、いいかなーって…思って…』
玲王「…ダメ」
玲王は凪の指を払い退けて、それ以上触られるのを拒むように自身の鎖骨を手で押さえる
玲王「ここには付けさせない。凪と俺の、想い出の場所だから」
凪「は?その凪は俺なんだけど」
玲王「お前は凪じゃないよ。だから俺は、お前のモノじゃない」
凪「…あっそ」
それ以上何も言わなくなった凪が、サッサと自分で残りの服を脱いでバスルームの中に移動するのを見た玲王は、ホッと安堵の息を漏らした - 146スレ主24/01/05(金) 08:02:58
玲王「(良かった。分かってくれたのかな…)」
玲王も下着を脱いで凪の後に続く
玲王の家のバスルームは全面が天然の大理石張りである
常に磨き上げられ高級感ある輝きを放つその表面は、当然のように普通の風呂場よりも硬い
凪「泡風呂…初めて見る。凄いね」
玲王「うん」
さっさと身体を洗おうと玲王がシャワーの水を出す
凪「じゃあ、今からここで頭ぶつけちゃおっかな」
玲王「は?」
凪の言葉に玲王の手が止まった
凪「俺がここで滑って頭打っても、ただの”事故”だよね」
玲王「お前、何言って…」
凪の言葉に玲王の大きな瞳はさらに見開かれる
凪「玲王の鎖骨にキスマ、付けさせてくれたらやめとくけど…どーする?」
凪は脅迫まがいのことを言い始めた
ブラック凪くん過ぎるだろ
戦闘術も使えない、でも鎖骨にキスマを付けさせたらまた変な流れになるかも知れない…
玲王はどうやって凪の危ない行為を止めさせようとした?
玲王の対応を下3レスから🎲 - 147二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 08:05:46
鎖骨じゃなくて他の場所にしてもらう
- 148二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 08:26:07
意地悪ばっか言うな!!!
ほっぺを両手で思いっきりつねる - 149二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 09:08:20
ぎゅっとハグして頭を撫でて「いい子だからあんま俺のこと困らせないで」って言う
- 150スレ主24/01/05(金) 10:17:38
- 151二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 10:29:51
えっち展開がとまらない
スレ民と女神の本気を感じる - 152スレ主24/01/05(金) 14:58:04
欲しいものを手に入れるためなら
人は少しくらい卑怯でもいい
手に入れられなかった時のモヤモヤした感情を、自分以外に引き受けてくれる人は誰もいないのだから
凪「…(さて、どーすんのかな…)」
大理石の床に頭をぶつけるなんて危険な行為、本気でやるつもりなどなかった
凪だって脳に後遺症を負うのはごめんである
ただ、先程から恋人だった自分に操だか義理だかを立ててそちらを優先するような玲王の態度に、凪は知らず知らずのうちに腹を立てていた
凪「(俺を見ろよ…今、アンタの目の前にいるのは俺だろ)」
ザー…
玲王が出していたシャワーの水はとっくに適温の湯へと変わり、辺りには白い湯気が立ち込めていた
玲王「…」
玲王「…他の場所じゃ、ダメ?」
凪「…ダメ。俺が鎖骨がいいって言ったんだから、鎖骨に付けさせて」
玲王「ワガママだな…ほんと」
呆れたように笑った玲王が、凪の手を引いて風呂の椅子へと座らせる - 153スレ主24/01/05(金) 15:04:13
凪「何?」
玲王「そーいうコトすんなら…ちゃんと綺麗にしとかないとな」
後ろにいる玲王が凪の背中にピタリと身体を付けて耳元に顔を寄せる
凪「…ッ」
玲王「鎖骨じゃなきゃダメ?ホラ、俺のこと、もっとよく見てよ…」
玲王は座っている凪の手を取り、そのまま上から手を重ねて自身の太腿へと誘う
凪「ぁ」
玲王「跡、付けたくなるとこ…もっと他にもあるだろ」
正面にある浴室の鏡を見たままの玲王がもう片方の手で凪の首筋を辿り、その細くて長い指が凪の胸元を人差し指でそっとなぞっていく
玲王「凪は…どこに付けられんのが好き?」
凪「ぇっ」
玲王「ここ、とか…」
玲王の長い指はそのまま凪の割れた腹筋の筋を辿り、臍の下へと降りていく
凪「(ヤバい…負ける)」
誠士郎の完全顕現である - 154スレ主24/01/05(金) 15:07:52
玲王「…」
玲王の視線が下に向いているのが鏡越しに分かる
凪自身を見た玲王は心なしか猫のように瞳が丸くなって、少し驚いているようだった
玲王「元気いいな」
おっきい、と耳元で告げられ、フフッと笑いながら頭からシャワーを掛けられる
凪「(ヤバい、直接触られてないのに…もう出そう)」
すぐさま自身を触って扱きたい
もしくは今すぐこの場で玲王を押し倒して、その奥に腰を打ち付けたい
でも、それをしてしまうのは負けのような気がして、凪はギュッと戒めるように自分の右手を握りしめて欲望に耐える
玲王「…」
シャワーで濡れた凪の髪を玲王が手櫛で梳かすように後ろに撫でつけると、普段長い前髪によって隠れている額が露わになった
そこに玲王がチュッ、と軽いキスを落とす - 155スレ主24/01/05(金) 15:10:17
玲王「お前、前髪…こだわりあるんだっけ?」
鏡を見ながら整えるようにして、凪の前髪は玲王によってバランス良く左右に分けられた
玲王「せっかく良い顔してんのにな…隠してんの、もったいないだろ」
前髪を触っていた玲王の指が凪の耳の形を確かめるようにゆっくりとなぞり、そのまま顔のラインまで這わされていく
凪「…(しぬ)」
玲王「前にも言ったけど…俺、お前の顔好きなんだよな」
顎に手を添えられ、グイッと少し強引に横にあった玲王の方へと顔を向けられる
そして、鏡越しではなく直接玲王と瞳が合った
その表情は感情がないみたいにゾッとするほど冷たくて
でも、そこだけ別の生き物みたいに妖しく耀う瞳の中に凪は吸い込まれそうになる
美形の真顔の迫力に、凪はまるで肉食獣に睨まれたように言葉が出なくなった - 156スレ主24/01/05(金) 15:12:22
玲王「でも、いっか…お前がこんなカッコイイって知ってるのは、俺一人だけで」
そのまま膝立ちになった玲王が甘えるように凪の首に腕を絡ませて、キスしそうな距離まで顔を寄せてから、上目遣いでジッと凪の瞳と唇を誘うように交互に見る
玲王の表情からはまるで感情が読み取れない
凪「…」
玲王「もっかい訊くけどさ…俺のカラダ、どこにお前の跡付けたい?俺もおんなじ所に付けてやるよ。お揃いにしよ?」
キスマお揃いにしてくれるって!
玲王、ちょっと様子がおかしくなってるけど…
凪は玲王のどこにキスマ付けたいって言った?
(鎖骨はNG)
下3レスから🎲 - 157二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 15:24:00
臍の下あたり
- 158二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 16:38:11
鼠径部
- 159二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 17:04:50
太腿
- 160スレ主24/01/05(金) 20:05:15
- 161スレ主24/01/05(金) 22:40:00
凪「…太腿」
玲王「え?何…もっとちゃんと、俺の目見て言って」
互いの鼻先が触れ合うような距離のまま、玲王が挑発的に凪を見つめる
凪「太腿に、付けたい」
本当は臍の下とか、鼠蹊部とか、凪はもっとセンシティブな部分を玲王にリクエストしたかった
でも、「お揃いにしよ」ということは、玲王からも自身のその部分に口を付けられるというわけで
凪「(無理無理そんなの、絶対すぐ暴発する)」
玲王による先程からの謎のエッチなお姉さんムーブにより、触れられてもいないのに既に先からちょっと出かけている凪は遠慮した
なぜならここで暴発でもしようものならきっと、
玲王「あら、凪くん…随分早いんだな。お可愛いコト…」
とか、この御曹司に何を言われるか分かったものではない
今夜の主導権を確実に握るためにも、凪は自分に早◯の烙印を押されることはどうしても避けたかった
玲王「太腿でいーんだ…?やっぱり凪は可愛いな」
玲王が笑顔でニッコリと微笑む
しかし、一連のこれは玲王の作戦であった - 162二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 22:40:22
太腿は際どくない…?
- 163スレ主24/01/05(金) 22:44:32
〜一週間ほど前の凪との屋上でのやり取り〜
凪『レオ…お願いがあるんだけど』
玲王『何だよ?』
凪『俺のこと…思いっきり罵って』
玲王『はぁ!?』
凪『お願いします…このままじゃ俺、絶対レオに近づいただけで、変なコトする。だから、「暴走ばっかしてんじゃねーよ、このクソ童貞!俺のカラダ触ったくらいで調子乗ってんじゃねー!鏡見て出直してこい」って、こんくらい強めに言ってくれない…?悪いケド』
玲王『…?は…?やだよ、何で俺がそんなコト…』
凪『じゃないと、レオ優しいから、俺が頼んだら何でもしてくれるって、今スゴく、夢見ちゃってるから…。初心を、取り戻させて欲しい』
玲王『は、やだって、意味わかんねーって…』
凪『お願い…レオの口から言ってくれたら、多分俺、大人しくなるから』
玲王「(コイツ、さっきから自分の身体を人質にして俺のこと脅してきたり、なんか様子がおかしくなってるからな…大人しくさせるのに手ぇ出すのがダメなら、あんま気は進まねーけど口でお仕置きするしかねーだろ)」 - 164スレ主24/01/05(金) 22:49:41
しかし、ただ罵っただけではその効果は薄そうだと思った玲王は、ディ◯ニーデート以来積極的に見て学ぶようになったちょっとエッチなドラマを参考に凪にエロいことを仕掛けつつ、『散々期待させて上げてから落とそう作戦』という鬼畜の所業を密かに決行していたのだ
玲王「(行くぜ…!今こそ下げのターン…!)」
玲王「凪…」
恥ずかしさから俯き気味の凪の顎に玲王が手をやり、自分と強制的に視線を合わさせる
凪「…ハイ」
玲王「暴走ばっかしてんじゃねーよ、このクソ童貞(…だったっけ?)」
凪「…は?」
玲王「俺のカラダ触ったくらいで調子乗ってんじゃねー…鏡見て出直してこい(…だったよな?)」
凪から「自分を大人しくさせるために言ってくれ」と頼まれたセリフをそのまま現・凪にぶつけた玲王
凪の反応は?下3レスから🎲 - 165二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 22:51:40
「自分から誘っといてそれは無いんじゃない?」
押し倒される - 166二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 23:06:02
童貞?据え膳食わぬは男の恥でしょ
- 167二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 23:49:50
…そんなに言うならさ、俺にどんなに触られても何も感じないってことだよね?
- 168スレ主24/01/06(土) 09:30:43
- 169二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 15:43:50
セルフNTRだ……
- 170二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 21:43:53
念の為ほしゅ
- 171二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 08:28:06
保守
- 172スレ主24/01/07(日) 16:29:57
玲王「(よ、ヨシ、言ってやったぞ…!)」
宝物に対して冗談でも口にしたくない、と思っていた凪直伝のセリフ
「!」が付くほどの勢いで言うことはさすがに躊躇われ、玲王は凪の首に腕を絡めたまま出来る限り抑えたトーンでそれを口にしてみた
しかし、セリフを間違わずに言おうとして緊張したこともあり、無駄に真剣になったその眼差しと口調のせいか、玲王の言葉はかなり本気のトーンとして凪に伝わってしまう
凪「…ねぇ」
指を口元に当てて何やら考えた様子の凪がこう言った
凪「自分から誘っといてそれは無いんじゃない?」
ハイライトが完全に消え去り、心なしかいつも以上に黒々としているブラックホールのようなその瞳が、前髪を上げたことによってハッキリとよく見える
玲王「え、誘っ…?」
玲王「(誘った?俺が?)」
そんなつもりは、玲王には毛頭なかった
凪「だって誘ってきたのそっちじゃん。キスマ、お揃いにするんでしょ?」
そう言って拗ねたような凪が、玲王の身体をそのまま浴室の大理石の床に押し倒そうとしてくる
玲王「ちょっ、待っ…!」
突然のことに抵抗した玲王が身体を後ろに逸らしたため、シャワー栓の下にある石造りの硬いカウンターの角で頭を打ちつけそうになった - 173スレ主(微エロ⚠️無理矢理)24/01/07(日) 16:37:24
凪「何、逃げんの?危ないよ」
玲王「…ッ!」
玲王「(そんな暗い瞳をした奴に迫られたら、誰だって逃げるだろッ!!)」
本能的に凪から逃げようと玲王が背を向けてそこから立ち上がると、風呂椅子に座ったままの凪が後ろから両手で玲王の太腿を拘束するかのように抱きついてきた
それによって体勢を崩した玲王は、目の前にあった浴室の鏡に自身の身体を押し付けてしまう
玲王「ぁッ」
シャワーの湯で火照った身体に鏡の無機質な冷たさが痛いくらいに刺さって、その刺激から逃れようと玲王はさらに身体を反らす
凪「もう待てないよ。俺が先に玲王に跡つけるから…このまま大人しくしてて」
椅子に座った状態でそう言った凪は、玲王の太腿の裏側、その臀部との境目ギリギリのところ目がけて、カプッと歯を立てた
玲王「っ、ぃッ…」
上から降ってくる玲王の声色で凪はその反応を確かめるようにしながら、徐々に顎に込める力を強くして玲王の太腿に自身の歯を喰い込ませていく - 174スレ主(微エロ⚠️痛いの注意)24/01/07(日) 16:45:14
玲王「ぁッ、痛いっ、痛い!やめて!」
玲王の声が躊躇いがちだったものから、余裕を無くして本気で痛がる声色に変わったところで、凪はそこに強く吸い付いて跡を残した
凪「あー…ごめん、噛み跡付いちゃった」
キスマどころか自身の歯による噛み跡がしっかりと残り、赤くなったその場所を凪が満足そうに舌先でなぞると、玲王の身体がヒクン、と跳ねる
玲王「…ッぅ…」
凪「…次は玲王が俺にキスマ付ける番だけど?出来そ?」
椅子から少し腰を浮かせた凪の舌が、玲王の臀部を通って腰にまで辿り着き、腸骨に近いその場所をスルリ、と優しい手つきで性感を煽るようにして上下に撫で摩っていく
玲王「ぁっ、はっ…」
その刺激により玲王の腰は無意識に揺れ始め、反らした胸元は鏡に触れて、先程よりも熱を帯びた身体には一層その冷たさが刺激として感じられた
玲王「…ンッ」
凪「やっぱり、おっぱい好きなんだ?」
椅子から立ち上がった凪が湯でピンク色に染まった玲王の背中に何度も唇を落とし、チュッとワザとらしくリップ音を立てては離れていくが、その度に玲王は「また凪に痛い程噛まれてはしまわないか」と、恐怖から背筋を強張らせる - 175スレ主24/01/07(日) 16:51:41
大変お待たせしました&寸止めごめんなさい!🌵
この先telegraph案件、ほぼ完成してますが推敲する時間ないので夜に再開します🙏(保守ありがとうございました) - 176二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 16:55:22
おつかれスレ主!!待ってました!!telegraph案件楽しみ
夜にまた会おうな - 177二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 17:00:43
telegraph案件だー!待ってます!
ブラック凪くん強い - 178スレ主(R15⚠️)24/01/07(日) 20:47:16
▶︎この先ずっとブラック凪くんが責めてます◀︎
※玲王が可哀想なのと(セルフでも)NTRっぽいの
言葉責めとか変態っぽいのが苦手な方はご注意ください🙇♀️
前にある浴室の鏡に手をつく玲王に後ろから覆い被さる体勢となった凪が、玲王の乳輪を両側から人差し指でゆっくりと円を描くように撫でていく玲王「あっ、もぉ…そこ、ダメっ…」
凪「何がダメなの?腰、こんな揺れてんじゃん」
後ろにいる凪が玲王の背中に自身の胸元をピタリと隙間なく密着させたことで、脈打つ凪の熱い陰茎が玲王の陰嚢に触れ、そのまま凪は腰を動かして玲王自身を刺激してくる
玲王「(何…これ、)やだっ…」
下からの刺激により前屈みになる玲王の背中に口付けていた凪の唇が、次は肩へと辿っていく
そして、シャワーで濡れて玲王の首筋に張り付いていた紫色の髪を凪の手が掻き上げ、そのうなじを露出させた
凪「キスマ、鎖骨に付けるのがダメなんだっけ…?じゃあ、そこ以外玲王の身体全部に付けちゃおっかな」
玲王「ぁ…ッ」
相変わらず冗談なのか本気なのか分からないような口調のまま、凪が玲王のうなじに歯を立てると、玲王は恐怖から身体を反らせ、前にある凪の手にさらに胸を押し付けるような形になってしまう
凪は「…もっと、おっぱい触って欲しい?」
先程までの優しい触り方とは反対に、親指と人差し指で玲王の乳首を抓るように凪がギュ…telegra.ph - 179スレ主24/01/07(日) 20:51:05
可哀想なのに、やめてあげられない
凪「(あー…なんでだろ…この人にもっとひどいことシたくて、仕方ない)」
普段は性に対しても関心の薄かった凪
凪「(なんで勃つんだろめんどくさい)」
凪「(勃たなきゃ抜かなくていーし、後片付けもしなくていいのに)」
凪にとって性欲は、食欲、つまり食事と同じような考えだった
でも、先程から玲王の痴態を見た凪は不思議とその想像力や衝動が止まらなくなっていた
もっと玲王を色んな声で啼かせてみたい
綺麗なその顔の、取り繕った表情が崩れるくらい酷いことをしてみたい
頭の中全部、俺のことしか考えられなくしたい
自分の中にこんな黒い感情が存在することに、凪は驚いていた - 180スレ主(R15⚠️)24/01/07(日) 20:52:00
- 181スレ主(R15⚠️🎲 あり)24/01/07(日) 20:55:22
- 182二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 21:03:25
キスマつけたんだからもう終わりだろ?
- 183二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 21:06:07
わかんねえし、もうやだって…
p.s.すけべ最高ありがとう - 184二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 21:29:01
今は恋人じゃないのに、こういう事駄目だって…
telegraph案件最高でした玲王可愛いド攻め凪くん良い - 185二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 21:57:24
エロすぎんだろ!!!!最高や!!!
- 186スレ主24/01/07(日) 22:00:07
- 187二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 22:06:19
このシリーズの2人の、いつの日にか来るであろう本番まで見守りたい…
pixivとかでもいいから検討よろしくスレ主… - 188スレ主24/01/08(月) 09:17:14
(鋭意執筆中…✍️🌵)
おはよう
ブラック凪くんのエゴが止まらなかった
案件ちょっとだけ続きます
今しばらくお待ちください🙇♀️ - 189二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:25:01
ほ
- 190二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 02:54:15
楽しみにしてます
- 191二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 10:15:05
スレ主きっとまたエピ凪で情緒乱れていると思うが執筆がんばれ保守
- 192スレ主⚠️R1524/01/09(火) 12:03:27
- 193スレ主24/01/09(火) 12:10:55
玲王「…」
玲王『…凪は優しいな』
凪『…いや、どこが?全然じゃん。さっきから多分、レオの嫌なことしてたよ、俺』
凪『優しくないよ』
玲王『…白宝祭の打ち上げの時に言ったけどさ、俺がヤダって言ったら凪はちゃんとやめてくれるし、今もこうして急かさずに俺が落ち着くの黙って待ってくれてんじゃん…』
玲王「凪なら…」
凪「?」
玲王に自分の名前を口に出されたことで、凪は責めるその手を一旦止めた
玲王「アイツなら、俺がやめてって言ったら、ちゃんとやめてくれたから」
凪「…」
凪「だから?」
玲王「…だから、って…」
他人事のように関心のない冷たい目をする凪に、玲王はたじろぐ
凪「だって俺は凪じゃないんでしょ?」
玲王『お前は凪じゃないよ。だから俺は、お前のモノじゃない』
玲王「…ぁ」
及び腰になる玲王を逃さないように、凪がその腰を強く掴んだ
凪「だからもう、やめてって言ってもやめないよ」 - 194スレ主⚠️R1524/01/09(火) 12:12:17
- 195スレ主⚠️R1524/01/09(火) 12:12:59
- 196スレ主⚠️R1524/01/09(火) 12:14:32
- 197スレ主24/01/09(火) 12:22:11
エロシーン長かったね…長文読むのお疲れ様でした
今まで書けなかったスレ主のエゴ爆発🌵
この後の泡風呂🛁ピロートークで🎲を出したかったのですが、そちらも長くて入りきらないため夜にでも次スレ立てます
🎲SSはまさかこんな展開になるとは思わないことの連続です
ここで皆さんから安価貰わないと自分では思いつかなかった流ればかりで、日々読んで安価をくださるスレ民には感謝感謝🙏保守もいつもありがとう
今月のエピ凪、knsr先生の描くデスゲームっぽい独特の世界観があってもの凄く良かった
8月の初デート編🎂の時に、二人が『比翼の翼』だと安価くれた野生のknsr先生がいたことに驚いてる…
解像度すごいぞスレ民
いつか二人の本番も書けたら良いな(遠い目)
では、次スレもお付き合いよろしくお願いします🙇♀️ - 198二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:23:36
ありがとう!!最高だよスレ主!!!本番もいつまでも待ってるよ!!!!!
- 199二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:24:48
お疲れ様スレ主!!!スケベ最高だったよ!!!夜また会おう
- 200二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:28:47
記憶が戻った凪くん、浮気だ!!って泣いちゃわないか心配だけど
でも本番は元の凪くんのものだからね…!