閲覧注意 チャデスSS

  • 1二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 14:59:42

    チャデスってお尻かわいいよね

    SS書くね

  • 2二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:00:10

    薫風が草原の匂いを届ける職人街。とん、かん、さっ、と職人たちの手技腕技ときには足技までもが今日も街の喧騒に彩を添える。

    ひとりの若き茶器職人の青年が庵にこもり、土を撫でては焼き、撫でては焼き・・・と己の仕事に向き合い続け、しばらく。もう三度は月が丸くなったところだろうか。人の良い青年のこと、街の者はみな口々に彼の心配をしていた。

    しかして一方、当の青年の方はといえば、
    「できた・・・!これであの爺さんをうならせられるぞ!」
    と、クマの貼りついた目を輝かせ元気に息を巻いているのであった。

    テッカニンの声が喧しく響く庵の林の上、そびえ立つ入道雲のが職人たちの日々を見守っていた。

  • 3二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:00:34

    息を呑む見事な竹林を歩くこと半刻ばかり、簡素ながらも仕立ての良い小さな庵と茶室があった。この茶室の主の老人こそ、青年が息を巻いていた件の茶人である。

    「爺さん!持ってきたぞ!」玄関先で大きな声を出す。青年の息は切れているが目は爛々としている。その様相からは自信と期待とが見て取れる。青年の足元には彼の相棒なのかコリンクが、これまた期待に満ちた目で尾を振っていた。

    「はっ!また性懲りもなく持ってきおったか!竹藪とはいえ日差しも辛かったろうに、早う上がれ」茶人は言葉こそ荒っぽい様子であったが、その実、青年の来訪を心待ちにしていたかのように力強い笑顔で迎える。もちろん、コリンクの頭をひと撫ですることも忘れない。

    「今回ばかりは一味違うぜ?寿命が縮んでお迎えが来ても俺のせいにすんなよ、爺さん?」
    「毎回同じ台詞じゃな、若造。」

    軽口を叩き合う二人の間には確かな信頼関係があるのだろう。2人の間には穏やかな風が流れていた。

  • 4二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:01:06

    「おっといけねえ、奥さんに挨拶しとかねえと。むしろそっちが本命ってもんだ」
    「調子のいいやつめ。茶室で待っとれ。すぐ来る。」

    茶人には長年連れ添った妻がいた。当時おおっぴらに愛を語るなど憚られる時代であったが、茶人はこの妻への愛を語ることを恥とは思っていなかった。また、妻も茶人を愛しお互いがお互いによく尽くすよき夫婦であった。この地にはワッカネズミがいないが、もし居たとしたら、きっとこの夫婦は彼らになぞらえられていただろう。

    茶の湯とは礼の道ともいえる。礼儀を軽んじてよいものではないが、茶人は多少の無礼など笑い飛ばす剛胆さがあった。それこそ若い職人に食ってかかられて、その気概を喜ぶほどである。

    快闊な性格の茶人は職人街の者たちからも好かれていたし、気立ての良い妻もまた周りの者たちから実に慕われていた。妻が喉の病にかかってから空気の澄んだ竹藪に居を移す際にも、多くの者たちが現れてくれたのもひとえに彼らの人徳によるものである。

    茶人の妻が茶室へとやってきて、茶人と青年に食事を促し、青年は待ってましたと膝を打ち、茶人を呆れさせるなどもはや風物詩のようなものであった。

  • 5二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:01:52

    この日、青年は自信の一作を茶人へと見せた。この若者はお調子者ではあったが、職人としての心構えと技は確かなもので、目の前の老人が作品を手に取るやぴたりと口を閉じ、品評を待つ。

    「釉(うわぐすり)は、草タイプから取ったのか・・・いい色合いじゃな。重みも形も手になじむ・・・ふむ」感性の種を経験の肥料で育んだ茶人の目は確かなものである。こと仕事に関して、この二人はごまかしを言わない。時には手厳しいことも言う。

    だからこその信頼関係がこの一流同士の二人にはあるのである。

    「小僧・・・・感服じゃ。この器、ぜひ儂に譲って頂きたい。このとおりじゃ」深々と頭を下げて礼を尽くす茶人に対して、青年も最大限の儀を以って返す。
    「恐悦至極でございます。我が乾坤一擲の作、ぜひお手前がお納めください。」と居ずまいを直して返礼する青年。静かながら厳かで温かい空気が茶室に満ちる。

    「と、いうことで」
    「と、いうわけで」

    「「商談成立!飯にしよう!!」」とあまりにもぴったりと息の合った二人に、茶室の傍らで聞いていた妻はくすくすと笑って台所へと戻るのであった。

  • 6二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:05:47

    おっ?茶人と茶器職人のほのぼのSSかな?

  • 7二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:06:15

    おーっと全ペやら四災SSやらの御仁の新作とな

  • 8二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:07:03

    茶人の妻は料理上手で名が通っていた。それこそ、女の身でなければ藩主のお抱え料理番にでもなっていたかもしれないほどに、その才は芸術的ですらあった。様々な因果が巡り、茶人の妻として人生を歩むことになったが、その料理の腕は茶室を訪れる人々の舌鼓を打つことで、職人街にも広く知れ渡っていた。

    中には妻の料理が食べたいがために茶人を訪ねる者すら居り、しかもそう少なくもなかったという。病がなければ街で店のひとつでも、と思う者も多かったことであろう。

    渾身の快作を持ってきた青年をもてなす茶人と妻、そして客としての礼を尽くす青年。
    堅苦しいものではないが、互いの心を温める、これこそが形にとらわれない真の礼儀であると、この茶人は分かっていた。

  • 9二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:07:25

    それから幾歳か経った。

    あの青年は今も茶人の庵を訪ねてはいるが、所帯を持ったためか以前ほど入り浸ってはいない。また、あの時作った一作を超える作品を目指してはいるものの、なかなか思うようにいかないでいる頃であった。

    街に流行り病が広まったのは。

  • 10二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:16:04

    「レントラー。この手紙、爺さんとこに持ってってくれ」それは茶人と細君の近況を尋ね、無事を祈る手紙。職人頭となった青年は、自らは家長としても立場を得てしまってそうそう気軽に動けなくなってしまったため、長年の相棒に任せることにした。

    職人街から茶人の庵はそう極端に離れているわけではない。職人のレントラーはその日のうちに茶人から返答の手紙をもって帰ってきた。

    いわく、二人とも無事でいるとのこと。自分も妻も一度病を拾ってしまったが、今は回復したとのことであった。とはいえ、まだ流行り病は猛威を振るっているため、しばらくは互いに行き来を控えようという言葉で手紙は締めくくられていた。

    季節が二度変わるまで病はしぶとく残ったが、梅雨の長雨が空ける頃にはすっかり落ち着き、職人街は元の喧騒を取り戻し始めていた。

    しかし、すべてが変わらずにいたわけではない。

  • 11二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:16:21

    職人は新しい茶器のお披露目も兼ねて、久しぶりにかの茶人の庵を訪ねることにした。茶人はさすがに大分老けたように見えたが、それでも気力は冴え、背筋一つ曲がらないあの頃のままの姿で職人を迎えもてなした。体力の衰えからだろうか、心なしか元気がないようにも見えたが、職人はそれを口にはしなかった。

    茶人の妻が二人のもとへ食事を運んできたとき、職人はなにか違和感を覚えた。そして、それは料理を口にしたとき、明確なものへと変わった。

    逸才で名の知れたかの料理上手の絶品が、ひどく味の偏ったものへとなっていたのである。

    ある品は味がまったくなくぼやけており、またある品は極端に塩辛く口にできたものではなかった。

    職人は言葉を失った。何もいうことができなかった。いつの世も悲劇はもっとも大切なものを奪っていく。

    流行り病は茶人と妻にとって生命線とでも言うべきものを奪いとっていった。彼女は、いや、彼女らは、味覚を失ってしまったのである。

  • 12二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:19:12

    誰かチャデスのお尻とかいう謎ワードにつっこめ

  • 13二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 15:33:49

    この人、着々とおいたわしくなっていくけど、最後で必ず救済(?)してくれるから好き

  • 14二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 16:08:32

    >>12

    チャデスの尻は背面底面どっちなんだろう

  • 15二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 16:09:02

    なんだあっ

  • 16二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 21:42:23

    >>12

    いきなりお尻につっこめなんて……

  • 17二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 21:54:07

    やべっ、見切り発車すぎました。続きを書く暇が取れないんで、落としちゃってくだせえ。続きできたらまた建て直しますわい。

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