モモイ「もうお姉ちゃん辞めたい」4スレ目

1123/12/29(金) 22:58:41

ここだけモモイが
本当は周りが思ってるほど心が強くも前向きでも楽観的でもないけど、ミドリやユズやアリスの居場所を守るために頑張ってポジティブで無敵のお姉ちゃんを「演じてる」世界
の４スレ目です

謎の裏カジノ編を経て、とうとうアリスと向き合うモモイ
果たしてゲーム開発部の運命やいかに……？

2二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 22:59:23

盾乙

3二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 23:07:16

立て乙保守

4二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 23:31:39

たて乙10迄ksk

5二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 23:33:59

立て乙

6123/12/29(金) 23:46:39

次スレ立てた直後にホスト規制とかちょっとシャレにならん…

1スレ目

みんなのために無理しすぎて曇ったモモイがC&C入りしてトキやユウカに慰められたり

ここだけモモイが｜あにまん掲示板本当は周りが思ってるほど心が強くも前向きでも楽観的でもないけど、ミドリやユズやアリスの居場所を守るために頑張ってポジティブで無敵のお姉ちゃんを「演じてる」世界bbs.animanch.com

2スレ目

モモイがネル姐に励まされたり、お通夜状態になったゲーム開発部でミドリとマキが語り合ったり、ユズとユウカの意外な関係が明らかになったり

モモイ「もうお姉ちゃん辞めたい」2スレ目｜あにまん掲示板ここだけモモイが本当は周りが思ってるほど心が強くも前向きでも楽観的でもないけど、ミドリやユズやアリスの居場所を守るために頑張ってポジティブで無敵のお姉ちゃんを「演じてる」世界の２スレ目ですたまにはモモ…bbs.animanch.com

3スレ目

ユズが一年ぶりにユウカと仲直りしたり、モモイと向き合う覚悟を決めたり、唐突に謎の裏カジノ編が始まってモモイが借金１億抱えたり、アリスがモモイと再会したり

モモイ「もうお姉ちゃん辞めたい」3スレ目｜あにまん掲示板ここだけモモイが本当は周りが思ってるほど心が強くも前向きでも楽観的でもないけど、ミドリやユズやアリスの居場所を守るために頑張ってポジティブで無敵のお姉ちゃんを「演じてる」世界の２スレ目ですゲーム開発部…bbs.animanch.com

7123/12/29(金) 23:51:37

～これまでのあらすじ～

実は無理して明るく前向きでハイテンションなみんなの「お姉ちゃん」を演じてたモモイ→最終編終了後に色々と限界になって口にした「もうお姉ちゃん辞めたい」という独り言をミドリに聞かれてしまい大喧嘩→勢いで部室を飛び出したところをネル先輩に拾わる→しばらくC&Cでメンタルケアすることに→トキやユウカとの交流でだんだんとメンタル回復中→一方そのころモモイを欠いたゲーム開発部はお通夜状態に→ミドリは幼馴染のマキに姉への複雑な内心を吐露→引きこもってたユズは一年ぶりにユウカと仲直りして部長としてモモイと向き合う決意を固める→部室を飛び出したアリスはトキに導かれてモモイのところへ→一方そのころモモイはＣ＆Ｃの任務にかこつけて裏カジノで散財していた！（イマココ）

8123/12/29(金) 23:52:58

正直ここまで長く続くとは思ってませんでしたが…とりあえずこのスレ内での完結を目指します
続きはまた明日にでも…

9二次元好きの匿名さん23/12/29(金) 23:59:17

(と言いつつ10までちょっとした幕間を…)

それじゃあ、わたしはアリスちゃんを迎えに行ってくるね。

ユウカちゃんから、Ｃ＆Ｃのトキさんといっしょにいるって教えてもらったから。

うん、分かった。でも……ユズちゃん一人で大丈夫？

その、私が代わりに行った方が……

……ううん。わたしが、行きたいんだ。これでも部長だもん。

ほんのちょっとしたこと、だけど……できることから始めていきたいの。

ミドリはここで、アリスちゃんとモモイのことを待っててあげて。

10二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 00:05:55

～～～～～～

……行っちゃった、ユズちゃん。

……ユズちゃんも、アリスちゃんも。

たぶん、お姉ちゃんも……

ほんの少しずつでも、前に進もうとしている。

私は……私には、何ができるんだろう。どうすれば、いいんだろう。

“──や、ミドリ”

あ……

“なんだか浮かない顔してるけど、何か悩み事でも……って、聞くまでもないよね”

“もしよかったら……私にも、話を聞かせてくれないかな”

11123/12/30(土) 00:06:54

(とりあえず今日は本当にここまで…)
(次回はいよいよモモイVSアリスの予定)

12二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 00:46:29

かつてゲーム開発部に居なかったアリスがバラバラになってしまった彼女らを繋ぐ架け橋になるかもなのはなんかこう、アツいな！

13二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 06:23:25

ついに最終兵器が……

14二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 11:36:50

〜〜〜〜〜〜

えーっと……ありがとう、アリス。

部室に置いてきたヘッドホン、取ってきてくれたんだね。

……うん。やっばりこれ着けてないと落ち着かないや。

……はい。やっぱりモモイは……そっちの方が、似合っていると思います。

だから、その……

……モモイは。

……アリスたちと一緒にいるのが、嫌になりましたか？

15二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 15:25:07

ミレニアムアネモドキ

16二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 15:27:23

絶望は無限に湧いて出る

17二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 15:44:19

ええっ、ちょっ……そんなことないよ！

私がアリスやみんなのこと嫌いになるわけないじゃん！

……アリスは。

ずっと考えていました。あの日、モモイが部室を飛び出してしまってから。

モモイは本当は……アリスたちのことが嫌いだから、いなくなってしまったんじゃないかって。

「……本当に、そんなことないんだってば。……ただ」

……分かっています。

アリスの知っているモモイがそんなこと思うはずないって。

でも、いくら信じたくても……そんな気持ちが、疑いが……頭の中から、ずっと消えてくれませんでした。

だって。

……あの日、アリスが目を覚ました時から、ずっと。

「アリスの知っているモモイ」は……いつだって、アリスの前で笑っていてくれて、いつだって楽しそうで。

だから、アリスもずっと……笑顔でいられたんです。

……そうじゃないモモイを見たのは、あの日までは、ただの一度きり。

モモイが……「うごかなくなって」しまった……あの時、だけで。

でも。

もしそれが、心からのものでなかったのだとしたら……

モモイが今までずっと、アリスたちの前で……無理して、笑っていただけだったのだとしたら……

……アリスは、いったい。

モモイの何を……知っていたのでしょうか。

18二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 16:05:04

考えれば考えるほど、分からなくなりました。

もしも……もしも、アリスの知っているモモイが、全部「嘘」だったのだとしたら……

アリスは、モモイの……今までずっと、モモイやみんなと過ごしてきた思い出の。

……いったい何を、信じればいいのでしょうか。

「……アリ、ス」

ずっと、分かりませんでした。

……でも。トキに言われて気づいたんです。

あの日から……アリスはただの一度も、ちゃんとモモイとお話をしていなかったことに。

モモイの口から、モモイの気持ちを、訊いていなかったことに。

……いえ。

きっと、アリス自身が逃げていたんです。

ほんとうのモモイを、知ってしまうことから。

だから、もういちどモモイと会って、ちゃんとお話をしなければと思って……ここに来ました。

でも……

……本当は。こうしてモモイと会っても、まだアリスには分からないんです。

アリスは。モモイと……「今の」モモイと、どんな風にお話しをしたら、いいのでしょうか……

19二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 16:40:47

アリス……

…………………………。

……ごめんね。

……私は、さ。

ずっと、嘘を吐いてた。

ミドリや、ユズ。アリスにだって。

それに、誰よりも……

ずっと……私自身に、嘘を吐いてたんだ。

20二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 17:05:59

最初はさ、本当にちっぽけなことだったんだ。

……うん。思い出した。

今よりうんと小さいころ……ミドリと二人で、道に迷って迷子になった時。

泣いてるミドリの手を引いて、大人たちのところまで連れて行ってあげたことがあったんだ。

……本当はね。私だって不安だったし、怖かったんだ。

でも……そのときのミドリは私よりもほんのちょっぴりだけ怖がりで。どうしよう、どうしようって泣いてばっかでさ……

だから、そんなミドリを安心させたくて、精一杯の笑顔で「だいじょうぶだよ」って。

勇気を振り絞って……嘘を吐いた。

それから、泣いてるミドリの手を引いて、一緒に帰り道を探して歩きだして。

結局、何時間もかかっちゃったけど……最後には何とか、待ってるみんなのところへ辿り着けた。

みんなすっごく心配してて、勝手にいなくなったことを叱られたり、それでもちゃんと帰ってきたことを褒められたり。

……その時にさ、誰かに言われたんだ。

「えらいね。モモイはミドリのお姉ちゃんなんだから、ミドリのことを助けてあげなきゃって思ったんだね」

って。

それが……きっと最初。

「モモ」と「ミド」だった私たちが──はじめて「姉妹」になった日。

21二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 17:06:55

(とりあえずここまで)
(みなさまは同じ過去のエピソードを別視点から振り返ってく手法は好きですか？　自分は大好きです)

22二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 18:13:50

おつ

しゅき
感じかたが変わると深みが出ると思う

23二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 21:48:12

……それからだったなあ。私が「お姉ちゃん」しなきゃ、って思うようになったのは。

ミドリだけじゃなくって……ゲーム開発部に入ってからは、ユズやアリスの前でも「お姉ちゃん」をするようになって。

ゲーム開発部のお姉ちゃんとして、私がみんなを守るんだ！って張り切って、今まで精一杯頑張ってきた。

……うん。誰かに言われたからとかじゃなくってさ、

私が自分で、私自身の意思でそう決めたんだ。

だってさ。

なんだかそういうの、カッコいいじゃん。

でも、いつからだろうな……

私は、みんなのために強くなりたかったはずなんだ。

もっともっと強くなって、皆を守れるお姉ちゃんになりたかった。

……ううん。私は強くなきゃいけないんだって、心のどこかでそう思うようになってた。

だから……怖くたって、諦めそうになったって、いつも必死に我慢して。

みんなの前では明るくて前向きで、ちょっとおバカで、それでも何があっても絶対にへこたれないモモイを演じて……私はそういう「キャラクター」なんだって、何度も何度も自分で自分に言い聞かせて。

アリスやみんなにも……ううん。自分の本当の気持ちにさえ、ずっと嘘を吐き続けてた。

……本当、いつからだろうな。

みんなためにの「お姉ちゃん」するのを、辛いって思うようになっちゃったのは。

24二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 22:14:14

「お姉ちゃん」を続けてるうちに、いつの間にか、みんなが苦しい時こそ私がしっかりしなきゃって思うようになった。

みんなの期待に応えなくちゃって。みんなが求める私を……どんな逆境にもへこたれずにみんなを引っ張っていく、明るくて無敵のお姉ちゃんでいなきゃって。

でも……

本当の私は、そこまで強くなんかなくってさ。

本当は、いつだって逃げ出したかった。終わらせて、もうやめにしたかった。楽になりたかった。

テイルズ・サガ・クロニクルがネットで散々叩かれた時も、ゲーム開発部が廃部になりかけた時も、アリスが会長に連れてかれそうになったときだって……！

それでもなんとか自分を騙して、大丈夫、まだやれるって！　最後には全部丸く収まって、みんな笑えるハッピーエンドが待ってるからって！　自分を、みんなを騙して！　嘘を吐いて！　みんなを巻き込んで前に進んで……進むしかなくって！

だけど、現実はそんなゲームみたいにうまくいきっこないことだってちゃんと分かってた！　全部失敗して、何もかもダメになっちゃうんじゃないかって、ずっと怖かった……！

でも、私は……私たちはやり遂げた。やり遂げられたんだ。

私だけの力だなんてうぬぼれられるわけない。みんながいたから。ゲーム開発部のみんな。ミレニアムのみんな。先生や、キヴォトスで出会ったたくさんの人たち……

みんなが力を貸してくれたから、みんなが精一杯頑張ったから……ううん、それだけでもまだ足りない。それこそ最後は本当に、ただ運が良かっただけなのかもしれなくって……

ほんのちょっとでも、何かが違ってたら……もう全部、おしまいになってたかもしれないのに。

……あの、箱舟の中でちょっとだけ聞いちゃった……「もうひとつの世界」の出来事みたいに。

そんな風に、嘘を吐き続けてるうちに……いつのまにか分からなくなってた。

私はどうして、お姉ちゃんになりたかったんだろ……本当は、みんなのことを重荷だって、捨てたいって思ってるんじゃないの？

こんな私に本当に、みんなのお姉ちゃんを名乗る資格なんてあるの？

もう、私には……自分の本当の気持ちさえ、分からなくなってて。

だからあの時、ついぽろっと言っちゃったんだ。

「──もう、お姉ちゃん辞めたい」って。

25二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 22:24:18

……………………。

……モモイ。

……はい。言い訳タイムおしまい。

これが、私。今までアリスやみんなに見せてこなかった……見せたくても見せられなかった、私の本音。

私なんてさ……本当はこれっぽっちも、強くも明るくも前向きでも何でもない。

どっちかっていうと陰キャで、悲観的で、ちょっと辛いことがあったらすぐ弱音を吐いて諦めようとする……

……「お姉ちゃん」の仮面がなくなった私なんて、所詮そんなもんだよ。

……でもさ。

ユウカやネル姐……ネル先輩やＣ＆Ｃのみんなと話をして、たっくさん慰めてもらって……

ほんのちょっとだけ分かったこともあるんだ。

たとえ、私がどんな人間だって……たとえ、ずっとみんなに嘘を吐いてたって。

私がアリスや、ミドリやユズ……みんなのことを大好きだって思ってること。

それだけは絶対に、嘘じゃないって誓えるよ。

26二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 22:34:27

このレスは削除されています

27二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 22:34:52

ただ、私は……

みんなの「お姉ちゃん」になるには、どうしようもなく頼りなくて力不足だったってだけ。

身の丈に合わない役割を演じようとして、ずっと自分を偽って、嘘を吐いて、無理をし続けて……そりゃあ自分を見失うほど疲れちゃうのだって当然だよね。

みんなのことは、大好き。

でも……きっと私は、もう今までみたいに、みんなの「お姉ちゃん」は続けられない。

「お姉ちゃん」でもなんでもない、私なんてさ……

今更、どんな顔してみんなのところに……ゲーム開発部に戻ったらいいのか、わかんないよ。

こんな、私なんて、もう……

（ぺっちーん！！！）

……きゃん！？

い、痛っ？！　……い、いや別に痛くはなかったけど。

あ、アリス……！？

………………

……それ以上、

……モモイのことを、バカにするなら……

──アリスは、モモイを殴ります！

28123/12/30(土) 22:39:15

(今日はここまで…)
(次回、モモイVSアリスのガチバトル勃発…？)

一見すると天真爛漫で明るくて悩みなんてなんにもなさそうに見える女の子が、内面に抱えたどろどろしたコンプレックス交じりの本音を抱えきれなくなって盛大にぶちまけちゃうシーンは好きですか？
スレ主は大好きです。

というわけで次はアリスのターンだ…！

29二次元好きの匿名さん23/12/30(土) 23:53:08

おつです！
ゲキアツ展開ですよこれは！

30二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 04:02:35

>内面に抱えたどろどろしたコンプレックス交じりの本音を抱えきれなくなって盛大にぶちまけちゃうシーン

わかる

31123/12/31(日) 10:06:33

続きは少々お待ちを…

32二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 13:02:19

本音のぶつかり合いという最高の展開だぜ

33二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 19:35:08

(こんなSS書いてる時点でお察しですがスレ主はゲーム開発部推しです)

(なので早速ゲーム開発部だいぼうけんを読みました)

(……アレを読んだ後どんな気持ちでこのSSの続きを書けと？)

(これも全部水あさと先生が悪い(責任転嫁))

い、いやもう殴ってるよね！？　……いやグーじゃなくてパーだったし、そもそも本気でもなかったけど……

え、ええっと……アリス、もしかして……怒ってる？

アリスは……やっぱりアリスは、モモイが許せません。

だって、モモイは……モモイは今までずっと、アリスにたくさんのものをくれて、たくさんのことをおしえてくれて……

いつだって、アリスやみんなに「勇気」をくれたんです。

モモイがいなかったら、アリスは……「アリス」は、ここにはいなくて。

ミドリだって、ユズだって、ゲーム開発部だって……とっくの昔に、ゲームオーバーになっていたはず、なんです。

だから、そんなモモイをバカにするなんて、アリスは！

……絶対に許せません！

34二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 19:41:55

……そんなの全部、嘘っぱちだよ。

私はただ、みんなが望んでいるような頼れるお姉ちゃんを演じていただけ。

本当の私なんて、アリスが思ってるほど強くもなんともないんだ。

……これ以上、嘘に嘘を重ねて取り繕ったって、誰も幸せになれない。

私だってそんなの辛いし、アリスやみんなのことも傷つけるだけ。

無理して強がって、できもしない「お姉ちゃん」を続けたって……そんな「嘘」なんて、もう虚しいだけじゃん。

だったら、いっそ……

……それじゃあ。

モモイは、アリスの……

「アリス」のことも、「嘘」だっていうんですか……？

……え。

35二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 19:56:13

……………………。

アリスは……

……アリスは、生命体ではありません。

ただの……人の真似事をしているだけの、機械です。

……本当はアリス、分かってるんです。

どれだけみんなの真似事をしたって……アリスは絶対に、みんなと「同じ」にはなれないってこと。

モモイたちに起こして貰ってから、アリスは今まで、たくさんのことを学んできました。

冒険して、レベルを上げて……みんなとたくさんお話して、クエストを続けて……

それでも……

本当は、分かってるんです。……分かってしまうんです。

アリスの見ている世界と、みんなが見ている世界は……やっぱりほんの少しだけ、ズレてるってことが。

みんなは、そんなアリスのことを受け入れてくれるけれど……

アリスはまだ、モモイやミドリ、ユズ、みんなみたいに……本当の「人」のようには振舞えません。

……みんなと同じ世界が、アリスにだけは、見えていなくって。

それがいつも、少しだけ悲しいんです。

36二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 20:14:46

モモイは……

アリスに、言ってくれました。

「自分が誰なのか、それは自分自身で決めるものだよ！」って

だから、アリスは「アリス」になりたくて……

全力で、なりたい自分に……「アリス」になろうって、頑張ってきたんです……

アリスにゲームの楽しさを、この世界の美しさを教えてくれたのは、みんなだから。

アリスに「アリス」をくれたのは、モモイだから……

だからアリスも、みんながアリスにくれたものを、アリスもみんなに返せるような、

そんなアリスに、なりたくって……

でも……

それが全部「嘘」だって……そう言われてしまったら……

アリス、はいったい、な、にを/qwsfda

37二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 20:22:41

アリス……？

──言語システムに/@wa[@エラー発生──リブート

再起動します。アリスは──/rj;eewr[a]──情動再現システムにエラー発生──システムシャットダウン

──リブート──エラーチェック開始──0%──20%──40%──6*#a`$%──エラー発生

システム停止──システム停止──システム停止──#r@re@EERRROR特定不能──

────警告──内部CPU──メインプロr;セッサの異常な発熱を検知──

熱暴走──危険──────

──あり、す──本機は──わたし、──は、──

──やだ──

もも、い──

──シスt@f:sasyse[[a::fmステムリカバリ。緊急停止します。

あ、アリスっ！！？

38二次元好きの匿名さん23/12/31(日) 20:23:37

(今年はここまでにします…)
(続きは来年)

それでは皆様、よいお年を！

39123/12/31(日) 23:40:22

また深夜の投稿規制がかかるかもしれないので保守がてら

改めてよいお年を

40二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 06:30:37

あけましておめでとうございます

楽しく読ませていただいています

41二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 07:52:24

(あけましておめでとうございます)

(今年中には完結までもっていきたいと思いますので、最後までどうかよろしくお願いします…)

────────────────────────。

あ……

アリス！？　よかった！　急に倒れちゃうから、心配して……

……モモイ。

ごめんなさい。

アリスは、また……

……ううん。いつもアリスは、モモイに迷惑ばかり……かけてしまいますね。

な、何言ってるのアリス！

そんなこと……

42二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 07:52:57

……ううん、違うよね。

私が……アリスにそんな顔、させちゃったんだ。

ごめんね……

っ……あやまらないでください！

モモイに謝られたら、アリスは……ありす、は……

本当に……壊れて、しまいそう、なんです……

……アリスは、悲しかったんです。

今までずっと、アリスといっしょにいたモモイを、モモイが否定してしまうことが。

だって、モモイは……ずっと……

アリスにとっての……憧れ、でしたから。

43二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 07:55:55

あこがれ……

私が……アリスの？

アリスは。

ありすは……

……私は。

モモイのことが、大好き、です。

先生のことも、ミドリのことも、ユズのことも、大好きだけど……

それでも……モモイは、アリスにとって、特別なんです。

だって……モモイは、アリスに名前をくれて。

何も知らない、機械でしかなかったアリスに……「アリス」として、この世界で生きる「勇気」を、与えてくれたひとだから。

……アリスは、勇者になりたいです。

モモイが、みんなが今まで、アリスにそうしてくれたように。

誰かに勇気を、光を、与えられるような……

アリスにとって、それは……アリスにとっての、勇者は……

……アリスは、ずっと。

──モモイみたいな勇者に、なりたかったんです。

44二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 08:04:23

だけど、モモイが本当は「勇者」になんて、なりたくなかったのなら……

みんなのために……アリスたちの、ために……

無理して、世界を救う勇者の役を、演じてきた、だけだったなら……

アリスは、いままで。

モモイに……ひどいことを、してきました。

かってに、モモイにあこがれて、まねをして、

ゆうしゃになりたいって……ごっこあそびを、しているだけで、

モモイのこと、なにもわかって、あげられてませんでした。

……ごめん、なさい。

アリス……

45124/01/01(月) 08:09:50

(一旦ここまで！)
(新年明けましての最初の話がこれでいいのか…？)

ゲーム開発部のお母さんポジといえばユウカだけど
アリスにとってのモモイって名付け親的な意味でも情操教育的な意味でも母親同然だと思うんです

そのモモイが下手に自己否定しちゃったら、本人以上にアリスのアイデンティティにも深刻なダメージ入っちゃうのではと…
今回のアリスパートは概ねそんなお話です…

46二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 11:47:16

アリスにアイデンティティをくれた人が苦しんでたらそら自分でも濁るよね

47二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 18:01:43

保守

48二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 18:25:16

(ちょっとだけ投稿)

モモイに今まで、そんなつらい想いをさせてしまっていたのなら……

アリスは……真の勇者じゃ、ありませんでした。

せかいを、みんなをすくう、ゆうしゃに、なりたかったはず、なのに……

めのまえの、すぐ近くで苦しんでいた友達一人、助けてあげられなかった……

そんなの……勇者、失格です……

勇者じゃ、ない、アリスなんて……

ただの……ごっこ遊びをしてるだけの、機械でしかない、から……

……！　やめなよ、アリス……！

自分のことをそんな風に言っちゃ駄目！

そんなの、悲しいことなんだよ……

……って。

今の私が、言えた義理じゃないよね……

49二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 18:30:43

(ぎゅう……)

……モモ、イ。

……ごめんね、アリス。

本当に本当に、アリスにはいっぱい、心配かけちゃったね。

でも……違うんだよ、アリス。そうじゃない。

言ったでしょ？　私は、嫌々みんなの「お姉ちゃん」をやってたわけじゃない。

……アリスと同じだよ。

アリスが勇者になりたいように、私だって、みんなを守れるお姉ちゃんになりたかった。

それが、私がなりたい自分だったから……私の夢だったから。

だから、そんな自分になれるように、ずっと頑張ってきた。……それだけなんだ。

……そうだよ。

重荷になんて思ってるわけない。捨てたいだなんて思ってるはずない。

みんなが、いてくれたから。みんなのことが大好きだから。

今までずっと、私は──

みんなの「お姉ちゃん」で、いられたんだ。

50二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 18:42:19

……なら。

だったら……

モモイだって……

なりたい自分になろうって、憧れて、頑張ることを……「嘘」だなんて、言わないで……ください。

モモイが、モモイのなりたいモモイのことを、否定してしまったら……

アリスは……とても悲しくて、怖くなります。

……だれだって。

最初から、なりたい自分になれるわけでは……ありません。

……アリスが「名もなき神々の王女」として、生まれたみたいに。

でも……

ううん、だからこそ……

初めは……フリだって、演技だって、ごっこ遊びだって……いいじゃない、ですか。

たとえ、本当の自分とは違っていたって。嘘だって言われたって。

なりたい自分を思い描いて、そうなりたいって、そうなろうって頑張ること……

きっと、それを人は──「夢」と。そう呼ぶもの、なのですから。

アリスは、アリスのなりたい「アリス」になりたいです。

だから、モモイも……

モモイのなりたい「モモイ」を……否定しないであげて、ください。

…………うん。

……そう、だね。

51124/01/01(月) 18:57:53

(ひとまずここまでにします)
(続きは投稿規制かからなければ夜にでも…)

普段明るい子たちが普段あえて触れずにいたお互いのコンプレックスを晒し合って涙ぐちゃぐちゃどろどろで抱き合ってるのいいよね…

ちょっとした小話。アリスの一人称について。
起動直後のアリスの一人称は「本機」。自我が芽生えてからは９割「アリス」だけど、たまに思い出したように「私」を使うこともあって、実はどちらも公式だったりします。エンジニア部にレールガン貰いにいった時のやり取りとかアリスゲーム配信の時とかが分かりやすいですね。
ただ使い分けの条件についてはよく分からないです。

そのあたりから、アリスは自分がなりたい「アリス」を自覚的にロールプレイしている＝「アリス」としての自分自身を演じている、という解釈を加えて、
意識的に「お姉ちゃん」になろうとしてるモモイと対比させてみました。

……モモイとアリスについては語り出すと長くなってしまうので、つづきは機会があればまた…

52二次元好きの匿名さん24/01/01(月) 19:01:53

お主…ちゃんとした所(pixivとか)にこれを挙げなさい!!!こんなところにいるんじゃない!!!

53124/01/01(月) 23:52:12

少々お待ちを…

54二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 06:27:32

寒いけど全裸待機

55二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:30:46

でも、さ。

アリスはいっこだけ間違ってるよ。

え……？

アリスはさっき、自分のことを勇者失格だー、なんて言ってたけどさ。

そんなこと、あるわけないじゃん。

アリスは、アリスが来てくれたことで、私たちがどれだけ救われたのか分かってないよ。

……私だって、いつもずっと強くて諦めないお姉ちゃんでいられたわけじゃない。

何度も、何度だって挫けて、諦めそうになったよ。

ゲーム開発部が廃部になりかけたあの時だって……ただの勢い任せじゃどうにもならなくって。

先生の力を借りても、あと一歩足りなくって……もう諦めるしか、なくって……

でも……そんな時に、アリスが来てくれて。

私たちが作ったゲームを面白いって言ってくれて。私たちのことを仲間だって言ってくれて。

アリスが私たちに、前に進むための勇気をくれたんだ。

私がアリスのことを助けてきたのと同じくらい……ううん、それ以上に、私たちだってアリスに助けられてきたんだよ。

だからさ。もう何度も言ってきたけど、もう一回言うね。

私に、私たちにとって……アリスはとっくに、正真正銘の勇者なんだよ。

56二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:32:16

モモイ……

……あはは。おっかしいなぁ。

誰かを励ます言葉なら簡単に出てくるのに……自分のこととなると全然ダメなんだもん。

薄っぺらいなあ、私。

……いいえ。やっぱり、モモイはモモイです。

嘘でも演技でもなくって……アリスが知ってる通りの、アリスの大好きなモモイのままです。

モモイの言葉は、アリスにいつだって勇気をくれますから。

57二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:33:22

それに……

モモイが言うほど強くないことなんて、アリスもミドリもユズもとっくに知っています！

いつも最初だけは威勢が良いけれど、そのくせ締切はちっとも守らないし、辛くなったらすぐ逃げ出そうとするし、そもそも具体的なプランなんて何も考えてません！　正直ダメダメなところの方が多いくらいです。

モモイはみんなを勇気づけはしてくれますけど……ぶっちゃけ、そこから先はあんまり役に立ちませんから！

うげえっ！？　きゅ、急に辛辣じゃん……！

そこは私のこと慰めてくれる流れじゃないの！？

……でも！　モモイはダメなところを隠さなくたっていいと思います。むしろその方がいいです！

でないと、アリスたちがモモイを助けられませんから！

えぇ……

58二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:36:35

だって、モモイはシナリオライター兼プランナーです！

……モモイの役目は、ハッピーエンドまでの道筋を考えて、その完成に向かってみんなを勇気づけるところまでで。

モモイが考えたプランの現実的じゃないところにツッコミを入れて、具体的な絵を描くのはミドリの役目ですし、

みんなのアイディアをまとめて、最終的にゲームとして遊べる形に作り込むのはユズの役目です。

そしてアリスの役目は……みんなが作ったゲームを最後までやり通して、最高のエンディングに辿り着けることを証明することですから。

たとえ、一人一人の力は小さくても、欠点だらけでも……

みんなが力を合わせて助け合って、一人じゃ立ち向かえない大きなクエストをクリアする。

それが勇者のパーティで、ゲーム開発部で……アリスの大好きな、仲間たちですから。

……ひとりぼっちで世界を救える勇者なんて、どこにもいません。

勇者が仲間たちを導くように……勇者が迷い、立ち止まってしまった時は、それを助けるのが仲間の役目ですから。

完璧じゃなくたって、いいと思います。

たとえ１００個欠点があったって、それ以上に素晴らしいと思えるものがたくさんある。

アリスが大好きなテイルズ・サガ・クロニクルは、そんなゲームでしたから。

……ありがとう。

アリスを、勇者だって言ってくれて。

59二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:39:00

それでも……ごめんなさい。

やっぱりアリスは、モモイにわがままを言いたいです。

アリスは……モモイには、これからもアリスのお姉ちゃんでいてほしいです。

はじめて会った時からずっと……モモイは、アリスにとっての「お姉ちゃん」だったから。

……私にとって、はじめてできた……大切なつながりだったから。

だから急に、もうお姉ちゃんじゃない、なんて言われるのは……つらいんです。

でも、そのかわり……

もしもモモイが「お姉ちゃん」が辛くなった時は……アリスがモモイの代わりに「お姉ちゃん」をやります。

アリスは、勇者になりたいです。

でも……「勇者」がパーティに一人しかいてはいけない、なんて決まりはどこにもありません。

だったら……「お姉ちゃん」がモモイ一人だけじゃないといけない決まりだって、どこにもないはずですから。

……だから、これからは。

モモイだって、アリスやみんなに甘えて、助けてもらっていいんですよ。

60二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:40:02

……ふふっ、アリスらしいね。

でも、経験者から言わせてもらうけど「お姉ちゃん」するのって結構辛いよ？　末っ子のアリスに耐えられるかな～？

むっ！　心外です！　アリスはモモイとは違って、与えられたシナリオの生産クエストから逃げたしたりなんかしません！　ちゃんと締切だって守ります！

うぐっ……言うようになったな末妹よ……！

61二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:42:06

……もう、しょうがないなぁ。

アリスみたいな甘えんぼで寂しがり屋な妹には、やっぱり私がついてないと心配だからさ。

もうちょっとだけ私が、お姉ちゃんしてあげなきゃダメだよね。

でも……どうしても辛くなっちゃったら。

その時は遠慮なく、アリスにお姉ちゃんを代わってもらうから。

だからさ……

──覚悟しててよね、アリスお姉ちゃん！

……のぞむところです！

だって、アリスは勇者で、モモイのパーティメンバーで、友達で、妹で……お姉ちゃんですから！

62二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 07:43:12

(ひとまずここまで…)
(アリスパート終了…あとはエンディングまで一直線だ！)

あにまんではユメ先輩エミュするホシノとかが話題になりがちですが、その理屈で言うならアリスは「アリスエミュをするアリス」とでも言うべきなのが持論です。アリスのアイデンティティの根幹はロールプレイングゲーム、つまりは「役割を演じる」ことにあるので。
だったらそのアリスエミュを剥ぎ取られたアリスってどんな悩みを抱えてるんだろうなー、というのが今回のテーマ的なもの。リオに勇者としてのロールプレイを全否定された時のアリスのメンタルの揺らぎを拡大解釈したみたいな感じですね。
本編のムーブを見ていると、アリスって天真爛漫な幼子みたいなメンタリティの根底にアンドロイドゆえの超然とした死生観や価値観の異質さが見え隠れしてる気がして。
そうした「普通の人間」とのズレも普段はただの天然ムーブとして概ね好意的に解釈されてるけど、アリス自身はそういう自分が普通の人間らしく振舞えないことを密かにコンプレックスに思っているっていうのもアリだな……というところから派生してモモイとの問答に繋げてみました。
このスレでのアリスの勇者エミュの根幹はお姉ちゃんしてるモモイエミュって解釈なので、エミュ元がそれを全否定したらそりゃあバグっちゃうよ……

要約：曇らせアリスを存分に書きたかった…！

ま、まあ曇らせた以上は責任持って晴らすから問題はないよね！　ヨシ！

>>64

63二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 08:41:15

アリス、圧倒的光で良かった

64二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 16:03:47

>>62

投稿かんしゃ～

65124/01/02(火) 16:04:06

つづきはもうしばらくお待ちを…

66二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 21:34:02

(少しだけ更新…)

ふふっ。でも、なんていうかさ……

アリスもアリスで案外、いろんなことを悩んでたんだね。

そ、そういう言い方は失礼だと思います！

アリスにだって人並みに悩みくらいあるんです！

ふふっ、ごめんごめん。……そうだよね。

私だけじゃなくって、アリスも……たぶん、ユズもミドリも、みんな。

誰にも……友達にだって言えない悩みや心配事を、きっと抱えてるんだよね。

……でもさ、それって悪いことじゃないって思う。

大好きな人にだって……ううん、大好きな人だからこそ。

本当のことを言えないのも、隠し事をしちゃう気持ちも、

今の私には、よく分かっちゃうから。

67二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 21:36:56

よお、取り込み中のところ悪いがチビども。

てめぇらにお客さんだぜ。

……ほら、入って来なおでこ。

お、おで……

あっ……アリスちゃんに……モモイ。

えっと……むかえに、きたよ。

68二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 21:42:45

あっ、ユズです！

モモイ、ユズが迎えに来てくれましたよ！

……ユズ。

その、私……

……おそくなってごめんね、モモイ。

アリスちゃんも……ちゃんと、モモイとお話できたんだね。

よかった……

……あのね、モモイ。

わたしね……

ずっとモモイに……みんなに、隠してたことがあるんだ。

69二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 21:44:18

(短いですが今夜はこのくらいで…)
(ユズパートはアリスと比べてそこまで長くならないかと…)

そろそろ物語も終盤ですので、このまま最後までお付き合いいただければと…

70二次元好きの匿名さん24/01/02(火) 23:38:53

投稿お疲れ様です
楽しみに待ってます！

71二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 06:19:40

がんがれユズ

72二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 08:18:31

(ユズの説得はユウカが8割やってくれたので、ユズパートはそんなに長くかからない予定…)

ええっ！？　隠してたことって……い、いきなりどうしたのさユズ！？

あのね。わたし……

じ、じつは……

……その。

ユズの秘密……なんだろ？　え、えっと一応聞くだけ聞くけど。

実は留年してて私やミドリより年上です……ってことじゃないよね？

わ、わたし……いままでずっと、モモイやミドリに……

……えっ。

73二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 08:22:24

も、モモイ……？　そ、の……

……知ってたの？

え？　だってユズと私たちが同学年だったら計算合わないじゃん。

私たち、ユズが去年作ってネットにアップしたテイルズ・サガ・クロニクルのプロトタイプをプレイして、私たちもこんなゲームを作りたいって思ってミレニアムのゲーム開発部に入るのを決めたんだよ。

ユズが今まで触れられたくなさそうだから黙ってたけど、そんなことくらい、私もミドリもとっくに知って……

……ごめんっ！！！！！

74二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 08:46:02

うええっ！？　ちょっと待ってってば！

ユズまでどうしちゃったのさ。留年くらい私もミドリも気にしないって……

そうじゃないの！

わたし……わたし！　ずっとモモイに甘えて、無理させて……

モモイがずっと一人で抱え込んで苦しんでた時に、何もできなかった……！

部長、なのに……本当はわたしが、やらなきゃいけないことだったのに……

わたし……モモイに頼りっぱなしで……モモイやみんながいなきゃ、なにもできなくて……

本当に、ごめんなさい……

……ユズ。

75二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 08:55:06

（……ぎゅっ）

……モモイ？

私のほうこそごめんね、ユズ。

ユズが何もできなかったんじゃないよ。……私が、ユズに何もさせてあげなかったんだ。

全部自分で抱え込んで、勝手に一人で苦しんでたのは私の方。

……友達なのにさ。

もっと早くに、ユズやアリスに、ミドリに……みんなに相談すればよかったんだよね。

……それに。

私もユズに……いっこだけ、今まで言えなかったことがあるんだ。

76二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 08:55:48

(ひ、ひとまずここまで……)
(ユズパートは次回くらいで終了かな…？)

77二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 09:28:46

確かに普通に考えたらわかる範囲の秘密だった
でも逆に同志として楽しんでたってことだからむしろ良いことに思えてきた

78二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 15:32:44

正月から一気に見たけどこの概念良すぎる…

79二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 18:35:27

話し合う意志疎通、だいじ

80二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 18:51:48

(再開…)

えーと……言いにくいんだけどさ、ユズ。

私とミドリがユズの初めて作ったゲーム……テイルズ・サガ・クロニクルのプロトタイプに感動してゲーム開発部に来たって話は前にしたじゃん？

で、そのころのミドリは元々ゲームにあんまり興味なくて、ミドリにユズのゲームを薦めたのはそもそも私なんだけど……

……本当はさ。

プロト版テイルズ・サガ・クロニクル……最初はただのネタゲーのつもりで手を出したんだ。

ネットであんまりに酷評されてたもんだから、つい怖いもの見たさってやつで。

ぇ。

81二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 19:22:59

い、いや待って待って！　ここまでだけだと誤解させちゃうから、ちゃんと最後まで話聞いててね！

……うん。ユズのゲームを知った最初のきっかけは、ネットの掲示板だかSNSだかのコメントだったかな。

気になって調べてみたら、ちょっと検索かけただけでわらわらと悪評ばっかりが飛び込んできて。

「キヴォトス史上最低のクソゲー」だとか「これだけ酷いゲームを作れるのは逆に才能」だとか「これと比べればファイナンスブレイドはまだ名作の部類に入るんじゃないか」だとか……

まあ……今にして思えばろくにプレイもせずに面白半分に叩いてるだけみたいなコメントがほとんどだったけどさ。

中にはこのゲームのどこがどんな風にダメかっていうのを事細かく分析して、総評として「擁護のしようもないクソゲー」って評価を下しているレビュアーもいて。しかも、それが無駄に読み物として面白かったもんだから。

今のご時世、ここまでボロクソに貶されるゲームってどれだけなんだろって、なんだか逆に興味を惹かれちゃって。

(……ぱくぱく)

ああっダメだよユズまだ死なないで！　大事なのはここからなんだよ！

えっと、確かに最初はある意味怖いもの見たさで興味を惹かれたのも事実なんだけど……

一番の切っ掛けになったのは……どこかのサイトで見た批判コメントが、妙に頭に引っかかっちゃったから、かな。

82二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 19:24:12

『このゲームに似たゴミを作った誰かさんは……きっとろくに友達もいなければ、誰かと一緒に遊んだ経験すらない』

『独りよがりで、自意識過剰で、他人と交わる努力なんてこれっぽっちもしたことなくて』

『そのくせ「万人受けはしなくたって、世界のどこかにはわたしの好みを理解してくれる人がいるんだ！」なんて勘違いしちゃってるような』

『哀れになるくらいに薄っぺらで、浅ましい人間なんでしょうねぇ』

……正直、批判意見にしたって読んでてあんまり気持ちのいいものじゃなかったな。

だって……世間からクソゲーだなんだ言われてるゲームだって、どこかの誰かが頑張って長い時間を費やして、一生懸命作ってくれたから生まれてきたはずなのに。

仮にクソゲーなのは事実だったとしても、どこの誰とも知らない人から本当にそこまで言われなきゃいけないことなのかって……ちょっとムッとしちゃって。

私だってゲーマーの端くれだし、遊びもしないうちから他人の評価だけで知った気になるのも嫌だったから。

だから、自分でダウンロードして、試しにプレイしてみることにしたんだ。

83二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 19:26:13

シュロちゃんゲーム開発部のキューピットだったのか

84二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 19:47:12

……そ、それで……

実際にプレイしてみた、感想、は……？

だから何度も言ってるじゃん！　すっっっっっっごく面白かったよ！！！

……そりゃあ確かに、プレイしていてダメなところとか、これは酷評されるのも仕方ないなーって思っちゃったのも事実だったけど。

それでも！　そんなことなんてどうでもよくなるくらいに、気がついたらワクワクしてた！

だって、プレイしてたら分かるんだもん！

これを作った人がどれだけゲームが好きなのか。このゲームを遊んだ人に何を伝えたいって思いながらこのゲームを作ったのか。

冒険と、ドキドキと、青春と、ハッピーエンドの物語……！

途中からはミドリも一緒に……だけど、ミドリも私とおんなじくらい、二人で夢中になってプレイしてた。

それに……ゲームの内容だって超・神ゲーだったけどさ。本当に感動したのはゲームをクリアしたその後。

私たちと同い年くらいの女の子が、たった一人でこのゲームを作ったんだって知って。

何より、体験版をクリアしたあとの制作者のメッセージを見たとき……もう、ビビって来ちゃってさ。運命だって思ったんだ。

85二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 19:48:04

今までわたし一人でゲームを作ってきましたが、わたしといっしょにこのゲームを完成させてくれる人を募集しています。

ゲームが大好きな方。ゲーム制作に興味のある方。

──わたしのゲームを遊んでくれて、面白いって思ってくれた方。

よろしければ一度、ゲーム開発部の部室までいらっしゃってください。入部はいつでも歓迎します！

ミレニアムサイエンススクール

ゲーム開発部部長　ＵＺ

86二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 20:16:27

このレスは削除されています

87二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 20:17:27

～～～

そのクリアメッセージを見て、いてもたってもいられなくなって！

私たちもこんなゲームを作ってみたくて、ミドリと一緒にゲーム開発部に押しかけてさ。

そこで、ユズと出会ったんだ。

ユズがあのゲームを作ってくれたおかげで、私はユズやアリスと出会えたし、ミドリとだってまた仲直りできた。

ユズの作ったテイルズ・サガ・クロニクルがあったから。ユズがいてくれたから。

……今の私は、ここにいるんだよ。

ありがとね、ユズ。

モモイ……

ううん。わたしの方こそ……ありがとう。

わたしのゲームを、面白いって、いってくれて……

わたしの仲間に、なってくれて……

……ありがとう。

だいすきだよ……モモイ。

88二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 20:20:48

（……むぎゅうっ！）

きゃっ！？　……あ、アリスちゃん……？

あ、アリスを仲間外れにしないでください！

アリスだってユズの、モモイとミドリの……みんなの仲間です！

だからアリスも、ユズやモモイとぎゅーってしたいです！

……ふふっ。やっぱり甘えん坊さんだなぁ、アリスは。

でも、そうだね。

今はもうすこし、このまま……こうしてよっか。

89二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 20:30:42

……ユズ。

さっきね、アリスが言ってたんだ。

完璧じゃなくたっていい。たとえ１００個欠点があったって、それ以上に素晴らしいと思えるものがたくさんある。

アリスの大好きなテイルズ・サガ・クロニクルは、そんなゲームだった──って。

私も、そうだって思ってる。

だから、みんなで作ったテイルズ・サガ・クロニクルは……欠点を直して無難なゲームにするよりも、ユズが伝えたいことを、私やミドリがやりたいって思ったことを、めいっぱい表現できるような。

そんな、私たちにとって最高のゲームにしたかった。

……その結果として完成したテイルズ・サガ・クロニクルは、見事に今年のクソゲーランキング１位になっちゃったけど。

あのときは……ユズにまた辛い思いをさせちゃって、ごめんね。

……ううん。

わたしも……嬉しかったんだ。

あの日、モモイとミドリが来てくれたことが。

二人が……モモイが、わたしのやりたいことを受け入れて、わたしと同じ理想を形にしたいって、そう思ってくれたことが。

自分が好きなものが否定されちゃうのは、今もつらいけど……

……でも、自分と同じものを好きだって言ってくれる仲間がいてくれれば、わたしはもう、自分の「好き」を疑ったりなんてしない。

だから、みんなと出会えて……わたしは本当に、救われたんだ。

90二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 20:32:28

わたし……決めたよ。

「もう二度とゲームなんて作らない」なんて、もう二度と言わない。

だって、モモイやミドリが、アリスちゃんが……わたしの大好きな人たちが、大好きだって言ってくれたゲームだもん。

たとえ誰が否定したって、最後まで投げ出したくない。

それが……ゲーム開発部の部長としての、わたしの意地だから。

……だから、モモイ。

これからも……わたしといっしょに、最高のゲームを作ってくれますか？

……あったりまえじゃん！

だってユズは、私たちの部長なんだから！

91124/01/03(水) 20:39:05

(ひとまず今回はここまで。ユズパートはこれで終了です…)
(アリスとユズが合流して、最後に残ったのはもちろん…)
(次回、クライマックス！)

特にプロットとか組まずノリでお話を組み立ててるんですけど
よくここまで辿りついたもんだな…と自分でもしみじみ

92二次元好きの匿名さん24/01/03(水) 23:27:35

シュロちゃんが知らん間にMVP級の活躍をしてる・・・

93二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 06:34:52

人間万事塞翁が馬、とはよく言ったもので

94二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:09:49

うう……それにしても……

わたしもモモイのために何かしてあげられたら、って思って来たのに……

逆に、またわたしの方がモモイに慰められちゃったね。

……情けないなぁ。

そ、そんなことないってば！　私だってユズやみんなには一杯助けられてるし！

でも……考えてみればヘンな話だよね。

……昔から、ミドリが泣いたり落ち込んだりしてる時、励ますのはいつも私の役目だったから。

ミドリだけじゃなくって、ユズやアリスも……みんなが悲しい顔をしてるのはさ。やっぱり放っとけないんだ。

あはは……あんなに「もうお姉ちゃん辞めたい」なんて言ってたのに。不思議だなぁ。

でもさ。

きっと、それも私の……「モモイ」の一部なんだ。

たとえ、最初は演技だったとしても……あんなに長く続けてきたんだもん。

今更、全部「嘘」でした……なんて、言えるわけないよね。

95二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:13:24

……話はまとまったみてーだな。

そんじゃ物のついでだ。──あたしからも一つ、あんたに言っとくことがあるぜ。

えっ、ネル姐まで私に！？

ま、まさかネル姐にも秘密が……もしかして、今まで３年だって嘘ついてたけど実は１年生だったりとか……？

バッ……ふざけたこと言ってんじゃねぇ！　今は真面目な話してんだよ！

ったく、てめぇと話してるとマジで調子狂う！

……まあいい。どーせそれも今日で最後だからな。

えっ……

……見習い。あんたはクビだ。

今日限りでＣ＆Ｃから出てって貰う。

……えぇえええぇ！！？

96二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:19:07

ちょ、ちょっと待ってよネル姐！

短い間だったけど結構打ち解けてきたと思ってたのに！

いくらなんでもあんまりだよー！

うるせぇ！　これは決定事項だ。今更つべこべ言うんじゃねぇ！

ふふっ、リーダーったら天邪鬼なんですから。

「モモイちゃんはもう大丈夫だから、そろそろゲーム開発部に戻ってもいいんじゃないか」

って素直に言えばいいのに。

……あぁァ！？　だれがいつんな事言ったよ！

余計なこと言うんじゃねぇアカネ！

97二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:20:01

誤解しないであげて。きっとモモイにきちんとお別れを言うのが照れくさいんだ。

こういう時のリーダーは素直じゃないから。

んー、でもリーダーの気持ちも分かるかも！

私もモモイちゃんと離れちゃうのは寂しいし……でもさ。

Ｃ＆Ｃのモモイちゃんも悪くなかったけど……やっぱりモモイちゃんにはゲーム開発部が一番似合っているって思うな！

たとえ離れていても、お互いを信じ合う心さえあれば私たちはいつだって仲間です。

ご用命とあらばいつでも私たちを頼ってください。

友達、ですから。

……ぴょん。

先輩……トキ、みんな……

98二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:21:23

このレスは削除されています

99二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:22:03

ったく！　……あーもう！　こうなりゃ堅っ苦しい話はナシだ！

はぁ……最後まで調子狂わっされぱなしだぜ。

……ほんの数日くらいだったけどさ、あんたがＣ＆Ｃに来てからの日々……悪くなかったぜ。

ハナっから、いつかこうなるって分かってたはずなのに……

こうして別れを惜しんじまうくらいには、さ。

……ま、つってももう二度と会えねーってワケじゃねーんだ。

また辛いことがあったら相談くらいにゃ乗ってやるよ。

だから……達者でな。モモイ。

ネル姐……ネル、先輩……！

100二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:22:40

モモイ……その。いっしょにかえろう？

ミドリも待ってる、から……

はい！　モモイがいないゲーム開発部の部室はずっとお通夜ムードで、正直耐えられませんでした！

なので早くモモイに戻ってきてほしいんです！

その……アリス、とってもさびしかった、です……。

……うん。そうだね。

そろそろ悩んでる時間はおしまい。

私……ゲーム開発部に戻るよ。

101二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 08:23:42

ネル先輩……アスナ先輩、アカネ先輩、カリン先輩……トキ。

みんな……

私、ね……！

みんなとＣ＆Ｃで過ごしてる間、とっても楽しかった！

もうダメだって思ってたけど……みんながいてくれたから私、ちょっとだけ元気をもらえた。

みんなのおかげで、私は……もう一度、ゲーム開発部のモモイになれたんだ。

だから……またね。

……今まで、ありがとうございました！

102124/01/04(木) 08:25:44

（とりあえずここまで）

（とぅるりらとぅるりら）

（それではここでゲーム開発部結成の陰の功労者となった箭吹シュロさんから一言）

ち、違っ……手前そんなつもりじゃ……

ただアンチコメ書き込ませるだけの出番もアレだったので、地味にシュロに効果覿面そうなシチュを用意してみたよ！

よかったねシュロちゃん！

次回、最終章…！

103二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 09:23:07

あっという間に読み終えてしまった…

104二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 12:01:58

(お昼更新。最終章プロローグ…)

～～～

あら。こっちにユズとアリスちゃんが来てるって聞いて来たんだけど……入れ違いになっちゃったみたいね。

……モモイもあの子たちと一緒に？

ああ。ついさっきな。

……ま、あたしらにできるのはここまでだ。

あとはあいつら次第ってとこだろ。

……ええ、そうね。

あの子たちなら、きっと──

105二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 12:02:48

～～～

……ありがとうね、アリス、ユズ。

みんなのおかげで、私……ちょっとだけ心が軽くなったよ。

……うん。

モモイが元気になってくれて、よかった。

はい！　アリスはいつだってモモイを助けます！

……でもさ。

もういっこだけ、最後にやらなきゃいけないことが残ってる。

106二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 12:04:52

あのね。アリス、ユズ。

私、ゲーム開発部に戻ったら……ミドリと、二人きりで話がしたいんだ。

「モモイ……」

「えっと、モモイ……？」

もちろん、今度もまた自分だけで抱え込んだり、二人に頼りたくないって言ってるわけじゃないよ。

でも……今回のことは元々、私とミドリの姉妹喧嘩が始まりだったから。

だから、まずは……

ありのままの私として、ミドリと向き合いたいって思うんだ。

107二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 12:06:06

～～～

……なんて、二人には言っちゃったけど。

今の私は、本当にミドリともう一度向き合えるのかな。

また、あの時みたいにケンカになったら……

……正直、怖いな。

……もうすぐゲーム開発部の部室。

そこで、ミドリが待ってる。

私は……

“──やあ”

「……！」

“久しぶり、モモイ”

108二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 12:16:18

(満を持して先生登場…というところでつづく)
(続きはまた夜にでも…)

このお話のどこに先生を絡ませるかはわりと難しいところだったんですよね…
先生がモモイの現状を知れば関わらないのも不自然だし、なまじ影響力が大きいだけに下手なタイミングで出すとそれだけで話が終わりかねないので…

次回、まさかのモモイVS先生…？

109二次元好きの匿名さん24/01/04(木) 15:22:16

先生来た！これで勝つる！

110124/01/04(木) 21:54:42

き、今日夜続き上げられないかもしれないのでしばしお待ちを…

111二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 01:26:01

いやぁ、あっという間にここまで追ってしまった…
シチュに対する解像度が高くて、伏線の回収もキレイで……なんかこう、とにかく素晴らしいです…！(小並感)
早く結末が見たい気持ちと、このストーリーをずっと読んでいたい気持ちが入り交じってます…！
ストーリーの完走まであと少し…どうか無理しない程度に頑張ってください！

112二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 06:44:13

改めて考えると保護者多いな

113二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:29:32

(遅れたけど再開…！)

(先生パート思いのほか難産でした…)

先、生……

“だいたいの事情は聞いてるよ”

“実は、今朝方ユウカに相談されてね”

“最近モモイとミドリの仲がこじれてゲーム開発部が大変だから、なんとか力になってほしい、って”

“……遅くなっちゃって、ごめんね”

……ううん。私の方こそごめんね先生。

いつもなら、真っ先に先生に相談してたはずなのに……

どうしてだろうな……今回はなんだか、言い辛くって。

114二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:30:25

“……モモイが謝る必要なんてないよ”

“仮に私がモモイの助けになれたとしても、どうするか決めるのはモモイの気持ち次第だから”

“だから、まずはモモイの気持ちを確かめなきゃって思って”

「…………私は」

“モモイは、ミドリと話をするためにここへ来たんだよね”

“もし、モモイが自分だけでミドリと会うことに躊躇いがあるなら、私も立ち会うけど……どうする？”

……ううん。

本当にごめん、先生。

今だけは……ミドリと二人っきりで話しがたいんだ。

“……そっか”

……あ、あのねっ！　先生のことを信頼していないってわけじゃないんだ！

本当に、絶対、そうじゃないの。

でも、さ……

115二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:31:41

私は。

ミドリともう一度、ちゃんと「姉妹」になりたい。

私がミドリの前で見栄を張って、本当の気持ちを隠してたからこじれちゃったけど……

まだ、これからミドリとどう向き合ったらいいのか、なんにも分からないけど……

それでもますは……ミドリと二人で話したいの。

今までのこととか、これからのこととか……私たちのことを。

そうじゃなきゃ、きっと……私たちは、どこにも進めないから。

116二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:36:56

だから……何度も謝っちゃうけど。ごめん、先生。

せっかく私のために来てくれたのに。

本当に、ごめんね……

“ううん、気にしないで”

“……実はさっき、ミドリにも同じことを言われちゃってね”

“「まずは自分とモモイの二人きりで話がしたい」って”

「え……」

“モモイと離れてる間……ミドリもきっと、モモイと向き合う機会をずっと探してたんだと思う”

“だから、まずは二人で思う存分に話し合ってみて”

“もしも私が必要になったらいつでも呼んでくれていいけど……それまでは待ってるから”

「でも、先生は……それでいいの？」

“うん。生徒の悩みを解決するためなら、私はいくらでも力になるつもりだけど”

“モモイ自身が助けを望んでない問題にまで首を突っ込むのは、流石にお節介だから”

“……生徒の力だけで解決できる問題を、なんでもかんでも「先生」が取り上げちゃうのも、ためにならないしね”

117二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:40:00

“そもそも今回は……仮にもっと早くに話を聞いていたとしても、私にできることはあんまりなかったって思う”

“……ううん。私がいなくたって、モモイやみんなは心配なかった”

“自分たちの力で、今まで抱えてきたものと向き合って、お互いに話し合って、慰め合って……”

“ひとつひとつ乗り越えて、ここまで辿り着けたんだから”

“だから、ここまで来たら”

“私にできるのは……あとはもう、信じることだけ”

「信じる、って……私を？」

“うん。モモイを”

“それに……ミドリや、ゲーム開発部のみんなのことを”

“だから、私が保証するよ。大丈夫だって”

“今のモモイなら、きっとミドリとも向き合えるから”

“いってらっしゃい。モモイ”

ありがとう、先生。

……私、行ってくる！

118二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:41:55

このレスは削除されています

119二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:42:50

……あのさ！

ミドリと仲直りしたら、また部室でみんなでいっしょにゲームしよ！

もちろん先生も強制参加だから！　約束だよ！

“……うん。楽しみにしてるね”

～～～

……行っちゃった。

モモイとミドリ、大丈夫かな。

…………モモイ。

“今は、モモイとミドリを……二人のことを信じよう”

“あの二人なら、きっと大丈夫”

“……それでも”

“生徒たちの成長は嬉しいし、ここは二人の自主性に任せるべき場面だってことは分かってるけど”

“こういう時、見守るしかないっていうのは……少しだけもどかしいね”

120二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:45:05

(……バタン)

……ただいま、ミドリ。

………………………………。

～～～

あ、あのね、ミドリ。

事情はユズや、アリスから聞いてるって思うんだけど。

私、その……もういちど、ミドリと……

……モモイ。

　。

121二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 07:55:18

(とりあえずここまで)

(…とうとうここまで来ました)
(この物語のラスボス戦、モモイＶＳミドリの開幕でございます…)

実際のところ、今回のお話はあくまでモモイとミドリ、ひいてはユズやアリスも含めたゲーム開発部４人の気持ちの問題なので、先生はあんまり関わらせないことは結構早い段階で決めていたり。

今回の先生のスタンスとしては、よほど酷い拗れ方をしない限りはモモイたちやミレニアムの皆に任せて静観するという形になります…
流石にＣ＆Ｃに拾われる前のメンタルが底辺まで落ち込んでたモモイなら先生も何らかのアプローチを掛けていただろうけど、なんだかんだ今のモモイは結構立ち直ってるので大丈夫という判断。
時には迷って思い悩むのも青春のうちなのです。…たぶん。

というわけで、４スレに渡り続いたこの物語もついにクライマックス。果たしてモモイとミドリはもう一度「姉妹」に戻れるのか？
……しょっぱなから暗雲立ち込めてますがどうなることやら。

122124/01/05(金) 16:08:41

準備中…

123二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:12:08

(…最後の最後なのでうまく書ききれるか不安)

(もうあとは作者的にもモモミドに任せるしかない…)

み、ど……

……ごめん。

いろいろ考えてたんだけど、私は……

やっぱり今はまだ、あなたのことをもう一度「お姉ちゃん」って呼べない。

だってさ。考えれば考えるほど、頭の中がぐちゃぐちゃになって……

これから先……あなたとどう向き合ったらいいのか、分からなくなっちゃったの。

……だから。

いちばんはじめから、やりなおしたい。

私たちが「姉妹」になるより、もっと前の……

私たちが、はじめて会った時から。

124二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:23:51

……覚えてる？

私たちがはじめて会った時のこと。

はじめて、って……え？

そ、そんなの、私たちが生まれるよりももっと前で……

私だって流石に覚えてないし、ミドリだって……

……ううん。

私は、ちゃんと覚えてるよ。

……え。

125二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:26:23

なんか不穏？

126二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:27:10

……思い出せる最初の記憶は、一面の真っ暗闇。
右を向いても、左を向いても、なんにもない暗闇しか広がっていなくて。
くらくて、こわくて。
私はひとりぼっちで……ただずっと、うずくまって震えていたの。

……どれくらい、そうしていたのかな。
ふいに、とっても遠くの方に……ほんの一筋だけ、ちっぽけな光が見えて。
そして、だれかの声が聞こえたんだ。

それが私の名前を呼んでたんだってことを理解したのは、もっとずっと後のことだったけど。
でも……その光を目指して歩き出すための勇気すら、私には無くって。
ただ、怖くて泣いていることしかできなかった。

そうしたらね。
いつのまにか私の隣にいた「誰か」が、わたしの手を取って。
「だいじょうぶだよ」「こわくないよ」って言って、
私の手を引いて、歩き出して……ほんの一筋の光が差す方へ、連れて行ってくれた。

ひとりぼっちじゃなかったんだって。
その子が隣にいてくれると、なぜだか不思議と安心できて。

この子となら、きっと大丈夫。そう思えたから。
だから、私は……
その子と二人で……光の向こう側の世界に、一歩を踏み出した。

……それが、私の最初の記憶。
私が、この世に生まれた時の思い出。

127二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:33:21

……なんてね。

生まれた時の記憶なんてそんなにはっきりと覚えてるわけないじゃん。

きっと、ただ私がそうなんだって信じたいだけ。

普通に考えたらさ。

たぶん、ずっと昔……二人で迷子になった時にあなたに助けてもらった思い出と、ごっちゃになってるだけなんだろうな。

……ミドリ。

……思い出したんだ。

あの時、あなたが……モモちゃんが、こわくないよって私を助けてくれた時。

……本当は、気づいてたんだ。

大丈夫だよ、怖くないよ、って。私の手を握って、引っ張ってくれて……そんなあなたの手だって、私と同じように震えてた。

本当は……あなたも怖くって、不安で仕方なくって、

だけど私のために、必死でそれを隠してたってことに。

気付いてたのに、気づかないふりしてた。

128二次元好きの匿名さん24/01/05(金) 21:42:52

(ちょっと休憩…)
(つづきは明日になるかも…)

129二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 01:56:52

保守

130二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 02:30:01

私たちは、生まれた時からずっとふたりだった。

あなたが隣にいてくれさえすれば、私はどんなことだって怖くなかった。

……ううん。怖くたって、立ち向かっていけた。

あなたと私は、ずっと、ふたりでひとりで。

私はあなたで、あなたは私……だった。

なのに……あなたが、私の前で「お姉ちゃん」するようになってから。

私、あなたの考えてることが全然わからなくなって……

あなたはどんどん私の知らない私になっていって、変わっていって……

なのに私は立ち止まったままで、あなたに引きずられて、ついていくのが精一杯で。

昨日まで、確かに自分の半身だったものが……日に日に自分じゃなくなっていくような気がして。

……気持ち悪かった。

……………………。

131二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 02:33:03

でも……あの頃、私があなたと距離を置くようになった一番の理由は、

たぶん、後ろめたかったから。

だって……私の前だと、あなたはいつも強がって無理しちゃうから。

私みたいな足手まといと無理してずっと一緒にいるより、ひとりで自由気ままに生きていった方が幸せなんじゃないか、って……

そんなこと、ないよ……

……うん、そうだね。

そんなこと、あなたが思うわけないのに。

だから……きっと、それも言い訳。

本当は。

そんなあなたの隣に居ることに、私自身が耐えられなかったんだ。

私は、あなたになれなかったから。

あなたのことが、大嫌いだった。

だから……

最初にあなたの手を離したのは、私の方。

132二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:02:11

あの日。

あなたといっしょにテイルズ・サガ・クロニクルを遊んで、最後までクリアして。ゲームってこんなに面白いものだったんだって感動した。

私ももっとゲームを遊んでみたい。そしていつかは、こんなゲームを作ってみたいって……そう思った。

でも、それ以上に……

昔みたいに、また……あなたと同じものを好きになれたことが、嬉しかった。

あなたと二人で遊べたことが、楽しかった。

あなたと二人でゲーム開発部に入部して。ユズちゃんやアリスちゃんとも友達になれて。

大変なこともたくさんあったけど……それでも毎日がずっと、幸せだった。

私たちはもう「同じ」じゃないけど……

それでも、同じものを見て、同じことをして……同じ喜びを分かち合えるなら。

もう一度あなたといっしょにいてもいいんだって、そう思えたから。

……でも。

今にして思えば、心のどこかではずっと不安に思ってた。

あなたといっしょにいて楽しかったのは、もしかしたら私だけで。

本当は……あなたはまだずっと、私のために無理をして強がったままでいるんじゃないかって。

……そんなはずないって思いたかった。

だって、ようやく……ようやく！　また、あなたと仲直りできたんだもん！

昔みたいにまた、いっしょに遊べるようになったんだもん！

それが全部、「嘘」だなんて……思いたくなかった！　言ってほしく、なかった……

133二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:04:50

だから……

『もう──』

『──お姉ちゃん、辞めたいな』

あの日、あなたの本音を聞いて……本当に、ショックだった。

……許せなかったんだ。

今までずっと、私たちに嘘を吐いてたあなたのことを。

……そんなあなたに、ずっと嘘を吐かせ続けてた、私自身のことも。

134二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:07:00

……わかんないよ。

あなたにお姉ちゃんでいてほしいのに、これ以上お姉ちゃんをしてほしくない。

あなたとずっと一緒にいたいのに、私と一緒にいることであなたに傷ついてほしくない。

あなたのことが大嫌いで、大好きで……

どうしたらいいのか。

これからどんな風に、あなたと向き合ったらいいのか、分からない。

あの時も……今も。

もう全然……わかんないんだよ。

135二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:12:15

……ねえ、「モモイ」。

正直に、答えて。

あなたは本当は……私のこと、どう思ってる？

私のことを、邪魔だって、足手まといだって……

……私の「お姉ちゃん」を辞めたいって、本当にそう思っていたの？

もしも、そうだったなら……

私はこれ以上、あなたに無理に「お姉ちゃん」を押しつけたくなんか……

……………………。

……ミドリ。

136二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:17:43

(……がしっ)

……！？　な、に……？

いきなり……肩、掴んで……

……すぅぅぅぅーーーっ。

………………………………。

……………………。

…………。

そんなわけ、っ……

……ないでしょうがああぁぁぁぁーーーっ！！

（──ごっちーーーーんっ！！！！）

137二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:30:32

このレスは削除されています

138二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:31:46

っ……

……うっわぁぁん！　痛いよーーー！

……！！！？！？！？！？

い、痛いのはこっち……っていうかいきなり頭突きって……何考えてるのお姉ちゃんっ？　

だいたいなんで仕掛けてきたお姉ちゃんの方が私より痛がってるの！？

意味わかんない！

だ……だってさ！　私だって、ミドリとちゃんとお話しなくちゃって思って！

まずはミドリの話を聞かなきゃって、ずっと黙って聞いてたのに……

ミドリがあんまりにもおバカさんなこと言うんだもん！

私がミドリのことを邪魔だとか足手まといだとか、そんな風に思ってるわけないじゃん！

だいたい……私が今まで嫌々ミドリの、みんなのお姉ちゃんをやってきたとでも！？

……分かったよ。だったらもう、はっきりと言ってやるんだから。

私がミドリやみんなの前で、今までずっと「お姉ちゃん」をやってきたのは……

──その方が、カッコいいからだよ！！！！！！！

139二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:32:46

確変kt

140二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 03:33:16

(ひとまずここまで！)

(そろそろこの物語もゴールが見えてきました…)
(モモイとミドリの行方やいかに…？)

141二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 07:25:23

ゲーミングモモイw

142124/01/06(土) 07:57:10

(ここまで来たら最後まで駆け抜けたいので、もう少しお待ちを…)
(たぶん今日中には完結予定)

143二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:10:20

……は？

え、えっと……お姉ちゃん？

えーと、あはは。

私もつい最近まで忘れてたんだけど……思い出してみれば単純な話でさ。

あの日……二人で迷子になって、ミドリの手を引いてみんなの所まで連れていった時。

みんなから偉いねって褒められたことが。ミドリからありがとうって感謝されたことが。

……ミドリの「お姉ちゃん」でいることが、嬉しかったから。誇らしかったから。

私が、自分で決めたんだ。

ミドリの……私の大切な妹の前では、

この子の姉として恥ずかしくない、強くて頼れる「お姉ちゃん」になろうって。

……だから、きっと。

誰よりも早く、誰よりも強く、私に「お姉ちゃん」を押しつけてた人がいたとしたら……

それは他の誰でもない、私自身だったんだ。

144二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:13:13

……私は、さ。

本当はみんなが思ってるほど、心が強くも、前向きでも、楽観的でもなくて。

それでもミドリやユズやアリスの居場所を守りたかったから、今までずっと頑張って、ポジティブで無敵の「お姉ちゃん」を演じてた。

それはきっと……捉えようによっては「嘘」って言われるのかもしれない。

……今まで、それがいけないことみたいに自分でも思い込んでた。

だからみんなには絶対に内緒にしなきゃって、心のどこかで思ってたのかもしれない。

でもさ……

アリスに言われて、ようやくぴったりの言葉を見つけられたんだ。

──それが、私の「夢」だから。

演技だとか嘘だとか、そんな風に言ったら聞こえが悪いけどさ。

ミドリやみんなを守れる、無敵のお姉ちゃんになりたかった。

だから私がなりたい私になろうって、ずっと頑張ってきた……ただそれだけなんだ。

145二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:16:41

そりゃあ、たまには疲れて辛くなって「お姉ちゃん辞めたい」だなんてぽろっと口から出ちゃうこともあったけど。

それでも……ミドリやみんなのことを、重荷だなんて思ったことは一度もないよ。

ミドリのことを嫌いだなんて思ったことは、一度もない。

だって……なりたいとか、なりたくないとか、それ以前に。

私は、ミドリのお姉ちゃんなんだから。

それだけは、信じてほしいな。

…………っ！

146二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:18:42

……えっと、さ。

今度は私からも質問していい？　ミドリ。

私がミドリのお姉ちゃんで……嫌じゃなかった？

………………………………。

そんなの……

嫌……なわけ、ないじゃん……！

だって……お姉ちゃんは、私のお姉ちゃんだもんっ！

ドジで考えなしで、いっつもトラブルばっかり引き起こして……何度も何度も苦労させられたけど！

それでも、いつも私のことを助けてくれて！　怖がりな私に、いつだって一歩踏み出す勇気をくれて！

そんなお姉ちゃんのことが大好きで！　大好きだったからこそ……お姉ちゃんの全部を分かれないことが辛くって！

私のせいで、お姉ちゃんを傷つけてるかもしれないってことが……

お姉ちゃんの足手まといにしかなれない私が、どうしようもなく嫌いだった……！

私だって、今からでもお姉ちゃんの妹に戻りたいよ！

でも……そうしたらお姉ちゃんはまた私たちのために苦しんで、傷ついて……同じことの繰り返しになっちゃう！

そんなの、わたしは……！

147二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:23:49

……そっか。

ずっと心配かけて、ごめんね……ミドリ。

でも、さ。

私は……

……あのね。

このあいだ、私……すっごい怖い夢を見たんだ。

悪いやつにミドリが攫われて、私とユズとアリスで助けにいって……

だけど、悪いやつはとっても強くって、結局ミドリを助けられなかった、だけじゃなくって……ユズやアリスまで、最後にはいなくなって……

私が、ひとりぼっちになっちゃう夢。

本当の、私は……そんなに強くないよ。

ミドリが……ユズが、アリスが……みんながいなくなっちゃったらって思っただけで、もう足が竦んで……一歩も動けなくなっちゃうくらい。

そんな未来を受け入れるのが、どうしてもどうしても嫌だったから……今までずっと、がむしゃらに頑張ってきたの。

もしも、それが強さだっていうなら……

それはきっと、私が強かったわけじゃない。

みんなが……私の大切な人たちが、私のことを強くしてくれてたんだ。

ミドリが私の足手まといだなんて、とんでもない。

だってさ……私がみんなを助けてきた以上に、私だってみんなに助けて貰ってきたんだよ？

もちろん、ミドリにだって。

だから……ミドリが自分を責める必要なんて、これっぽっちもないんだよ。

148二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:28:06

でも……

お姉ちゃんは……これからも「お姉ちゃん」で、平気なの？

んー、大丈夫！

って言いたいとこだけど……正直ちょっと自信ないかな。

だから、今までみたいに無理して強がるのは、これからはほどほどにしようって思う。

でも、その代わり……

私がちょっと無理だなーってなった時は、無理しないで素直に、ミドリやみんなに助けてもらうことにするから。

……決めたよ。

私は「お姉ちゃん」を辞めない！

だって、それが私のやりたいことなんだもん。

だからね。おねがい、ミドリ。

おバカで、頼りなくって、時々情けないお姉ちゃんだけど……それでも一生懸命頑張るから。

だから……

もう一度……私と、姉妹になってください。

149二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:31:25

……そん、なの。

当たり前、じゃん……！

お姉ちゃんが、私のお姉ちゃんじゃ、なかったら……

……いったい、なんだって、いうの……！

わたし、は……！

うああ……ああああぁぁぁ……ぁぁぁああんん！！！！

……ふふっ、ミドリは変わらないね。あの時と同じで泣き虫のまんま。

やっぱりまだまだ、私が手を握って引っ張ってあげなきゃダメかー。

……うるさい。お姉ちゃんだって、昔は私と同じくらい泣き虫だったくせに……

ていうか、今だってわりと泣き虫のままじゃん！

150二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:33:18

だいたい、あの時だって元々は……お姉ちゃんが探検に行こうって私を誘って、勝手に二人だけでみんなからはぐれて……

もとはと言えば、お姉ちゃんのせいで迷子になったんだからね！

あ、あれぇっ？　そ……そうだっけ？

そうだよ！　もう！

お姉ちゃんは昔っから……

……昔から、お姉ちゃんだったよね。

……うん。

そういえば、そうだったかも。

151二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:37:35

～～～

……ねえ、ミドリ。

私たち……双子で、姉妹だけど。

お互いのことで知らないこと、案外まだまだたくさんあったんだね。

……私、ミドリのお姉ちゃんにならなきゃって、ずっと頑張ってきたけど……

でも、そのせいでミドリの好きなものとか、悩みとか、分かってあげられなくって。

ミドリの気持ちを全然考えられてなくって……独りよがりだった。

……ごめんね。

「……そんなの、当たり前だよ」

「だってお姉ちゃん、辛いことほど私に教えてくれないんだもん」

「私だって……お姉ちゃんに言えなかったこと、いっぱいあったし……」

「本当はもっと……お姉ちゃんと、本音で話したかった」

「だから……話せて、よかった」

「……お姉ちゃんが、話してくれて、よかった」

……そっか。

私も……

こんな風にミドリと話したの、なんだかすっごい久しぶりな気がするな。

152二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:39:11

～～～

「……ねえ、ミドリ」

「もしも、ミドリの方がお姉ちゃんで、私の方が妹だったら……」

「私たち、どうなってたかな？」

……どうだろ。

もしも私がお姉ちゃんで、お姉ちゃんが妹だったとしても……

案外、今みたいな感じになってたんじゃないかな。

だって、もしもお姉ちゃんとして生まれたって私は私だし、お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん。

「そ、そうかな……？」

「……案外、そうかも」

だいたい、しっかり者のお姉ちゃんなんて想像つかないしね。

「あー！　言ったなー、この妹めー！」

153二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:40:57

～～～

……ねえ、お姉ちゃん。

いっこだけ、約束して。

お姉ちゃんがお姉ちゃんぶるのは勝手だけどさ。

もう絶対、無理はしないで。

お姉ちゃんを辞めたくなるくらい辛くなる前に……私やみんなに、ちゃんと相談して。

……お願い。

「……うん」

約束、だよ。

154二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:45:28

～～～

……あのね、ミドリ。私からも、お願い。

ほんの、たまにでいいから……

私も一日限定で、甘えんぼモードになっても……いい、かな？

「……当たり前じゃん」

「毎日……は流石に無理だけど、私がお姉ちゃんに甘えるのと同じくらいなら」

「たまには私だって、お姉ちゃんのこと慰めて甘やかしたげたいもん」

そっか。……今でも、大丈夫？

「もちろん」

……ありがとう。

～～～

ミドリ……

あのね、私……私、ね……

いままで、ずっと……ずっと……っ！

……うん。

ずっと、ずうっと、私たちのために頑張ってくれたんだよね。

……ありがとう、お姉ちゃん。

155二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:48:37

～～～

……あ、そうだ。

すっかり忘れるところだった。

「？」

ねえ、ミドリ……ゲームしよっ！

え……？

い、いきなり何？　お姉ちゃん……

ほら！　ミドリとケンカしちゃったあの日……私たちゲームで対戦してたじゃない。

あの時は「負けっぱなしなんて悔しい！　後で絶対続きやるんだからね！」って言ったまま部室を飛び出しちゃったから……

あの時のリベンジ、今からやろーよ！

……私たち、今までいろいろギクシャクしちゃってた時もあったけど。

ゲームをしてる時だけは、他のこと全部忘れて楽しめたじゃん。

それに私ってほら、難しいこと考えるの苦手だからさ。

心の底から立ち直って仲直りするには、小難しい理屈を並べるよりも……

やっぱりみんなで心行くまま、思う存分に遊んで笑って楽しまなくっちゃって思うんだ！

156二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:53:27

……はぁ。相変わらず、お姉ちゃんは勢い任せの行き当たりばったりなんだから。

でも……そうだね。今はそういうのも悪く無い気分かも。

うん、受けて立つ。

だけどその代わり……私が勝ったら、今度は一日だけ私がみんなの「お姉ちゃん」になってやるんだから。

覚悟しててよね、お姉ちゃん！

……うえぇっ！？　ま、まさかの下克上狙い！？

でも……あははっ、望むところだよ！

それじゃあ早速、一日限定お姉ちゃんの座を賭けた仁義なき姉妹対決を、いざ……

157二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:53:55

(バタンッ！)

うわあっ！？　って……あ、アリスちゃん！？

ずるいですモモイ！　ミドリ！

アリスたちに黙って二人でゲームだなんて！

ゲームで対戦するならアリスも混ぜてください！

アリスが勝ったらアリスが一日限定お姉ちゃんになります！

ちょっ……アリス！？　それに、ユズまで……

ご、ごめんねモモイ、ミドリも……二人きりで話がしたいって言われてたけど……

その、やっぱり気になって……全部、聞いてました……

……あ、でも。ゲームで対戦するなら、わたしも一緒にやりたい、かな……。

158二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 11:59:26

……ふふっ！

「お姉ちゃん？」

そうだよね。私たち、いっつもこんな風だったっけ。

なんだか今……すっごい「帰ってきた」って気がしてる。

……ミドリ、ユズ、アリス。本当に、ありがとう。

さんざん悩んで、迷って、ここまで辿りついたけど……

やっぱり、この気持ちだけは、最初から最後までずっと変わらなかった。

私、みんなのことが大好き！

「……はあ。何を今さら、当たり前のこと言ってるんだか」

「うん……私も大好き、だよ。モモイ」

「はい！　アリスもモモイとミドリとユズが、ゲーム開発部の仲間たちが大好きです！」

よーし！　それじゃあせっかくだから、四人対戦プレイできる格ゲーで！

勝った人が明日一日、ゲーム開発部の一日限定お姉ちゃん……ついでに一日限定部長の座も賭けちゃおー！

「え、えぇ！？　ぶ、部長の座は……わ、わたさにゃい……！」

「ふっ、燃えてきたね！　手加減は抜きだよ！」

「やります！　明日のアリスは、部長でお姉ちゃんで勇者です！」

……それじゃあいくよー、みんな！

ゲーム開発部ファイト……レディー、ゴー！

159二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:00:59

～～～

それと……

──これからもよろしくね、みんなっ。

160二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:14:42

(モモミドパート、完……！)
(次回のエピローグをもってこのお話は完結となります…)

モモイとミドリの最後の対話はしっかりプロットを組んでたわけではないので筆の走るまま書いてみたけれど
果たして違和感なく書き切れただろうか…自信がない…

ここだけモモイは本当は周りが思ってるほど心が強くも前向きでも楽観的でもないけれど、
それでもなんだかんだ言ってもモモイは光の子なんです。

ゲームを一人で作るのは大変。きっとそういうお話。

161二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:31:25

おつ！

162二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:44:08

(もうちょっと間を開けるつもりだったけど、書き上がったのでエピローグを投下)

(これが最後の更新になります…)

～～～

“それで……結局どうなったの？”

はい！　モモイの大逆転勝利でした！

だから今日一日は、モモイお姉ちゃんがゲーム開発部の一日限定お姉ちゃんです！

ううっ、悔しい……です。でも……決めごとには従います。

今日だけはモモイがゲーム開発部の一日部長で、みんなの「お姉ちゃん」役、ってことで……

……そしてわたしは、ただのヒラ部員に……うぅ。

まぁ、ほとんどまぐれ勝ちみたいなものだったけど。

……でも、負けは負け。悔しい。次は絶対リベンジしてやる。

覚悟しててよね、お姉ちゃん。

163二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:44:39

“も、モモイが対戦ゲームで、ユズやみんなに勝った……？”

……ちょっ、何その顔！　さては先生信じてないでしょ！

ま、まあ私だって自分が勝てたのにはビックリだったけどさ……

ていうかそもそも、4人対戦のゲームだったのにUZQueenが強すぎて3対1でも全然勝負にならなかったんだって！

苦し紛れの自爆技で全員相打ちの引き分けみたいになって、たまたまほんのちょびっとだけHPが残ってたのが私のキャラだけだったんだよー！

……でもまあ、決まっちゃったものは仕方ない。

今日一日は……今までとあんまり変わらないけど、私がみんなの「お姉ちゃん」ってことで。

164二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:46:31

そんなことよりお姉ちゃん。せっかく先生も来てくれたんだし、次のゲームの企画会議始めるんでしょ？

今日はお姉ちゃんが一日部長も兼ねてるんだから、ちゃんと仕切ってよね。

そ、そうだった……

っていうか最近バタバタしてたから新しい企画なんて全然考えてないよー！

月末の活動報告書の提出期限までに方針決めないと、またユウカにどやされちゃう……

……あ！　そ、そうだ！　こんなのはどう？

いっそ私たちと先生との今までの思い出をゲームにするっていうの。

タイトルは、私たちと先生との青春の物語……題して「〜Blue Archive〜(仮)」で！

……却下。

な、なんでー！？

いいアイディアだって思ったのに！

165二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:48:08

だって……そんなの普通に考えて、次の納期までに絶対間に合わないじゃん。

私たち今までたくさん先生と冒険してきたし、これからだってめいっぱい冒険を続けていくんだから。

シナリオだけでもとんでもない分量になるのは分かり切ってるし……だいたい、どうやってオチをつけるつもりなの？

わ、わたしも……今度の締切までに仕上げるには、ちょっと壮大すぎるって思うな……

はい！　アリスも反対します！

なぜならアリスたちと先生の冒険はこれからですから！

中途半端なところでエタって打ち切りエンドなんてもったいないです！

……うん。そういうことだから。

将来的にはともかく、今作るのは現実的じゃないからね。ガマンしてお姉ちゃん。

そ、そんなぁぁ……！

166二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:49:03

“でも、ミドリたちの言うことも分かるかな”

“次の締め切りまであんまり時間もないし、そういう企画はまたの機会に……”

“そうだなあ。例えば私がこのキヴォトスを離れることになった時にでも改めて……”

だ、ダメだよ先生！　そういう台詞は死亡フラグなんだから！

なんだかよくないパラレルワールドの記憶が垣間見えちゃったんだよ！

そういうのは軽々しく言っちゃダメ！！　絶対！！！！

“ご、ごめん……”

167二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:49:50

でも……そっか。

みんなの言う通り、思い出(アーカイブ)にするには、まだ早いよね。

だって──

　　　〜 B l u e A r c h i v e 〜

──私達と先生との、青春の物語(シナリオ)は……

──まだまだこれからも、ずっと続いていくんだから。

168二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:52:16

「……それじゃお姉ちゃんは放っておいて、他に案ある人ー？」

「はい！　アリスはスニーキングアクションゲームを提案します！　スパイとして裏カジノに潜入して敵の目をごまかしつつ情報を入手する緊張感溢れるハードボイルドミッションです！」

「……あ。それなら前にオークションの警備をした時の、段ボールに隠れるアクションを入れたら面白くなるかも……」

～～～

「……あのさ、先生」

「先生は、私が『お姉ちゃん』をしてるってこと……気づいてた？」

“……そうだね”

“モモイの夢がみんなを守れる「お姉ちゃん」になることで、そのために今までずっと頑張ってきた……っていうことは知ってたかな”

「そっか。……先生なら、そうだよね」

“……ごめんね、モモイ”

“結局、私は今回ほとんどみんなの役に立てなくって”

“モモイが一番苦しい時に、モモイの悩みを聞いてあげられなかったから”

“本当に、ごめん”

や、やめなよ先生！

私たち今まで何度も先生に助けてもらってきたのに、これ以上なんでもかんでも先生に頼ってたらバチが当たっちゃうよー！

……それにね。

今回のことは、いつかは私たちだけで向き合わなきゃいけない問題だったって思うんだ。

あのまま私が中途半端に「お姉ちゃん」を続けてたら、きっといつか……どこかでもっと後悔することになってたかもしれない。

ミドリやみんなの本当の気持ちも、知らないままで終わっていたから。

169二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:53:22

……みんなとは仲直りできたけどさ。

それでもきっと、完全に今まで通りの私たちには戻れないって思う。

でも……

私、もうお姉ちゃん辞めたいだなんて言わない！

ううん。そもそもお姉ちゃんなんて、辞めたいって思って辞められるものじゃないもん。

ただ……みんなのお姉ちゃんだからって、いつでもポジティブで無敵でいる必要はないって思うようになっただけ。

今回さんざん悩んで、みんなのことを振り回しちゃったけど……でも、その中で気付いたんだ。

私だけじゃなくってさ。ミドリも、ユズも、アリスも……

ううん。きっとみんな、本当は周りが思ってるほど単純じゃない。

誰だって、誰にも言えないような悩みや隠し事があって、時には抱えてるものに押しつぶされそうになって苦しんだりする。

……本当に「強い」人間なんて、本当はどこにもいないのかもね。

170二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:54:25

……でもさ。弱くたって、いいじゃん。

もともと私は、自分一人だけで「お姉ちゃん」できるほど強くもなんともないもん。

みんながいてくれるからこそ、私はみんなの「お姉ちゃん」でいられるんだから。

だから……

苦しい時は、無理せず素直に「助けて」って言っていい。誰かを頼っていい。

そして……いつか私を助けてくれた誰かに「助けて」って言われたら、今度は私が助けてあげればいい。

友達って、そういうものでしょ？

なんだかんだで私たちは、今までもそうやってきたし。

これからだって、そうしていくよ。

171二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:56:52

“そっか”

“……モモイは、自分は強くもなんともないって言ってたけど”

「？」

“それでも私は、やっぱりモモイは強い子だって思うよ”

“私が教えるどころか……モモイやみんなからは、いつだって教わることばっかりだね”

ええっ？　そ、それって……私たちが先生の「先生」になれたってこと！？

せ、先生からそんなこと言われると……なんだか、ちょっとだけ照れちゃうな。えへへ……

“……私だって、今までモモイやゲーム開発部のみんなから、たくさんの勇気や元気を貰ってきたから”

“だから私はこれからも、全力でモモイたちのことを助けるし”

“これからも全力で、モモイに助けてもらいたいかな”

“──よろしくね。モモイ”

うん！　私たちも全力で先生を頼るし、頼ってもらうから！

だから……

いつだって何だって、私たちゲーム開発部にお任せだよー、先生っ！！

172二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:57:50

～～～

お邪魔するわよー。……あら。先生もいらしていたんですね。

……モモイも元気になったみたいで、よかった。

あ、ユウカ！　……えっと、心配してくれてありがと。

でも……ユウカやみんなのおかげで今度こそ完全復活！　今の私は超強化女子生徒、パーフェクトモモイだよ！

これからは今まで休んでた分、じゃんじゃんゲーム作っていくんだからー！

そっか。……うん。その様子なら、もう大丈夫そうね。

そこまで元気が戻ってるなら……

もうそろそろ、いつもの調子に戻ってもいい頃かしらね？

……えっ。

173二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:58:33

……ところでモモイ？

あなたがＣ＆Ｃの見習いとしてこの間の裏カジノに潜入してた時のことで、ちょっとお話があるのだけど……

この請求書にある、ギャンブル代１億ってどういうことかしら？

うげぇ！？　そ、それはその……

……ていうかちょっと待って！　たしかＣ＆Ｃの任務上で発生した経費は全部セミナー持ちって最初に聞いたんだけど！？

もちろん、それが必要経費と判断されたものならね。

でも……ありえないとは思うけど、もし万が一にも誰かさんが任務にかこつけて散財してミレニアムのお金で遊び惚けていた、なーんてことがあったら大問題ですもの。

セミナーの会計として、ミレニアムの部活動の予算の使い道についてはちゃ～んと把握しておかなくちゃ。

というわけで……モ～モ～イ～？

この後ちょっと、セミナーでお時間頂けるかしら？

174二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 12:59:51

ま、待ってよユウカ！　これにはやむにやまれぬ事情が……

そ、そうだ！　こんな時こそ……みんな！　私がピンチな時はみんなで助けてくれるって約束してくれたじゃん！

もう私お姉ちゃんやるの無理！　だからだれか助けてよー！！！

いや、今回はどう考えても私たち無関係だし。

ユウカのお説教なら自分一人で受けなよお姉ちゃん。

え、えっとその……わたしも……こうなったユウカちゃんを説得するのは、無理。

頼りにならない部長でごめんね、お姉ちゃん……

はい！　時には仲間のために一人で試練に立ち向かうのも勇者の使命です！

あとで骨は拾いますから、ここはソロで耐えてください。お姉ちゃん！

“大丈夫。モモイならきっと乗り越えられるよ”

“それじゃあ行ってらっしゃい、お姉ちゃん”

うふふ♪　さーて、それじゃあ……

たーーーっぷりとお話を聞かせて貰いますからね、モモイお姉ちゃん？

175二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 13:00:54

……うっわああああああああああああああぁぁぁん！！！！！

もうお姉ちゃん辞めたいいぃぃぃぃぃ！！！！

～～～～～～

モモイ「もうお姉ちゃん辞めたい」

～おしまい！～

176124/01/06(土) 13:10:22

というわけで、この物語はこれで完結！
お付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました！！！！

原作モモイはこのスレほどメンタルが危うくはないだろうけど
それでも単なる考えなしじゃなく、ミドリやみんなを守れるお姉ちゃんムーブを自覚的に担ってるっていうのは公式設定…のはずです
なのでモモイを含めたゲーム開発部４人の、原作でもちょっとは思ってそうな隠し事やコンプレックスを徹底的に誇張してこじらせてみたらどうなるの？っていうのがこのスレの裏テーマだったりします。悪趣味！
…いや、1スレ目立てた時点では単に思いついたここだけモモイのシチュをみんなで語るだけのスレになる予定だったんですが。興が乗ってSSなんて書き始めたら止まらなくなって4スレ使ってしまった…

途中当初の予定になかった裏カジノ編とか挟んで長々と続けてしまいましたが、ここまで読んで頂いた読者の皆様に少しでも楽しんで頂ければ幸いです
それでは、ご縁があればまたどこかで

やっぱりゲーム開発部は最高だぜ！！！！

177二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 13:12:10

安定のオチ
壮大なお話、完結乙でした

178124/01/06(土) 13:19:35

ちょっとした蛇足なんですが
このスレの終盤書いてる途中に１スレ目が某動画サイトに転載されてるのを発見しまして
そっちのコメント欄にやたらハイクオリティな鬱SSが投稿されていたもので、自分で提唱した概念なのに読んでてちょっぴり鬱になったり…

こ、これが人を呪わば穴二つ、因果応報か…

皆様も曇らせスレを立てる時は気をつけましょう
思わぬところからしっぺがえしを食らうぜ…

179二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 13:22:01

おつおつ。やはり最後はこのBGMでなくちゃ（空耳）

180二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 13:46:48

完結お疲れ様でした！ずっと追っててよかった！
良い落ちどころになったなあ。最後ミドリがちゃんとしようとしてたけど動揺してお姉ちゃんって呼んじゃうのとか楽しくなったｗ
本当に青春って感じで読んでて甘酸っぱい気持ちになりました。オチも良かったですｗ

概念はそれぞれ持ってるから他の人が曇らせで終わらせても俺はこういったぶつかり合って地固まるエンドが本当に好きです！
なんだかんだで底はみんながそれぞれ抱えやすい青春の悩みだからね！
本当にいいお話ありがとうございました。

181二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 14:25:09

完結乙です、やっぱりゲーム開発部はこうでなくちゃな！！

182二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 15:17:37

どこまで堕ちても自分達で這い上がって再び輝き始める事ができるのはもう魂の根本が光なんだなぁって

183二次元好きの匿名さん24/01/06(土) 17:41:37

完結乙です
面白かったです！

184124/01/06(土) 23:48:14

中途半端にスレが余ったので以前建てたスレとかの宣伝でも

表情筋死んでるモモイスレ

ある意味このスレとは真逆のコンセプト

ここだけモモイの表情筋が死んでるブルーアーカイブ｜あにまん掲示板なお精神性は本編通りとするbbs.animanch.com

こっちは自分が建てたスレじゃないけど後半のSSはほぼ自分が書いてました

せっかくなので後半の展開をちょっとだけリンクさせてたり

元気出しなよアリス！｜あにまん掲示板そりゃあ先生を守れなかったのは私も残念だと思ってるけどさ！勇者は大切な人の死を乗り越えてこそなんだよ！bbs.animanch.com

>>186

185124/01/07(日) 07:32:54

後は適当に埋めていただければ…
それではまた

186二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 07:52:16

>>184

お疲れ様

2つ目の先生死亡ルートの限界アリスが当機呼びになって■■しようとする一連の流れ好き

187二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 11:46:32

保守

188二次元好きの匿名さん24/01/07(日) 18:43:22

埋め

189二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 05:42:18

しかしレインボーモモイはインパクトが強い画像だなw

190124/01/08(月) 08:11:25

ちなみにゲーミングモモイも表情筋が死んでるモモイも表情を偽るモモイも、元々は全部スレ主が作ったコラなんです…

元はといえば自作のコラ画像でここだけシチュ妄想したら面白そうだなって建てたスレだったんですよね

191二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 08:13:15

もしやいまあにまんにある数多のモモイコラで使われてるほとんどがこのスレ主さんなのでは…？

192124/01/08(月) 08:15:23

あとレインボーモモイは元々別にモモイの溢れ出る光属性が溢れてるわけじゃなく、ケイに吹っ飛ばされた内臓のかわりに冷蔵庫だのゲーミングライトだの仕込んでたスレが初出でした

こちらのスレ主は自分じゃないけどついでに紹介

ここだけマキの内蔵が｜あにまん掲示板飛び出さなかった世界線bbs.animanch.com

ここだけマキの内蔵が　完走スレ｜あにまん掲示板な　ぜ　完　走　し　た　し元スレhttps://bbs.animanch.com/board/2458397/bbs.animanch.com

193二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 08:25:59

全部じゃないだろうけど思ったよりこの人のモモイ率高そうだな…
モモイ神とお呼びしたい

194124/01/08(月) 08:28:47

以下特にスレ主が立てたわけでもないお勧めモモイスレ

モモイコラの聖地

これは怒り0のモモイ｜あにまん掲示板上機嫌だからもちもちしても怒らないbbs.animanch.com

盗品オークションスレ

レディースアンドジェントルマーン！お集まり頂きありがとうございます！｜あにまん掲示板いつも通り司会は主催のゲーム開発部所属才羽モモイだよ！ちょっと、そこジェントルマンは居ないとか言わないで！英語とかわかんないから！ｺﾎﾝ…セミナーにバレたらヤバいから今日も手短に行こうね！今週はシャー…bbs.animanch.com

レディースアンドジェントルマーン！まだまだ続くから盛り上がって行こー！｜あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/2448961/?res=26盗品オークションも折り返しに差し掛かって来たね！司会の才羽モモイだよ！ルールはリンクから前半戦の26を見てね…bbs.animanch.com