【クロス注意】生徒　東堂アオイ

「なんで毎回毎回関わってくんだ！　うっとうしいんだよ！」

ある日そうやって関わってくるのがうっとうしくて、ナメられてると感じた俺は、“先生”に対しても殴りかかった。
今思えば、恐怖だったのだろう。
他のヤツらはどんどん離れていくのに、こいつはずっと手を伸ばしてきていた。
それが理解できなくて、恐ろしくて、殴れば近寄ってこなくなるだろうって。
“先生”は無抵抗で殴られて、動かなくなって、俺はその場を立ち去った。
これでコイツも近づくことは無くなるだろうと思ったからだ。

“東堂さん”

翌日、“先生”は包帯で傷を塞いだ状態で、また説教を始めた。俺は殴った。
更に翌日、包帯を増やした“先生”は俺に説教を始めた。殴った。
それがしばらく続き...

「なあ“先生”。“先生”はなんでここまでしても関わってくるんだ？」

“先生”が全身包帯でミイラみたいな状態になった頃、俺はつい問いかけていた。
心底理解できなかったから、殴ってもわからなかったから。
ここまでされれば、俺を警察に突き出せば執行猶予無しで実刑になるくらいにはなってるだろう。

“私は“先生”だから”
““先生”とは生徒を守り、教え導くものだから”
“道に迷ってる生徒がいるなら、手を取って導くのが私の仕事”
“わかった？　じゃあ今日の説教を始めるよ。先ず...”

「“先生”はいつだって生徒の味方...か
　どうやら先生は“恩師”のようだな」
“今初めて会ったのに！？”