マックイーンにエスコートされる夢をみた

  • 1マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:29:45

    マックイーンと晩餐会に参加することになる夢をみましたので、忘れないうちにSSっぽく仕立ててみました。

  • 2マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:30:54

    確かあれは夕方というにはまだ早く、かと言って昼過ぎと言うには遅すぎる、そんな時間帯だというのを窓から差し込む光の具合から私はそう思った。

     私はトレーナー室のデスクで、多分事務作業をしていたのであろう。そこに彼女、メジロマックイーンがトレーナー室の扉をノックして入ってきて開口一番こう言った。

     「トレーナーさん、わたしと共に晩餐会に出ていただけませんか?」

  • 3マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:32:08

    マックイーンとは度々メジロ家関連のお茶会などに一緒に参加したことはあるが、晩餐会というのははじめてだ。
     彼女の頼みに私は二つ返事で了承した。手帳を開き、いつ開催されるの?と聞いた。私はマックイーンの返事に思わず手帳を取り落とした。

     「本日の夜ですわ」

     思わず耳を疑った。時計を確認する。いくらなんでも急すぎる話だ。いや、彼女がこんな話をしてくるのだ。きっとのっぴきならない事情があるのだろう。きっとそうだ。と私は私自身を納得させた。

  • 4マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:33:41

     「ところで、トレーナーさん。ドレスはお持ちですか?」

     ドレス?そんな物持っているわけがない。
     とはいえ、晩餐会ともなればちゃんとした格好でなければならない。いつぞやのお茶会の時のようなスーツ姿ではよろしくないだろう。
     正直にマックイーンに持っていないことを伝えた。
     すると彼女は何故かとても楽しそうな顔をして

     「ならば今から買いに行きましょう。大丈夫です、私行きつけのお店を紹介いたしますわ」

     またしても急な展開だ。しかし、既に晩餐会に一緒に出ると言ってしまったのを翻すわけにはいかない。

  • 5マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:34:24

     事務作業を放り出し、マックイーンに手を引かれて正門まで向かう。
     そこには待っていましたとばかりに黒色の光沢を放つ高級車と、ドアを開けて恭しくこちらを待つ執事さんの姿があった。
     フカフカのシートに緊張しながらニコニコと笑うマックイーンの隣にちょこんと座る。

     「本当ならオーダーメイドの方がいいのですが、今回は急ぎですからトレーナーさんに合うものを見繕いましょう」

     何が何だかわからない。思考を停止させている私を乗せて、滑るように車は走り出した。

  • 6マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:35:23

     「この方にドレスを二着、イブニングドレスとカクテルドレスを。あと長手袋と靴もお願いいたしますわ」

     連れられてやってきたのは誰がどう見てもお高そうなアクセサリーやドレスがきらびやかに並んでいるお店だった。
     なにが恐ろしいって値札がついていない。ここに買い物に来る人は値段など気にしないような階級の人たちなのだろう。
     テキパキとお店の人に指示を出すマックイーン。ああ、やっぱりお嬢様なんだな。と今更ながらに実感する。
     一方庶民の私はお店のお姉さんたちに身ぐるみを剥がされて、身体のあちこちを採寸されていく。
     若干たるんだお腹を気合いで凹ませながら、なすがままに試着を行っていく。

     (ちなみに、誰が得する情報かは不明であるが、そのときの私の下着は薄緑色のレースであったことは覚えている)

  • 7マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:36:15

     数回の試着を終えたあと、

     「とりあえずはこんなものでしょう」

     と、ヘロヘロになっている私の隣でマックイーンはお店の人に黒いカードを差し出した。
     一瞬、教え子に払わせるなんて、と思ったが急いでやってきたので財布を持っていない。そもそも財布を持っていたところでこのお店のドレスなんて買えるはずもない。仮にカードで買ったら即座に決済停止となるだろう。

     「あ、ありがとう?」

     お礼を言おうにも、思わず疑問系になってしまう。

     「気にする必要はありませんわ。今回は私がトレーナーさんに無理をさせているのですから」

     とは言え限度というものがあるのではないだろうか?
     また、マックイーンに手を引かれ車に戻る。

     (当然のように買った品物はお店の人が車に運び込んでいた。お金持ちは荷物を持たないって本当なんだー。と一人納得した)

  • 8マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:37:32

     隣に座るマックイーンにおずおずと声をかける。

     「マ、マックイーンお嬢様? 」

     一瞬きょとんとした顔を見せたあと、マックイーンはクスクスと笑った。

     「トレーナーさんにお嬢様と呼ばれるとなんだかくすぐったいですわ。いつも通りでよろしいのですよ?」

     「マ、マックイーン。そもそも晩餐会ってどこでやるの?」

     「あら、これは失礼。まだ仰っていませんでしたわね」

     ちらりと窓の外を見るマックイーン。

     「見えてきましたわ」

     思わず私もマックイーンの横から窓の外を覗き込む。
     高層ビルが立ち並ぶ中に佇む、一際趣のある建物。

     「今日の晩餐会の会場、帝国ホテルですわ」

     て、帝国ホテル……!聞いたことはあるし、近くを通ったことはある。しかしその程度だ。噂ではそれはもう素晴らしいサービスが提供されているらしいが……。

     「マックイーン、帝国ホテルって色々とすごい噂を聞くけど、実際どうなの?」

     少しだけ顎に手を当てて考える素振りをしたあと、こちらに優しげな笑みを向け

     「それはトレーナーさんが実際に体験してみてお決めになるべきですわ。それに言ってしまったら楽しみが減ってしまいますでしょう?」

     余裕綽々のマックイーンに私は思わず、「か、かっこいい……」と呟いてしまった。

  • 9マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:38:52

     私たちを乗せた車はホテルの正面へと停まった。当然のように駆け寄ってきたホテルマンによりドアが開かれる。

     「さ、トレーナーさん」

     一足先に降りたマックイーンがこちらに手を差し出しくる。私はその手を取ると彼女にエスコートされるように、いや実際エスコートされながら車から降りた。気分はさながらハリウッド女優のようだ。
     そして今日何度目だろう。彼女に手を引かれてエレベーターに乗り(後ろにはぞろぞろと大名行列のように荷物を持ったホテルマンたち)、ホテルの高層、スイートルームへと通された。
     スイートルーム、そう、スイートルームである。ドアを開けると部屋の中にさらにドアがある。そしてその小部屋がいずれもいつも私が泊まる部屋よりも広い。
    壁に掛けられた絵、テーブルの上に鎮座するライト。いずれも私には手が届かないような高級品であろう。

  • 10マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:40:26

     「それではトレーナーさん、お着替えがすみましたら、また」

     と、特にこのスイートルームに何の反応もなく、さも当然かのようにマックイーンは脇の一部屋へと入っていった。
     振り返るとドアの傍にメジロ家の女中さんが一人。

     「トレーナー様、お手伝いいたします」

     またしても私は身ぐるみを剥がされるのであった。

  • 11マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:41:13

     私が今袖を通しているのは、滑らかな生地の真珠色のドレスだ。かなりタイトなシルエットなのでお腹周りが少し苦しい。
     そして胸元と背中が大胆に開いている。マックイーンみたいな可憐なお嬢様ならともかく、私みたいな一般女性が着るのは少し勇気がいる。

     「背中、開きすぎじゃないでしょうか……?」

     「イブニングドレスとはこういうものです」

     と私のささやかなる抵抗も女中さんの前にはなんの意味もなさない。

     「息を吸って、吐いて、そのまま、失礼します」

     「んぐっ」

     ぎゅっと後ろからコルセットが締められる。よし、痩せよう。マックイーンばかりに減量させていられない。私も彼女と同じように苦楽を共にしよう。ぎちぎちと締められる音を聞きながら私は密かに決意した。
     最後に肘上までの長手袋に指を通す。まるで私のために誂えたかのようにぴったりと肌に吸い付く。あの短時間でしっかり見繕うとは、やっぱりプロの仕事というのはすごい。

  • 12マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:41:57

     「お疲れ様でした。これで終了です」

     長い裾を踏まないように気をつけながら部屋を出る。

     「まあ!トレーナーさん、とてもお似合いですわ!たおやかな黒髪に白いドレスがよく似合っていますわ。私の目に狂いはありませんでしたのね」

     すでにドレスアップをすませたマックイーンが褒めてくれる。なんだかくすぐったい。

     「衣装に着られている感じがするよ。全然慣れない」

     「そんなことありませんわ。マ子にも衣装ですわ」

     「それはマックイーンにこそ似合う言葉だと思うけど」

     マックイーンのドレスは黒に近い濃い紫色の落ち着いた、けれど気品あふれる物だった。彼女が着ると妖艶さすら感じる。

  • 13マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:42:34

     「そうでした、トレーナーさん少し後ろを向いて頂けますか?」

     するり、と細く白い指で私の首にかけられたのは彼女の瞳と同じ色のアメジストのペンダントだった。

     「さ、これで完成ですわ」

     「ありがとうマックイーン。何から何まで」

     「お礼を言うのはこちらの方ですわ。いきなりこんなところに連れてこられてトレーナーさんも驚いていらっしゃるでしょう?」

     確かに驚きはある。けれど私は彼女の隣に並び立つと決心したのだ。精々胸を張って名優の引き立てでもするとしよう。

  • 14マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:43:18

     「トレーナーさん、私の腕にお手を」

     「ん」

     彼女の右腕にそっと手を絡ませる。先導されるかのように彼女の傍に寄り添う。

     「今宵は私がトレーナーさんをエスコートして差し上げますわ」

     とてもとても嬉しそうに微笑むマックイーンに思わずドキッとしてしまい。私は無言で腕に絡めた手に少しだけ力を込める。
     彼女の半歩後ろを歩きながら、私たちは晩餐会会場への扉をくぐった。

  • 15マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:44:50

    以上です。
    忘れないうちに急いで出力したので粗末な文章ですが、あまりにもマックイーンが可愛すぎたので形にしました。
    思ったよりも長くなっちゃった。

  • 16二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 00:50:09

    こんな夜中にドキドキさせないでほしい
    ありがとうございます

  • 17二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 00:50:54

    イイね…

  • 18マックちゃんの夢女子22/01/11(火) 00:54:19

    深夜に読んでくれてありがとうございます
    私はマックちゃんとの夢の続きがみたいので寝ます
    おやすみなさい

  • 19二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 01:11:43

    こんなん夢女子になっちゃうよ

  • 20二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 10:59:32

    マックイーンお嬢様素敵だ

  • 21二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 18:17:07

    マックイーンはネタにされがちだけど実はめちゃくちゃかわいいよね

  • 22二次元好きの匿名さん22/01/11(火) 18:23:10

    いいじゃないのぉ

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