- 1二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:05:48
- 2キングヘイロー21/09/02(木) 20:06:12
スカイさんとフラワーさんと三人で学園近くのデパートへやってきた。
一応年頃の女の子が学校指定の水着しか持ってないのはさすがにまずいのではという話になったからだ。
初めての場所のせいかフラワーさんがきょろきょろとあたりを見渡す。
「水着は三階だよフラワー」
何度か私と来たことがあるスカイさんが彼女の手を取ってデパートの通路を歩いていく。
スカイさんも決して背の高い方ではないのだが、フラワーさんがより小柄なせいか少し頼りがいのあるように見える。
二人の姿を微笑ましく見つめながら後についていく。
水着売り場に着くと、フラワーさんが目を輝かせながら順々に水着を見ていく。
「いやあ、フラワーが楽しそうでなによりだよ」
「誰目線よそれ」
満足そうに腕を組んでいるスカイさんに対して苦笑しつつ肩をすくめる。
「あなたも水着選んできたら?」
「えー?キングに任せるよ~」
「あのねえ……」
「セイちゃんをキング色に染めるチャンスだよ~?」
一瞬言葉に詰まってしまった。
いつもの冗談のはずなのに、どうしようもなく顔が熱くなってしまう。
もじもじしていると助け舟がやってきた。
「スカイさん、どれがいいか見てくれませんか?」
きょとんとするスカイさん。
「……私よりキングのほうがセンスあると思うけど」
「スカイさんにかわいいって言ってもらえるのが一番ですから」
今度は真っ赤になっているスカイさんの手をフラワーさんが取って駆け出す。
二人の後ろ姿につい目を細めてしまう。
同時になぜか胸がチクリと痛む。
ふるふると首を振って痛みを紛らわす。
私と、ついでにスカイさんの分の水着も探そう。
胸の痛みに後ろ髪を引かれながら売り場へと向かった。 - 3二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:06:19
仲良し三姉妹っぽくていいよね……
- 4セイウンスカイ21/09/02(木) 20:07:29
「それでは着替えるので他の水着を持っててくれますか?」
フラワーの頼みを笑顔で快諾する。
試着室のカーテンが閉じられ、フラワーの姿が見えなくなる。
ふと、フラワーの選んだ水着が気になった。
手に持っている水着を見る。
それはいささか……明らかに布面積の少ないものだった。
「はいぃ!?」
思わず声を上げてしまった。
店員さんやお客さんがこちらに注目する。
まずい、このままだと私がいやらしい子だと思われてしまう!
「どうしましたスカイさん?」
カーテン越しにフラワーの声がする。
「な、なんでもないよ!」
「?そうですか、もう少し時間かかるので待っててくださいね」
周囲の人が得心したように各々の作業に戻る。
どうやらフラワーの水着を見繕っていることが伝わったようだ。
よかったよかった……。
いや、よくない!
それはそれで私がいたいけなフラワーにえっちな水着を着せようとしてるへんたいになるじゃん!?
ぐるぐると考えを巡らせているとカーテンが開いた。
「どうですか?似合ってます?」
フラワーはかわいらしいフリルのあしらわれた白と黄色の水着を着ていた。
とても似合っていたが正直それどころではなかった。
「ね、ねえフラワー。なんていうかいま私が持ってる方の水着はちょーっとフラワーには早いと思うんだけど……」
フラワーの目が妖しく光った気がした。
「へえ……?それじゃその理由を教えてくださいスカイさん。もっと、近くで」 - 5セイウンスカイ21/09/02(木) 20:07:51
次の瞬間、試着室に引きずり込まれる。
カーテンが閉められて初めてフラワーに両手を押さえつけられていることに気づいた。
学園でも有数のスプリンターである彼女は見た目よりもずっと力が強い。
彼女は片手で私の両手を押さえつけたまま、水着に手をかけた。
慌てて目を閉じる。
しゅる、ぱさ、と衣擦れの音がする。
そのどれもがフラワーの清らかな肢体を想起させる。
永遠にも思われる時間が過ぎた。
「目を開けていいですよ、スカイさん」
恐る恐る目を開ける。
最初に慎ましやかな胸が目に入ってきた。
水着というには危うい布切れがなんとか大事な部分を覆っている。
「逃げちゃだめですよ?」
そう言ってフラワーがゆっくりと立ち上がる。
荒くなる息を整えながら目線を上げる。
妖艶な笑みを浮かべたフラワーがこちらを見下ろしていた。
「これでもまだ私には早いですか?」
早鐘を打つ心臓が彼女を邪な欲望の対象として見ていることを語っていた。
再びフラワーの顔が近づいてくる。
さっきよりさらに近く。
カーテンに映る影が一つになった。 - 6ニシノフラワー21/09/02(木) 20:08:28
水着から私服に着替えて試着室を出る。
ふらふらと立ち上がるスカイさんを横目にカーテンを閉める。
まだ潤いを残す唇をぺろりと舐める。
ふわふわとした、スカイさんの味。
たまらず笑みがこぼれる。
「フラワーさん?」
キングさんに声をかけられた。
「あ、キングさん。水着選び終わったんですか?」
「ええ、ついでにスカイさんの分もね」
ちりちりと胸の奥で炎がくすぶる。
「そうですか、スカイさんなら試着室の中ですよ」
おくびにも出さず笑顔で応対する。
ほかの水着を見てくると告げて、その場を離れる。
そしてラックにかかった水着の間から試着室を監視する。
そこにはまだやや顔の赤いスカイさんと彼女に水着を当てて見比べるキングさんの姿があった。
二人の様子はとても仲睦まじげで、お似合いのカップルのようで……。
やめろ。
スカイさんは私のものだ。
たとえキングさんでも。
同期でスカイさんと一緒にいる時間が長くて濃いあの人だとしても。
絶対に、絶対に渡してなるものか。 - 7二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:11:14
フラワー↔スカイ←キングって関係性で、キングは「私があきらめれば丸く収まるのだから…」って諦めるけど、フラワーはキングの人柄をよく知っているしスカイからも聞いてるからばちくそに警戒している感じのが好きです(性癖語り)
お目汚し失礼しました - 8二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:40:34
よかった(語彙壊滅)
- 9二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:42:23
今日は良質なSSが豊作ですね
甘いのも強め濃いめな独占欲も良いぞ良いぞ - 10二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 20:48:27
こういうのすき