- 1二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:36:41
- 2二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:40:42
ジェネリック長田…
- 3二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:47:25
それでも彼女が少しでも幸福を感じているのなら彼は我慢ができた
けれど仮面夫婦以下の行動しか取らない長田とその後ろで俯くだけの彼女を見て彼はすぐに長田の下へと向かった
長田「護衛だと?うちのにか」
モブ裏「はっ!失礼ながら長田様は乙米様にお付きになりご不在が多くあります。その間私が庚子様の護衛になれればと」
長田「……お前の気持ちは知っている。下手な真似をすれば丙江様を連れ出したあの男と同じ末路を辿るぞ」
モブ裏「元より私ではあの方を逃がすことも添い遂げる事も出来ぬことは自覚しております。長田様と同じく、ただ傍でお守りしたいだけなのです」
長田「……はぁ、わかった。好きにしろ。あれにはお前を使用人として雇ったと伝えてやる」
モブ裏「ありがとうございます」
多分こんな感じで使用人として仕えることになる
付き合いの長い裏鬼道なら確実に長田と乙米の関係は知ってそうだし - 4二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:50:17
いいじゃんがんばれよモブ裏くん!!
- 5二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:52:28
いいの?そんなことしたら庚子さんモブ裏くんに「お前だけは裏切らぬと今誓え!!」とか依存してくると思うけど受け止めきれる?
- 6二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:13:37
長田家で仕え念願の庚子の傍で使用人として働くもその恋情を表に出せぬ故にただ粛々と仕事をこなすだけの日々
そんな使用人など庚子にとってはただの一介の使用人でしかない
けれど護衛として、恋心という私情を抜きにしても彼女の傍を離れず命じられるままに彼女の意に従い続ける日々は彼にとっては救いのような日々だった
彼女の為に尽くせる
その悦びこそが彼の原動力であり無意識にせよ彼女を心から気遣う言動に庚子も少しずつ彼に信頼を寄せていった
その2人の姿は皮肉にも彼女が妬む長田と乙米との姿にも重ねて見えるように - 7二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:23:37
庚子はたぶん自分の評価低いから恋ってもの知らないまま生きてたんだろうな
モブ裏くんは時ちゃんの護衛もしながら長いこと仕えていれば信頼は得られそう - 8二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:39:10
しかしそんな日々も彼女が孕み腹が大きくなっていくごとにそれに比例するように彼の中での暗い感情も大きくなっていった
その孕ませた男が誰か知っているが故に彼の中で隠し続けていた憤怒が、嫉妬がドロドロと自分の中で沸き上がってくることを感じながらも彼は必死に彼女の前ではいつも通りを装い、その鬱憤をぶつけるように合間の時間を見て行われる修行にて自分の身体も修行相手すら痛めつけるような過酷な修行に身を投じた - 9二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:59:51
そうして遂に産まれた彼女の子
時弥と名付けられたその子と共に彼の中では練られ続けていたどす黒い感情の中で憎悪が産まれていた
あの爺が憎い、あの爺が孕ませたこの子が憎いと
いつも通りの表情の仮面の下でその憎悪も殺意もグツグツと煮えたぎっている
けれど彼女が時弥を抱いて微笑んだ姿を見た、見てしまった
彼女にとっては自分の価値が生まれたという打算もあった故の微笑みなのかもしれない
けれど彼女の幸福の為にこの子は必要なのだとわかった瞬間に自分の中で時弥様への殺意も憎悪も音を立てるように消えていった
彼女が時弥様の幸福を、無事を望むなら俺もそれに殉じよう
それが彼女の幸福であるのならば - 10二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 22:23:27
時は流れ遂にあの腐れ爺こと時貞様が亡くなられた
その葬式に俺は参列出来なかったが庚子様は時麿様の次の跡継ぎは時弥様になるのだと嬉しそうに話してくれた
けれど裏鬼道である自分は知ってしまっている
あの爺は己の為に時弥様を……
裏鬼道として仕えている自分にはどうしようもないことだとはわかっている。たとえ抜けたとしても守りきることすら出来ずに無意味に◯ぬことも
俺はあの時嬉しそうに語る庚子様に上手く笑いかけてあげられただろうか…… - 11二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 22:48:33
庚子様のお傍に侍る自分は余り見ていなかったが時麿様の亡くなられ新たに入ってきたよそ者とその前に来た客人の2人があちこち嗅ぎ回っているらしい
時弥様も聞いた所では沙代様もそのよそ者に懐いてしまったらしい
頭の痛いことだがこの村の為に彼らには消えてもらうことになるだろう。時弥様へは……これが最後の思い出になるのかもしれないと考えると胸が痛む、その後に庚子様の気持ちも考えてしまえば余計に - 12二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 23:18:30
時弥様の体調が悪くなっていく
庚子様と共に看病を続けていくがまったく良くなっていく気配が無い
庚子様も不安気で俺に何度も「大丈夫よね、時弥は治るわよね」と聞いてくる
その度に慰め励ますが原因があれだと検討がついている以上言葉を放つ口が重くなる
ああ、申し訳ありません、庚子様
俺は貴女を悲しませたくも不安にさせたくも、時弥様を奪わせたくもないのに…… - 13二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 23:54:55
乙米姉様に呼び出された私、庚子は側仕えの使用人である彼を伴い本邸に赴く
彼はこの村で時弥の次に信用できる、あまり感情を出さず淡々と仕事を熟しているように見えてその言動の端に私を気遣い大切にしてくれている想いが見えている
私の夫である筈のあの人より私のことを想い、心配し、私のことをまっすぐに見ていてくれる。彼だけは信じられる
お爺さまに犯され時弥を産むまでの間も彼だけが私を支え続けてくれた
夫が常に乙米姉様の下に侍っている時も、時弥を産んだ時も、辛い時は常に側に寄り添い楽しい時には必ず彼や時弥がそこにいた
彼と時弥だけが私の全て
私と時弥、そして彼との幸せの為にも、たとえ乙米姉様でも幻治様でも、好きなようにさせはしない - 14二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 00:03:19
不穏…