- 11◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 20:54:30
うっかり用事にかまけて落としちゃったので
まだ書きたいためスレ立てしました
落とした前スレ
【SS】ポケモンと生活というタグが好きだ|あにまん掲示板なので生活に密着したポケモンのSSを書いていきたいちなみに・ポケモンは安価(人がいなければダイスで)・安価の場合甘いもの好きのムックル、強いソーナンス、など付加要素つけてもOK・SSは1か2レス消費ぐ…bbs.animanch.com・ポケモンは安価(人がいなければダイスで)
・安価の場合甘いもの好きのムックル、強いソーナンス、など付加要素つけてもOK
・SSは1か2レス消費ぐらいの長さ
・主人公はころころ変わるけど、たまに同じ人間が出てくるかも
・ネームドキャラクターは多分あんまり出てこない。出てきてもキバナファンのOLとか、オーキド博士の論文を読む研究員とかその辺
・バトルはほぼ無し、生活描写メイン
という感じで書き進めていきます。
前回のスレ最後のお題はニャオニクスなのでそれから書いていくので、また安価のご協力お願いします
- 2二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 20:55:51
立て乙です
ポケモンと生活いいよね - 31◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:06:09
ニャオニクスについて知っていること。
オスとメスで姿が違うこと。エスパータイプだっていうこと。よくせいポケモンだっていうこと。だいたい60㎝くらいの大きさだっていうこと。
俺のニャオニクスについて知っていること。
メスだということ。どう見積もっても40㎝くらいの大きさしかないこと。気分屋だっていうこと。ねんりきを使ってすぐ楽するということ。風呂を嫌がること。好き嫌いが多いこと。寝る時寒いと俺のベッドに入ってくること。たまに寝ながら俺を蹴ること。
それから、家で仕事すると邪魔しに来ること。
「あのさあ、後で構うって言ってんじゃんかよ」
「………」
「あーあー、パソコンの前に陣取るな」
パソコンに対してねんりきを使ったときしこたま怒ったためか、わざを使う様子はない。
ないけれど、自分の身体をパソコンの前にねじ込んで、見るからに邪魔しに来るから大変だ。
抱き上げようとしても身体をねじって、見るからに邪魔します!というかのようにパソコンの前に移動するものだから、そりゃ確信犯だろうとも。
「……遊んでほしいのか?」
「にゃおっ!」
「まあ普段遊べてねえもんな。そんな俺が一日家に居たら遊んでもらいてえよな」
今会社では風邪が流行しているもんで、家で出来る仕事ならそのまま家でやってこい、風邪菌をもらうな、というマスクをつけて疲れた顔をした上司のお達しがあったもんだからこうして家でパソコンに向き合っていたのだけれど、そんなこっちの事情なんて知らないニャオニクスには、せっかく家にいるのに構ってくれないという事実しか映らないのだろう。
本当にしょうがねえよなあ、とため息を一つ。
わしっとニャオニクスを掴むと、目を丸くするのにま構わず顔を突っ込んで思いっきり吸い込んでやる。
「んにゃおっ!」
「ったく、仕事は一旦やめだ、しゃあねえからちょっとだけ遊んでやるよ」
「にゃーお!」
途端目を輝かせるニャオニクス。しょうがねえよなあ、これだけ構ってアピールされたらどうしたって甘やかしちまいたくなるんだってよ。 - 41◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:06:52
- 5二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:12:19
キレイハナ
- 61◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:44:25
「~♪」
「あらあら」
キレイハナは上機嫌のようだった。今日は天気もいいし、暑すぎでもなく、寒すぎでもないちょうどいいぐらいの小春日和。庭の花も生き生きとしているしキレイハナがご機嫌になるのも当たり前だろうな。
「おはなちゃん、可愛い踊りね」
「はなぁ」
ふりふりとドレスのような身体を揺らしながら、あっちへこっちへとぴょんぴょん飛び跳ねながら踊る我が家の踊り子はとっても素敵だ。
彼女に誘われるようにアゲハントも集まってきているようだ。さてはあまいかおりを撒き散らしているな? どうりでいい香りがすると思った。
「おはなちゃん、たくさん動いたら喉が渇くでしょう? 水分補給もしましょうね」
「はな!」
ぴょん!とこちらにやってきて、キレイハナ用の小さなカップに注いだ水を渡せばごくごくと一気飲みをする。
無意識に発していたあまいかおりも途切れたのか、アゲハントたちがはっとしたように戻っていく。それでも数匹は花の蜜を吸いに来ているけれど。
私の隣でるんるんとずっと上機嫌なキレイハナは、一旦休憩することに決めたのか私の隣に腰を下ろして足をぱたぱたと遊ばせている。
そんな彼女を抱き上げて膝の上に乗せれば、きょとんとしたから幸せそうな顔でひと鳴き。
ふふ、と私はキレイハナの小さな頭を撫でながら、この穏やかな日を一緒に過ごすのだ。 - 71◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:44:57
- 8二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 21:47:13
ジャローダ
- 91◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:57:53
うちのジャローダは嫉妬深い。特に俺が草ポケモンを可愛がったりするとむすっとした顔をしながら巻き付いてくるのだ。
たまに締め付けてくるところもあるが、うちの女王様はそういうところも可愛い。だからわざと草ポケモンを撫でたりして巻かれにいくこともあるけれど、そこは割愛。
嫉妬深いけれども、心配症で、優しい。ちょっとツンデレの見本みたいなジャローダは、俺が体調不良になると途端にかいがいしくなる。
どこで覚えてきたのか本当に謎だが、うちのジャローダはアロマセラピーが使える。ポケモンだったら状態異常が治るが、俺は人間だから治らない。その代わり、気分がすごく癒されるというか、ジャローダが俺のためにいい匂いでリラックスさせてくれようって気遣いをしてくれるから心の底から嬉しい。
そんなわがままで可愛くて魅力的なジャローダ。
……なんだけれども。
「じゃろ~♡ じゃろじゃろ~♡」
「んじゃ……」
「おいお前さあ! 会って一番に求愛すんな!」
「あはは……」
たまたま、ご近所さんのところにもジャローダがいる。それはいい。
それはいいんだけれどもそこのジャローダがオスで、うちのジャローダに一目ぼれしたからさあ大変。
会うたびに求愛してくるんだよこいつ!
「俺のジャローダなのに……」
「まあまあ。ポフィン食べる?」
「子ども扱いしないで! いただきます!」
ご近所さんにご機嫌を取られるようにポフィンを貰ったけれども、このお姉さん、自分のジャローダの恋を応援している気配がするから味方ではない。ポフィンは美味しいけれども!
そんな嫉妬しまくりの俺を見ながら、ジャローダがちょっと笑った気がするけれども、俺は怒りながらやけ食いをしているのでそれどころではなかった。 - 101◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 21:58:37
- 11二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 22:01:37
オオタチ!
- 121◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 22:38:04
キャンプをしていたらオオタチが現れた。
「きゅあーん」
「え、何よ何よ、野良? 何当然のようにいるわけ?」
俺ちゃんせっかく冬キャンで星空見ながらポケちゃんたちと楽しもうとしてたのに? と思いつつも、野菜を切る手は止まらない。なんだかなあ、と思いつつも冷凍してあったのを解凍したピザの上に野菜とチーズをたんまり乗せて、アルミホイルで包んで網に乗せる。
他のポケモンたちは既に焼いたきのみを食べている。ぼくもぼくも!と言いたげに当たり前にようにいるオオタチに、やっぱりなんだかなあ、と思いつついくつかの種類のきのみを見せてやる。
そうしたらこれ!とモモンの実を指さしたので、一緒に網の上に置いた。わくわくしながら俺ちゃんの足元に来てっけどどういうことなのよ。
好奇心旺盛なオオタチは警戒心皆無でわくわくしながら待っている。他のポケモンたちも特に気にしてない。害意はなさそうだけれども、こうもさま俺ちゃんのポケモンです!と言いたげに紛れてるのは釈然としないわけで。
……まいっか! せっかくだし仲間に入れてやっかな。
「あ、ほら焼きモモンの実が出来たぞ。こら、そのまま持ったらやけどすっからな。包んでやるからふーふーしながら食うんだぞ。雪ちょっと乗せてもいいから」
「きゃう!」
わかった!とでもいうかのように目をきらめかせてるオオタチに苦笑しながら渡してやれば、嬉しそうに言われたとおりふーふーしながら食べている。ま、ちゃんと言うこと聞くってことね。
美味しそうに食べているオオタチの毛並みを撫でてやればにこっと俺に笑いかけてくる。くっ、ずりいぞそういうの。
ちょっとかわいいじゃねえか……と思いながら俺ちゃんは自分用のピザの様子を見に行った。ま、腹が満たされたらねぐらに帰るだろ。
そう思っていたけれど、次の日俺ちゃんたちが帰ろうとしたら、当然のようにオオタチも一緒に帰ろうとしていた。お前野生だろうが! - 131◆ur8bLwtjDU24/01/08(月) 22:38:38
- 14二次元好きの匿名さん24/01/08(月) 22:41:54
おっとりしたモノズ
- 151◆ur8bLwtjDU24/01/09(火) 00:17:09
うちのモノズはのんびりやで大人しい、日向ぼっこが好きな子だ。
本来ならモノズはなんでもかんでも噛みつくらしいし、住処だって暗いところだ。
だがしかし、何故かうちのモノズはそれには当てはまらないらしくてうちの縁側の一番日当たりがいい場所を定位置にしてのんびりするのが好きだ。
噛みつきだって、噛みはするがどれも甘噛みだ。甘えるようにはぐはぐ腕を噛む姿はなんとも愛らしい。そぼうポケモンらしいんだけれども、どうにもこうにもおっとりとした甘えん坊。
流石に自宅じゃサザンドラになっちゃ世話しきれないもんだから、本ポケの同意もあってかわらずのいしを持たせている(流石にそんな進化するような高レベルにならないだろうが、一応)。持たせているけれど、むしろ今の状態で甘やかされることの方が好きなようで、モノズとしても進化する気はないようだ、
「モノズ」
「くあ」
声をかければ何?とすぐに声が聞こえた方に顔をあげる。うーん、これでドラゴンタイプだというのだからなあ、
私は縁側に座り、モノズの頭をそっと膝に乗せてあげた。そうすると嬉しそうにくるる、と鳴くのだから、やはりうちのモノズは変わっているみたいだ。
「今日はいい天気だな。……ドラゴンタイプは寒さが嫌いだろう? これからどんどん暖かくなってくるぞ」
「くああ」
「今度公園にでもピクニックしに行こうな。……楽しみだな、モノズ」
頭をそっと撫でると、手にすり寄ってきた。
それからかぷりと手を口ではむと、あぐあぐと甘えるように甘噛みをしてくる。
可愛いな、と思いながら好きにさせてやる。
「モノズ、お前は可愛いなあ」
「くあぐ」
心の底から愛しさを込めてそう呟けば、当然だというように笑った。 - 161◆ur8bLwtjDU24/01/09(火) 00:17:41
- 17二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 00:26:47
みんあ可愛くてほっこりする
メレシー - 181◆ur8bLwtjDU24/01/09(火) 02:00:17
私は鉱物学者としてとある洞窟にやってきていた。
道を確認しながら奥に進んで行ったら、透き通った湖に、洞窟の壁面を覆う結晶の群れを見つける。
この世のものとは思えないほどの美しい光景――こういった光景を見ることは、ただの学者ではなく、ロマンを求めるものとして何よりも喜ばしいことだ。
近くに大石に座ってその光景を見ていたら、ふよふよとこちらに向かってくるポケモンを見つける。
すぐさま腰につけたモンスターボールに手を当てるが、どうやら敵意はないようだ。
かのポケモンは……確かメレシーだ。興味津々、と言った様子で私のことを見つめている。
そちらを害すつもりはない、と友好を示すつもりで手持ちのきのみを渡したらすぐに掴んで食べ始める。わかってるのかどうか……と苦笑しながら、そのメレシーを観察した。
どうやら長年洞窟の水晶を摂取してきたためか、身体の宝石部分がこの洞窟特有の水晶となっている。
なるほど、メレシーの宝石は住んでいるところの鉱物に影響されるのかもしれない。
これまでかのポケモンとは縁がなかったが、何、なかなか興味深いポケモンである。
「なあ君、私の手持ちにならないかい」
「めれ?」
「こうなったら様々な洞窟のメレシーに会いに行きたくてな。君さえよければだが」
無論強制するつもりはないが、と思ったが、メレシーはにっこりと笑って私の目の前でくるりと回った。なるほど、いいということか。
……判断が速いな、君は。 - 191◆ur8bLwtjDU24/01/09(火) 02:01:10
- 20二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 02:09:06
メタグロス
- 21二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 06:54:31
保守
- 22二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:56:50
保守
- 231◆ur8bLwtjDU24/01/09(火) 19:44:27
今夜書く予定なので念のため保守しておきます
保守のご協力ありがとうございます - 24二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 20:44:11
やっと規制解除されたのでいいます。オオタチリク民です。人に慣れててずぶといオオタチめっちゃかわいいです、神SSをありがとうございます……。
- 251◆ur8bLwtjDU24/01/10(水) 00:51:24
エリートトレーナーとしてチャンピオンを目指す私にとって、メタグロスの手入れは日課だ。
強靭な鋼の身体を持っている彼ではあるが、かといって砂塵が身体の隙間に入り込んだり、軽い傷がつくことだってありえる。そういった小さなものが積み重なって身体を錆びさせたり、欠けさせてしまうことがあるため、常日頃からベストコンディションでいるために手入れは欠かせない。
「メタグロス、今日もお前は逞しく、そして美しいよ。砂埃はとれたかい? 動きづらいところは? メタルコートは新しいものに変えたけれど、動きづらくはないかい?」
「めたぁ」
「そうかい、大丈夫そうなら何よりだ」
万全だ、とでもいうかのように四本の腕を自由に動かす。
最後に清潔なタオルで身体を拭いていたら、たまたま今日私の家に来ていた妹が感嘆のため息を漏らしながら私たちを見つめている。ふふん、メタグロスに見惚れたか?
「メタグロスは手持ちにするの手間がかかるって言うけど、お兄ちゃん頑張ってるんだねえ」
「当たり前だ、エリートだからな。手を抜かないさ」
「お兄ちゃんダイゴ様に助けられてから大ファンだもんねえ」
「いいいいい今なんでそういう話になるんだ!」
打倒チャンピオンダイゴを掲げている私にとって、やつはライバルである! 決して大ファンとか憧れとか彼の手持ちだったからメタグロスを選んだとかそういうことなんてないし!
まだ未熟だったころ洞窟で崩落によって閉じ込められた時にチャンピオンダイゴに助けられたからといってそんなことは。
ぽん、とメタグロスに肩を叩かれる。その反応は何だ!
「ま、でもだからといってダイゴ様へのあこがれだけじゃポケモン育てられないもんね、お兄ちゃんのメタグロス愛は本物だよ」
「ふ……ふふん! そうだろう! 見ろこのメタグロスの美しさを!」
「コンテストでいい線行きそう」
「兄ちゃんはポケモンリーグに! 挑むの!」
生意気な妹にメタグロスをけしかけてやった。メタグロスに抱っこされて嬉しそうにきゃあきゃあしている。ふん! メタグロスの力強さを思い知ればいいさ! - 26二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 00:52:45
ほしゅ
- 271◆ur8bLwtjDU24/01/10(水) 00:52:59
- 281◆ur8bLwtjDU24/01/10(水) 00:53:21
- 29二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 00:53:41
キリキザン
- 301◆ur8bLwtjDU24/01/10(水) 01:45:09
「おうい、キリキザン、首尾はどうだ~」
「きりっ」
「お、木を全部薪にし終わったんだな。流石だ、手際がいいなあお前は」
がしがしと頭を撫でるが、特に表情が変わることはない。ううん、クールなやつだなあ、と思いながらキリキザンが斬ってくれた薪をまとめていく。
集めるのはこいつも手伝ってくれる。本当に真面目ないい子だよ。
「ほれ、これをあそこに入れて乾燥させるからな。これで来年の冬もあったけえぞ」
「きり?」
「……ああ、今年の冬は去年作った薪を使うんだ。薪を完全に乾かすにゃ1年くらいかかるからなあ。でもそん代わり、乾燥しきった薪はよく燃える」
「きり」
「お前は寒がりなのかもわかんねえが、せがれもちいせえ頃は暖炉の前でいっつも暖まってたし、マシュマロも焼いてたんだぞ。……ああ、マシュマロってのは甘いお菓子だ。いい感じに焼けると表面だけ焼けて、中がとろとろになるんだ。せがれはマシュマロを作るのが一等上手くてなあ」
「きり……」
お、ちょっと反応した。こいつ甘いきのみが好きだからな、ちょっと反応すると思ってたんだ。
雪も解けた春頃に森で倒れていたこいつにとっちゃ、初めての冬だ。はがねタイプにゃこおりは弱点でないとしても、鉄は寒くなると途端に手が痛くなるほど冷たくなるからな。全身刃だらけだもんだから心配だ。
「冬はここも雪が深くなる。誰も訪ねてくるようなもんじゃねえからつまらんかったが……今年の冬はお前がいるからな、退屈しなさそうだ」
「きり」
「なはは! 年寄りが恥ずかしいこと言ったか! ま、気にせんでくれ」
頭を掻きながら笑うが、キリキザンは真面目な顔で頷く。
それがなんだかかわいく思えて、また頭を撫でてやった。……今度はちょっと乱暴にやりすぎて、軽く怒られたが。 - 311◆ur8bLwtjDU24/01/10(水) 01:46:07
- 32二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 01:47:50
タケルライコ
- 33二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 01:49:19
乙でした!今日もいいSS感謝 毎日の癒しだ…
- 34二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:14:41
保守
- 35二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 15:58:27
保守〜
- 36二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 19:40:30
保守!早いか?
- 37二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 00:16:20
保守
- 381◆ur8bLwtjDU24/01/11(木) 02:12:21
「うおっ!?」
「ぐぎゃ……」
畑仕事を終えた俺が帰路につこうとしていた時、急にぽつぽつ雨が降ってきたもんでこりゃたまんねえ、と廃寺に逃げ込んだら、なんか知らんが変なポケモンがいた。
やけに首が長いからキリンリキか?と思ったけど、顔が全然違う。
でもちょっとだけ色が似てるし、キリンリキの進化した姿とかなんだろうか。ポケモン詳しくねえからわかんねえや。
けどやたらでっかいポケモンは、でかいだけで威圧感がある。俺のこと睨んでるようにも見えるし、こりゃ帰った方が得策か?
……と思った次の瞬間、ピシャーン!!と近くに雷が落ちたような音がしたから、俺がびっくりしてひっくり返るところだった。こりゃ外出れねえわ。雨もだんだん強くなってる気がする。……最悪ここで夜を明かすかぁ?
「な、お前さん、悪いが雨降っててね。このまま外出たら濡れちまうんだ、ここにいさせてくれや」
ちょっと戦々恐々となりつつも、このでっかいポケモンがいきなり襲ってくるような凶暴もんでない以上話す余地があるかもしれん。
だから声をかけてみたが、ちらりと俺を見ただけで後は知らん顔……勝手にしろってことか?
目の前のポケモンとほどほどに離れた場所に腰を下ろす。急に大雨、妙なポケモン。キュウコンにでも化かされてるみてえな状況だな。と思いながらも、ぼーっと壊れた板の隙間から雨が止むのを待つ。
時折ゴロゴロと雷鳴がとどろき、雲の隙間がぴかぴかと光っている。恐ろしいもんだなあ。
妙なポケモンと共に雨宿りすることになったもんだが、まあ、相手が何もしてこない以上、悪い時間じゃない。
それにそいつを見る余裕も生まれて、ちらっと相手が不快に思わない程度にその姿を伺う。
金色の毛に黒い稲妻みたいな模様、うねる雲みたいな顔周りの気。
「……雷の神様みてえで格好いいな」
そう呟いたら、僅かにこっちを見た気がした。
でもすぐに外へと視線を戻したのだから、多分気のせいなのだろう。 - 391◆ur8bLwtjDU24/01/11(木) 02:13:24
- 40二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 02:36:26
血の気のおおいハピナス
- 41二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 08:29:54
保守
- 42二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 15:39:52
面白いスレなので保守待機
- 43二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 01:13:21
保守
- 441◆ur8bLwtjDU24/01/12(金) 01:58:45
森に入ったのが悪かったんだと思う。
お母さんに内緒でポケモンを探しに行こうと森に入ったら、たくさんのコラッタの群れに襲われ、そのコラッタがスピアーの巣を破壊してしまい、スピアーの群れが一斉に外に飛び立った。
そしてすぐ傍にいた子どもであるぼくを狙って一斉に襲い掛かってきたのだ。
これでもかけっこは早かったから逃げ回ってこれたけれど、もう体力の限界だし、足も痛くてたまらない。
森に入ったことを後悔しながら、泣きながらお母さんに助けを求めていた時、前の茂みががさがさっと大きく揺れて、ピンク色の大きなポケモンが現れた。
ぼくはそのポケモンをハピナスだってことを知っていた。ポケモンセンターで見たことがあるからだ。
でもあの子はポケモンセンターの子じゃない、きっと野生のポケモンだ。どうしよう、とぼくが絶望した時。
ハピナスは飛び、スピアーに襲い掛かった。
「……え?」
そこからは早かった。たくさんいるスピアーに対してハピナスの殴る蹴る吹っ飛ばすぶん投げる……と多種多様な技を繰り出し、ぼくに攻撃しようとしていたポケモンをあっという間に一網打尽にしてしまった。
他愛もない、と言いたげに手をはたくハピナスを、ぼくはぽかんとした顔で見つめることしか出来なかった。
「はぴぃ?」
「え、あ……助けてくれたの?」
心配そうにぼくを伺うハピナスにはもうさっきの凶悪なまでの強さが見当たらない。
へたり込んだぼくを抱き上げると、そのまますたすたと歩きだす……どこに連れて行くんだろう?
そう思っていたけれど、どうやら森の入り口まで送ってくれたみたいだ。
……助けてくれたんだ。ハピナスに降ろされたぼくは、そのまま森に戻ろうとするハピナスに慌てて声をかける。
「待って! あの、えっと……ありがとう、ハピナス」
そうたどたどしくお礼を言えば、構わんよ、と言いたげに口角を上げると、そのまま森に帰っていった。
……今まで優しい看護師さんのような姿しか見たことなかったけれど、ハピナスって、格好いいんだ。ぼくはずっと、森に消えていく後姿を見つめていた。 - 451◆ur8bLwtjDU24/01/12(金) 01:59:22
- 46二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 02:06:50
グラードン
- 471◆ur8bLwtjDU24/01/12(金) 02:37:52
「ううむ、グラードンはめざめのほこらにて眠っている……かつて大陸を作ったと言われているポケモンだが、書物だけにしか記されておらず、しかも他の地方の古書にて矛盾が発生しており……」
「博士ぇ、ぶつぶつ喋ってどうしたんですぅ?」
「いやあ、グラードンのことについて改めて調べ直してたんだがねえ」
ほら、この前日照りの異常気象があっただろう? 研究者の間で共有されている事実なんだが、あれはグラードンが引き起こしたものらしくてなあ。
一応知っているのかバイトの少女がほへえ、と気の抜けた声をあげている。
「なんか悪い人が封印? みたいなのを解いたんですよねぇ。それをチャンピオンダイゴがどうにかしたとか」
「封印はされていないな。さてはちゃんとニュースを見ていないな? 眠っていたグラードンを一人の少年がどうにかしたらしい。どうやらトウカシティのジムリーダーであるセンリ氏の子どもだという噂だ」
「わぁ、優良遺伝子」
「その言い方をやめなさい」
近くに転がってきたサンドを受け止め、膝に乗せながら優しく撫でる。
その状態のまま、研究所に少数だけ存在するグラードンの記述について見直していた。
「一応ホウエン地方の博士号をとったもの中心にグラードンに対する調査をするように言われているんだ。だから改めて見直していたけれど……まあ、資料は多くないなって思って」
「まー伝説のポケモンだししょうがなくないですかぁ? あたしも見たことないし」
「それにここはポケモンの異常成長に対する観察と防止がもっぱらの研究目標だしね。けどまあ、参加はするつもりだよ。伝説のポケモンについて他の博士と共に調べられる機会なんてそうそうないしね」
「ふーん」
それに、研究するものとして未知のものに対するロマンが疼くのだ。伝説ポケモンなんてそうそう研究されているテーマでもないしな。
興味無さそうにしている助手に苦笑しながら、膝の上にいるサンドをくすぐって遊ばせてやる。
「そういえば、グラードンとやらってどんな姿をしているんですかぁ?」
どんな姿。
本に記されていたのは、抽象的な図だったけれど、ひとまずサンドにその乗せられていたイラストと同じポーズをさせた。
「こんな感じ」
「可愛いサンドってことしかわかりませぇん」 - 481◆ur8bLwtjDU24/01/12(金) 02:38:56
- 49二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 02:42:16
乙です
キノガッサ - 50二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 11:03:56
ほしゅ
- 51二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 12:22:32
保守
- 52二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 13:25:41
可愛いサンドで吹いた
- 53二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 20:26:07
保守
- 54二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 02:31:08
保守
- 551◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 02:45:38
「キノガッサ……先輩とデートなのに何着ていけばいいかわかんない~~~~~!! どうしよ~~~~~~!」
「がっさぁ……」
「うう、もう深夜だよお……あ、キノガッサ私になやみのタネ使ってよ、あれってとくせいを不眠に変えれるんでしょ?」
「がさあ!」
「わあっ! ごめんって~~~~~~!!」
こら!と言いたげに頭をわしゃわしゃされた。手が使えるようになったからってそれはひどいよ!
えーん、と泣きながらキノガッサの胴体に縋りつく。面倒くさそうな顔をしているが、頭をわしゃわしゃするのを止めて頭を撫でてくれた。やさしい。好きになっちゃう。うちのキノガッサ♀だけど。
「……キノガッサ、ドキドキして頭真っ白になっちゃうの。先輩と話せるようになったのが奇跡みたいなものなのに、服も決められないままなんて、優柔不断すぎて呆れられちゃう……」
「がさがっさ」
「スカートにしようかなあ、この前買ったふわふわの? でも大人っぽくシックな? いろいろ見て回るなら動きやすい靴のがいいのかな。アクセは何にしよ。髪形もどうしよう。どうしよう~~~~~~~~~~!!!!」
「がさあ!」
いい加減にしなさいとばかりに頬をもちっとされる。なんか文句をいう時手を出し始めてきた最近のキノガッサ。力はすごく優しいけれども問答無用感が強いよお……。
キノガッサはため息を一つ吐くと、私のクローゼットを空けてぽいぽいっと何かを出してきた。
それは私の一番のお気に入りのワンピース。でも色とかちょっと子どもっぽいかなって思って選考外にしたやつ、だけど。
「……これを着て行けって?」
「がさあ」
「……そっか。キノガッサが言うなら、そうしようかな」
私の情けないところを全部曝け出してもしょうがないなあ、と許容してくれる世話焼きの大親友。そんな彼女の言うことなら、自分のことより信じられる気がする。
でもそんな風に思ったことに気付いたのか軽く頭をはたかれた。……だからひどいよお。 - 561◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 02:46:30
- 57二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 10:38:09
コジョンド
- 581◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 17:50:38
リップさんが監修を務めているエクササイズを受講したい……でも地方がかなり離れている私にはそれも出来ず、代わりに出しているエクササイズのDVDを購入した私は毎朝をそれを行うのを日課としている。
そして隣で同じようにやっているのは私の家族であるコジョンド。性格にはママのポケモンなんだけれど、エクササイズに興味があるのかいつも私の隣でやってくれるのだ。
コジョンドの切れのいい足技を使った動きを見ているのは気持ちがいい。私も同じのが出来ればいいんだけど、流石にポケモンにか敵わないな……。
「みーぎっ! みーぎ! ひーだーり! ジャンプ!」
「こじょ!」
「身体を大きく反って~!」
「こじょ~!」
仲良いわねえ、というママの声が聞こえる。同じ動きをしている私たちが面白いって言うけど、これも美容のためなんだから!
そんなママは私たちのためにいつもきのみや野菜を入れた健康にいいフルーツジュースを作って待っててくれるからありがたい。でも毎日ニコニコで見守られても恥ずかしいよママ。
「よし、身体を前に倒して~!」
「こじょー」
「相変わらずぺったんこになってすごいねコジョンド!」
身体が柔らかいのポケモンだからなのかな。羨ましい!
そのあとも一緒にエクササイズを全て行う。コジョンドは涼しい顔だけど私はいつもへとへと。でもこれでも体力ついてきたんだから。
最後はご褒美と仕上げに栄養たっぷりフルーツジュース! やっぱりママの作るのおいしいなあ! コジョンドもとっても嬉しそう!
「いつかベイクタウンに直接行ってリップさんに会ってみようねコジョンド!」
「こじょ」
やる気を漲らせながら拳を突き上げる。コジョンドはクールな顔をしながらもその拳にタッチしてくれたのだった。 - 591◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 17:51:36
- 60二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 17:58:01
テレポートの下手なサーナイト
- 61二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 17:59:33
短気なヌオー
- 621◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 18:10:14
サーナイトが俺のおやつをにへにへと笑いながら食べている。
こいつまた無断で盗み食いしやがったな。
「おいサーナイト」
「さにゃっ!?」
俺の声に反応して慌てて逃げようとテレポートするが、慌てすぎて混乱してテレポートをミスり、壁に激突している。
顔面を強打し悶えているサーナイトの方をぽん、と叩けばびく!となりながら涙目でこっちを見た。
「正座」
「さなぁ……」
いつも怒られてるのにこれだよこれ。
しょんぼりとしながら正座をしているサーナイト。
こいつは別に俺の手持ちではなく、野生のポケモンである。
田舎ゆえに悪いところが出ていて、玄関に鍵をかけないわ隣人との距離感ゼロとか、俺にとってわりと好きではない状況なのだが、そのうえ野生ポケモンとの距離も近く、なんか勝手に上がり込んでたりするんだこれが。
食べ物がある棚は鍵をつけたり、ポケモン除けを置いておいたりするが、このサーナイトはエスパータイプなのも相まって食べ物をテレポートして食べたりしてるのだ。
かと思えば自分を飛ばすのは苦手で、逃げようとして失敗するのも多い。そのくせ野生のくせに人間に攻撃することなく大人しく説教されている。本当にわけのわからないポケモンである。サーナイトって珍しいポケモンじゃなかっただろうか。
「ったく、お前さあ……上品そうな顔してるくせに大分おてんばだよなあ」
「さにゃっ! さなさな、さなあ」
「何言ってるかわかんねえ」
くああ、とあくびをする。これでも仕事帰りなのだ。盗み食いをするサーナイトがいなかったらすぐに寝ていたところだが。
けれどそんな俺の様子を見たサーナイトが、はっとした顔をして自分の膝を指さす。
いや膝枕はいいって。近所に見られたら絶対変な目で見られるだろうが。
断ると抗議の鳴き声をあげたが、いやお前は盗み食いの反省をしろ。 - 631◆ur8bLwtjDU24/01/13(土) 18:11:16
- 64二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 18:22:49
思ったより足の早いオリーヴァ
- 65二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 18:24:03
コイル
- 66二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 01:18:41
ほしゅ
- 671◆ur8bLwtjDU24/01/14(日) 04:55:46
あれはオリーヴァだろうか……なんか植物に擬態しているけど……。
旅をしている俺は、最近ついてくるポケモンに気が付いている。
名前はオリーヴァ……、ミニーブ、オリーニョときて最終進化系となるポケモンだ。
そいつがどうも最近、振り返るといるというか。汗をだらだら垂らしながら植物のふりをしているというか。いや無理があるだろう。ウソッキーかおのれは。
……なんで着いてくるかは、まあ、身に覚えが、ある。
旅の当初怪我をしたミニーブを助けたことがある。怪我をして泣いていたから、くすりを使って怪我を治して、きのみもいくつか置いて行った。オリーヴァとなっているが、なんとなくそのミニーブな……気がする。
別に声をかけてくればいいのに、何故か離れて着いてきていて、気が付いたらさっきと似たような距離で発見する。
自分で言うのもなんだが、礼でもしにきたのかと思っていたけれど、数日はこの調子だ。なんだこいつと思っても仕方ないと思う。
……ええい、しょうがない。声をかけてくるまで待とうと思ったが。
俺はため息を吐いてからオリーヴァに近づく。さらに汗をだらだら垂れ流しながら植物のふりをしているが、目の前に立てば恐る恐る俺を見上げてきた。
「あの時のミニーブだろ。俺に会いに来てくれたのか?」
「ヴァッ!?」
そう言えば。
……何故か顔を真っ赤にして、両手で顔を押さえながら、一気に背後の道へと駆け出した。
まさに音速というべきか、レントラーもびっくりするくらの速度。
あっという間に姿が見えなくなった――逃げられた。
「……いや逃げ足はっや!?」
オリーヴァって素早さそんなに高くなかったよなァ!? と思いながらも、俺は呆然とすることしか出来なかった。 - 681◆ur8bLwtjDU24/01/14(日) 04:56:22
- 69二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 05:05:03
ずぶといドロバンコ
- 70二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 14:26:53
保守
- 71二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 21:19:18
保守
- 721◆ur8bLwtjDU24/01/15(月) 03:00:30
俺は昼寝をするのが好きだ。
特にこのウール―牧場の干し草の上。太陽の日差しもいい感じに差してぽかぽかしている。
目を開けて遠くを見ればウール―が草をはむなんとものどかな光景……。
こういうのを平和って言うんだろうなあ。
そう思ったら、腹がぐんっと重くなる。
思わずおえっと嘔吐きつつ、犯人を見れば、なんともとぼけた顔で頭だけ俺の腹に乗せて昼寝をし始めたドロバンコがいておい、と低い声をかける。
ドロバンコの平均体重は110キロ。普通のドロバンコよりもかなり小さいこいつでも……まあ、100キロはあるんじゃないか?
そんなやつがいくら頭だけと行っても乗せてきたら普通に重たい。っていうかなんどもなんども重たいって文句言ってるのに、こいつの性格がずぶといのかなんなのか、聞きやしねえ。
しかもドロバンコの身に纏ってる泥ってのは乾かねえ。つまりは俺の腹回りの服も今既に泥だらけってことだ。
「お前なあ、せめて隣に来いよ」
「どるる」
顔をちょっと持ち上げて『今から昼寝するんだけど』と言いたげに鳴かれた。こいつ……。
軽く額を小突いてから、しゃあねえ、と諦めて干し草に背中を埋めた。
腹回りが湿ってなんとも気持ち悪いが、結局文句を言っても怒りきれないのは俺である。
優しいトレーナーでよかったな、と耳の先を軽く摘まんだが、反応はない。既に寝たようである。
こいつ……。 - 731◆ur8bLwtjDU24/01/15(月) 03:00:59
- 74二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 06:37:25
ディアンシー
- 75二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 15:23:48
保守
- 76二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 01:03:50
ほ
- 771◆ur8bLwtjDU24/01/16(火) 02:40:47
私は鉱物学者としてとある洞窟にやってきていた。
隣には水晶を身体から生やすメレシーが共にいる。あれから、いろいろな洞窟を渡り歩いてきて、様々なメレシーを見てきた。手持ちになったものもいるし、私に全く興味を示さない物、敵意を示すもの様々だ。
けれども、どのメレシーもその洞窟特有の鉱物の成分が皮表から発見されている。やはり私の考えは間違っていなかったようだ。
さて、その洞窟の奥まで来た私だが、なんとも困っている。
なんというか……見たことのないポケモンがいるのだ。
身体の一部どころか頭にまるで髪のように大きい宝石を生やした謎のポケモン――もしや、昔どこかの資料で見たディアンシーなのではないかと思う。
幻と呼ばれるポケモンがどうして姿を見せたのか。私は困惑したが……ディアンシーは、私のメレシーを膝の上に乗せて話をしている。
推測するが、私とメレシーは様々な洞窟を渡り歩いてきた。つまりは色んな地方を巡ったし、長く旅をしているものだから、もしやこの洞窟に滞在する宝石姫は、外のことが気になるらしい。
「……」「……」「……」「……」
「いや、君たちにそんな目で見つめられてもね、止めるべきは彼女なのではないかね?」
「……………」
じとっとした目で見てきた彼女のお供であるメレシーだが、私としてもどうしようもない。文句なら彼女に言ってほしいものである。けれども、ディアンシーのきらきらした笑顔を見ているとそうも言えないのかも知れないが。
ともかく、しばらく時間がかかりそうである。
私は少し離れた場所から声をかける。
「ディアンシー、でいいだろうか。少しいいかい?」
「でぃあ?」
「ひとまず一晩この洞窟で寝泊まりさせてほしい。その間私のメレシーと思う存分話せばいいよ」
「でぃあ!」
ありがとう! とダイヤモンドのような煌めく笑顔で返事をされた。恐らくいいということだろう。
まあ、何かの縁だ。あの煌めく美しいディアンシーの宝石を見れたことは一生ものの価値となるだろう。
遠目で、彼女のお供のメレシーと共に、談笑する姿を眺めるのであった。 - 781◆ur8bLwtjDU24/01/16(火) 02:41:13
- 79二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 02:43:29
しっかりもののドオー
- 80二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 13:07:37
保守
- 81二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 13:31:38
いつも見ています
あふれ出る日常感がとても良いです ありがとうございます - 82二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 21:50:49
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 22:29:56
- 841◆ur8bLwtjDU24/01/17(水) 01:57:08
- 85二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 12:22:19
楽しみにしてます
- 86二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 17:07:45
保守
- 871◆ur8bLwtjDU24/01/18(木) 01:35:21
「ふははははは打倒コルサ! ぼくのこの作品さえ完成すればやつも驚愕に目を見開き身体を仰け反らせ叫び声をあげむせび泣きこのぼくに敗北したということを自覚することだろう! さあ今日は徹夜で作品を完成させるぞ、名付けて『哲学するドオー』!」
「どふぁ」
「あっ待って“あくび”は駄目ぐぅ………」
窓から見える空は快晴。白い雲とのコントラストが美しい。空にはペラップが飛んでいる……いやまてパルデアにペラップはいない、なんてことだ違う地方から来たのかまさか海を渡っていや渡り鳥のような習性は無かったはずだがしかしまあともかく健やかな目覚めである。
「……ふむ、さてはぼくはまた君に寝かしつけられてしまったね」
「どお」
「うわ棘だして威嚇してる……そののほほんとした顔ですごく怒ってるのか。悪かったって」
既にもう二日間ほぼ寝ていなかったものだから(仮眠はとったぞ!)堂々と徹夜宣言をしたぼくに流石のドオーも堪忍袋の緒が切れたのだろう。申し訳ないことである。
ゴメンネの気持ちを込めてヨシヨシと撫でればわかればよろしい、というようにどふぁと鳴いた。
「創作意欲にテンションが上がると思考もちょっととんでもないことになる癖どうにかしないといけないか」
「どぁー」
「まったく君は本当に頼りになるね。さすがぼくの相棒だ」
ひとまず朝食を取らないと創作活動をすることを許してくれないだろう。ドオーはぼくよりもぼくの健康について厳しい。ご飯を抜くこともあまり許してくれないのだ。
もっとドオーはのんびりしたポケモンだと思っていたのだが、それもぼくが不摂生な生活をしているからだろう。それが彼をこんなにしっかりものにさせてしまったのか。
「たまには外に出てスケッチするか」
外の空気を浴びないと、そろそろドオーから怒られるかもしれないからな。 - 881◆ur8bLwtjDU24/01/18(木) 01:36:56
- 89二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 01:40:05
ようきなチュリネ
- 90二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 09:39:50
ホシュ
- 91二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 20:53:37
いやあどのSSも読み応えがあるな
- 921◆ur8bLwtjDU24/01/19(金) 02:43:17
「うええええ~、仕事つらいよお~~~」
限界OLとでも言ってほしい。まさに残業残業残業で精神が擦り切れて限界間近のOLです。
ブラックもかくやという働きぶりだが、これに関しては平から社長までこの調子。何せ取引先のポケモンフーズに汚職が発覚してそのあれそれでてんやわんや! シェスタタイムも導入しているほどホワイト企業な我々の会社もやべー修羅場を抱えてるってワケ!
社長が涙ながらにボーナスを上げると宣言してくれたけど、それは嬉しいにしてもこの擦り着せた精神の摩耗っぷりはもうどうしようもない。
私はえんえんと泣きながらアパートの扉を開ける。
すると聞こえる小気味のいいヒップホップ。
そして何故か軽やかな調子で踊ってるサングラスをつけたチュリネ。
「……ちゅ! りねりね~」
「あー、もう、陽キャの極みであんた……だいしゅき……」
おかえり~、と言いたげに曲の途中にも関わらずに来てくれたチュリネを、玄関先にも関わらすごろんと転がりながら抱きしめる。冷たい廊下で仰向けになりながらチュリネを頬ずりする。
そうすると、まあ元気出せよと言いたげに口の中にチュリネの葉っぱが押し込まれる。
めっっっちゃ苦い、けど下手なエナドリより効く。さらに健康にいいとはこれいかに。癖になっちまうよお……。
何故か何かしらの影響を受けて大分陽キャ感が強いうちのチュリネ。踊りが大好きだし、出かけるのも好き、映えスポットとかもうたまんない、スイーツ系を食べる時はは自分含めてカメラで保存が日課(もちろん撮影するのは私だ)な今時の女子感溢れるチュリネ。
それでも一番優先してくれるのは私で、ヒップホップの陽気な音楽が流れる中、私の上でにこにこと抱きしめられてままでいてくれる。愛おしい存在。
「頑張るからね……お賃金稼いで貢くからねえ……」
「りね?」
この修羅場を乗り越えたら私、チュリネとラブラブで過ごすんだあ……。
そう思いつつ、明日のことを思い出して憂鬱になる。チュリネからもらった葉っぱを口でひたすら咀嚼しながら、ひたすら覚悟を決めるのであった。 - 931◆ur8bLwtjDU24/01/19(金) 02:44:14
- 94二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 06:22:58
ホゲータ
- 95二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 16:39:49
保守
- 96二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 02:53:43
保守
- 97二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 12:51:15
保守
- 981◆ur8bLwtjDU24/01/20(土) 21:25:09
ホゲちゃんはわたしの弟だ。お姉ちゃんのラウドボーンが生んだタマゴが孵るところからの付き合いだ!
可愛いわたしの弟は、火を吐くことが得意だけれど、ちょっと不器用でお絵かきをしても何を描いてるかわかんない。
でも赤いのと、それよりちょっと大きい何かを描いて、わたしににこにこで見せてくれたから、多分自分とわたしを描いてくれたのだ。そんなかわいい私の弟である。
だから。
「やだー!! ホゲちゃん連れてかないで~~~~!!」
「だから落ち着いたら旅に出るって言ってたでしょ」
「いや~~~~~~~~~!!!!!!!!」
わたしはホゲちゃんを抱きしめながらえんえん泣いた。わたしの弟だもん! 弟は連れてっちゃだめだもん!
ホゲちゃんはぽかんとした顔で私を見ているけれど、わたしが泣いていると思ったらよしよしと撫でてくれた。
お姉ちゃんはすっかり困った顔をしている。でも『初めてこんなわがまま言われたなあ』ってなんでかにこにこもしているから、怒っては無いと思うけれど。
「そんなにホゲータのこと好きなの?」
「ひっく……弟だもん……」
「あんた弟とか妹が欲しかったって前言ってたことがあるもんねえ。アハハ、困ったなあ」
ねえ?とお姉ちゃんはラウドボーンに目配せしている。ラウドボーンは困った顔をしながら近づくけど、でも優しい目をしながら、鼻先で頬ずりをされた。怒ってない?
でも、でも、ホゲちゃんが言っちゃうのは寂しいんだもん。いやだもん。ホゲちゃんをぎゅっと抱きしめる。ホゲちゃんは何もわかってなさそうな顔をしながら抱きしめ返してくれた。
「……よし、しょうがない、じゃあんたホゲータのトレーナーになる?」
「え?」
「あんたホゲータについてもしっかり調べてるし、ご飯の時間もきっちり守るし、こんなにも仲がいいもの。里親についても考えてたりしたし、あんた、ポケモンを育てることについて適当に考えてるわけじゃないものね」
「だって……弟だもん……」
「はいはい。で、どうする?」
お姉ちゃんの問いかけにぐっと息を飲んだ。私は腕の中のホゲちゃんを見つめる。ホゲちゃんは不思議そうに私を見ていて……けれど、私のことを信頼してくれている気がしたから、だから。
返事はとっくに決まっていた。 - 991◆ur8bLwtjDU24/01/20(土) 21:26:00
- 100二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:34:27
グレイシア
- 101二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 04:15:25
ほ
- 102二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:57:43
保守
- 1031◆ur8bLwtjDU24/01/21(日) 23:32:33
グレイシアは美しいポケモンだ。
その中でも特にうちのグレイシアは、高レベルでありつつ、ポケモンリーグで活躍している自負もあることから、プライドも高く、気高い存在だ。けれどそういう存在として確立することを許される実力と美しさが、親馬鹿の欲目が入ってはいるかもしれないが、あるのだと俺は信じている。
どんなポケモンに声をかけられても見向きもしない。美しく気高いグレイシア。
「ぐれぁ~~~~~♡♡♡♡♡」
……なんだけどなあ。外では。
膝の上で『構って♡ 撫でて♡ 甘やかして♡』とでも言うかのように寝転がりながらごろにゃんと甘え倒した声をあげるグレイシアは、この前野良トレーナーに6タテしたポケモンとは思えない。
ご丁寧に他の手持ちがいないときにここまで堰を切ったかのようにとんでもなく甘えん坊になるのだからなあ。
「はいはい、よしよし。今日も頑張ったなあ」
「ぐれあ♡ れいれい♡ れあ~~~~♡♡♡」
「ギャップがすげえ」
『遊んで♡ 遊んで♡』と言いたげにぺしぺしと弱い力で顎をパンチしてくる。
そのあとすりすりと頬ずりしてくるのだから、本当今日求婚してきたポケモンに対して“ぜったいれいど”の視線を送っていたとはやつとは思えない。
喉をくすぐってやるとへそ天した。ギャップとんでもねえよお前は。
「すごい可愛いなお前は……」
色んな意味を込めながら言うと、褒められたと思ったのか嬉しそうにひと鳴きした。本当に可愛いよお前。 - 1041◆ur8bLwtjDU24/01/21(日) 23:33:15
- 105二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 23:38:22
お姉さんなフェローチェ
渋で見た漫画が今も忘れられない - 1061◆ur8bLwtjDU24/01/22(月) 04:02:21
なんかよくわからないけど、知らないポケモンがいたのよ。
あたし、そんなポケモン詳しくないけど、まあ人間じゃないならポケモンじゃない?
だからその……白くて、触覚が生えてて、あたしよりもおっきなそいつが怪我しているようだったから、まあ、きずぐすりくらいは使ってあげてもいいんじゃないかって思って、使ってあげたの。あたしトレーナーじゃないから家のプリンが怪我した時用だったけど。
それからいくつかきのみもあげて、帰ったのよ。そうしたらなんか庭にその白いポケモンがいて、びっくりして窓開けたら上がり込んできたの。
あたしってほら、自分で言うのもなんだけどガリガリじゃない? 知っての通り、昔病気だった時の名残であんまりご飯が食べられないからなんだけど。あ、それでもスクールに通うくらいには今元気ってのはわかってるでしょ?
でも、そんなやせ細ったあたしがきのみを与えたからか、なんか……よくわからない衝撃を与えちゃったのかもしれないのよ。食べるのに困ってるのに分け与えられた!みたいな……?
それでプライドを刺激しちゃったのかなんなのか、あたしがあげたきのみの倍……以上、山盛りのきのみ持ってきて、ぐいぐい与えられたから困っちゃって。プリンも隅っこでじっとしてたわ。
でもあたしほら、病気の名残であんまり食べれないじゃない? ぐいぐい食べさせられすぎてつい、その、吐いちゃって……それも衝撃を与えちゃったのか、ええと……なんか、すごい慎重になって、あたしがめちゃくちゃ弱いもの? もうほら、ベビーポケモンみたいに放っておけないようなものになっちゃったっぽいのよ。
「だから今そのポケモンに膝枕されながらよしよしされてる理由になるわけね?」
「なんかあたしのお姉ちゃんになっちゃった……」
「ふぇろ」
「お母さん的にはあなたにお姉ちゃんが出来たって認識になればいいのかしら……流石にお母さんポジションは渡せないから……」
「速攻で受け入れすぎてない?」 - 1071◆ur8bLwtjDU24/01/22(月) 04:03:43
- 108二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 04:30:50
いじっぱりなイエッサン♀
- 109二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 07:58:05
- 110二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 08:12:12
ギャップつよいグレイシアちゃんかわいすぎか……?こういうのに弱い。愛でたい……
- 111二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 18:07:01
保守
こういうシリーズはポケモンを身近に感じられてめっちゃ好き - 112二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 23:32:11
ポケモンたち可愛いので保守
- 1131◆ur8bLwtjDU24/01/23(火) 03:25:26
- 114二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 12:54:25
保守
- 115二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 17:41:40
保守
- 116二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 23:16:31
作品好きです
- 1171◆ur8bLwtjDU24/01/24(水) 03:23:56
私はとある喫茶店を経営しているしがない男だ。
喫茶店は趣味でレトロな内装にしている。長年通ってくれる常連にもこの雰囲気が好きだと言ってもらえているため、このやり方を変えるつもりはない。
この店の目玉はコーヒーだ。私がブレンドした特製のコーヒーは味も香りもよいと自負している。そのうえ人間だけではなくポケモンも飲める仕様だ。……まあ、好むポケモンも限られているがね。
さて、ここ最近ともに喫茶店で働いてくれているイエッサンはそのコーヒーが苦手なポケモンの一人だ。
いくら飲めると言えども好き嫌い得意苦手はあるだろう。別にコーヒーが飲めなくたって、彼女がこの喫茶店でよく働いてくれていることには変わりはない。
……のだが、どうにも彼女はコーヒーを飲もうと果敢に挑戦している。
せめて砂糖とミルクを多めに入れれば飲みやすいと思うのだが、彼女はそれを拒否してブラックのままで飲もうとして撃沈していることが多数。
終業後に毎回私に淹れるように注文してくるのだが、苦手なものを無理してのまなくていいのだと常々思うが、この意地っ張りなお嬢さんはそれじゃ気が収まらないらしい。
……まあ、わかっているのだ。私のコーヒーを味わう人を見て、羨ましそうにしているイエッサンを幾度も見ている。
そういった彼女なりの気持ちを否定するつもりはない。嬉しいともこそばゆいとも思う。だがしかし、苦しい思いまでして飲んでほしくもないのだが……でも、それを私が言うのも野暮なのだろう。
私は苦いコーヒーを少しでもマシに出来るように、同時に作っていたはちみつたっぷりのパンケーキ彼女の傍に置く。
「……いぇう」
「まあ、まかないだとも。好きに食べてくれ」
ちょっと不満そうにしていたけれど、パンケーキを食べて目を輝かせているので彼女の好みの味だったのだろう。
これで少しでも苦みへの負担が減るのならいいことである。
私は自分の分のコーヒーを飲みながら一息ついた。ちなみに私のコーヒーには角砂糖が二粒入っているが、彼女は知らないことである。 - 1181◆ur8bLwtjDU24/01/24(水) 03:25:14
- 119二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 05:08:46
戦い好きのカイリュー
- 120二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 15:25:57
保守
- 121二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 23:28:38
戦い好きなの可愛い
- 122二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 04:30:01
保守
- 123二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 12:59:39
ほ
- 124二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 21:52:08
保守
- 1251◆ur8bLwtjDU24/01/26(金) 03:58:37
「うおおおおお!!!!」
「りゅああああああああ!!!!」
俺とカイリューの目の前では、キバナのキョダイマックスしたジュラルドンに、同じくキョダイマックスしたリザードンがキョダイゴクエンを放つ姿だ。
ダイマックスというガラル特有のポケモンの巨大変化と、それに伴う大迫力の技のぶつけあい!
しかもガラルツートップの実力を持つと名高い二人の攻防だ、そりゃ燃えねえわけがねえ!
隣に座っているカイリューも身を乗り出してみている。おうおうお前も興奮するよな、カイリュー。かくいう俺も大興奮で身を乗り出しっぱなしだ。
俺のカイリューはバトルが好きだ。自分が戦うのも好きだし、誰かが戦っているのを見るのも好きだ。
そんなカイリューが好きなのがこのガラルのチャンピオン戦で、毎度ダンデのチャンピオン防衛線が行われるときは欠かさず見ている。
時折俺にガラルに行きたいと堂々とねだってくるし(俺らまだセキエイリーグ挑戦中だろ!)、ダンデと戦いたいとめっちゃトレーニングしていると、強くなることに貪欲だし、かと思ったらダンデとリザードンの描かれたポスターも欲しがったりしてなかなかミーハーでもある。
「はー、今日も最高のバトルだったな」
「りゅあああ~! りゅー!」
「あん? ダイマックス羨ましいのか? まあお前もでかくなりてえよな」
今もドラゴンタイプなだけあって十分でかいが、そんなカイリューが見上げるほどのでかさだ、男ならロマンを求めるものだろう。
俺だってでかくなったカイリューが見たい。見てえ。見てえに決まってんじゃんかよ。
「カイリュー、リーグで優勝してガラルに行くぞ! んで打倒ダンデだ!」
「りゅあー!!!」
俺たちは気合を入れる。カイリューもガラルでダイマックスをする気満々だ! これは優勝するっきゃねえな!
……という俺たちは、先月はメガシンカに夢中になり、先々月はZわざに夢中になり、来月はテラスタルに夢中になることになる。
いやだってさあ、地方ごとのバトルの特色ありすぎてさあ! - 1261◆ur8bLwtjDU24/01/26(金) 03:59:22
- 127二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 04:46:57
戦闘狂のハッサム
- 128二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 16:05:21
保守
- 129二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 00:46:11
スレ主のSSポケモンが生きてるって感じがして大好き
- 1301◆ur8bLwtjDU24/01/27(土) 04:58:53
- 131二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 15:10:37
保守
- 132二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 19:54:17
保守
- 133二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 00:40:01
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- 1341◆ur8bLwtjDU24/01/28(日) 04:31:20
うちのハッサムは戦闘が好きだ。戦闘狂って言っても過言ではない。
ストライクの時はあちらこちらに喧嘩を売って大変だった。もうとにかく戦いたくて仕方ない!といった風に、ポケモンを見るとバトル仕掛けようとするから、もう俺はそれを止めたり叱ったり相手さんに謝罪したりと苦労させられた。
というわけで、うちの問題児であった。あったわけなのだが。
ハッサムになってから微妙に変化が出てきたというか……。
「はさっ」
「ええと?」
「あ、ああ~~~もうお前~~~~!!」
バトルコートでの試合の帰り。急にハッサムがはっ…!としたかと思ったら通りすがりのトレーナーの前に立って頭を下げている。相手さんは困惑している様子だ。そりゃそうだ急に頭下げられてるんだから困るわ!
俺はハッサムの背中をぺしっと叩きつつすみません、と謝罪する。
さっきさんざんバトルしてきたはずなんだけどなあ……。
「いや、いいけど私何かやってしまったかな?」
「いえ……うちのハッサムあの、バトルが好きなんです。それで、あの、ストライクの時はもう見るものすべてに挑んでたんですけど、ハッサムになってから嗅覚が鋭くなったのか、バトル強者を感じ取ると『バトルしてください』って頼むようになってきていて……」
「お、おおう、少しうれしい」
あ、優しい人のようだ。実質的にハッサムに強者認定されて少し照れている。
ポケモン特有の勘なのか相手の実力を見ただけで測れるようになったらしいハッサム。急に喧嘩を売るんじゃなくて申し込むようになったのはまあ、成長なのか。
そしてハッサムがわざわざ申し込んだ相手さんは苦笑しながらも、ボールを取り出す。それから見えるように俺たちに掲げた。
「まあ、これも何かの縁だし。いいよ、その申し出を受け入れるよ」
そういった相手さんはにやりと笑う。すました顔を獰猛な笑みに変えて。
……なるほど、幸運なことに、ハッサムは同族を見つけたのかもしれない。 - 1351◆ur8bLwtjDU24/01/28(日) 04:32:20
- 136二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 07:12:26
ナルシストポリゴン2
- 137二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 16:53:41
保守
- 138二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 00:53:43
ナルシストか
- 1391◆ur8bLwtjDU24/01/29(月) 01:00:15
俺のところにはポリゴン2がいる。
まあ、外で弱っていたから保護して、そこからなんとなく一緒に暮らし始めたポケモンなんだが、最初はそりゃ機械的だった。
表情ひとつ変わらず、俺が言わないと飯も食べず、ただ置物のようにいるだけ。もとは作られたポケモンだって話だからその名残かと思ったけれど、なんとなく……ポケモンってのはもっと、自由気ままで元気いっぱいなもんだって漠然としたイメージがあった俺は、ポリゴン2の情操教育に励んでみたわけだ。
今思うとそれは俺のポケモンへの勝手なイメージの押し付けな気もしないでもなかったけれど……。
「それでも、あいつが受け入れてくれたからな、今の俺たちがいるんだよ」
「へえ~、いい話だなあ」
友人にポリゴン2との出会いの話を聞かれたから聞かせてやっていた。ぱちぱちと拍手をしているが、しなくていい。恥ずかしいだろ。
「それであそこで日向ぼっこしてるのがそうだよな。確かになんか……機械的って感じはしないな」
「今の時間がお気に入りみたいだ」
「ふーん、おーいポリゴン2~」
友人が声をかける。かけるが、あいつはぴくりとも反応しない。………やっぱり?
俺は肩を落とす。友人は『無視された?』みたいに眉を下げている。
「いや、違う。無視じゃなくて、あいつ自分の名前をそれって多分思ってない」
「え? ニックネームつけてたの?」
「いや、違くて。……あの、うちのポリゴン2、」
言いづらい、言いづらいが、いやでも俺の責任だし。
「多分自分の名前『可愛い』と思ってて……」
「………そういう風に自分を認識してるポケモン聞いたことあるけど、ポリゴン2が!??!」
「そうだよ!! ポリゴン2がだよ!!!」
「つまりお前」
「うるせえ!」
俺がやけくそまじりに『可愛いんだよあいつは!』って叫ぶと『呼んだ?』という顔でこっちに来た。ああ呼んだよ可愛いなあお前!! - 1401◆ur8bLwtjDU24/01/29(月) 01:01:20
- 141二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 01:02:30
甘えん坊のポッチャマ
- 1421◆ur8bLwtjDU24/01/29(月) 03:46:46
うちのポッチャマはまだたまごから生まれたばかりのベビーちゃんである。
そのくせポッチャマらしくプライドだけはいっちょ前で、野生のケムッソに喧嘩を売っている。
でも特に敵意のないケムッソにつん、と突かれてひっくり返ってしまった。そのまま森に帰ってくケムッソ。そしてポッチャマは目に涙を浮かべながらこっちに向かってすっ飛んできた。お前なあ。
「ちゃまっ! ちゃまちゃま、ちゃまぁ~!」
「はいはい、まったく泣き虫だなあ」
あたしの腹に顔をうずめて、泣きながら文句を言っている様子だが喧嘩を売ったお前が悪いと思うよ。
ポッチャマはしばらく泣きわめいて、ようやく泣き止んでもめそめそし続けるもんだから、しょうがないなあ、とあたしはポケモン用のクッキーを取り出す。ポッチャマの好きなやつだ。
「ほら、あーん」
「ぽちゃ!」
あーん!とされるがまま口を開くからそっと口の中に入れてやる。そうしたらちゃまちゃま言いながらもぐもぐと食べ始めるのだから、すっかり機嫌が直った様子にこっちも苦笑いだ。
食べ終わった後おかわり!と言いたげにもう一度口を開くから、『もう一個だけだぞ』とクッキーを出してやる。
甘ったれのポッチャマではあるけれど、甘やかしちまうあたしもあたしか。
おいしかった!と言いたげにけぷっとげっぷをしたポッチャマは、そのままあたしの膝に座りながらうとうとし始めた。
もうケムッソにひっくり返されたことを忘れた様子で、単純だなあ、と思いながら頭をなでてやれば、もっと、と言いたげに頭を押し付けてきた。
……それを見るポケモンが一人。
「ぺる……」
あんまりうちの子甘やかしすぎないようにしてくれませんかね、とこの子の母親であるエンペルトがそんな風に言いたげにあたしの後ろに立っている。
いやあ、あたしもわかってるんだけど。あと少し。あとちょっとだけ。 - 1431◆ur8bLwtjDU24/01/29(月) 03:47:52
- 144二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 04:31:08
びしょうのあかし持ちネオラントとネガティブな少女トレーナー
- 145二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 14:09:41
保守
- 146二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 21:23:26
ポッチャマありがとうございます!!可愛かったです!
- 147二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 06:04:03
保守
- 148二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 13:54:01
つぎもたのしみにしてます!
- 149二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 22:38:01
保守
- 1501◆ur8bLwtjDU24/01/31(水) 00:40:48
私のパートナーポケモンであるネオラントは、私が桟橋でめそめそ泣いているときに出会った。
その時はまだ進化する前で、ぴかぴかと光りながらケイコウオが顔を出したときは何事かと思った。それから泣いている私を見てにこにこしながらもどうしたのー?と周囲を泳ぎ回り、さらにはぴょんっと水中から飛び出て一回転と、まるで励ますように跳ね回るから、泣いていた私も思わず笑顔になってしまった。それが出会いだ。
その時に捕まえるようなことはなかったんだけれど、それ以来水辺に行くたびに顔を出して『元気ー?』とでも言うかのように跳ね回るから、成り行きでパートナーになってしまったわけだけれど。
本当に、この子はいい子だ。ネオラントに進化するときだって、私が泣いていた時に、まるで『見て見て!』と励ますように私の目の前で進化をし始めたのだから何事かと思った。
ネオラントに進化したこの子は優雅で綺麗で、本当にこの世界のどのポケモンよりもきれいだって心から感じた。
なのに無邪気に笑って、泣く私に寄り添うから。
きっと私じゃきみに釣り合わないだろうし、絶対きみにふさわしいトレーナーがいるのに、いつも私のそばで笑っていてくれる。
「……ネオラント、私はやっぱりダメダメだよ。まだ自分に自信が持てないし、いつだって負ける自分を想像してる」
「ねお!」
「わかってる、そういうの……よくないって。ほかでもないきみのトレーナーの私がそんなこと思うのは失礼だよね」
本当は私以外のトレーナーのほうがきみの魅力を引き出せたんじゃないかとか、君の実力を発揮できたんじゃないかとか、きみをのびのびと過ごさせてくれることができたんじゃないかとか。
でも、あの日きみが私を見つけてくれたとき。私はいつも私じゃないほうがよかったんじゃないかって思うけれど、それでもうれしくて、救われたのは確かなんだ。
「ああ、もう、逃げたい、帰りたい、隠れたい……怖い、本当に怖い」
「ねおねお」
「……でも、君と一緒なら、大丈夫、な気がする」
なんとも情けない意気込みだけれども、ネオラントはそれでいい、とでも言うかのように笑いながら、私と一緒に前にでた。
明るい舞台、大勢の観客、そして目の前で立っているジムリーダー。
司会の人が叫ぶ。
「さあ、次の挑戦者はーーー!」 - 1511◆ur8bLwtjDU24/01/31(水) 00:42:27
- 152二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 06:15:17
このレスは削除されています
- 153二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 06:15:58
ロボット好きの少年とブリジュラス
- 154二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 16:23:02
保守
- 155二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:23:30
保守
- 1561◆ur8bLwtjDU24/02/01(木) 02:16:17
「う、うおおおおお!」
にいちゃんのジュラルドンに久々に会える!とわくわくしていたら、出てきたのは全然違うポケモンだった!
いや、ジュラルドンに似てる。似てるし、兄ちゃんが出してくれたんだってことは、ジュラルドンなのかもしれない。
でも全然姿が違う! 進化したの!? でもジュラルドンって進化しないんじゃかったっけ!?
「道具を使ったら進化出来んだよ。ほら、ジュラルドン改めブリジュラスだ、仲良くしてやってくれ」
「ふおおおおお!!!」
びっくりしたけど! すっごく驚いたけど! それでもジュラルドン……じゃなかった、ブリジュラスが恰好いいことに変わりはない。
いつものように飛びつく。表面がつるつるしてるから飛びついた瞬間ずるずると下にずり落ちていくわけだが、その前にブリジュラスがでっかい手で支えてくれる。
「すっごいなあブリジュラス! お前、進化前以上にこーんなに恰好よくなれんのかよ!」
あ、もちろん進化前の姿も大好きだけど!と付け加える。ブリジュラスはにこにこしていて、近くに立ってる兄ちゃんもにこにこしている。なんだよう笑うなよう。でもブリジュラスがかっけえからしょーがねえじゃんかよう。
ブリジュラスは俺を下ろす。それから兄ちゃんに指示に従ってなぜか離れーーそして急に身体が変形し始めた。
え!?!と驚く俺をよそに、ブリジュラスはなんと……橋みたいになっちまいやがった!
「す……すげ~~~~~~!! かっけ~~~~~~~!! ブリジュラス変形できるの!?!?!?! すごい!!!!」
「あー……こういう声健康にいいよなブリジュラス。このために実家に帰ってるといってもいい」
「らす」
俺はもうぴょんぴょん飛び跳ねながらブリジュラスの周りを駆け回った。駆け回りすぎてひっくり返った。兄ちゃんもブリジュラスも心配してくれたが、俺は興奮がやまない。
この後橋になったブリジュラスの上を渡らせてもらったりした。歩いてもびくともしてねえ!!! すげ~~~~~~~~~~~!!!!!!! - 1571◆ur8bLwtjDU24/02/01(木) 02:17:07
- 158二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 03:05:22
初見です。応援しています!
よろしければ『ルガルガン(まよなかの姿)』をお願いいたします🙏 - 159二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 12:38:40
保守
- 160二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 22:13:12
寝る前保守。少年のはしゃぎ方がかわいい……
- 161二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 02:35:06
保守
- 162二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 07:30:17
保守
- 163二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 13:42:39
1さんの作品、とても好きです!
- 1641◆ur8bLwtjDU24/02/03(土) 00:01:17
うちのルガルガンは暴れん坊だ。まあ別に家のものを壊しはしないんだが、有り余るパワーを解消するために家を駆けまわって花壇の一部を破壊して、母ちゃんに怒られて以来(そりゃもうびっくりするほど尻尾を低くして伏せてた)、真夜中の時間帯にちょっと外に出て遊んでやったりしている。
ルガルガンってのは凶暴なポケモンっていう話だが、それでもちゃんとポケモンに合った対応してやっていたらそんなひどいことにはならない。さっき言ったみたく花壇を破壊しちまうやんちゃなところはあるが、俺のところのルガルガンはこうして夜中に放してやればわりと有り余るパワーってのを発散できるみたいなので、こうしてワイルドエリアにその都度来てるわけだ。
もちろん毎日だと俺の体力が持たねえから、日を開けたり兄弟に託したり、そういったトレーナーにお願いしたりしているわけだが、そういった形で添ってやればルガルガンも満足しているのだから、こういう日々を過ごしているわけだ。
さて、そんな俺のルガルガンは、ワイルドエリアを全速力で駆け回ってしまいには遠吠えしている。
ちなみに俺一人だけじゃ危ねえってんでお袋のニンフィアが護衛としてついてきてくれてる。めっちゃ可愛くて俺の膝にのって甘えてくる超キュートなやつなんだが、この前ガブリアスをワンパンとかしちゃってたやべえニンフィアさんである。ルガルガンも頭が上がらない。
「がるるるるるがっ! るがるがるがー!」
「うわあきちょうなほねだなこれ。なに、俺投げればいいの?」
「るがーーーん!」
何かしら見つけて持ってきて俺に渡してくるが、これ店に売ったらそこそこの値段する奴じゃねえの、と思いつつねだられるままに投げていけば、くるくる回転しながら飛んでいく骨を見事に空中キャッチしたし、テンションのままにかみ砕いている。ああ、推定2500円。
そのまま全力ダッシュで走って行って木に身体をぶつけて周りにどさどさっと木の実やホシガリスを落としていた。ごめんなホシガリス。
とまあ、そんな感じに真夜中にはしゃいじゃうなんとも可愛いやつである。
……え? ほかのまよなかのすがたのルガルガンってもっと凶暴だって?
凶暴だろ。花壇壊したし。 - 1651◆ur8bLwtjDU24/02/03(土) 00:02:13
- 166二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 00:09:14
手品が下手なのを気にしてるマスカーニャ
- 167二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 01:00:40
- 168二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 10:56:23
保守
- 1691◆ur8bLwtjDU24/02/03(土) 19:34:46
「……というわけでこのひもを引っ張ればあら不思議、持っていたはずの帽子はなくなっているわけだ……どうだい、できるかな?」
「にゃ! にゃにゃにゃにゃ………にゃーん! にゃ!? にゃあ~~~~~~~~!!!!」
「何故ひもを引っ張るだけなのに絡まるのかね」
逆に器用に体中に紐を絡ませたマスカーニャが床に倒れる。うにゃうにゃとなんとかほどこうとしていたが、さらに絡まるばかりで、やがてぴくりとも動けなくなってしまった。
このまま解くのも大変そうなので、いったんボールにしまってから出せば、ぺしゃっと座り込むマスカーニャが落ち込んだように俯いていた。これで10度目の失敗だからそりゃ凹むだろう。
――なかなか不思議だが、うちのマスカーニャは手品が苦手だ。マジシャンポケモンと分類されているように、マスカーニャというポケモンはその生来の特徴として小器用で、まるで手品のように物の出し入れができるのだが、どうしてかうちのマスカーニャは苦手のようだ。
「うちのサーカスじゃ一番の身軽なのに、手品だけは上手くいかないなあ」
「にゃーお!」
「お、もう一度かい? 君は負けず嫌いだからね、うん、頑張ろう」
そして私はマスカーニャからしてみれば師匠みたいな存在かもしれない。
バリアードとともにこのサーカスのマジックショーを担当しているもので、ニャオハの時から観客として見続けてきたこの子にとって、同じ舞台に立つという気合はこれ以上なくある。
ただ生来の不器用さに翻弄されているようだけれど……そこは頑張ってもらわないとな。綱渡りや空中ブランコは誰より得意なのだけれど、それでもマジックショーに立ちたいと言っているし。
それに、私自身もこの子と同じ舞台に立ちたい。
親ばかと笑ってくれ。しょうがないだろう、この子が何よりも可愛いんだ。
「もう一度やろうかね、見ていなさい、マスカーニャ」
「にゃ!」
その日も練習は夜遅くまで続いた。
不器用な子だけれど、いつか努力は花開いてくれるはず。私はそう願ってやまない。 - 1701◆ur8bLwtjDU24/02/03(土) 19:35:21
- 171二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 20:14:54
プロ意識が高すぎるウェーニバル
- 172二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 20:50:46
- 173二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 05:02:06
保守
- 174二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 13:12:27
保守
- 175二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 22:40:48
マスカーニャ頑張れ!
- 1761◆ur8bLwtjDU24/02/05(月) 03:31:01
ウェーニバルの朝は早い。朝の5時に起きると第一に白湯を飲み、それから身体のストレッチ。身体を朝に慣れさせるように緩やかな運動をした後は、木の実で作ったスムージーを飲んでから外に出てランニングを行う。家に戻りシャワーを浴びて朝食をとると、テレビやパソコンなどでダンスの動画を見て学習する。今のウェーニバルは特にジャズダンスに重きを置いていた。ぽけぽけ動画の踊ってみたを見て気に入ったらしい。
朝の学習を終えた後はバランスのいい昼食をとり、トレーナーである俺とともに街に繰り出す。今日は休日、バトル場などで、対等か格上の相手を特に重視して選び、最善を尽くしたバトルをしようと健闘する。
勝つことも負けることもするが、ウェーニバルは今の自分に満足しない。常に高みを目指そうとする意識の高さを見せている。傍らにいる俺も気が引き締まるものだ。
バトルをひととおり行ったあとはどこか座れるところでボードゲームの駒などを使って先ほどのバトルの動きを確認する。スマホロトムを使用して映像でもしっかり残しているからそれも見ながらだ。
そこまでしてからようやく家に帰り、夕食をとり、風呂に浸かって全身を解す。風呂から上がったらストレッチとマッサージ。美顔器の使用も忘れずに。とりポケモン用の羽を梳かすオイルをつけながら、あとは身体を白湯などで温めてから見て就寝する、のだが。
――今日のすべてが終わった後はトレーナーとポケモンの時間である。
「今日も偉かったな、ウェーニバル。お前のダンスにもバトルにもいつもほれぼれさせられる。羽のひとひらの動きさえお前にかかると芸術的としか言いようないほどのきらめきを放っていた。お前こそ俺の誇りだ。たとえ敗北してもあきらめることなく高みを目指そうとしているお前は美しい」
「うぇに……」
俺の膝の上に頭をのせながら蕩けた姿をしている。なんとも可愛らしいウェーニバルの頭を撫でながら、いっそほれぼれするとさらに続ける。
「お前の現状に満足せず日々を無駄にしてはならないと藻掻こうとする姿にいつも私は自分をはっとさせられる。やはりウェーニバル、お前は素晴らしいよ。明日もともに頑張ろう」
「うぇにぃ……」
ああ、だが普段の気高い姿も美しいが、今の俺を信頼しきった姿も愛らしい。
俺にとって、お前はどんなポケモンよりも崇高で素晴らしいポケモンだとも。 - 1771◆ur8bLwtjDU24/02/05(月) 03:32:32
- 178二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 03:51:03
- 179二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 10:59:57
- 180二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 20:50:41
ニャオニクスをリクエストしたものです
可愛い!スレ主さんありがとう! - 1811◆ur8bLwtjDU24/02/06(火) 02:09:28