- 1スレ主24/01/09(火) 22:56:29
- 2スレ主24/01/09(火) 23:04:06
玲王「…(頭いてぇ…)」
時間が経ってすっかり泡が溶けてしまった元・泡風呂に浸かり、湯船の淵にだるくなった身体を預けて二人分の質量で溢れ出た湯が排水溝の中に吸い込まれていくのを、玲王は痛む頭を押さえながら眺めていた
あの後、すっかり力が抜けてしまった玲王は凪に髪と全身を適当な感じで洗われ、そのままザブンと雑に湯船に入れられた
玲王「(そーいやトリートメントされてねぇ…ま、いっか…コイツの家のシャンプー、オールインワンみてぇなやつだったもんな…)」
凪「ここ押したらジェットが出んの?ここがライトで…へぇー、色も変わるんだ。凄いね、この家のお風呂」
後ろから長い脚を玲王の身体の横に伸ばして背面◯位のような形で座っている凪を、玲王が首を後ろに回して見る
玲王「ちけぇ」
凪「え?」
玲王「なんでそんなくっついてんだよ。広いんだから、もっとあっち行けよ」
凪「…なんでって、そりゃ今の玲王ほっとけないじゃん。そのまま脱力したら、お湯の中沈んでいきそうだし」
凪に面倒を見られている
これじゃ立場逆転だろ、と玲王はため息を吐いた
そこには、凪の態度に対してだけではなく、恋人ではない凪と流されるがままに行為に及んでしまった自分に対しての呆れも含まれていた - 3スレ主24/01/09(火) 23:09:59
玲王「(ダセェ…)」
自分がこんなにも快楽に弱くて、流されやすい人間だとは思わなかった
玲王「(しにたい…記憶が戻ったら、凪になんて言って謝ればいいんだろ…)」
もしかしたら許してくれないし、一生口も聞いてくれないかも知れない
玲王「(コイツの頭殴ったら、さっきの記憶だけ綺麗に抜け落ちたりしねーかな…なんだっけ、あれ、だるま落としみてーに…)」
凪「ねぇ」
バチャッ
玲王「ぷぁッ!?」
自分に背を向けたまま考え事をしている玲王を振り向かせるため、凪がその首元に湯をかける
玲王「なにっ」
凪「どーだった?俺とエロいことすんの」
玲王「……別に」
凪「別に?また嘘つくの?」
この黒い瞳に見つめられると、凪に心の中全てが見透かされるようだった
玲王「気持ち…良かった…」
玲王「(でも、頭いてーし、喉も、カラダも、全部痛いし…何より、気分が最悪だ)」
玲王は慣れない行為で身体に変な力が入ってしまっていただけではなく、我に返った今、その心の中も嵐が過ぎ去った後のようにボロボロだった - 4スレ主24/01/09(火) 23:15:30
玲王「もうやりたくねぇ…」
凪「たしかに、お風呂ではヤリづらかったかもね」
玲王「じゃなくて」
凪「じゃあ口直しにもっかいする?この後ベッドで」
その言葉に、玲王が呆れた顔をしながら凪の方へと身体を向ける
玲王「…お前なぁ、エロいことしか頭にねーのかよ?」
凪「やりたい盛りの高校生なんてこんなモンでしょ」
玲王「全員がお前と一緒だと思うな」
凪「はぁー、つまんない生き方だね」
玲王「は?」
今まで17年間生きてきて、他人からそんなふうに言われたことはなかった
心外だ、と玲王が凪との距離を詰める
凪「気持ち良かったって認めてんじゃん。好きなコト我慢して、それで生きてて楽しーの?」
玲王「(何言ってんだコイツ…)」
玲王「みんながみんな、お前みたいに自由に生きてられねーの!」
凪が湯船の隅に残っていた泡を手で掬い取り、フゥッと玲王の顔に向かって吹き付けた
泡は玲王の鼻に命中し、玲王はイヤそうにそれを手で払い除け、お返しだとばかりに風呂の湯を凪の顔にかける - 5スレ主24/01/09(火) 23:18:01
凪「ブハッ…ゴハッ、もぉ…鼻に入ったじゃん。つーか、アンタって俺とはいつから付き合ってんの?」
玲王「(今更かよ?)今年の…夏」
凪「え、てことは付き合って三ヶ月?告白は?どっちからしたの?俺?」
玲王「んなの…お前には教えねー。知りたかったら自分で思い出せ」
玲王は凪の脚の間から抜け出て、警戒するように少し距離を取った
コイツは危険だ。何故か良いようにされてしまう
凪「で、初エッチはいつ?」
玲王「だから、してねぇ、って」
凪「え、さっきみたいなのは?」
玲王「それも…さっきのが初めてだよ、あんなお互いの、触ったり、とか…」
自分で言っておいて恥ずかしくなってしまった玲王は、凪から目を逸らしながらブクブクと身体ごと顔を湯の中に沈めていく - 6スレ主24/01/09(火) 23:21:43
凪「…嘘でしょ?」
凪が宇宙人でも見るかのような目で玲王を見た
玲王「…?」
凪「ていうか、恋人なのに今までキスだけとか…マジ?手とか口でも、全然シてないの?」
玲王「手とか、口…?」
凪「そんなの絶対足りないと思うんだけど」
玲王「…」
凪からグサグサと気にしていることを言われて、玲王は口ごもる
玲王「だから、凪は…いっつも俺のこと、待ってくれてて…」
凪「それは俺が待っててくれたんじゃなくて、待たせてたんでしょ?玲王が」
玲王「え」
ストレートな凪の言葉に、玲王の瞳が揺れた
凪「うわー…可哀想、俺。ヤりたい盛りの男子高校生が告ってから三ヶ月もお預けされるとか…絶対物足りなかったでしょ」
玲王「…」
言い返せなくて、止まない凪の言葉に玲王は下唇を噛んでただジッと耐える - 7スレ主24/01/09(火) 23:25:55
凪と同じ顔と声の人物、というか本人
凪のことを誰よりも理解していると思っている自分より、遥かに本人の思考に近いのは目の前の男の方だということは玲王だって分かっている
その人物から「生殺し、物足りなかった、俺が可哀想」と恋人への自分の態度を散々に言われて、玲王の心はどんどん揺らいでいく
玲王「それは…俺が、知らなかったから…」
凪「え?」
玲王「色々あって、その…俺が、男同士のやり方とか知らなかったから、凪が、全部教えてくれるって」
凪「それで?全部俺任せ?」
玲王「任せ、って…」
言い換えれば、たしかにそうかも知れない
それならば自分は知らず知らずのうちに、凪に甘えていたのだろうか
お互い初めて同士なのに
自分はワケあって性に関することを避けていたからと、それほど積極的に行動することもなく、ただずっと今まで受け身の姿勢で凪に頼りっきっていたのだろうか - 8スレ主24/01/09(火) 23:30:07
凪「だいたい俺のこと『優しい』って言ってるけどさ」
凪『あ、いや、あーんはもういーよ。御影くんが食べれないじゃん』
玲王『え、俺?優しーね、お前』
凪「優しいってそれ、言われた方からしたら、なんか押し付けられてるみたいでイヤなんだけど」
玲王「…え?」
凪「俺はアンタの前で、優しい俺でいなきゃいけないの?」
凪が手に乗せた泡を吹いて、シャボン玉のようにして遊んでいる
やることが子どもっぽいからか、言うことも子どもみたいに遠慮がなく、残酷だった
凪「そしたら俺がアンタに優しく出来なかった時に、アンタは裏切られたって勝手に思うじゃん」
玲王「そんなの…思わない」
凪「絶対にそーだって言い切れんの?」
玲王「…」
玲王『嫌がったら止めてくれるじゃん』
では、自分が凪に言ったあの言葉も呪いだったのだろうか - 9スレ主24/01/09(火) 23:35:55
玲王『…あのな、キスはまだいっぱい出来ないけど、俺がお前のこと好きなのは本当だから。信じてほしい』
玲王「…」
ゆっくりと二人のペースで進めばいい、そう思っていたのは自分だけで
凪は本当はもっと自分に触りたかったのに、自分の言葉のせいで、色んなことを我慢させていたのだろうか
凪「さっきの気持ち良かったんでしょ?なんでもっと前からしなかったの」
凪は先程の行為を自分としたかったのに、ずっと我慢してくれていたのだろうか
玲王「(我慢させてたのは…俺?)」
玲王『あんまり、くっついたりとか、そーいうのは…ちょっとやめね?って』
玲王「…」
玲王の瞳に涙の膜が張る
凪「(また泣いてるし…)玲王ってさ、我慢する性格だよね。さっきシてる時も最初は声出さなかったし」
玲王「黙れ、って…」
凪「オムライスの絵だってさ、あんな落ち込んで泣かなくても…もっと俺に怒ればよかったじゃん」
玲王『俺がオムライスに絵描くとか言ったせいで…結局、スゲー空気悪くしてるわ…』
凪「きっと俺、アンタに合わせてスゲー我慢してたよ。だからもし記憶が戻ったらさ、よくガマンしてたな、って、もっと褒めてあげてよ」
玲王「お前に言われなくても…褒めてたよ」
凪「あと、いっぱい、甘やかしてあげて」
玲王「甘やかしてた、って」 - 10スレ主24/01/09(火) 23:39:05
凪「…」
それでも、きっと自分には足りなかっただろう、と凪は思う
17年間愛情を知らなかった自分の中は渇ききっているから
いくらでも玲王からの愛情を欲しがって、足りなくて、やっぱり身体ごと全部自分のモノにしたいと思っていたはずだ
凪「(これが独占欲…か)」
凪「じゃあ、恋人の俺に戻る前に練習しとく?」
玲王「え」
凪「男同士のやり方、ホンモノの俺と実際に試した方が早いじゃん?」
これは洗脳?言いくるめられてる…?
本番は絶対恋人の凪としたいけど、たしかに凪のために少しは自分も勉強した方が良いのだろうか
ちょっと危うい状態の玲王だが、なんとか元に戻って欲しい
玲王の答えを下3レスから🎲 - 11二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 23:43:52
お前は俺の恋人じゃないから駄目
- 12二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 23:56:32
初めては記憶が戻ったお前とがいい、だから早く思い出してくれよ
- 13二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 00:11:44
ガマンしてくれていたなら尚更、これ以上不誠実なことはしたくない。記憶が戻った恋人のお前に捧げたい
- 14スレ主24/01/10(水) 09:49:30
- 15二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 09:58:14
今のところ【このシリーズの凪×玲王←記憶喪失凪くん】という図なわけで、セルフとはいえNTRグヌヌ…てなるスレ主の気持ち、わかるよ
でも玲王が愛してるのは元の凪っていうのは絶対ブレないから記憶喪失凪くんの叶わぬ片想いで、絶対元の自分には勝てない状況なのにもまた胸を締め付けられる
記憶は絶対に戻ってほしいけど、記憶喪失凪くんの自我は消えるんだよな…😢 - 16二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 16:31:51
このぬい可愛いなぁ
頭良さそうなぬい - 17スレ主24/01/10(水) 18:29:33
玲王「初めては記憶が戻ったお前とがいい、だから早く思い出してくれよ」
凪「…」
玲王「?」
元の凪よりさらに表情が分かりにくい今の凪の、その表情が少し曇った気がした
凪「どーかな」
玲王「え?」
凪「このまま元に戻らない可能性もあるけど」
玲王「そ、そんなの…戻らねーと俺が困るッ!!」
凪の肩を掴んで玲王がガクガクと揺さぶる
凪「うぇ…やめて、マジで記憶がトぶ…」
玲王「(俺には、凪と一緒に叶えたい夢があるんだから…!)」
夢のために始まった二人の物語
凪が元に戻らないということは、二人の出逢いも、努力も、たくさんのすれ違いとそこにまつわる想いも
その全てが無かったことになる
凪「はぁ…ゲホッ、俺は別に困んないよ。このまま玲王と一緒に楽しくゲームして暮らせたらそれでいーし」
玲王「ハァ?」
凪「あ、でもさ。俺の記憶が戻った時、今こうしてる記憶の方は消えちゃうパターンもあったりして」
玲王「…?どーいうコトだよ?」 - 18スレ主24/01/10(水) 18:36:03
凪「つまり、元の俺に戻った時、記憶を失ってた間に俺がしてたことは全部忘れてる可能性もあるかも、ってこと」
玲王「全部、忘れる…?」
凪「そしたらさ、さっきシたこととか、もし俺と”初めて”の練習をしたとしても、元の俺の記憶には何も残らないかもね、って話」
玲王「…」
凪「だからさ、しよーよ。俺と練習。どーせ玲王のことだから、クソ真面目に恋人の俺に悪いーって義理堅く考えてんでしょ?大丈夫だって」
玲王「いや、わかんねーじゃん…そんなの」
記憶が戻った時に、記憶を失っていた間の出来事を全て忘れる?
そんなことが実際に起こるのだろうか
もし本当にそうなら、さっきの行為の記憶を恋人の凪には忘れていて欲しい、と玲王は強く思う
しかし、この凪が話すのはあくまで一つの仮説にしか過ぎない
実際周りに記憶喪失になった人間もいないし、信用出来る情報源が玲王には思い当たらなかった
凪「だって、玲王は元の俺のことずっと我慢させてたんでしょ?だったらさ、記憶が戻った時にすぐ玲王とエッチできた方が、元の俺は喜ぶんじゃない?」
玲王「…凪が、喜ぶ?」 - 19スレ主24/01/10(水) 18:39:14
そんなワケねーだろバカ、と頭ではそう思うのに
誰よりも凪の思考に近い本人がそう言うのならそうなのだろうか、と玲王は半信半疑になっていた
玲王「(たしかに今までそんな雰囲気になっても、凪は鼻血出して暴走したり、俺も恥ずかしがったりとか知識が無かったりして…二人とも全然前に進めなかったんだよな…)」
男同士のやり方はまだよく分からないけど、何かこちら側が準備しておく必要があるのなら、パートナーとして凪に頼らずそれをしておくべきなのかも知れない、と玲王は悩み始める
玲王「…」
凪『レオー、俺のために準備してくれてたの?嬉しい!』
玲王は凪の喜ぶ姿を頭の中で想像してしまった
玲王「…練習」
凪「…」
玲王「してたら、喜んで…くれるかな?凪」
凪「…ッぐ、」
玲王「?」
玲王のあまりの純粋さに、現・凪は吹き出しそうになった - 20スレ主24/01/10(水) 18:43:57
凪「…うん、スッゲー喜ぶでしょ。俺のために玲王が時間かけて頑張ってくれたんだー、って」
玲王「…ホント?」
「スッゲー喜ぶ」
その言葉に、玲王は瞳をキラキラと輝かせた
凪のためになれるなら、宝物に喜んでもらえるなら、自分に出来ることは何でもしたい
好きな人が喜んでくれることが自分の喜びだと、玲王はそう思っている
凪「玲王は元の俺を喜ばせるために気持ちいいコトして”練習”出来るし、元の俺は記憶戻った後に玲王とすぐエッチ出来るし、俺も玲王と出来るし…それって、みんながWin-Winのカンケー、ってヤツじゃない?」
玲王「んー…」
どうしようか、と戸惑い揺らぐ玲王の瞳を見ながら、凪は思っていた
凪「(んなワケねーじゃん。全部、自分がシたいに決まってんじゃん)」 - 21スレ主24/01/10(水) 18:48:39
凪「(どこの世界に好きな子の身体を自分以外の奴に好き放題されても平気ヤツがいるんだよ。いるとしたら寝取られ趣味ってやつ?…俺は絶対無理。たとえ自分自身だとしても、他の自我持ってる奴に良いようにされるとか気が狂うし)」
凪「ね?そんな難しく考えないでー。アタマでばっか動いてたら、本当に玲王がしたいコトわからなくなっちゃうよ」
玲王「あー…」
玲王「(たしかに凪って、よくそーいうこと言うんだよな)」
凪『好きなことを出来る時間は、ホントはすっげぇ少ないんだよ』
凪『だから俺は俺のエゴに従うの』
凪「さっきも言ったけど、玲王って結構我慢して生きてんじゃない?」
玲王「…そーかもな」
自分にはやるべきことがたくさんある
そのどれも全てを諦めずに手に入れたいと欲深いから、我慢しなきゃいけないことだってたくさんあるということも、玲王は分かっている - 22スレ主24/01/10(水) 18:52:51
凪「だからね、ムズカシイこと考えずに、さっきみたいに俺が玲王のこともっと解放してあげたいな、って思った」
玲王『きもちいい…』
凪『…玲王、よく言えました』
玲王「(…あ。さっきのアレって、そーいう…うわ、ダメだ…思い出すと、しにたくなる)」
玲王の顔が再び赤く染まっていく
凪「玲王が我慢してるもの俺が全部取り払ってあげたい。そしたらどんな顔するのかな、って」
玲王「…」
世界一好きな人と、同じ瞳で見つめられて
同じ声で甘えられたら、全てを許してしまいそうになる
玲王「うん…」
玲王『なぁ…誰と来たの?前にもヤだって言ったじゃん。お前とそーいうコトできなくてゴメンて言ったけど、他の人に使わないでって…』
凪『…あのね、俺、レオで童貞卒業したいと思ってるよ』
玲王「…でも、ダメだ」
凪「?」 - 23スレ主24/01/10(水) 18:56:19
玲王「お前がそーやって色々考えてくれてんのは嬉しいけど…大事なことは、俺の凪と相談して決める」
このままこの凪と一緒にいたら、流されてしまいそうだった
玲王「(ダメだ。一瞬でもコイツの提案をいいかも、とか思っちまった…さっきから頭おかしくなってんな、俺)」
凪「…」
玲王「ん?」
玲王を黙って見つめていた凪が、玲王の頬に手を伸ばそうとする
玲王「…ッ、おい、いーかげんのぼせるって!とりあえずこっから出るぞ!」
凪のその手を引っ張り、玲王は少し強引に風呂から出た
脱衣所で、ゴシゴシとタオルで凪の頭を拭いてやる
凪「玲王って…いっつも俺にこんなことまでしてんの?俺、家だといっつもビチョビチョだよ」
玲王「ハハ、だろーな」
凪『俺もうレオに嫌われてない…?生きていけないんだけど』
凪『あー、きっともう一生ドライヤーもしてもらえないんだ…』
玲王「(そーいや初めてアイツんちに行った時…間違えてパジャマにメイド服出されてケンカになったんだよなぁ…)」
玲王が心の中で凪との想い出を懐かしむ - 24スレ主24/01/10(水) 19:02:21
玲王「…あ、ワリィ。そーいやお前の分のパジャマ出してなかったわ。すぐ取ってくる」
玲王が下着姿のままで急いで脱衣所から出て行く
凪「え、どーせあとでベッドで脱ぐからさぁ、パジャマとかいらないじゃん…」
凪は玲王との”練習”をまだ諦めてはいなかった
凪「ねぇ、玲王ー?て、あれ?部屋どっちだっけ」
そして、腰にタオルを巻いただけの凪が迷ってドアを開けた先は、声が響くほど広い御影家のリビングだった
ガチャッ
「ただいまー」
そのタイミングで、玄関から誰かが凪の方へ向かって来る気配がする
凪「あ」
玲王父「おや、誠士郎くん…来てたのかい」
凪が記憶喪失になっていることをまだ知らない玲王のパパさん
もちろん、今の凪も玲王に関する記憶は一切ないためパパさんとは初対面になる
腰タオルでの挨拶、再来!
今の凪はパパさんになんと挨拶した?
下3レスから🎲 - 25二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 19:26:57
はじめましてお義父さん
玲王の部屋どっちですか? - 26二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 19:35:55
え、玲王のお父さん…?お邪魔してます…
こんな格好でスミマセン…玲王の部屋の場所がわからなくなって… - 27二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 20:19:58
…………コンニチハ(動揺)
- 28二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 22:41:00
そんな状態でご対面かw
- 29二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 23:37:51
スレ主いつもありがとう!
楽しみにしてた! - 30スレ主24/01/11(木) 08:35:38
- 31二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 13:40:33
プリン食べられたりあられもない姿見せられたりパパさんおいたわしや⋯
- 32スレ主24/01/11(木) 17:47:23
凪「(え、誰このオッサン…)」
後ろから現れた髭面の中年男性
ここの家主であるが、玲王に関する記憶を失っている凪は玲王のパパさんの存在も忘れていた
凪「(泥棒…?にしては、オーラすげぇな)」
しかし、さすがの凪も御影コーポレーションの存在は知っている
凪「(この人の顔、テレビで見たことあるような…御影…)」
玲王『うちの親、まだ帰って来てないから…親には後で説明する』
凪「え、玲王のお父さん…?」
ここでようやく、凪は目の前の男性を玲王の父親だと認識する
凪「お邪魔してます…」
腰タオルの凪が、ペコリと申し訳程度に頭を下げて挨拶をした
凪「(うわー…全然顔似てないから分かんなかった)」
玲王父「また寒そうな格好してるね。風邪引くよ」
凪「あ、こんな格好でスミマセン…玲王の部屋の場所がわからなくなって…」
玲王父「ハハ、もう何度も遊びに来ているのに忘れてしまったのかい?」 - 33スレ主24/01/11(木) 17:56:08
凪「(えっと、俺と玲王とは恋人だもんね…)」
玲王の父親の自分に対するフランクな話し方に、元の凪はきっと玲王とは家族公認の仲だったのだろう、と現・凪は推測する
凪「玲王が俺のパジャマ取りに行っちゃって…この後ベッドでするからいらないよ、って言いたかったんですけど」
玲王父「え」
凪「え」
玲王父「ベッドで…?何を…」
凪「え?そりゃもちろんセッ」
ガチャッ!!
玲王「凪ー!?探したじゃん!ここにいたのかよっ!」
凪が全てを言い終える前に、玲王がちょうどドアを開けてリビングに入って来た
その腕にはZ◯Z◯の黒いダンボール箱を抱えている
玲王「もぉー、勝手に風呂からいなくなったら焦るだろ?なんかあったかと思って…あ、父さん帰ってたの?おかえり」
玲王父「玲王、どうしたんだお前までパンイチで…ん?それうちの会社の箱じゃないか」
パパさんの視線が玲王の持つ自社の箱にいき、そのまま玲王の顔へと上がっていく
玲王父「…え」
玲王「?」
玲王の父親の視線が可愛い一人息子の胸元に来た時、そこに痛々しい程の噛み跡がついていることに気付いた - 34スレ主24/01/11(木) 18:09:58
玲王父「…どうしたんだ、玲王。その胸の傷は」
玲王「え…?あ」
父親の視線を辿って胸元を見た玲王が、ヤバイッ、と慌ててダンボールで胸元を隠して父親に背を向けるが、時すでに遅し
そして、父親に向けた玲王の背面にも首筋から背中、太腿の際に至るまで、今付けたばかりのような赤い跡が無数に散らばっている
玲王父「…」
凪「?」
二人だけでホテルに泊まったという報告や、お互いを見るその表情や眼差しから、息子と、自分の隣にボケッと突っ立っている白い男は好き合って交際しているのだろう、と玲王の父親も察してはいた
(この前のランチの時は「来世がどう」とかいうスピリチュアルな話を凪にされたので、凪の真意はよく分からないままだが)
しかし、実際に二人が既に身体の関係を持ち、そういう行為に及んでいる証拠を目の当たりにした玲王の父親は、少し前まで自分の後を追って走っていた幼き日の無垢な玲王の姿を思い出し、脳裏に浮かぶ天使のような愛息の姿と、目の前の大人の階段を昇ってしまった玲王とのギャップに、膝から崩れ落ちそうな衝撃を受けていた
玲王父「…ッ…!!(だから…だからサッカーなんて最初から反対だったんだ俺は…!!)」
玲王「あ、あの父さん、これは犬に噛まれて…」
凪「?犬じゃなくて俺でしょ」
玲王「黙れって!!」 - 35スレ主24/01/11(木) 18:16:17
玲王父「(ホテルで、つい一月ほど前に釘を刺したばかりだと言うのに…さすがは冷蔵庫にあった俺のプリンを無断で食べ尽くす男だ、凪誠士郎…ッ!俺から大事なものを全て奪い取るつもりか?しかも、俺が金を払ってる家で可愛い一人息子の身体を弄ぶとは…どれだけド厚かましいんだ…凪誠士郎ッ!?)」
玲王父「〜〜ッ」
玲王の父親はたまらずリビングから出て行ってしまう
凪「?玲王のお父さんて面白い人だね」
玲王「いや、俺もあんな父さん見るの初めてだわ…大丈夫かな、父さん。あ、そーだ、それよりこれ!」
バリバリッ、と玲王が勢い良くダンボール箱を開けていく
玲王「じゃーん!ジェラ◯ケのホリデーシーズン限定パジャマ〜♪クマが付いてて可愛いだろ?俺とお前で色違いな」
凪「え、あ…うん。ありがと」
玲王「赤と白、どっちがいい?やっぱ白?」
凪「…どっちでも」
玲王「(あれ?反応薄…)」
凪「(これ…とりあえず一回着ないとパジャマいらないよ、って言えない雰囲気だな)」
玲王「(本当はこれ、元の凪と一緒に着ようと思って買ってたんだよな…)」 - 36スレ主24/01/11(木) 18:35:05
凪『えっ、レオ!これ俺とお揃いで買ってくれたの!?新婚さんみたいじゃんっ!!』
玲王「(…アイツなら、こんくらい喜んでくれたかなー…なんて…)」
おろしたての赤いパジャマを着ながら、凪の反応を想像した玲王は少し寂しい気持ちになる
凪「…うん、フワフワだね。気持ちいい」
玲王「だろ?やっぱ白似合ってんな!お前もたまにはパーカー以外でさ」
ガチャッ!ゴロゴロゴロゴロ…
その時、玲王の父親がシルバーに光り輝く巨大なスーツケースを転がしながら、再びリビングへと舞い戻って来た
凪&玲王「!?」
玲王父「これまで、こういうことは全てばぁやに任せていたが…誠士郎くん、君には俺が直接手を下す。そこに座りなさい」
凪「…はい」
パパさんのオーラに圧倒された凪は、訳が分からないままリビングのバカデカいソファーに腰をおろす
そして、反対側のソファーに向かい合うように玲王の父親が座り、目の前のローテーブルによいしょ、と見るからに重そうなスーツケースを置いて、慣れた手つきでカチャカチャと手際良くそれを開けていった - 37スレ主24/01/11(木) 18:52:04
凪「(何コレ…つか、玲王のお父さんなんか怒ってない?もしかして今からこの中に詰められて、東京湾に◯められるヤツ…?俺なんか怒らせるようなコトしたっけ…?)」
凪は天才的頭脳をフル活用して自分のこれまでの行いを振り返ってみたが、玲王の父親と会ってまだものの10分ほどのことである
一応挨拶もしたし、特に問題となる自身の言動は無かったように思えた
ガバッ!
凪「!」
玲王の父親が、開いたスーツケースを勢い良く凪の方に向ける
「◯さないでッ!」と顔を腕でガードするように身構えた凪の前には、大量の諭吉達が綺麗に顔を並べていた
凪「!?」
玲王父「…誠士郎くん…ここに、ざっと三億円ある」
凪「…ハイ」
玲王父「サラリーマンが一生かけて稼ぐ金額だ。どうかこれでうちの玲王から、息子から手を引いてくれないか?」
お金配りおじさんの本気の手切れ金…
とうとう堪忍袋の尾が切れたパパさんは、金に物を言わせてきた
恋人の凪ならこれしきのことでは揺るがないが、お気楽ゲーム三昧な人生プランのままの現・凪なら、もしかしたら金>玲王なのかも知れない
三億円で玲王から手を引けと言われた現・凪の答えは…?下3レスから🎲
- 38二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 18:54:38
…いらないです。玲王はお金じゃ買えない
- 39二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 19:00:55
こんな事する家に俺の玲王を置いとけないです
うちに帰ろー玲王 - 40二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 19:04:01
おっさんさぁ、玲王の前でよくこんなコトできんね
- 41二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 22:44:26
パパさんこれを玲王の目の前でやるのは悪手だろ
- 42スレ主24/01/11(木) 23:21:59
- 43二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 09:50:00
保守
- 44スレ主24/01/12(金) 15:49:25
こんなこともあろうかと、自室のクローゼットに置いてあるスーツケースの中に仕舞っていた現金三億円
高校生同士の恋愛への手切れ金に三億円は大金だ
馬鹿げている、と思う奴もいるかも知れない
しかし、仮にも俺の息子が目をかけた男だ
お前が見込んだ男を俺なりに評価した額だ、という玲王への意思表示でもあった
それに、二人の関係に苦心する時間がなくなって今後ビジネスに集中できるなら、そちらの方がこれ以上の額を早く稼げる
玲王父「(よく見ておくがいい。これが我が家の家訓であるタイムイズマネーに対する投資だ、玲王)」
フン、と玲王の父親が鼻を鳴らしてソファーの上で足を組む
凪「おっさんさぁ、玲王の前でよくこんなコトできんね」
玲王父「何?」
ピキッ…と、玲王の父親の顔に青筋が浮き立ち、普段から笑っていない瞳の奥がさらに暗くなった
口元でだけ笑うその様はまるでジョーカーのようである
玲王父「誠士郎くん…ようやく本性が現れたね」
一触即発の状態の二人がソファーから立ち上がった - 45スレ主24/01/12(金) 15:52:24
玲王「はーい、ストーップ凪くん!」
玲王が急いで凪とローテーブルの隙間に入り、凪を落ち着かせるようにそっとその胸に触れた
玲王「父さんもゴメン!まだ説明してなかった。今日体育祭の時に、俺が凪とぶつかったせいで倒れてさ…そんで病院行ったら、いわゆる記憶喪失だって」
玲王父「記憶喪失…?」
玲王「48時間は側で様子を見てた方が良いらしくて、凪の家は親も忙しいし、俺んちのが近いから連れて帰って来たんだよ」
玲王父「また勝手なことを…」
玲王「だから、うちで面倒見ていいだろ?」
玲王父「ダメだ、捨ててきなさい」
玲王「父さんっ!!」
凪「(俺って、マジで捨て犬かなんかと同じ扱いなの…?)」
超大金持ちの家の、しかも玲王のペットになれるのならそれもいっか、と凪は考え始める
凪「(うん。玲王の作るご飯おいしーし、イチャイチャ甘やかしてくれるし…働かずにダラダラ生きるのが目標だったんだから、それもいーよね)」
凪「というワケでお父さん。俺、今日からここの家の子になります」
玲王父「ダメだ。それに君にお父さんと呼ばれる筋合いはない」
当然のことながら玲王の父親は断固拒否の構えであった - 46スレ主24/01/12(金) 15:58:45
玲王「父さん、そう言わずにさ…」
玲王が父親の方に向き直る
玲王「こうなったのも、半分は凪にぶつかった俺のせいでもあるし…」
玲王父「それなら誠士郎くんはうちで費用を払って病院に入れるか、お前が見なくても、うちの社員に様子を見させたらいい」
玲王「…だけど、俺も凪のことが気になって、他のことが手につかないんだよ。だからとりあえず48時間だけ、凪をこの家で面倒見させて?絶対に迷惑かけないから…お願い」
玲王が両手を合わせて父親に懇願する
玲王父「絶対?断言はするな、と普段から言ってるだろう」
玲王「じゃあ、出来る限り迷惑はかけないから…」
玲王父「(48時間も、この男が家に…?)」
お前が良くても俺は嫌なんだ、とパパさんは大人気なく言いたかった
可愛い愛息の頼みとはいえ、自分から大事なものを奪おうとする敵のような男が、本来ならば仕事の疲れを癒し家族と過ごす安息の地であるはずの自宅に二日間も滞在する
それは玲王の父親にとって、受け入れ難いものだった - 47スレ主24/01/12(金) 16:02:40
玲王父「(どうしたんだ…玲王。俺にこんなに反抗するような子じゃなかったのに。全部、全部この男の影響なのか…?)」
これがマインドコントロールか…と、玲王の父親が凪を睨みつける
凪「(なんか玲王のお父さんに見られてるような…?あ、そーか、挨拶ね)」
凪「そーいうワケで、お世話になりマス」
玲王の父親に向かって再び申し訳程度にペコリ、と凪が頭を下げ、その様子を隣にいる玲王が優しい笑みを浮かべて見つめていた
玲王父「…」
凪「玲王〜、もう部屋戻ろーよ。俺、お風呂入って疲れちゃったー」
目の前にいた玲王の背中に凪がもたれ掛かる
玲王「ハイハイ、おんぶなー?」
玲王父「親の前でイチャイチャするんじゃないと言っただろう!」
凪「ハーイ、ごめんなさい。見えないとこでしまーす。玲王、行こー」
そのまま玲王の肩を凪が押して、二人はリビングから出て行った - 48スレ主24/01/12(金) 16:09:43
凪「はぁ…玲王のお父さん、マジで凄い人だね。色んな意味で」
凪「(顔は全然似てないけど…あの嵐みたいな激しさは、やっぱり親子、ってカンジかも)」
玲王「あー、さっきのアレな。いきなり現金持って来るからビビったよな。多分、父さんなりの冗談かな」
凪「いや、違うと思うけど」
フフッと笑う玲王を、隣に並んで廊下を歩く凪が「これがスーパー金持ち一家のジョークなの?」と、少し引いた様子で見つめる
玲王「だって本気でお前に三億円渡すなら贈与税かかっちまうからなぁ。だったら、うちの役員にして報酬として…」
凪「いらない、いらないから」
玲王「あれ、お前ってお金欲しいんじゃなかったっけ?」
意外だ、というような目で玲王が凪を見上げた - 49スレ主24/01/12(金) 16:16:40
凪「…俺があのお金を受け取ったら、俺と玲王は離れちゃうってコトなんだけど…玲王はそれでもイイってこと?」
凪が真意の読めないような表情で玲王を見つめる
玲王「いや…それは、ダメだけど…」
先程の条件では『三億円を手切れ金として玲王には今後一切手を出すな』
つまりそれは接触禁止、ということだろう
玲王「…でも、今のお前は俺のこと…別に、好きなワケじゃねーじゃん?」
凪「え…」
玲王「だったら、お前は俺よりも金の方選んでも当然、っつーか…」
凪「…」
凪「(そんな風に、思われてるんだ)」
玲王「あー、だって、このままお前が記憶取り戻さなかったら…」
このまま、凪の記憶が戻らなかったら
凪は誰か別の人を好きになって、その人に告白して、付き合うのだろうか
それとも、誰のことも好きにならずに、今まで通り一人でチョキと暮らすのかも知れない
この48時間はパートナーとして自分は凪の身体を気遣うが、そこからあと、もし凪の記憶が戻らないままだった場合
その先どうするかは今の凪の自由だ、と先程の凪と父親のやり取りを見ながら、玲王はずっと考えていた - 50スレ主24/01/12(金) 16:26:35
玲王「そしたら恋人じゃない俺にはもう、別人になったお前が選択したことを引き留める権利なんてないんだよなー、と思ってさ…だから、さっきお前が父さんに怒ったの、ちょっと意外でビックリした」
玲王が笑いながら自室のドアを開ける
玲王「もしかしてさ…」
玲王「俺のこと、好きになってたりする?」
イタズラっぽく冗談めかしてそう言った玲王の背中を、凪が後ろから抱きしめた
凪「あ…(なんか、カラダが勝手に…)」
玲王「こら…ダメじゃん、何してんだよ」
凪「何って…」
玲王「こーいう時はさ、んなワケねーじゃん、て…ちゃんとつっこめよ」
前を見て俯いたままの玲王がポツリと呟き、自分を抱きしめる凪の腕の上から手を重ねて、笑いながら凪の方へと振り向く
玲王「好きでもない相手には、こーいうコトしちゃダメだって。勘違いするぞ?」
キスも、その先の行為も、凪がしたのは元の自分に対する嫉妬心と玲王への独占欲からで
玲王のことをハッキリ好きだ、という感情は今の凪にはまだ自覚出来ていない
凪は、玲王に今の自分の気持ちをなんと伝えた?
下3レスから🎲 - 51二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 16:31:20
好きとかは…わかんないけど、玲王とずっと一緒にいたい
- 52二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 18:07:01
…勘違いしてくれんの?
- 53二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 18:31:23
勘違いじゃないよ、俺も玲王のこと好きかも
- 54二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 22:20:45
頑張れ凪
- 55スレ主24/01/12(金) 22:26:17
- 56二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 08:29:26
ほ
- 57二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 09:59:34
しゅ
- 58二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 10:36:55
喪失凪くんの片思い切ない
- 59スレ主24/01/13(土) 18:51:15
凪「…」
「勘違いしてもいいよ」って、思わず口から出そうになった
でも、自分には『好き』の意味がまだよく分からなくて、カンタンにそんな無責任なことを言ってしまって良いのか分からなくなる
凪「(すき…好きって、何だろ)」
玲王のクルクル変わる表情が可愛いなとか、黙ってる時の横顔が見惚れるくらい綺麗だな、とか
俺のことちゃんと見てくれてるの嬉しいとか
ご飯作ってくれたり、頭拭いてお世話してくれるの一緒にいて楽だなー、とか
そういう単純な好意なら、既にいくつもある
玲王に対する気持ちは、他にもたくさん思い浮かぶのに
今、自信を持って素直な気持ちを表現できるのは、この言葉しかなかった
凪「好きとかは…わかんないけど、玲王とずっと一緒にいたい」
玲王「…」
凪『一個だけ約束ね…』
凪『最後まで一緒にいてよ』
玲王「ふはっ」
綺麗な顔をくしゃっとさせて笑う玲王が、心底面白い、とでも言うように凪を見つめる - 60スレ主24/01/13(土) 18:57:21
凪「?」
玲王「何それ、お前のエゴ?」
凪「エゴ?エゴって…何?」
玲王「さぁな…ナイショ」
笑ったままの玲王が凪の腕を持ち上げて、スルリとその腕の中から抜け出した
凪「何それー。意地悪しないで教えてよ。つか、なんで笑ってんの?」
玲王「…いや?記憶は無くても、やっぱり凪は凪なんだなーって、そう思っただけ」
優しい笑顔のままで凪を見た玲王がそう言う
凪「…(この憎たらしいほどやっさしー笑顔…絶対に元の俺のコト考えてんじゃん…)」
本来なら可愛く思うはずの玲王の笑顔も、今は見るのが面白くなかった
玲王「まぁ、最後まで一緒に、は…アイツとの約束だからな」
そう言った玲王の瞳は、もう凪の方を見ていなくて
目の前にいる自分ではなく、心の中にいる誰かのことを想いながら話しているのが嫌でも凪に伝わってくる - 61スレ主24/01/13(土) 19:02:33
凪「…ねぇ〜、元の俺のコトはもういーからさ。今の俺達の話しよーよ」
少し妬いた凪が、玲王の首筋にグリグリと頭を押し付けてきた
玲王「はぁー?ってか、お前髪冷てッ!俺としたことがパジャマに気ィ取られて、凪の髪の毛乾かしてなかった…早くドライヤーしねぇと風邪引くって!」
お世話モードになった玲王が、慌てて棚からドライヤーを取り出す
凪「え?てっきり俺と早くベッド行きたくて、髪乾かす時間すら惜しいのかなーって思ってたんだけど」
玲王「…」
相変わらず冗談だか本気だか分からないようなことを言う凪が、再び甘えるようにして玲王に抱きつこうとする
玲王は黙ったままその肩を押して自室のソファーに座らせ、ドライヤーのスイッチを入れて凪の髪を乾かし始めた
凪「(ふぇー、やっぱ玲王の手きもちい〜)」 - 62スレ主24/01/13(土) 19:10:33
凪「もーダメ…俺、寝ちゃいそう…」
玲王にドライヤーをされながら、凪は寝落ちしそうになっていた
玲王「…寝ていいよ。朝までずっと、起きなくてもいい」
凪「えーやだー。玲王と、もっと話したい…俺と…玲王の話…」
玲王に髪を撫でられながら、凪が眠気から落ちかける瞼を開けようと子どものように必死に堪える
それを察した玲王が眉を下げてフッと優しく笑ったことに、凪は気付かなかった
玲王「…お前さ」
凪「んー…?」
玲王「俺らの話しよーっつっても…俺とお前の話とか、特にねーじゃん」
凪「え?」
玲王「だって俺らある意味、今日逢ったばっかだろ?話すことなんか何もねーだろ、って」
ドライヤーの音に負けないよう自然と玲王の声は大きくなり、それに応じて返す凪の声も大きくなる
凪「いや、あるし」
少しムキになったようなその口調は、ドライヤーの音に対抗したからだけではなかったかも知れない - 63スレ主24/01/13(土) 19:16:31
玲王「へぇー、たとえば?…はい、ドライヤー終わり」
凪の髪を乾かし終えた玲王は、続けて自分の髪を乾かし始める
玲王「あー、もぉ…今日トリートメントしてねーから、なんか手触り違う…」
手櫛で髪を梳かしながら、玲王はいつもと違うその指通りに納得していなかった
凪「…玲王と話すコトなら、たくさんあるよ」
玲王「だからなんだよ、俺と話すこと。言ってみろよ」
ブラシを使って自分の髪を乾かしている玲王が、凪を煽るようなことを言う
凪「んー、たとえば…玲王はいつからその、変わった髪型してんのかなー、とか」
玲王「…は?何ソレ。お前、俺の髪型ディスってんの?」
ドライヤーのスイッチを止めて真顔になった玲王が凪に詰め寄る
凪「いや、マジで似合ってるよ?その髪型。玲王にピッタリ」
玲王「…ホントかよ」
ジト目で凪を睨む玲王が、再びドライヤーのスイッチを入れた - 64スレ主24/01/13(土) 19:19:56
凪「あとは、こんな丁寧に俺の髪乾かしてくれたりとかさ…玲王って、誰にでも優しいのかなーとか?」
玲王の手からブラシを取った凪が玲王の髪を梳かしていくと、フワリとした匂いが凪の鼻腔をくすぐった
凪「(なんだっけコレ…ほんと、良い匂い…覚えてるような…)」
玲王「いや、こんなの…誰にでもするワケねーじゃん」
そう言った玲王の髪の匂いにつられた凪が、玲王の頭に顔を寄せる
凪「じゃあ…俺は玲王の『特別』だって、そう思っていいの?」
ブラシを持っていない方の凪の手が、玲王の髪の中に入り込んで、その頭皮を直に指でゆっくりと撫でていく
玲王「(あー、ミスった…)」
凪「勘違い、しても…いいってコト…?」
そのまま玲王の髪を掴むようにして、その形の良い丸い頭を自分の顔に引き寄せた凪は、玲王の紫色の髪の中に顔を埋めた - 65スレ主24/01/13(土) 19:22:41
凪「…」
玲王「おいっ」
凪「…え」
玲王「もーいいだろ!あんま触んなって!」
凪「ちょっと待って、(この匂い…なんだっけ)あと少しで、なんか思い出せそうな…」
凪の頭の中でオレンジ色の光が明滅し、その映像がぼやけては消えていく
玲王「もうその手には乗らねーよっ!」
また凪のペースにハマってよからぬムードに流されてはいけないと、玲王は凪の胸元に手をやりその身体をグイッと押し返した
凪「あ(…せっかく、思い出せそうだったのに)」
凪「何…別に良いじゃん、髪の匂い嗅ぐくらい。俺らもっと凄いコトしてんだから」
玲王「〜ッ!」
その言葉に玲王の顔が赤くなる
玲王「ヤなもんはヤなの!意味もなくベタベタ触んなよ!話すことないんなら、もうおしまい!」
ドライヤーを片付けてソファーから立ちあがろうとする玲王の手首を凪が掴んだ
凪「まだ…他にも話したいコトある」
玲王「じゃあ、これで最後な」
このままでは、玲王と過ごせる二日間のうちの一夜が終わってしまう
凪は玲王を引き留めるのに必死だった - 66スレ主24/01/13(土) 19:28:12
凪「えっとね…玲王は、なんで普段よりも、あの時のがもっと可愛い顔と声になんのかなー、って」
玲王「…あの時?」
凪「俺と、エッチなコトしてる時」
手首を掴んだまま下から見上げてくる凪の手を無表情で振り払った玲王は、そのまま凪に背を向けてスタスタと歩き出す
凪「?どこ行くの?」
玲王「寝る」
凪「え、じゃあ俺も…」
自室から繋がっているベッドルームのドアを開けた玲王が、ドアから少しだけ顔を覗かせて凪に告げる
玲王「お前はそこでいーだろ」
凪「え」
玲王「絶対に、こっちの部屋入ってくんな」
凪「…は?」
なんで…?
48時間、側で看病してくれるはずの玲王から寝室には入るな、と言われてしまった凪
パパさんから三億円受け取っていないのに、結局接触制限だと…?
警戒気味の玲王と、どうしても一緒に寝たい現・凪くん
玲王になんとお願いした?
下3レスから🎲 - 67二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 19:31:50
一緒に寝てくれるんじゃないの…?
俺の事嫌いになっちゃった…?(悲しそうな顔で) - 68二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 19:34:17
玲王が居ないと寂しくて寝れないよ
お願い玲王(きゅるん) - 69二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 19:41:28
…一緒に寝てくれないなら寝ない。このドアの前で朝まで玲王のこと待ってる
- 70二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 22:39:47
玲王限定ぶりっ子か
- 71スレ主24/01/13(土) 23:47:20
- 72二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 10:29:57
ほしゅ〜
- 73二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 16:29:58
凪くんつええ…
- 74二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 22:38:37
保守
- 75二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 01:07:44
このレスは削除されています
- 76二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 10:36:05
一緒に寝てくれ保守
- 77スレ主24/01/15(月) 11:17:15
玲王「(そこで一晩、反省してろ…)」
このまま今の凪と一緒にいると良くない方に流される気がする、と玲王は不安になっていた
就寝中の凪の様子が一番心配だった玲王は、急変してもすぐ気が付けるよう凪と同じ布団で眠りたいのが本音だ
玲王「(…数時間ごとに起きて、様子見てれば大丈夫だよな)」
玲王「おやすみ」
玲王がスマホのアラームを3時間おきにセットして、寝室のドアを閉じかけたその時だった
凪「…一緒に寝てくれないなら寝ない」
玲王「は?」
玲王「(…始まったよ、めんどくさ赤ちゃん)」
しかし、玲王は凪のワガママには慣れている
これくらいのことでは動じなかった - 78スレ主24/01/15(月) 11:21:58
玲王「3時間おきくらいに様子だけ見に来るから」
凪「…うん」
玲王「ちゃんといい子で寝ろよ?」
玲王だって、凪のことが嫌いなわけじゃない
今は一緒にいない方がいい、ただそう思っただけだ
玲王がポンポンと凪の頭を優しく撫でてやる
凪「…待ってる」
玲王「ん?」
凪「このドアの前で朝まで玲王のこと待ってるから」
そう言って、凪が子どものように膝を抱えてドアの前に座り込んだ
玲王「…」
この凪は恋人の凪とは違う意味で厄介だ、と玲王は思う
なぜか自分の弱いところを的確に突いてくる
「朝まで待ってる」だなんて
こんな健気なことを言われたら、今すぐにでも自分の暖かいベッドに引き入れて「一緒に寝よう」と言ってしまいたかった - 79スレ主24/01/15(月) 11:24:54
玲王「(耐えろ…。耐えろ、俺。これはコイツの作戦だ)」
そう簡単に流されてはいけないと、玲王は努めて平静を装う
玲王「ダメだって。んなとこいたら、風邪引くだろ?」
ドライヤーした意味ねーじゃん、と玲王が雰囲気を変えようとするように明るく笑った
凪「…じゃあ、俺が風邪引いたら」
玲王「ん?」
凪「そしたら、明後日も、その後も…玲王がずっと俺のそばにいて看病してくれんの?」
玲王「はぁー…?なんだよ、ソレ…」
わかりにくくて、わざわざ回りくどいことを言っているけれど、それはつまり
凪『好きとかは…わかんないけど、玲王とずっと一緒にいたい』
玲王「…」
48時間経ったその後も、ずっと自分と一緒にいたい、ということ
凪『玲王ってさ、我慢する性格だよね。さっきシてる時も最初は声出さなかったし』
玲王「(自分の気持ち、ガマンしてんのは…お前も一緒じゃん)」 - 80スレ主24/01/15(月) 11:27:59
玲王「…とりあえず枕と毛布、取ってくるな」
玲王が凪のためにそれらを取ってこようと寝室の奥へ行こうとする
凪「いらない」
玲王「…いや、毛布無いと風邪引くだろ」
凪「いらない。持ってきても使わないから。別に風邪引いてもいいし。それで明後日もその後も、ずっと玲王に看病してもらう」
玲王「…そのために、わざと風邪引こうとすんじゃねーよ」
凪『約束だよレオ』
玲王『ああ凪、約束な』
玲王「…お前が」
凪「?」
玲王「お前が明後日からも俺とずっと一緒にいたいなら、そうするから」
凪「え…」
玲王を見上げる凪の瞳に僅かな光が灯って、まるで子どものようにキラキラと輝かす
恋人の凪との約束は、目の前にいる凪とは関係ないのに
玲王「…」
何も考えてなさそうで、何を言っても顔色一つ変えないような凪が
本当は頭の中で色んなこと考えていて、表に出すのが苦手なことを、玲王は知っている - 81スレ主24/01/15(月) 11:31:07
膝を抱えて座っていた凪が玲王の方を向いて立ち上がり、玲王は凪を見上げるようになる
玲王の部屋と寝室とのドアの境は超えないようにしたまま、凪が話し始めた
凪「アイツは…恋人の俺は」
玲王「ん?」
凪「玲王の寝室に、入ったことあるの?」
玲王「…そりゃ、な」
凪「何回くらい?」
玲王「え…2,3回、かな」
凪「その時、エッチなこともしたの?」
玲王「はぁ?それは…」
玲王は凪とケンカ別れした日の翌朝
首筋の見えるところに跡をつけられていた時のことを思い出す
玲王『…何してンの?』
凪『あ』
玲王『見えるところにつけただろ…』
玲王「…」
凪「…シてたんだ」
玲王「してないって」
凪「じゃあなんで今、黙ったの」
玲王「もういいじゃん…その話は」 - 82スレ主24/01/15(月) 11:37:11
凪「…俺が寝室に入っちゃダメなら、玲王もこのままずっと俺と一緒にドアのとこにいてよ」
玲王「ダーメ。意味わかんねぇ。風邪引く」
意識高い体調管理と質の良い睡眠にこだわる御曹司
凪に付き合ってこのまま床で寝るなど言語道断である
凪「中に入らせてくれないなら、毛布巻いて俺のそばにいて」
玲王「あのなぁ…俺まで風邪引いたら誰がお前の面倒みるんだよ」
話になんねぇ、と、凪に背を向けてベッドに行こうとする玲王のパジャマの裾を凪が掴んだ
玲王「?離せって」
凪「ダメ。行かないでずっとここにいて」
玲王「俺は、寝る時はちゃんとベッドで寝たいんだよ!」
構わずベッドに行こうとする玲王を引き留めようと裾を掴んだまま離さない凪の手により、玲王のおろしたての赤いパジャマの裾はどんどんと伸びていく
玲王「もぉ〜!伸びるからこれ以上引っ張んなって!」
玲王がグッと自分のパジャマの裾を掴んで引き戻そうとする動きで、そこを掴んで離さないままの凪が寝室との境を超えそうになる - 83スレ主24/01/15(月) 11:41:21
凪「え、いいの?このまま中、入っちゃうよ」
玲王「ダメ!早く離せ!」
凪「玲王、本気で入られんのが嫌なら…俺の顔引っ叩いてでも嫌がんなきゃ」
玲王「…はぁ?んなコト、できるかよ…」
凪『きっと俺、アンタに合わせてスゲー我慢してたよ。だからもし記憶が戻ったらさ、よくガマンしてたな、って、もっと褒めてあげてよ』
この凪も、もしかしたら今、同じように凄く我慢しているのだろうか
添い寝くらいで大げさに警戒している自分は、ただの自意識過剰なのかも知れない
玲王「…」
どうしたら良いのか分からなくなって、俯いて黙ってしまった玲王の表情を凪が見つめる
凪「…ウソ。大丈夫、入んないよ」
そう言って、玲王のパジャマの裾を凪がパッと離した
玲王「え」
凪「玲王が困るコト、したくない」
玲王「(もう、困ってるよ…)」
どうしたらいいんだもう
添い寝くらいなら、オッケーする…?
玲王の答えを下3レスから🎲 - 84二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:00:57
…しょーがないなもぉ
早く寝るぞ - 85二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:07:05
変なことしないって約束できるなら寝てもいい
- 86二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:43:35
今日だけだからな?
- 87二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 18:06:01
このレスは削除されています
- 88二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 19:49:45
突然目の前に自分のことが大好きな可愛い玲王が現れたと思うと
離したくなくなっちゃうね… - 89二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 22:47:53
3択全部寝る方向だw
- 90二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 07:46:48
記憶喪失凪くんも押せ押せで良い…けど恋人凪くんとのイチャイチャも恋しい…!
- 91二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 16:14:50
スレ主規制中かな😢ほしゅしゅ
- 92スレ主24/01/16(火) 16:15:49
- 93二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 19:33:06
スレ主無理しないでね〜!
- 94二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 19:37:25
かわいそうだけど、この記憶を持ったまま記憶を取り戻して、さわりっこからやり直してほしい
- 95スレ主24/01/16(火) 21:20:14
凪『玲王が困るコト、したくない』
どれだけ殊勝なことを言うんだ
これももしかしたら、凪の作戦なのかも知れない
いや、十中八九そうだろう
それでも、恐らく無自覚だろうが恋人の凪と同じ捨てられた子犬のようなきゅるるんとした目をされたら、もうここに放っておくことなんか出来なかった
ハァッ、と玲王がため息を吐く
玲王「今日だけだからな?」
in 玲王の寝室
凪「…お金持ちのベッドじゃん…!」
天井まで届きそうな柱がベッドの四隅から上に伸び、そこに照明を和らげる薄いカーテンのような布が掛かったキングサイズのベッド
それを目にした凪が思わず目を見張る
凪『うわ、ほんとに王様のベッドじゃん』
玲王『すげーだろ、母さんの趣味だけどな』
凪『なんか落ち着くね…寝心地S級だ』
玲王「(やっぱ、覚えてねーか…)」
凪「(いや、つーかこのベッド…ラブホ…?なんか…エロ)」 - 96スレ主24/01/16(火) 21:25:25
もちろんラブホではない
ここは都内超高級一等地の高層ビル
その最上階にある、日本一実家が太い御曹司の寝室である
凪「玲王ー、部屋の照明って、ここ?」
凪が壁に埋め込まれている調光器のスイッチを捻りながら、部屋のライトをムーディなものにしようと徐々に明かりを薄暗くしていった
玲王「…あれ?照明ならこっちのリモコンで寝る時に全部消すけど。お前、明るくしてないと寝れないタイプだっけ?」
凪「え、うん…実はそーなんだよね」
凪は天井を見ながら、寝る時に明かりを消されず、なおかつ玲王の裸は視認出来そうな、そのギリギリのところまでライトを調整していく
凪「(よし、これならもしそういう雰囲気になっても大丈夫だ…)」
玲王「ホントは真っ暗にした方が睡眠の質は高まるんだけどなー」
一流になるため幼い頃から父親に厳しい健康管理術を叩き込まれ、自身もビジネス書を嗜む玲王は睡眠に対するこだわりも超一流であった
凪「(玲王を見てる俺は、真っ暗にするよりも薄暗い方が高まるからね…色々と)」 - 97スレ主24/01/16(火) 21:29:41
凪が脳内でどうしようもない妄想を繰り広げる中、玲王がスリッパを脱いで真っ白なシーツの掛かったベッドに足を入れる
玲王「うわー…冷てぇー、今日さみぃんだよな」
凪「玲王って冷え性?」
凪も当然のように反対側からベッドに入るが、あまりにも広すぎるキングサイズのベッドだ
広すぎるが故に、自販機サイズの男二人で寝ても余裕で隙間が出来てしまっていた
凪「…」
凪は玲王に近づくため、寒がる玲王に「温めよっか?」と抱きつくことを考えたが、これ以上しつこくしたら再びソファー行きを命じられるかも知れない
凪はエゴを抑えた
玲王「ハイ」
そんな凪に向かって、突然玲王が両手を広げる
凪「な、なに…?」
玲王「おいで、俺の湯たんぽ」
だ、ダメだダメだ…!
軽い冗談で凪を湯たんぽ扱いした玲王だが、それは実質「ハグオッケー」のお許しである…!
冷静(理性)と情熱(エゴ)の狭間で揺れ動く男、凪誠士郎…
玲王からのハグ、いや、湯たんぽのお誘い
凪はそれを受ける?受けない?
現・凪くんの回答を下3レスから🎲 - 98二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 21:34:31
ひと晩中温めてあげるね
- 99二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 21:37:22
(もう湯たんぽでいいや)ぎゅっとハグする
- 100二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 23:24:41
いいの?
しおらしく行こう! - 101スレ主24/01/17(水) 07:30:56
- 102二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 18:11:02
ほほほほしゅ〜
- 103二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 22:57:09
保守
- 104二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 23:01:22
こんなんハグしない訳が無いよね🤗
- 105二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 08:09:06
保守〜!
- 106スレ主24/01/18(木) 15:30:40
凪「…」
凪「(もう、湯たんぽでいいや)」
開き直った凪は、警戒されない程度の強さで
ただし、そこに多少のエゴも込めながら玲王の身体を後ろから包み込むように手を回し、ぎゅっとハグした
玲王「…」
凪「(…あれ?玲王、黙ってるけど…抱きしめる強さとか、これで大丈夫だよね…?下心あんの、気付かれてないよね?だって今の俺は、玲王の湯たんぽだし…)」
凪は恐る恐る腕の力を強めていき、玲王の顔が自分の首元に埋まるくらいに密着していく
俺の基礎体温、人より高くて良かった
凪はそう思いながら、「自分は湯たんぽに徹しよう」と、変な動きをしてしまわないように身を硬くする
凪「(…うわっ)」
しかし、フワフワのパジャマ越しに浴室で触れた玲王の肩や背中の感触が思い起こされ、思わず反応してしまった自身を悟られまいと少し腰を引く
凪「(…やば、どうしたんだろ、俺…。寝る前に勃つとか今までなかったのに…さっきも、シたのに)」
相変わらず警戒心が薄いままの純粋培養御曹司が笑顔で凪の背中に手を回し、腰を引いた凪をもっと近くに引き戻してくる - 107スレ主24/01/18(木) 15:35:40
凪「ッ…(当たっちゃうんだけど)」
玲王に自身が反応していることを知られたくない凪は、玲王から身体を離そうとする
玲王「…なんでそんな離れんだよ。お前は俺の湯たんぽだろ?」
凪「あ、うん…」
こうなってしまえば、もうあとはまな板の鯉と同じ
御曹司のなすがままであった
玲王が暖を取ろうと、凪の脚の間に自分の脚を割り込ませてくる
凪「ッ、ちょ!」
その拍子に御曹司の太腿が現・凪の誠士郎に当たって、下からそこを刺激しているのだが、玲王は気付いていないのか、より凪と接する面を増やして身体を温めようと遠慮なくグイグイと密着してきた
凪「(…動揺したら、負け…勃ってんの知られたら、即ソファー行き…今の俺は、完全なる湯たんぽ…玲王の湯たんぽ…)」
玲王「わー、あったけぇ…」
今の自分は自我を持たない玲王専用の湯たんぽなのだと、脳内で念仏を唱えている凪を尻目に、玲王がホッとしたような顔をして凪の首筋に自らの顔を埋める
玲王「…あー落ち着く」
凪「え?」
玲王「やっぱ…凪の温度と匂いだなー」
凪「…」 - 108スレ主24/01/18(木) 15:38:16
凪「(そんなに、温度も匂いも覚えてるくらい…俺とくっついてたんだ)」
自分の顔の少し下にある玲王の髪に手を伸ばし、凪は自身の指に紫色のそれをさらりと絡めた
玲王は、今日はトリートメントをしていなくて指通りが悪いと、自身の髪を不満そうに乾かしていたが
とてもそんなふうには思えないほど、天井からのうっすらとした明かりでもキラキラとその髪の毛が光っていた
凪「(じゃあ、玲王の匂い…俺だって、きっと覚えてるはずだよね)」
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感は外界を感知するための感覚機能
その五感から得た情報を処理するのは脳だが、その中でも唯一”嗅覚”だけは感情や本能を司る大脳辺縁系に直接伝わると言われている
他の五感は”理性”を司る大脳新皮質に伝わるのが先
つまり、嗅覚のみが”本能”で処理される
凪は、玲王の髪にそっと顔を埋めて、深呼吸するように息を吸った - 109スレ主24/01/18(木) 15:43:10
凪「(これ…)」
脳裏に、自分がどこかを移動している景色が流れていく
車よりも遅く、歩くよりも早く
目の前には制服を着た玲王の後ろ姿があって
風で、この綺麗な髪がサラサラと靡いてるのを
ずっと見つめている
凪「ッ!」
凪が、思わず玲王の身体をバッと勢い良く離した
玲王「?」
凪「…」
これ以上は、ダメだ
そう”自分の”理性が告げていた
きっとこれ以上この匂いを嗅いでいたら、”今の自分”にとって不都合な、思い出したくないことを思い出してしまう
本当は、それを思い出さなきゃいけないのに
玲王は、自分の目の前にいる、ずっと一緒にいたい人はきっとそれを何よりも望んでいるのに
それを、今はまだ叶えてあげられないと凪は思った
自分の感情が、心の中に芽生えたエゴが
玲王と過ごした、太陽のように輝く眩しい日々の記憶を
思い出したくないと告げていた - 110スレ主24/01/18(木) 15:47:38
凪「…」
玲王「…どした?もしかして…」
自分を見つめる玲王の、期待が入り混じったような瞳を見た凪は罪悪感に襲われる
この人が求めてるのは、どこまでも
俺じゃなくて、俺の中にいる恋人の凪だと
そんなこと口に出して言われなくたって、その瞳を見ればもう分かってしまった
凪「…いや、なんでもない。ごめん」
気を紛らわせようと、玲王の背後を見た凪の視線のその先
室内の明かりを薄暗くしたため、ベッドに入った時にはよく見えていなかったが、玲王の枕元の横には抱えるほどの大きさをした紫色のうさぎのぬいぐるみが鎮座している
凪「玲王…これ、何?」
高校二年生185cmのイケメン御曹司の枕元にはとても似つかわしくない、頭に花の付いたそのファンシーなうさぎのぬいぐるみ
玲王「あー…」
玲王が、その髪と同じ紫色のうさぎのぬいぐるみを、まるで生きているかのように優しく抱き上げる
そして、何を思ったのか幼い子どもに接するようにしてそれに語りかけた - 111スレ主24/01/18(木) 15:52:47
玲王「やべ、言うの忘れるとこだった。ルーちゃん、おやすみー」
凪「(る、るーちゃん…??)」
とろけそうなほどに優しい瞳をした御曹司が、紫色のうさぎを抱きしめながら、そのオデコにキスをしておやすみの挨拶の言葉をかける
完璧に見えた学園の王子様の、見てはいけない部分を見てしまった、と凪は思った
玲王「?」
凪「…大丈夫だから」
玲王「何が?」
凪「俺は、何も見てないし…何も聞かなかったことにするから」
玲王「え?」
凪は表情を変えないまま、しかし布団をギュッと握りしめ、何かを決意したような態度をとる
凪「俺、口硬いし…ていうか、ほぼ人と話さないから誰にも言わないし。安心して」
玲王「だから、何を?…お前、なんか勘違いしてるだろ」
凪「?」
呆れたような笑みを口に浮かべ、ジト目になった玲王が凪を見つめる
玲王「この子はな、俺が凪にもらった大事なぬいぐるみなの」
凪「は?俺が…?」
凪は「(あげた…?こんな、大きくてファンシーなぬいぐるみを…?)」 - 112スレ主24/01/18(木) 15:55:13
凪『俺さ、今日の記念にぬいぐるみ欲しくなっちゃったなー。買いに行かない?』
玲王『じゃあまた指輪みてぇにお互いにプレゼントしよーぜ!』
凪『うん、レオにピッタリの可愛い子選ぶからね。レオも俺にピッタリの子を見つけてね?』
玲王『任せとけっ!』
玲王「…そ、この前お前と一緒にディ◯ニー行って、お互いにピッタリのぬいぐるみを選んで交換したんだよ。なー?ルーちゃん。お前は凪が俺に選んだ特別な子だよ」
語尾に♡がつきそうな勢いで、優しい笑顔をした玲王に凪は思いっきり惚気られてしまった
凪「(…俺が、恋人とディ◯ニーに行って…ぬいぐるみを互いに選んで、交換する…?)」
体育倉庫イベントに続いて、そんな眩しすぎる青春クエストまで達成していたとは
元の自分はどれだけリア充ランクを上げているんだ、と、凪はふと今の自分の恋愛経験値の低さを憂える - 113スレ主24/01/18(木) 15:58:45
玲王『ベッドに置いて、毎日喋りかけながら一緒に寝よっかなー』
凪『ハァー、一緒に寝るとか何それ。ズルくない?』
凪『あ、そーだ!たまには俺のジェラちゃんとその子を会わせてあげないとね?寂しくないように』
玲王『ハハ、何だそれ。お前ここ来てから急にメルヘン爆発させてるよなー?』
凪『だから、俺がジェラちゃん持ってレオんちに行ったらレオのベッドでみんなで一緒に添い寝しようね?』
玲王『えー』
玲王「…」
先程のこぼれるような笑顔から一転、凪のことを想い出し、急に無言になった玲王は再び泣きそうになる自身の表情を悟られまいと、ステ◯ルーの額に自分の顔を埋めた
凪「…どしたの?玲王」
玲王「え」
ぬいぐるみから顔を引き剥がすようにして、凪が玲王の視線を自分の方へと向けさせる
凪「玲王の湯たんぽは、そのうさぎじゃなくて俺じゃなかったの?」
玲王「…湯たんぽ…。ああ…」
凪「今、ずっと元の俺のこと考えてたでしょ」
玲王「え?うん…そりゃ、想い出すだろ。どこ見ても、アイツとの思い出ばっかりなんだから」
玲王はゆっくりと寝室の中を見回した - 114スレ主24/01/18(木) 16:06:57
初めて凪が家に遊びに来て、凪の好きなエタシャンを二人で見ながら初めてあの時の本音を打ち明けた時のこと
学校で倒れて寝込んでいる自分を驚かせようと、100万のオーダースーツを勝手に着て、ミッ◯ーのカチューシャをつけてばぁやの変装をしていたこと
初めてのデートで喧嘩した日の翌朝、ばぁやからもらった大事なブランケットを裸の凪の腰に巻かれて、喧嘩したこと
玲王「…ッハ」
凪「?」
玲王「ほんと、アイツといると…毎日大変なことばっかだけど、一度も退屈だと思ったことがねえ」
哀しみとも、慈愛ともつかないような瞳の色で
紫色のうさぎを抱いた玲王がどこか遠くを見つめる
凪「…じゃあ」
玲王「?」
凪「俺とも、忘れられないような思い出…作って、欲しい」
玲王「ハハ、お前との?いーよ。明日でもどっか行くか?体育祭の振替休日だしな。何したい?」
どんどんと増していく玲王への強い想いと
恋人の自分への対抗心と嫉妬
玲王との忘れられない思い出を作りたい現・凪くん
凪は、玲王とどんなことをしたいと言った?
下3レスから🎲 - 115二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 17:58:54
玲王が今までの俺と行ったことない場所に行って、手を繋いでデートしたい
- 116二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 21:00:17
ゲーセン行ってプリクラ取りたい
- 117二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 22:13:47
一緒にお弁当作ってピクニック行きたい
- 118二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 08:08:39
ほしゅ
- 119二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 08:15:08
手を繋いでピクニックしてゲーセンも行きなはれ全部やりなはれ(涙)
- 120スレ主24/01/19(金) 17:12:11
- 121二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 22:39:10
プリクラかー
- 122二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 09:01:02
ほしゅ〜!
- 123二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 19:22:18
プリクラとして思い出が残るのいいね
- 124スレ主24/01/20(土) 20:17:25
玲王『何したい?』
凪「…」
いざそう言われると、急にそんなことは思いつかなかった
玲王がその綺麗な瞳を向けているのが自分じゃないことも分かっているし
きっと1mmだって玲王の中に自分の存在が入る余地がないことも分かっている
ただ、この先もし自分の記憶が戻ろうが、戻らまいが
玲王の人生の中のたった一瞬であっても、今の自分と過ごした時間のことを覚えていてくれていたら
今こうして、恋人だった時の自分のことを思い出しているみたいに
ふと何かのきっかけに、今の自分と過ごした時間のことも思い出して欲しいと
そんならしくもない殊勝なことを凪は考えてしまっていた - 125スレ主24/01/20(土) 20:25:00
凪「…今まで、俺と玲王がしたことないこと…とか…」
玲王「んー?」
ポツリと小さく呟いた凪の言葉を、玲王が優しく聞き返す
凪「…だから、今まで俺とディ◯ニーの他にさ、どんなとこに遊びに行ったの?」
玲王「え?お前と?…まぁ、映画館とかは二回くらい行ったことあるかな」
凪「へぇー…映画好きなんだ。その時何観たの?」
玲王「…それは」
玲王『はぁぁあ!?ゾンビ物!?またR15+じゃん!!次来るならフツーの映画が良いっつったのに…!』
凪『しょうがないじゃん。この時間ちょうど良いのがコレしかなかったんだから』
玲王『いや、嘘つけ。他にもあんじゃ』
凪『ポップコーン奢ったげるから早く行こ』
玲王「…」
凪「?」
玲王「いや、今、寝る前に…ここで思い出したくねぇ…」
玲王が紫色のうさぎを抱きしめたまま、布団を頭の上まですっぽりと被って完全に身体を隠してしまった
それもそのはず、凪と玲王が観た映画は二回ともホラー作品
一作目は精神にクる系、二作目はゾンビのパニックもの
その時、悪ノリした凪が鑑賞中の玲王の耳に息を吹きかけたりするイタズラを重ねたせいで、玲王は今やすっかりホラーが苦手になってしまっていた - 126スレ主24/01/20(土) 20:33:13
一日の終わりに安らぐための寝室でそれを思い出すなんて
このまま恐怖に支配されて、玲王は眠れなくなってしまいそうだった
玲王「…」
凪「まだ寒い?もうちょっと湯たんぽしよっか?」
震える玲王を見た凪は、玲王が寒がっているのかと思い心配して声をかける
玲王「…別に寒いんじゃねーけど…まぁ、ハグ…する?」
凪「ん、いーよ」
オバケのことを考えてしまい怖くなった、とは言えない玲王は、凪とハグをして平静を取り戻そうとする
紫色のうさぎを玲王の手から離してその枕元に置いた凪は、そのまま玲王を見つめて上から押し倒すように玲王の顔の横に手をついた
玲王「…ん?」
凪は自分の腰の辺りまで落ちた掛け布団を自分の肩の上まで覆うように引き上げて、二人が外から見えないようにする
まるでその暗い布団の中が二人だけの世界のようになって
そして玲王の上に被さるようにして、そのままギュッと抱きしめた - 127スレ主24/01/20(土) 20:45:23
玲王「…なんか、ハグ、思ってたのと違うな」
お互いが横向きになって抱き合うのかと思っていた玲王は、凪に上から覆い被さられている状況に少し戸惑っていた
凪「…俺のカラダ、重い?」
凪が少し上体を浮かせて玲王のことを気遣う
玲王「いや、いっつもお前のことおんぶしてるし…それは全然、大丈夫なんだけど…」
玲王は凪の髪を撫でながら、自分より厚みがあって、でも少しだけ柔らかさもあるその肩口に下から頭を擦り寄せる
玲王「ハハ、お前ってやっぱマジであったけえ。子ども体温な」
凪「そう?自分じゃ、よくわかんないけど」
そう言って自分を見下ろしてくる凪の、風呂上がりで水分を吸っていつもよりちょっと重そうな前髪が顔にかかる様子が、さらにその表情を幼く見せていた
玲王「…可愛いなぁ、子どもみてえ」
凪「うん。じゃあもっと甘やかして」
さっき見た、恐らく元の自分が見ていたあの景色
そのオレンジ色の朧げな光景は、胸が締め付けられるほどに懐かしくて
自分にとっては初めて見る光景のはずなのに
今までに感じたことのない心地良い温かさが、凪の胸の中にまだじわりと残っていた - 128スレ主24/01/20(土) 20:54:33
凪「…」
玲王『…どした?もしかして…』
凪『…いや、なんでもない。ごめん』
あの時、玲王の身体を無理矢理にでも引き離さなければ
まだ胸に残る心地良い感情と一緒に、記憶の全てが思い起こされてしまいそうだった
自分の記憶は、きっといつ戻ってもおかしくない
玲王とこうして一緒に寝るのも、もしかしたら今夜が最初で、最後なのかも知れない
そう思うほどに、恐怖と罪悪感と
まだ玲王とこのままでいたいというエゴに心が支配される
凪「…今日」
玲王「ん?」
凪「一緒に寝てくれて、ありがとね」
玲王『お前はそこでいーだろ』
凪『え』
玲王『絶対に、こっちの部屋入ってくんな』
玲王「…あー…いや、俺もさっきは怒って悪かった。なんかアイツともよくケンカになってたんだよな。すぐ変な風な話ばっかするからさ、ホント、お前と一緒」
凪「…」
そう笑いながら話す玲王を見た凪は「じゃあ俺も”アイツ”と同じ扱いにして」と言いたくなる気持ちを抑えて、玲王の笑顔をジッと見つめていた - 129スレ主24/01/20(土) 21:06:21
いつ記憶が戻って自分の存在が消えてしまうのか、とか
何で最初に出逢ったのが俺じゃなかったのか、とか
そんなことは、考えるだけ無駄だと凪は思ってしまう
だって玲王の笑顔を見ただけで、今はそんな不安を全てを忘れられる
玲王「…じゃなくて、なんかすぐ話が脱線しちまうな。明日、何したいんだっけ?」
玲王が自分を見下ろしている凪の目にかかる前髪を手で分けてやる
凪「んー…じゃあ、なんか玲王と一緒に、遊んだりとか…したいかな」
玲王「いいよ」
凪「玲王はゲーセンとか、行ったことある?」
玲王「ゲーセン?いや、お前とはねーけど…。やっぱ凪ってゲーム好きなんだな」
凪「そうだね」
玲王「格闘ゲームとか?音ゲー?俺あんまそーいうの詳しくねえんだけど。いーよ、お前の行きたいとこ行こうぜ」
玲王がヨシヨシと凪の頭を撫でながら微笑む - 130スレ主24/01/20(土) 21:13:03
凪「うん…あと、そこでね」
玲王「なんだよ?ホラー系のシューティングゲームとかは、絶対にやらねえからな!」
凪とのデートといえば、なぜか毎回お約束のようにホラーが付きものだった
またホラー希望なのか?と、玲王が身構える
凪「そこで、プリクラ撮りたい」
玲王「…は?プリクラ?」
凪「うん」
玲王「ぷはっ、お前、女子高生かよ!?」
ホラーとは真逆の可愛らしい凪の提案に、玲王は思わず吹き出した
凪「ねぇ、いーでしょー」
玲王「ハハ、わーったよ!全然オッケー。スッゲェ盛れるやつ、二人で撮ろうな」
目の前で楽しそうにしている玲王の顔を見ていると、自分は恋人の凪じゃないのに
キスされて、甘やかされて、勘違いしそうになる
もっとこのまま、玲王に気軽にキスだってしたいし
ハグだって、湯たんぽの代わりとかじゃなくて
恋人として愛されて、「お前が良いんだ」と求められて、そうして玲王にハグしたいと思ってしまう - 131スレ主24/01/20(土) 21:19:17
玲王「じゃあ…そうと決まったら、もう寝よっか」
凪「ん…」
玲王は記憶を失った凪を心配させないようにと、ずっと元気そうなフリをしているが、朝からの体育祭、凪の転倒による病院への付き添い、そして記憶喪失になった凪を自宅に連れ帰ってからの諸々で、気を張り詰め続けて心も身体も綺麗な外側のその中身はもうクタクタだった
玲王「おやす…」
凪「ねぇ」
玲王「ん?」
眠りかけた玲王に凪が声をかける
凪「おやすみの、チューして?」
玲王「…おやすみの、ちゅー…?」
もう眠気で今にも瞼が閉じてしまいそうな
限界で脳が思考停止状態に陥りかけている玲王は、「おやすみのちゅー」と聞いて頭の中に寝ているねずみを思い浮かべていた
ヤバいぞ、御曹司…
ちゅーは恋人同士がするもの?いや、軽くするくらいなら甘やかしの範疇なのか?
でもさっきから添い寝→ハグって、凪くんかなり段階踏んで来てる気がするぞ
というワケで、玲王は現・凪とのおやすみのチュー…
する?しない?
下3レスから🎲 - 132二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:28:56
ほっぺにする
- 133二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:38:07
眠すぎて頭ふわふわなので唇に軽くちゅっとする
- 134二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:01:19
触れるだけのちゅーを口にする
- 135二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:43:05
全選択肢するじゃんw
- 136二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 09:41:16
どれになっても美味しいほしゅ
- 137スレ主24/01/21(日) 09:44:51
- 138二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:06:22
保守!
- 139二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 22:40:23
唇にいったかー
- 140スレ主24/01/22(月) 10:02:11
玲王「(ん…?なぎ、なんか…言ってる…)」
寝落ち5秒前の玲王が、もう瞼を閉じて意識を手放してしまいたくなる、そんな状況で凪から言われたその一言
凪「おやすみの、チューして?」
玲王「…おやすみの、ちゅー…?」
超優秀な頭脳でも、睡魔によって言葉の意味を処理しきれず、玲王の頭の中には就寝中のねずみが思い浮かぶ始末だった
玲王「(…だめだ、もう、マジで寝たい…)」
凪とのこれからのこと、今日風呂場でした初めてのコト、父親との関係
玲王には解決しなくてはいけない問題が山積みだった
おそらく、おやすみのキスが毎日の習慣であれば頭で考えるより先に自然と身体が動いていたのだろう
凪「…ねぇ、チューしてくんないの?」
玲王「んー…」
カクン、カクンと首が揺れ、玲王はもう今にも寝てしまいそうだった - 141二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 10:02:15
このレスは削除されています
- 142スレ主24/01/22(月) 10:14:46
凪「(うわー、玲王が眠そうにしてんの…しっかりした感じとのギャップがあって、なんかカワイイ…)」
見るからに物凄く眠そうだし、その大きな瞳を覆う瞼はもう半分も開いていない
このまま大人しく寝かせてあげるのが正解だろう
でも、先程までと違う雰囲気の玲王をもっと見ていたい、色んな表情を見せてくれる玲王を、もっと知りたいという凪のエゴがそれをさせなかった
玲王「何…それ、今しなきゃ、いけねーの…?」
寝てしまいそうになるギリギリのところで、玲王はなんとか瞼が落ちないよう頑張って凪に声をかける
凪「うん」
可愛い玲王をもっと見ていたい、まだ寝てほしくない
出逢った日の今日を、この先また迎えられるか分からない玲王と同じベッドで寝るこの時を、まだ終わりにしたくない
そんなエゴだけじゃなくて、”自分”に対してだけ向けられた瞳で、凪は玲王にどうしてももう一度、キスをしてもらいたかった
凪「お願い、玲王。俺…『人におやすみのキスしてもらわないと怖い夢を見ちゃう』病だから」 - 143スレ主24/01/22(月) 10:30:48
玲王「…」
凪『レオ…大変だ、俺、持病の「人に添い寝してもらわないと怖い夢を見ちゃう」病を発症しちゃったみたい』
玲王『んだそれ、聞いたことねぇ』
凪『添い寝してもらわなかったら俺一睡もできないよ。クマできちゃう、明日サッカーの練習できないかも』
玲王「凪…」
凪「ん?」
玲王「それしねーと…お前が、寝れねーの…?」
凪「え、うん…(信じたの?)」
子どもみたいな、明らかにバレバレのダサい嘘をついてでも、凪は玲王にそうして欲しかった
玲王「…わかった」
眠すぎてふわふわの頭のまま、玲王は凪の唇に顔を寄せ、ちゅっと軽く触れるだけのおやすみのキスをする
凪「…!」
その瞬間、凪の黒い瞳の中にキラキラと大小のハイライトが点って、宇宙の星空のようになった
玲王「…これで、寝れそ?」
凪「うん、ありがと。玲…」
玲王「それでさ、明日もいっぱい…」
玲王「いっしょに、サッカーしような、凪…」 - 144スレ主24/01/22(月) 10:35:29
凪「…え?」
そう言った玲王は、コテン、とそのまま糸が切れたかのように枕に頭を深く埋めて、ずっと堪えていたその瞼を閉じてしまった
綺麗な紫色の瞳は見えなくなり、目を閉じたそこはくっきりとした長いまつ毛に縁取られている
玲王と”初めて”出逢った今日の日の、最後の最後に寝ぼけた玲王が口にしたのは
恋人の自分に対して呼びかけた名前で
その瞳に映っていたのは、結局”自分”ではなかった
凪「…」
玲王『…あれ?照明ならこっちのリモコンで寝る時に全部消すけど。お前、明るくしてないと寝れないタイプだっけ?』
凪『え、うん…実はそーなんだよね』
凪『(よし、これならもしそういう雰囲気になっても大丈夫だ…)』
凪「(バカみたいじゃん、俺…一人で盛り上がってさ…)」
最初から玲王の頭の中に自分の存在など無かった
そんなことはとうに分かっていたはずなのに
完全に寝てしまった玲王を見つめたまま、凪は一人でぐるぐると考える - 145スレ主24/01/22(月) 10:42:09
凪『…いや、なんで、みんな人と比べたがるかなぁ、って、思って…』
玲王『え?』
凪『人間なんてさ、生きてるだけで別にいいのにね、って』
凪「(…玲王にあんなコト言っておいて…さっきからガキみたいな嘘までついて、ハグとかキスせがんだりして。マジで、何してんだろ…)」
玲王に自分とだけの想い出を作って欲しいとか
自分だけを見てハグして、キスして欲しいとか
『特別な存在』でありたくて頑張ってるってことは、今の自分は既に『特別な存在』でも何でもないってコトなのに
凪「(それを、わざわざ自分から証明しちゃってんじゃん…俺)」
じゃあ最初っから才能ないのかな
俺には、玲王から愛される才能が
凪「…」
ふと目にしたサイドテーブルの上に置かれた小箱の存在に気付いた凪は、何気なくそれを手に取る
紫色のリボンと一緒に置かれていたその箱を勝手に触ることに少し躊躇いながらも、そっと箱の蓋を開けてみた - 146スレ主24/01/22(月) 10:54:56
その中に入っていたのは、キラリと光るシルバーのシンプルな指輪
凪「(…指輪?内側に、なんか彫ってる…)」
左右に傾けながら、薄暗い明かりの中でかろうじて読み取れたその文字は
N to R
First Crush
凪「(…First Crushって、たしか…初恋、だっけ…)」
玲王『フフッ』
凪『え、なんで笑ってんの?』
玲王『あ、いや?別に。とにかく凪との想い出は語り尽くせねーわ。朝までかかるな。お望みならずっと話してやるけど』
玲王『初めては記憶が戻ったお前とがいい、だから早く思い出してくれよ』
凪「…初めてって、そんなにトクベツなもんなの」
元の自分と玲王が過ごした色んな日々が、玲王にとっても、元の自分にとっても、きっとすべてが初めてのコトばかりだったから
だからきっと、何もかもすべて新鮮で、『特別』で、大事で…あのオレンジ色の光のように、輝いて見えていたのだろうか - 147スレ主24/01/22(月) 10:56:26
凪「…」
初恋の相手ではない自分は、そんな時間を玲王と共有してきた元の自分には一生勝てないのかも知れない
それでも、凪は胸に宿るこの気持ちをどうしても諦めたくはなかった
凪は、指輪を仕舞った箱をサイドテーブルに戻し、明日は玲王と少しでも特別な初めての想い出を作ろうと心に誓う
さて、いよいよ始まるゲーセンデート!
いきなりゲーセンに行く?
凪くんのデートプランを、下3レスから🎲 - 148二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 14:27:09
朝は玲王の家でのんびりゆっくりしながら支度
まずは今日1日のデートコーデを買いに服屋さんへ
ゲーセンでクレーンゲームしてぬいぐるみ取って玲王にプレゼント(元の凪に対抗)
その後プリクラ撮って、一緒に色々ゲームを楽しむ
お昼はカップルも多い人気カフェでランチ
のんびり広い公園をお散歩してボートとかにも乗ったりする
そして玲王と一緒に恋愛映画を見て、ディナー
余力があれば夜景を見て帰る!!!! - 149二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 18:17:13
玲王がサッカーしようなって言ってたからラウ○ドワン的な感じのアミューズメント施設でビリヤード、ボウリング、ダーツ、1on1、フットサル、カラオケその他色々遊び尽くす
落ち着いた頃にプリクラ撮る
自分だけの玲王との思い出を残したいから玲王に何かプレゼントする(スレ主に任せる!) - 150二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 22:06:20
初手ゲーセン行ってプリクラ撮ったり色々ゲームして楽しんでから甘い物食べに行って玲王にあーんしてもらう
それからお菓子とか飲み物買って凪の家でのんびり映画観ながらイチャイチャ - 151二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 08:06:28
とれもいいけど、148さんの長文妄想あふれ出る感じがいい!
- 152二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 09:35:54
どれも素敵なデートや〜ん
- 153二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 17:52:12
全部めちゃくちゃいいデートプランだ!
記憶喪失凪くんが報われないことがわかってるので思いのほか切ない…… - 154スレ主24/01/23(火) 18:55:16
- 155二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 22:36:37
ゲーセン+お家デートがお好みか女神
- 156二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 08:12:57
デート楽しみ!
- 157スレ主24/01/24(水) 17:00:15
??『あーもー、クソぉ!』
誰かにガン、と脇腹を蹴られた衝撃で、手からゲーム途中のスマホが離れる
玲王『あ、ゴメン…』
凪『(やば、スマホ壊れる)』
咄嗟にそう判断して、迷うことなくつま先に力を入れて階段から飛んだ
そのまま右足の甲でスマホを受け止めて、何事もなかったかのようにゲームを再開する
凪『お、セーフまだ生きてる』
玲王『ちょちょ…スゲェなお前、サッカー部!?』
興奮気味で声をかけてくる人物に気を取られて、ゲーム内のアバターは撃たれて死んでしまった
凪『あー死んだ』
玲王『てか何者!?俺とサッカーやんね?』
何がそんなに凄いのか
階段の踊り場にある大きな窓から差し込む太陽光で、紫色の髪をキラキラさせた玲王が、自分を見てその大きな瞳を驚いたように丸くして慌てていた
凪「(なんだ、これ…)」
凪『サッカーなんかやんないし、スポーツもやったことない』
眠そうに気怠げな様子のまま、ジッと玲王を見ている
凪「(…俺の、記憶…?)」 - 158スレ主24/01/24(水) 17:04:46
玲王『頑張りゃプロも夢じゃないって!』
凪『頑張んなきゃダメなんて。サッカーってめんどくさいね』
またいつもの勧誘か、と玲王に不躾な言い方をしてしまった
凪「(うわ…拗らせてんな、俺。玲王にそんな言い方しなくてもいいのに…)」
もう終わったな、俺
そう思った瞬間———
玲王『面白い!お前はそのままでいい!』
凪「(え…)」
頬を赤らめた玲王が、ワクワクした表情のまま自分の肩に顔を寄せて抱きついてくる
玲王『サッカーやろうぜ』
凪「…」
キングサイズのベッドに寝ていた凪がゆっくりと目を開け、そのまま視線だけを左右に動かす
見知らぬ天井
貴族か、どこかのご令嬢が寝ていそうな天蓋に布のかかった高級な寝心地S級のベッド
一瞬にして、昨日玲王と出逢って、ここで眠りにつくまでの記憶を凪は思い起こした
凪「ハァ…」
凪「(良かった、まだ”俺”だ)」 - 159スレ主24/01/24(水) 17:09:44
そのまま凪はゆっくりと上体を起こし、先程断片的にだが思い出した、おそらく元の自分と玲王が出逢った時の記憶のことを考える
凪「…」
いつ、こんな風にして寝ている間に全てを思い出してしまってもおかしくはなかった
もしそうなったら、玲王にお別れを言えないまま、自分はいなくなってしまう
凪「(怖…やっぱ、自分でお別れを決めて、ちゃんと玲王と話をして、玲王を抱きしめて…サヨナラ、した方が良いんだろうな…きっと…)」
凪が自分の手の平をそっと広げて見つめた
この身体は、今自分の意志で動かすことができる
たしかに自分のモノなのに
いつか終わりが来るのだろうか
昨日感じたあの匂いだけじゃない
何をきっかけに全ての記憶が戻って、突然元の自分と入れ替わるのかはもう分からない
いざその瞬間が来たら、今の自分にはもうそれを止めることなんて出来ないだろう、と凪は思う
凪「…玲王…」
不安になった凪が隣に寝る玲王に声をかけようと視線を向けるが、そこには誰もおらず、少し皺の寄った真っ白なシーツがあるだけだった - 160スレ主24/01/24(水) 17:14:43
ガタッ!
凪「うわっ…!」
凪が玲王を探そうと寝起きのまま慌ててベッドから降りたせいで、いつも寝ている自宅のベッドとは高さが違うこともあり、床の上で軽く足を踏み外したようになってしまった
玲王「…っ、ちょ、凪!?」
物音に気付いた玲王が、寝室から繋がっているウォークインクローゼットの扉から心配そうに顔を覗かせる
玲王「おま、大丈夫かよ」
凪「玲王…!うん、大丈夫」
転けたことを玲王に悟られないように、凪は何事もなかったように立ち上がる
フカフカのカーペットの敷き詰められた寝室では、少しくらい転けても問題はないのだが
玲王「おはよ。よく寝れた?」
凪「一緒に起こしてくれたら良かったのに」
少しでも長く玲王といたい凪は、口を尖らせて少し甘えたように文句を言った
玲王「いや、お前よく寝てたからさ。つか、今日ゲーセン遊び行くんだろ?お前の着てた服、学校のジャージじゃん?さすがにそれでゲーセン行けねえからさ、俺の私服で良かったらなんか好きなの着ろよ」
玲王が手で「おいで」をするようにして、凪を自分のクローゼットに誘う - 161スレ主24/01/24(水) 17:22:06
凪「…え。ここ、入っていいの?」
玲王「いーだろ。部屋の主の俺が良いって言ってんだからさ」
お前って大胆そうに見えて変なとこで気遣うよな〜と、玲王が笑いながら凪の好きそうなカジュアルめな服を選んでその身体に合わせていく
玲王「ジャケットとかスーツじゃなかったら、肩幅とか違ってもそんな気になんねえと思うんだけど。あと、俺って脚長いし?パンツの股下の長さとか多分お前と一緒だろ」
凪「うん…」
横になって寝れるくらいに広く、ちょっとした部屋のようなウォークインクローゼットの中で、それでも自販機サイズの二人が向かい合うことで自然とその距離は近くなった
玲王が自分に服を合わすたびに肩に触れるその手と顔の近さに、凪は昨日の行為を思い出して気まずさを覚える
玲王「ぷはっ、認めんなよ!5cmも違うんだから、俺のが脚長いし、ってちょっとは否定しとけ」
凪「だね」
玲王といるだけで、どこにいても、何をしていても
まるで全部がデートみたいだな、と凪は思う
凪「…」
玲王「どしたー?趣味、やっぱ違うかなぁ。この中に好きなのない感じ?これとかこの前出たア◯マーニの新作なんだけど…」 - 162スレ主24/01/24(水) 17:25:33
凪「サッカー…」
玲王「え?」
黒を基調とした某アパレルブランドの冬の新作を勧めようと手にした玲王が、凪から「サッカー」という単語が出たことで思わず後ろを振り返る
凪「今日、さ」
玲王『…これで、寝れそ?』
凪『うん、ありがと。玲…』
玲王『それでさ、明日もいっぱい…』
玲王『いっしょに、サッカーしような、凪…』
凪「サッカーは、しない、から、ね…俺は」
玲王「…」
服を持ったまま固まった玲王が、凪を見つめる
自分で言ったのに、玲王の表情を見るのがなんだか今は怖くて、凪は玲王と目を合わせられないまま下を向いていた
玲王「たはっ」
凪「…?」
玲王「なーんだ、んなコトかよ!医者にも頭打つような行動はダメだって言われてたろ?そんなの、俺がお前と一緒にいてさせるワケねーじゃん」
凪「そっか、そだね」
凪「(…じゃあ、昨日寝る前に俺に言ったアレは…やっぱり、元の”俺”に向けて言ったコトなんだ)」
無意識の玲王の頭の中にいる”凪”は、やはり自分ではなかったことを再確認した凪は軽くため息を吐いた - 163二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 17:28:17
記憶喪失くん可哀想なのもあるけどスレ主の天才的な文章で早く本番が見たい
- 164スレ主24/01/24(水) 17:33:09
玲王「冬だし、ニットも可愛いよなー。でもお前背ぇ高いからシャツとかチェスターコートの綺麗目も似合うしー。でも、やっぱ最後はパーカー?」
頭の中で再びぐるぐると悩み始めた凪をよそに、玲王はクローゼットにある各ブランドの服を次々と着せ替え人形のように凪の身体に合わせていく
凪「…」
玲王「おい」
凪「…え?」
先程まで楽しげな様子だった玲王から急に低い声で呼ばれて、凪はパッと顔を上げた
玲王「お前…さっきから何一人で辛気臭ぇ顔してんだよ?せっかく今から二人で遊び行くんだから、もっとお前も服の意見出せって!」
せっかくコーディネートを考えているのに全然話にノッて来ない凪に対して、玲王が焦れたような目を向ける
凪「あ、いや、俺…別に、自分の服とかあんまキョーミないし」
玲王「キョーミなくても、キョーミ持たなきゃ話が進まねえだろ!?なんでも良いなら俺が決めちまうけどー!」
凪「ごめんなさいデス」
玲王「…もぉ。あ、そうだ!せっかくだからお互いに似合うコーデ組まねえ?」
お買い物には行かないけど、せっかくなのでお互いに相手に似合う今日のデートコーデを決めよう!
それぞれの選んだ私服コーデを下3レスから🎲 - 165二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 20:20:48
凪は黒ニットにチェックのパンツ
玲王はオーバーサイズの白パーカーに細身の黒パンツ - 166二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 20:31:43
- 167二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 20:38:36
- 168二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 22:54:20
どれになるかな
- 169二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 08:41:43
ほしゅ
- 170スレ主24/01/25(木) 10:06:13
- 171二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 17:31:43
女神はオソロコーデが好みだったか
- 172二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 22:43:39
女神はお揃いに萌えるのか
- 173二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 08:20:52
保守
- 174スレ主24/01/26(金) 16:20:56
凪「お互いに似合うコーデ…?」
そのキラキラと眩しい単語に、凪はようやく寝ぼけていた頭が追いついてくる
今まで自分とは無縁だった学園のアイドルとのデート
それだけではなく、今からそのためにお互いにコーディネートを選ぶ?
しかもそのアイドルのクローゼットで、彼の私服を自分が着る
凪「…大丈夫かな」
玲王の持っているシャツを凪がジッと見つめる
玲王の匂いがする服に包まれる
それはきっと、ずっと玲王がそばにいるみたいで、この上なく幸せな気分になれそうだけど
玲王「何が大丈夫?サイズ?」
凪「いや…なんでもない。こっちの話」
玲王に関するものに触れていたら、また不意に記憶を思い出してしまいそうで
凪は玲王の服を借りることが躊躇われた
玲王「どした?…顔色悪いな。よく寝れなかった?」
凪「そんなことないよ」
凪の顔を見ていた玲王の手が凪の頬に伸びる - 175スレ主24/01/26(金) 16:26:31
凪「?…いッ!?」
何を思ったか、急に玲王が凪の白い頬を両手で抓ってきた
凪「いひゃいって、玲王!」
頬を抓られた痛みから少し涙目になっている凪が、玲王の手首を掴んでその手を退かせる
玲王「…気になってることがあんなら、言えよ」
凪「はぁ?」
凪『…ねぇ、これからも俺たち、二人で仲良くやっていけるよね?』
玲王『それはお前次第でもあるじゃん』
凪『ハイ』
玲王『でも、とりあえず俺はまだお前と一緒にいたいって思ってるよ』
凪『俺も』
玲王『だからそのために、俺に隠し事とかはしないこと。不安なこととか、嫌なこととかあったらちゃんと全部言うこと。お互いにな』
凪『…わかった』
玲王「前に…お前と文化祭で喧嘩した時、もうお互いに隠し事はしない、って言ったんだよ」
凪『…だったらレオもさ、あの時、「隠し事とかしないこと、不安なこととか嫌なこととかあったらちゃんと全部言うこと。お互いにな」って、俺に言ってたじゃん…じゃあ、今日だって何で言ってくれなかったの?さっきも、ほんとは俺とエロいこととかしたくなかったんじゃないの?』 - 176スレ主24/01/26(金) 16:35:41
玲王「…お前は、俺とのこと全部忘れてるから、その会話も覚えてねぇかも知んねーけど…自分の気持ちを言わないのは、相手にとっても良くねえんだよ。だから、何でもないフリとか、言いたいことあんの我慢したりとか…俺の前でするな」
凪「…」
思いもかけず、自分の心に不安があることを玲王に言い当てられた凪は戸惑っていた
玲王「お前のことは、お前が恋人の凪じゃなくてもさ、表情見てたら何考えてるかくらい分かるんだよ。お前が自分の気持ち話してくれなかったら、俺だって気ィ遣って楽しめねーし…そんなの、せっかく一緒にいるのに苦しいだけだろ」
凪「…だね」
玲王の言っていることは、正論だ
だからと言って、正直に「自分がいなくなりそうで、元の俺に戻るのが怖い。玲王とまだ離れたくないから、記憶を思い出したくない」なんてワガママを言ったら、玲王はどんな顔をするんだろう
凪「…」
そんなこと、玲王に言えるわけない
凪は言葉が詰まって出てこなくなった - 177スレ主24/01/26(金) 16:38:28
玲王「言えよ。今、お前が悩んでることあんならさ。そりゃ、俺らは昨日逢ったばっかだし、相棒だ、恋人だって言っても…まだ、俺のこと信用出来ねぇかも知んないけどさ」
そう言って、玲王が寂しそうに俯く
凪「違う。ごめんね、玲王のせいじゃなくて…」
玲王「?」
凪「…全部、全部俺のせい。俺が弱くて、ダサいこと考えてるの、玲王に知られたくなかっただけ」
玲王「…ダサい?なんだよ」
凪「?」
玲王「お前が変なコト考えてるのなんて、いつものことじゃん?いーぞ、気にせず全部俺に言ってみろよ」
ニッ、と玲王が凪に優しい笑顔を向ける
凪『御影くんは、こんな俺のこと…変わってるって、思う?』
凪「…」
やっぱり玲王には、何を話しても、自分の全てを包んでくれるような優しさとか、温もりとか、安心感があると凪は思った - 178スレ主24/01/26(金) 16:39:38
じゃあ、もういっそ全て言ってしまおうか
言えばこの気持ちは楽になるのだろうか
凪「…もし、さ」
玲王「んー…?」
凪に似合うコーディネートを組みながら、玲王が返事をする
凪「もし、俺が…玲王のお願いを叶えてあげられなかったら…その時は、どうする?」
自分には、玲王のために記憶を取り戻す勇気はまだない
でも、玲王の言う通り心に不安を抱えたままでは、せっかくのデートも楽しめそうになかった
思い切って玲王に記憶を少しずつ思い出していること
そして、最後には自分が消えてしまうのが怖いことを正直に告げれない凪は、少し遠回しな言い方をして玲王の気持ちを探ろうとした
凪の質問に対する玲王の答えは?
下3レスから🎲 - 179二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 16:53:53
えーそれは困るなぁ
…冗談だよ、凪が悪いってことにはならねぇから
その時はさ、二人で一緒にどうするか考えたらいいじゃん - 180二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 19:02:43
その時は罰ゲームだな(悪い顔をしながら)
- 181二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 21:34:33
ハッ、どうもしねーよ!
何の話だか知らねぇけど、別に怒んねーし
凪が俺のために色々考えたり頑張ったりしてくれただけで十分! - 182スレ主24/01/27(土) 00:09:55
- 183二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 09:00:46
保守〜
- 184スレ主24/01/27(土) 18:21:17
玲王「もしお前が俺のお願いを叶えられなかったら…?」
凪「…うん」
言った後で、我ながらとんでもなくダサくて臆病で、遠回しな訊き方をしてしまったと凪は思った
玲王「えーそれは困るなぁ」
服から視線を移して凪を見つめた玲王は、眉を八の字にして困ったような顔をする
凪「…ゴメンナサイ、です…」
凪「(そりゃ、そーだよね…)」
玲王の残念そうな表情を見た凪は、怒られた子犬のようにショボンとし、190cmの長身ながらその姿には垂れ下がった耳と尻尾が見えるようだった
玲王「…なんてな」
凪「へ?」
玲王「冗談だよ。俺のお願いの内容が何であれ…それで凪が悪いってことにはならねぇから」
安心していいよ、と穏やかな笑顔で、玲王はヨシヨシと凪の頭を撫でる
玲王はやっぱり、底抜けに優しくて
こんなこと”凪”以外の人間にはしないのだろうけど
凪「ありがと…」
もし誰にでも同じことをしているのなら、勘違いする人間がいてもおかしくないと思ってしまうほどだった
玲王「それにその時はさ、二人で一緒にどうするか考えたらいいじゃん」
凪「…うん。…玲王って、あまいんだね」
玲王「?あまい?」
凪の呟いた言葉を玲王が聞き返す - 185スレ主24/01/27(土) 18:28:19
凪「だって、めちゃくちゃ甘やかしてくれるじゃん…俺のこと」
玲王「ハハッ、んなの、当たり前だろ?お前は俺の大事な宝物なんだから」
凪「ん」
可笑しそうにする玲王からワシャワシャと頭を撫でられて、髪がぐちゃぐちゃになっても凪は悪い気一つしなかった
玲王からは良い匂いがして、どこもかしこも綺麗で、その手で撫でられると気持ち良くて
この人にこんな風に近くで笑ってもらえたら、好きにならない奴なんていないよな、と凪は思う
玲王「あー、でさ、コーデ考えたんだけど。シンプルにハイネックのトップスとか良くね?」
玲王が棚から出した白のハイネックのシャツを、凪の身体に合わせる
凪「うん。じゃあ、玲王も俺とお揃いにしようよ。せっかくのデートなんだから」
同じ棚から色違いらしき黒のハイネックを取り出した凪が、玲王に手渡す
玲王「ふは、今デートって言った?」
凪「デートでしょ、これは」
「えー、照れんなぁ」と、本当にそう思っているのか、いないのか分からないようなことを玲王が言いながら、その場でパジャマの上を脱ぎ始めた
凪「…っ」
その玲王の身体に浮かび上がる数々の跡が、昨日のことは夢ではなかったと現実を突きつけて来る
凪はそれを直視することが憚られて、思わず目を背けた - 186スレ主24/01/27(土) 18:34:00
玲王「下は?何履いたらいい?」
凪「下?じゃあ、これで…」
玲王の方を見るのが気まずくて、凪は棚からパッと適当に掴んだブルーグリーンの細身のパンツを、玲王を見ないようにしながら手渡す
玲王「オッケー。で、お前は楽なのが良いんだもんな。遊び行くし、下はジャージにするか?」
凪「うん」
そして、凪は玲王に背を向けたまま着替え始めた
玲王「どお?似合う?」
着替え終わった玲王から呼びかけられ、凪が後ろを振り返るが、玲王の姿を見た凪は思わず固まってしまう
凪「…!?」
玲王「どした?ダメだった?」
シンプルな黒のハイネックのシャツに、細身のブルーグリーンのパンツ
至って普通のコーディネートなのだが、ラインが綺麗に出たそれは玲王の細い腰回りや胸元、尻から太腿までの形が手に取るように分かってしまった
凪「…絶対ダメでしょ、そんなの」
玲王「え?」
凪からダメ出しを受けた玲王が、大きな姿見の前でクルクルと向きを変えながら全身を見る - 187スレ主24/01/27(土) 18:42:31
玲王「ちょっとシンプルすぎた?」
凪「…もっとダボっとした服とかないの?」
玲王「えー、俺あんまラフなの着ねぇからなー。やっぱお前ゆるい服のが好き?」
凪「いや、俺のじゃなくて…」
その時、クローゼットの片隅に透明な袋に入ったままの、大きめのパーカーが置かれていることに凪が気付く
凪「玲王、あれは?」
玲王「あー、あれ?父さんの会社のイベントで前に作ったやつ」
そこにあったのは玲王の父親の持つアパレル会社と某ブランドがコラボした、イベント限定の白と黒の二色のパーカー
凪はそれを手に取りビニール袋から中身を出して、玲王の頭の上からバサッと被せた
玲王「ぶはっ、な、何?」
凪「…ダメだ。こんなのじゃ、まだ全然足りない…」
玲王「…?」
凪は玲王の尻から太腿のラインを目で追いながら、何かに納得しない様子でキョロキョロと辺りを見回す
玲王は凪のその様子に、「意外だ」という風にその大きな瞳をさらに見開いた
玲王「…俺、まだまだお前の知らないトコいっぱいあるな」
玲王「(だって、凪がこんなにもファッションに興味があったなんてさ…)」
もしかして、あのコスプレへの興味やこだわりの強さも、ファッションへの関心の高さ故なのだろうか?と、玲王は真剣に悩み始める
玲王「ピエールに頼んで、今度一緒にパ◯コレ観に行くか?」
そう言って、玲王は凪の背中に声をかけるが、凪は聞いていない - 188スレ主24/01/27(土) 18:57:44
なぜなら、今の凪はそれどころではないのだ
パーカーの裾では隠しきれなかった玲王の尻から太腿へのラインを隠せるような、丈の長い服を探すのに凪は必死なのである
そして、ハンガーパイプに掛けられていたベージュのトレンチコートを手に取り、凪が玲王の身体にそれを合わせた
凪「…よし。これなら(お尻と太腿も隠れるし)バッチリ」
玲王「ハハ、コーデ組めましたか?ムッシュ凪」
凪「むっしゅ?」
玲王「…いーや、何でもない。こっちの話」
凪「…なに、気になるんだけど。玲王も俺に隠し事しないんじゃなかったの?」
含みを持たせた言い方をする玲王が気になった凪は、どんな話なのかを問いただそうと玲王に詰め寄るが、「いーから、いーから」とその肩を逆に押し返されてしまう
玲王「さて、凪くんのアウターはどれにしよっかな。つっても、お前最近ガタイ良いからさー。オーバーサイズっぽいやつじゃないと入んねぇよなぁ」
そう言った玲王が、淡いグレーと白色の、襟の付いたMA-1のようなジャケットを手に取った
凪「ん?」
玲王の取ったジャケットがあった場所の奥に、男子高校生のクローゼットには似つかわしくない白くてヒラヒラとした洋服があるのを凪が見つける
凪「…これ、何?」
玲王「あ、ちょ…!」
凪がおもむろに手に取ったのは、凪と玲王が白宝祭のメイド喫茶のためにオーダーメイドで作ったメイド服
見つかっちゃった…
メイド服を見た現・凪くんの反応を下3レスから🎲 - 189二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 19:27:29
え、まさか玲王が着るの…?
(何それすっげぇ見たいと目をキラキラさせる) - 190二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 19:27:33
このメイド服のサイズ、普通のより大きいよね……もしかして玲王の?
玲王がメイド服着てるところ見たい - 191二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 19:50:05
れおーこれ着たとこ見たいー
(まだデートに行かないんかい!?) - 192二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 20:21:38
スレ主の挿絵大好き
凪くんの本質は変わってなさそうだね… - 193二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 22:44:09
どの選択肢でも着せる気マンマンの凪くん
- 194スレ主24/01/28(日) 03:03:06
- 195二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 12:10:06
ほしゅ
- 196スレ主24/01/28(日) 18:56:09
- 197二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 19:31:47
クリスマスパジャマかわいい!!
次スレも楽しみにしてます🥺デートがんばれ!! - 198二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 19:35:27
パジャマかわいい!スレ主のSSも挿絵も最高🥰
次スレも楽しみです! - 199二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 20:35:31
イラスト可愛いー🎄
スレ主の凪玲からしか得られない栄養がある……本当にいつもありがとうございます!!
次のデートも楽しみ! - 200二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 23:11:34
はよ結婚せぇ(スレ主いつもありがとう)