- 1二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:01:45
- 2二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:04:32
困るんだよね 勝手にこんなスレ立てられたら
- 3二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:08:14
ブライアンさんとの阪神大賞典?
みんな伝説のマッチレースとかいって今でも取り上げてくれるけどマヤにとっては消したい過去なの
ほんの少し…ひと呼吸だけ仕掛けが早かったんだ
ひと呼吸待てば勝ってた…ふた呼吸待てばクビ差で勝ってたよ
あのレースは覚醒剤より後悔しているね(笑) - 4二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:13:25
「タルマエちゃん、ごはん行くよ」
マヤノトップガンは、さっそうとした姿で、弟弟子のホッコータルマエをよく食事に連れていってくれた。華やかさへの憧れはもちろん、幸にもある。その最たる存在であるマヤノからの誘いはうれしかった。手の届かない存在なのに、いつも身近な存在でいてくれた。そして先輩にあたるアグネスデジタルやツルマルツヨシらとともに宴席を囲むことも多く、マヤノといる時間は刺激的なことが多かった。
「あまりレースに関して話した記憶はないです」
タルマエはそう笑う。意外でもある。マヤノは文筆業にも才能を発揮していた。言葉に変えられる希有なウマ娘なのに、熱くレース論を語ったりしなかったようだ。
「それより楽しい時間という印象です」
人を育てるには技術論はもちろん必要だが、息の抜き方を教えるのも意外と重要である。そうした“私”の時間にこそ、学びがあることが多い。高級な店に行くことも、おいしいものに舌鼓を打ち、舌触りのなめらかな酒に留飲を下げ、美しい女をめでることも課外授業でしか経験できない。そんな暮らしを目の当たりにすることは、夢へとも変わる。よくよく思えば、タルマエがトゥインクルシリーズを志した原点も実はそこにあったのではないか。 - 5二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:19:19
- 6二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:22:34
マヤ知らねえっつってんだろ
- 7二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:26:58
そう昨年、マヤはタルマエちゃんたちがボートの免許を取って、何でもかなり性能のいい最新型のボートを買ったって言うから
ノコノコと甘い言葉に誘われるままに同乗して、小倉の港を出発し、水上スキーやスキューバダイビングで楽しく遊んだまではよかったんだけど…
マヤがあまりの海の美しさに一人波に身を任せて海に浮かんでいるうちに、タルマエちゃんの乗ったボートがガス欠、どんどん沖に流され、
迎えのボートが来たのは、すっかりあたりが真っ暗になった夜。海の上に一人、1時間も取り残される貴重な経験をさせてもらったよ。
その時、もう二度とこのメンバーで海に行かないって誓ったのに…すっかり忘れてた。
マヤの不安な気持ちを察知したのか、
「大丈夫です、満タン満タン」
とクマと英明が笑いながら私の手を引っ張って半ば強引に引っ張ってボートに。 - 8二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:27:38
最初は休憩でもしてるのかなと、のんきに観ていたマヤだったけど、なにか様子がおかしい。
「マヤノちゃん、ボートのエンジンがかからないよ~!」
「あわてても仕方ないよ、携帯で港に電話してみて」
オトナのウマ娘らしく、いかなる時も落ち着いてるように無理に見せているマヤに返ってきた言葉は
「圏外だよ~!」
「バカヤロー、ドコモもセルラーも両方か!」
そうこうしているうちに辺りはだんだん暗くなってくるし、さっきまでのマヤときたら
「いやあ~海に浮かんで日が沈むのを眺めるのもいいもんだね~」
なんて言ってたのに
「太陽さんどうか沈まないで」
とお願いする始末。
マヤをもっと不安にさせたのは、そう離れていなかったタルマエちゃんのボートが
潮に流されてどんどんマヤから離れていってしまったこと。
こうなると足元の方では何かがマヤをつついてる気がしてくるし、かなり沖まで来たから
サメでもいるんじゃないかって恐怖が込み上げてきた。 - 9二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:31:07
- 10二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:49:01
TBRがあにまんに居るとかいうイメ損
- 11二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:40:21
タルマエちゃん!ウマ娘はね、五感を研ぎ澄ませなきゃだめなの
だから今からこの車で五感を鍛えるトレーニングしよ!
タルマエちゃんは手でアクセルとブレーキ押してねハンドルはマヤが握るからね
ほらほらもっとスピード出して!こんなにトロトロ走ってちゃ迷惑だよ
てめえオレに恥かかせる気か? - 12二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:43:40
これをやったのは英明じゃない定期
- 13二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:43:49
なんでこんなにあるんだよ…(戦慄
- 14二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:45:17
桜花賞の年の1月に、ショーケン(故萩原健一氏)のバンドでレコーディングをしたんだけど、発売を桜花賞の後まで待ってもらったんだ。当時…いや、今もだけど、ウマ娘がCDを出すなんて異例だったから、リーディングは取っていたとはいえクラシックも勝っていないくせにとか思われたくなくてね。「マヤ、絶対に桜花賞を勝てるから」って。3週間くらい前から阪神の馬場を観察して、内を突いて勝ってやると狙っていたくらいだよ。
- 15二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:45:37
セイウンハーデスちゃん&タルマエちゃんFantastic!
セイウンハーデスちゃんは菊花賞後の休養でバ体が成長したね!
今日も凄くパワフルだった!
タルマエちゃんもスキのない上手いRidingだった!
勝ちウマのオーナーが西山さんで鞍上が英明、ほんと嬉しいね☺ - 16二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:50:04
- 17二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:50:14
ガッキーごめんね(グランアレグリア)、本命を付けなかったからって能力は疑ってない
引退後は本家ガッキーと同じように花嫁になる
だけどマヤは◎を付けられない、その心情を語りたい
マヤはルメールちゃんに嫉妬してる
もしマヤが現役時代にキミと出会ったら最高のパフォーマンスを見せられた
キミの能力を全部引き出したくさんのタイトルを獲れた
だからマヤはキミの上でニコニコしてるルメールに腹が立つ
マヤならもっとうまく乗れるんだよ
キミとルメールは手をつないでメリーゴーランドに乗ってるようだ
楽しそうな会話すら聞こえてくるからジェラシーが湧くんだ
ヴィクトリアマイルで勝った時のルメールのしたり顔に嫉妬した
天皇賞秋ではコントレイルに本命を打った
でもゴール前では「ガッキー」とキミの名前を叫んだんだよ
ルメールを見ると負けろ、と思う
でもガッキーを見ると「差せ!」と応援する
複雑な心理が出てきて誰を応援してるかわからなくなるんだ
このわからないモヤモヤ感を断ち切ってくれた子がいる
シュネルマイスターちゃん&横山武ちゃんだ
大人になってもノビシロを感じるウマ娘
また末恐ろしいほどのノビシロが感じる横山武
この人バでルメールを懲らしめて欲しい
そして煮え切らないマヤの気持ちを断ち切って欲しいんだ
ちなみにマヤは小学校のときから好きな男の子に意地悪ばかりしてた
好きと言えずにイタズラばかりして気を引こうとしてた
今回のマイルCSもそんな感じ
あえてキミを本命から外す
ただ心の中ではキミに幸せが来ることを祈ってる
キミは「心の本命」
◎よりも♡の印のほうが重いことを知ってほしい。 - 18二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:50:36
一戦グングン成長して
レースぶりもすごくスムーズだったよね!コメント来てるの?マヤが読むよ。、
『道さえ啓けば伸びられると思ってました』だって?もー、道がちゃんと開く方に考えて
位置どりしてたでしょ、わざわざ前が閉まる方閉まる方なんか行くわけないよね☆
3着のシュネルマイスターちゃんもすごく頑張ったよね!内枠だから厳しかったけど
上手く伸びる外に出せたよね。外に出しても強い子がいるからさらに外から行くのは厳しかったけど
なぜかその強い子がなぜか内の方に吸い込まれるように突っ込んでいっちゃったからね。
そしてソングラインちゃん。
なんで馬群の方に突っ込んでいったのかな?デュガちゃんのお尻について行って、
外出せば良かったのになんか魔界に吸い込まれるように内に行ったよね。
マヤも昨日もまさか10番枠で前が詰まる所にわざわざ行かないでしょって言ったのに…
『今までと違ってバ群を割って伸びることができました。負けてしまいましたが次につながるレースになったと思います』
今までと違ってって…わざわざ今までと違うことしなくていいんだよ!2歳馬に競馬教育してるんじゃねえんだから!
戸崎くんはエンジンの馬力のあるソングラインで自分が馬群を割れるとこ見せたかったのかな?
オレはそこまで読めなかったわ(笑)
- 19二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 09:07:54
ジャパンカップを制したイクイノックスちゃんの嬉し涙を見ながら、マヤはふと頭に一人のウマ娘が
浮かんできたよ。ずいぶん差が開いちゃったね、ユニちゃん。
今のユニちゃんはいったいどうしちゃったの。人気を集めたのに出遅れる。バレバレの早仕掛けで
差されちゃう。目も当てられない走りぶりだよ。ユニちゃんはあれだけキラキラに輝いて日本のレ
ース界を席巻していたのに。最近の役目と言えば、野球で例えると敗戦処理。リーディング上位のウマ娘が断って空いたレースに出場しているのが現状だよね。言葉は悪いけど明らかに前と比べて質は落ちちゃった。
マヤはあなたが好きなんだよ。トレセンに初めて来た頃、無邪気にマヤに話しかけて微笑んでいた。
あの笑顔にマヤは救われたんだよ。だからユニちゃんにはもうひと花もふた花も咲かせてもらわないと困るんだよ。
ゴールした直後に両手を大きく広げて、飛行機ポーズを見せた頃のバランスを思い出してほしいよ。
やったことは危ないから褒められたことじゃないけど、今のように腰の引けた走りをしていちゃダメなんだよ。
気持ちを強く持ってほしい、あの頃の気持ちを思い出してほしい。そうすれば必ず昔のバランスが蘇ってくる
はずだとマヤ信じてるよ。だって、あなたはエイシンフラッシュでしょ。日本のウマ娘以上に日本の心を、
サムライの心を持ったウマ娘だったはずだよ!
セラッフィックコール、おまえさんがのろしを上げるのにぴったりの馬じゃないか。この馬は前を行く
馬を全部とらえる根性を持っている。それも並外れた根性じゃない、ケタ違いの根性だ。抜け、抜くん
だ名刀ミルコ・デムーロを。そして並み居る一流馬と一流ジョッキーたちを斬って斬って斬り倒すんだ。
今こそ見せる時だ、おまえの侍魂を。オレは期待している。 - 20二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 09:19:52
みゆぴー……ゲフンゲフン、タルマエ多くね?
- 21二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 10:29:16
- 22二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 10:34:18
- 23二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 10:35:43
マヤはレースを走ってるから、客席やテレビ越しにウマ娘の声が聞こえるんだよ。特にナリタブライアンさんの声はすごく強くて、頭に響いてくるの。今回、マヤはデビューからずっと聞いてきたブライアンさんの「心の声」をみんなに届けようと思うんだ。
レースを見る時の参考になれば嬉しいな♡
走ることが退屈だった。どうして? 私はずっと全力で走ってきただけなのに「強すぎてつまらない」って言われて・・・。
物心ついた時には既に走っていた。風を感じながら競争相手と競り合う、すごく楽しかった。でも、一番楽しかったのは姉のビワハヤヒデと走っている時だ。姉は私より速く、最初はすぐに追い抜かれてしまっていた。やがて勝てるようになった時も、一瞬たりとも気が抜けない熱く、楽しい勝負をしていたんだ。
…でも、いつしか物足りなくなっていった。私に勝てる奴どころか、競り合ってくる奴すらいなかった。そうして、最終的には絶望して走ることから離れていく。
どこに行っても私は満たされなかった。どうしていいか分からなかった。私はただ強い相手と走りたいだけ。それなのになぜ?
せっかく入ったトレセン学園でも渇きを癒す相手は見つからず、もはや退学する事さえ考えていた。
そんな時に現れたのがトレーナーだった。私に「大丈夫。トゥインクルシリーズならキミの求めている物がある。」って言ってくれた。その言葉通り、トゥインクルシリーズには多くの強敵がいた。その中でもトレーナーは私を支え、望むままに走らせてくれた。そうして彼と共に走ることで三冠すらも獲れたんだ。やっとワクワク出来る舞台に出会い、私は久しぶりに走ることの楽しさを思い出せた気がした。
身を委ねよう。すべてをこの人に。心の底からそう思った。有馬はトレーナーやリハビリ中の姉の思いも背負いながら、シャンソンに合わせて踊るように楽しく走り、一番にゴールを駆け抜けるんだ。この決意をたくさんのファンに伝えてくれ、マヤノ、頼んだぞ。
ブライアンさん、あなたのメッセージは確かに受け取ったよ。トレーナーさんとの出会いで得た力を見せてもらうね。ファン、そしてライバルを代表して、ブライアンさんにこの印を打つよ。応援の♡(ハート)の印を! - 24二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 10:57:53
- 25漢ツルマルツヨシ24/01/10(水) 11:17:21
- 26二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 12:13:06
レースの技術なんてもんはキャリア積めば誰でも一定に行けるの。才能のある娘はそこで一段飛ばしていける。でもレースは勝負だから。
練習は良くてもレースだとダメな娘も沢山いたよ。ウマ娘てのはセンスが大事なのね。
技術は積めばいくらでも一定にできる。センスてのはね、そうはいかないの。
この娘が逃げると鮮やかだなとか、この娘が捲ってくると、すっごく鮮やかだなとかあるでしょ?
それは、見てる人に魅力を与えてるから、違う娘が走ってもそうはならないよ。
スズカちゃんなんかは、マヤやライアンちゃんが同じ走り方したらその時だけのインパクトで終わっちゃうよね。
あれはスズカちゃんだったから余計に鮮烈だったのがあるよね。
優等生の王道ウマ娘が、常識を超えたレースをして、それに酔ってしまう姿は、まさにエンターテイメントなんだよ。
人間ってギャップが好きだから。こんなに大人しい顔してるのにこんな走り方しちゃうの?とか、そうやって色気を出していたのがスズカちゃんなんだよね。
だから俺はね、役者としても武豊に負けたなと思ったの。こんな奴いたら俺の存在が掻き消されてしまう。そういう恐怖があったよね。 - 27二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 20:54:08
- 28二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 21:11:45
- 29二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 22:29:29
- 30二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 02:48:31
マヤが着色と脱色を繰り返してて笑う
- 31二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 10:50:03
マヤは10年お世話になった会社を辞めたの。もちろん円満退社だよ。行く末を悩んでいる時、過ちを犯したマヤに手を差し伸べ「真っ当に生きる」という約束の証しにスーツをプレゼントしてくれた社長に「マヤちゃん、また競バの世界で輝いてよ」と言われた。その言葉でマヤは腹をくくったの。
トレーナーとの約束の10年を迎えた今年の秋、それまで住所も電話番号も書いていなかった名刺に、マヤは「東京スポーツ」と肩書を付けたんだ。シーズン1が選手時代、シーズン2が指導者と暗黒のブタ箱時代。そして、マヤにとって最後になるであろうシーズン3のゲートがいよいよ開いたの。
ウマ娘の道を踏み外し、多くのウマ娘を裏切ってきたマヤだけど、唯一誇れるのは自分に正直に生きてきたことだよ。それはシーズン3でも変わらない。ただひとつ、最後は自分のためじゃなく、ウマ娘のために生きようと思うの。トレーナー、マヤは約束を果たすよ。そして天国の谷八郎先生、どこかで見守っていてください。
- 32二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 11:55:22
- 33二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:01:42
このツルちゃん髪型イジられそう
- 34二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:21:43
どれも妙にスルスル読みやすいんだよな、これが文才か
- 35二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:27:28
マヤが桜花賞出てて笑ってしまう
- 36二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:29:47
- 37二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:34:13
好き勝手な人生を送り、たくさんの人を傷つけた。挙げ句の果てにデコ助にパクられ、ブタ箱にぶち込まれた。2年半の孤独な独房生活。鉄格子を眺め50年の人生(うしろ)を振り返ったら、もう後戻りできないところまで来たことに気がついて、ゾッとした。
罪を償い、シャバに出たマヤを待っていたデコ助に「10年辛抱するんやで。堅気の世界で」と諭され、堅い会社に無理やり連れていかれた。
URAという廓(くるわ)しか知らないマヤには、世間という廓もそれはそれで堅苦しく、息苦しい世界だった。「シフト」という用語も知らなければ「かしこまりました」なんて言葉は最初の頃は舌がもつれて満足に言えなかった。世間という地獄で悪戦苦闘するマヤに「もうそろそろどうでしょうか」と東スポさんが何度も復帰を懇願してくれた。
本音を言えば競バを生業にするのはもういいと思っていた。今さらどの面下げて競バを語れるんだ、と気恥ずかしい気持ちがあった。「10年は辛抱する」というデコ助との約束もあった。それを口実に東スポさんの依頼を断り続けた。断っても断っても東スポさんからの依頼は続いた。気がつけばいつの間にか10年という月日がたち、オレは還暦を過ぎていた。63歳。これまでムチャクチャな人生を送ってきた反動で、体のあちこちは随分と痛んでいる。
「あの世にいく前にカタつけんといけんのう」
東スポの記者にぽつりと漏らした。何度も復帰を依頼され、顔を合わすうちにいつの間にか飲み仲間になっていた。
「カタはついたんですか、競馬に関して」
胸をえぐられるような問いかけだった。ケリもカタもついていない。自分が招いたことだが、中途半端な競バ人生だとつくづく考えさせられた。どういう形であれ、最後はきれいに競バとのケリをつけなければ。そんなことを日々、考えるようになった。
「ケジメをつけよう」 - 38二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:46:18
「お菓子を買いに抜け出そう」
誰が言い出したわけではなく、皆の思いがひとつだった。大好きなお菓子を食べたいだけではない。悪いことをするスリルの共有が、年頃のタルマエたちを突き動かした。ところが、すでに「トプロちゃん」の呼称で仲間の信頼を得ていたナリタトップロードだけが「行かない」と言った。「大丈夫だって」と誘う面々の説得にも乗ってこなかった。
「あのころから、トプロちゃんには信念があった」
教官に見つかったときに叱られる、罰則があるといったことを恐れているのではない。トップロードは考えにそぐわないことはやらなかった。タルマエたちにはまだ確立していない“自分”というものが、すでにトップロードにはあるようだった。タルマエは言う。
「普通ならのけ者にされても不思議ないじゃないですか。でも、誰もトプロちゃんを非難したりしないんです。さすが、トプロちゃんだ、みたいな感じでした」
同期のうちナリタトップロードを除く8人が、危険な冒険に出かけていった。入学して、まだひと月足らず。この企てを冒険と呼ぶには、まだ無謀すぎた。あっさりと見つかり、芋づる式で瞬く間に8人全員が捕まった。
「ナベちゃん、いいなぁ」
タルマエたち8人はただひとり、バ場で練習に励むトップロードの姿を見ていた。罰則は馬に乗れないことに加え、外出も3か月禁じられた。さらに朝に2頭、昼から1頭の騎乗練習中、トップロードが乗る姿を正座して見学させられていた。もちろん、馬には乗れなくても担当する馬たちの厩舎業務、世話はしないといけない。そんな日が数週間続いた。それでも誰もトップロードを責めようとはしなかった。
「今も変わらない優しさと芯の強さがある。ナベちゃんは初めて会ったときから人格者だった」
タルマエたちにとってあの日、自分たちの誘いを断った渡辺の行動はともすれば、小心者やひきょう者と思われがちだが、逆に大人の装いに見えてある意味、神格化されていったのだ。今なお、その思いには揺らぎはない。 - 39二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 21:56:23
- 40二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 22:27:58
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