- 1二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 19:50:34
- 2二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:02:12
- 3二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:05:45
吹雪が流れる雪山に数匹のポケモンの姿があった。
二匹は身体も小さく、それでも先方を進む一体に必死についていく。先を走る一体の背中にあるヒレには大きな切れ込みが入っている。そこへ吹く雪がひっつき、じゅくじゅくとにじむ血を吸っている。
ヒレだけではない、二匹とは違いそのポケモンの身体には沢山の傷が付いていた。
ポケモンの名はガブリアス。一般的には生態系のトップにいると考えられているぽけもんだが、今雪山を進む姿にはそんな面影は感じられない。
なんでも切り裂く爪やトゲはボロボロに掛けている。何度も抜群技を受けたであろうヒレは大きな切れ込みが至るところにあった。普段なら音速で飛べるガブリアスでも、ここまで傷を追っては、地を這うように進むしかできない。
そんなガブリアスに続くガバイト、フカマルには傷こそないものの、通常の個体より小さい。その個体の特徴ではなく、二匹の鱗は所々剥げていた。
だんだんとガブリアスの歩みが遅くなる。
次第に雪に足を取られ、何度も転びそうになる。
その足は上がらなくなり、ついに雪に膝関節が埋もれた。
二匹は涙を溢しながらガブリアスに駆け寄る。だんだんと温度が雪に奪われていく。
そこへ足音が聞こえてきた。それは重く、大型のポケモンのものであることに感づいたのはフカマルだった。
泣き崩れるガバイト、倒れたままのガブリアスを背に庇う。
そこに現れたのは深緑の足をもち、ここら一体をふぶかせているポケモンであった。 - 4二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:06:48
- 5二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:14:06
- 6二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:20:00
なんか新しい扉を開いた気分だ
ありがとう - 7二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:21:38
DV夫から逃げる子持ち人妻ガブリアス概念とかいうとんでもねえ発想(褒め言葉)
こう…うまく表現できないけどそんなガブリアスとユキノオーの…こう…なんか好き - 8二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:21:53
大変良い…
- 9二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:28:22
進んでいく内に光が挿さなくなり、まっくらな雪穴を進んでいく。
暖まった身体は既に冷えきっている。
次第に大きな空間にでた。氷で柱が形成されており、さっきいた穴よりも崩れにくくなっている。他にも小さな穴があり、乾燥したきのみ等が置いている。
雪が音を吸収しているのか、とても静かな空間。
ガブリアスは意識を集中させる。すぐに戦えるように。すぐに取り戻せるように。
足音が聞こえる。氷を歩いているのだろう、爪で蹴る音が二つ。草で擦っているかのような音が1つ。爪の音は小さく、小型、もしくは子供。一匹は一歩一歩の擦る音がはっきりしている。足が大きいのだろう、少なくともガブリアスと同じかそれ以上の大きさ。雪山にこうして住みかを形成している以上、こおりタイプの可能性が高い。ガブリアスはすぐに攻撃できるように音のする方へ視線を向ける、
音が近づく。
入り口へ差し掛かる。
「お母さん!!!」
飛び込んできた暖かい身体に爪が動かない。
ガバイトが大粒の涙を流しながら、胸部に顔を擦り付けている。すぐ後ろには乾燥したきのみを落とし、ぽてぽてと歩いてくるフカマル。
ぎゅう、と二匹ともガブリアスにひっつく。
「目がさめたか」
「あなかたが私達をここに…?」
少し遅れて入ってきたのはユキノオー。その目には敵対心は感じられず、ガブリアスは状況が把握できないまま、我が子に抱きつかれていた。
- 10二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:31:39
- 11二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 20:33:17
おう続編待ってるぞ
- 12二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 01:06:37
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ありがとうございます