【ギャグSS】枕投げ 隣の部屋に 保護者付き【キャラ崩壊気味注意】

  • 1スレ画6人がメイン24/01/15(月) 13:57:35

    「いい?何かあったら呼んでね。隣の部屋にいるから。あとお腹が空いたら冷蔵庫に軽食入れてあるからね。それから………」
    「ね、姉さん………!僕、もう子供じゃないから…」

    「ドゥラ、共同生活では協調性が求められる。故に自己を押し出すだけではなく、他者への理解と尊重が大事だ。」
    「問題ありませんグル姉。どんな場においても、誰が相手であろうと。私は常に最強であることを証明するだけです」
    「………本当にわかってるか?」

    「……………サウンズオブアース。 “MAZY” の中でも、それはきっと一際強い…だから、サウンズオブアースがセイフティを選ばなくちゃいけない。 ”MOLT” を確実に手にするために…『貴重』な “INTI” とずっと一緒にいるために…何事もないランズエンドを迎えてね。」
    「問題ないよ。私が素晴らしきムジチスタ達とアンサンブルを共に奏でられる…その事実はそれだけで確かに私の心をヴィヴァーチェに導く。アストロナウタ、どうか心配しないで。湧き上がる私のフィアメを、はっきりとさせつつも、その上でささやかなカルマートに包んで奏でてみせるから。」

    「キタさん!!!!!夜はみなさんが寝る時間ですっ!!!!!わかります、わかりますとも…っ!普段と違う夜、枕投げに夜通しトランプ、あと友人自慢大会などなど、やりたいことはたっくさんあるでしょう!!!特にキタさんはお祭り大好き…非日常となればお祭り騒ぎしたいでしょう…!わかりますとも!!!!!ですが、私は心を鬼にして…学級委員長としてっ!!!静かに過ごすよう呼びかけなければならないのです!!!いいですか、静かに!静かにですよ!!!!!」
    「………バクシンオーさんの声が一番大きいです!わかりました!」

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:57:58

    修学旅行。それは学生にとっての一大イベントであり、公式設定でトレセンにあるのかどうかすら判明していない大切な思い出づくりの機会である。ここでは存在しているものとして扱う。
    修学旅行の夜、同級生複数人で集められた、いつもと違う非日常の夜。学生であれば誰しもテンションが上がるものである。そしてそれは、このお祭り娘と呼ばれるキタサンブラック一行も決して例外では………
    「つかれたぁ………!みんな今日はお疲れ様!でもなんだろう、疲れてるんだけどワクワクするっていうか…修学旅行の夜って、ほんとに特別な高揚感があるんだね!みんな、何して遊………」
    「寝る」
    「ドゥラちゃん!?早いよ!!!」
    例外とは、どこにでも存在するものである。

    「え、えっと………アースさん!アースさん普段あんまり話す機会ないですし、よかったら何か一緒に遊びま」
    「キタサンブラック。君は何か大きな勘違いをしている。この特別な場所にいるが故の湧き上がるパッショーネ………それはきっと誰しもが宿している。それは事実さ。けれど私たちのコンチェルトはまだ続く…明日へ託され、グランディオーソなセッションへ続いていくんだ。だから今奏でるべきはエネルジコではなくドルチェ。私も楽器の手入れが終わったら休むつもりさ。…それと、私とアンサンブルが奏でたいのなら、いつでも話しかけてくれて良いんだよ?」
    「………ダメってことですか!わかりました!」

    「…き、キタさん………」
    「シュヴァルちゃん!あ、もしかして遊んでくれるの…!?」
    「えっと………僕は」
    その瞬間彼女の脳裏に膨大な量の感情の洪水が巻き起こる。遊びたい気持ちはかなりある、けれど今は眠るべきだと言う理性。ついでに前者2人が断っているため、残りの2人も断るかもしれない。そうしたら一対一だ。相手のことは悪く思っていない、だとしても一対一は無理だ。それほど緊張することなんてないのだから。仮に一対一にならなかったとして、そもそも彼女と同じくらい盛り上がれるのだろうか。自分は決してテンションが高い方ではない。もし自分のせいで場を盛り下げたりしたら………
    「……………寝る」
    「シュヴァルちゃんも!?」
    彼女が出した結論は、 ”逃げ” だった。

    「………キタサン、トランプでもする?」
    「うぅ、クラちゃぁぁん………」

  • 3二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:58:17

    そんな様子を横に、一人の少女は驚き、悩んでいた。
    誰も、やらない。彼女の中の知識において、この状況になったら必ずやるであろうことを誰一人としてやろうとしない。
    彼女は持ち込んだとある機械を眺めながら悩んでいた。このままではこれは無駄になるし、何より………彼女の目的の一つが達成できなくなるからだ。
    「………ドゥラメンテさん!」
    「…寝ると言っている。何だ、サトノ」
    「枕投げしましょう」
    「寝る」
    「待ってください!!!!!」

    騒々しい彼女…サトノダイヤモンドの叫びに、少し不服そうにドゥラメンテは上体を起こす。
    「私は、ジンクスというものが大嫌いです。ジンクス故に、勝利も敗北も全てジンクスのせいにされる。ジンクスが実在しないとは言いません、むしろ絶対に有ると思います。だから、私はそれを破りたい。それが、私の夢の一部だから。」
    「………」
    話の要点が見えないと言った様子でドゥラメンテは小首を傾げるも、聞き続ける。
    「そして、修学旅行にまつわるある一つのジンクスがあります。私は、それを破りたい。だから、手伝って欲しいんです。」
    「…なんだ、そのジンクスとは」
    「 ”枕投げをすると怒られる” というジンクスです」
    「寝る」
    「待ってください!!!!!」

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:58:44

    「………それを否定するつもりはない。だが他に破れるジンクス、破る価値のあるジンクスはいくらでもあるだろう。それに明日に支障が出る。常に最良のパフォーマンスをするため、休養は必須で───」
    「っ………わかり、ました」
    「わかってくれたか。それなら私は」
    「それならドゥラメンテさんは不戦敗ですね。この勝負の勝者は私です!」
    「─────は?」
    敗北。それはドゥラメンテにとって何より避けるべきもの。ダイヤはこの言葉を使うということは、それだけ相手を煽るということも理解していた。それでも、そこまでの手段を使ってでも彼女は諦めきれなかったのだ。
    「………わかった」
    ゆら、と立ち上がる黒い影。その手にはしっかりと枕が握られていて。
    「… ”最強” を証明する。それが私だ。………遊びだろうと手は抜かない。」
    「覚悟の上です。…ありがとうございます。」

    戦いの火蓋が切って落とされた。

    と、手元でトランプをしながら、そのやりとりを何となく眺めていた二人の少女。
    「わぁ………枕投げ、かぁ…」
    「キタサン、やってきたら?ああいうの好きでしょ」
    「えっ…でも今クラちゃんとトランプしてるけど、いいの?」
    「いいのいいの。トランプはどこでもできるけれど、枕投げなんてこんな機会じゃないとできないから。全力で楽しんでらっしゃい!」
    「クラちゃん…ありがとう!」
    そういって枕を掴み、無邪気な笑顔でそちらに行こうとする。
    「二人とも!あたしも混───」

    不意に風切音と共に、何かの影が目の前を横切った。

    「………え?」
    その影の行き先を見れば、投げられたであろう枕。一つ異常な部分をあげるとするのであれば、襖に思いっきり突き刺さっていたことだろうか。………枕が。
    「手加減も、妥協も、有り得ない。私は常に全力で………君たちに勝利する。」
    今まさにそれを放ったであろうドゥラの呟き。これが漫画であれば、キタサンブラックは今頃作画が3分で終わりそうな状態になっていただろう。そのくらいの衝撃が、部屋中に広がった。

  • 5二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:59:01

    「…安心しました、ドゥラメンテさん。」
    サトノダイヤモンドは明らかに劣勢。このフルパワーをぽんぽん出されては、明らかに叶うはずがない。一目見れば誰もが彼女の敗北を確信するであろう状況下で、彼女は不敵に笑っていた。
    「………安心?」
    「はい、安心です。だって…」
    簡易的な引き戸で仕切られた、小さな部屋のようになっているスペース。そこを彼女はおもむろに開けると、なにやら大砲のような、マシンガンのような………明らかに見た目からして物騒なものが現れる。
    「手加減しないで良い、ってことですから。」
    「………それは」
    「サトノの技術を全て詰め込み完成した、枕投げ専用全自動枕射出機です。私は…本気ですから。半端な覚悟でドゥラメンテさんに…あのキタちゃんを何度も負かした相手に挑むなんて、それこそ失礼に当たります」
    「そうか。…そんなものを持ち出すとは、どうやらその言葉に偽りはないらしい。………だが負けるつもりはない」
    「その全力に、私は勝ちます…!」

    「なにこれ…こわい…あたしの知ってる枕投げじゃないよ…」

  • 6二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:59:17

    「装填完了…今から放たれる全ての枕を避け切れる自信はありますか?」
    「当たり前だ。私は強い。」
    「………では、やってみてください!」
    映画でしか聞いたことがないような、重たく響く大砲の音。そしてそれが何度も何度も短い間隔で連続して起こる。
    とんでもない速度で飛び交う枕、それが一気にドゥラメンテに襲いかかる………が、その全ての枕をドゥラメンテは息を崩さないまま片腕ではたき落とす。
    「…やっぱり、強いですね。でも、だからこそ………負けませんから!」
    「私もだ。…君はひとつ大きなミスをした。そんな重たいものを常に扱っていたら、私からの枕は避けられないだろう。攻撃だけに気を取られすぎている、今私が全力で投げれば…」
    「それはどうかしら?」
    凛と響くような、よく通る声。双方がよく知る者の声。
    「………っ、お前…!」
    「ごめんね、実は頼まれてたの。この枕投げが実現したら手を貸して…ってね。……………サトノクラウン、サトノのよしみで助太刀するわ。」

    もはやわけがわからない状況下、枕を片手にキタサンブラックは立ち尽くしていた。なんというか文字通り次元が違う。二次元の世界でしか起こらないような争いが起きている。けれど確かにわかることは、目の前の3人は確かに熱くなり、盛り上がっていたと言うこと。
    彼女のお祭り好きの本能が疼く。ここに混ざりたいと、本能が叫ぶ。
    「わぁ………ぁぁぁあああああっっっっっ…しょい!!!!!」
    彼女なりのフルパワーの枕投げ。彼女もウマ娘、その全力投球ならぬ全力投枕はかなりのスピードと威力を誇り、サトノコンビとドゥラメンテの………

    間を全力ですり抜け、ひとり離れたところで楽器の手入れをしていたサウンズオブアースに直撃した。

    「痛っ」
    「あっ」

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:59:35

    軽く深呼吸の様な音が聞こえる。ともすればため息にも聞こえてくるような。
    「………この場所でこんなにも激しいアッバンドーノを奏でるだなんて…君達はどうやら相当に、心の底からそのパッショナートを響かせているらしいね。」
    ゆらりと、静かに、音もなく立ち上がる。そんな彼女は、その場全員の動きを止めるには十分な威圧感を放っていた。威圧感そのものが大きかったわけではない。ただ、普段の彼女とは明らかに様子が違った。
    「私のアリアを遮ってでも奏でるほどのインポルタンテ………ダルセーニョ・アルコーダ、その中で君たちはセッションを続けるのか。」
    相変わらずの口調で、真意を完全に読み取ることは難しい。ただ、わかることは。
    「それならば、私は………アースの音色を響かせよう。アディラートなリンフォルツァートを………!!!」
    明らかに、その言葉達は怒りを纏っていた。

    「さあ、始めようか。私も混ぜてくれるかい?改めて始めよう。いざ…スオニアーモッ!!!」
    そう呟くが早いか、彼女は自らが腰掛けていた敷布団を思いっきりつかむと全力で投げる。
    「あの、ごめ、ごめんなさわぷぁっ!?!?!?」
    それを正面から受け止めてしまったキタサンブラックは一人地に伏せる。
    「………アースさんも、参戦するのですか。」
    「スィ。君たちが招いてくれたからね。ここまで来たならこのままカプリチオに身を任せた方が楽だろう?」
    「そうですね…今楽にしてあげます!!!」
    どこかズレた返答の後、ダイヤの銃口がアースに向かい始めた。

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:59:52

    そんな様子を一人部屋の端で眺めていた者はどんな感想を抱くのか。
    心が読めるわけでも彼女が語ったわけでもないが、青ざめて小刻みに震える様を見れば心境はおおよそ察することができるだろう。シュヴァルグランはいつ自分がターゲットになるのかわからない中、一人震えていた。
    不意に、ぐぅ、と音がする。自らの腹だった。こんな中でも空腹は待ってはくれないのか、なんて思いつつ持ってきた軽食が入っているらしい戸棚を漁る。
    「………カップ麺」
    ないよりはましか、と結論づけてお湯を沸かし、注いで待機する。ふんわりと美味しそうなスープの香りが漂い出す。
    「…ん?シュヴァル、それは………」
    「あゎっ、ど、どぅ、ドゥラメンテさん………お夜食です…」
    一人また参加者が増えたことで少し暇になったのか、匂いに釣られたのか、はたまた両方か。ドゥラメンテが覗き込むように自らを見つめているので、シュヴァルグランは怯えたように返事をする。別にとって食われるわけではないだろうが、先程の異常な威力の枕を見た後で恐るなと言うのが無理な話だった。
    「………そうか…美味しそうだな」
    「…あげません、よ………?」
    シュヴァルグランは食に関しては譲るつもりはなかった、というより譲りたくなかった。
    「大丈夫だ、奪うつもりはない。…私も何か探すか」

  • 9二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:00:16

    そんな平和な光景の横で続く争い。結局参戦することになったアース、どうにか復帰したキタサン、未だ優位を崩していないサトノコンビ。今は膠着状態に陥っていた。誰かが動けば反撃する、が誰も動かない。かといって気を抜いたらその隙に一気にやられる。誰も何も手出しができず沈黙が流れていた。
    そんな中その状況を崩そうとしたのは、巻き込まれ枕の雨を浴びせられ、それでも立っているサウンズオブアース。次の一手を仕掛けようと、少し思考をめぐらせた瞬間、その思考を遮る匂いがする。
    ちらりとその匂いの発生源であろう場所を見れば、ドゥラメンテがどこにあったのか暖かそうなピザを切り分けていた。
    「………どこにあったの?なんであったの?この時間に食べるのかい?」
    「一枚いるか?」
    「いる」
    その少し間抜けな会話が命取りだった。
    「あだぁっ………!」
    残りの全員から総攻撃を喰らい、アースは枕がボスボスと当たる痛みと共に倒れ伏す。
    「………最後はやっぱり、キタちゃんが相手になるんだね。」
    「…あたしは絶対に負けない…たとえダイヤちゃんが相手でも………!!!」

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:00:33

    ピザを分け合う2人、カップ麺を啜る1人、決戦の時を迎えた3人。
    部屋には異様な雰囲気が流れている。
    「…こっちは2人、それに、この武器もある………間違いなく私たちが有利でしょうね。」
    そんな状況下、キタサンブラックの勝機は薄いだろう。が、彼女は諦めていなかった。それでも真っ直ぐ、正面からぶつかろうとしていた。
    「…決着、つけようか。クラちゃん、守備の方頼ん………」
    「断るわ」
    「えっ………」
    ダイヤの近くでサポートを続けていたクラウン。不意に歩き出し、キタサンブラックを見つめる。
    「頼まれたからダイヤの味方についた。ダイヤのことは嫌いじゃないし、むしろ好きだけど…私は逆境をひっくり返しながら生きてきた。なのに、今この状況は…私自身が、抗えないような理不尽な力をキタサンに浴びせている。…キタサンの方が、よっぽどかっこいいじゃない。」
    「え、あたしアースさんに枕当てて反撃されただけだけど………」
    「だから、ダイヤ。………对不起!私は…キタサンの味方をする。今この瞬間から、ライバルってこと!」
    呆然としているような、それとも何も感じてすらいないのか、ぼんやりとした表情をするサトノダイヤモンド。
    シュヴァルがカップ麺を食べ終え、ゴミ類の片付けを終え、そろそろ眠ろうかという時それは起こった。

    「………それでも、勝ちたい。だから、私は…!!!」

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:00:51

    轟音。
    日常にある音だと何に例えても違う気がするその音は、ゲームやアニメでいう所謂『溜め攻撃』の直前の効果音のようなその音は、枕投げ専用全自動枕射出機から発生していた。
    「ごめんね。私、諦められなかったの。…諦めたく、なかったの。」
    悲しそうにそう呟くダイヤが、明らかに何か威力の違う枕砲撃をしようとしている。その場にいる誰もが察した。
    眠ろうとしていたシュヴァルも例外ではなかった。
    「………流石にこれは…っ」
    「耳が痛い…けれどそれどころじゃなさそうだ。」
    「まってまってダイヤちゃん!話せばわかる、話せばわかるよ!何がかわかんないけど!!!」
    「まってダイヤ、それはダメ!!!お願いだからやめて!!!」
    理屈も原理もここに至った経緯も、おそらく誰も把握しきれていないが、明らかに状況が切羽詰まっているのだけはわかった。
    「……………ぁ」
    シュヴァルは恐ろしさの中、ひとつだけ、たったひとつの打開策を閃く。それはおそらく彼女にしかできない。
    ポケットの中から野球ボールを取り出す。しっかりとした硬さのあるボールを。
    (チャンスは…多分一回だけ。)
    震える脚をどうにか抑えて、意を決して立ち上がる。そして肩と腕で、思いっきり振りかぶって、歯を食いしばり………
    「……………っ!」
    そのままそのボールを投げた。空気を切る硬い音。それは真っ直ぐ狙った場所…枕投げ専用全自動枕射出機に向かって。

  • 12二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:01:10

    ガァン、と硬い者同士がぶつかるような金属音が細かく連続する。そしてその直後、メキッ、と何か木製のものが壊れるような音。そのボールは枕投げ専用全自動枕射出機を貫通し、木製の柱を軽く凹ませた。
    轟音は止まり、明らかに枕投げ専用全自動枕射出機は動かなくなった様子。ダイヤもそれに気がついたのか、慌てたように声を出す。
    「まって!お願い、動いて…動いてください…!!!まだ、私、勝ってない…」
    「…ダイヤ、諦めて。ごめんなさい………」
    「あぁ、あ…そっか。………負けたんだ、私。」
    沸き立っていた頭が急に落ち着くような感覚。それと同時に一日の疲労や眠気がダイヤにどっと押し寄せる。そういえば本来就寝時間だった。そのまま布団に倒れ、全身の力を抜くような様子になって。
    「………バカだなぁ、私…こんな、こんなことって………」
    「…ダイヤちゃん」
    キタサンが歩み寄る。
    「…なぁに?私、負けちゃったよ………?卑怯な手まで使ったのに、結局…」
    「確かにダイヤちゃんはやり方を間違えたよ。けれど、それは…ダイヤちゃんが夢のために頑張った一部。あたしは、それを否定したくない」
    「……………」
    「だから、ね?…あたし、楽しかったから!次は、もっと対等に…ライバルとして!遊ぼう!!!」
    差し伸べられた手。ダイヤは数秒だけ、その手を…奇跡を見るような目でじっと見つめて。
    「キタちゃんっ………うん!!!」
    そうしてその手を取ろうと、自らの手を伸ばし………

    「おい、なんの騒ぎだ!」
    「何やらものすごい音がしましたよ!?!?!?キタさんたち、大丈夫ですかー!?!?!?」

    た瞬間、見たくなかった現実がやってきた。

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:01:24

    「グル姉の声だ。今開けます、グル姉」
    「えっちょっと待ってドゥラメンテさん。このシンコペーションを彼女たちに見せるのは、彼女らの奏でるメロディーアにとって途轍もな………ほんとに待って。まって」
    「……………姉さんに叱られる。」

    その後、6人の少女達が叱られたり、言い訳したり、逃げ出したりした騒ぎはまた別の話。

  • 14二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:01:55

    お わ り

    読んでいただきありがとうございました。
    人称ガバとかやらかしてたら責任を持って腹を切ります。

  • 15二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:14:31

    素晴らしいSSだった...

  • 16二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:16:01

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:18:02

    何故にピザ

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:51:21

    ありがとう。めっちゃ好きだ
    夜食組かわいい

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:59:45

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 16:14:18

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 16:25:23

    ほんとはキタちゃんを助けたかったけど逆境を迎えるその時までキタちゃんの味方をするのを待っていたクラちゃん…
    なんだろう…なんかよく分かんないけどすごくすごい熱い展開を見せられたようなそんな気分()

  • 22二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 16:44:42

    とても良いSSをありがとうございます

  • 23二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 01:50:25

    微笑ましい…良い…

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています