ここだけドング魔導世界スレその7

  • 1ぼっち24/01/18(木) 00:37:15
  • 2ぼっち24/01/18(木) 00:38:11

    この世界の魔法エネルギー:ドング

    世界を構成する七大要素であるドングの属性:闇、地、時、魂、熱、鉄、血

    使用法:人によって扱える属性は異なる、空気中のドングを集めて使う(ほとんどの人間が操れない)

    ドングを扱える許容量:才能のない人間100、 才能のある人間150
    1000以上のドングを扱える者たち:王家の血筋、魔族、才能があるやつで修行しまくった人

    〈魔法とそれに使用されるドング量の具体例〉
    100ドングで巨大なゴーレム生成
    100ドングで鉄の密度を変えられる
    1000ドングで地震を起こせる

  • 3ぼっち24/01/18(木) 00:39:17

    魔術派閥は大きく3つに分かれている


    ①アカデミア<学問派>

    ドングを学問として考える組織。巨大な教育機関でもある。ドングを集めやすくする魔道具を作っている


    目標は根源への接続


    大多数はただの学生や教師で、根源って何ぞや? と思っている

    属性によって学科が別で、たとえば血属性主義の一派は歪な生物を生成して迷惑をかけているらしい

    根源到達を考えているのはごく一部の人達だけ


    根源とは神の座であり、そこに至ることでこの世界のトングの属性を定めることができる。根源に至り、属性を新しく作った者は神王と呼ばれる


    ドングの多い王族との関係:王族たちは新たな王の誕生を阻止するためにアカデミアを滅ぼそうとしている。現在は時の要素を決めた神王が即位している


    魔術師の位階は六つに分かれており、位階を上げる条件はドングの許容量の増加である


    <魔術師の位階>

    ガラス

    ポーン

    ナイト

    ビショップ

    エルダー

    キャンセラー

  • 4ぼっち24/01/18(木) 00:40:16

    ②星喰学派<禁術派>

    目的は魔族になること

    共食いをすることでドングを増やす禁術【マッドネス】を使う


    魔族になる方法:ドング許容量が一定(666)を超えると、魔族に進化する道が開ける

    生まれつきのドング許容量がゼロでも、マッドネスを666回行えば...つまり666人の人間や魔術師を犠牲にすれば、魔族になることができる

    ドング量の莫大な王族直系なら1人、分系なら5人ほどの犠牲でいけたりするらしい


    ③王族

    現在の王は時属性の王

    そのドング許容量は20000

    妻がひとり、息子がふたり、娘がふたりいる

    最も魔法の才能があるのは二男で、これが跡継ぎと目されているけれど、次女はそれが気に入らないらしい


    王の目的:人類の発展及び宇宙への進出

    でも宇宙開発に関しては、アカデミアからも星喰学派からも一般国民の皆様からも大ブーイングらしい

  • 5ぼっち24/01/18(木) 00:41:04

    魔術師キャラを作るときのテンプレ

    dice1d7=■で属性

    それぞれの数字が闇、地、時、魂、熱、鉄、血にそれぞれ対応する

    dice1d100=■が20以下なら多属性持ち

    dice1d6=■を振って出た数だけ属性を追加しよう


    dice10d20=■で初期トング量

    100で一般的魔術師、150越えたらエリートさん

  • 6ぼっち24/01/18(木) 00:42:29

    種族ダイス:dice1d8=■

    純粋なその種族ということにするか、その種族の血が入っている人間ということにするかはお好みでどうぞ


    1.ノーマルの人間

    特にこれといって言うべきこともない普通の人

    2.エルフ族

    尖った耳が特徴、ドング量で肌の色が変わる

    (普通以上は白、少ないときは褐色になる)

    3.レプタリアン族

    恐竜の特徴を持った人型の種族

    魔物狩りをしながら生活している

    4.妖精種

    林檎ほどの大きさの青い炎のような見た目の種族

    炎の中に羽のある人のような本体がある

    5.獣人族

    身体能力に優れた半人半獣の種族

    人寄りか獣寄りかは個人差がある

    6.鉱石人族

    鉱石の原石に顔や手足がついている種族

    鉱石を継ぎ足すことで体の形状を変えられる

    7.魚人族

    人の骨格にエラや鱗、ヒレがついている種族

    陽気な性格で歌が上手い

    8.巨人族

    多腕有角の巨大な種族

    極めて寿命が長いがその性格は温厚

    9.有翼種

    背中に鳥やコウモリのような翼を持つ種族

    種族のほとんどが美形の珍しい種族

  • 7ぼっち24/01/18(木) 00:43:36

    寮ダイス:dice1d6=■

    アカデミアの学生はそれぞれの資質に応じた寮に入りそこで生活する。ハ○ポタのグリフィ○ドールとかス○ザリンみたいな感覚と思っていい


    1、月寮

    冒険心や未知の分野への知識欲を持つ者が入る寮

    卒業後は研究者になるものが多い

    2、日寮

    好戦的で実践を好む生徒達が入りやすい寮

    寮生は明るい性格が多いため常に賑やか

    3、深森寮

    植物が好きでのんびり屋な生徒が多い寮

    農業系の魔術が得意で寮内でも植物を育てている

    4、禿鷲寮

    人間心理を読み取る力に優れた者が多い寮

    周囲から冷淡だと誤解されやすい人間も多い

    5、紅玉寮

    リーダー気質な生徒の多い寮

    王に対して憧れや尊敬を抱くものが多い

    6、蒼玉寮

    人騒がせな変人が多い寮

    芸能系、アート系の活動が盛んな寮でもある

  • 8ぼっち24/01/18(木) 00:44:43

    テンプレは……だいたいこんな感じかな、たぶん……。

    他にも出自ダイスとか、魔法の杖ダイスとか、学力/体力ダイスとか、性別ダイスとか年齢ダイスとか、いろいろ好きなダイスを考えて、自分のキャラを掘り下げてみるのもいい……。

    ああ、もちろん、アカデミアに所属するか、星喰学派に所属するかをダイスに委ねてもいいし……。

    いっそのこと、魔法使いですらなくして、市井で魔法と縁を持たない暮らしをしてみるのもいいと思う……。

    外国に行ったり……別大陸に行ったり……いっそ、魔物として生まれたっていいかもしれない……。

    わりと、自由だ……>>1でも書いた通り、好きに生きよう……。

    がんばれー……!

  • 9ぼっち24/01/18(木) 00:58:21

    【最後に……私自身のプロフも置いておくよ……】
    通称:ぼっち
    本名:エメラチェリー・ラダー(Emeraldcherry Ladder)
    属性:鉄
    ドング許容量:147
    魔法行使アイテム:トング
    移動用多脚ゴーレム「ロースティッド・アーモンド号」を所有
    高身長で細身。祖先に巨人族の人がいたかも
    アカデミア学生、蒼玉寮の三人部屋に暮らしてる
    実家はパン屋。ごく普通の中流家庭出身
    学力88、体力22(100段階評価)
    パーティーを組むとサポータータイプ
    特に罠(トラップ)の扱いに優れる
    乗馬が得意。騎乗移動魔法《跳ね馬(スプリッツァー)》を開発
    吃り癖があり、人付き合いに苦手意識を持つ
    ただしお仕事(接客業)であれば、緊張なく取り組めるようだ
    絵がうまく、少女漫画風の絵を描く
    ファッションへの興味が強い
    賭け事には向いてない
    大の甘党
    星喰学派で、プレッチリー・フリーラックスの指導を受ける
    暗殺者・諜報員としての適性が高いと見なされている
    パライソルで2000人以上を煽動して殺し合わせ、ギャング組織を壊滅させる
    ロス・サントスに滞在中、クーデターを計画していたバリウラ王国第2王女を暗殺
    ヴワットジナーで初マッドネスを経験
    ロス・サントスとバリウラ王国の戦争を起こしかける
    スタァライト共和国で宰相を暗殺
    ラロマディラでミミズまみれになりつつ金掘ったり蛮族虐殺したりした
    アオトハルトでニツケサシミーの新聞記者たちと殺し合い
    現在はエーブリエタースの教会に潜入中。聖堂騎士クラージュ様と懇意にさせていただいてます

  • 10ぼっち24/01/18(木) 00:59:10

    そして10を取って、即死回避だ……!

  • 11ぼっち24/01/19(金) 23:50:30

    【前スレの……続きから……】

    そりゃ、もちろん……頂上を、目指しますよッ……!

    3880m……その一番上に陣取って……一番良い景色を眺めながら、武を鍛えるのです……!

    ク「うわぁ。そんな気はしてたけど、やっぱりエメラチェリー妥協がないや……」

    お嫌ですか、クラージュ様?

    ク「とんでもない。ドンと来いだ……シスターのあなたがやるつもりなのに、私が尻込みして、何が聖堂騎士か……!」

    ……そう……! その意気です……!

    私たちで、制覇しましょう……ホトンド=フジ山……!

    ク「ああ……私たちなら……やれる!」

    (固い岩の地面を踏みしめ、私たちは上へ、上へと進む)

    (ステッキを頼りに、急な坂にはピッケルを打ち込んで……)

    (冬山にあり得るありとあらゆる困難に出会いながら、それでも屈することなく、頂上を目指す)

    (……具体的には……次のような困難に遭遇したなぁ……)

    dice5d10=9 4 7 4 8 (32)

    1、ほぼ垂直の崖の登攀 2、ほぼ垂直の氷壁の登攀

    3、落石の脅威 4、クレバスに落ちそうになる

    5、道を間違える 6、魔物の襲撃 

    7、遭難者の救助 8、天候の急変 

    9、おなかがすいたよ 10、山賊( ^ω^)「ぃょぅ」

  • 12ぼっち24/01/22(月) 00:55:46

    ふー、ふー……。

    ク「はーっ、はーっ……」

    さ、さすがに、4000メートル近い峰は、強敵ですね……。

    ク「ああ……でも、高さだけじゃない……それ以外の困難の……なんと多かったことか……」

    ええ、わかります……まず、わりと低いところで、お腹が空いてしまったのは予想外でした……。

    ク「食料、そこそこ食べてしまったね……美味しかった……」

    お腹が満たされて、元気いっぱいで登るのを再開したら、危険なクレバス地帯に踏み込んでしまうし……。

    ク「地面に、いくつも巨大な裂け目があったね……しかも、雪が薄く積もってるせいで、見えにくいんだ」

    ク「でも、一回クレバスに落ちたおかげで、遭難者を見つけることができたのは豪運だったと思うよ」

    確かに……まさかクレバスの底に人がいるとは思いませんでした……。

    私たちが見つけて引き上げなければ、あの人はお亡くなりになっていたでしょうね……。

    ク「その人を山小屋に連れていって、そこで食料を買い足して……また登ろうとしたら、今度は吹雪いてくるし……」

    目の前5メートルが見えない横殴りの雪風は、本当に死を覚悟しました……。

    ク「それでも……それら全部を乗り越えて……頂上にたどり着いた私たちは、自慢できることをやったと思うよ……」

    ええ、ええ、まったくもう、おっしゃる通りです……我々は、成功者となりました……!

    (ホトンド=フジ山の頂上にて、疲労困憊で膝をつく私たち)

    (とてもつらかったが、やり遂げた。やり遂げたのだ)

    (同じ場所に並んでたどり着いたクラージュ様と、がっしと手を握り合う。またひとつ、この人との絆が強まった気がする)

    (さて、このホトンド=フジ山の頂上は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、まっ平らでいい感じにテントが張りやすそう

    2、やや窪んでいる。風が入りにくい構造で、植物や動物が少しいる

    3、うわっ! 温泉湧いてるよ! 温泉!

    4、なんか天に登るハシゴみたいなの立ってるんですけど

  • 13ぼっち24/01/22(月) 22:18:54

    この山の頂上は……平らなテーブル状になっていますね……。

    ク「うん。まるで、三角錐の頂点を水平に切り落としたような形だ」

    これなら、テントも張りやすいでしょう……クラージュ様、荷物からテント用の布を出していただけますか?

    ク「ああ、任された。……ん? エメラチェリー、布はあるが、テントを立てるためのポールがないようだけど……?」

    ああ、それは問題ありません。私、鉄魔法使いですので……。

    (呪文を唱えながら、トングを振るう。すると、鉄製のポールとペグが瞬間的に製造される)

    魔法で作れてしまうので……鉄の道具は可能な限り置いてきたのです……。

    ポールにペグ、鍋や包丁など……ざっと3キロ分は節約できたと思います……。

    さあ、このポールで、テントを組み立てましょう。ペグを地面に叩き込むハンマーも作りますよ……。

    ク「うーん、魔法使い本当に便利だ……」

    (少女たち、テント設営中……)

    そして、特に問題なくテントができました。

    ク「立派な拠点だ……ここで寝泊まりしながら、修行をするのだな……?」

    ええ。私もお手伝いしますので、いっぱい強くなりましょうね……。

    ク「うん、頑張ろう。ではまず、何をしようか?」

    そうですね……。

    dice1d4=3 (3)

    1、基礎体力上げよう。この低温低酸素領域で、走り回ったり筋トレしたりだ!

    2、私が魔法を撃ちまくるので、それを避けたり弾いたりする訓練

    3、エサで魔物を呼び寄せるので、片っ端から倒してください

    4、座禅

  • 14ぼっち24/01/23(火) 23:11:20

    ちょっと失礼、クラージュ様。

    (私は目の粗い布袋に甘い匂いのする粉末を入れ、それにヒモを取りつけた)

    (そして、ヒモの端を持ち、頭上で袋をグルグルと振り回し始める)

    ヒューッ……ヒョウヒョウ、ヒューッ……!

    ク「エメラチェリー、それは……?」

    ひと言でいいますと……魔物を呼ぶ儀式です……。

    袋の中に入っているのは……焦がした麦芽と、乾燥させた果物の皮ですね……。

    食欲をそそる匂いを振り撒きながら……鳥の鳴き真似をすることで……ここに獲物がいると、知らせているのです……。

    感覚の鋭い野生の魔物なら……数十キロの彼方からでも……察知して、やってくると思いますよ……。

    ク「……………………!」

    (即座に腰の剣の柄に手を伸ばすクラージュ様)

    (そう、それくらい判断が早くなくてはいけません。修行はもう始まっているのですから)

    ヒョウヒョウ……ヒョウヒョウ……。

    (強くなるなら、やはり実戦を重ねるのが一番)

    (殺し殺されを容赦なくやり合える、魔物との戦いを存分に堪能していただきます)

    (何が来るかわからない……その緊張感も、あなたをひとまわり大きくすることでしょう)

    (ただ、ひとつ問題があるとするなら)

    (マジで何が来るかわからないので……私とクラージュ様では逆立ちしても勝てない相手が来る可能性もあるのですよね……!)

    (そのときは仕方ないので、戦う修行ではなく、逃げる修行にシフトして頑張るとしましょう!)

    ク「…………来た」

    (クラージュ様が、先に気配を察知しました)

    (一歩遅れて、私もそれに気付きます。西から、肌がひりつくような殺気が接近してきている……)

    (それは……私の誘いに乗ってきた、その魔物の正体は……)

    dice1d14=11 (11)

    1、ワイバーン 2、スライム 3、ノックマン 4、ヤフェト

    5、ボドボド 6、獣龍 7、チョコレート・バッジョ 8、レ・ヴェルス

    9、ドラゴン 10、ヘルホース 11、イモスタンコ 12、エデンクライス

    13、キルザンダン 14、プセウドオーシャン

  • 15ぼっち24/01/25(木) 23:06:12

    (いい匂いのする袋を振り回すことしばし)

    (殺気を感じる西のほうに目を向ける……が、そこには何もいない)

    (はて、気のせいか? と思ったけども、殺気は濃くなるばかり)

    ク「……エメラチェリー。そこは危ない。横へ避けて」

    (クラージュ様の言葉に、立ち位置を移動して、そこでやっと気付く)

    (地面が、揺れている)

    (ぶるぶる、ぎしぎしと……)

    (そして、震えはやがて、岩の地面にバキバキとヒビを入れ、幅の広いクレバスを生じさせる)

    『オオオォォォーッフッ!!!!』

    (その裂け目から飛び出してきたのは、全身紫色の筋骨隆々としたマッチョマン!)

    (いや、違う……マッチョな人間に見える魔物だ!)

    (鍛え上げられた四肢でもって大地を自在に掘り抜き、地震いを呼ぶという危険な覇種!)

    ……イモスタンコ……!

    『YES!!! I am!!!』

    (己の筋肉を誇示するように、ポージングを決めるイモスタンコ)

    (これにはクラージュ様も、ゴクリと息を飲む他ない)

    ク「まさか、修行の初手から覇種を相手取ることになるとはね……」

    ク「さすがに面食らったが、敵としては申し分ない! 我が剣にかけて、討伐させていただく!」

    『Oh……Come on……』

    (両者、向かい合って構える)

    (人と魔、2つの殺気がぶつかり合い、空気中に火花が散るかのようだ)

    (私は……)

    dice1d4=3 (3)

    1、真剣勝負に水は差さない。見守る

    2、覇種を個人でどーにかできるわけねーだろ! クラージュ様に加勢!

    3、安全に修行を行うため、両者にルール説明

    4、イ モ ス タ ン コ に 加 勢

  • 16ぼっち24/01/27(土) 23:55:20

    (剣を構えるクラージュ様)

    (拳を握り、腰を落として構えるイモスタンコ)

    (両者の間の空気は、殺気をあてられてねじれ始める……)

    ストップ……! ストーップ……!

    (私は、その間に割って入った)

    ク「……? エメラチェリー、何か?」

    せ、せっかく覇種なんてレア魔物が来てくれたのですから……殺し殺されが一回だけの一発勝負は、もったいない……!

    ルール決めて、修行時間を長引かせましょう……!

    ク「えっ、ええええええ……?」

    『Hmmmmmmm......?』

    (と、いうわけで)

    (バトルのルールを作って、それを魔物に言い聞かせるというステップを踏むことになった)

    まず……お互い、殺すのは禁止で……!

    即死の可能性が高い急所狙いはなし……目潰し、金的、噛みつきはもちろん駄目っ……!

    正常に試合が進行した場合……ダウンからの3カウント……あるいは場外で敗北とします……!

    (私は地面に、直径5mほどの円を描いて言った)

    絞め技は、10秒のホールド成功で勝ち……相手がタップしたら降参の合図……すぐに離すこと……!

    勝負は3回……先に2勝した方の勝ち……イモスタンコが勝ったら、美味しい魔物のエサをプレゼントッ……!

    ここまでOKですか、イモスタンコ……!?

    『Oooh...... yes, yes......Roger that!』

    わかるんだ……。

    ク「さすが覇種だ……違うなあ……」

    (そんな感じで、無事に合意を得られたので)

    バトルスタートと参りましょう……両者、前へ!

    (バトルリングの中で向かい合って立ち、あらためて構えるひとりと1頭)

    ファイッ!!!

    (まず1回戦……勝負の行方は……)

    クラージュ様:dice1d100=42 (42)

    イモスタンコ:dice1d200=85 (85)

    (高い方が優勢。さすがに覇種なので、イモスタンコの方が地力は高い)

  • 17ぼっち24/01/29(月) 10:39:09

    『Ohh! Ora ora ora ora ora ora ora!』

    ク「ううっ! 何て激しいラッシュ! 一発一発が岩を砕くほどのパワーを秘めているッ!」

    『Orashaaaaaaaah!!!!!』

    ああっ……! 殴り飛ばされたクラージュ様が、円の外にッ!

    場外ッ……第1回戦、イモスタンコの勝利ッ……!

    『Fuu~...... gotchan ......!』

    ク「ううう~……負けてしまった……」

    ク「ここしばらく、私ってば負け通しだ……もしかして私、めちゃくちゃ弱いのでは……?」

    く、クラージュ様! 自信をなくしてはいけません! 最近激突してるのが、目に見えてやベーやつばっかりなだけです!

    冷静に考えて! 覇種の魔物なんて、本来は騎士団総出でぶつかって倒せるかどうか……って相手なんですよ!?

    ク「そ、そういえば……」

    それに、今の試合! あなたは勢いで場外に押し出されはしましたが、体に直撃を食らわないように剣で上手く攻撃をいなしていました!

    技術はあの魔物よりあなたの方が上! そこを前面に出して攻めていけば、あるいは……!

    ク「うんっ、そうだね……まだへこたれるには早い! 私の強みで、あいつにもう一度ぶつかってやる!」

    その意気です、クラージュ様! では、第2回戦といきましょう! イモスタンコもよろしいですか!?

    ク「やるとも!」

    『I'm always up for it.』

    では両者、リングの中へ……見合って見合って~……ファイッ!!!

    (2回戦、勝負の行方は……?)

    クラージュ様:dice1d100=56 (56)  +20(1回戦での学習分)

    イモスタンコ:dice1d200=122 (122)

    (高い方が優勢)

  • 18ぼっち24/01/31(水) 21:05:54

    ク「あたたたたっ! てりゃああ~~っ!」

    おおっ、クラージュ様の怒涛の攻撃!

    第1回戦は防戦一方だったけど、今回は一転して攻めに回った……!

    動きにも無駄がない! 彼女は確実に成長している!

    その証拠に、今度はイモスタンコの方が懸命に防御しているぞ!

    『Mmmmmm~? Mmmm!』

    イモスタンコの両腕のブロックを、クラージュ様の剣が跳ね上げた!

    これはいけるか……!?

    『No, I won't let you do it!』

    ク「!?」

    ああぁぁ~~ッ!? イモスタンコがバンプアップしたぁッ!?

    全身の筋肉を膨らませて、襲い来る刃を強く叩き返して!

    先ほど以上の鋭さで、何度も、何度も、何度も蹴りを繰り出す!

    『Dralalalalalalalalalalalalalala! It is my muscle that will judge you!』

    ク「う、うわあああぁぁぁッ!?」

    ──く、クラージュ様、場外……イモスタンコの勝ち……!

    『Perfect game!!!!!』

    (2戦2敗0勝……クラージュ様の敗北……)

    (山ごもり修行最初の試合は、苦い結果に終わってしまった……)

    ク「うううー……」

    『You are quite a good fighter. But I am much stronger!』

    (勝利を誇るようにポージングをするイモスタンコ)

    (やっぱりこれ相手が悪いですよ、クラージュ様……)

    (……さて)

    (魔物との戦いに破れたわけだけど、このあとどうなる?)

    dice1d4=2 (2)

    1、ファイトマネーとして肥料的なものを要求された

    2、健闘をたたえて美味しいイモをくれる

    3、クラージュ様に「筋肉が足りない」って言ってる……えっ? あなたが彼女にパーソナルトレーニングを!?

    4、3+私にもトレーニングを!?

  • 19ぼっち24/02/02(金) 23:25:14

    『Hey, you...... this is a Fighting Spirit Award.』

    ク「え……なにこれ……? く、くれるの? ありがとう……」

    (クラージュ様が、イモスタンコから何か受け取った)

    (太くて大きな……濃い紫色のもの……立派なサツマイモだ)

    (そういえば聞いたことがある。イモスタンコは自分に勝った人間に、自分の体の一部を与えることがあると)

    (しかし、クラージュ様は勝てなかった……だからたぶん……これは普通のオイモなのだろう)

    (敢闘賞である)

    『Farewell. I'll see you again when I get a chance.』

    (イモスタンコはそう言うと、踵を返して山を降りていった……)

    (魔物なのに、紳士的なやつだな……アレ……)

    ク「ど、どうしよう、このサツマイモ……もらっちゃったけど……」

    たぶん、害はないと思います……今から火を興しますので、焼きイモにでもしませんか?

    ク「あー……うん。そうだね。たくさん動いてお腹空いたし……食べちゃおうか」

    (というわけで、焼きイモタイムです)

    (石を組んで小さなかまどを作り、その中にダイアグナルのペレットを数粒置いて、火をつける)

    (液体ダイアグナルだと一気に燃えすぎるので、穏やかに燃えるペレットで。以前やらかした大爆発は二度とやらない!)

    (濡らした布でイモを包み、さらにその上から鉄魔法で薄く金属コーティング)

    (この状態のイモをじっくり焼けば、ムラなく中まで熱が通るという仕組みだ)

    (……しばらくのち……)

    はいっ、お待たせしましたクラージュ様! 出来上がりましたよ!

    (火の中からイモを取り出し、鉄のコーティングと布を剥がす)

    (湯気の立つイモを割って、クラージュ様に手渡す)

    (見たところ、このイモの品質は……)

    質感:dice1d100=17 (17)  (1ほどホクホク。100ほどねっとり)

    甘み:dice1d100=32 (32)  (1ほどあっさりおかず系。100ほどあまあまスイーツのよう)

    色:dice1d3=3 (3)  (1、濃い黄色 2、オレンジ 3、紫)

    香り:dice1d100=83 (83)  (1ほどほんのり素朴。100ほど強い芳香。90以上で別な魔物が寄ってくる)

  • 20ぼっち24/02/05(月) 00:56:35

    ク「おっ、これは……」

    すごくホクホクしてますね……栗みたい……!

    ク「うん、さらさらと溶けるような食感だ……」

    (湯気のたつ紫色の断面に、ふたりでかじりつく)

    (イモスタンコのくれたおいもは、今流行りの蜜多めなねっとり系ではなかった。むしろその逆)

    ク「甘みは低めだが……香りがすごくよくて……うん……食事として質のいいものを食べてる、って気分になるな……」

    ええ、ええ、おっしゃりたいことはわかります。これはスイーツでなく、主食としてのおいもですね……!

    ク「まず間違いなく準備がないと理解した上で、あえて言うけど……これにバター乗せて食べたい……」

    ……! ありますよ……『バター』!

    ク「マジで!?(*゚∀゚)=3」

    高カロリーでビタミンも豊富と聞いたので……山での食料にはぴったりかなーと、持ってきたのです……!

    乗せて、食べましょう……!

    ク「やった……! エメラチェリー、大好きッ……!」

    (熱々のおいもに、バターを乗せて溶けかけたところをがぶりと食べる)

    (そんな冬の喜びを、クラージュ様と楽しみました)

    ク「ふー、食べた、食べた……」

    結構なボリュームで、お腹いっぱいになりましたね……。

    ク「ああ。こうなると……」

    このあとは……ええ、決まっていますね……。

    dice1d4=2 (2)

    1、お腹いっぱいだし、日も暮れてきた。寝よう

    2、お腹いっぱいで運動はきついし、座学頑張ろう

    3、腹ごなしに筋トレして、地力の底上げしましょう

    4、魔物呼び寄せの儀式2nd

  • 21ぼっち24/02/06(火) 00:07:18

    はい。というわけで、座学タイムです。

    ク「山の上に来て、教科書を広げるというのか」

    体を動かすべきでないときは、頭を鍛えましょう。限られた時間を有効に使うのです。

    それに、聖堂騎士というと、教会の顔とも言える集団……戦いが強ければそれだけでいいというものでもないでしょう?

    剣の腕と平行して、教養を身につけなくては。

    ク「まったくおっしゃる通り。よろしい、お勉強頑張ろう……」

    それでこそです、クラージュ様。

    ちなみに我々のいるこの場所は……山の上……高地……。

    酸素がかなり薄めです……思考には酸素をたくさん使う……この意味がわかりますか……?

    ク「!?」

    しかも、気温も低い……食後で、胃に血が集中しているタイミングでもあります……。

    眠気に襲われやすくなる要素のオンパレード……まさに、お勉強するには困難な環境であると言えましょう……。

    ク「そんな状況をわざわざ選んで、そんな提案をしたの!? くっ、なんて意地悪な……!」

    フフフ、逆を言えば、今この状態で勉強に集中できれば、あなたは他のどんなシチュエーションで勉強しても、気を散らさない精神力を獲得できるでしょう。

    はい、それじゃ、始めますよー……講師は私、エメラチェリー・ラダーです……。

    今日お勉強するのは……これっ……!

    dice1d4=3 (3)

    1、語学や数学などの一般的教養

    2、国内外の社会情勢について

    3、剣を使っての魔法使いとの戦い方

    4、教団の聖典の基礎の基礎。男女の営みについて

  • 22ぼっち24/02/07(水) 22:10:21

    教科書の……92ページを開いてください……。

    今日、学ぶのは……剣士による、魔法使いのブッ殺し方です……。

    ク「物騒すぎる」

    でも、戦いってそういうものですから……。

    お互いに殺し合うという前提で、いかに相手を制するか……拘束したり屈服したりするより……命を奪うのが一番楽に決まってます……。

    ク「まあうん、言いたいことはよくわかる」

    では、まず、クラージュ様……あなたが魔法使いと戦うなら……一番勝率が高いのはどんなやり方だと思うか、言ってみてください……。

    ク「うーん、そうだな。やはり回避重視かな。相手の口元と杖の動きをよく見て、飛んでくる魔法を避けながら接近して叩く。これだね」

    はい、悪くないです。でも、それよりおすすめな方法があります。教科書にも書いてあるレベルで、勝率の高いやり方が。

    ク「ふむ? それはいったい……?」

    相手に存在を気付かれないように、死角から接近して不意討ちです。

    ク「!?」

    いや、本当に、これがベストなんですよ……。

    魔法使い相手だと、非魔法使いは存在が気付かれた時点でめちゃくちゃ不利なんです。

    遠距離攻撃を基本として、トラップ魔法、高速移動魔法、防御魔法、果ては空飛ぶ魔法とかもありますから。

    魔法使う判断をされる前に潰すのが一番なんです。

    ク「それは……それは武術なんだろうか……?」

    アサシンが、武を修めてないわけはないと思いますよ……? 気配を消して近付くのも、修行がいるでしょうし。

    ク「あー……つまり私に今必要なのは、相手の意識の隙間に入り込む技術ということか……?」

    そんな感じで間違ってないと思います。

    では、どうやって効果的な不意討ちのやり方を身につけるのかというと……。

    dice1d4=2 (2)

    1、心を乱さぬよう、座禅で精神統一をはかる

    2、頭の上に本を乗せて落とさないように歩く

    3、目隠しと耳栓をした状態で行動する

    4、つ【人の心にするりと入り込むナンパ術の本】

  • 23ぼっち24/02/10(土) 01:15:02

    最も一般的な修行は……これ、ですかね……。

    (私は、クラージュ様の頭の上に本を乗せます)

    ク「……エメラチェリー、これは?」

    頭の上に乗せた本を落とさないように行動するという……訓練です……。

    無駄な動きをなくし……体感がぶれないようにすることで……音もなく行動できるようになると言われています……。

    ク「ああ、なるほど……確かに、自然と体がまっすぐになるな」

    ク「でもこれ、座学中にやるのは……手に持っている本が読みにくいのだけど……?」

    本を、顔の正面に持ち上げてお読みになると……よろしい……。

    見下ろす形で読んでおられるから、バランスが崩れるのですよ……?

    ク「おおう。ふ、普段やらない本の持ち方だから、違和感すごい」

    ぜひ、慣れてください……よっ、とっ、たっ。

    (ずしっ、のしっ)

    ク「エメラチェリー……今度は、何を?」

    クラージュ様の頭の上に乗せている本に……さらに別のものを乗せています……。

    乾燥ヌードルの袋だとか、湯沸かし用のヤカンだとか、ジャムの瓶だとか……。

    いろんなものを高く積み重ねて、バランスを取りにくくすればするほど……安定させるために、細かい重心の調整が必要になるのです……。

    とりあえず、このまま1時間耐えてください……。

    この修行を自然にこなせるようになれば……あなたの体の芯は、どんな過酷な状況でもぶれなくなることでしょう……。

    ク「わっ、ちょ、こ、これっ、意外と大変……!」

    落とさないでくださいね……ジャムの瓶とか、地面に落ちて割れたら大変ですよ……?

    さしあたり、一時間耐えることを目標にして……それができたら、次は、頭の上のものを落とさないように歩き回ってみましょうか……?

    ク「おおおお……うおおおお……!」

    (ひょいひょいと、クラージュ様の頭の上で積み木遊びをしていく私)

    (……最終的に、クラージュ様はどのくらいの高さまで安定して頭上に積めるようになった?)

    dice1d100=55 (55)

    (100ほどうずたかく、安定感バッチリ。1ほどブレッブレ)

  • 24ぼっち24/02/11(日) 23:46:35

    本1冊……乾燥ヌードル……ヤカン……ジャムの瓶……。

    フライパン……下着……カブトムシ……イチジクのタルト……。

    胃腸薬……帽子……ランプ……カブトムシ……。

    ……案外、多めに乗りますね……。

    ク「い、いやいやいや、もう、ぐらぐらしてて怖い、怖い!」

    でも、まだ崩れていません……このバランス感覚をお忘れなきように……はい、もうひとつ……カブトムシ……。

    ク「なぜ、なぜこんな真冬の岩山に、こんなにカブトムシがいるんだ……!? あ、あ、あ……あうっ!」

    おっ、と……崩れてしまいましたね……。

    それでも、55cmほどの高さまで積めましたよ……。

    ク「すごいのかすごくないのかわからない数字! 比較対象がないのが悔やまれる!」

    個人的には……中々のものかと……。

    少なくとも平均よりは上の数字な……気がします……!

    ク「そう? そうなの? ……じゃあ次は、さらに上を目指そうかな……?」

    その意気です……向上心、大事っ……!

    たとえそれが……頭の上に黙々と物品を積み重ねる、大道芸のような修行であるとしても……!

    ク「エメラチェリー? エメラチェリー、あなた、明確に面白がっているだろう!?」

    (クラージュ様の修行を見るのは、とても心暖まる時間でした)

    (……で)

    (登山+テント設営+イモスタンコとの格闘、そして座学……たくさんあった昼間時間も、あっという間に過ぎ去りました)

    (山の頂上から見下ろす地平線の向こうに陽が沈み、夜がやってきます)

    クラージュ様もお疲れでしょうし、そろそろおねむにします?

    ク「んー……そうする……」

    (私たちはテントに入り、寝袋を広げて就寝の準備をととのえます)

    (しかし、普段とは違う環境での眠り……果たして、いつも通りに寝つけるのか……?)

    私の寝付きのよさ:dice1d100=3 (3)

    クラージュ様の寝付きのよさ:dice1d100=51 (51)

    (数字が高いほど急速に、深く安らかに眠れる)

    (30以下で寝つけない……)

  • 25ぼっち24/02/13(火) 00:20:36

    ク「スヤスヤ……」

    ……………………。

    (そわそわ、そわそわ)

    ク「スゥ……スゥ……」

    ……………………。

    (そわそわそわそわ)

    ……寝られない……。

    クラージュ様と……ひとつのテントで、一緒に寝るというのは……間違った判断だったかもしれない……。

    寝袋を着て、並んで寝るから……彼女の顔が、すぐそばにある……。

    クラージュ様の寝顔、きれい……。

    つい、見入ってしまう……。

    それになんだか、いい匂いもするぅ……。

    ああ……ドキドキする……顔、ホカホカする……。

    こんなんで、安らかに眠れるかッ……!

    ううう、お疲れのクラージュ様は、あっさり寝てしまわれたのに……私だけ、何時間も寝られずにモゾモゾしてる……。

    ク「ムニャムニャ……」ゴローン

    うわああぁぁ……クラージュ様が寝返り打った……!

    さっきより距離が近い近い近い! ちょっと気が迷ったらキスできちゃう間隔! まずいまずいってまずい!

    ううう、こんなことなら、荷物が重くなっても、もうひとつテント持ってくるべきだった……!

    (山頂での静かな夜を、悶々と過ごす私……)

    (ホントに私、ノーマルなんだろうか? 実は女の子が好きなタイプだったりするんだろうか? そんな悩みを心の中で延々とこねくり回す)

    (そして、何の結論も出ないまま、朝がやってくる……)

    (そのときの私のコンディションは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、ク「うわぁどうしたのエメラチェリー!? 目のクマがすごい!」

    2、クラージュ様が起きる前に、眠気覚ましのコーヒーを飲んでごまかす……!

    3、覚えててよかった……《活性(リフレッシュ)》の魔法……!

    4、(クラージュ様も実は途中から起きてて、すごく気まずそうにしてる……)

  • 26ぼっち24/02/15(木) 00:54:11

    (チュンチュン……チュンチュン……)

    (朝~……朝だよ~……)

    ク「ふぁ……よく寝た……」

    おはようございます、クラージュ様。昨日の疲れは取れましたか?

    ク「ああ、おはようエメラチェリー。うん、体の調子もいいし、清々しい気分だ」

    ク「あなたも、とても元気そうだね。私に負けず劣らず、ぐっすり眠れたと見える」

    ふふっ、その通りです。山の頂上はとても静かで、深く安らかに眠れました♪

    (嘘である)

    (結局朝方まで寝られなかったので、《活性(リフレッシュ)》の魔法でむりやり体調を整えたのだ)

    (疲れは取れたし、血行もよくなったが、寝てないという事実は変わらないし、ドング量が朝からちょっと減ることになった)

    (でも、うん、そんなに魔法を使う予定はないし、クラージュ様に心配をおかけしないためなら、この程度のコストは惜しくない)

    今日の修行の前に、朝ごはんにしましょう。干し肉と乾燥野菜を使ったスープと、堅焼きパンになりますが……。

    紅茶もわかして、ハチミツをたっぷり入れて、エネルギーをしっかり補給しましょうね。

    ク「ああ、力をつけて、今日も頑張るぞ!」

    (そうして、もりもりお食事を楽しんだ私たち)

    (食後に、雲海から太陽が昇ってくるのを拝んで、2日目の修行を始める)

    (今日はどうしよう……?)

    dice1d4=4 (4)

    1、体力をつけるー! 筋トレ三昧だ!

    2、私が撃つ魔法に対処してください。頭に本を乗せて!

    3、魔物呼びの続き! 今度は小物を多めに呼ぶ感じで!

    4、座禅。私が絶え間なく誘惑しますので耐えて!

  • 27ぼっち24/02/16(金) 22:17:32

    ……では。本日1発目の修行と参りましょう……。

    ク「わーわーぱちぱち」

    昨日の座学と繋がりますが……クラージュ様は、心を落ち着けて、氷の精神で戦う術を身につけるのがよろしいかと……。

    あなたの腕力や技術はすでに、剣士として、人並みをはるかに越えているように見受けられます……。

    ならば、あと必要なのは……最適なタイミングで、ブレのないアクションを繰り出す判断力ではないでしょうか……。

    迷わず、焦らず……瞬間的に正しい選択をし、一歩を踏み出す……それを可能とするために……鍛えるべきは……肉体ではありません……。

    心、心を鍛えてこそ……!

    ……と、いうわけで。

    クラージュ様には、これから座禅を組んでいただきます……。

    ク「座禅……確か、遠い異国の宗教における、祈りのやり方だったっけ……?」

    宗教的なことは、この際考えなくていいです……。

    必要なのは、落ち着くこと……ただ座って、心を無にし、魂を自然と調和させることを目指してください……。

    ク「ふぅむ……よくわかんないけど……迷いを捨てて、自分と向き合う時間ということか……?」

    その認識で問題ありません……。

    ……でも、ただ座ってるだけでは、迷いに打ち勝つ修行にはなりませんので……。

    私がちょくちょく、クラージュ様にちょっかいを出します……それを無視して、慌てず騒がず、心静かにあるよう、試み続けてください……。

    ク「えっ……なにそれ、えっ」

    ……はい、スタート……。

    (クラージュ様を地面に座らせる)

    (慣れない修行に、彼女は最初こそ心揺らいでいたが、すぐに落ち着いて微動だにしたい木石のごとくなった)

    (見事だ……でも、だからこそ、崩しがいがある……)

    …………えい。

    (私は、座禅を組んでいるクラージュ様を、後ろからハグした)

    (まるで、猫がじゃれつくかのように)

    (そして、彼女の耳元に唇を寄せて、ふーっ……♪ と息を吹きかけた)

    ク「……………………ッ」

    クラージュ様の動揺:dice1d100=20 (20)

    私の恥ずかしいきもち:dice1d100=1 (1)

  • 28ぼっち24/02/18(日) 22:30:00

    ……んー。

    (むぎゅー)

    ク「……………………」

    ……………………。

    (どうしよう)

    (意を決してクラージュ様に抱きついてみたけど、これといった反応がない)

    (というか私も、やる直前まで「我ながらなんて恥ずかしいことするんだよぉ!?」とか思ってたのに)

    (いざ抱きついたら、恥ずかしさなんて微塵も感じない)

    (それどころか、こうしているのが当たり前みたいに、めちゃくちゃ落ち着く)

    ……………………。

    (すりすり)

    (ちょっと頬ずりしてみた。私にもクラージュ様にも、何も変化はない)

    (クラージュ様のほっぺた、もちもちしてて気持ちいい)

    ……クラージュ様。お尋ねしてもよろしいですか?

    ク「何かな?」

    ……今のご気分は……?

    ク「このままお昼寝したいぐらい、くつろいでいる」

    …………私もです。

    日没まででも、こうしていたい……。

    ク「それだと修行にならないけど、私もそれでいいような気がしているよ」

    (私もダメだとは思うけど、クラージュ様のそのお言葉はとても嬉しい)

    ……えへへ。クラージュ様……♪

    (イチャコライチャコラ)

    遠い異国の宗教の神格( ^ω^)「……………………」

    (#^ω^)「こんなん座禅じゃねえ」

    (せやろな)

    (結局、その……この座禅で、クラージュ様は何かしら成長できたのでしょうか……?)

    クラージュ様の戦力アップ度:dice1d100=85 (85)

    クラージュ様と私の距離の近付き度:dice1d100=76 (76)

    神の怒り:dice1d100=30 (30)  (50以上で……)

  • 29ぼっち24/02/20(火) 00:04:48

    (それから)
    ク「……でりゃあっ!」
    (鋭い剣閃が、空飛ぶ鳥の魔物を両断する)
    (それも、一度に3羽。前にはなかった思いきった踏み込みが、更なる速度と攻撃範囲をクラージュ様にもたらしていた)
    ク「ふぅーっ……そこっ!」
    (死角から忍び寄っていた蛇の魔物を、飛びついてきた瞬間に頭を落として倒す)
    (今の彼女の感覚は研ぎ澄まされている。油断はなく、瞬時に最適な判断ができる思考力も身に付けていた)
    (私が呼び寄せた魔物数十匹を、彼女は息も切らさずにことごとく切り伏せた)
    (男子3日会わざれば刮目して見よ……という言葉があるが、クラージュ様はわずか数時間の間に、数段のレベルアップを果たしていた)
    ……お見事です、クラージュ様。
    ク「ありがとう、エメラチェリー。さっきの座禅が効いたみたいだ……まさかこんなに、穏やかな気持ちで剣を振るえるようになるなんて思わなかった」
    成したのはクラージュ様ご自身です。
    座禅が役に立ったのだとしても、きっとあなたの中に眠っていたものを目覚めさせただけ。すべてはあなたの実力です。
    ク「その言葉はとても嬉しい。でもやっぱり、あなたがそばにいてくれたからこその覚醒だと思う」
    ク「座禅中に背中に感じた、エメラチェリーのぬくもり。それを思い出すと、焦りや緊張がなくなるんだ。はは……おかしなことを言っているね、私?」
    クラージュ様……。
    (私は正面から、クラージュ様の前に立った)
    (そして、彼女の背中に腕を回し、強く抱きしめて……彼女の胸に顔をすり寄せる)
    ならば、私が正面からも抱きつけば、あなたはさらに速い剣を振るうことができるようになりますね?
    ク「……エメラチェリー……」
    (クラージュ様の腕も、私の背中に回る)
    (包み込まれる幸せが私にもたらされた。お互いの好意が、体温と一緒に私たちの間を行き来しているのだと感じた)
    (座禅ってすごい。なんか急にそう思った)
    遠い異国の宗教の神格(#^ω^)「だからそれ座禅関係ねえって言ってんだろ!?」
    (*´ω`*)「……でもワイは懐深いからね。それできみたちの心が平和になるなら、それはそれでいいと思うよ」
    (こうして……よくわからないけど……この山ごもり修行によって、クラージュ様は剣士としてとても成長したのだった)

  • 30ぼっち24/02/20(火) 00:05:23

    (目的は達成した……これからどうする……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、まだもうちょっと修行しよう。クラージュ様はまだまだ強くなれる

    2、ク「次はエメラチェリーの修行タイムだ」……えっ?

    3、下山して温泉入ろうよ! 昨日お風呂入ってないし!

    4、下山して……溜まっているシスターのお仕事します……。

  • 31ぼっち24/02/21(水) 22:33:43

    さて、いい感じにクラージュ様も強くなりましたし、そろそろ下山を……。

    (びゅんびゅん……びゅんびゅん……)

    ……クラージュ様? なぜ、またも焦がし麦芽の袋を振り回しておられるのですか……?

    それ、魔物を呼ぶやつなのですけど……?

    さっきまで私が使ってましたから、ご存じですよね……?

    クラージュ様? クラージュ様?

    ク「いや、ほら。私だけ鍛えたんじゃ、もったいないと思って」

    ク「せっかく、こんな高い山の上まで来たんだから、エメラチェリーも修行していこうよ……!」

    えっ……いや、いやいやいや……!

    わ、わわ、私はほら、シスターですから! その方面のレベルアップは必要ないかなーって……。

    ク「前に、一緒にハイキングに行ったとき……私は、あなたが魔物を一撃で屠るのを見た……」

    ク「あなたは剣士ではないが、戦闘型魔法使いとしては相当なものだと感じた。きっと、伸び代もまだかなりあるはずだ」

    ク「あなたは確かにシスターだけど……だからといって、高みに行ける才能を眠らせておくことはないよ」

    ……いや、いやいやいやいやいや……でも、でも……。

    ク「ははは。ごめんね、困らせてしまった。でも、あなたが強くなれると感じたことは嘘じゃないよ」

    ク「それに……あのときの凛々しいあなたが、またもう一度見たい。駄目かな?」

    ……ううう~……うう……。

    ええい、や、や、やったらぁ……来い、魔物ども~……!

    (私はトングを構える)

    (クラージュ様が振り回す焦がし麦芽の匂いに引かれて、空飛ぶ魔物たちがバサバサと羽音を鳴らして集まってくる)

    (この超実戦的修行の結果は……)

    私のレベルアップ:dice1d100=40 (40)

    私の疲労:dice1d100=85 (85)  (朝にリフレッシュの魔法を使っているため+7)

    (疲労が80以上で今日の下山は困難になる)

  • 32ぼっち24/02/24(土) 00:21:44

    《拳銃(ショット)》ッ……!
    (パン、パンッ、ドンッ、バウッ!)
    (魔物と直接戦わなければいけないとき、一番使い勝手がいいのは、やはり鉄の弾丸を撃ち出す魔法だ)
    (迫り来る魔物たちを、確実に狙える距離まで引きつけてから、1匹1匹急所を射抜いていく)
    (攻撃する順番の判断を誤ると、一気に距離を詰められるので緊張感がヤバい)
    (空飛ぶ系は特に、素早いので怖すぎる。狙い定めるのも楽じゃないし、集中しても100%当たるとは限らない)
    (それでもやるしかない……ドンッ、ズドンッ、バギューン……あ、弾が切れた……リロード!)
    (空を舞っている魔物はまだ何匹もいる。あと何発撃てばいなくなるかな? 撃つ、撃つ……リロード。撃つ、リロード……あ、外れた……大急ぎでまた、撃つ)
    (うう、ちょっと視界がぼやけ始めた気がする。気のせいか? いや、昨日の睡眠不足が祟ってる。魔法でリフレッシュはしたが、効果は完璧じゃない)
    (撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、撃つ……リロード。だいぶ数は減った。あと少し……撃つ、撃つ、撃つ)
    (最後の1匹。コウモリ型の魔物。空中を滑るように飛んで来るそいつの眉間に、弾丸をぶち込む)
    (あー……終わった……)
    (狙いを定める集中力は、ちょっと鍛えられた気がする。全体的な底上げというほどではないが、今までよりは多少レベルアップできたと思う)
    ク「お見事! やっぱり、あなたの魔法の腕は相当なものだね……!」
    (クラージュ様が褒めてくれてる。ふへへ、嬉しいな)
    ク「数十メートルも離れた飛び回る的に、あんなに正確に弾を当て続けるなんて。あなたは軍の狙撃部隊に入っても活躍できるかもしれないな」
    ク「いいものを見せてもらった。それじゃ、このあとは……あれ? エメラチェリー? その……大丈夫? 顔色がすごく青いけど……」
    ……正直申し上げますと。
    魔法の使い過ぎによるドング切れと……なんか、こう、めまいがして……ちょっと限界です……。
    ク「え、エメラチェリー? エメラチェリーッ!?」
    (ふらふらとして、クラージュ様に寄りかかって目を閉じる私)
    (いつもみたいに甘えているのではありません……普通に疲労困憊で意識朦朧状態です……休ませてください……)

  • 33ぼっち24/02/24(土) 00:25:13

    (そのまま意識が暗転して……)

    (……………………)

    (……………………)

    (次に目を覚ましたとき、私のまわりは暗かった)

    (めまいはおさまってる。それなりに長く、深く眠れたのだろう)

    (私は目をパシパシさせて、周囲の状況を確かめようと試みる)

    (どうやら、今は……)

    dice1d4=2 (2)

    1、テントの中で、おろおろしているクラージュ様に見守られていた

    2、テントの中で寝かされているのはいいけど、クラージュ様が何か真剣に祈祷をしておられる

    3、いい匂いがする……えっ、クラージュ様がご飯を作ってくれてる……?

    4、ふたり分の荷物と一緒にクラージュ様に背負われてる……ってクラージュ様!? 私を背負って下山を!?

  • 34ぼっち24/02/25(日) 00:20:05

    (闇の中に、オレンジ色の明かりが浮かんでいる)

    (ランプの炎だ。その揺らぐ輝きの中に、クラージュ様の端正な横顔が見えた)

    (彼女は小さな冊子を手に持ち、囁くような小さな声で、何かをつぶやいている)

    (あれは……教典だ)

    (信仰心のあつい聖堂騎士であるクラージュ様が、虚空に向かって祈りの言葉を捧げている)

    ク「──深き渦、無にして有、輝ける闇、流れ去る石。すべての始まりであり行き着く先である根源よ」

    ク「あなたの膝元へたどり着くための、我々の歩みを祝福してください……その道がなめらかであり、花が香り、風は暖かく、遮るものがありませんように」

    ク「彼女の手足と体が健やかでありますように。心は穏やかで、愛に満たされていますように」

    (確か、教会に入る前に勉強したな……これは、人の健康を祈る詩だ)

    (クラージュ様は、おそらく私のために祈ってくれている。疲労で倒れた私のためにできることをしてくれている)

    ク「エメラチェリーが……私の大切な人が、早く元気になりますように……心から、心からお願い申し上げます……」

    (根源が……宗教の神格が人の祈りをどの程度聞き届けてくれるのかわからないが)

    (少なくとも根源を経由しなくても、それを聞いた私の心はとても暖かくなった)

    ク「さて……」

    (読経を終えたクラージュ様は、教典を閉じた)

    (そして、彼女は次に……)

    dice1d4=4 (4)

    1、狩った魔物の血で生け贄の儀式を……

    2、はちみつやバターや砂糖で魔除けの儀式を……

    3、外で冷たい水を浴びて、清めの儀式を……

    4、いくつかの薬草を噛んで、私に口移しを……

  • 35ぼっち24/02/27(火) 01:29:59

    ク「お祈りは完璧に済ませた。神頼みはここまでだ」

    ク「あとは……私にできることは……」

    (クラージュ様が真剣に何かを考えておられる)

    (私はもう目を覚ましているのだけど、私のために頑張ってくれている彼女を見ていると、「もう大丈夫ですよー」とは言いづらい)

    (寝袋の中で口をつぐんで、寝ているふりをすることにした)

    ク「ええと、確か、疲労回復に必要なのはこの薬草と、この木の実だったな……」

    (何やら、荷物をかき回して、救急用のおくすりを取り出しておられる)

    ク「薬草は乾いてるし、実はけっこう固そうだな……意識のないエメラチェリーに飲ませるには……ううん……こうすればいいか」

    (……ん? クラージュ様がモゾモゾしているけど、薄暗いのでよく見えないぞ)

    (あ、こっち向いた。顔を寄せて……私の様子をうかがっている……?)

    (いや、私の表情を見ているだけにしては、近過ぎ──)

    ク「んっ……」

    (ちゅ)

    (…………!?!?!?!?!?!?)

    (んんんんん!? んぇあ、ちょっ!? え、柔らか……ええええええっ!?!?!?)

    (クラージュ様からの突然の口付け)

    (驚いたっていうか恥ずかしいというかやっぱりビックリ感が飛び抜けているというかヤバいヤバいヤバい!!!)

    んむむっ……んんんーっ! んーっ!

    (あ、口の中に何か入ってくる)

    (苦いどろどろしたもの……あ、これ、噛み砕いた薬草と木の実か!?)

    (寝てる私には、形のある薬は服用できない……その不可能を可能にするために、思いついたのが口移しなのですかクラージュ様!?)

    (いや、まあ、理屈はわかりますが、い、いいい、意外と大胆ですねあなた!!!)

    (私はどうすればいいんですか、こんなとき!?)

    dice1d3=1 (1)

    1、寝てるふりを続けるしかねえ!!!

    2、正直に起きていると白状する

    3、抱きつく

  • 36ぼっち24/02/29(木) 00:07:06

    (……ふー……)

    (こんなん「起きてます」とか言えるか──ッ!)

    (全力で……全身全霊で……寝たふりを継続する……! タヌキよりも深く寝入る……!)

    (私は何も気付かなかった……これが私もクラージュ様も、気まずい思いをせずに済む唯一のルートだ……!)

    (目を閉じて……呼吸をととのえて……寝ている人間らしく、リラックスする……)

    ……………………。

    (ちゅっ……ちゅうっ……ちゅ……)

    ク「……………………」

    (ちゅる、ちゅ……ちゅっ……)

    (うううう……目を閉じてると、皮膚感覚にめっちゃ意識が集中する……!)

    (クラージュ様……あなた、ホントに修行に明け暮れる男勝りな聖堂騎士ですか? 唇すごい柔らかくて、しっとりしてますよ……?)

    (絶対これ、リップクリームとかこまめに塗ってケアしてるやつだ……お口の香りも、爽やかなミントピーチで……不快感少しもない……)

    (強いて言うなら、口移しされてる薬草が美味しくない……ああ、どうせならこんな薬草とかナシで、普通に口付けをしたかったなー……)

    (……何考えてんだ私いいいぃぃぃ──ッ!?!?)

    (顔がカッカする。絶対に頬が普段の3倍赤みがかってる)

    (薄暗いテントの中でよかった。今の私の赤面をクラージュ様が見たら、起きてるって丸わかりだもの)

    (……そして、dice1d30=16 (16)  分後……)

    (クラージュ様は、私への口移しを終えた)

    ク「…………ふぅ」

    (ちら、と薄く目を開けて、彼女の様子を確かめる)

    (私との口付けを終えたクラージュ様の様子は……その表情から読み取れる心の動きは……)

    恥ずかしさ:dice1d100=24 (24)

    幸福感:dice1d100=61 (61)

    後ろめたさ:dice1d100=13 (13)

    落ち着き:dice1d100=16 (16)

    心配そう:dice1d100=88 (88)

  • 37ぼっち24/03/01(金) 01:31:56

    (なんか、こう、クラージュ様のご様子は奇妙だった)
    (寝ている乙女に許しを得ずにキスをしたにしては、まったくと言っていいほど恥ずかしそうにしてないし、罪悪感も感じられない)
    (でも、すごくそわそわしてる。私の顔を覗き込んで、髪を撫でてくれてる)
    ク「……お薬、ちゃんと飲んでくれたかな? ノドに詰まらせたりしてないよね……?」
    ク「早くよくなってね、エメラチェリー……私は、あなたさえ元気でいてくれれば、それでいいんだ……」
    (ううむっ)
    (その優しい声と眼差し、覚えがあるっ……幼い頃、風邪を引いた私を心配して看病してくれた母の様子と同じものだ……!)
    (あんな激しいキスをしておきながら、ごく純粋に、極めて健全に、私の心配だけしてくれている!)
    (ああいや、この人、たぶんさっきのをキスにカウントしてないな!? ただの救命行為と見なして、冷静に実行したな!?)
    (ドギマギしてるの私だけじゃないかっ……うううっ、恥ずかしい、恥ずかしいッ……!)
    ク「……しかし、それにしても……」
    ク「エメラチェリーの唇、しっとりしてたな……」
    ク「手を繋いだりするのとは、違った幸福感がある……起きてるときにまたやらせてって頼んだら、OKしてくれるかな……?」
    (私が恥ずかしがってたら、クラージュ様もつられたように、そんな独り言をつぶやき始めた)
    (よし、お互いにちょっとむっつりな、いやらしい女の子特有のアレなこと考えたな!)
    (どっちの方がダメだとかスケベだとかない! どっちもどっち! イーブンということで水に流そう!)
    (……そんなことを考えながら、またしばらく寝たふりを続けて、ほどよいタイミングで起き上がった)
    ……お、おはようございまーす……クラージュ様……。
    ク「あっ、おはようエメラチェリー! 昨日はいきなり倒れたからビックリしたよ! 具合はどうだい?」
    は、はい。ちょっと慣れないことをして、普段より疲れてしまったようです。
    よく寝たからでしょうか、もうすっかりよくなりました……ご心配をおかけしました。
    ク「いや、本当によかった。それだけ疲れる原因になるようなことをやらせたのは私だから、謝るなら私だよ。本当にすまなかった」
    (それは本当にそう)
    (もう二度と私、修行じみたことなんかしないぞ……!)

  • 38ぼっち24/03/01(金) 01:37:53

    (ところで)

    (私が寝てる間にしてくれた「看病」についてですけども)

    (クラージュ様、オープンになさいますか?)

    (それとも、黙っておられますか?)

    (正直、狸寝入りをした結果、知ってしまった私としては、どっちだとしてもそこそこ気まずいのですが)

    (……あなたはどういう選択をなさいますか?)

    dice1d2=1 (1)

    1、言う(高いほど恥ずかしそうに:dice1d100=90 (90)  )

    2、言わない(高いほど挙動不審:dice1d100=17 (17)  )

  • 39ぼっち24/03/01(金) 23:10:20

    ク「……さて」
    ……? どうなさいました? クラージュ様……そんなかしこまって……?
    ク「あなたが元気になったから……言っておかないといけないことが、あって……」
    ……………………?
    ク「えと、その……あの。えーと……じ、じじじ、実は……」
    (さっきまでまったく羞恥心とかなさそうだったのに、急に赤面して、言葉もつまり始めるクラージュ様)
    (私が元気になったから、頭の中を占めていた心配が必要なくなったから……恥ずかしさが表に出てきたということ……?)
    ク「そ、その、えっと。具合の悪そうなあなたに、薬を飲ませようとしました。でも、あなたは眠ってて、ちょっと無理そうだったから」
    はい。
    ク「こう、口移しで……飲ませました……」
    ……はい。
    ク「緊急で、必要なことだったというのは確かだったと思っています。それでも、あなたの意に反して口付けをしたのも確かなので……その、ゴメンナサイ……」
    (彼女はそう言うと、額から湯気とか出しそうな様子で、うつむいて縮こまってしまう)
    (うーん……小説などを読んでいると、男性は女性の恥じらう姿に胸をときめかせるという意見をよく見るけど)
    (私、今、世の中の男性たちの気持ちがよく理解できているかもしれない!)
    (恥ずかしさで消え入りそうなクラージュ様が、実にかわいい。抱きしめたりいじわるしたりしたくなる)
    ……その、なんですか。よく話してくれましたね。
    やむにやまれぬ救命行為なら、私は駄目とは言いません。私がこうして元気になったのは、あなたがそれをしてくれたからかもしれませんからね。
    なので、ええ。罪悪感は持たなくて結構。神がいるならばお許しになるでしょうし、私も責めはしません。
    ク「…………ホント?」
    はい。
    (むしろ、あのとき起きてたことを黙ってる私の方が罪深いかも……いや、気にしないでおこう!)
    シンプルにノーカンということにしましょう。ええ。きっとどちらにとっても、それが一番よいのでは?
    ク「う、うん。……ありがとう、エメラチェリー」
    (うーんクラージュ様のホッとした顔! かわいい!)

  • 40ぼっち24/03/01(金) 23:23:41

    (それから、私たちはテントを畳んで、荷物を片付けて、山を降りることにした)

    (本来より少し長く山にいたので、食料がかなり目減りしていたので、この行動は急がないといけなかった)

    (山ごもり修行の最後の晩の出来事については……クラージュ様は、気持ちを整理することができたようだ)

    (片付けのときも下山のときも彼女は朗らかで、恥ずかしさや後ろめたさはその心からきれいに拭い去られていたように感じられた)


    ク「ああ、エメラチェリー、やっと帰ってこれたね……」

    はい、私たちの街、エーブリエタース……ずいぶん長く留守にしていたような気分です……。

    (街に戻った私たちは、安堵のため息をついた)

    (やはり、住み慣れた街というのは安心感が違う)

    (さーて、帰ってきたからには……)

    dice1d4=2 (2)

    1、お腹いっぱいごはん食べようよ!

    2、一刻も早くベッドで寝たい!

    3、大きなお風呂で汗を流すんだぁ!

    4、フリーラックス先生から鬼のように連絡が来てる……

  • 41ぼっち24/03/04(月) 00:03:16

    ーー==三三(ノ゚∀゚)ノ(ノ゚∀゚)ノ ワーイ

    (教会に帰りついた私たちは、自分の部屋に直行することにした)

    (食事? お風呂? 仕事? 確かにどれも大事だ)

    (でも、山での厳しい生活のあとだと、柔らかくてあったかいおふとんが何より恋しくなるものなんだよ!)

    おやすみなさいっ……クラージュ様……!

    ク「ああ、あなたも、どうかいい夢を……エメラチェリー……!」

    (私はシスター用の寮に、クラージュ様は聖堂騎士用の寮に)

    (別れを告げて、それぞれの部屋へ)

    マイルームよ……ベッドよ……私は帰ってきたぞ……!

    (清貧を重んじるシスターのためのものだから、もちろんふとんは厚みのない安物だし、寝台もスプリングなど入っていない簡素なものだ)

    (それでも天井と壁のある室内で、寝袋でないまともな寝具に横たわることができるというのは嬉しいものだ)

    (ちなみに私はこのとき、パジャマはdice1d4=4 (4)  を身に付けていたよ)

    1、着替える時間も惜しい。そのままの服装でベッドにダイブ

    2、普段使いのパジャマにお着替えするよ

    3、タンスからパジャマ出すのめんどくさい、下着でいいや……

    4、シャ○ルの5番


    (そして、いい夢は見れたかな……?)

    dice1d4=3 (3)

    1、夢をまったく見ないほど深く寝て疲労回復!

    2、疲れが一気に出たのか、悪い夢を見た(悪さ度:dice1d100=54 (54)  )

    3、よほど気持ちよかったのか、いい夢を見た(いい度:dice1d100=28 (28)  )

    4、……クラージュ様といちゃつく夢見た……(過激度:dice1d100=93 (93)  )

  • 42ぼっち24/03/05(火) 01:11:11

    (たっっっぷり惰眠をむさぼって、朝日とともに気持ちよく起床)

    ……うーん。

    (ちら、と上を見て)

    ……なんか、すごく惜しい夢を逃がした気がする……ほんの1違いで……自分でも何を言ってるのかわからないけど。

    まあ、極上ではないけど、ほどほどにいい夢は見れた……。

    期待せずに買ったアップルパイに、大きなリンゴのシロップ煮がゴロゴロ入ってた夢だ……。

    アップルパイって、リンゴの固形部分が大きければ大きいほど、満足度高いよね……。

    同室のシスター( ´∀`)「おはよー、エメラチェリーさん」

    ああ、おはようございます……いい朝ですね……。

    同室のシスター(* >ω<)「うん、よく晴れて気持ちのいい天気だよ。それはそれとして服を着なさい」

    ……あ……服全部脱いで、裸で寝てた……。

    昨日、よっぽど疲れてたんだな……普段ならちゃんとパジャマ着るし……暑い日でも、下着まで脱ぐなんてことはないのに……。

    同室のシスター( ・ω・)「何日も留守にしてたよね。あのお馴染みの聖堂騎士様と一緒に旅行に行ってたんだっけ? 楽しかった?」

    えっ、その、あ、あはは……と、と、とても……。

    同室のシスター(*´ω`*)「(むむっ、この反応……あまりつついてあげずにいた方がいいやつかな? かな?)」

    と、ところで、私が留守にしている間、教会は平穏でしたか?

    何か普段と変わった特別なことがあったなら、ぜひ教えていただきたいところですが……。

    同室のシスター( =^ω^)「あ、それ聞いちゃう? 実はね、実はね!」

    dice1d4=2 (2)

    1、いいことがありました(幸運度:dice1d100=7 (7)  )

    2、悪いことがありました(不幸度:dice1d100=83 (83)  )

    3、いいことか悪いことかわからない不思議なことがありました(謎度:dice1d100=46 (46)  )

    4、クリティカル/ファンブル(dice1d2=2 (2)  )

  • 43ぼっち24/03/05(火) 23:10:18

    同室のシスター(´・ω・)「あなたは……ちょうど留守にしていて、幸運だったかもしれないよ……?」

    えっ……?

    同室のシスター(´;ω;`)「ちょっと、こう……ひっどいことがあったから……」

    えっ、え……? そんな涙目になるほどの、何があったと言うんです……?

    同室のシスター( ´_ゝ`)「殺人」

    ひょっ!?

    同室のシスター( ´-`)「ホントは昨日、あなたが帰ってきたときに話そうと思ったんだけど、すぐ寝ちゃったから……」

    同室のシスター(ヽ´ω`)「今日、これからお葬式があるから、しっかりお風呂で体を清めて、シワのない服を着て備えるといいと思うよ」

    ちょっ、えっ、あの、そ、それはわかりました、はい。

    で、ででで、でも、もう少し詳しいことを教えていただけると!

    殺人って、えっ、うちの教会で!? 誰が、どんな風に、なぜそんな……!?

    同室のシスター(´・ω・)「気持ちはわかるけど、落ち着こう。ひとつひとつ説明してあげるから」

    (彼女が教えてくれた、教会を襲った事件の詳細は以下のようなものだった)

    被害者:dice1d4=4 (4)

    (1、神父様 2、シスター 3、聖堂騎士 4、外部からの客)

    現場:dice1d4=2 (2)

    (1、礼拝堂 2、中庭 3、懺悔室 4、被害者の部屋)

    殺しの手段:dice1d5=4 (4)

    (1、刺殺 2、絞殺 3、毒殺 4、撲殺 5、死体は解体され、脳と心臓と血が奪われている)

    被害者の評判:dice1d100=89 (89)

    (1ほど殺されても仕方ないよね感。100ほどあの人が殺されるなんて信じられない)

    容疑者:dice1d100=8 (8)

    (1ほど絞られている。100ほど誰がやったか見当もつかない)

  • 44ぼっち24/03/07(木) 21:06:59

    (殺されたのは、フィリップ・ピュイ氏……71歳)

    (引退した料理人で、うちの教会の敬虔な信徒だった)

    (穏やかで人当たりのいい老人で、誰にも憎まれることなく平和な人生を過ごしてきた人物)

    (ピュイ氏の人柄を知る人々は、彼が殺人という方法でこの世を去ったことをまったく信じられないようだった)

    神父(´・ω・)「本当に原因が想像もつきません。誰があんな無害なおじいさんを殺したいと思うでしょう?」

    シスター( ´-`)「毎週の礼拝には欠かさず来てくれていたし、挨拶も丁寧にしてくれて……感じのいい人でした」

    聖堂騎士(´Д` )「普段から教会の庭を自主的に掃除してくれたりね。たまに会ったら世間話もしていたもんだが……」

    (ピュイ氏は、そのボランティアの清掃活動中に襲われたとみられている)

    (教会の中庭で、頭から血を流して倒れているところを発見されたのである。撲殺であった)

    ……殺される理由のない人が殺された……物取りか何か、ということでしょうか……?

    だとしたら、捜査は手間取るでしょうね……人間関係から手がかりをつかめないし、教会は人の出入りも激しいし……。

    容疑者を絞り込むだけで、とれだけの時間がかかることか……。

    同室のシスター( ´∀`)「いやあそれがね、警察の人たちはかなり順調に調べを進めてる、って噂なのよ」

    同室のシスター( *´艸`)「警察署でタイピストやってる友達がこっそり教えてくれたの。なんと、容疑者をdice1d3=2 (2)  +1人まで絞れてるんだって!」

    ええっ!? それはまた、どうして……?

    同室のシスター(*´∀`)「えーとね、どうやらdice1d4=4 (4)  だからだって!」

    1、事件当時、中庭に入れたのが容疑者たちだけだった

    2、凶器が、とある小規模グループ特有の持ち物だった

    3、被害者の日記に、殺されるかも知れないという記述があった

    4、「自分が殺しました」と自首してきたやつが複数!!!!

  • 45ぼっち24/03/08(金) 22:22:12

    …………は?
    同室のシスター( ;´・ω・`)「いや、だからね、自分が犯人だって自首してきた人がいたんだって。3人も」
    ……えーと……その3人の、共犯ということですか……?
    同室のシスター( ゚д゚)「普通に考えればそうだろうけど、違うの。全員が別々に、自分のしわざだって主張してるみたい」
    犯人がひとりだけなら……他のふたりは、何かの勘違いか……真犯人をかばってるとか……そういう話になるのでしょうかね……?
    同室のシスター(;´_ゝ`)「その可能性が高いよね。でも、誰が犯人で誰が偽か見分ける方法がなくて、警察も困っているみたい」
    同室のシスター( ´-ω-)「事件がなかなか解決しないと、現場になったうちの教会が怖がられて、礼拝に来てくれる人が減っちゃうよ……どうしよう……」
    ふむー……。
    (厄介な話になってきた)
    (教会の評判が落ちるのは、教会の権威に食い込みたい私としても望ましくない。警察には、可能な限り早く事件を解決してもらいたいところだが……)

    (──その後、教会でピュイ氏の葬儀が執り行われた)
    (聖職者にとっては珍しくない務めである。しかし、死者が天に召された場所も、同じ務めの場の敷地内にあるというのは、そうそうあることではない)
    (その式場で、私はクラージュ様とばったり出会った)
    ク「エメラチェリー。どうも、とんでもないことが起きたようだね」
    ええ、本当に。……警察は、うまく犯人を捕まえてくれるでしょうか?
    ク「彼らも最大限の努力はしている。だが、3人の自首者という前代未聞の出来事が、歩みを鈍らせているようだ」
    ……クラージュ様も、その話をお聞きになったのですね?
    ク「ああ。教会は本来、聖堂騎士が守る場所だからね。警察と合同で、我々も捜査にあたっている」
    ク「もちろん、我々は武力での防衛がメインだ。こういった調べものは得手ではないんだが……」
    ……………………。

  • 46ぼっち24/03/08(金) 22:37:40

    ク「エメラチェリー。もしよかったら、私の助手として捜査に参加してはくれないか?」

    ……ふむ? よろしいのですか?

    ク「はっきり言ってしまえば、私は専門外の仕事で途方に暮れているんだ。何から手をつけていいかわからない。あなたのような、聡明な人の助けが欲しい」

    ク「それにあなたは、私と山に登っていてアリバイがある。教会にいる人間の中で、最も信用できるわけだ……意見を聞くなら、そういう人がいいと思ったんだ」

    そこまでおっしゃるのなら……ええ、わかりました。お引き受けしましょう。

    では、早速ですが、警察の把握している最も大きな情報についてお聞かせ願えますか?

    自首したという3人の容疑者について。

    どういう人たちで、どういう主張をしているのです?

    ク「ああ、かまわない。彼らは……」

    ・1人目

    立場:dice1d4=2 (2)  (1、神父 2、シスター 3、聖堂騎士 4、被害者の親族)

    殺人の動機:dice1d4=4 (4)  (1、怨恨 2、金銭 3、発作的な口論 4、事故)

    主張:dice1d100=77 (77)  (100ほど理路整然としている。1ほどふわっふわ)


    ・2人目

    立場:dice1d4=4 (4)  (1、神父 2、シスター 3、聖堂騎士 4、被害者の親族)

    殺人の動機:dice1d4=3 (3)  (1、怨恨 2、金銭 3、発作的な口論 4、事故)

    主張:dice1d100=30 (30)  (100ほど理路整然としている。1ほどふわっふわ)


    ・3人目

    立場:dice1d4=1 (1)  (1、神父 2、シスター 3、聖堂騎士 4、被害者の親族)

    殺人の動機:dice1d4=3 (3)  (1、怨恨 2、金銭 3、発作的な口論 4、事故)

    主張:dice1d100=66 (66)  (100ほど理路整然としている。1ほどふわっふわ)

  • 47ぼっち24/03/10(日) 01:07:04

    1人目……シスター・ネゾ
    ネ( ノД`)「まさか、あんなことになるとは思わなかったのです」
    ネ「私はあのとき、中庭に面したベランダでカランコエの鉢の手入れをしていました。4階の私の部屋です」
    ネ「うっかり手を滑らせて、鉢を手すりの向こうに落としてしまって。ガチャンと鉢が割れる音と一緒に、『ぎゃっ』という悲鳴が聞こえて」
    ネ「大急ぎで下に降りていったら、あのお年寄りが頭から血を流して倒れていて……ああ……間違いありません、私の落とした鉢が、あの方の命を奪ったのです」

    2人目……ダミアン・ピュイ
    ダ( ;`Д´)「父のフィリップを殺したのは俺です。父が、俺が酒場の女と付き合っていることに文句を言ってくるもんだから、ついカッとなって……」
    「男女交際を推奨してるここの教会の信徒のくせに、父は俺の女性関係にはいつもケチをつけてきました。小さなムカつきですが、それが長年積もり積もっていた」
    「あの日、とうとう爆発してしまったんです。その場にあったもので父を殴り……ひどく血が出たので、怖くなってそのまま逃げたんです」
    「しばらく悩みましたが、結局こうして自首することにしました。……凶器? え、ええと、あの中庭に落ちてた石で……血を拭いて、川に捨てました」

    3人目……ジルタラソン神父
    (´;ω;`)「私があの老人にあそこまで殺意を抱くとは、あの瞬間まで思いもしませんでした」
    「彼はこの教会の良い信徒で、私の良い友人でもありました。しかし、真面目に生きすぎていたゆえの偏見も持っていました」
    「私の妹を……おそらく、私が彼女の兄だと知らずに……酒場で働いて娼婦のようなことをしている恥知らずだと言ったのです」
    「彼は自分の息子が、私の妹と交際していることに不満なようでした。親として心配だったのでしょう。でも、けっして許されない言葉というのはあります」
    「私は持っていた鉄のワンドで、彼を殴りました。凶器はこれです……べっとりと血がついているのがわかるでしょう?」

  • 48ぼっち24/03/10(日) 01:21:14

    ……噛み合いませんね。

    ク「本当にそうだ。シスター・ネゾの話だけは、植木鉢が被害者に当たるのを見たわけではないから、本当は当たっていなかったと考えることもできるが……」

    他のふたりの証言は、絶対に同時には成立しません。片方は確実に嘘があります。

    ク「あるいは、途方もない勘違いか、だな」

    被害者の傷口から、凶器が特定できはしませんか?

    ク「無理だった。被害者は帽子をかぶっていて、その上から強い打撃を受けたんだ。凶器は何か固くて重いもの、としか判定できなかったようだ」

    ふぅむ……。

    (さて、どう調べを進めるか?)

    dice1d4=3 (3)

    1、犯人でない人が嘘を言っているとして、やってないことをやったというメリットはあるか?

    2、現場の状況をもっと詳しく調べたい。実際に行ってみよう

    3、容疑者たちにもっと詳しく話を聞けば、嘘を言ってるやつからはボロが出てこないかな

    4、魂魔法使いに現場の残留思念読み取らせるべ!

  • 49ぼっち24/03/11(月) 00:01:40

    ここは、容疑者の人たちにもう少し質問を重ねてみましょう……。

    嘘や間違いがあるのなら……アウトプットを多くすればするほど……現実との齟齬が出てくるはずです……。

    話に傷が見つかれば……そこをつついて、広げて……真実を見い出せばよろしい……。

    ク「なるほど、いい考えだ。さっそく手配しよう」

    (数時間後、クラージュ様は警察の方々に話を通して、容疑者との面会を実現させてくれた)

    (実際に話をするのはクラージュ様だが、私も記録係としてその場に同席することが許された)

    ク「3人ともに質問できるが、誰からやる?」

    殺意を持って殺人に及んだと言っているダミアン氏と、ジルタラソン神父からいきましょう。意見の違いを研究するならこのふたりです。

    ク「わかった。質問内容はどうする? 特に聞いてみたいことはあるかい?」

    そうですね……それでは……。

    Q1、中庭のどこで殺したのか?

    Q2、いつ殺したのか?

    Q3、何回殴ったのか?

    ……このあたりを聞いてみてください。

    ク「ふむ、単純な質問だね。わかった、やってみよう」

    ちなみに、クラージュ様は……というか、警察は、今の問いの正解を見つけ出していますか?

    ク「ああ、さすがにそのくらいはね。ここに詳細をまとめた書類がある。これによると……」

    A1、dice1d4=4 (4)  (1、西の壁際 2、東の壁際 3、北の壁際 4、南の壁際)

    A2、dice1d5=4 (4)  (1、早朝 2、昼前 3、おやつ時 4、夕方 5、夜)

    A3、1発(植木鉢の落下が死因の可能性があるため、これは確定)


    (そして、容疑者たちの返答は……)

    A1、ダミアン:dice1d4=4 (4)  ジルタラソン:dice1d4=1 (1)

    A2、ダミアン:dice1d5=5 (5)  ジルタラソン:dice1d5=1 (1)

    A3、ダミアン:dice1d3=2 (2)  ジルタラソン:dice1d3=2 (2)

    (1、1発だけ殴った 2、2~3回殴った 3、数えきれないほど殴った)

  • 50ぼっち24/03/11(月) 23:21:08

    ダミアン( :゚皿゚)「あ、えーと、あ、あれは夜だったよ。父はその時間に散歩をする習慣があって、俺もそれについていったんだ」

    「教会の中庭に立ち寄ったときに、例の話になった。俺は父を南側の壁の近くに追い詰めて、そばに落ちていた石を振り上げて……」

    「2、3回は殴ったと思う……たぶんそれくらいだ。うん、間違いなくそうしたんだ。俺が犯人なんだ!」


    ジルタラソン( ゚ε゚;)「や、やったのは朝です。ピュイ氏は早朝に掃除に来てくれることが多くて、そこに居合わせたのです」

    「西の壁際に茂みがあるでしょう。あそこは人目につかないので、私も思いきって殴りました」

    「夢中だったので定かではないですが、恐らくは2、3回……血が飛び散るぐらいに……ああ、なんと恐ろしいことを……」


    ……これ、どっちもウソついてないですか?

    ク「だよね」

    (どちらも、警察の調べた事実と違っていることを言っている)

    (ダミアン氏は犯行時刻と殴った回数がおかしい。ジルタラソン神父に至っては、犯行時刻も犯行位置も殴った回数もめちゃくちゃだ)

    何か別のことを誤解してるという様子でもないですし……この人たち、誰かをかばっているのでは?

    ク「それは、誰を?」

    ク「彼らが真犯人をかばっているのだとしたら、それはあのふたりが共通してかばいたいと思うような人物だということになるけど……あっ」

    ……ダミアン氏の婚約者で、ジルタラソン神父の妹だという女性がいましたね?

    その人に話を聞くことはできるでしょうか?

    ク「できないことはないだろう。さっそく警察に居場所を聞いてみるよ」

    (そして私たちは、問題の女性に会うことになったのだ)

    dice1d4=2 (2)

    1、問題なく彼女の勤める酒場で会うことができた

    2、問題の女性が行方不明になっている!

    3、問題の女性はシスター・ネゾとも交流が!?

    4、問題の女性が、死体となって発見された……

  • 51二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 16:22:11

    【質問・このスレで出したいキャラの設定について話したいのですが、どこで行えばよいでしょうか】

  • 52ぼっち24/03/13(水) 01:00:02

    >>51

    【このスレのキャラであれば……このスレでいいんじゃないかと思うぞ……!】

  • 53二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:32:27

    >>52

    どうせだし新しく作ろうと思います

    名前 dice1d3=1 (1)

    1ナギサ(この場合異国出身)

    2シルビア

    3アルス

    性別 dice1d3=3 (3)

    1男

    2女

    3謎

    初期ドング量 dice10d20=16 4 13 3 3 12 15 14 14 20 (114)

    所属 dice1d4=3 (3)

    1アカデミー

    2星喰学派

    3王族

    4無所属

  • 54二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:35:21

    >>53というわけで

    現在ドング量

    114+1d20

    それと性的嗜好

    1男性

    2女性

    3両方

    4性欲なんてない

  • 55二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:36:19

    >>54

    触れてなかったので

    114+dice1d20=2 (2)

    dice1d4=3 (3)

  • 56二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:39:01

    【属性

    dice1d7=6 (6)

    1闇

    2地

    3時

    4魂

    5熱

    6鉄

    7血】

  • 57二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:40:11

    dice1d100=16 (16)

  • 58二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:40:55

    dice1d6=3 (3)

  • 59二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:41:41

    dice3d6=1 2 3 (6)

    1闇

    2地

    3時

    4魂

    5熱

    6血

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:42:28

    【属性は鉄 闇 地 時の四種に決定】

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:43:30

    【種族ダイスdice1d9=8 (8)

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:44:20

    【腕の数dice1d4=】

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:44:43

    【腕の数dice1d4=1 (1)

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:45:08

    このレスは削除されています

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:46:25

    【巨人族orその血を継ぐ人間

    dice1d100

    80以上で巨人族】

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:46:45

    【dice1d100=96 (96)

  • 67二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:47:41

    【身長

    100+dice1d60=40 (40)

  • 68二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:50:21

    【あれこれ巨人か……?振り直すか】
    身長 100+1d1000

  • 69二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:50:40

    100+dice1d1000=973 (973)

  • 70二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:53:49

    【わぁ身長10m……生きるの苦労しそう】

  • 71ぼっち24/03/13(水) 21:17:42

    >>53~70

    【ようこそ、ドングへ……!】

    【とても、とても、個性的なキャラクターになったな……!】

    【それもまた……ダイスの妙よ……!】


    【そして、>>50の続き……】

    ク「問題の女性の名はクローイというらしい。年齢は21。豊かなブロンドの、オシャレな雰囲気の美人だそうだ」

    ふむふむ……クローイさんから、有益な情報を得られるといいのですが……。

    (私とクラージュ様は期待を抱きながら、クローイの勤める酒場に向かった)

    (しかし、そこで私たちは、事態が想像よりよくない方向に進んでいることを知ることになった)

    酒場の主( ´Д`)「クローイちゃん? あの子は来てないよ」

    ク「来てない……? 辞めたということですか?」

    酒場の主(*`ω´*)「いや、無断欠勤。前からよく遅刻したりサボったりしてたけど、今回もそうじゃないかな」

    酒場の主( ´゚д゚)「あー、いや、教会の事件で、あの子の兄貴と彼氏が疑われてるんだっけか? その件でごたついてるから、来れないのかも知れんね」

    酒場の主(#゚Д゚)「まあ理由が何であれ、職場に休むって連絡してこないのはけしからん。こりゃもう、いい加減にクビにしなきゃいかんだろうな」

    ま、ま、待って、店主さん……そ、その、クローイさんが最後に来たのはいつですか?

    酒場の主( ´Α`)「えっ? えーと、確か……dice1d3=1 (1)  のときが最後かな?」

    1、ダミアンとジルタラソンが自首したあと

    2、ピュイ氏が殺された日

    3、ピュイ氏が殺されるより前から見てない

  • 72ナギサ24/03/13(水) 21:22:58

    ……この国の王子さまに雇われたんだけど、何をすればいいんだろう?
    まあいいや、とりあえずはその辺歩いてよう。
    (腕が生まれつき一つの巨人族とかいう珍しいにもほとがある存在なのでめっちゃ注目を浴びる)
    ……散歩やめとくべきだったかな

  • 73ナギサ24/03/13(水) 22:28:28

    血属性あれば身長縮められたのかな?
    まあ、この辺は考えるだけ無駄かな

  • 74ナギサ24/03/13(水) 22:36:07

    (王宮の庭にて)
    うーん失敗……(身長を縮めようと実験を繰り返していた)

  • 75ぼっち24/03/14(木) 20:50:03

    酒場の主( ・3・)「確か……教会で人殺しがあったって話が広まって……そのあと、犯人が3人も自首したって噂が出たときには、まだあの子はここにいたね」

    ク「ふむ……?」

    ダミアン氏とジルタラソン神父が警察に行ったあと、クローイさんは行方知れずになったと……。

    となると……少なくとも、容疑者ふたりのどちらかがクローイさんに何かした、というわけではなさそうですね……。

    ク「ふむ? 何か不都合があって、クローイさんが犯人に口封じされたとか、監禁されたとか、そういうことを想像したのか?」

    はい、その種のことを危惧しました。場合によっては、シスター・ネゾもあらためて疑わないといけないかも、とも考えましたね。

    しかし、物事の順番からして、どうもそういうことはなさそうです……クローイさんは、自発的に失踪した可能性が高そうだ……。

    (私は懐からメモ帳を取り出し、出来事をひとつずつ書き込んでいく。時系列を確認するためだ)

    ・シスター・ネゾが自室のベランダから鉢植えを落とす

    ・フィリップ・ピュイ氏が殺される

    ・シスター・ネゾが死体を発見

    ・シスター・ネゾが警察に通報、事故でピュイ氏を死なせたと自首

    ・ダミアン氏とジルタラソン神父が、自分が殺したと自首

    ・クローイさん失踪

    (今持っている情報から組み立てると、だいたいこうなるだろうか?)

    クラージュ様、警察の情報を持っているあなたにも確認していただきたい。事件はこのように推移していると考えてよろしいですか?

    ク「どれどれ? うん、うまくまとめられているようだ」

    (クラージュ様は私のメモを見て、小さくうなずいた)

    (そして、彼女はひと言、こう付け加える……)

    dice1d4=2 (2)

    1、「より細かく言うなら、シスターの自首とダミアン氏の自首はほぼ同時だった。ジルタラソン神父は翌日に自首してきた」

    2、「シスターの自首とジルタラソン神父の自首はほぼ同時だった。ダミアン氏は翌日に自首してきた」

    3、「シスターの自首の翌日に、他のふたりが自首してきた」

    4、「それが、一番最初に自首してきたのはdice1d2=1 (1)  (1、ダミアン 2、ジルタラソン)なんだ」

  • 76ぼっち24/03/14(木) 21:10:43

    ……シスター・ネゾと、ジルタラソン神父の自首が同時?

    ク「うん、警察の資料にはそう書いてある。事件の日の夕方に教会から通報があり、警官が駆けつけると、シスター・ネゾが自分の仕業だと言った」

    ク「しかし、それとほぼ時を同じくして、ジルタラソン神父が警察署を訪れ、教会でピュイ氏を殺したと言ったんだそうだ」

    ク「ダミアン氏が自首したのは、その翌日だね」

    ううん? んー? となると……どういうことでしょう?

    ジルタラソン神父が犯人なら、自首しながら殺人の状況について間違いだらけのことを言い、しかも自首と同時に事故で死体が発見された?

    シスター・ネゾが犯人なら、事故でピュイ氏を死なせたと同時に、ジルタラソン神父がでたらめを言いながら自首をしたと……?

    (ちょっとわけがわからなくなってきたぞ……?)

    (誰かが誰かをかばっているとか、誰かが何か途方もない勘違いをしてるとか、そういったことを考慮に入れてもなんか無茶苦茶だ)

    ク「うん。私もわけがわからない。警察もどれだけ途方に暮れてるか、察してもらえるかい?」

    ……しかもさらに、ダミアン氏まで自首してくるし、さらにはクローイさんまでいなくなった。

    空から糸が何本も垂れてきて、そのすべてが絡まり合っていくかのようですね……どう考えればいいのやら……。

    (私とクラージュ様は、ほとほと参ってため息をついた)

    酒場の店員(ノ゚∀゚)ノ「あ、見て見て店長! お外! すごい大きな巨人さんがいる!>>72

    酒場の主(*´ω`)「おっ、本当だ! 10メートルはありそうだな……この街にはいろんな人種がいるが、あんな巨人は珍しいぜ!」

    (私たちが沈黙している間、酒場の人たちは店の前を通りかかった巨人の人を楽しそうに見上げていた)

  • 77二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:13:55

    このレスは削除されています

  • 78ぼっち24/03/14(木) 21:28:47

    ……うん。

    とりあえず、わけがわからないなら、わかるようになるまで情報を集めるべき、ですね。

    ク「その通りだ。今の私たちは、ピースの足りていないジグソーパズルの全体像を想像しようとしているようなものだ」

    ク「まずピースを見つけないことには、どうやっても完成なんてさせられない。手掛かり、手掛かりをつかむのが最優先だ」

    見えなくて、しかしどこかにあるもの……今まさに、それにふさわしい状況にある人がいますね。

    ク「うん。クローイを優先して探すことにしよう。……ご主人、あなたのところの失踪した従業員について、もう少し話を聞きたいんだが」

    酒場の主( ゚ε゚;)「ううん? あのサボり魔のクローイよりは、こっちの巨人さんの方が気になるんだが」

    酒場の主( ´Α`)「まあそれは冗談としても、クローイ……クローイについて、ねえ……」

    dice1d4=4 (4)

    1、主「うちの店の2階にクローイは下宿してるんだ。部屋の鍵を開けるから、中を見てみたらどうかな」

    2、主「クローイのやつはサボるときはいつも郊外の草原に行くんだ。そこを探してみたら?」

    3、クローイ「店長ただいまー。面倒ごとが片付いたから帰ってきたよ!」

    4、警官「大変だクラージュさん! クローイが自殺を試みた!」

  • 79ぼっち24/03/15(金) 23:11:15

    警官( ; ゚Д゚)「あっ、クラージュさん! ここにいた! 大変なんだ!」

    ク「あなたは、私と同じくこの事件を担当しているお巡りさん! そんなに慌てて、どうしたんです?」

    警官(。>д<)「ジルタラソン神父の妹で、ダミアン氏の交際相手だったクローイという女性が病院に担ぎ込まれた! どうやら自殺しようとしたらしい!」

    な、な、何ですって……!?

    酒場の主((( ;゚Д゚)))「えええっ、クローイちゃんがぁ!?」

    ク「……なるほど、確かに一大事だ。状況を詳しく教えてください」

    警官(;´_ゝ`)「ええ、もちろん!」

    (以下、警官が教えてくれたクローイさんの自殺の状況)

    場所:dice1d4=3 (3)

    (1、クローイの住んでいるアパート 2、郊外の山の中 3、旅館 4、教会)

    方法:dice1d4=1 (1)

    (1、服毒 2、首吊り 3、投身 4、自爆)

    遺書:dice1d2=1 (1)

    (1、あった 2、なかった)

    その他、特筆すべきこと:dice1d4=1 (1)

    (1、不自然な大金を持っていた 2、血のついた鈍器を持っていた 3、持っているべき金がなかった 4、旅行道具が揃っていた)


    クローイの怪我の重さ:dice1d100=80 (80)

    (30未満で話ができる程度に軽傷。50未満で死にはしないが、意識不明。それ以上で死亡……)

  • 80ナギサ24/03/17(日) 10:07:31

    【ナギサは身長を縮めることができたか

    dice1d100=90 (90)

    80以上で成功

    その場合の身長は

    120+dice1d50=15 (15)

  • 81ナギサ24/03/17(日) 10:09:26

    …………やった!ようやっと成功した!

    【なお服は鉄で作った糸で編んだ】

    【これが今後戻るか

    dice1d100=44 (44)

    95以上99以下で時間経過で戻る それ以外なら任意で戻れる】

  • 82ナギサ24/03/17(日) 10:19:25

    【隻腕なのでこの姿でも目立ちはする】

  • 83ぼっち24/03/17(日) 20:52:11

    警官(;´_ゝ`)「なんとも奇妙な状況だ。クローイは駅の近くの旅館の一室で、自殺を試みたんだ」

    ク「旅館……? 自分の家とかではなく?」

    警官( ´゚д゚)「宿泊していた。そばの駅は、2日に1本だが、外国行きの乗り合い馬車も出ているところだ。それに乗ろうと考えていた可能性が高い」

    警官(。´Д⊂)「しかし、馬車には乗らずに、部屋の中で毒を飲んだ。とても強い睡眠薬で、1錠飲めばいいところを5錠も飲んで……」

    ……苦痛の少ない自殺方法というわけですね……病院に担ぎ込まれたとのことですが、助かりそうなのですか?

    警官(´・ω・`)「いや、駄目だった。倒れてるのを発見された時点で、もう手遅れだったみたいだ」

    ク「自殺の動機は? 遺書のようなものはあったのか?」

    警官( ゚ε゚;)「あった。でも、これがまた奇妙なんだ」

    警官( ゚д゚)「クローイは旅行用品の入ったバッグの他に、革張りのケースを持っていてね。その中に、大量の金貨が詰まっていたんだ」

    ……き、金貨?

    警官(;・ω・)「金貨。エーブリエタースの1等地に、庭付きの家が1件買えるくらいの」

    警官(;・∀・)「そして、その金貨の上に、遺書らしい文章が書かれた便箋が乗ってたんだ。……文面はこれ」

    『私は死への道を行く。さようなら。このお金は自由に使ってください』

    ク「なるほど。大金を置いて自らの命を断つ、という決意を端的に表現しているね」

    しかし、これだけでは、なぜ死のうという気になったのか、その理由がわかりませんね……。

    それに、遺された金貨が何なのかもわかりません。クローイさんという人は、そんなにお金持ちだったんですか?

    警官( ・ω・)「ああ、そのお金はね……調べてみたところ……」

    dice1d4=4 (4)

    1、フィリップ氏が最近、宝くじで当てたものだとわかった

    2、ジルタラソン神父が管理していた教会の運営資金の一部だということがわかった

    3、ダミアン氏が投機で稼いだものだとわかった

    4、非常に古い金貨で、長年土の中に埋められていたものらしい……

  • 84ぼっち24/03/19(火) 21:01:10

    警官(*´・ω・)「どうも、最近流通している金貨じゃないみたいなんだよね。刻印からして、100年とか200年とか以上昔のものだって」

    警官( ´Α`)「しかも、かなり土で汚れていたし……ずっと地面に埋められていたのを、最近発掘したんじゃないかって言われてるよ」

    えええ……埋蔵金の類い、ってことですか……?

    ク「店長さん、クローイという人は、遺跡の発掘などを行う人だったのか?」

    酒場の主( ; ゚Д゚)「いやいやいや、そんな泥臭いことやる子じゃなかったよ。せいぜい、教会で花壇の世話をするぐらいじゃないかな」

    ……教会で?

    酒場の主(*´・з・)「ああ、クローイちゃんの彼氏の親父さんが、教会の熱心な信徒だったろ。点数稼ぎのつもりで、あの子も教会にボランティアに行ってたのさ」

    酒場の主( ´Д`)「女の子だけど若いからね。庭仕事みたいな力使う仕事をよくやってたみたいだよ。土を掘って肥料を混ぜたり、花の苗を植えたり……」

    酒場の主(´・ω・`)「そういえば少し前に、枯れた大木の切り株をどけて、新しい花壇を作る作業をするんだとか言ってたっけ……」

    ……ずっと掘られていない土を掘り返す仕事を、クローイさんはやる予定だったのですか? それは……ひとりで?

    酒場の主( ;´・ω・`)「さあ、そこまでは……でも普通に考えりゃ、花壇広げるなんて大仕事、ひとりだけでやるったこたないんじゃないの?」

    ええ……まったくその通りですね……。

    ク「エメラチェリー……今の話、聞いてたけど……なんか、繋がってないか?」

    待って、クラージュ様。結論を出すにはまだ早いです。

    でも、何を確認すればいいかは、ほんのり見えてきたような気もします。

    ク「ああ、確かに。どこから手をつける?」

    クローイさんの花壇を広げる仕事について、詳しく知りたいです。

    その作業はいつ行われたか? クローイさん以外に参加者はいたのか? いたとしたら誰か?

    警官( -∀・)「教会の人間に聞けば、その辺はすぐわかりますね。行ってきましょう」

    (聞き込みの結果、花壇拡張作業の詳細は……)

    dice1d3=2 (2)

    1、ピュイ氏殺人事件当日、クローイとピュイ氏によって行われた

    2、ピュイ氏殺人事件前日、クローイとピュイ氏とシスター・ネゾによって行われた

    3、ピュイ氏殺人事件前日、クローイとピュイ氏とジルタラソン神父によって行われた

  • 85ぼっち24/03/21(木) 00:18:49

    警官( ´∀`)「調べてきたー。どうやら、花壇拡張作業を担当したのは、ピュイ氏とクローイ、そしてシスター・ネゾだね」

    ネゾ……鉢植えをベランダから落として、ピュイ氏を死なせたと主張している人ですね?

    ク「ああ、その通りだ」

    私は彼女と同じ教会に所属していますが、あまり交流したことがありません……顔を何度か合わせたことがある程度ですね。

    確か、若い女性で……髪はブロンドではありませんでしたか?

    ク「いかにもその通り。私も取調室でお顔を見たけど、ヴェールで隠してないと、けっこうウェイビーでボリュームのある髪をしていたね」

    ふむ、ふむ……お巡りさん、花壇拡張作業が行われたのは、いつでしたか……?

    警官( ノ^ω^)ノ「ピュイ氏殺しの前日。もっとも、枯れた切り株を取り除いたところで終わって、完全には終わらなかったみたい」

    警官( ´∀` )b「その場所を見てきたけど、かなり大きな穴が空いてた。あと、クローイの所持してたのと同じ古い金貨が、土の中から数枚見つかったよ!」

    ク「金貨の出どころは、どうやら確定だな。あとはそれが、どう事件に関わるかだが」

    ええ……もしかしたら、その金貨がこの事件の引き金となったのかもしれません……。

    ……ふむ……あの人がこう思って……この人がこういう反応をするとしたら……ううん……。

    (大量の絡まり合った糸が、少しずつほぐれていくようなイメージが頭の中に浮かぶ)

    (次に手をつけるべきは……)

    ……ダミアン・ピュイ氏に質問をしたいです。

    ク「ふむ? 彼に何を聞きたいと?」

    dice1d4=4 (4)

    1、あなたはジルタラソン神父をかばっていますか?

    2、あなたの婚約者は普段から睡眠薬を利用していましたか?

    3、あなたはクローイに「逃げろ」とアドバイスしましたか?

    4、もしかして、金貨のケースに遺書みたいな便箋を入れたのはあなたですか?

  • 86ぼっち24/03/21(木) 21:42:50

    警官( ゚ε゚;)「え? ダミアンが?」
    ク「あの便箋は、クローイの遺書じゃないというのか?」
    確信はありませんが、遺書ではないと思います。
    クローイさんは遠くへ行くための馬車に乗れる駅の近くに宿を取って、そこで亡くなりました。
    彼女がやろうとしていたのは国外への逃亡であって、自殺ではなかったのではないでしょうか?
    それに、便箋には自分の名前も、誰宛てなのかも書いていなかったのでしょう?
    遺言だとしたら、『このお金は自由に使ってください』という書き方では、誰に残したものなのかわからない。とても不親切です。
    ……その便箋の文章で意味が通じるとしたら、特定の誰かだけに読ませることを考えて書かれた場合です。
    人の荷物に便箋を入れておけば、荷物の持ち主だけがそれを読むことになります。
    つまり、問題の便箋はクローイさんに読んでもらうために書かれたものではないかと思うんです。
    なら、誰がそれをしたのか?
    何人か候補はいますが、ダミアン氏なら、クローイさんが行方不明になる直前に接触することができますね?
    ク「うん……ジルタラソン神父やシスター・ネゾは、早いうちに自首して警察署にいたからな」
    警官(,,・д・)「事件後にクローイと接触できる関係者となると、ダミアンということになるね」
    ク「しかし、だとしても、どうしてダミアンは自分の婚約者の荷物に、そんな便箋を入れたんだ? しかもなぜ、自首をしたんだ?」
    ……私は、ダミアン・ピュイという人のことをまったく知りませんから、無責任な想像をするしかありません。
    でも、取り調べの様子を聞く限り、親しい相手であっても気に入らないことをしていたらムカッ腹を立てる……そういう人物ではないか、という印象を受けました。
    警官( ; ゚Д゚)「あー……わかる。親父さんと普通に仲良くやってたけど、婚約者のことで口出しされるのだけはムカつく……みたいな感じだわあいつ」
    クローイさんに対しても、同じように気に食わないことがあったのではないかと私は考えています。
    そして、それは恐らく、事件と金貨に関連した何かしらなんです……。

  • 87ぼっち24/03/21(木) 22:44:57

    ──警察署・取調室──
    ダミアン(;´Д⊂)「クローイが……死んだ……俺が、あんな手紙を書いたせいなのか……?」
    警官( ・-・)「その手紙というのは、この便箋か?」
    ダミアン( ´゚д゚)「ああ、そうだ……親父が死んだ日の夜、クローイのやつが山ほどの金貨を見せびらかしてきたんだ」
    ダミアン( `д´)「『実は臨時収入があったの。お義父様が亡くなったことは悲しいでしょうけど、これからはふたりで楽しい未来を築いていきましょう』ってよ」
    ダミアン(#`皿´)「俺はクローイの陽気なところが好きだった。でも、その明るさは無神経と表裏一体のものなんだって、そのとき初めて気付いたのさ」
    ダミアン(-""-;)「俺の親父は死んだし、クローイの兄貴のジルタラソンは自首したってのに……そんなときに楽しい未来とかほざくアイツのことが、俺はたまらなく気に入らなかったんだ」
    警官(・ε・` )「それでなぜ、あんな便箋を?」
    ダミアン(`へ´*)「『テメーにとって今の状況が喜ばしいなら、ひとりでカネ持って好きなところに歩いていけよ』って意味を込めたのさ」
    ダミアン(#゚Д゚)「アイツの金貨ケースに便箋を差し込んで、その足で警察に自首しに行ったんだ」
    警官(#・∀・)「あ、そこも詳しく聞かせろ。ぶっちゃけるが、我々はお前がピュイ氏殺しについて自首したくせに、ウソばかりついてると考えている」
    警官(*`ω´*)「本当は何を知っているのか? 何がしたいのか? この際、隠してることを全部吐いてもいいんだぞ?」
    ダミアン( ´゚д゚)「このことについては……マジで申し訳ない」
    ダミアン(;´_ゝ`)「半分はヤケっぱちだったが、ジルタラソンのやつが不憫でよ……助けてやれないかと思ったんだ」
    警官( ゚ー゚)「というと?」

  • 88ぼっち24/03/21(木) 23:24:17

    ダミアン(´・ω・`)「あの神父は妹と違って真面目なやつさ。うちの親父を殺すわけがない。きっと、何かを誤解してるんじゃねえかな」

    ダミアン( ´-ω-)「しばらくすりゃ、間違ってる何かに勝手に気付く。でも、街で噂を聞くと、犯人はジルタラソンで確定になっちまいそうな雰囲気だ」

    ダミアン( >Д<;)「だからこう……俺がウソの自首をすることで、時間稼ぎできねえかなと考えたんだ。未来の義兄に、監獄行きになって欲しくなかったんだよ」

    警官( ゚皿゚)「ウソの自首なんかして、お前が監獄行きになるとは思わなかったのか?」

    ダミアン(´ω`)「思わない。俺、犯人じゃないし、証言もウソっぱちだったし。警察の人なら絶対、俺がデタラメ言ってるって判断すると信じてたよ」

    警官(^ω^#)「法の番人としてあれだが、俺今お前をすっごくぶん殴りたい」

    ダミアン(´・ω・`)「ごめんて」


    ……………………


    ク「ダミアンは、あの様子だと事件に無関係なのか……?」

    たぶんそうだと思います。彼なりの思惑こそあったのでしょうが、結局、彼の行動は事件を見えづらくした。

    でも、だからこそ取り払えば、正しい道も見えてきます……きっと。


    ……………………


    警官( ゚皿゚)「とりあえずお前は、お前の父さんを殺してないし、クローイの死にも関わってないでOK?」

    ダミアン(;Д;)「ああ。俺は親父を殴ってなんかいない。でも、クローイは……クローイは……俺が嫌味を込めた手紙なんか書いたから、自殺したのかも……」

    警官(´・ω・)「お前から見て、クローイはどういう人間だった? お前に拒絶されたら自殺するほど思い詰めるか?」

    ダミアン( ´△`)「……よく考えたら、ノーだね。アイツは物事にこだわらねえ。楽したがるし嫌なことはサボりたがる。俺とケンカしても、悪びれねえし長く怒り続けることもない」

    ダミアン( ・3・)「自殺するくらいなら、3日ぐらい家出して遊びまくって、憂さ晴らしてからケロッとして帰ってくるよ」

    警官( ´д`)「なるほど、よくわかった……」

  • 89ぼっち24/03/23(土) 01:30:31

    ク「ダミアンは、非常に参考になることを聞かせてくれたね」
    ええ。事件が起きた頃と比べると、状況はだいぶ変わっています。
    今、尋問をやり直せば、かなり違ったことが聞けると思いますよ。
    ク「ならば、次は……?」
    ジルタラソン神父に。彼もきっと、違う証言をするはずです。

    ……………………

    ジルタラソン(;´Д⊂)「私は……駄目な兄です。あの子のために、何もしてやれなかった……何も……」
    警官(´_ゝ`)「本当のことを話してくれますね? 今まで言っていたデタラメではなく」
    ジルタラソン(´・ω・`)「はい。あのとき……ピュイ氏が殺されたとき……私は、中庭を見下ろす鐘楼の上にいたんです」
    ジルタラソン(´・ω・)「ふと下を見ると、ピュイ氏が中庭にいました。彼は怯えているようで、南側の壁にすがりつくようにしていました」
    ジルタラソン(。´Д⊂)「彼と向かい合うようにして、女が立っていました……豊かな金髪の女です……そいつは手に金づちを持っていて、それを振り上げて……」
    ジルタラソン(´;ω;`)「止めるどころか、声をかける暇さえありませんでした。私の見ている前で、彼女はピュイ氏を一撃で殴り殺し、すぐに逃げていったのです」
    警官( `д´)「そんな光景を見ていながら、なぜあんたはウソの自首なんかしたんだ!?」
    ジルタラソン。゚(゚´Д`゚)゚。「犯人が妹のクローイだったからですよ!」
    ジルタラソン(´;д;`)「後ろ姿しか見ていませんが、あの金髪は妹の髪と同じ色だと感じました。そして、妹はピュイ氏にひどく嫌われていた」
    ジルタラソン(/´△`\)「人当たりのいいピュイ氏を殺したいと思う人間なんて、滅多にいません。妹は唯一といっていい例外です。私は、妹の殺人を目撃したんです」
    ジルタラソン(;つД`)「あいつは……馬鹿なことをしました……でも、それでも私の妹です……犯罪者として警察に突き出す気には、なれませんでした……」
    警官( ;´・ω・`)「だから、かばったのか。自分が捕まって、妹の代わりをつとめようとしたのか」
    ジルタラソン(ノд`;)「はい。しかし……クローイは普通に捕まっていた方が……長く生きられたかも知れませんね」
    ジルタラソン(´ノω;`)「まさかあいつが自殺するなんて。そんなことをするようなナイーブなやつだなんて、思いもしなかった……」

  • 90ぼっち24/03/24(日) 19:47:41

    警官( ・ω・)「あなたの妹さんは普段、睡眠薬を飲んでいましたか?」
    ジルタラソン( ´-`)「ええ。クローイは夜更かしするクセがあって……そのせいでよく寝坊して、酒場の仕事に遅刻していたんです」
    ジルタラソン( ´△`)「だから仕事の前の晩は、睡眠薬を飲んで、無理やり早寝していたんです。そうすればちょうどいい時間に起きれるって……」
    警官( 。゚Д゚。)「そのことは確かですか?」
    ジルタラソン(*´・ω・)「親しい人間ならみんな知ってますよ。あいつ、おしゃべり好きでしたから、誰にでも話してました」
    ジルタラソン(´・ω・`)「疑うなら、✕✕通りの薬局に聞いてごらんなさい。妹はいつもそこで薬を買っていましたから」
    ジルタラソン(;´Д⊂)「1回に5錠を飲む、弱めだけど体への負担が少ない睡眠薬だそうで……」
    警官( ; ゚Д゚)「えっ」

    ……………………

    ……お巡りさん……お巡りさん!
    ジルタラソン神父に、クローイさんの交遊関係を尋ねてください!
    彼女はシスター・ネゾと仲がよかったのか? クローイさんの家に、シスター・ネゾが訪れるようなことがあったのかどうか!?

    ……………………

    警官( ;`Д´)「そこんとこ、どうよ?」
    ジルタラソン(*´・з・)「クローイとシスター・ネゾですか? ええ、仲良しですよ。幼馴染みで……今でも親しく友人付き合いをしているはずです」
    ジルタラソン┐('~`;)┌「クローイのやつ、ズボラだから……たまにネゾに部屋の掃除を手伝ってもらってるとか、悪びれもせず言ってましたね……まったく!」
    警官(´゚д゚`)「…………」

  • 91ぼっち24/03/24(日) 20:31:10

    クラージュ様……いくつか、調べてほしいことがあるのですが……。
    ク「よしきた。何が知りたい?」
    薬局で、シスター・ネゾが睡眠薬を買っていないかどうか。
    教会周辺の銀行で、シスター・ネゾが事件前日に貸金庫を借りていないかどうか。
    事件前日のクローイさんの行動を、可能な限り詳しく。
    2番目については……貸金庫でない可能性もありますが……安全にものを隠せる場所となると、可能性が高いのは、やはり銀行だと思いますね。
    ク「ああ、わかった。……そういうことを調べるということは、あなたはもう確信しているみたいだね?」
    はい……ほぼ間違いないと思います……。
    この事件の犯人は……シスター・ネゾです……。

    ……………………

    事件前日……フィリップ・ピュイ氏とクローイさん、そしてシスター・ネゾが、教会の花壇を広げる作業を請け負ったことが……すべての始まりでした。
    枯れた木の根元を掘り起こしていたときに、彼らは埋蔵されていた金貨の山を発見したのです。
    それを誰が埋めたのかは、誰にもわからないでしょう……枯れた木が苗木だった頃……恐らく、100年以上昔の物語でしょうから。
    さて、3人は思いがけなく手に入った財宝をどうしたか?
    まず容易に想像できるのは、フィリップ・ピュイ氏の意見です。
    彼は、我が教会の敬虔な信徒でした。そして教会では、清貧を心がけ、過剰な財産を持たないようにすべしという考え方を良しとしています。
    ピュイ氏は、金貨を自分の物にしようとは思わなかったでしょう。それは信仰に反することです。
    「金貨が埋まっていたのは教会の庭なのだから、全部教会に寄付しよう」と彼が主張したと考えるのは、不自然なことでしょうか?
    とても清らかで、賞賛されるべき考え方です……しかし……他のふたりは、それを聞いてどう思ったでしょう?

  • 92ぼっち24/03/24(日) 21:00:19

    クローイさんは、ピュイ氏の息子であるダミアンさんと結婚したがっていた。
    でも、彼女はピュイ氏から嫌われていた……酒場勤めという仕事が不真面目なものだと、氏は考えていたからです。
    結婚を許してもらうため、クローイさんはボランティアに参加したりして、ピュイ氏からの印象をよくしようと努力していました。
    そんなときに、金貨の山を見つけたとして……「欲しい!」などと言えるでしょうか?
    将来の義父の軽蔑を買わないために、クローイさんは沈黙を選んだと思います。……本心でどう思っていたにせよ。
    そして最後のひとり、シスター・ネゾは教会の人間です。清貧を美徳とする宗教を信仰する者として、当然、ピュイ氏の提案に賛成したことでしょう。
    全員の意見は一致し、発掘された金貨は残らず、教会に預けられることになりました……。
    ク「……でも、そうはならなかったんだね?」
    はい。
    恐らく……いえ、ほぼ確実に……金貨を手放すという考えに賛成していたのは、ピュイ氏ひとりだけだったのじゃないかと思うのです。
    クローイさんだけでなく、シスター・ネゾも、本心では降って湧いたカネを寄付したくなかった。自分の物にしたいと思った。
    思っただけでなく、金貨を手に入れると決めて、具体的な計画を立てたんです。
    ク「その計画とは……?」
    まず、シスター・ネゾは金貨をすべて預かりました。
    教会の人間である自分が、責任を持ってこの発掘物を教会運営者に届けると言ってね。
    極めて自然なことです……ピュイ氏はまったく疑わなかったでしょうし、クローイさんも反対できなかったでしょう。
    3人の発掘者以外、誰も知らない大金が、この時点でシスター・ネゾの懐に入った。
    ──あとは、残りのふたりを殺してしまえば、金貨はすべて自分のものだ──。

  • 93ぼっち24/03/24(日) 21:36:08

    ピュイ氏やクローイさんが金貨発掘の話を言いふらさないうちに、素早くことを運ぶ必要がありました。
    まず、金貨を隠す。これこそが殺人の動機、誰にも存在を知られたくないものだからです。
    絶対に人目につかず、安全なのは銀行です。彼女は貸金庫を借りて、そこに金貨をしまいます。
    次に、薬局を訪ねて、そこで睡眠薬を購入します。
    クローイさんが常用している睡眠薬を、友人であるシスター・ネゾは知っていました。
    それは1回5錠を飲む弱い薬でしたが、シスター・ネゾが求めたのは、クローイさんの薬と見た目だけ似ている、1回1錠を飲めばいい強い薬でした。
    その薬を持って、シスター・ネゾはクローイさんの自宅を訪ねます。
    そこでふたりがどんな話をしたのかはわかりません。しかし確実に言えるのは、シスター・ネゾがクローイさんの睡眠薬を、自分の買った強い睡眠薬と取り替えたということです。
    夜になって、クローイさんがいつもの感覚で薬を5錠飲めば、彼女は朝までに死んでしまうでしょう。死因はもちろん、睡眠薬を飲み過ぎたことによる事故死です。
    その翌日に、ピュイ氏殺しが行われました。
    シスター・ネゾは教会の中庭にピュイ氏を誘い出し、金づちで撲殺しました。
    充分に注意してはいたのでしょうが、不運にもその光景をジルタラソン神父に目撃されました。
    ジルタラソン神父は、犯人の後ろ姿だけを見て、それをクローイさんだと思い込みましたが……それはクローイさんが豊かな金髪の持ち主だったからこそ起きた誤解です。
    クローイさんもシスター・ネゾも、豊かな美しい金髪の持ち主です。それでいて、クローイさんはピュイ氏と仲が悪かった。
    ジルタラソン神父が誤解をしても、まあ仕方のないことでしょう。
    ジルタラソン神父は、妹をかばうために警察に自首しました。そして、シスター・ネゾも、植木鉢の落下による事故でピュイ氏を死なせたと言って、ほぼ同時に自首します。

  • 94ぼっち24/03/24(日) 22:01:56

    ク「シスター・ネゾは殺人を事故死に見せかけたかったんだな……ん?」
    ク「しかし、それだとおかしいぞ。ピュイ氏殺しの前日に、クローイのところに強い睡眠薬を持っていったはずなのに、彼女はピュイ氏の死後も生きている」
    ク「それだけじゃなく、クローイは金貨を持っていた。これはいったい……?」
    クローイさんも、金貨を諦めきれなかったんですよ。
    シスター・ネゾがクローイさんの家を訪ねて、睡眠薬を取り替えて、帰っていったあとで……クローイさんは恐らく、夜中に教会に舞い戻ったのだと思います。
    ク「えっ……な、なんで?」
    花壇の土の中に、金貨の残りがまだ埋まってないか探しに行ったんですよ。
    ほら、お巡りさんが花壇を調べたとき、まだ金貨が残っていたでしょう。
    シスター・ネゾが預かった金貨は、埋蔵金の全部じゃなかった。掘り残しが、きっとたくさんあったんです。
    クローイさんはそれを見つけ出すことに成功した。意外とたくさんあったそれを、革のケースにしまい、持ち帰った。
    そうして真夜中まで起きていなければいけなかったから、その日、クローイさんはすり替えられた睡眠薬を飲むことはなく……結果として、死なずに済んだ……。
    ク「そういうことか。ピュイ氏が殺されたあと、クローイはダミアンにその金貨を見せびらかした……もう誰にも没収されることのない、自分だけの戦利品を……」
    父親を亡くして落ち込んだ彼を元気づけたかったのか、邪魔者がいなくなったことを喜んで気が大きくなっていたのか……どちらにせよ、無神経な行動でしたね。
    クローイさんはこのことでダミアン氏の不興を買い、皮肉たっぷりの手紙を送られた。しかも、ダミアン氏はその足で、警察に意味不明な自首をしに行った。
    クローイさんにとっては、とても怖かったでしょう。
    ク「恋人に嫌われたからかい?」
    それもあるでしょうが……自首したダミアン氏が、出どころ不明の金貨のことを、警察に通報するんじゃないかと思ったんじゃないでしょうか?
    せっかくこっそりかき集めたこの金貨まで取り上げられては、たまったものじゃない。
    そう思ったクローイさんは、自分を嫌った恋人に見切りをつけて、金貨を持って外国に逃げることを決めたんです。

  • 95ぼっち24/03/25(月) 18:41:30

    クローイさんは荷物をまとめて家を出て、駅の近くの旅館に泊まった。
    翌日の朝早く、乗り合い馬車に乗って外国に行くつもりだった。
    馬車の時間に遅れてはいけないので、睡眠薬を飲んで早く寝ようと考えた。
    いつも通り、薬ビンから5錠を出して口に入れて、床に着いた……。
    いつも通りでなかったのは、飲んだのがシスター・ネゾによってすり替えられた、強い睡眠薬だったことです。
    こうしてクローイさんは、シスター・ネゾの狙いより少し遅れて亡くなりました。
    革ケースの中の古い金貨や、遺書に見える便箋といった奇妙な道具立てを持ったまま。
    捜査する側にとっても意味不明でしたが、犯人としてもわけがわからないものだったでしょうね……彼女の死に様は……。
    ク「それが、この事件のすべてか。3人の異なる容疑者の自首という謎からスタートした殺人事件は、すべての霧が取り払われたんだな」
    はい。絡まり合った糸も、ここまで解きほぐされれば、あとはもう何の問題もないでしょう……。

    ……………………

    警官(`ω´)「あんた名義の貸金庫から、多量の古金貨が発見された。薬局の店員は、事件の前日、あんたに1錠で効く強い睡眠薬のビンを売ったと証言した」
    警官(`Δ´)「シスター・ネゾ。申し開きはあるかね」
    ネゾ(-_-)「なるほど……ああ……何がどうして、こんなことになったのか……ずっと疑問に思っていましたが、そういうことだったんですね……」
    ネゾ(-""-;)「誰も彼も、余計なことばかりして……それさえなければ……どちらも事故死で片付いていたはずなのに……!」
    警官(#゚Д゚)「おいおい、その恨み言はお門違いってもんだろう」
    警官( ・3・)「一番最初にやっちゃいけないことをやったのは、他ならぬあんたじゃあないか」
    (──シスター・ネゾは、2件の第1級殺人の容疑で逮捕された……)

  • 96ぼっち24/03/26(火) 23:28:19

    (事件解決を見届けて、私たちは教会に帰ってきた)

    ク「……終わったな」

    ええ。教会の人間が犯人だったのは残念ですが、これで信徒たちの不安も晴れるでしょう。

    ク「教会は安らぎの場だからね……疑念で曇り続けているのはよくないことだ」

    ク「死者の魂もそうだ。真相が明らかになっても、被害者たちは帰ってこないけれど……せめて根源の渦の中で、傷ついた魂が少しでも慰められていて欲しい」

    ……………………。

    (私は死後の世界について、あまり考えたことはない)

    (死ぬ気はまったくないからだ。だから、死者の魂の行く末についても、あまり想像がつかない)

    (根源は本当にあるのだろうか? あるとして……私自身はけっして行きたくないが……そこで魂はどうなるのだろう?)

    ク「私はことの顛末を、騎士団長に報告してくる。エメラチェリー、あなたは?」

    私は……そうですね、部屋に帰って休みます。少しばかり、疲れました……。

    ク「うん、仕方のないことだ。ゆっくり休んでくれ」

    ク「手伝ってくれて、本当にありがとう」

    (クラージュ様と別れ、部屋に戻る)

    (達成感はあったけど、それ以上に疲労感がある)

    (私は星喰学派)

    (本質的には殺人者を捕まえる側ではなく、殺人をして隠蔽する側なのになー……)

    (ベッドに寝転び、私が思うことは……)

    dice1d4=1 (1)

    1、捕まることは恐ろしい。しばらくは星喰学派としてでなく、シスターとして行動を続けよう

    2、死ぬことは恐ろしい。星喰学派として、まぞくになることを急ごう

    3、殺されることは恐ろしい。誰かに襲われても反撃できるよう、魔法の腕を鍛えないと

    4、🦔「よう。なかなかお手柄だったようじゃな」

  • 97ぼっち24/03/28(木) 20:18:33

    (捕まるのは恐ろしいことだ)

    (罪をおかすことについては今さら言うまい。ぶっちゃけ私はシスター・ネゾより多くの人を殺している)

    (繰り返すが、恐ろしいのは捕まることである。罪よりも罰である)

    (私はこれまでは、運良く捕まらずに済んでいる。しかし、今後も同じ幸運が続くだろうか?)

    (私は長生きをしたい。もちろん、捕まって縛り首になるようなことは望ましくない)

    (マッドネスを続けて、まぞくになることを諦めるつもりはないが……)

    ……今は、ちょっとゆっくり過ごすか……。

    あまり急ぎすぎて、自分の身を危険に晒すのも本末転倒だしな……。

    (教会の穏やかな雰囲気、ゆっくりと流れる時間は嫌いではない。……クラージュ様もいるし)

    (お布団をかぶって、安らかに眠りにつく)

    (安楽な日常こそ、私にとっての幸福だ)

    (明日もシスターとして、平和に日々のおつとめを果たそう……)

    (……(。-ω-)zzz)

    (そして翌朝)

    (いつも通りの、一日が始まる)

    dice1d4=1 (1)

    1、噂好きなシスターたち(* ゚∀゚)* ゚∀゚)* ゚∀゚)「「「ねえねえ! あの事件の話聞かせてよ!」」」

    2、出版社の人( ´∀`)「ミステリー作品、書いてみる気ありません?」

    3、エーブリエタース全体に、宝発掘ブーム到来!

    4、ク「なんかまた、変な殺人事件が起きたらしくて……警察が私たちに捜査協力を求めてきたよ……!」

  • 98ぼっち24/03/29(金) 21:45:26

    シスター1( ^Д^)「へイユー! 例の殺人事件の解決に一役買ったんだって!?」

    シスター2( ≧∀≦)「我々は下世話な噂話や刺激的なニュースが大好きなシスター連合!」

    シスター3( ´∀` )b「テメーをお茶に招待して、いろいろ聞き出せる限りの情報を絞り取ってやるぜ!」

    う、うわああああぁぁぁぁっ!?

    昼のおつとめを終えた途端に、寄ってたかって拉致されてしまったッ……!

    うううっ、害意は感じないけど、たくさんの好奇の眼差しが居心地悪い……逃げたいッ……!

    シスター1( ・ω・)「まあまあ紅茶どうぞ」

    シスター2( ノ^ω^)ノ「スコーンやお菓子もあるでな」

    うわぁ……いい香り……♪

    すごくちゃんとセッティングされたアフタヌーンティーセットだ……ついついテーブルに吸い寄せられてしまう……!

    シスター3( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆「これを堪能したくば、事件について詳しく話すのだー」

    ぐううっ、し、仕方ない……スコーンにクロテッドクリームベタ塗りしながら、井戸端会議の話し役になってやる……!

    ……………………。

    ………………。

    …………。

    シスター1(*´∀`)「なるほど、そんなことが……」

    シスター2d=(^o^)=b「素晴らしくエキサイティングでごぜーますわね、シスター・エメラチェリー」

    シスター3( *´艸`)「我々がこの会を発足してから集めた話題の中でも、トップ5に入る刺激的なお話でしたわ」

    ふう、ふう……私の話しぶりが、お気に召したなら何より……。

    しかし、殺人事件ですら、刺激度でダントツトップにはなれないのですね……。

    他のトップ5って、どんなのがあるんですか……?

    シスター1(*ゝω・*)「あ、気になる?」

    シスター2(*´∀`)「そうだねー、どれも甲乙つけがたいけど。みんなで話して特に盛り上がったのはdice1d4=4 (4)  かなー」

    1、女子寮に出る幽霊の話

    2、埋蔵金伝説

    3、教会関係者の恋愛問題

    4、この国にいる星喰学派の潜伏先予想

  • 99ぼっち24/03/30(土) 21:09:40

    シスター1( ´∀`)「実はね……ちょっと前から、みんなで探っているのよ!」
    …………何を…………?
    シスター2( ´∀` )b「この国にはびこる邪悪の代名詞、星喰学派の根城を!!!」
    ぶふぅーっ!?
    シスター3(;・ω・)「きちゃない」
    す、すす、すみませんっ……そのっ、急に突拍子もない話になったもので、つい……。
    星喰学派って……えと、あの星喰学派、ですか?
    シスター1( ・ω・)「他にホシクイガクハって名前のものないから、想像してるやつで合ってると思うよ」
    シスター2( ^ω^ )「残虐な儀式のために人を殺して食べる、邪悪極まりない魔法使いの集団!」
    シスター3( ノ^ω^)ノ「カネ目当ての殺人犯なんかより断然ヤベエーッ! そんなんが捕まりもせずにこの国に巣食っているとか、さらにヤベエーッ!」
    シスター1d=(^o^)=b「逆に言えば、やつらが根こそぎ捕まったら、この国の安心感がケタ違いに上昇する!」
    シスター2( -∀・)「なので、宗教という横に広い繋がりを最大限利用して、やつらの潜伏先を見つけ出そうと、躍起になってみました」
    シスター3(*´ω`*)「アングラ系の噂集めたり……いかにも怪しい廃墟とか探検したりしたのだ……」
    明らかに危ないので……やめた方がいいやつでは……?
    ……でも、さすがにそれで、成果があったとかは言いませんよね……。
    ずっと昔からいる犯罪結社の懐に……教会のシスターたちが迫れるなんて、そんなことがあるわけ……ねえ?
    シスター1( ^ω^ )「…………」
    ……あの、その無言は?
    シスター2( ´∀`)「いや、それがね、かなり有力なアタリをつけることに成功しちゃった」
    !?
    シスター3(((o(*゚∀゚*)o)))「組織の規模なら、うちの教会も負けてないってことだね! 情報を分析した結果、ほぼ間違いなく星喰学派がいる施設、見つけちゃった!」
    え、え、ええええ……!?

  • 100ぼっち24/03/30(土) 21:12:07

    (彼女たちが話してくれた、星喰学派の根城とは……)

    どんな場所?:dice1d5=2 (2)

    (1、貧民街の廃墟 2、森の中の古屋敷 3、街の地下の下水道 4、とある有名な商店 5、教会支部)

    そこにはどれくらい星喰学派がいる?:dice1d100=19 (19)

    (1ほど少ない。100ほど大所帯)

    周囲の評判は?:dice1d100=23 (23)

    (1ほど治安悪くて人死にが多発。100ほど平和にしか見えない)


    私はそこを知ってる?:dice1d3=1 (1)

    (1、知ってる 2、知らない 3、知ってるけど敵対的な集団の居場所)

  • 101ぼっち24/04/02(火) 00:17:25

    シスター1(*´ω`*)「郊外の森の中にね、『アコニ屋敷』っていうとっても古いお屋敷があるの」
    シスター2( ・ω・)「大昔はどこかのお貴族様の別邸だったらしいんだけど、いつの間にか放棄されてね……」
    シスター3( ノ^ω^)ノ「ずーっと誰も住んでないはず……なんだけど! ここがとびっきり怪しいの!」
    シスター1( ; ゚Д゚)「その屋敷のある森に出掛けた猟師が行方不明になったり……旅人が屋敷のそばで短いスパンで何人も事故死してたり……」
    シスター2( ´Α`)「自殺者の遺体も、よく発見されると聞くね……」
    シスター3(*´∀`)「この街に住む親や学校の先生は、子供たちに『あの屋敷には近付いてはいけません』って指導するそうだよ」
    シスター1( ・ω・)「あれ、エメラチェリーさん、どうかした? なんかものすごい脂汗出てるよ?」
    い、いいいいえいえ、ななななんでもありません、ありませんありません。
    ちょ、ちょっと怖い話なので、ブルってしまっただけです……。
    (もちろん、本当は違う)
    (郊外のアコニ屋敷……前にフリーラックス先生から聞いたことがある)
    (確か、星喰学派の緊急避難地点だ……)
    (小規模ながら常時構成員が待機していて、何かまずいことがあったときに訪ねたら、匿ってくれるという……)
    シスター2( ^ω^ )「ま、そんな感じで、あそこには十中八九何かあるんで、今度聖堂騎士の皆さんに徹底調査をしてもらうつもりなの」
    シスター3(*ゝω・*)「これでもし本当に邪悪な何がしかが発見されたら、この街はさらにひとまわり平和になるわね!」
    (ま、まずい……)
    (急いで、アコニ屋敷の人たちに逃げるように伝えなくては!)

  • 102ぼっち24/04/02(火) 22:03:23

    (というわけで)

    (夜中にこっそり教会を抜け出して、アコニ屋敷にやってきたのだ)

    ……これこれ、こういう情報を仕入れまして……このままではよくないなと。

    聖堂騎士の皆さんが調査に来る前に、皆さんはこの屋敷から脱出すべきだと……そうおすすめにあがりました。

    星喰学派( ; ゚Д゚)「おおう、マジですか」

    星喰学派(;`・ω・)ノ「よくぞ知らせてくださった。我々も、さすがに聖堂騎士とドンパチやるのは嫌だし……さっそく避難させていただくよ」

    ええ、それがよろしいかと……撤収には、どのくらいかかるでしょう?

    星喰学派(;・∀・)「それが、ここにいるみんなで大急ぎでやってもちょっと時間かかりそう」

    星喰学派(;´_ゝ`)「人員が逃げるだけならいいんだけど、我々星喰学派のいた痕跡を消しておかないとまずいよね?」

    星喰学派( ゚ε゚;)「家探しされて、追跡されるかもしれない情報とか、他の仲間につながる証拠品とかを見つけられたら……私、この業界で生きていけなくなるよ」

    ああ、確かにそれはおっしゃる通り……。

    では、私も引っ越し作業を手伝いましょう。何をすればいいですか?

    星喰学派(* ゚∀゚)「おお、助かる!」

    星喰学派( ´∀` )b「基本的には、我々の生活の痕跡をすべて持ち出してもらうことになるよ! ここを何もない、ただの古屋敷に戻してしまうんだ!」

    星喰学派(* >ω<)「特に、星喰学派らしい設備! これは優先的に解体しないと!」

    星喰学派らしい……設備……?

    星喰学派( ^ω^)「うん。こんなの」

    (そう言って、彼が私を屋敷内のとある部屋に案内した)

    (そこにあったのは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、人間ぶっ殺しゾーン

    2、テロリスト塾

    3、オタネを育てる部屋

    4、全部

  • 103ぼっち24/04/04(木) 20:10:40

    星喰学派(´・ω・`)「部屋、というか……設備、というか……」
    星喰学派(;´_ゝ`)「とりあえず、こちらをごらんください」
    こちら……?
    (私が案内されたのは、屋敷の中庭だった)
    (建物によってぐるりと四方を囲まれた、かなり広いスペース。日当たりはよく、今もたくさんの太陽光線を全体に浴びている)
    (一般的なお屋敷の中庭というと、花壇があったり、噴水があったり、はたまたお茶ができるテーブルがあったりして、優雅な雰囲気を醸し出しているものだ)
    (しかし……このアコニ屋敷の中庭にあるのは……鬱蒼と生い茂る、背の高い草、草、草)
    (しかもこの草、日の当たり具合によって、気味の悪い7色に光るのである)
    ……あの……これは?
    星喰学派(;・∀・)「オタネ、っていう魔物なんだけど……聞いたことある?」
    オタネ……あー……これがオタネですか……。
    (オタネ。虹色に光るヒマワリのような姿をした魔物だ)
    (魔物といっても人を襲ったりはしない。岩や金属など、生える場所を選ばない化け物じみた生命力を持っているが、それ以外はただの植物だ)
    (しかし、その種子には特徴がある。向精神薬として利用できる成分を多量に含んでいるのだ)
    (もちろん医療用に使うのが正解であるが、快楽目的で使うことも不可能ではない)
    (裏社会では、後者としての利用を前提としたオタネの種子の売買がおこなわれていて、莫大な利益をあげているとかいないとか……)
    ……えっ。
    もしかして、これ、栽培してます?
    星喰学派( ´∀` )b「栽培してます」
    ……この手の法にはあまり詳しくないのですが、オタネの栽培って合法でしたっけ?
    星喰学派( ノ^ω^)ノ「めっちゃ違法です。バレたら縛り首です」
    なのに……なんで……こんな立派な畑ができる規模で、育てて……?
    星喰学派(*ゝω・*)「……違法薬物って……儲かるので……」
    そっかぁ……。
    (それなら仕方ない)
    ──いやいやいや!
    これ、この畑、聖堂騎士の人たちに見つかったら一発アウトなやつですね!?
    しっかり調べられたら、星喰学派の資金源とか、重要な取引相手とか……芋づる式に手繰られた上でぶった切られるやつですね!?
    星喰学派( ´ー`)「いや、まったくその通り」
    星喰学派(*´∀`*)「なので、超大急ぎで、痕跡のひとかけらも残さず始末しないといけないの!」

  • 104ぼっち24/04/04(木) 20:37:31

    始末……?

    この……ひっろい畑にみっちり生えてるオタネを、全部!?

    星喰学派(* >ω<)「時間かかる、って言ったでしょ?」

    星喰学派( *´艸`)「家具とかはすぐ運べるし、ごまかしもきくけど、このオタネ畑はすげぇ撤収が難しいんだこれが」

    星喰学派( ^ω^)「この屋敷に詰めてる人員も少ないし……あなたが手伝ってくれると言ったのはマジで嬉しかった」

    星喰学派( ☆∀☆)「星喰学派の秘密を守るためだ……みんなで、必死に頑張ろうね……!」

    あわ、あわわわわ……!

    (かなり難しいことだけど、やらないとまずいというのは確かなことだ)

    (荷が重いのでパス、と言ったとして、それで状況がよくなったりはしない。私も、できる限りのことをしなくては)

    わ、わ、わかりました。お手伝いします……!

    (そでまくりして、覚悟を決める私)

    (……でも……具体的に、この畑をどうやって隠滅しよう……?)

    dice1d4=4 (4)

    1、鉄魔法で鎌やスコップを作って、地道に刈り取っていく

    2、聖堂騎士の方に働きかけて、屋敷の調査を先延ばしにする

    3、森のあちこちに引っこ抜いたオタネを移植する

    4、屋敷ごと焼く

  • 105ぼっち24/04/06(土) 20:35:59

    (ええと、このやたら広い畑から)
    (みっちりと群生した背の高い草を刈り取って)
    (まとめて遠くに運び出して)
    (根っこも掘り起こして取り除いて)
    (ここに畑があったってこともバレないように土をどうにかして)
    (それでようやく……気付かれずに済むか、五分五分ってところかな……?)
    星喰学派( ^ω^)「草刈り鎌用意したから、ガリガリ刈り取っていこうね」
    星喰学派( ^∀^)「あとね、あっちにここの3倍ぐらいの広さがある裏庭があって、そこにもオタネをびっしり植えてあるから、そっちも何とかしよう!」
    …………ほほーう。なるほど。
    ……つまり……この畑4つ分かぁ……そっかあ……。
    わかりました。方針を変えましょう。
    星喰学派( ・д・)「?」
    この屋敷に、可燃物の備蓄はありますか?
    ダイアグナルとか……火薬とか……なんなら、食用油とかでもいいですが……。
    星喰学派(*´∀`)ノ「ダイアグナル、あるよ! 冬場の暖房用に!」
    星喰学派(*´∀`)「まわりが森だから、薪を取れば安上がりなんだけど……誰も住んでないって触れ込みの屋敷のそばで、薪割りの音を響かせるわけにもいかなくてね」
    星喰学派( ´∀` )b「倉庫にいっぱい、液体ダイアグナルが保管してあるよ。でもそれが何?」
    それを撒いて、この屋敷を焼き尽くします。
    星喰学派Σ(; ゚Д゚)「ファッ!?」
    証拠や痕跡を残さず撤収……なんてことが、土台無茶だったんです。何もかも焼いて灰にして、調査を困難にする方向でいきます。
    星喰学派((( ;゚Д゚)))「で、でもあの、灰の中から思いもよらぬ手がかりを見つけられたら……」
    街で我々と無関係なゴミをたくさん拾ってきて、それをばらまいて一緒に焼きます。
    運悪く燃え残りがあっても、証拠品としての信憑性が少なければ意味がありません。
    というわけで、やりましょう。
    私は街に帰ってゴミを用意してきますので、あなた方はダイアグナルを撒いていてください。
    もちろん、オタネ畑には特にたっぷりと……よろしくお願いしますね。
    星喰学派(;`Д´)ノ「い、イエッサー!!!」

  • 106ぼっち24/04/06(土) 20:59:38

    (そうして)

    (アコニ屋敷に大量のダイアグナルが撒かれた)

    (私も、ゴミ捨て場からゴミ袋を引っ張ってくる作業を頑張った)

    (最後に、長めの導火線を使って……着火)

    (長い歴史を誇る森の奥の屋敷は、その日、真っ赤な炎に包まれてその役目を終えたのだ)

    (私は遠くから、屋敷にいた星喰学派の人たちと一緒に、その炎の輝きを眺めた……)

    (──結果──)

    火力(数が大きいほど燃える勢いが激しく、何も残らない):dice1d100=3 (3)

    森へのダメージ(数が大きいほど屋敷以外の森林も燃える。80以上でエーブリエタースにも火が届く):dice1d100=89 (89)

    煙に含まれるオタネ成分(数が大きいほど幻覚成分が煙に混ざる。70以上でエーブリエタースで集団幻覚):dice1d100=8 (8)

  • 107ぼっち24/04/07(日) 23:02:22

    (しゅるしゅるしゅると、導火線を伝っていく火花)

    (それを私たちは離れたところから見送った……アコニ屋敷が炎に包まれる光景を思い浮かべながら)

    (しかし、現実というひねくれた画家は、その空想とはかなり違う景色を描き出した)

    ……あれ? 何でかな……火が、出ませんね?

    星喰学派( ・ε・)「黒い煙はモクモク出てるのにね」

    ゲホッ、ゲホッ……液体ダイアグナルは可燃性が高いから……火が着けば、爆発的に燃え広がるはずなんですが……ゴホッ……。

    星喰学派(*´艸`*)「そういやオタネって、かなり水分の多い植物だったなあ。生木に火が着きにくいように、オタネも燃えにくいのかも……ゴホッ、ヤバいこれ」

    うわあっ、か、風がこっちに向かって吹いて……煙にまかれる! に、に、逃げましょう!

    星喰学派( ´;゚;∀;゚;)「あ、屋敷から火の手は上がらないのに、煙に混じって火の粉がいっぱい飛んで……森の木々に燃え移ってるよ!?」

    えっ、あっ、うわ、本当だ!? 屋敷は燃えないのに……どーして森の木々には燃え広がってるの!?

    こ、こここ、これ、かなりまずいのでは!?

    (本当にまずかった)

    (煙ばかりを吐き出す屋敷から飛び立った火の粉は、風に乗って、とにかく広い範囲にばら撒かれた)

    (オタネは水分の多い植物らしいが、アコニ屋敷のある森の木々は、逆に油分の多い種類のものであったらしい)

    (あちらこちらの木の枝に、オレンジ色の揺らめく花が咲く。言うまでもなく火炎である)

    (火の花は、春の桜のように一気にたくさん開いて、木全体を覆う)

    (そんな木が、2本、3本……5本、10本……もっともっと……)

    わー! わああっ! ウワーッ!

    星喰学派Σ( ̄ロ ̄lll)「森火事だァーッ! 屋敷じゃなく森だけが大火災! やっべ、エーブリエタースの方にも広がっていく!」

    よりによって……ゲホッ! 今日の風向きも最悪すぎるっ……な、な、なんでこんなことにいいいぃぃぃっ!?

    (エーブリエタースを、突然の炎が襲う)

    dice1d4=4 (4)

    1、エーブリエタース辺縁部の空き家やスラムの一部が焼ける程度で済む

    2、有名寺院や貴族の邸宅に被害が

    3、広範囲に避難勧告

    4、王 城 に 燃 え 移 っ た

  • 108ぼっち24/04/08(月) 22:46:23

    市民( ; ゚Д゚)「ウワーッ! 森からブワーッて飛んできた火の粉が! 王宮にも大量に降りかかってる!」

    市民( ゚Å゚;)「やべーぞ! よく手入れされた庭園の木々が炎上してる!」

    貴族(|| ゜Д゜)「ああああ~っ! 歴史ある城が! 神君の宮殿が!」

    大臣。゚(゚´Д`゚)゚。「みんな逃げろおおおっ! 陛下もご家族も、急いで! 火の手が迫って……ゴホゴホッ!」


    ────────


    星喰学派ヽ(ill゚д゚)ノ「  」

    …………((( ;゚Д゚)))…………。


    ────────


    (以下、今回のアコニ屋敷隠滅作戦でできたもの)

    ・ゴミだらけのアコニ屋敷(ほぼ焼けてない)

    ・オタネの蒸し焼き(数トン)

    ・森の広範囲が焼けたことによりできた灰と炭の山

    ・エーブリエタース外縁部の家屋の丸焼き、数件分

    ・王城の炙り焼き(dice1d100=39 (39)  %が焼失)


    星喰学派(゜∀。)「……ドウシヨウ……」

    ど、どどど、どう……どうしましょう……?

    (なんかいろいろと、もう、隠しようがない……)

    (とりあえず、逃げて星喰学派の上層部に、ことの顛末を報告するとして)

    (どんな沙汰が下されるんだろうか……?)

    (せ、先生……フリーラックス先生……どうか、どうか弁護をお願いします……!)

    星喰学派の被った経済的被害:dice1d100=55 (55)

    星喰学派の被った情報的被害:dice1d100=63 (63)

    幹部の皆さんのお怒り:dice1d100=58 (58)

    フリーラックス先生のとりなし:dice1d100=85 (85)

    フリーラックス先生個人のお怒り:dice1d100=76 (76)

  • 109ぼっち24/04/10(水) 01:26:30

    ──エーブリエタース星喰学派幹部会議──
    司会者( ´ー`)「えー、このたびの『アコニ屋敷隠滅しようとしたら無関係なもんいろいろ焼いちゃった事件』について、被害が出揃いましたー」
    司会者( ・ω・)「まず、アコニ屋敷そのものについてー。連絡機能の喪失ー。オタネ畑の喪失ー」
    司会者( ゚ー゚)「特に後者の損失は痛手ですー。我々はオタネ製向精神薬の販売で多額の資金を得ておりましたから、それが完全に失われました」
    司会者( ´∀`)「さらに、屋敷に残されていた書類が聖堂騎士に押収され、オタネ販売ルートの一部が摘発されちゃいました」
    司会者( ・∀・)「有力な協力者であったトカゲイノ・シッポー子爵以下、5名が拘束されました。もう我々は、この国でオタネを売ることはできないでしょう」
    司会者( ノ^ω^)ノ「この事態を招いたのは、我らが同志で教会に潜入していたエメラチェリー・ラダー嬢であるようです」
    司会者( ^ω^ )「彼女にどのような処分を下すか、我々はよく考える必要がありますね……?」
    🦔「待った。確かにラダーの提案した作戦の結果は、散々なものになった」
    🦔「しかし、それはごく限られた時間で、アコニ屋敷の情報隠滅という不可能事に挑まされたためじゃ。他の誰でも、成功する作戦は立てられなかったじゃろう」
    🦔「彼女はアコニ屋敷に聖堂騎士の捜査が入るという機密情報を得て、星喰学派を守るために行動した。その点をよく考えていただきたい」
    🦔「もし彼女がいなかったら、無防備なアコニ屋敷が襲われて、どれだけの被害が出ていたかを想像して欲しい。星喰学派からも逮捕者が出ていたかもしれん」
    🦔「王宮を巻き込むような大騒ぎになり、大きな損害も出たが、彼女がいたからこそ最悪は避けられたのじゃ」
    🦔「どうか、寛大な処置を……」
    幹部会(・∀・)人(・∀・)「フリーラックスにそう言われたらねー。仕方ないねー」
    幹部会(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノ「まあ、シノギは他にもあるし、ラダー嬢のことはフリーラックスに任せて、我々は後始末頑張るか」
    🦔「感謝いたしますぞ、皆さん。……ラダーについては……ええ、私なりに厳しく指導しておきますゆえ……」ゴゴゴゴゴ
    ……あれ、許されてホッとすべきところなのに、嫌な予感がすごい……。

  • 110ぼっち24/04/10(水) 16:27:21

    (会議終了後……)

    えーと……フリーラックス先生……。

    🦔「とりあえずそこに座れ」

    は、はい……。

    🦔「例の件は、仕方なかったところも多いし、評価できる点も充分あったから、幹部会ではお前をかばった」

    🦔「しかしそれはそれとして、フツーにおおごとを起こしたことをわしは怒っておる」

    はい……。

    🦔「王城が4割方焼けたのは特にまずい。あの火事が星喰学派の隠れ家から始まったということは、聖堂騎士もわかっておろうし、宮廷に連絡も入れたじゃろう」

    🦔「宮廷も王族も、自分らの家を焼かれて黙っておるわけがないな。これから、国家上層部の主導による星喰学派狩りが始まることはほぼ確実じゃ」

    🦔「我々はこれからその対処に当たらねばならぬ。本来、しなくてよかった仕事じゃ。その引き金を引いたお前をいくらか恨んでも、バチは当たるまいて」

    いやまったく……おっしゃる通りです……。

    🦔「というわけで、不出来な弟子にちょい厳しめの罰を与える」

    うわーん! お慈悲を、お慈悲を~……!

    🦔「ならぬ!」

    🦔「じっくり考えた罰は以下の通りじゃ! 神妙にして受けよ!」

    dice1d4=1 (1)

    1、新薬の実験台

    2、トリプルフェイス

    3、比喩抜きの戦争に投入

    4、芸能デビュー

  • 111ぼっち24/04/11(木) 16:42:08

    🦔「わしの知り合いの薬学者が、新薬の実験台になってくれるやつを探しておるんじゃ。そいつにお前の身柄を貸す」

    ガチの罰じゃないですか!!!

    あのっ、そのっ、それ、命の危険とかは!? 私の健康に被害とかは出ませんか!?

    🦔「そういうデメリットがあるかないかを調べるための実験じゃからなあ……」

    🦔「でもまあ、やつは腕のいい薬学者じゃし、あらわれるメリットもデメリットも理論上は予測できとるらしいから……ま、死んだりはせんじゃろ」

    やだー!!! 怖いー!!!

    (私は泣きわめいたが、冷酷非情なフリーラックス先生は微塵も哀れとは思わなかったようで、速攻でその薬学者さんを連れてきた)

    🦔「こちら、エーブリエタース・メチャスゴイ製薬のチョコラテ薬学博士じゃ」

    チョコ( ^ω^ )「よろしくー」

    🦔「そしてこちらは、助手のセツ子さん」

    セツ子( ´∀`)「本日はいい実験日和ですわねぇ」

    🦔「で、これが今回、モルモットになってくれるわしの弟子。エメラチェリー・ラダーじゃ」

    初めましてチョコラテ博士、セツ子助手。帰っていいですか?

    チョコ( *´艸`)「私の作ったお薬を服用して、その効果が確認できたら帰っていいよ」

    セツ子( ´∀` )b「もしもの時のために中和剤も用意してあるから、怖がらなくていいのよ」

    本当? 本当に大丈夫です? 信じていいですか?

    チョコ( ^ω^)「とらすとみー」

    じ、じゃあ、どうせやらないといけないのなら……早めにやって、終わらせてしまいましょう。

    私は、どんな薬を飲めばいいのですか?

    チョコ( ノ^ω^)ノ「今回、私が開発したのは~……こんな効果が見込まれるお薬だよ!」

    セツ子(*σ>∀<)σ「ひとつじゃつまらないので、3つほど持ってきました」

    3つ!?

    dice3d16=15 6 4 (25)

    1、苦痛を与える 2、性別を変える 3、肌の色を変える 4、ツノを生やす

    5、髪を伸ばす 6、体力増強 7、ドング許容量増強 8、筋力増強

    9、種族を変える 10、若返らせる 11、猫耳を生やす 12、羽を生やす

    13、幻覚剤 14、自白剤 15、環境への適応 16、おっぱいを大きくする

  • 112ぼっち24/04/12(金) 23:42:00

    チョコ( ´∀` )b「体力を増やす薬と、環境への適応力を上げる薬と、ツノを生やす薬~!」

    最後だけ何のために必要なのかわからない……。

    セツ子( ≧∀≦)ノ「まあまあいいから! いいから! イッキ! イッキ!」

    え!? まとめて飲むんですか!? 一本一本でなくて!?

    うわぁ……違う臭いの薬品の瓶が、まとめて迫ってくるっ……ストローを、ストローを3本咥えろと……!?

    おぼっ、ぼぼぼぼぼ……!

    ……………………。

    …………。

    立派なツノが……2本も生えました……。

    チョコ( ・ω・)「よし、ツノ薬は実験成功だね。どんな感触?」

    ものすごく硬いです……乾いた木の枝みたい……頭蓋骨と完璧に一体化しているのを感じます……。

    これ、どうなるんです……? ずっと生えたままだったりします……?

    見た目、とても悪魔的ですが……私、教会でシスターとしておつとめしなければならないのですが……?

    セツ子( ´∀`)「中和剤飲んだら数時間で消えてなくなるので、安心していいですよー」

    チョコ( -∀・)「それよりも、他のふたつの薬の効果も確認したいねえ」

    えーと……体力を上げるのと……環境への適応力を上げる薬でしたっけ……?

    チョコ(* ゚∀゚)「そうそう。まずは体力増強薬についてだ」

    チョコ(∩´∀`)∩「どのくらいのフィジカル・バフが積まれたか、体力測定をしてみよう。いろんな測定器持ってきたから、測ってみてー」

    はーい。……私、もともと体力ない方だから……これに関してはちょっと楽しみだな……。

    (以下、計測結果)

    パワー:dice1d100=73 (73)

    (1で少し握力が上がる程度。50でコインを指で曲げられる。100だと大きな岩をパンチで粉砕できる)

    スピード:dice1d100=58 (58)

    (1でちょっと速くなったかな? 程度。50で3メートルの垂直ジャンプができる。100で目にも映らない速度を達成)

    持久力:dice1d100=74 (74)

    (1でジョギング500メートルでバテる。50で10キロ走れる。100で休むことなく24時間走り続けられる)

  • 113ぼっち24/04/13(土) 22:42:26

    (地面から2階のベランダまで、ジャンプで飛び上がれる)

    おお……!

    (太い鉄の棒を折り畳み、また伸ばすことができる)

    おおおっ……!

    (半日の間、休憩なしで走り続けられる。エーブリエタースの街を4周した)

    おおおおお~っ!!!!

    こ、こ、これ、すごい……! 本当に、私の体か……!?

    手足が軽くて、思ったように動く……だるさも苦痛もない……息も切れない……!

    チョコラテ先生……この薬、スゴいです……! もうずっと、中和薬なんか飲まずに、この体でいたい……!

    チョコ( ^ω^)「それはよかった。でも、残念ながら、まだこの薬は未完成でね」

    チョコ( ´~`)ゞ「効果はせいぜい、今日1日といったところだと思う。原材料が高いから、何度も飲ませてあげることもできないし……」

    あー……そうですか……それは残念……。

    しかし……でも……一時的であっても、この肉体のパワーは素晴らしいなぁ……憧れのまぞくになったら、これくらいできるようになるんだろうか……?

    セツ子( ノ^ω^)ノ「お喜びのところ悪いですけど、次は環境適応薬の効果のほどを確かめさせていただきますよ」

    ああ、そうでした。そういえばそちらもあるんでしたね……。

    しかし、環境への適応力を上げると言われても、いまいちピンとこないんですが……どんな実験でそれを確認するんですか?

    チョコ(*^ω^)「単純に、あなたを過酷な環境に置いて、それに耐えられるかを見ます」

    えっ。

    セツ子(*´ω`)「あなたを過酷な環境に置いて、それに耐えられるかを見ます」

    ……えっ。

    (スムーズに実験が開始される……)

    高温環境:dice1d100=94 (94)

    (1ほどサウナに入っていられる時間が数分延びる程度。100で溶岩で水泳しても平気)

    水中環境:dice1d100=3 (3)

    (1で息を止めていられる時間が5分に。100で水中呼吸ができる上に高水圧下でも潰れない)

    化学環境:dice1d100=19 (19)

    (1でレモン汁が目に入ってもしみない。100で塩酸のプールに漬け込まれても毒ガス吸っても平気)

  • 114ぼっち24/04/14(日) 23:35:57

    (水を張った洗面器に、顔をつけて何分もつか試す)
    おぼぼぼぼ……こ、ここまでが限界……!
    チョコ( ´~`)「10分かー。かなり長いけど、耐性としてはしょっぱいね」
    (お酢を張ったバスタブに浸かり、皮膚刺激を調べる)
    痒い痒い! ピリピリするピリピリする!
    セツ子( -∀-)「うーん、このpH値で限界だとすると、軍用の糜爛ガスは防御できませんねえ」
    ちょっと待って!? そのレベルに対抗できるクスリを目指していると言うのですか!?
    チョコ( ゚ 3゚)「そりゃまあ、どうせやるならそれくらいでないと、つまんないでしょ!」
    セツ子( ノ^ω^)ノ「次は高温実験です! 熱にどれくらい耐えられるか、じわじわ加熱して確かめますよ!」
    やだ──ッ! 私、サウナが暑さの限界なのにー!
    (私は泣きわめいた)
    (……のだけれど……この実験では、意外な結果が出た……)
    チョコ(*゚Д゚)「この液体に触れるのは大丈夫?」
    あ、はい。全然平気です。
    セツ子(*・∀・*)「沸騰したお湯、オーケー……こちらは?」
    んー……ほのかに温かいですね……。
    チョコ(;´_ゝ`)「溶かした鉛、オーケー。ちょっと目を閉じてくれる?」
    あ、はい。……なんかまわりで、ゴトゴトという音と、シュゴーッて噴射音みたいなのか聞こえるのですが……これは?
    セツ子(* ゚∀゚)「あなたの全身を石炭で囲んで、火をつけてます」
    セツ子( *´艸`)「さらに酸素をたっぷり送り込んで、火勢を強くしてるんですけど……あらまあ……涼しい顔をしてますねえ」
    チョコ(〃´ω`〃)「熱魔法で温度測ったけど、だいたい鉄が溶けるぐらいの温度だね、これ」
    セツ子( ・∀・)「耐熱性は世界でもトップクラスのものが出来上がったようですねえ。素晴らしいです」
    力が強くて熱に強い……火属性のモンスターかな……?
    チョコ(*´∀`)「平和利用を考えるなら、消防士さんとかに売り込みたいね。確実に安全性が向上する」
    セツ子(*・ω・*)「この結果なら、フリーラックスさんもご満足でしょう。きっと更なる投資をしてくれるでしょうねえ。夢が膨らみます」
    うん、確かにすごい……この人たちの薬……ツノが生えるやつ以外は、欲しがる人はいくらでもいるだろう……。
    私も、ちゃんとした製品になるなら、迷いなく買うだろうな……。

  • 115ぼっち24/04/14(日) 23:51:35

    最初は薬の実験台にされることを怖がっていた私だけど……今となっては、むしろ彼らの研究を積極的に応援したい気分にすらなっている……。

    不思議なものだ……。

    いや、自分の受けるメリットがはっきり見えたからそう思ったわけで……むしろ流れとしては、自然すぎるほどに自然か……?

    ……メリット……。

    そういえば、今のところ私に自覚はありませんが……。

    これらの薬、デメリットは……予想される副作用はあるのですか……?

    私の感覚でわからないだけで、内臓が蝕まれているとか、寿命が減るとかの何かしらがあるとしたら……すごく怖いのですが……。

    チョコ( ´∀`)「あはは、安心して。そんな重篤な副作用が予想されているなら、人体実験はしないよ」

    セツ子( =^ω^)「ええ、そこまでのものはありません。そこまでのものは」

    ……つまり、そこまでではないけど副作用……あるんですね?

    どういうものか、教えていただいても……?

    チョコ( ・ω・)「いや、ほんと、心配するほどのことじゃないよ」

    チョコ( ^ω^)「強いていうなら、↓こんな感じ」

    ツノ生え薬の副作用:dice1d10=4 (4)

    体力増強薬の副作用:dice1d10=9 (9)

    環境適応薬の副作用:dice1d10=2 (2)

    1、眠気がなくなる 2、思考力が弱くなる 3、薬が切れたら憂鬱になる

    4、根拠なく自信満々になる 5、お腹がめちゃくちゃ空く 6、性欲が強くなる

    7、味覚がおかしくなる 8、急に眠くなる 9、体じゅうに虫が這うような幻覚

    10、特になし

  • 116ぼっち24/04/15(月) 21:53:10

    チョコ(*´ω`*)「まあ……なんていうか……いくつかの違法薬物をベースにして作ったところあるから、それに似たデメリットはあるね!」

    ふーん……。

    なんか、こう、よくわかんないけど……かしこそうですごいですね! とくに、ベースにしたってことばのひびきが!

    セツ子(*´艸`)「あらやだ。さっそく思考力が落ちてきてるわねえ」

    そーですか? わたしはあんまりいわかんないですけども。

    それより、せなかとかおなかとかがかゆいです。

    いつのまにかたくさんのナメクジがうじゃうじゃへばりついてきてるんですが、これホントいつのまにきたんでしょうね?

    チョコ( ´,_ゝ`)「典型的な幻覚症状きてるね」

    セツ子(*´-`)「あんまりボリボリかくと血が出るから、控えめにね」

    でも、こー、にゅるにゅるしててきもちわるいですよぅ。ほっとくといろんなところからたいないにはいってきそう。

    うーっ、でも……わたしまけない……!

    しょせんこいつらは、ちいさくかよわいいきもの!

    わたしのような、みもこころもビッグでグレートなヒューマンにかてるわけがないのだぁ! あーっはははははーっ!

    チョコ( ´ー`)「胸を張って高笑いを始めた。強そう」

    セツ子( ・ω・)「なお、戦う相手は実在しないものとする」

    ……まけない……。

    まけないけど……くすぐったいし、きもちわるい……!

    チョコせんせー! このかんじ、あとどれくらいでなくなりますか!?

    チョコ(*´∀`)「副作用がどれくらい長く続くかを調べるのも、今回の実験の目的ではあるんだけども……」

    チョコ( ´∀` )b「まあ、大雑把な予想としては、dice1d4=1 (1)  ぐらいかな!」

    1、数分で治るよ!

    2、何時間かかかるな……

    3、たっぷり1日

    4、中和剤飲まない限り永続

  • 117ぼっち24/04/16(火) 16:36:13

    チョコ( ´∀`)「メイン効果より副作用の方が長く続くと予想されるようでは、実験に値しない」

    チョコ(*´∀`)ノ「わりとすぐ……長くても数分程度で、それらのバッドステータスは解除されるはずだよ!」

    ほほほーう。なるほど、なるほどぉ……。

    ……うん。

    確かに、急激に頭の中のふわふわ感がおさまってきた……。

    全身を這い回るナメクジの幻覚も、もうなくなってるな……。

    冷静になってから思い返すと……わりと本気で気持ち悪い感触だったから……。

    あの幻覚に襲われている間、頭がホンワカしていたのは、救いだったかも知れない……。

    セツ子(*´艸`)「次の課題は、この短い副作用をどうやってゼロに近付けるかですねえ」

    チョコ( ^ω^ )「想定通りに短時間で終わったから、それだけ要素も弱いということだ。完全に副作用を消すことも、可能かもしれないね」

    (ポロッ)

    あ、ツノがとれた……。

    チョコ( ´∀`)「メインの薬効も、どうやら切れたようだね」

    セツ子( ノ^ω^)ノ「これにて、人体実験はおしまいでーす。お疲れさまでしたー」

    あ、はい。お役に立ててよかったです……お疲れさまでした……。

    ……………………。

    チョコ先生とセツ子さんは……私にお駄賃をくれて帰っていった……。

    この実験……フリーラックス先生から課せられた罰だったはずなのに……トータルすると、そこそこ得できた気がするな……。

    はははは……。

    (これで禊完了……かな?)

    dice1d4=2 (2)

    1、特に何事もなく教会に帰れたで

    2、誰かが私を調べている……?(王城関係者)

    3、誰かが私を狙っている……?(オタネ密売組織)

    4、チョコ&セツ子ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ「薬の詳細を知った実験台は、実験終了後に始末していくスタイル」

  • 118ぼっち24/04/17(水) 21:08:36

    ふー、数日ぶりの教会だ……ただいま帰りましたー……。
    ク「あ、おかえり。何日か礼拝で見なかったけど、どこか行ってたの?」
    ああ、クラージュ様……ええ、ちょっと親戚に呼ばれて、お手伝いをしてきました。
    私が出掛けていた間、こちらは何もおかわりなく?
    ク「いや、それがとんでもないことが起きたんだ。あなたは、森の中にあるアコニ屋敷という古い家のことは知っているかい?」
    え、ええ。お友達のシスターの人たちが、噂話をしているのは聞きました。星喰学派たちの溜まり場になっているとか……。
    ク「ああ、その通りだ。だから我々聖堂騎士団が手入れをする予定だったんだけど……その直前に、大きな火事が起きてね」
    ク「アコニ屋敷から出た火が、森やエーブリエタースの街を焼いて……なんと、王城にも被害が出たんだ。どこもかしこも大騒ぎさ」
    それは……それは……途轍もないことですね……わ、私がいない間に、そんなことが起きていただなんてー……。
    (エーブリエタースを離れていたからまったく知りませんでした、みたいなふりをする)
    (私自身が火を出した当事者だなどということは、クラージュ様相手でも知られるわけにはいかない)
    (つたない演技力を総動員してすっとぼける……!)
    ク「尊いお方の居城にまで傷がついたから、宮廷貴族たちは犯人の星喰学派を血眼で探してる。私も、かなりしつこく尋問されたよ……」
    え? な、なぜクラージュ様が……?
    ク「あー……私が、というより、私たち聖堂騎士団が、というのが正確だね」
    ク「我々の突入する前に放火が行われたから、聖堂騎士団の内部情報を星喰学派が入手して、先手を打ったんじゃないかって言うんだ」
    ク「要するに彼らは、聖堂騎士団か、そのメンバーに近しいところに、星喰学派のスパイが紛れ込んでる可能性があると考えているんだよ」
    ク「さすがにそれはないだろうと言ったんだが、向こうはかなりこの考えを有力視しているみたいでね……」
    ク「あなたも、お友達からアコニ屋敷の噂を聞いたなんて貴族たちに話したら、取調室に呼ばれるかもしれないよ。気を付けた方がいい」
    え、ええ、そ、そそそ、そうですね、まったくおっしゃる通りです……気を付けなくては……。
    (クラージュ様の忠告に、私は背筋を寒くする)

  • 119ぼっち24/04/17(水) 21:22:46

    ……それで……その、聖堂騎士の皆さんが尋問を受けて……逮捕者なんかは、出なかったのですか?

    ク「ふふ、エメラチェリー。まさか本当に我々の中に、星喰学派のスパイがいるかもと思ったかい?」

    ク「もちろん、みんな無実だとわかってもらえたよ。だからその辺は安心していい」

    ク「宮廷の人たちは、今は別の容疑者を調べにかかっているそうだ。それが誰なのかは、さすがに教えてもらえなかったが」

    ……別の、容疑者。

    (それはもしかして、教会関係者でありながら、尋問できる範囲内にいなかった人物……ではないでしょうね?)

    (私は微かな不安を心に張りつかせたまま、クラージュ様と別れ、自分の部屋に戻ろうとした)

    (どうしたものか)

    (火災事件前後から、教会を留守にしていた私……客観的に見て、これは怪しいのではないだろうか)

    (いやいや……しかし、だからといって、宮廷貴族が私に目をつけるかというと、ねえ?)

    (こんな、何でもないシスターを疑って調べるなんて、そんな馬鹿なこと……)

    ……………………。

    (私は、寮の廊下の途中で、ふと後ろを振り向いた)

    (すると、そこには)

    dice1d4=1 (1)

    1、誰もいない……でも、確かに人の視線を感じた

    2、警察官風の男が数人、こちらに近付いてきていた

    3、ひとりの人物が、私のすぐ後ろに立っていた

    4、武器を持った不気味なゴーレムが迫ってきてるんですけど

  • 120ぼっち24/04/18(木) 23:09:01

    ……………………。

    (しーん、としている)

    (等間隔に並んだ柱。人の肋骨のような、アーチ上の梁に支えられた天井)

    (振り返った私の目の前に伸びるその廊下のどこにも、人の姿はないし、気配もない)

    (でも、見られた)

    (私は直感的に、私の背中を誰かが見ていたと確信した)

    ……………………。

    (再び前に向き直って、寮の自分の部屋へと歩みを進める)

    (声は出さないが、頭の中で考える)

    (私を見ていたのは誰だ……? そして、そいつはどれほど、私を疑っている?)

    (クラージュ様の話とつながっているのなら……アコニ屋敷に端を発する火事について調査している、宮廷の調査員という可能性が高い)

    (……聖堂騎士団が調査する直前に、アコニ屋敷から火が出た……このことから、騎士団の所属する教会に内通者がいたのでは? と考えるのは、自然なことだ)

    (教会の人員を調べ、そのほとんどが無実だとわかったあとで、火事の前後から行方をくらましていた私を疑う……これもまた、自然だ)

    (さて、それで……疑っている私に対して、この調査員はどんなアプローチがしたいんだ?)

    (尋問したいなら、素直に正面から声をかければいいだろうに)

    (……考えられるのは……泳がせている、といったところ?)

    (私が今後、星喰学派の誰かと接触したなら、調査員たちはそれを動かぬ証拠と見なすだろうし、星喰学派を芋づる式に捕らえるチャンスとしても利用するだろう)

    (それだけは避けなくてはならない)

    (私はすでに、火事の件で星喰学派に多大なご迷惑をおかけしている。ここで更なる失敗をすれば、フリーラックス先生ももうかばってくれないだろう)

    (しばらくの間、私は星喰学派と接触しない。──そして……)

    dice1d4=1 (1)

    1、超健全なシスターとして、模範的な生活を送る!

    2、敵にニセ情報つかませることってできないかな?

    3、自然な生活をしながら、敵の正体を突き止める!

    3、敵を突き止めて、速やかに始末する!

  • 121ぼっち24/04/20(土) 23:38:09

    (模範的シスターとして早寝早起き)

    (模範的シスターとして礼拝)

    (模範的シスターとして質素だが栄養ある食事をいただく)

    (模範的シスターとして丁寧に教会を掃除して回る)

    (模範的シスターとして信徒の皆さんと交流)

    (……フッ、どうだ、監視者め……私の暮らしぶりは?)

    (模範的すぎて、星喰学派と結びつける要素など見つけられないだろう!?)

    (だからもういい加減、疑うのやめてどっかいってくれませんか……?)

    (視線感じてるの、もう今日でまるまるdice1d30=2 (2)  日目なんですが)

    (お風呂のときすら見られてる雰囲気あるの、すごい恥ずかしいです。これ監視者女の人だろうね? 男の人だったらちょっとヤですよ?)

    (あまり長く続くようなら、別のやり方での排除も考えないといけないけど……)

    (さすがにそこまで深く疑われてるとは思いたくないなぁ……)


    ────────


    監視者( ´ー`)(今日も特に動きなし)

    監視者( ´,_ゝ`)(実に平凡で、シスターらしいシスターとしての暮らしぶりだ)

    監視者(*´-`)(強いていうなら、食事量が他の人たちより多めで、風呂の時間が長めなぐらいか)

    監視者( ´д`)(あえて強めに気配を出して、自分の存在を知らせたつもりだったが……)

    監視者( ´Α`)(ここまで何も変化がないということは、マジで何も気づいてない……ガチの素人さんということもあり得るぞ……?)

    監視者(;´∀`)(さて、どうしたもんか)

    dice1d4=2 (2)

    1、継続は力なり。監視を継続

    2、監視者を増やす

    3、インタビューウィズエメラチェリー

    4、エメラチェリーかわいいよエメラチェリー

  • 122ぼっち24/04/21(日) 23:50:41

    監視者( ・ω・)・ω・)・ω・)・ω・)・ω・)「「「「「…………」」」」」

    ……………………。

    (視線の量が、明らかに増えてるー!!!)

    (たった2日で、長いこと耐えきりました~、みたいな雰囲気出した私も、まあ悪いかもしれない……)

    (でも、たった2日で増員するやつがあるかッ……! もっと様子見しろ……段階を踏め……!)

    (……い、いや……これはある意味、わかりやすいツッコミ待ちだ……)

    (あえてわざと視線を感じさせて、ターゲットの動揺を誘っているんだ……)

    (もう少しだけ耐えろ、私……ここを切り抜ければ、やつらの私への疑いは消えるはずだ……)

    監視者( ・ω・)・ω・)・ω・)・ω・)・ω・)「「「「「……………………」」」」」

    (露骨な監視の中、私は何にも気付いてないかのように生活を続けた)

    (敵は、私の私物の位置を少しだけ変えたり、微妙な物音を立てるなどして、私にストレスをかけてくる)

    (……正直、かなりキツいが……)

    (相手の目的がわかっているならば、意地でも反応してやるわけにはいかない)

    (そして……暗闘がさらにdice1d30=27 (27)  日続いて……)

    (最終的に……)

    dice1d4=1 (1)

    1、疑いが消えたのか、監視の気配がなくなった……

    2、監視者(*´ω`*)「こんな露骨な監視に全然気付かないとか逆に怪しいから、襲撃するね」

    3、監視者(*´ω`*)「こんな露骨な監視に全然気付かないとか逆に怪しいから、拉致して尋問するね」

    4、ここで教会を狙ったまったく無関係なテロリストのエントリーだ!!!

  • 123ぼっち24/04/22(月) 23:12:05

    ……………………。

    ……………………。

    ……にじぃう……にゃなにち……。

    ほぼ1月、ずーっと複数の視線を浴びながら暮らした……。

    もう、なんというか、心のいろんな部分が、鑿や鑢で削られまくるような毎日だったけど……。

    ついに……今朝辺りから……私のまわりにあった、人の気配がなくなった……。

    私があまりにも普通すぎて、これ以上監視しても無駄だと判断してくれたんだろうか……?

    そ、そそ、そうだとしたら……私の粘り勝ちだ……ひひひ……!

    やったぞ、やったぞ、ざまあみろ……今夜からはとうとう、気を楽にしてぐっすり眠れるぞ……!

    ……いや、その前に、こういう監視があったことを、フリーラックス先生に報告するべきか……?

    宮廷が一時期とはいえ、私に疑いを持ったということを知らせて、対処をしてもらうのが星喰学派のメンバーとしての義務ではないか?

    ……うーん、どうしよう……?

    (私は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、いや、いいや。めんどい

    2、フリーラックス先生に手紙を書く

    3、フリーラックス先生に手紙を書く(暗号化したものを)

    4、逆に星喰学派の方から手紙が届く


    (……ところで、本当に監視は終了したの?)

    dice1d2=1 (1)

    1、終わったよ

    2、気配を完全に消しただけで、まだ継続してるよ

  • 124ぼっち24/04/23(火) 22:14:13

    監視者(´゚ω゚`)「うーん。マジで何も出てこない」

    監視者( ゚ε゚;)「5人ものエージェントに取り組ませてなお、実りがないとなると……同じことを続けても、成功は期待できないだろう……」

    監視者( ´Д`)=3「どうやら我々は、見当違いのことに1月を費やしてしまったらしい。これ以上時間と人員を無駄にすることは許容できない……撤退だ」

    監視者仲間(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)「「「「おk」」」」

    (こうして、壮大に何も始まることなく、私と宮廷との対決は終わりを告げた)

    (彼らが去り、不躾な視線も気配もなくなった静かな部屋の中で、私はおよそ1月ぶりにぐっすり眠った)

    すぴよすぴよ……ふひゅるるる……熟睡……きもちいー……♪

    同室のシスター( ´Α`)「まーたこいつ素っ裸で寝てるよ」

    かいほうかーん……すひゃー……。

    (ストレスのもとがなくなり、休息も取って、気力も体力も大回復!)

    (このあとはどうなる?)

    dice1d4=1 (1)

    1、先生「新しい裏稼業開拓するから手伝え」

    2、先生「捕まった仲間を救出しに行くから手伝え」

    3、クラージュ様「アコニ屋敷を手入れして教会の施設にするから手伝って!」

    4、神父様「王城の修復のために宮廷が魔法使いを募集しているよ。鉄魔法使いならお役に立てるんじゃないかな?」

  • 125ぼっち24/04/26(金) 01:03:18

    ふーっ、ゆっくり休んで気力全快……!

    同室のシスター(*´∀`)ノ「そんなあなたにお届け物だよー」

    えっ、なんでしょう……手紙……?

    ……この偽名……フリーラックス先生からだ……。

    お仕置きを受けたあとだからか……先生からの連絡が、ちょっと怖く感じるな……。

    さて、何のご用事だろうか……?

    (ペーパーナイフを封筒の合わせ目に差し入れて、封印、オープン)

    🦔『よう、元気にしておるか? 新薬実験の後遺症とかは出ておらんか?』

    🦔『体の具合に問題がないなら、ちと用事に付き合え』

    🦔『潰れたオタネ事業に代わる、新しい稼ぎを探さにゃならんのじゃ』

    🦔『お前にも9割ぐらい責任あるし、絶対に来い。体調不良以外の理由での拒否は認めん』

    🦔『××日の早朝に、第94号連絡地点にて待つ』

    ……………………。

    ……うーん。めんどくさいことになりそうな予感……。

    私、一応、教会に潜入してる身分なんだけどなぁ……。

    シスターとしての仕事に集中させてはくれないものか……?

    まあ、体の調子は問題ないし、行くけどさ……。

    (しぶしぶ、私は先生との待ち合わせ場所に向かったのだ)

    お待たせしましたー。

    🦔「よう、来たか」

    はい。新しいお仕事を開拓するというお話のようですが……何か、当てはあるのですか?

    🦔「その点は抜かりない。すでに目星をつけておる」

    🦔「今回、わしが狙うのは……」

    dice1d6=5 (5)

    1、暗殺

    2、密輸

    3、爆発物製造

    4、土地開発

    5、偽造

    6、マンガ

  • 126ぼっち24/04/27(土) 00:18:30

    🦔「我々は今後、偽造業で資金を得ることを目標にする!」

    ぎ、偽造……!

    (価値のあるものの偽物を安く作り、本物と偽って流通させることでボロい利益を得る……大昔からある、悪どいカネの稼ぎ方だ)

    (もちろん違法行為だが、星喰学派そのものが人食いの犯罪集団だし、そんなことやっちゃダメだよなんて言う構成員は誰もいないだろう……私を含めて)

    ひと口に偽造と言っても、何を作られるおつもりなんです?

    作るもの次第で、製造の難易度も流通形態も全然違ってくると思いますが……。

    🦔「考えておるのは、dice1d5=4 (4)  の偽造じゃ」

    (1、カネ 2、美術品 3、貴金属 4、ブランドファッション 5、フィギュア)

    🦔「ただ、オタネ栽培の代わりとして慌てて始めるわけじゃから、事業としての土台がまだない」

    それをまずは組み立てなければならない、と。

    🦔「うむ。たとえ悪事であっても、初心者が何も持たずに始めて、いきなり儲けられるほど世の中は甘くないからのう」

    🦔「それでも、まあ、やりようはある。無策ではないから安心せえ」

    ふーむ……具体的には?

    🦔「dice1d4=2 (2)  する」

    1、有名なフリーの偽造師がいるので、そいつを仲間に入れる

    2、偽造業をやってるギャングを始末して乗っ取る

    3、本物を偽物と偽る逆転の発想

    4、偽造を摘発する側に回る

  • 127ぼっち24/04/28(日) 23:25:53

    🦔「ブランドファッショングッズの偽物を作って売りさばく!」

    う、うわああああっ!?

    ふ、服とか、おしゃれとか大好きな私にとっては、許しがたい種類のシノギ……!

    正規ブランドショップが、偽ブランド商品によってどれだけの迷惑をこうむっているか……先生は想像できますか……!?

    🦔「ぶっちゃけ、わしらのメイン活動である殺人と食人よりは罪軽いと思うんじゃが。今さらその辺を気にする倫理観はわしにはないのう」

    ううう、そ、それを言われると、どうしようもない……!

    🦔「で、お前、嫌なんか?」

    い、い、嫌ですが、毒を食らわば皿までという言葉もございます……。

    星喰学派に貢献したいという気持ちは、誰よりも高いつもりでいますし……ええ、先生がやるつもりなら、地獄の底までお付き合いしますとも……!

    🦔「よろしい。……で、肝心の偽ブランド商品の用意と流通をどうするか、じゃが……」

    私はさすがに、そういう技術も人脈も持っておりませんよ……?

    🦔「わかっとる。だから、すでにあるところから持ってくることにする」

    🦔「このエーブリエタースには、あるギャング団の抱えるコピー商品密造工場があってな。わしらでそこを襲って、人員と設備、商品をまるっといただく!」

    なんと。

    ふむ、つまり、乗っ取りをカマすわけですか。

    ……すでに偽ブランド商売をやってる相手なら、私としても遠慮なくへち殺せますね……。

    🦔「おお、おお、やる気がムンムン湧いておるではないか。我が弟子ながら頼もしいぞ」

    まあ、そうは言っても、ギャングに喧嘩売るわけでしょう……怖い気持ちはたっぷりあります。

    どんな相手かは知りませんが、勝算はもちろんあるのでしょうね……?

    🦔「当然よ」

    dice1d4=4 (4)

    1、敵は極小の家庭ギャング。総員5名だから楽勝!

    2、敵の戦闘要員は雇われで忠誠心がない。敵ボスを暗殺すればそれで終わる

    3、敵は数が多いが魔法使いはいない。わしとお前で無双するぞ

    4、敵は堅牢な砦に大軍団を揃えて熟練魔法使いも雇っているが、お前そういう大規模ギャング全滅させたことあったよな?

  • 128ぼっち24/04/29(月) 23:14:15

    🦔「まず、やつらの工場じゃが、エーブリエタース郊外の山の上にある」

    ふむふむ。

    🦔「高く分厚い壁で周囲を囲っており、四方にはまわりをよく見渡せる監視塔を備えておる」

    ふむふむ……ふむ……?

    🦔「内部は100人以上の警備員が交代で巡回しており、そのうち30人は戦闘タイプの魔法使いだという情報も入っておるな」

    ……………………。

    🦔「冷静に戦力分析したら、ガチ軍隊ともそこそこやりあえる戦力と言えよう」

    🦔「でもまあ……お前、パライソルやラロマディラで、もっと大量のギャングや蛮族を殺しまくったらしいし、これくらいはいけるよな?」

    無茶────ッ!!!!!

    無理無理無理ですよ! こう、えっと、そういう場所で頑張ったことは認めますが……シチュエーションが全然違いますから……!

    守りを固めてるところに攻め込んで、そこを落とすというのは……違うっ……わ、私のスタイルではないです……!

    🦔「えぇ~? ほんとぉ? 何だかんだでいけるんでないのォ~?」

    くっそ……このちっこい師匠が煽ってくる……ムカつく……!

    🦔「いけないならいけないでいいがの。その場合、また別なシノギを考えんといかんぞ。わしらの資金源がないことは変わりないんじゃし」

    うう、そ、そうだ……星喰学派が、経済的に潤いが乏しいというのは、よろしくない……! 何とかしないと……。

    うーん……とりあえず、その山の上のギャングの居城について、もう少し情報をいただけますか。計画を練るにしろ、今の情報だけでは、何とも……。

    🦔「うむ、いいとも。……これが正確な位置で、巡回のタイミングはこんな感じでの……」

    (先生とじっくり話し合った結果……私が立てた計画は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、潜入暗殺

    2、放火

    3、毒

    4、仲間割れ

  • 129ぼっち24/04/30(火) 23:31:25

    うーん……うーん……。

    まず前提として、施設を乗っ取りたいわけですから、放火したり爆破したりは駄目ですね?

    🦔「あったりまえじゃな」

    これだけ武装集団がいるとなると、頭をピンポイントに倒しても、新しい主として我々が君臨することは難しいですね?

    🦔「まあ、そうじゃろな」

    となると……んー……正面突撃はあり得ないし……毒殺もコントロールが難しいし……。

    本当に、パライソルと同じやり方……仲間割れを狙ってみましょうか……。


    ────────


    ギャングの下っぱ(`ロ´;)「なあ、聞いたか? 警察の連中が、俺らのシノギを潰すために、近々ここに乗り込んでくるらしいぜ」

    ギャングの警備員(*´ω`*)「はぁ? 何ビビってんだよー。この要塞みたいな工場に、サツごときが攻め込めるわけねーだろ」

    下っぱ( ゚ε゚;)「いや、それがよ。罪の減免を条件に、手引きをするってやつが工場内にいるらしいんだ」

    警備員( ゚皿゚)「なにぃ……?」

    下っぱ( ; ゚Д゚)「中から門を開けられたら、さすがに防衛すんの難しいだろ? それに、警察に積極的に協力したら、無罪放免だけでなく、カネももらえるとか」

    警備員(;´_ゝ`)「……………………」

    下っぱ(;^ω^)「西と北の監視塔のやつらは、この噂に夢中になってる。なあ、どう思う? マジかなこれ?」


    ────────


    ……よし。

    偽ブランド商品を闇市に運ぶために、工場から街へ出てくるギャングの人たちに、さりげなくデマを吹き込みました……。

    あとは工場を囲む塀の中で、この噂がどれだけ広まってくれるか……。様子を見ましょう……。

    (そして、数日後……)

    dice1d4=3 (3)

    1、警備員のdice1d50=24 (24)  %が、噂を信じて警察に自首した

    2、工場内で仲間割れ発生。警備員や職員のdice1d80=60 (60)  %が同士討ちで死亡

    3、ギャングの幹部同士が手勢を率いて抗争開始。構成員の50+dice1d50=40 (40)  %が死亡

    4、もう、工場の中には、生きている者はひとりとして存在しない

  • 130ぼっち24/05/02(木) 01:07:49

    ギャング幹部1( ;`Д´)「おいこらテメエ! 今、誰を外に出した!? サツに尻尾振るために、部下に降伏の手紙でも持たせて走らせたのか!?」
    幹部2(`へ´* )「ふざけたこと言うんじゃねえ! てめえこそ巡回してるはずの魔法使いを自分のまわりに集めやがって、何を企んでやがる!」
    幹部3( ;゚皿゚)「おい! 東側の警備員に殴られて、職人が怪我したぞ! あの野郎クビにしろ!」
    幹部4(ノ`Д´)ノ「イチャモンつけてんじゃねえ! さては、サツを呼び込んだときのために、うちの派閥の戦力を削ろうとしてやがるな!?」
    ギャーギャー ワーワー
    見張り番(;゚Д゚)「おい、なんかあっちから、大勢が近付いてきてないか!?」
    魔法使い(#゚Д゚)「なにぃ!? サツか!? よし、爆殺してやる!」
    警備員(`ロ´;)「バカ! ありゃただのグボロ・グボロの群れだ! あー、攻撃魔法で工場の壁に穴が……」
    幹部1ヽ(`Д´#)ノ「今の爆音は何だーッ!? ついに襲撃か!?」
    幹部2(´゚ω゚`)「工場の敷地内で爆発!? やっぱり俺らの中に裏切り者がいるな!?」
    幹部3(;`・ω・)ノ「やられる前にやってやる! てめえら、俺に続け!」
    幹部4ヽ( `皿´ )ノ「やらせるかよ! 返り討ちにしてやらぁーっ!」
    ドカバキッ ボゴーーン ザクッズシャッボキッ
    ドゴオオォォォーーーーンンン……

    ────────

    ……ウソ情報をぶち込んでから、3日後……。
    なにか……すごい大騒ぎが起きました……。
    工場を囲む城壁の向こうから、爆発音や怒声、悲鳴なんかが絶え間なく響いて……それが半日ぐらい続いて……。
    静かになったので、空を飛んで、工場の敷地を覗いたら……。
    すごい数の死体が、あちこちに散らばってるのが見えました……。
    どうやら、ギャング同士で殺し合いをしたようですね……。
    武装した警備員も、杖を持った魔法使いも……ほとんどが死んでいます……。
    今なら、私たちでも安全に突入できるかと……。
    🦔「そうかー……」
    🦔「お前、わりとガチでアジテーターとしての才能あると思うわ」

  • 131ぼっち24/05/03(金) 02:07:31

    (私とフリーラックス先生は、工場の中を慎重に探索する)

    うーん、ギャングたちは本当にエキサイトして殺し合ったみたいですね……。

    工場内も居住エリアも死体だらけだ……。

    🦔「おう、でも全滅じゃないようじゃぞ。生き残りを見つけた」

    (((´;ω;`(´ノω;`(;´゚д゚`(ヽ´ω`( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

    🦔「どうやら、戦闘に参加しなかった職人たちのようじゃ」

    おお……つまり、我々の求めていた人材ですね。

    そういう人たちだけが生き残ったというのは、非常に都合がいい。

    ……職人の皆さん、あなた方の雇い主は、どうやらつまらない抗争で命を落としたようです。

    これからは私たちがあなた方を雇います。上司が替わるだけで、それ以外は特に変化はありません。

    これまで通りに、ここでブランド商品を偽造する仕事をしてください。

    職人( ; ゚Д゚)「嫌だ、辞めたい……と言う権利はありますか?」

    あります。ただ、その場合、この工場の秘密を守るために、辞めた方には死んでいただくことになりますが……。

    職人(´;ω;`)「……続けます……」

    ああ、よかった……とても助かります……。

    🦔「うむ、話はまとまったようじゃの」

    🦔「そんじゃ、まずはとにかく死体を片付けて、施設の壊れたところを修理して、工場を運用できるようにしようか」

    ええ、そうですね……死体まみれの工場では、いい製品はできませんでしょうし……。

    (というわけで、工場をゲットしてからの我々の最初の仕事は、大掃除となった)

    (その結果は……)

    dice1d4=2 (2)

    1、🦔「魔法使いの死体がいっぱいあるし、マッドネスせい」

    2、死臭に惹かれて魔物たちがやってきました

    3、大量の死体を適当に森に捨てたら、人に見つかって大騒ぎに……

    4、うっわこの工場、ギャングたちの隠し財産まであるじゃん!

  • 132ぼっち24/05/04(土) 20:50:30

    ふー、ひー……本当に、死体の数がものすごい……。

    🦔「大雑把に3ケタじゃからな。いやマジで、全滅に近くなるまで殺し合うとか、コイツらアホじゃろか」

    その点はまったく否定できません……否定してあげる必要も感じません……。

    とりあえず、死体は全部……工場の中にあった分も、監視塔の中にあった分も、庭に出して積み重ねましたが……これ、どうします?

    🦔「焼くと、臭いがエーブリエタースの方に行きそうじゃからな……やはり埋めるしかあるまい」

    えええ……? でも、埋めても、腐ってきたらやっぱり臭うのでは?

    🦔「そこじゃよなあ……この量の死体は、よっぽど深く埋めんと、臭いや虫がとんでもないことになるぞ」

    うえー……ものすごくめんどくさい……ドリルの魔法で地面を掘削したとして、どれくらいかかりますかね?

    🦔「まあ、これに関してはわしも手伝うから……む? 何やら、壁の向こうから変な音がしないか?」

    んー……? ……確かに……羽ばたきのような……地面を踏み鳴らすような……?

    🦔「……あっ」

    🦔「そういや、魔物って人間よりメチャクチャ鼻が利くよな」

    あっ……。

    🦔「血まみれの死体が大量にあったら、まだ腐ってなくても、その臭いを嗅ぎつけて集まってきてもおかしくないな?」

    ちょっ、ちょちょちょ……それはマズいのでは!?

    壁の外……か、監視塔に登って、様子を見てみます! せめて、何の魔物が来ているのかだけでも確認しないと……!

    (大急ぎで監視塔へ向かう私)

    (大量の死体の香りに惹かれ、集まってきていたのは……)

    dice1d20=20 (20)

    1、グボたん 2、ンガイ 3、怪鳥 4、アルヘルム 5、ヴェルウェラ 6、ボッチ

    7、ビークシング 8、ワイバーン 9、スライム 10、ノックマン 11、アバドンズ 12、ベベルゲゲロ

    13、ア・ルラ 14、獣竜 15、チョコレート・バッジョ 16、ミソラ 17、ドラゴン 18、ヘルホース

    19、キルザンダン 20、1~19の中からdice3d19=17 14 2 (33)

  • 133ぼっち24/05/06(月) 00:59:12

    ……あれは……!

    🦔「おいおいおい。なんじゃあの群れは。1種類じゃあないぞ」

    (監視塔から見下ろす先にいた魔物の群れ……それは、まだらな3色をなしていた)

    (灰色の皮膚を持つ、ワニのようなゾウのような不気味な4足歩行動物……獣龍)

    (赤いとかげに羽が生えたような、なんかやかましい羽音を立てている飛行生物……ドラゴン)

    (枯れたタンブルウィードの中に、ドロッとした粘液が詰まったような、ンガイ)

    (魔種が2種類に、汎種が1種類)

    (それらが押し合い圧し合いしながら、この工場を取り巻いている)

    🦔「どうやら、この工場から漂う血の香りは、やつらにとってよほど魅力的なようじゃのう」

    そ、そそそ、そんな落ち着いたことを言ってる場合ですか……!?

    あの群れが壁を乗り越えてきたら、私たちふたりじゃちょっと対処しきれませんよ!?

    特に魔種は危ない……単純にでかいのも空飛ぶのも厄介過ぎです!

    うう、ギャングが楽に片付いたからって、油断した……私のドング量で、あれをどれくらい殺せるだろう……?

    それとも、今のうちに反対側から逃げるべきか……いや、それだと、この工場を放棄することになるし……。

    🦔「まあまあ、落ち着けアホ弟子」

    🦔「あいつらはよ、ここから漂う血の香りに惹かれてきたんじゃから……」

    dice1d4=3 (3)

    1、くれてやりゃいいんじゃないか? 死体

    2、くれてやりゃいいんじゃないか? 死体(毒を仕込んだ上で)

    3、お前が死体を一個かついで遠くへ飛べば、それについていくんじゃないか?

    4、お前お得意の仲間割れ誘導で何とかしてみよ

  • 134ぼっち24/05/06(月) 23:47:53

    🦔「ギャングどもの死体をやつらに食わせるという方法を一瞬考えたが、それはよくないな」
    ええ……野生動物に餌付けすることの愚かさは、よく知られていることです。
    しかも相手は、魔種を含む凶悪な魔物……やつらが、ここにエサをくれる人間がいると学習してしまったら、とんでもないことになります。
    🦔「うむ、やつらをここから可能な限り遠ざけたい。そこで……ほれ、これを持て」
    ふむ? ……ふむ?
    何ですかこれ。切断された、人間の手首に見えますが……?
    🦔「その通りじゃよ」
    🦔「その辺の死体から切り取った、新鮮な血の臭い漂う手首」
    🦔「お前がそれを持って遠くに行けば、臭いに惹かれてここに来ている魔物どももホイホイついていくじゃろう」
    🦔「ロバの鼻先にニンジンをぶら下げて、行き先をコントロールするように、やつらを誘導してこの工場から引き離せ」
    なんか軽く聞き流しただけでも、めちゃくちゃ危険そう!!!
    と、というか、そんなうまくいきますか!? ここには大量の死体があるんですから、私の持ち出す手首よりも、絶対そっちの方が強く臭いますよ!
    魔物たちは遠ざかる私を放置して、ここから動かない可能性も高いのでは?
    職人( ・∀・)「あ、それなら、強い臭いのする薬品を他の死体にぶっかけて、臭い消しをしたらどうでしょう?」
    職人( ^ω^)「革を柔らかくするために使う、不審な汁がたくさんあります。あれは相当臭いですから、使えると思いますよ」
    🦔「ほう、それはいいことを聞いた。……不審な汁かー……」
    あー……そうすれば、魔物たちの興味は、私の持つ切断された手首だけに集中するわけですね。……しかし……不審な汁かぁ……。
    🦔「とにかく、やれる可能性はしっかりあるわけじゃな」
    ……………………。
    🦔「やれ」
    ……はい……。

  • 135ぼっち24/05/07(火) 00:03:41

    (そんなわけで、血まみれの手首を上着のポケットに入れて、工場からフライアウェイすることになった私)

    (しかし、飛行魔法だとあまりスピードが出ないし、ドングの消費量もでかい)

    (というわけで、消費が少なく、スピードもある移動手段でお外に出ようと思います)

    ──《跳ね馬(スプリッツァー)》ッ!!!

    (鉄のスプリングで構成された馬に乗って、工場を飛び出す私)

    (崖を跳ね、斜面を滑るようにして、山を駆け降りる……)

    (途中、後ろを振り向くと……)

    うわぁ、本当に魔物たちがみんなついてきてる……! 血の臭い大好きすぎる、あいつらっ……!

    (土煙を上げながら、獣龍が、ドラゴンが、ンガイが大挙して追いかけてきているのが見えた)

    これは、追いつかれたら大変なことになるな……。

    早く……振り切ってしまいたい……。

    ……でも、早すぎてもまずい……目的は、工場から引き離すことだからな……。

    一定の距離を保って誘導するとして……どこへ行こうか……?

    (跳ね馬に乗って遠くへ向かう私)

    (行き先は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、エーブリエタースからさらに離れた森の中。レプタリアンの集落がある方へ

    2、あえてエーブリエタースの方へ。警察やギルドの人たちに討伐していただく

    3、王城へ。王城なら魔物の群れ鏖殺する程度の戦力あるでしょ

    4、アカデミアに里帰り気分で行っちゃおうかな!(*´ω`*)

  • 136ぼっち24/05/08(水) 01:02:03

    (スプリッツァーは機動力の高い移動魔法だけど、完璧なものじゃない)
    (地面を走るという特性上、走行不可能な場所は通れない……道を道なりに移動しないといけないし、袋小路に入るとどうしようもない)
    (だから、大量の魔物に追いかけられている現在、動きを止めざるを得ない道を通ってしまうことだけは絶対に避けたかった)
    (知らない道はまず駄目だ。うっかり行き止まりに当たるだけで、私は命を落とすことになる)
    (知っている道を進むしかない。つまり……街の外には向かわず……住み慣れたエーブリエタースの中へ向かう)
    通行人1( ; ゚Д゚)「ウワーッ!? 何だ!? 鉄の馬が走ってるぞ!」
    通行人2(;゜0゜)「それだけじゃねえ! そのあとから、すげー数の魔物が追ってきてる! オアアアァァァーッ!」
    (エーブリエタースの中を走るとしても、行き先はさらに限定される)
    (魔種を含めた凶悪な魔物たちを退治できる強い人たちのところへ向かって、この厄介を押しつけなくてはならない)
    (最初は、聖堂騎士団のいる教会に行こうかと思ったが、彼らはどちらかというと対人戦向きだ……魔物の群れを相手にするのは不得手かもしれなかった)
    (ならば……)
    ──久しぶりに、顔を出すか……アカデミア!
    (私はスプリッツァーのバネを強く引き絞り、鋭く前へ疾る)
    (前へ、前へ……通い慣れた学び舎へ)
    (魔法使いを育成する、バリウラ最大の教育機関へ)
    (あそこなら、戦闘タイプの魔法使いがわんさか揃っている。教師から生徒から、魔法で戦えるやつばかりだ)
    (さらに言うなら、アカデミアには星喰学派の幹部連も潜んでいる。人間側の戦況が悪ければ、出てきて手を貸してくれるはずだ)
    (というわけで、ただいま懐かしのアカデミア!)
    (何十何百という数の魔物を、お土産に持って帰りましたよ!)
    生徒1( ̄□ ̄;)!!「ギャーッ!!! 平和な学校に魔物が雪崩れ込んできたーッ!!!」
    生徒2(;´゚д゚`)「先生呼べ! 先生! あと、警察とギルドにも通報しろー!」
    生徒3ヽ(;゚;Д;゚;; )「助けてかーちゃーん! 殺されるううぅぅっ!!!」
    (……うん。想像はしてたけど、当然のようにすごい大騒ぎになったな……)

  • 137ぼっち24/05/08(水) 01:11:25

    (まあ、混乱はある程度あったけど、それでも戦わなければ生き残れない)

    (アカデミアの先生や生徒たちが、魔物に立ち向かい始める。とても頼もしい!)

    (私はアカデミアの敷地を駆け抜けながら、懐に潜ませていた血まみれの手首を捨て……)

    (そこでようやく、スプリッツァーを減速させ、状況を見に回った)

    (人と魔物、その戦いは……)

    魔物たちの攻める勢い:dice1d100=90 (90)

    人たちの駆逐する勢い:dice1d100=22 (22)

    (高い方が優勢。50以上差がついてると、ワンサイドゲーム)


    ヽ(♯`Д´)ノ「おい! 魔物トレインしてきたのアイツじゃねーか!?」度:dice1d100=25 (25)

    (50以上で私も人間たちから攻撃される。数字が大きいほど私へのヘイトが高い)

  • 138ぼっち24/05/09(木) 01:04:05

    魔物たち(* >ω<( ´∀`( ノ^ω^)ノ「「「のりこめー」」」

    アカデミア(´ロ`ノ)ノ(´゚д゚`)ヽ(゚Д゚; )ノ「「「ギャアアアァァァーッ!?」」」

    わ、わわっ、うわあぁ……。

    あまりに突然のこと過ぎて……対応がまったく間に合ってない……。

    生徒も先生も……人間たちがことごとく……蹴散らされていく……。

    戦うどころか、魔法を使う暇すら、与えられない……魔物たちの突進力が、スゴ過ぎるんだ……!

    ドラゴンが空から襲いかかり……獣龍が地を駆けて、人を跳ね上げている……。

    今さらだが……魔種って、やっぱり強いんだなあ……。

    ンガイも、逃げ遅れた人を取り込んだりしてるし……うーん、これはまさに……修羅の巷……。

    アカデミアは、魔法戦闘プロフェッショナルの育成機関だと思っていたけど……想像より、学問機関としての機能の方が、優先的だったのかもしれない……。

    ……しかし、これ、どうしよう?

    あまりに魔物側が快進撃過ぎて……このままじゃ、アカデミアにとてつもない死傷者が出ちゃう……。

    退治してもらえると思って、魔物たちをここに誘導したのに……人を死なせ過ぎるのは……ちょっと申し訳なくなってしまうな……。

    どうにか……ならないか……?

    それとも、私自身が、どうにかすべく行動するべきか……?

    うーん……。

    (人々が轢かれたり踏まれたり飲まれたりするのを眺めながら、私は考える)

    (結果として──)

    dice1d4=3 (3)

    1、通報を受けた魔物退治系のギルドが乗り込んできたぞ!

    2、アカデミアを隠れ蓑にしてる星喰学派たちがたまらず出てきて、魔物を攻撃開始!

    3、聖堂騎士団が助太刀に参ったぞ! クラージュ様もいる!

    4、わ、私がやっぱり責任取って頑張らないと駄目だよね?

  • 139ぼっち24/05/09(木) 23:46:59

    アカデミア生徒。゚(゚´Д`゚)゚。「うわああぁん、もう駄目だぁ……魔物に食べられちゃうんだぁ……」

    ???「諦めるなっ!」

    アカデミア生徒( ; ゚Д゚)「!?」

    クラージュ「アカデミアから程近いところにある教会から、聖堂騎士団が駆けつけたぞ!」

    聖堂騎士( `Д´)/「助太刀いたす! ともに魔物どもを押し返そう!」

    アカデミア生徒o(*`ω´*)o「あ、ありがたいっ!」

    ……おっ、このタイミングで聖堂騎士団か……!

    あそこ……クラージュ様もいる……ああ、剣を構えるお姿が凛々しい……やっぱり戦うあの人はカッコいいな~……♪

    クラージュ「なんとたくさんの魔物……空の魔種と陸の魔種がいるのか……だが、これくらいの数は、少し前に山ごもり修行をしたときにも相手取ったぞ!」

    クラージュ「みんな、壁を背にして迎え撃て! そうすれば敵は上からも後ろからも攻めてこれない! 正面だけに集中して戦えるようになるぞ!」

    聖堂騎士( ノ^ω^)ノ「いいアドバイスだッ! 接近戦が実に有利になるな!」

    聖堂騎士( ´∀` )b「あとは、アカデミアの学生諸君! 役割分担だ! 我々は地上の敵を討つから、諸君は飛び道具で空にいる敵を狙ってくれ!」

    アカデミア生徒・教師♪o(゚∀゚o)(o゚∀゚)o♪「かしこまった!」

    おお……戦い慣れた聖堂騎士たちの的確な指示で、人間の反撃が始まった……!

    さっきまでは、魔物たちが一方的に蹂躙していたのに……一気に人が押し返し始めたぞ……。

    あっ♪ クラージュ様が、また1頭の獣龍を斬った! 目にも留まらぬ速業、お見事……!

    (聖堂騎士団は対人特化で、魔物狩りは向いてないかも……という私の中の印象は、どうやら間違いだったようだ)

    (物陰から私がこっそり応援している間に、銀色の剣が何度も振るわれ、魔物たちを斬り伏せていく)

    (その結果、戦況は……)

    魔物たちの攻める勢い:dice1d100=56 (56)

    聖堂騎士団の攻める勢い:dice1d100=76 (76)

    クラージュ様個人の手柄:dice1d80=67 (67)

    アカデミアの盛り返し具合:dice1d100=99 (99)

  • 140ぼっち24/05/11(土) 00:39:07

    アカデミア(`Д´)`Д´)*`ω´*)「「「一度落ち着けば、このくらいの群れは何てこたねぇ! くたばりやがれーッ!」」」
    (なんか、アカデミアの生徒と先生たちが猛反撃を始めた)
    (飛び交う火球、銃弾、光線……殺意たっぷりの攻撃魔法の数々が広い空間を千切りにし、その中にいるドラゴンたちを撃墜していく)
    聖堂騎士団( ^ω^)* ゚∀゚) ´∀` )b「「「やるじゃないか諸君! 我々も負けてはいられないな!」」」
    (騎士団の皆さんの戦意も相当なものだ。鏡のように煌めく剣を振り下ろし、獣龍たちの頭を、ンガイの殻を、次々に叩き割っていく)
    (そして……)
    ク「ていいいぃぃっ! どうした、魔種と呼ばれるような魔物たちがこの程度か!? もっと全力でかかってこいッ!」
    (キャーキャー! クラージュ様、カッコいいっ!)
    (何人もいる聖堂騎士たちのひとりでしかないのは確かなんだけど、それでも集団の中にあって、彼女の活躍は目覚ましかった)
    (流麗に、効率的に、魔物たちの急所を斬り裂いて、巨大な屍を積み重ねていく)
    (連携の余地のない魔物たちには、もはや打つ手がなかった。斬られ、撃たれ、賢いものは逃れ、徐々に数を減らしていき……)
    (およそ1時間ほどの戦いののち、アカデミアを襲ったスタンピードは、完全に鎮圧された)
    アカデミア(*´∀`)ノ(*´∀`)ノ(*´∀`)ノ「「「わぁい! やった、やったぞ! 生き延びたぁ!」」」
    聖堂騎士団長( ´∀` )b「ご無事で何より」
    アカデミア生徒(*´∀`*)「本当に助かりました。一時はどうなることかと」
    ク「いえ、人々を守るのが我々の使命ですから」
    (うん、うん、よかったよかった)
    (魔物たちを連れてきた私に言う権利はナッシングだろうけど、無事に騒動が片付いてホッとしたよ!)
    アカデミア教師(;´A`)「しかし、あの群れ……どこから来たのでしょうね? そしてなぜ、このアカデミアを襲ったのか……?」
    聖堂騎士団長┐(´・c_・` ;)┌「我々にもわかりません。山の方で何かがあって下りてきたのか……ここに何か目当てのものがあったのか……」

  • 141ぼっち24/05/11(土) 00:40:37

    (私が誘導したからやって来たのです。マジで申し訳ない)

    (まあ、それをお伝えするわけにはいかないのですが……)

    (……さて)

    (ずっと隠れて見ているのも窮屈だし、さっさと移動するか)

    dice1d4=3 (3)

    1、すべて解決したから、私はクールに工場に戻るぜ

    2、久しぶりのアカデミアだし、少し散歩していこうか

    3、私が捨てた手首が発見されて、猟奇殺人事件だと騒ぎになってる……

    4、ク「あれっ、そこにいるのは我が友、エメラチェリーではないか?」

  • 142ぼっち24/05/11(土) 21:56:54

    アカデミア教師(*´ω`*)「いやー、しかし、あの規模の魔物の襲撃で、誰も死なずに済んだというのは本当に奇跡だなあ」

    生徒(*´∀`*)「まったくおっしゃる通りです。怪我した人は大勢いますが、手当てでどうにかなる程度です。欠損とかそういう重傷はひとりも……」

    教師( ´゚д゚)「 」

    生徒( ゚ε゚;)「 」

    聖堂騎士団長((( ;゚Д゚)))「あれ、なんか落ちて……手やん!!!!」

    騎士団員(|| ゜Д゜)「だ、だ、誰の手だああぁぁっ!? 獣龍かドラゴンに噛みちぎられたのか!?」

    ク「い、いえ、よく見てください! 傷口が綺麗すぎる……すっぱりと、鉄の刃物で断ち斬られたみたいになめらかだ!」

    ク「魔物にやられたのなら、牙でやられたにせよ爪でやられたにせよ、ぐちゃぐちゃの傷になるはずです。これは……人によって切断されたと見るべきでしょう」

    教師( ゚Å゚;)「ちょっと待って!? この魔物騒ぎの最中に、誰かが手首を切り取られる猟奇事件が起きていたというのですか!?」

    聖堂騎士団長(´ε`;)「あるいは……誰かが死体を切断して隠匿しようとしていたところに、魔物騒ぎが起きて……運んでいた手首を落としてしまった、とか?」

    ク「とにかく、この手首の持ち主を探すべきでしょう。もしかしたら、思いもよらないほど身近な場所で、恐ろしい事件が起きているのかもしれません」

    あ、あわわわわ……。

    私が放り捨てた手首が、アカデミアに妙な緊張を生んでいる……。

    で、でもまあ、あれ、山の上の偽ブランド工場で死んだギャングの手首だし……。

    持ち主とか見つかるわけないし、どーせすぐにうやむやになる……よね……!

    (なるよね?)

    dice1d4=2 (2)

    1、ク「被害者が見つからない? まさか、この手首……血の臭いで魔物をおびき寄せるためのものか?」

    2、教師(´゚д゚`)「手首のない死体が見つかりましたー!」嘘ぉ!?

    3、生徒(´;ω;`)「バラバラ死体が見つかりましたー!」嘘ぉ!?

    4、聖堂騎士団長(#゚Д゚)ノ「人の手首ばっかりたくさん保存されてるの見つけたぞコラアアァァッ!?」どういうことなの!?

  • 143ぼっち24/05/12(日) 21:21:48

    アカデミア教師(´゚д゚`)「探したらマジで見つかりましたよ! 死体!」

    生徒(´;ω;`)「しかも、手首が切り取られた死体です! 怖い!」

    聖堂騎士団長( ; ゚Д゚)「まさかとは思ったけど、マジで!?」

    ク「嫌な予想が当たってしまいましたね……」

    えっ、ええっ!? 嘘でしょ、何で!?

    聖堂騎士団長( ;´・ω・`)「クラージュ。お前、前に警察と組んで殺人事件の調査をしたことがあったよな? この件、お前に任せていいか?」

    ク「承りました。……先生、まずは校門を閉ざしてください。アカデミア内にいる犯人が逃げる可能性があるためです」

    教師( ;`Д´)「わ、わかりました。今すぐ」

    げっ、や、やばい……このままじゃ、私も出ていけなくなるぞ!?

    アカデミアの敷地に潜んでいるのが見つかったら、怪しまれてしまう……早く逃げ……にげ……。

    ……いや、そこは大丈夫か……?

    よく考えたら、私、ここの生徒だし……。

    普段は教会にいるけど、たまにこっちにも戻ってきているって言えばいいだけか……?

    と、とりあえず、少し様子を見ていよう。

    教師( -`Д´-;A)「校門の封鎖、完了しました」

    ク「ありがとうございます。次に、問題の死体のところに案内していただけますか? 被害者の身元も、判明しているならお教え願いたいのですが」

    教師(;´A`)「ええ、どうぞついてきてください。被害者の身元は……」

    事件現場:dice1d5=2 (2)

    (1、教室 2、学生寮の部屋 3、運動場 4、図書館 5、トイレ)

    被害者:dice1d3=3 (3)

    (1、生徒 2、教師 3、外部の人間)

    手首の欠損状態:dice1d3=2 (2)

    (1、右手がない 2、左手がない 3、両方ない)

    死因:dice1d5=5 (5)

    (1、刺殺 2、撲殺 3、絞殺 4、毒殺 5、魔法やねこれは)

    被害者の評判:dice1d100=58 (58)

    (1ほどいつ殺されてもおかしくない人、100ほどこの人が殺されるなんて信じられない)

  • 144ぼっち24/05/14(火) 01:25:44

    教師(;´A`)「現場は、dice1d6=4 (4)  (月日深禿紅蒼)寮のdice1d2=1 (1)  (男女)生徒の部屋です」

    ク「寮? では、まさか生徒が犠牲に……?」

    教師( ;`Д´)「いえ、それが、亡くなられたのは外部から来たお客様なのです。入校申込書類には、オギデー・シボルパインという名前がサインしてありました」

    教師( ;´・ω・`)「職業はdice1d4=1 (1)  (1、医者 2、探偵 3、神父 4、学者)だそうです」

    教師(×_×;)「どういう人間かは、その、まったく……軽く見た印象だけなら、ごく普通の人だったように思えたのですが」

    ク「いえ、大丈夫です。そのことについてはこちらで調べることにします」

    教師(´Д`;)「そうしていただけると……あ、ここが現場になります」

    (教師は怯えた様子で、問題の生徒用居室の扉を開けた)

    (クラージュ様は慎重に中に入る。部屋はdice1d2=2 (2)  (1、荒らされて 2、片付いて)いて、床の中央に左手のない死体が横たわっていた)

    ク「フーム。確かに手が切断されている。……この死体は……この傷跡が死因かな? しかしこれは……」

    教師(; ・`ω・´)「魔法によるもの、ですね」

    ク「ああ、やはりか。見てわかりますか?」

    教師(`Д´)ノ「はい、傷口に濃厚なドングが染み込んでますから。魔法使いが見れば一目瞭然です」

    教師(`エ´)「しかもこれは……クンクン……dice1d7=1 (1)  (闇、魂、血、熱、鉄、地、時)属性によるものですね」

    ク「そこまでわかりますか。しかし、そうなると……この事件の犯人は、魔法使いで間違いないようですね……」

    教師(;つД`)「ええ。……我が校の教師や生徒が、やはり疑われてしまうのでしょうか?」

    ク「残念ながら、その方針で考えざるを得ないでしょうね」

    (深刻な様子で、クラージュ様と先生が話をしておられる)

    (その様子を、私は……部屋の外から、野次馬たちに紛れて覗いていた)

    (……事件が解決してくれないと、私、アカデミアから出られないから……こうして、影ながらクラージュ様を応援するよ……!)

  • 145ぼっち24/05/14(火) 21:20:27

    教師( ; ゚Д゚)「死体を見た限り、どうも闇魔法の《影包(ラッピング)》で殺されたようですね」

    教師(;´_ゝ`)「これは影をリボンのようにして操る魔法なんですが、頑丈でパワーも強いので、主に敵を拘束するときに使われます」

    教師( ;´・ω・`)「ほら、死体の首のまわりに黒ずんだアザが残っているでしょう。影のリボンを被害者の首に巻きつけて、絞殺したのではないでしょうか?」

    ク「なるほど……となると、犯人は闇属性の魔法使いと見てよさそうですね」

    ク「そして現場は、アカデミアの6つの寮のひとつ、禿鷲寮。他の寮の人間がいたら目立つ場所だ。犯人はこの寮の関係者の可能性が高い」

    ク「先生、闇魔法使いで、禿鷲寮に出入りできる人間は何人いますか?」

    教師(ノ゚Д゚)ノ「ええと、ちょっと待ってくださいよ」

    教師(´ー`A;)「本校に在籍する生徒は30000人です。ひとつの寮に5000人がいて、属性は7つあるので、5000÷7で禿鷲寮所属の闇魔法使いは約700人になりますね」

    ク「思ったよりガッツリ多いですね」

    教師( ´Д`)「はい、闇属性の教師を含めるとさらに増えます。その全員を紹介することはできますが、彼らをひとりひとり調べるのはとんでもない手間かと……」

    ク「では、その中で、シボルパイン医師と関わりのある人はどれだけいますか?」

    ク「被害者は校外からの訪問客とのことでしたね。ほとんどの人は、彼と顔見知りですらないのでは?」

    教師(*´・з・)「うーん、それならかなり数が絞れると思います。せいぜい、dice1d5=2 (2)  人といったところでしょうな」

    ク「ああ、その人数なら調べるのも難しくなさそうだ。すぐに紹介してください」

  • 146ぼっち24/05/14(火) 21:37:05

    ク「たったふたり、ですか」

    教師(´Д`)「まあ、あなたのおっしゃる通り、シボルパインさんは外部からの訪問者ですからね」

    教師( ´~`)「交流があったのは、以下のふたりだけでしょう……」


    ・1人目

    立場:dice1d2=2 (2)

    (1、生徒 2、教師)

    性別:dice1d2=1 (1)

    (1、男 2、女)

    シボルパイン医師との関係:dice1d4=4 (4)

    (1、患者 2、親族 3、利益 4、トラブル)

    現在の様子:dice1d3=2 (2)

    (1、悲しんでいる 2、動揺している 3、平静を保っている)


    ・2人目

    立場:dice1d2=2 (2)

    (1、生徒 2、教師)

    性別:dice1d2=2 (2)

    (1、男 2、女)

    シボルパイン医師との関係:dice1d4=3 (3)

    (1、患者 2、親族 3、利益 4、トラブル)

    現在の様子:dice1d3=1 (1)

    (1、悲しんでいる 2、動揺している 3、平静を保っている)

  • 147ぼっち24/05/16(木) 01:50:17

    教師( ;´・ω・`)「シボルパイン医師と交流があったのは、うちの教員のジャック・フンギル先生と、コーラ・サクラパシュー先生のおふた方ですね」
    ク「どちらも先生なのですか? 生徒ではなく? では、この現場は……?」
    教師( ・ω・)「ああ、ここは空き部屋なんです。男子生徒の部屋とは申しましたが、正確には男子寮の一室ということですね」
    教師( ´~`)「アカデミアの入学者は、年によってある程度片寄ります。多い年もあれば少ない年もある。今年は禿鷲寮は少し部屋が余り気味なのです」
    ク「ああ、なるほど。普段使われていない部屋だからこそ、犯人はここを殺人の現場に選んだのかもしれませんね」
    ク「では、そのフンギル先生とサクラパシュー先生を紹介していただけますか」
    教師( ´∀` )b「かしこまり」

    フンギル((( ;゚Д゚)))「まさか、あのシボルパインが殺されるとは……」
    サクラパシュー(;つД`)「あまりにも突然のことで……言葉もありません」
    ク「おふたりは、シボルパイン医師とはどういうご関係なのですか?」
    サクラパシュー( ;´・ω・`)「私から申し上げましょう。私は教師をしておりますが、同時に医学の研究にも携わっているのです」
    サクラパシュー(丿 ̄ο ̄)丿「シボルパイン医師には、ある新しい治療技術を開発するためにご協力いただいておりました」
    ク「ふむ。ビジネス的なお付き合いだったわけですね。……フンギル先生は?」
    フンギル(;´_ゝ`)「わ、私は、別にシボルパインと交流があったわけではない……むしろ、顔を合わせたくないと思っていた」
    ク「ほう……なぜ?」
    フンギル(´゚ω゚`)「シボルパインは、私の弟の主治医だった。弟はちょっと厄介な病気にかかっていてね、寝たり起きたりの暮らしを長く続けていたんだ」
    フンギル(´・ω・`)「1年前までは、別の医者にかかっていたんだが、その方が老齢で引退されてね。治療を引き継いだのがシボルパインだった」
    フンギル(;´Д⊂)「そしたら、その頃から弟の具合が悪くなって……主治医交代からわずか3ヵ月で死んでしまったんだよ」

  • 148ぼっち24/05/16(木) 02:03:47

    フンギル( `д´)「弟は長い闘病で体力が落ちていて、自分が引き継いだ時点でもう手遅れだったのだと、シボルパインは言っていたが……」

    フンギル(`Δ´)「私は単に、あいつの医者としての腕が悪かっただけなんじゃないかと考えている」

    ク「ふむ……ずいぶんと率直ですね」

    フンギル(・ε・` )「私があいつを嫌っていることは、大勢が知っている」

    フンギル(`Δ´)「だから他の人の口からあなたに知られるより、自分で言った方が印象がいいと思ったんだよ」

    フンギル(-""-;)「シボルパインが殺されたなら、普段からやつに恨み言を言っていた私は、真っ先に疑われるだろうからね……」

    ク「賢明な判断だと思いますよ」

    ク「しかし、となると、あなたと会うことはシボルパイン医師にとっても気まずいものだったのでしょうね」

    ク「彼がフンギル先生に会うためにアカデミアに来たとは考えにくい。フンギル先生がシボルパイン医師を招くこともあり得ないでしょう」

    ク「となると、必然的に、シボルパイン医師はサクラパシュー先生と会うために来校していたと思われるのですが……」

    サクラパシュー( ・ω・)「dice1d5=2 (2)  」

    1、はい、その通りです。今日、会って話をしました

    2、はい。今日、会って話をする約束だったのですが、彼は待ち合わせ場所に現れませんでした

    3、いえ、今日は会う予定はなかったのですが……

    4、フンギル( ´゚д゚)「いや、実はやつは俺に会いに来たんだ。そして話をした」

    5、フンギル( ゚ε゚;)「いや、実はやつは俺と話がしたいと、面会を申し込んできたんだ。会う前にこんなことになったが……」

  • 149ぼっち24/05/17(金) 01:27:01

    サクラパシュー(*´・з・)「今日の午前中に、私はシボルパイン医師と校内で面会する予定でした」

    サクラパシュー(´・ω・`; )「その予定だったのですが……時間になっても、彼は待ち合わせ場所に姿を見せなくて」

    サクラパシュー(;´゚д゚`)「何か急用でもできたのかなと、あまり心配せずにいたのですが」

    ク「ふむ。何時頃にどこで会う予定だったのですか?」

    サクラパシュー( ・ω・)「午前10時に、教員棟のカフェで。私はその1時間前の9時からカフェに入って、正午まで待っていました」

    ク「なるほど。9時から正午まで、ね」

    ク「その面会では、やはり、協力してもらっていたという医学技術について話し合われるおつもりでしたか?」

    サクラパシュー( ´д`)「ええ、面白いアプローチを思いついたもので、彼の意見を聞きたくて……まさかこんなことになっているとは思いもせず……」

    ク「シボルパイン医師の死を知った今、彼がこんな目に遭う理由に心当たりは?」

    サクラパシュー( ;`Д´)「ありません。シボルパイン医師とフンギル先生の緊張した関係については聞いていましたが……」

    サクラパシュー( ´Α`)「でも、普段からそのことを口にしていたフンギル先生が実際に手を下したかというと、ちょっとそうは思えないのです」

    ク「ふむ……わかりました、ありがとうございます。サクラパシュー先生、フンギル先生、今、私に伝えておきたいことは、他に何かありますか?」

    サクラパシュー(,,・д・)「いえ、特には思いつきません」

    フンギル「同じく」

    (ここで一度取り調べは打ち切られ、当面の容疑者ふたりは解放された)

    ク「あのふたりのどちらかか、あるいはまだ盤面に現れていない誰かがいるのか……」

    ク「まだ五里霧中だな……とりあえず現場を調べて、手持ちのパズルのピースを増やそうか」

    (その後、警察の人たちも到着し、クラージュ様は彼らと協力しながら、本格的な現場検証をおこなった)

    (その結果、新たに判明したことは……)

    dice1d4=2 (2)

    1、死亡推定時刻が午前10時だった

    2、死亡推定時刻が正午以降だった

    3、死亡推定時刻が1日以上前だった

    4、死亡推定時刻はdice1d12=12 (12)  時で、現場にdice1d3=2 (2)  (1、フンギル 2、サクラパシュー 3、未知の誰か)の私物が落ちていた

  • 150ぼっち24/05/18(土) 01:26:51

    ク「え!? それは本当ですか?」

    検死医( ・ω・)「ええ、かなり自信を持って言えますよ。あの被害者は、今から1時間前ぐらいに亡くなってますね」

    ク「ちょ、ちょっと待ってくださいよ……今が、午後dice1d6=3 (3)  時半ですよね。その1時間前って、明らかに正午以降ですよね?」

    検死医(;^o^)「ですです」

    ク「私は、被害者がサクラパシュー先生との待ち合わせに現れなかったのは、その時点で殺されていたからだと思っていたのですが……」

    ク「死亡推定時刻が正午よりあととなると、話がかなり変わってくる。被害者は待ち合わせの時間、どこで何をしていたんだ……?」

    検死医┐('~`;)┌「まったくわかりません。あ、死因はやはり、首を闇魔法のリボンで絞められたことで間違いありませんよ」

    検死医( ´Д`)「左手は死後に切断されています。鋭い刃物で1発ですね。思いきりがとてもいい……」

    ク「ふぅむ……ありがとうございます、とても参考になりました。ちょっといろいろ、調査の方針を考え直した方がいいかもな……」

    ……………………。

    ……クラージュ様が、思い悩んでらっしゃる。

    力になってあげたい……でも、私が首を突っ込んでいいものか……?

    事件発覚の発端となった手首を学校に持ち込んだの、私なのに……ある意味、犯人側の人間だぞ……それが警察に協力したいとか、厚顔無恥過ぎないか……?

    ク「ここはやはり、現場をもっと詳しく見るか? それとも、シボルパイン医師を目撃した人がいないか、聞き込みをするべきか……?」

    ……ああ、見るからに手が足りてない……どうしよう……?

    dice1d4=3 (3)

    1、まあ殺人に関わってるわけじゃないし、普通に協力を申し出よう

    2、ク「あ、そこにいるのはエメラチェリー!?」ギャア先んじて見つかった!?

    3、教師( ^ω^)「あ、ラダーくんおるやん! お前ちょっとあの騎士さんのお手伝いしてきな!」

    4、やっぱり今は手を出せない! 影ながらこっそりねっとり応援させてもらおう……

  • 151ぼっち24/05/18(土) 23:08:51

    ク「死亡推定時刻は午後2時半……完全に待ち合わせの約束をすっぽかしている。被害者が自発的にそうしたのか、やむにやまれぬ事情があったのか……?」
    ……悩んでるクラージュ様もお美しい……。
    このままずっと見ているべきか……お声をかけるべきか……それとも、そっとアカデミアを出て、フリーラックス先生のところへ帰るべきか……。
    ううん、どうすべきか悩むなあ……。
    教師( ・ω・)「あれ? そこにいるのは、蒼玉寮のエメラチェリー・ラダーくんじゃないか?」
    げっ! 私の顔を知ってる先生に見つかった……!?
    教師( ・∀・)「どうしてここに? 休学して教会に修行に行ったって聞いてたけど、帰ってきたの?」
    え、ええ、今日は教会のおつとめがお休みなので、久しぶりにアカデミア内のカフェでコーヒーでも飲もうかと思いまして……。
    そしたら、急に魔物の群れが来たので……てんやわんやしてたら、校門が封鎖されて出られなくなって……。
    教師( ´゚д゚)「あー、そういうことか。まずいときに居合わせちゃったね」
    教師(*・∀・*)「……もしかして、今、手持ちぶさただったりする?」
    え? あ、はい、何をしていいか、宙ぶらりんな気持ちを味わってはいますよ……?
    教師( ノ^ω^)ノ「じゃあ、ちょうどいいや! あそこで事件の調査をしている聖堂騎士さんのお手伝いをしてあげてくれない?」
    教師( ´∀` )b「今までは私があの騎士さんについて協力してたんだけど、そろそろ学校の仕事に戻らなくちゃいけなくてさ! どうしようかと思ってたんだよね!」
    えっ、あっ、えっ。
    教師(*´∀`)ノ「騎士さん、今からこの子をあなたのアシスタントにつけますんで、何か必要なことがあったら遠慮なくこき使ってくださーい」
    ク「えっ? ああ、それは助かります……って、エメラチェリー!? 何でここに?」
    そ、それにつきましては、いろいろと込み入った事情がありまして……。
    教師( ^∀^)「あ、お知り合い? そういえばシスターも聖堂騎士も教会で働く人だし、関わりがあってもおかしくないのか」
    教師( =^ω^)「知り合いなら、知らないより気楽に協力できるでしょ。というわけであとはよろしく!」
    ク「……………………」
    ……………………。
    ク「と、とりあえず、手伝ってくれるなら助かるよ」
    あ、はい。それはもちろん、喜んで……。

  • 152ぼっち24/05/18(土) 23:37:09

    ク「……状況の説明、いる?」

    あ、はい。その辺詳しく教えていただけると、お手伝いするのも楽になると思います……。

    (まあ、事件発覚前からクラージュ様のことをずっと影ながら見守っていたので、彼女が知ってることは私も全部知ってはいるのだけど)

    (──情報共有中──)

    ク「……と、いうわけなんだけど。どこから手をつけるべきだと思う?」

    やっぱり、疑問の形が明確なものからひとつひとつ答えを見つけていくべきでしょうね。

    この場合は、まず、被害者の足取りが気になります。

    アカデミアに来校したのが何時で、そこから死体発見までの行動を調べましょう。

    被害者はアカデミアの人間ではないので、校内でうろついていれば目だったでしょうから……。

    ク「聞き込みが有効そうだな。よし、エメラチェリー、手分けしてシボルパイン医師を目撃した人がいないか、聞いて回ろう」

    ええ、承りました。

    (そうして、ふたりで聞き込みをした結果、わかったのは……)


    シボルパイン医師が入校した時間:dice1d3=2 (2)

    1、早朝、サクラパシュー先生との待ち合わせよりずっと前

    2、午前10時少し前

    3、正午過ぎてから


    シボルパイン医師の目撃情報:dice1d4=2 (2)

    1、上ダイスの入校時刻直後に、教員棟のカフェの前にいるのを目撃されている

    2、上ダイスの入校時刻直後に、慌てた様子で禿鷲寮に向かっているのを目撃されている

    3、上ダイスの入校時刻直後に、フンギル先生の居場所を尋ねて回っているのが目撃されている

    4、入校申込書類は学生部に提出されているが、今日シボルパイン医師本人を目撃したという人間がいない

  • 153ぼっち24/05/20(月) 01:36:14

    えーと……外部からの入校希望者に許可を出す学生部に聞き込んだところ……。

    シボルパイン医師は、午前10時少し前に、アカデミアに入ったことが確認されました……。

    ク「ということは、彼はサクラパシュー先生との待ち合わせに向かうつもりはあったと考えていいのかな」

    時間がピッタリですし、そのつもりだったと見て間違いないと思います……。

    でも、このあとがよくわからない……複数人の学生による目撃証言があるのですが……。

    生徒1( ・∀・)「医者っぽいおじさん? なんか爆走してた」

    生徒2( ´∀`)「妙に慌てた表情でね。お腹でも下したのかと思ったぐらいだよ」

    生徒3( ・ω・)「行き先? わかんないけど、方角は禿鷲寮の方向に行ってたよ」

    生徒1( ´~`)「あれがお医者さんなんだとしたら、禿鷲寮で急病人でも出たのかね?」

    生徒2(´・ω・`)「時間? たぶん、午前10時ぐらいだったかなぁ」

    ……約束をすっぽかして、禿鷲寮にダッシュ……何の目的で、そんなことをしたのでしょうね……?

    ク「わからないね。生徒さんのひとりが言ったように、急病人が出て呼ばれたのかな?」

    あるいは、シボルパイン医師にとって許容できない何かが始まろうとしていたか……あるいは、何を後回しにしても向かいたい素晴らしいものがあったか……。

    ク「彼がその時点で禿鷲寮に入ったのなら、殺されるまでずっとそこにいたのかどうかも気になるね」

    禿鷲寮という建物に、手がかりがありそうです。次はそれを重点的に調べますか?

    ク「ぜひそうしよう」

    (禿鷲寮と、外部の人間であるシボルパイン医師。このふたつをつなぐ要素は何なのか)

    (再び地道な聞き込みが行なわれた。目撃情報と、シボルパイン医師を知る人の捜索が主な焦点だ)

    (その結果、判明したのは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、シボルパイン医師は禿鷲寮に入ったが、それからぷっつり行方知れずに

    2、「急患はこっちか?」と言いながら廊下を走るシボルパイン医師と、それを先導する誰かが目撃される

    3、「あれが見つかったというのは本当か?」と誰かに詰め寄るシボルパイン医師と、彼と話す誰かが目撃される

    4、人目を避けるようにコソコソしながら、事件現場の空き部屋に入っていくシボルパイン医師が目撃される

  • 154ぼっち24/05/20(月) 21:55:15

    禿鷲寮生( ;´・ω・`)「殺されたお医者さんのこと、見たよ。様子が変だったから、印象に残ってる」

    禿鷲寮生( ´Α`)「なんかコソコソしながら、そこの部屋に入っていったんだ。うん、死体が見つかったっていう空き部屋だよ」

    ……ふむ。

    どうやらシボルパイン医師は、禿鷲寮というより、現場の部屋に行くことを目的にしていたようですね。

    ク「事前の約束を反故にしてでも行きたいと思うほどに、優先する目的だったわけだ」

    ク「そんなにしてまで、ただの空き部屋を訪れなければならない理由というのは何だろう……?」

    わかりません。……現場の部屋はどれくらい調べましたか?

    ク「警察の人たちと協力して、不審なものがないかは調べたよ。空き部屋で物がないから、かなり早く済んだね」

    ク「犯人のものと思われる遺留品はなし。秘密の抜け穴とか、壁に塗り込まれた骸骨とかみたいな、奇妙なものもなかったよ」

    つまりは、ただの空っぽの部屋と。

    となると……この部屋に何かがあった、じゃなくて……誰かがいたから訪ねていった、という可能性かな……?

    ク「誰かに呼び出された、と?」

    それが一番しっくりきます。そして、その人物は十中八九、犯人です。

    ク「シボルパイン医師は、犯人から呼び出しを受けた。それは彼にとって、大慌てで応じなければならないほどの強制力があった、と」

    何らかの脅迫を知れませんね。……しかし、だとしても、シボルパイン医師が部屋に入ってから、殺されるまでに4時間以上の間隙がある……。

    ク「現場の空き部屋で、被害者に何があったのか……それを知る術はあるんだろうか……?」

    もう少し、聞き込みを続けてみましょうか……。

    dice1d4=4 (4)

    1、被害者が空き部屋に入ったあと、部屋に入る何者かが目撃されていた

    2、午前9時前に、現場の空き部屋に入るサクラパシュー先生が目撃されていた

    3、午前10時から午後2時半まで、フンギル先生がどこにいたかまったくわからない

    4、警察(*>д<)「被害者の服のポケットから、呼び出しの手紙が見つかったよ! かなり脅迫的なやつ!」

  • 155ぼっち24/05/21(火) 22:57:56

    警官(;`・ω・)ノ「おぅい、ちょっといいかい。気になるものを見つけたよ!」

    ク「あなたは、ご遺体を調べていたお巡りさん……! 何か手がかりが……?」

    警官(;´_ゝ`)「うん、被害者の上着の内ポケットからね、変な手紙が出てきたんだ」

    警官(;´Д`)「軽く読んでみたけど、かなり脅迫的な内容でね。この部屋に来いと、強い言葉で被害者に求めている」

    ク「ふーむ……一連の流れからして、犯人が書いた手紙と考えてよさそうだね」

    あ、あのっ、私も、見てもよろしいですか?

    警官( ・ω・)「うん、ふたりで一緒に見るといいよ」

    (クラージュ様が、お巡りさんからシワのよった封筒を受け取る)

    (中には、3つ折りにされた便箋が入っていた……それを開き、文面を読む)

    (紫色のインクでしたためられた文字は、ギザギザとした荒々しい形をしていた。そして内容も、筆跡に負けず劣らず殺伐としたものだった)

    (具体的には……)

    dice1d4=3 (3)

    1、お前がフンギル先生の弟を意図的に死なせたことを知っているぞ

    2、お前が許されない研究をしているということを知っているぞ

    3、結婚すると言ってくれたのに、裏切ったな

    4、顔と名前を変えたぐらいで逃げ切れると思ったか? 俺はお前を見つけたぞ、ハワード・チャルメ

  • 156ぼっち24/05/22(水) 23:27:31

    (──脅迫状熟読中──)

    ……なんというか……すごく、ドロドロした情念が詰め込まれていますね……。

    ク「うん……これを書いた人は、冷静な精神状態ではなかったんだろうな……」

    ク「それでいて、差出人をこんな文章を書くまでに至らしめたシボルパイン医師という人が、罪なお人だということもわかった気がするよ」

    私は、被害者のことを存じ上げないのですが……女性を手玉に取れるような方なのでしょうか?

    警官( ´∀`)「とりあえず、被害者の人となりは我々の仲間が調べましたよ」

    警官( ノ^ω^)ノ「年齢はdice1d70=6 (6)  (最低保証25)、顔立ちはdice1d3=3 (3)  (1、美形 2、普通 3、野豚)、そしてdice1d2=2 (2)  (1、未婚 2、既婚)」

    警官(´・ω・`)「金回りのよさはdice1d100=76 (76)  (高いほど金持ち)、女性関係の評判はdice1d3=2 (2)  (1、ない 2、プレイボーイ 3、特定の相手がいる)」

    警官( ^ω^ )「……というタイプみたいです」

    なるほど……。

    ク「とりあえずこの手紙の差出人は、未だ見ぬ容疑者と考えていいんだろうか」

    事件に無関係と考えるのは難しいでしょうね。……この手紙の内容から、誰なのか特定できるといいんですが。

    (脅迫状を、最初から最後まで通して3回読み直す)

    (その結果、わかったのは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、差出人の名前書いてある! 何なら事件を聞いて現場に来てるし、手紙出したことも認めてる!

    2、差出人の名前書いてあるけど、本人はそんなの書いてないって言ってる……

    3、名前はわからない。でも、文章の内容から、禿鷲寮の現場付近の部屋に住んでる女学生だとわかる

    4、なんか、文章が大袈裟すぎて嘘っぽいな。これ、捜査を撹乱するための偽の手がかりじゃないか?

  • 157ぼっち24/05/24(金) 22:27:17

    警官( ´~`)「こう言っては失礼ですが……外見は、その、あまりおモテになる感じには見えませんね……ぽっちゃりした子豚さんタイプです」

    警官(;´_ゝ`)「でも、金回りがよくて、話が面白いと評判で。女性患者からの評判はかなりよかったです。デートしたって人も何人か……」

    ク「あー、自由を謳歌してる独身貴族といったところかな……?」

    警官(;´Д`)「あ、いえ、結婚はしてます。その上で女性患者たちとデートしたりしてて」

    ……だいぶ、だいぶダメなお人なのでは……?

    警官( ゚ε゚;)「まったく否定できません」

    ク「じゃあ、この手紙の差出人も、そのプレイボーイのお手付きになったひとりということか」

    この手紙、差出人の名前は書いてませんけど、たぶん書いた人は学生ですよね?

    禿鷲寮の部屋割りのこととか、ちゃんとわかってるし……現場の部屋に来てくれたら、自分もすぐに訪ねていきますとか書いてあるし……。

    ク「うん。現場の部屋が、差出人の住んでいる部屋から見えるってことだよね……」

    患者だけでなく学生にも手を出すお医者様か……んー……その……クラージュ様。

    ク「何?」

    この事件、もう迷宮入りでもいいのでは……。

    ク「いや、うん、気持ちはわかるけど、ダメ。さすがに職務放棄は許されない」

    ですよね……。

    じゃあ、とりあえず、差出人が誰か突き止めますか……。

    ク「この近くの部屋の住人ということ以外に、手がかりはあるかな?」

    単純に、シボルパイン医師を知ってるか聞いて回るだけでもいい気はします。あんな激情のこもった手紙を書く人なら、隠しきれないんじゃないかと。

    それ以外なら、闇魔法属性の持ち主かどうかを調べてもいいかもしれません。手紙の差出人こそ犯人である可能性が高いと見なすなら、ですが。

    ク「それなら、さほど難しくなさそうだな。やってみよう」

    (その結果……)

    dice1d4=1 (1)

    1、自分が差出人だと認めた女学生が見つかった

    2、自分が差出人だと認めた女学生が見つかったが、闇魔法使いじゃなかった

    3、そもそもここは禿鷲寮の男子部屋エリア……周囲に女子なんか住んでねえ!

    4、自分が差出人だと認めた男子学生が見つかった

  • 158ぼっち24/05/25(土) 21:59:19

    というわけで、差出人が見つかりました。

    ク「現場の斜め向かいの部屋にお住まいの、ノエル・ゼラチさんですね」

    ノエル( `ー´)「ムスーッ」

    とても不機嫌そうにしておられる。

    ク「この手紙をシボルパイン医師に送って、あの現場の部屋に招いたことを認めますか?」

    ノエル( `Д´)/「ええ、認めるわ。オギデーに手紙を送ったのも、あの人にここに来てって命令したのも私」

    ノエル( ´-ω-)「でも、殺してはないわ……私はただ、あの人と会って、話をしたかっただけ」

    ク「詳しく、話してもらえますか?」

    ノエル(〃´ω`〃)「ええと、まず、私はオギデーと交際してました。私の方は、結婚を前提で、というつもりでね」

    ノエル(*´艸`)「1年前に風邪を引いて、オギデーの病院で診てもらったのが出会いで……半年前に、私から告白してOKをもらったの」

    ノエル( ´ー`)「彼の顔はちょっとアレだったけど、態度や話題が大人っぽくて。一緒に過ごした時間は楽しかった。思い出は、素敵なものばかりよ」

    ノエル( ゚皿゚)「でも、3日ぐらい前かな……あの人に奥さんがいるって話を聞いちゃって。いても立ってもいられなくなって……その手紙を書いたの」

    ク「読ませていただきましたが、かなり、こう、強い言葉を使ってましたね」

    ノエル(-""-;)「それだけ頭が怒りで煮えたぎってたのよ。でも、やっぱり直接会って真意を確かめたくて、呼び出したの」

    なぜ、待ち合わせ場所を自分の部屋でなく、空き部屋に……?

    ノエル( ´д`)「バカでしょあんた。寮の部屋って大抵、ふたり以上で共用するもんよ。ルームメイトの前で痴話喧嘩はしたくないでしょ」

    あ、はい、そうですね……ごもっともです……。

    ク「シボルパイン医師が10時前に禿鷲寮に向かい、現場の部屋に入ったところは目撃されています。そこで、あなたとどんな話をしたのか、お聞かせ願いたい」

    ノエル( ・3・)「ええと……」

    dice1d4=2 (2)

    1、午前10時前から午後2時過ぎまで、ずっとイチャイチャしてました

    2、めっちゃケンカした。午前10時から正午まで一緒にいたが、愛想をつかして自分が部屋を出た

    3、実は急用が入って、現場の部屋には行けなかった

    4、そんなことはあり得ない。私は朝からずっと待ってたのに、オギデーは来なかったわ

  • 159ぼっち24/05/27(月) 19:05:39

    ノエル( ´-ω-)「想像はつくと思うけど……大喧嘩になったわ」

    せやろな……。

    ノエル( ノД`)「オギデーにとっては、私は最初から最後まで一時的な火遊びの相手でしかなかった。私が真剣だというのが、彼にはむしろ信じられないみたいだった」

    ノエル(ヽ´ω`)「奥さんにバラすよと脅してもみたけど、“アイツは俺の遊び癖なんか百も承知だ”って……」

    ノエル( ;`Д´)「もう、それまでの好きだった気持ちが全部、憎しみと軽蔑に変わっていったわ。最後は我慢ならなくなって、部屋を飛び出したの……」

    ク「それは、何時頃ですか?」

    ノエル(`皿´)「部屋を出た直後に、時計塔が正午の鐘を鳴らすのを聞いたわ」

    ク「ふーむ……被害者の死亡推定時刻が、午後2時半だから、まだ2時間半の空きがあるな……」

    ク「その間に、シボルパイン医師への殺意を持った何者かが現場にやってきたということか……?」

    単純に考えると、そうなりますね……でも、そのためには、そこに被害者がいることを知らなければなりませんよ……。

    ク「ああ、それは確かにそうだ」

    ク「ノエルさん、あなたがシボルパイン医師を現場の部屋に呼んだことを……そこに彼がいることを知っていた人に、心当たりはありますか?」

    ノエル(´・ω・`)「なかなか難しいことを聞くわね。内緒の手紙で呼び出したんだから、そんな人はいないと思うけど……」

    ノエル( ゚A゚ )「あ、でも……」

    dice1d4=1 (1)

    1、オギデーが現場の部屋に入るところを見てた人がいるんでしょ? その人は?

    2、私が部屋を出たとき、廊下でフンギル先生とすれ違ったわ

    3、オギデーは時間を気にしてたわ。早く話を終わらせて待ち合わせ場所に行かないと、って

    4、頭を冷やして午後1時頃に部屋に戻ったけど、オギデーはもういなかったわよ

  • 160ぼっち24/05/28(火) 22:28:38

    ノエル(-""-;)「手紙を書いたのは私で、読んだのはオギデーだけ……なら、私たちの密会を知るのは、他にはいないはずだけど……」

    ノエル( ・д・)「あ、いや、待って。オギデーがこの部屋に入ったところを目撃した人がいるのよね?」

    ノエル(*・∀・*)「なら、少なくともその人は、オギデーがここにいることを知ってる人に含めていいんじゃない?」

    ク「んー……? まあ、確かに、おっしゃりたいことはわかりますが」

    ちょっと、事件に関係があると考えるには、つながりが薄すぎるような……。

    ノエル(#゚Д゚)「そんなこと言われても、私の知ったこっちゃないわよ。心当たりはあるかって聞かれたから答えただけだもん」

    ノエルヽ( `Д´)ノ「それに、もしその人が、オギデーと関係していることを隠してたらどーすんのよ。しっかり調べたの?」

    ク「そう言われると、ちょっと困りますね。調べる必要なし、とはけっして言えませんから」

    ……調べては、みましょうか。何か新しい情報が出てきたら儲けもの、という感じではありますが……。

    (というわけで、現場にシボルパイン医師が忍び込んだところを目撃した生徒さんを調べることになったのだ)

    (お名前はちゃんと控えてあったので、その人について調べることはまったく難しくなかった)

    (結果としてわかったのは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、シボルパイン医師と何の関係もないし、闇魔法使いでもない。さらに言うと事件の時刻にアリバイがあり完全に無関係

    2、シボルパイン医師とdice1d100=15 (15)  レベルの友好的な関係性があったことが判明

    3、シボルパイン医師とdice1d100=45 (45)  レベルの険悪な関係性があったことが判明

    4、dice1d3=2 (2)  (1、フンギル先生 2、サクラパシュー先生 3、ノエル)と強い友好関係があることが判明

  • 161ぼっち24/05/30(木) 21:35:56

    ベッキー(*´ω`*)「オギデー・シボルパイン医師が現場に入るのを目撃した、ベッキー・トゥイグです」

    ベッキー(*´∀`*)「実をいうとオギデーさんとは、たまにデートする仲でございました」

    ベッキー(#^ω^)「彼には私以外にもデートする相手がいっぱいいたことを最近知って、ちょっとムカッときてましたが、それぐらいしか悪感情はありません」

    ……………………。

    ク「……………………」

    ……クラージュ様……クラージュ様……! この被害者のために事件を解決しようとすると……ストレスの重なり方に際限がないのですが……!

    ク「たちの悪い事件のときに、関わってしまったね……でも、犯罪捜査なんて大抵、こんなもんなんだよ……!」

    これでこの被害者、評判の数値58って嘘でしょう……!?(メタ)

    絶対、10未満とかそんなレベルですって……!(メタ)

    ことによると、今後もこの調子で、関係者ポンポン増えていったりするのでは……?

    お手付きの女の子ばっかり増えすぎて、収拾つかなくなって迷宮入りとか、あり得るんじゃないですか……!?

    ク「き、気持ちはわかるけど……そうはならないと思いたい……!」

    ク「……いや……しかし……関係者は増えてるのに、容疑者を絞ることにならないのは、確かによくない傾向だね」

    ええ……我々は少し、回り道をし過ぎているような気がします。

    ここでいくらか、関係者を重い容疑の者と、軽い容疑の者に振り分けてみるべきではないでしょうか……?

    ク「ふむ、つまり?」

    被害者の死亡推定時刻はわかってるのですから……その時間のアリバイを調べてみましょう……。

    ク「なるほど」

    (現在、盤上に名前の出た人たちの、午後2時半頃のアリバイは……)

    フンギル先生:dice1d2=1 (1)

    サクラパシュー先生:dice1d2=1 (1)

    ノエル:dice1d2=1 (1)

    ベッキー:dice1d2=1 (1)

    (1でアリバイあり。2でアリバイなし)

  • 162ぼっち24/05/31(金) 23:18:41

    ク「なに……? 全員にアリバイがある?」
    警官( ´ー`)「はい。聞き込みをしたところ、容疑者の4人は午後2時半前後のアリバイを持っていました」
    警官( ノ^ω^)ノ「ほら、例の獣龍とかの襲撃があったでしょ。先生ふたりは、あれを退治するために前線で戦っているのを、他の教師たちが目撃していました」
    警官( ´∀` )b「ゼラチとトゥイグは、他の生徒たちと一緒に大講堂に避難していましたね。同じ禿鷲寮の知人たちの証言もあるので、まず信用できるでしょう」
    ク「どういうことだ……? 犯人のアリバイは、当然ないだろうと思ってたんだが……」
    ク「もしかして本当に、まだ我々の知らない他の容疑者がいたりするのか……? 被害者の交際相手が、またぞろぞろ湧いてきたり……?」
    いえ……どうでしょうか。アリバイについては、あまり深く考えないでいいと思います。
    ク「……? エメラチェリー、それはどういうことだい?」
    闇魔法には、《影人(ダークドール)》という魔法があります。影で分身を作って、それを操るという魔法です……。
    射程距離は数十km……子供ほどの知性を持っているので、離れたところにいる被害者を絞め殺させることぐらいは、充分できるんですよ……。
    ク「はっ!? えっ……そんな魔法があるんじゃ、アリバイ調査なんかしたところで、まるで意味がないじゃないか!?」
    いえ、そんなことはないと思いますよ……。
    容疑者4人全員にアリバイがあった、という時点で……容疑者がひとりに絞れましたから……。
    ク「……え?」
    他に新しい容疑者が出てこない、という前提での話ですが……この人が犯人だと考えて捜査を進めたのでよさそうだな、という人が決まりました。
    たぶん、身のまわりに物的証拠を隠しているでしょうから……それさえ見つければ、降参させることはできるんじゃないかと……。
    ク「ちょ、ちょっと待て、エメラチェリー。なんて? 誰がやったか、ひとりに絞れた? 犯人がわかったってこと!?」
    え……? あ、はい……恐らく、ですけれど。
    ここまでの情報をまとめた限りでは……えーと……ノエル・ゼラチさんが犯人で、ほぼ間違いないかと思います……。

  • 163ぼっち24/06/01(土) 23:15:06

    とりあえず、現時点で盤上にいる人たちの中から、犯人を選ぶなら……私はノエルさんをピックアップします……。
    ク「その、そう思った理由は、何? 恨んでいる人なら、フンギル先生やトゥイグもそうだし、サクラパシュー先生も隠れた動機があるかもしれないよ?」
    ええ、かもしれません。……でも、犯行現場にシボルパイン医師を呼んだのはノエルさんで、これは本人も認めている事実です。
    ク「犯行現場に被害者を呼んだことが、それほど重要なの?」
    はい、ものすごく重要です。
    ……クラージュ様、容疑者たち4人にはアリバイがありましたね。
    4人の中に犯人がいるなら、そのうちのひとつは偽装されたアリバイと考えていいと思いませんか?
    ク「まあ、それはそうだね」
    ク「あなたは、《影人(ダークドール)》という魔法のことを教えてくれた。その魔法で作った分身に殺人をやらせれば、アリバイを確保することが可能だと……」
    《影人(ダークドール)》の分身を使ったとして、具体的にどのような手順で殺人が行われたと思いますか?
    ク「えっ? えーと……」
    私の想像では、こうです。空き部屋でシボルパイン医師と密会し、喧嘩になり、殺人を決意したノエルさんは、まず彼を拘束して動けなくしました。
    ク「……拘束?」
    はい。被害者を自由にして、どこにいるかわからない彼を分身に探させて殺させるのは、ちょっと難しいと思います。
    被害者を縛って動けなくしておけば、特定の時間に特定の場所に確実にいることが保証されますし、抵抗もされないので非常に楽です。
    ……紐か何かで被害者を拘束し、逃げることも助けを呼ぶこともできない状態にしてから、ノエルさんは部屋を出ます。
    それからアリバイを確保しつつ、2時半に《影人(ダークドール)》を使って、空き部屋にいる被害者を遠隔操作で殺します。
    それから充分に時間をおいて、空き部屋に戻って、死体の拘束を解きます。被害者の左手を切断したのも、このタイミングでしょう。
    言ってしまえば、ノエルさんがやったのはこれだけです。簡単な方法でアリバイを作り、簡単にしらばっくれた。特別なことは何もしていません。

  • 164ぼっち24/06/01(土) 23:47:33

    ク「ふむ、流れはわかりやすいね。でも、それをやったのがノエル・ゼラチさんだというのはなぜ? 他の人でも、同じことはできるんじゃないか?」
    いえ、これができるのは……これをやる気になれるのは、たぶん、ノエルさんだけです。
    まず、フンギル先生とサクラパシュー先生は、禿鷲寮の空き部屋という犯行現場をチョイスしようがありません。
    シボルパイン医師は、サクラパシュー先生との待ち合わせに向かう前に、ノエルさんからの怒りのこもった手紙を受け取って、大慌てで空き部屋に向かいました。
    それは、まあ、言ってしまえば、女子学生との逢瀬ですよね。
    シボルパイン医師が、ノエルさんとの話し合いのあと、生きて空き部屋を出ることができたとして……。
    その足でサクラパシュー先生のところへ向かい、待ち合わせの約束をすっぽかしたことを謝罪したとして……どこで何をしていたか、正直者に言うと思いますか?
    ク「言う……わけが、ないね」
    ですです。なぜ待ち合わせに来れなかったのか、言い訳をするにしても、きっと適当な嘘八百を言うことでしょう。
    そういうわけで、サクラパシュー先生は、シボルパイン医師とノエルさんの密会場所である空き部屋のことなんか知りようがありません。
    なので当然、そこを犯行現場に選ぶということもできません。
    フンギル先生についても同じことが言えます。というか、この人はシボルパイン医師を嫌っていたので、余計に密会場所の話なんか聞く機会はないでしょう。
    ク「では、偶然の目撃者であるベッキー・トゥイグさんは? 彼女は、空き部屋とシボルパイン医師を結びつけて考えることができるはずだけど?」
    いえ、彼女も無理です。空き部屋にシボルパイン医師を呼んだのは、あくまでノエルさんであって、ベッキーさんじゃないからです。
    ク「それは……どういう……?」
    ベッキーさんの立場になって考えてください。自分とはまったく関係ない理由で、憎きシボルパイン医師が空き部屋にやってきました。
    空き部屋の中で、シボルパイン医師はノエル・ゼラチさんと喧嘩をして、ノエルさんだけが出ていきました。部屋にいるのはシボルパイン医師だけです。

  • 165ぼっち24/06/02(日) 00:08:54

    これはチャンスと、ベッキーさんは殺人を決意します。
    空き部屋に乗り込み、シボルパイン医師を拘束し──しばらくしてから、《影人(ダークドール)》を使ったアリバイ工作で、遠隔殺人を試みる……。
    ク「んー……ノエルさんとベッキーさんが交代しただけで、問題はないように感じるけど……?」
    いいえ、とんでもないです。よく考えてみてください。
    ベッキーさんが犯人だとしたら、シボルパイン医師を監禁している最中に、ノエルさんが空き部屋に戻ってくる危険があるんですよ?
    ク「……あ」
    この手のアリバイ工作では、拘束した被害者を、殺人を実行する時間まで誰にも見つからないように隠すことがとても重要なんです。
    魔法で遠隔殺人が可能でも、それをする前に発見されては、何もかもが台無しです。
    その点、自分以外の誰かが被害者と密会するために使っていた場所というのは、非常に安心できません。
    元々の密会相手が立ち去ったとしても、いつ戻ってくるやら……。
    私なら、そんな不安を抱えるぐらいなら、この機会はスルーして、もっと別な時と場所を選んで殺人を行なうでしょうね。
    ク「ああ、うん、なるほど。“現場に誰も来ない、殺人の時間まで安心して被害者を監禁しておける”と考えられるのは、密会相手だけだ──ということだね?」
    はい。
    たとえば、何らかの偶然で……呼び出しの手紙を盗み読む機会を得るなどして、サクラパシュー先生やフンギル先生が、空き部屋での密会を知ることができたとしても……。
    やはり、彼らは、ノエルさんがやってくることを恐れて、空き部屋を犯行現場に選ぶことを避けるでしょう。
    ク「監禁場所として、魅力がなさすぎる部屋だというわけだ。ノエルは、犯行現場の選択を完全に失敗したんだな……」

  • 166ぼっち24/06/03(月) 16:12:10

    ク「……もうひとつ、他の可能性も詰めておきたい」
    ク「たとえばだ、どこかまったく別の場所でシボルパイン医師が殺されて、あとから死体が現場の部屋に運び込まれたということはあり得ない?」
    ク「空き部屋で密会が行われたことは、被害者が持っていた例の手紙を読めばわかることだ。真犯人がノエルに罪を着せるために、偽装工作をした可能性は?」
    非常に低いと思います。
    空き部屋に出入りするところを目撃されるだけでも危険なのに、死体を持ち込んでいるところを見られたら、言い訳のしようがありませんから。
    場所は学生寮です。無関係な生徒が廊下を行ったり来たりしています。いつどこから誰に見られるか、予想して避けることは非常に困難です。
    私が犯人なら、ノエルさんに罪を着せるために、そんな自分を崖に追いやるようなことはしないでしょうね。
    ク「ふむ、わかった。あと、気になることは……切断された左手についてだが……犯人はなぜ、あんなことを?」
    うーん……あれはたぶん……左手だけ、きつく縛りすぎてしまったんじゃないかと……。
    ク「えっ」
    人を安全に縛ることに慣れてる人なんて、あまりいませんよね。
    ノエルさんはシボルパイン医師を監禁するとき、ロープかなにかで彼を縛って、身動きがとれなくしたんでしょう。
    跡がつかないように、服の上から縛るなどして工夫することはできますが、被害者も無抵抗なわけがない。
    拘束から抜け出そうと暴れた結果、シボルパイン医師の左手首に、縄で擦れた傷がついてしまったんじゃないでしょうか。
    その傷を見られたら、長時間縛られて監禁されていたことがバレてしまう。だから……。
    ク「傷を隠すために、傷のついている左手ごと切り取ったってことか。なんというか……恐ろしいな……」
    恐ろしいですが、全体的に行き当たりばったりの犯行です。目の前の問題だけに短絡的に対処している。
    こういう犯行は、うまくごまかしているように見えて、ボロが積み重なっているものです。
    切断に使った刃物や、そのとき着ていた服や……そういったものが、ノエルさんの周囲を探せば、すぐ見つかるような気がするんですよ……。

  • 167ぼっち24/06/04(火) 23:47:25

    ク「とりあえず、話はわかった。速やかにノエル・ゼラチを確保しよう」
    お願いします。ノエルさんの性格的に、証拠品を遠くに捨てに行くとか、破壊したりして完全に消滅させるような面倒な仕事は、してないと思います……。
    自分の部屋のベッドの下に隠すとか、戸棚の奥に放り込むとか、そういったことをしてごまかしてるんじゃないかと……。
    ク「そうあってくれると楽なんだが。まずはやはり、部屋の捜索かな……」
    あ、あと、彼女を捕まえるときには、けっして油断しないようにしてください……。
    ク「…………? どういうこと?」
    自分の犯行がバレてる、と、ノエルさんが知ったら……ヤケになるかもしれないからです……。
    ことによると、真相を見抜いたあなたを殺して口を封じれば、まだ逃げ切れるかも……なーんて考える可能性も……。
    ク「い、いやいや、エメラチェリーさすがにそれは……」
    (と、クラージュ様が苦笑したときだった)
    (部屋の扉の影から、ぬるりと、真っ黒な人型の何かが音もなくわき上がるのを、私はクラージュ様の肩越しに見た)
    ──クラージュさ──。
    (私が警告のために叫ぶのと、黒い人型が両腕を鞭のようにしならせてクラージュ様を打ちすえようと試みたのは、ほぼ同時だった)
    (そして、クラージュ様が剣を抜いて、襲いかかってきた人型に斬りつけるアクションは、それよりさらに一瞬早く行なわれた)
    (脳天から胸元まで、頭を縦に一撃で両断されたそれは、たたらを踏みながら後退し、背中から壁にぶつかった)
    だ、大丈夫ですか、クラージュ様!?
    ク「ああ、問題ない。しかし、こいつは……?」
    (振るった剣を鞘に納めず、正眼に構えたまま謎の襲撃者に向き合うクラージュ様)
    (頭部を斬られた不審な人型は、生き物であれば即死であろう傷を負ったにも関わらず、まったく気にも留めていないかのように体勢をととのえた)
    (深い傷は粘土で埋めるかのようにすぐに塞がり、それは再びクラージュ様に向き直った)
    真っ黒な影の……人型をした何か……間違いありません。これ、《影人(ダークドール)》の魔法です……!
    ク「ふん? これが?」
    ク「なるほど、なるほど……まさか、本当に口封じに来たというわけか? ノエル・ゼラチ……」

  • 168ぼっち24/06/05(水) 22:37:29

    (ノエル・ゼラチはとてつもなく単純な女であった)
    (そして、単純であるがゆえに、めちゃくちゃ切り替えの早い女であった)
    (魅力的な男と燃えるような恋をし、その男に裏切られたと知るやいなや、ぶち殺すことを決めた)
    (かといって警察に捕まってもいいわけではなかったので、彼女なりに考えに考え抜いて、アリバイ工作を行なった上で殺人を決行した)
    (もちろんとてつもなく考えが足りなかったので、事件を起こして2時間も経たないうちにトリックは見破られたし、ノエルが犯人だということもバレてしまった)
    (しかしそれでも、ノエルは絶望しない)
    (彼女は、めちゃくちゃ切り替えの早い女であったからだ)
    (諦めて捕まるという選択肢は最初から蹴り飛ばして、バレたからにはバレた場合のごまかし方を考えようと心に決めた)
    (即ち──自分が犯人だと見破った人たちへの攻撃を選択したのだ)
    ノエル(`Δ´)「今んところ、真相に気付いてるのは、あのクラージュって聖堂騎士と、エメラチェリーって助手のふたりだけみたいね」
    ノエル( :゚皿゚)「だったらまだ何とかなる。あのふたりさえ口封じすれば、解きほぐされそうになった謎はまた真っ暗闇の中に閉ざされることになる」
    ノエル(#゚Д゚)「あんたらに恨みはないけれど。オギデーのやつをブッ殺した罪なんかで、私は捕まりたくないの」
    ノエル(ノ`Д´)ノ「他の人と情報を共有される前に、くたばってもらうわ。ひとり殺した経験が私にはあるもの……ふたり、3人目はもっとうまく殺せるはず!」
    (そして彼女は、自らの魔法である《影人(ダークドール)》を、暗殺者としてクラージュとエメラチェリーに差し向けた……)

  • 169ぼっち24/06/05(水) 22:50:54

    (殺人現場の部屋の奥に追い詰められる形で、私とクラージュ様は《影人(ダークドール)》と対峙していた)

    (剣を構えたクラージュ様が、私を守るように前に出て、相手の様子をうかがう)

    (剣で斬られた傷を回復させた《影人(ダークドール)》は、まるで幽霊のように揺らめきながら、1歩、2歩とこちらに近付いてくる)

    ク「ふーむ。人間なら致命傷になる傷を与えても平気とはね。エメラチェリー、あれはどうやったら倒せる?」

    具体的にここを突けば倒せる、という弱点はありませんね……。

    遠隔操作タイプの魔法は、破壊すれば活動を停止するものと、術者からドングが送られ続ける限り、ダメージを受けても再生して動き続けるものがあります。

    あれは、どうやら後者のタイプです。斬ったり殴ったりしても、多少ドングを消耗するだけで、活動を阻害することはできません。

    ク「つまり……無敵で、対処のしようがないということ?」

    いえ。あの手の魔法には、共通の弱点があります。

    本体を倒されて、ドングの供給が途絶えると消えるんです。

    ク「なんだ、あるんじゃないか。そんな簡単な方法が……!」

    ……あれの攻撃をいなしつつ、本体のノエルさんを見つけ出して叩くと?

    ク「うん、エメラチェリー、あなたは私のしたいことをうまく言語化してくれたね。実際、この状況を切り抜けるには、それしかないんじゃないかな」

    ク「問題は……ノエル・ゼラチが、今どこにいるかということだけど……」

    なかなか面倒ですよ、探し出すのは……。

    先程も言いましたが、《影人(ダークドール)》の射程距離は数十キロもあるんですから……。

    ク「そこなんだよなあ……」

    (うーん、と、苦悩するように首を傾げるクラージュ様)

    (……で、ノエルさん……あなたは今、どこにおられるのですか?)

    dice1d4=2 (2)

    1、禿鷲寮の中、自分の部屋

    2、アカデミアの中央部の食堂

    3、アカデミアから出るべく校門に向かっている

    4、殺人現場の部屋の扉のすぐ外

  • 170ぼっち24/06/08(土) 00:51:43

    (ノエル・ゼラチは、禿鷲寮でクラージュとエメラチェリーのふたりを攻撃しながら、アカデミアの食堂で遅めのティータイムを楽しんでいた)

    (そよ風と柔らかい日光の心地よいテラス席のテーブルについて、白いカップで紅茶を飲み、グレーズのたっぷりかかったドーナツをいただく)

    (彼女のまわりには、おなじように食事を楽しんでいる生徒が何人もいた)

    (大勢の中に紛れ込んだその姿は、とても現在進行形で殺人を試みている凶悪犯には見えない)

    ノエル☕(´∀`*)「私とあいつらは、500m以上離れた意味関係にある」

    ノエル(っ´ω`)っ🍩「私を探し出して倒そうったって、闇雲に走り回って見つけられるはずがないわ。諦めて一方的にぶち殺されるがいいのよ」

    ──────────

    ク「えいやっ!」

    (両腕を何本ものリボンのようにほどいて、それを伸ばしてこちらを拘束しようとしてくる《影人(ダークドール)》)

    (その不気味な触腕の束を、クラージュ様は一刀のもとに斬り捨てた)

    (……が、相手は斬られても斬られても、切断面から新たなリボンを再生させ、こちらへの襲撃をけっしてやめない)

    ク「トロいし、大雑把だが、斬りつけた感触からすると、パワーはそこそこあるみたいだな……身を守る手段のない人間なら、簡単に絞め殺されてしまうだろう」

    ええ……最初は、被害者は《影包(ラッピング)》の魔法で殺されたんだと思ってましたが……実際にはどうやら、あの触腕で絞殺されたんでしょうね……。

    ク「今はいいが、この調子でずっと攻められると、いつかこちらが根負けするな。……エメラチェリー、本体のノエル・ゼラチを見つけ出す方法は、何かあるか?」

    あの単純な動きからして、彼女が近くにいて、こちらを視認しながら操ってる様子はありませんね。完全に自動操縦にしてる。

    これはちょっと厄介です……今、我々が取れる手立てはというと……。

    dice1d4=1 (1)

    1、二手に分かれる

    2、警察の人を見つけて、ノエルを探してもらう

    3、削りまくって相手のドング切れを狙う

    4、『禿鷲寮からお越しのノエル・ゼラチさん……オギデー・シボルパインさんがお待ちです……至急、学生部にお出でください……』

  • 171ぼっち24/06/09(日) 00:54:27

    非常にシンプルな対処法になりますが……。

    ク「うん」

    あの《影人(ダークドール)》は1体。私たちはふたり。

    言いたいことはおわかりですね?

    ク「あー……確かにシンプルだね」

    ク「あれがどっちを追ってこようと、追われなかった方が警察を探し出して合流できれば、チェックメイトということだね?」

    はい、そういうことです。

    警察の人たちを加えて人海戦術を使えば、ノエルさんがどこに隠れていても、発見にさほど時間はかからないと思います。

    ……と、いうわけで……禿鷲寮から出たあたりで、左右にパッと分かれましょう。

    ク「オーケイ。どっちが追われても、恨みっこなしで」

    もちろんです。……あ、もうそろそろ、寮の玄関ですね。……それでは……。

    ク「うん。いっせーの、さん、はいっ!」

    (禿鷲寮の玄関扉から飛び出すと同時に、私とクラージュ様は、別々の方向に走り始めた)

    (それから1拍遅れて、《影人(ダークドール)》も外に出てくるが……その反応は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、どちらを追うべきか、キョロキョロして決めかねている

    2、私の方を追ってきた!

    3、クラージュ様の方を追っていった!

    4、数匹の黒い狼に変化して、私とクラージュ様の両方を追ってきたぞ!?

  • 172ぼっち24/06/10(月) 21:36:15

    んんっ!?

    (振り返って《影人(ダークドール)》の様子を確かめると……黒い人影がまるで毛糸をほぐすように崩れ始め、数十頭の黒い狼に姿を変えた)

    これは……《影狼(シャドーウルフ)》の魔法!?

    《影人(ダークドール)》をキャンセルして、そのドングをまるごと、闇の狼を作るのに転用した……!

    ノエル・ゼラチさん……学生だからって甘く見てた……今の時点でも一流の魔法使いだぞ、こいつ……!

    (いや……ノエルさんの恐るべき点は、そこではない)

    (こちらが分かれたと見るや、それに即座に対応してくる判断の早さだ)

    (頭数が増えたということは、分かれて逃げる私とクラージュ様のどちらも追いかけることができるということを意味する)

    (案の定、狼たちも手分けをして我々を追跡し始めた。どちらにも10頭以上が向かってくる)

    (離れゆくクラージュ様も、これには驚いている……二手に分かれた利点が完全に潰されたのだから、それも仕方がない)

    (真逆に向いて走り始めた以上、もう彼女と合流することはできない)

    (とりあえず我々にできることは、初志を貫徹することだ……即ち、警察の人たちを探して、ノエルさんを探すように伝える!)

    (と、その前に、まずは狼たちに追いつかれないようにしなくっちゃ……!)

    ──《跳ね馬(スプリッツァー)》ッ!

    (走りながら呪文を唱えて、地面の鉄分から生成したスプリングの馬に飛び乗る)

    (そして、駆ける!)

    (石畳を踏み砕き、景色を置き去りにして、前へ、前へ……)

    (敵は脚力に優れた狼だ……油断はできない……こちらが逃げ切るか、あちらが追いつくか、どちらが上回るかまったくわからない)

    (アカデミアの敷地をフルに使ったチェイスの結果は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、追いつかれる前に、警察の人たちを見つけた!

    2、警察の人たちを見つけたけど、警察の人たちも狼に襲われ始めた!

    3、警察の人たちを見つける前に、狼に追いつかれた!

    4、狼たちが、私に追いつけないと見るや、無関係な学生たちを襲い始めた!?

  • 173ぼっち24/06/12(水) 18:14:01

    (影の狼は確かに脚が速いが、鉄のバネの瞬発力には敵わない)
    (《跳ね馬(スプリッツァー)》を駆る私は、追跡してくる《影狼(ダークウルフ)》たちを一気に引き離していった)
    よしっ、このペースならやつらはまず追いついてこれないぞ……。
    あとは警察の人たちを見つけるだけ……たぶん、職員棟に行けば何人かは待機してるはず……。
    (心に余裕ができて、そんな風に考えを巡らせ始めた、まさにそのときだった)
    (私の背後から、誰かのものすごい悲鳴が響き渡った)
    生徒1( ; ゚Д゚)「ギャアアアァァァーッ! なんだこの狼!? いきなり噛みついてきたぞーッ!?」
    生徒2(´;ω;`)「痛い! いったい! 足がちぎれるゥ!」
    影狼(∪^ω^)「もぐもぐ」
    (振り返ってみると、何人かの生徒たちが影の狼に襲われていた)
    (え、なんで……どうしてあの人たちは噛まれているんだ!? 警察官でもなんでもない、通りすがりの人たちだぞ、あれは!?)
    生徒3(;´゚д゚`)「アバーッ!? 誰の魔法だ、これ!? はやく止めて……ああああっ」
    生徒4(;TДT)「誰か先生を……いや、それより医者を呼んでくれーっ! 血が、噛まれたところから血がめちゃくちゃ出てるよおっ!」
    狼(∪^ω^)「がぶがぶ」
    (狼たちは、特定の誰かを狙っていない)
    (その辺にいる人を噛んで怪我させたと思ったら、また別の人を鋭い爪でかきむしっている)
    (十数頭の群れは今やバラバラに散開し、人々を手当たり次第に襲っていた)
    魔法の暴走か……? い、いや、違う……。
    術者が狙って、これをやってるとしたら……その目的は……。
    ……の、ノエル・ゼラチ……あなたという人は……!
    (私は、ノエルさんの意図に気付いて、背筋につららをぶち込まれたような驚きを感じた)
    あなたは……もう、考えを切り替えたのか……?
    私に追いつけない……警察に自分の罪を知られることを阻止できないと見るや……。
    そこら辺の人たちを通り魔的に襲いまくって……犯罪者の捕縛どころではない混乱を作ろうとしているのか……!?

  • 174ぼっち24/06/12(水) 18:43:29

    (アカデミアの敷地のあちらこちらで、悲鳴と怒号が飛び交い始めた)

    (数十頭の影の狼が生徒たちを無差別に襲い、怪我をさせている……そんなとんでもない事件が起きているのだ)

    (誰も彼も、冷静ではいられない。生徒も教師もてんやわんやだ。医務室には怪我人が次々に運び込まれ、パンク状態になっている)

    (シボルパイン殺人事件の捜査のためにやってきていた警察官たちも、狼退治と怪我人の救助に手を取られ、本来の職務を後回しにせざるを得なくなった)

    (これこそ、ノエル・ゼラチの望んだ状況だ)

    (彼女は学生食堂を立ち去り、悠々と校門に向かう)

    ノエル( ・3・)「私が犯人だとバレちゃうのは仕方ない。ならせめて、バレた上で捕まらないことを目指しましょう」

    ノエル(*´ω`*)「具体的には、無差別襲撃で広い範囲に騒ぎを起こして、みんなが混乱してるうちに外に逃げるわ」

    ノエル( ´∀` )b「さすがに警察も、現在進行形で怪我人が出まくってるのに、それをほったらかしにして私を追ってきたりはしないでしょ」

    (もしこの場に星喰学派のメンバーがいたら、迷いなくノエルを自分たちのコミュニティに勧誘しただろう)

    (彼女の精神性は、あまりにも人食いに向いていた。自分の利益と安全のために他者を犠牲にして、罪悪感のひとつも持つことのない怪物……)

    (彼女はこのまま逃げのびてしまうのか……?)

    dice1d4=1 (1)

    1、エメラチェリー「絶対これ、アカデミアから逃げるためにやってんだろ! つまり本体の行き先は校門だな!?」

    2、クラージュ「生憎だけど逃がしはしない」

    3、大量の狼が追跡してくる。ノエルを

    4、多種多様かつ夢のような超広範囲型攻撃魔法の嵐がアカデミアを襲う!

  • 175ぼっち24/06/14(金) 00:14:34

    (スプリッツァーの蹄で石畳を削りながら、急停止する)

    (影の狼たちは、まったく無差別に人を襲っている。走るのをやめた私には、目もくれない……一番近くにいる誰かを攻撃するよう指示を受けているようだ)

    (狼たちの主であるノエルさんは、私たちを口封じすることから、アカデミアにいる人たちを混乱させることに目的を切り替えた)

    (しかし、それはなぜ? 大勢を襲って、怪我をさせて、慌てさせて、その結果として何を求めている?)

    (警察が彼女の逮捕より、混乱の解決を優先することを期待しているのは間違いないだろう。しかし、そんなのは一時的なもの)

    (警察も、アカデミアの教師たちも無能じゃない。ほんの数十分もあれば、狼たちは駆逐される)

    (ほんの数十分もあれば……)

    ──それだけ時間を稼げれば、遠くに逃げるには充分だ……って、コト!?

    (アカデミアのどこかにいるノエルさんを見つけることすら、私は手こずっている)

    (彼女が学校の外に出てしまえば、さらに追うのは難しくなる)

    (乗り合い馬車に乗れば、遠い街に行ける。馬をレンタルすれば、決まったルート以外の場所にも行ける)

    (近くには港もある。船に乗ることも考えられる。そして、それら大量の選択肢のどれをノエルさんが選ぶか、私にはわからない)

    彼女がアカデミアの敷地を出る前に、カタをつけないといけない……!

    だったら、目指すべきは校門だ! 外に出るために、そこを通過することは確実!

    (私は再び、スプリッツァーを発進させる)

    (走行スピードは私の方が圧倒的に勝っているだろうが、問題は距離だ。ノエルさんの方がずっと校門に近い位置にいるのだとしたら、マズい)

    (間に合うか、間に合わないか……?)

    私が校門に駆けつけるまでの時間:dice1d100=54 (54)

    ノエルさんが校門から外に出るまでの時間:dice1d100=83 (83)

    (数の少ない方が勝ち)

  • 176ぼっち24/06/15(土) 22:26:17

    (ノエル・ゼラチはやってきた)

    (まるでパンでも買いに行くようなリラックスした様子で、喧騒に満ちたアカデミアの敷地をゆっくりと横切り、校門に近付いてきた)

    (しかし、その手前で急に立ち止まり、不快そうに目を細めた)

    (校門の太い石の柱に背中をもたれさせて、彼女が来るのを待っていた私を見つけたせいだろう……)

    ……よかった。あなたがこの門を出るより先に、ここにたどり着けて。

    影の狼から逃げるために……魔法まで使って走ったけれど……そのとき、偶然に、校門に近付いて走っていたのは、本当に幸運だった。

    逆に、あなたは運がなかったみたいね……。

    《影人(ダークドール)》を発動させた時点で、アカデミアの真ん中あたりにいたんじゃない?

    そうでもないと、《影狼(ダークウルフ)》を使って、アカデミアを混乱させて逃げようと決断してから、ここに来るまでに時間がかかりすぎているもの。

    ノエル( `д´)「私の目的に勘づいて、待ち伏せしてた……ってコト?」

    まあ、そういうこと……。

    あなたは優れた魔法使いだけど、《影人(ダークドール)》と《影狼(ダークウルフ)》の連続使用で、ドングの貯蔵量はかなり減っているでしょう?

    ある程度ドングに余裕がある私の方が、戦いになったら有利だ……。

    私は……あなたに変に怪我をさせたくない……。

    抵抗をせずに、大人しく捕まってくれると嬉しいんだけど……どう?

    ノエル(-""-;)「……………………」

    (彼女の選択は……)

    dice1d4=2 (2)

    1、降参

    2、有無を言わせず魔法攻撃!

    3、有無を言わせず、周囲を真っ暗にする魔法発動!!

    4、ドングが足りねーなら殴り合いじゃあああぁぁぁ!!!

  • 177ぼっち24/06/17(月) 20:02:52

    (ノエルさんは、少し悩むようにうつむく)

    (そのまましばらく無言のままでいたが、やがて顔を上げた)

    (彼女は握手を求めるように両手を差し出しながら、私に向かって1歩、また1歩と近付いてくる)

    (降参する、という意味か)

    (……と、一瞬だけ思ったけど……)

    (違った)

    (こちらを見つめる彼女の目は、暗い)

    (まだ諦めないという暗黒の炎が、殺意と敵意に満ちた真っ黒な星の光が、その瞳の中に輝いている!)

    ノエルฅ(º ロ º ฅ)「《影包(ラッピング)》!」

    (ノエルさんの指先から、矢のような速度で黒いリボンが伸びる)

    (人を容易に絞め殺すだけのパワーがある、基礎的な闇属性魔法だ)

    (拘束力も高く、一度体に絡まったら、振りほどくのは難しい)

    (しかも……見ての通り、速度もかなりある……!)

    (だが)

    (彼女が襲ってくると、何となく察してさえいれば)

    (魔法を使った攻撃をしてくるだろうと覚悟していたなら)

    (避けることはそんなに難しくはない)

    (私は、横に転がるようにして闇のリボンを回避する)

    (そして、あらかじめ口の中で唱えておいた呪文の、最後の1小節を叫んだ)

    ──《拳銃(ショット)》ッ!

    (闇のリボンより遥かに速い鉄の弾丸が、一直線にノエルさんに向かって突撃した……)

    ノエル(;´゚д゚`)「~~~~ッッッ!!!」

    私の魔法によるノエルさんのダメージ:dice1d100=70 (70)

    (90以上で致命傷。10以下でかすり傷)

  • 178ぼっち24/06/19(水) 20:42:52

    (私の放った銃弾が、ノエルさんの右の手のひらをぶち抜いた)

    ノエルヽ(ill゚д゚)ノ「────ッ!」

    (魔法の基点となっていた場所を破壊され、《影包(ラッピング)》は水に濡れて崩れ去る薄紙のように乱れて消えた)

    (傷口を無事な方の手で押さえながら、うずくまるノエルさん)

    (そんな彼女の左肩に、私はさらにもう一発の弾丸を撃ち込んだ)

    ノエル(;゚Д゚)「ぐうううぅぅぅっ!?」

    ……あなたの、頭の回転の速さと……自分の身を守るためなら、どんな手段を用いることも躊躇しない人間性を……私は高く評価しています……。

    利き腕を潰した程度では、また反撃してくるかもしれない……それが恐ろしい……。

    なので、しっかりと大怪我をさせて……どうあがいても反撃不能、行動不能になっていただこうと思いました……。

    両腕が破壊された今となっては、もう、あなたにできることはありません。

    素直に降伏をしてください。……降伏を……こうふく……。

    ノエル(´Д`|||)「……………………」

    …………もう、気絶してたか…………。

    (激痛と多量の出血で意識を失い、その場に倒れ込んだノエルさんを見下ろして、しばらく様子をうかがったあと、私は拳銃の魔法を解除した)

    (……こうして、犯人は無事に捕縛され……アカデミアで発生した猟奇的な殺人事件は解決されたのだった)


    (ちなみに、ノエルさんが校内にばらまいた《影狼(ダークウルフ)》による被害は……)

    怪我人:dice1d100=54 (54)  人

    死者:dice1d10=9 (9)  -5人


    (クラージュ様は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、剣で狼をいなしながら逃げきって無傷

    2、いっぱい引っかき傷をつけられたけど、大きな怪我はなし

    3、腕に噛みつかれてそこそこ出血

    4、狼狩りに積極的に取り組み、かなりの数の影狼を討ち取り、生徒たちを助けた(上のダイスで死者が出ていた場合、それをなかったことにする)

  • 179ぼっち24/06/21(金) 19:49:33

    (気絶したノエルさんを警察に引き渡してから、私はクラージュ様とようやく再会することができた)

    ク「エメラチェリー! ノエル・ゼラチの捕縛に成功したそうじゃないか。お手柄だね」

    あっ、クラージュ様! ご無事でしたか!

    お互い、たくさんの狼に追われて逃げることになったので、心配していました……。

    ク「ああ、確かにかなりの強敵だったが、攻撃が単調だったからね。何とかしのぐことができたよ」

    ク「ただ……私たち以外の、巻き込まれた人たちの被害がひどい……警察の人に聞いたんだが、狼に襲われて、4人もの死者が出てしまったようなんだ……」

    ええっ、そ、そんなに……!?

    ク「怪我人も、50人以上いるらしい。アカデミアの医務室と、回復魔法の使える血魔法使いは大忙しだ」

    ク「魔種の魔物を含むスタンピードで、死者を出さなかったこの学校が、たったひとりの殺人犯のためにこれだけの被害を許してしまうとは……」

    ク「世の中、幸運な流れに乗れることもあれば、否応なく不運に落ち込むこともある、ということなのかな……」

    (悲しそうに、クラージュ様は警察官に囲まれて連行されていくノエルさんの後ろ姿を見ていた)

    (元々は恋愛関係のもつれから人を殺したノエルさんだが、逃走の猶予を稼ぐためだけに、罪もない学生たちを4人も追加で死へ追いやった)

    (彼女は学生だが、これだけのことをやってしまっては、まず極刑は免れ得ないだろう)

    ク「……いけないな、どうしても気分が憂鬱になってしまう」

    ク「少し休まないと……コーヒーでも飲んで気分を切り替えよう。エメラチェリー、あなたはどうする?」

    あー、そうですね……私は……私は……あ。

    (今になって、私は自分がなぜここに来たのかを思い出した)

    (山の上の偽ブランド工場から魔物たちを引き離すために、フリーラックス先生に放り出されたんだった!)

    (魔物問題が解決したんだから、早いことあの工場に帰らないと)

    (……でも、その前にクラージュ様とカフェでのんびりするのもいいな)

    (ずーっと血生臭いものばっかり見続けて、気持ちが疲れているのは確かだ。ほんの数十分休んでから帰っても、先生は怒るまい)

    (私は──)

    dice1d2=1 (1)

    1、いや、仕事はまだ途中。工場に戻る

    2、クラージュ様とカフェへゴーゴゴー

  • 180隻腕巨人24/06/22(土) 18:45:41

    【そういや、この子の魔法の触媒決めてなかったな、振るか】

    dice1d5=3 (3)

    1_杖 2_刀 3_3mもある大剣 4_祖国に生えてるお花の押し花(1回魔法を使うと1押し花消費) 5_そんなもの必要ない

  • 181隻腕巨人24/06/22(土) 18:55:35

    【ふむ、材質は?】

    dice1d5=3 (3)

    1自身の魔法により生み出した鉄 2不思議金属と1の鉄の合金 3不思議金属と不思議金属の合金 4純度の違う1の鉄により作り出したもの 5ただひたすらに硬いだけの木により作り出された

  • 182隻腕巨人24/06/22(土) 18:59:01

    【硬度どれくらいだ?】

    モース硬度 dice1d10=4 (4) 10でダイヤ並み

    耐火性 dice1d10=1 (1) 10で石晶並み

    劈開の起こりにくさ dice1d10=8 (8) 10で絶対起きない

    折れにくさ dice1d10=7 (7) 10でナギサが本気でへし折ろうとしても折れない。曲がりもしない

  • 183隻腕巨人24/06/22(土) 19:14:32

    【耐火性……なんで金属製なのに1なんでしょうね()】
    うーん、この大剣どうやって持ち運ぼうかな…

  • 184ぼっち24/06/23(日) 22:28:33

    >>183

    【易融合金のたぐいかな?】


    >>179

    すみません、クラージュ様。ご一緒したいところですけれど、少し急ぎの用事が……。

    ク「ふむん? そうか、なら仕方ないね……じゃあまた今度、あなたがゆっくりできるときにあらためて誘うよ」

    ええ、ぜひ……では、失礼します……。

    (私は踵を返して、アカデミアを立ち去る)

    (本音を言えばクラージュ様とのんびりコーヒーブレイクしたかったけど、あんまり遅くなってフリーラックス先生に心配をかけるのもよろしくない)

    (エーブリエタースを出て、郊外の人目につかない街道に出たあたりで、《跳ね馬(スプリッツァー)》を使い、ダッシュで山の上の工場を目指す)

    ……た、ただいま帰りました~……!

    🦔「むっ、遅かったな? お前が出てってからあまりに時間が経つもんだから、魔物どもに追いつかれて食われたかと思っとったぞ」

    🦔「まあ、あの数の魔物の群れをまくのはひと苦労だったろうが……どこまで行ってきたんじゃ?」

    いや……アカデミアまでちょっと……。

    魔物はわりとあっさりカタがついたんですが、それ以外のことで長い時間引き留められまして……。

    🦔「? まあよう戻ってきた。使える人手はひとりでも多い方がいいからのう」

    🦔「散乱してた死体はほぼ片付いたし、ここを再び、偽ブランド商品製造工場として稼働させるぞー」

    わー……ぱちぱちぱちぱち……。

    🦔「職人はおるから、さっそく商品を作らせる。とりあえず、今風の女学生のお前! どんな風なジャンルの何を作らせたいか、リクエストしてこい!」

    えっ、わ、私が注文つけていいんですか?

    🦔「ええとも。わしじゃ、どんなブランドの何が売れ筋なのかわからんし。餅は餅屋、流行りものは若者にじゃ」

    そ、そーですねー……で、では……。

    dice1d4=2 (2)  (1、可愛い系の 2、カッコいい系の 3、高級感あふれる 4、キャラものの)

    dice1d6=5 (5)  (1、シャツ 2、バッグ 3、靴 4、帽子 5、コート 6、下着)

  • 185ぼっち24/06/25(火) 19:29:37

    こういうのは……流行りもそうですが……季節も、考慮した方がよろしい……。

    🦔「というと?」

    もうすぐ、雨の多い季節になります……すると、欲しくなるのが、雨をしのぐコートです……。

    外出するときの必需品だし……たくさん種類を持つようなものでもない……。

    流行に敏感な人は、特にセンスがいいと感じる品を、1着か2着……選びに選んで買うことでしょう……。

    つまり、質のいいものを作れば……多少、値が高くなっても……買う人は買うというわけです……。

    🦔「なるほど、道理じゃ。つまり、洒落たブランドもののコートを偽造するんじゃな?」

    ええ、そうです……。

    ……ああ……そうなんだ……この、私ともあろうものが……よりによって、オシャレが大好きなこの私が……偽ブランド商品を作って、売りさばくんだ……!

    🦔「相変わらず苦悩がでかい」

    マジでね……血を吐かんばかりの気分ですよ……!

    でも、それで星喰学派に貢献できるなら、苦しみをぐっと飲み込んで、やりましょう……!

    大手ファッション誌『Ann-NON』によると……今年の流行は、キュートよりカッコいい系……。

    R:dice1d255=176 (176)   G:dice1d255=204 (204)   B:dice1d255=218 (218)   色の……。

    dice1d4=3 (3)   (1、シンプルな 2、柄のある 3、装飾物の多い 4、シースルースタイル)のレインコート……!

    ちょうどそれに一致する商品を、今度、有名ブランドが売り出しますので……それのコピーを作らせます……!

    デザインは私が指示するから……それに忠実に作りなさい、偽造職人の皆さん……!

    職人s( ´∀` )b( ´∀` )b( ´∀` )b「「「任されたー」」」

  • 186ぼっち24/06/27(木) 21:32:05

    メインカラーは、淡いアッシュブルーで大人っぽくいく……。

    体のラインにそっと寄り添う、ソフトな質感で……ウエストが上がって、どこまでも脚が長く見えるデザインです……!

    あんまりゴテゴテとデコレーションするのは子供っぽいですが……ある程度の装飾はいいアクセントになって、シルエットを引き締めてくれる……。

    金具をいくらか、削り出しで用意してください……それを要所要所に配置します……。

    このデザインを、『エデンの園配置』と呼ぶことにしましょう……!

    職人1( ´∀` )v「染めた革をザクザクカットしてー」

    職人2φ(..)「キュキュっと縫い合わせてー」

    職人3( ゚ー゚)ノ「金具をポポポんと打ち込む~」

    職人s(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノ「「「そして品物ができました」」」

    よぉし、いいですよ……! 見事な手際です……!

    参考にしたオリジナルのブランドコートと、見分けのつかない出来です……!

    ブランドのロゴも完全に一致させて……ふふふ、見事な偽物のかん、せ、い……う、うううう……!

    職人1(´・ω・`)「泣いてしまわれた」

    職人2(´_ゝ`)「つらいなら、無理してこの仕事にたずさわらなければいいのに……」

    す、す、すべては星喰学派の繁栄のため……。

    あとはこれを売りさばけば、ボロ儲けが期待できる……。

    文字通りにプライドを切り売りしてる感じがスゴいけど……! それでも私は、最後までやり遂げるぞ……!

    フリーラックス先生、あとは市場への流通、お願いしますッ……!

    🦔「おっしゃ、任せとけ」

    (そうして、私監修の偽ブランドコートが売りに出された)

    (その結果は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、目立たず細々と売れた(発覚の可能性ゼロ、継続的に売り上げdice1d50=41 (41)  )

    2、そこそこ売れたが、本家ブランドが偽物への注意喚起を出した(売り上げdice1d100=57 (57)  )

    3、かなり売れた! でも警察が、本格的に調査を始めたみたい……(売り上げdice1d300=161 (161)  、流通ルート摘発の可能性dice1d100=31 (31)  )

    4、このクオリティなら、偽ブランドなんかやらなくてもオリジナル商品でやっていけるのでは……?

  • 187ぼっち24/06/29(土) 22:01:07

    🦔「とりあえず偽コートを売りに出す前に、市場に出ておる本物のコートがどれくらい人気なのか、先に確認してみた」

    🦔「そしたら、結構な売れ筋商品らしくての。かなりの数が出回っておった」

    🦔「我が弟子は迂闊なところが多いが、この分野に関してはなかなか見る目があるらしいな」

    🦔「で、市場に我々の偽物のコートを放流するわけじゃが……」

    🦔「ここはあえて、一度に出す量を抑えて、小規模な出品を繰り返す売り方をしてみた」

    🦔「まあ、そんなやり方じゃ、ドカンとした大きな儲けは期待できんわな」

    🦔「でも、人気のある商品じゃし、ものの質もいい。そこそこのペースで、継続的に売れてくれる流れができた」

    🦔「そして、派手な売り方をしておらんから……本物を売っとる本家本元のブランドメーカーも、偽物が市場に混ざってきてるとはまったく気付いておらんようじゃ」

    🦔「おい、弟子。この偽物コート、雨の季節に合わせて売りに出されたって話じゃが、その季節が終わったらお役御免になるか?」

    んー……シックで季節を問わないデザインですし、そんな急に見向きもされなくなるってことはないと思います。

    ブランドものって、季節限定の短期売りの商品と、定番と呼ばれる長期売りの商品とがあるんですが、これは後者になるんじゃないですかね……。

    🦔「……と、いうわけで、この長期売り商品は細く長く市場に出し続けて、星喰学派の安定した資金源になってもらうことになった」

    🦔「素晴らしい商品の選択じゃったぞ、お前。今回ばかりは素直に誉めてやろう」

    へへーっ。ありがたく存じます……!

    🦔「さて、いい仕事をしたお前には、褒め言葉だけでなく、褒美の品もやらんとな」

    🦔「といっても、大したもんはやれんが……んー、何をくれてやろうか……率直に金一封……だとつまらんし……」

    dice1d4=1 (1)

    1、古い魔法書をやろう

    2、この贋作工場の支配権をやろう

    3、領地をやろう

    4、新鮮な魔法使いの死体をやろう

  • 188ぼっち24/07/01(月) 23:55:15

    🦔「おお、そうじゃ。ちょうどいいものがあった。こいつをくれてやろう」

    むむっ? 何ですかこれは……? 本なんでしょうけど、ずいぶんボロボロな……。

    表紙とか褪せきって、タイトルも読めないぐらいになってるじゃないですか。

    ……単なる古本……じゃ、ないですよね。かなりの年代物で、貴重な品では?

    🦔「いかにも。およそdice1d7=2 (2)  (闇、魂、血、熱、鉄、地、それ以前)の王時代に書かれたと言われる魔法書じゃ」

    🦔「昔の時代の魔法理論がてんこ盛りに載っておる。今となっては役に立たないものもあるが、危険すぎて封印された知識なども書かれておるな」

    🦔「魔法の知識の少ないボンクラにとっては何の意味もないボロ本じゃが、お前ならたぶん活かせるじゃろう」

    おおお……なんというか、真面目に面白そうな……!

    あ、ありがとうございます、先生。じっくり、楽しんで読ませていただきます……。

    🦔「うむうむ、そうせい。……もちろん、この工場で作る偽ブランドの商品の提案もちゃんと続けるんじゃぞ」

    (こうして私は、クッッッソ不本意な仕事の見返りとして、メチャクチャ役立ちそうな知識の塊を受け取った)

    (教会に帰った私は、さっそくその魔法書を紐解いてみた)

    (あまりにボロボロなので、崩さないように開くのがそもそも骨だったが、それでも頑張った)

    ふむ……ふむふむ……これは知らなかったな……こっちの記述は、今の魔法を洗練するのに役に立ちそうだ……。

    いろいろ、役に立つ情報が多い……先生……この私に、素晴らしい本を下さったものだ……。

    特に興味深いのは……。

    dice1d4=4 (4)

    1、知らなかった歴史の真実

    2、現代の魔法をさらに強力にする技術

    3、闇に葬られた禁術

    4、宝の地図

  • 189ぼっち24/07/02(火) 23:16:46

    魔法の知識に関しては……知らない術式を、少しずつ取り込んでいけばいいし……。

    意外な歴史の真実は……確かにちょっと驚きなことも書いてあったけど……論文にして発表するようなほどでもない……。

    シンプルに……私の心の中のワクワクを刺激したのは……最後の方のページに、チョロッと描いてあった……これ……。

    どう見ても……宝の地図っぽい……サムシング……。

    ……いやいや……いやいやいやいや……。

    本物なわけ……ないよね……いくらなんでも……子供騙しが過ぎるというもの……。

    ……………………。

    でも、魂の王時代の……超々々々古書の記述だし……。

    しかも、さらに言うと……意外と世の中、土の中に財宝が眠ってるってことを……私は知ってる……。

    ついこないだ……教会で起きた殺人事件も……花壇に埋まっていた、古い金貨が元凶だった……。

    あーゆーものが……案外、どこぞに今もグースカしてても……不思議はないって言われれば……ない……。

    ……………………。

    ……あ、この宝の地図の場所って、わりとエーブリエタースの近くだ……。

    行こうと思えば、日帰りでも行ける距離だな……。

    ……………………。

    (このとき、私の中のギャンブル大好きな側面が、ぐいぐいと他の良識的な側面を押し退けて前面に出てきた)

    い、いいい、行っちゃおっか……♪

    もし、なにも見つからなくても……ピクニックを楽しみに行ったんだと思えばいいわけだし、ね……!

    ……よし。

    そうと決めたら、さっそく準備だ……!

    (思いがけず、私のスケジュールに食い込んできた宝探し!)

    (地図の示す場所は……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、古代遺跡

    2、地下洞窟

    3、無人島

    4、空飛ぶ城ですって!?

  • 190ぼっち24/07/04(木) 21:08:33

    この地図を……現代の地図と照らし合わせた結果……。

    宝のあるポイントは、とある森の奥深いところと判明した……。

    ……で、いざ、その場所に来てみたら……。

    まるで、世界のへそのような……大きな穴が、地面にぽっかりと開いているのを見つけたんだ……。

    ううん……すごく広くて……すごく深い……。

    この開口部だけで、幅が100m近くあるぞ……。

    底は……真っ暗になっていて、見えないな……言い換えると、光が反射してこれないほどの深さがあるってことになる……。

    ……あの古ぼけた宝の地図が示した位置に……こんな地下洞窟の入り口があるとは……。

    こ、こここ、これ……もしかして、もしかするのかもしれない……。

    あの地図、ホントのホントに、本物の宝の地図で……この穴の奥底に、古代のお宝が眠っているのかもしれない……!

    半分ピクニック気分だった私だけど、だ、だ、断然、やる気が燃え上がってきたぞッ……!

    行ってやる……やってやる……トレジャーハントだッ……!

    大冒険の末に、輝かんばかりの栄光と金銀財宝をつかみ取ってやるぅ……!

    ……と、いうわけで……《浮遊(レビテート)》……。

    ものを浮かばせる魔法で、自分を浮かせて、穴の底までゆっくり安全に降りていくよ……。

    (大きく開いたナマズの口のような穴に、ふよふよと軽やかな速度で飛び込んでいく私)

    (ロマン溢れる大冒険……その一歩を踏み出したッ……)

    (やがてたどり着いた穴の底は、どんな風になっているのかな?)

    dice1d4=3 (3)

    1、じめじめと湿った苔に覆われていて、自然の横穴がひとつある

    2、古いひび割れた石で底が舗装されていて、同じく石材で作られた通路が何本も伸びている

    3、大きな地底湖があり、そこから流れ出る川が確認できる

    4、上のdice1d3=1 (1)  +たくさんの人骨が積み重なっている……

  • 191ぼっち24/07/05(金) 20:59:12

    (竪穴を降りていくごとに、何か湿った臭いがし始めた)

    (持ってきた小さなオイルランプを、薄暗い空中で灯す。私を球形に包むように、オレンジ色の光が広がる)

    (周囲の壁面は、まだゴツゴツした岩肌だ。上の方と比べて、変化はない)

    (しかし……何だか、耳に違和感が……)

    んん……?

    微かな……ちゃぷちゃぷって感じの、音が……。

    まるで水音みたいな……水!?

    (落下速度を緩めて、ランプで下を照らす)

    (そこに私が見たのは、一面の翠色の水……広大な地底湖だった)

    うわわっ、危なかった……ペースを落とさずに降りていたら、水面にボチャンと浸かっていたよ……。

    上の森に降った雨が、すべてここに流れ込んで、溜まっているんだろうか……? ただの水もこれだけあると、神秘的だな……。

    それにしても、この広い湖で、宝をどう探せばいいんだ……?

    まさかとは思うけど、この水の底に沈んでいるんじゃないだろうな?

    ちょっとそれは、鉄魔法使いの私には、ハードルが高いけど……。

    (キョロキョロと、周囲を見回す)

    (すると、一方の壁に大きな横穴があり、そこから川のように水が流れ出しているのがわかった)

    ふーむ……進めるとしたら、この方向しかないな……。

    よし、この川を下っていこう。袋小路にぶち当たるようなら、引き返せばいい……。

    (私は魔法で、薄い鉄板のボートを作り、それを水面に浮かべた)

    (《浮遊(レビテート)》を解除し、ボートに乗り込むと、流れに従って川の下流へと進んでいく)

    さて、この先に何があるものか……。

    (地の底をさらに、緩やかに下っていく私……好奇心と恐怖が胸の中に仲良く居座り、心臓がドキドキと高鳴る)

    (この地下水路で、私は何に出会うのだろう?)

    dice1d4=4 (4)

    1、水の中に、魚がたくさん泳いでいる。……お腹空いたな

    2、でかいコウモリがたくさん飛んでる!

    3、でかいわにさんがすいすい泳いでるんですがそれは

    4、氷がすごく浮いてるし、なんなら氷山もある

  • 192ぼっち24/07/06(土) 23:14:54

    …………ん…………?

    (水路を奥へ奥へと進んでいくと、徐々にまわりの空気が冷たくなってきた)

    (日の光も届かない地下深くで、しかも周囲には大量の水が流れているのだ。気温が極端に下がっても不思議ではない)

    (不思議ではない……のだが……ちょっとこれ……こ、この寒さは、度を越してないかな?)

    (肌の露出している部分に、鳥肌が立つ。吐き出した息が、白く靄のようになる。全身が細かく震え、歯がカチカチと鳴り始める)

    (まるで、真冬の夜中に下着姿で外を歩いているような気分だ)

    こ、こここ、この寒さは、尋常じゃないぞ……何かがおかしい……!

    (私は慌てて、ランプの炎を大きくする)

    (暖を取ろうというのではない。周囲の様子を広く確認するために、光量を増やしたのだ)

    (はたして、私が発見したのは……)

    な、なんだこれ。……流氷?

    (私のボートと並走するように流れる、無数の白い塊。一見、メレンゲ菓子のようなそれは、よく見ると小屋ほどもある氷だった)

    (しかも、それらはこの場所にある異常のほんの一端に過ぎなかった。小屋程度の大きさの氷の群れなど、今、私の目の前にあるものに比べれば取るに足らない)

    (ああ、何ということだろう。私のボートが流れゆく先にそびえ立つのは、エーブリエタースの王城にも匹敵する巨大な氷山であった!)

    こ、こんな氷の世界……たとえ地下でも、自然にできるわけがない……。

    恐らく、魔物の仕業だ……!

    前に、図鑑で読んだことがある……ダッツッツという魔物は、ものを冷やす種類の熱魔法を得意としていて、集団で巣となる氷山を作るのだと……。

    間違いない……この氷山は、ダッツッツのコロニーだ……!

    まずいな……宝探しをしていて、とんだモンスターハウスに遭遇してしまったかもしれないぞ……。

    (この状況、私はどうするか……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、とりあえず氷山に上陸

    2、氷山を避けて通れるルートがないか探す

    3、考えてるうちにダッツッツの襲撃を受けた!

    4、ここのダッツッツを狩り尽くせば、氷も溶けて快適になるんじゃないか?

  • 193ぼっち24/07/08(月) 21:48:02

    ……ごく単純な話で……。

    こんなどデカい氷山を形成するほどのダッツッツとなると……途方もない数である可能性が高い……。

    そんな群れを越えた群れが潜む氷山に上陸して、探索をするとか……ましてや、退治を試みるなんてのは、愚の骨頂……!

    避けて通るのが、正しい判断だと思われるッ……。

    と、いうわけで、氷山を迂回する感じで、ルート変更をするよ……。

    鉄製のオールで水をかいて、大きなアールを描く軌道で移動するんだ……。

    水が流れ続けてるってことは、あの氷山の向こうにも流れがあるのは確実だからな……。

    ダッツッツたちに見つかることなく……その下流域にたどり着ければ……私としては万々歳だ……。

    (城のように巨大な氷山の、崖のように切り立った側面を眺めながら、私は進む)

    (よく目を凝らすと、氷山の上の方……城壁の縁に当たる位置に、何匹ものダッツッツが蠢いているのがわかった)

    (もしかしたら、巣に接近する私のボートを警戒し、監視していたのかもしれない)

    (接近しないという選択は、やはり正解だったのだろう)

    (……数十分間、ゆっくりと遠回りをして、ついに私は氷山の後ろ側にたどり着いた)

    ふーっ……どうなることかと思ったけど……大いなる障害物は、うまく回避できたみたいだな……。

    しかし、それで問題がすべて解決したわけじゃない。この先、どれくらい進んだら宝があるのか、まだわからないんだ。

    ……いや、そもそも、宝がこの先にあるかどうかもわからないんだよなぁ……。

    ……それでも、進むしかない、か……。

    (私はさらに、流れに身を任せて、地下水路を進んでいく)

    (次に現れたのは……?)

    dice1d4=1 (1)

    1、小高いところに、古い祭壇のようなものを見つけたぞ

    2、第2の広大な地底湖にたどり着く。その真ん中に、島があるようだ

    3、1日以上流され続けても、地下水路がずっと続いてて、風景に変化がない……

    4、真っ暗な水路の奥の方から、声が聞こえる……?

  • 194ぼっち24/07/09(火) 21:55:39

    この水路の先に……何かがあるに違いない、と考えるのは……危険かも知れない……。

    眼下こそ水しかないが……左右両側と、天井は……固い岩壁になっているんだから……途中の壁に、重要なものが埋め込まれている可能性もあるんだ……。

    (あまり速度を出さず、ゆっくりと水路下りを継続)

    (周囲の観察を怠らないようにし、ちょっとした変化も見逃すまいと気を張る)

    (果たして、その努力は報われた)

    ……むむっ……?

    あそこの壁面……明らかに、他のところとは様子が違うぞ……?

    ほとんどのところは、ごつごつした自然の岩がむき出しなのに……あそこは平らになって、奥へ引っ込んでいる……。

    どう見ても、人が手を入れた跡だ……!

    まわりをしっかり見ていなければ、気付けなかった……よしよし、いいぞ……上陸して、あの窪みを調べるんだ……!

    (私はボートを壁面に寄せ、魔法で浮き上がって、平らになっている場所の様子を確かめる)

    ……うん、岩を深く削り取って、部屋を作ってあるようだ……。

    通路じゃなくて、部屋だ……すぐ行き止まりになっている……。

    高さ20m……幅10m……奥行き30mといったところか……。

    一番奥には……1段、高くなったところがあるが……んー……あれは、祭壇か?

    バリウラ王国で知られている宗教の祭壇とは、かなり趣が異なるが……既に廃れた、古代宗教の様式と考えるべきだろうか?

    (私はその祭壇らしきものに近付き、細かく観察する)

    (何かが書かれてはいないか? どういうモチーフの品が飾られているのか? 私の知識で読み取れることはないだろうか?)

    (その結果、わかったのは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、ここは古代人の生け贄の祭壇のようだ。人間からえぐり出された脳や心臓を納める壺が安置されている

    2、ここは原初の魔族たちの墓所のようだ。彼らの遺体を納める棺が並んでいる

    3、ここは、あの魂の王を祀る神殿のようだ。失われた魂魔術の神秘がたくさん残されている

    4、ここは、あの魂の王が自分のために用意した墓所だ。遺体はないが、水晶の容器にカビのようなものが封じられている……?

  • 195ぼっち24/07/10(水) 21:13:40

    うーん……ここが、どんな宗教の、何という神を祀った祭壇かはわからないけど……。
    場所全体の目的は、わかった気がする……。
    ここは、墓所だ。
    地下深く……大量の水に阻まれた……生者が訪れることを少しも求めていない……限りなく孤独な墓所……。
    (壁面の装飾や、アーチ型の天井に描かれた絵画の内容から、私はそう結論付けた)
    場所の特殊性……装飾の美しさ……使用されている建材の質から想像するに……。
    この墓所は……ものすごいお金持ちで、なおかつものすごい実力のある魔法使いによって……建てられたんだろうな……。
    カネとチカラ……どちらが欠けても、ここを作ることは不可能だ……。
    他人の墓を、ここまで気合いを入れて建てる人もいないだろうから……大昔の大魔法使いが、自分の遺体を入れるつもりで建てたんだろう……。
    …………でも。
    (私は、墓所の一番奥にある、四角い窪みを見下ろして首を傾げる)
    棺の入るべき位置に、棺がないのが……不思議だ……。
    魔物に荒らされたとか、自然に朽ちたとかじゃなく……最初からなかったような気配だ……。
    棺の代わりに……ちょこなんと、手のひらサイズの小瓶が置いてあるが……まさかこれが棺ってことは……ないよね?
    (窪みの中に手を伸ばし、そこにあった水晶の瓶をつかむ)
    (とても小さな瓶だ。香水でも入れて、化粧台の上に置いてあっても不思議はない)
    (ランプの明かりで瓶を照らし、観察する)
    (透明な瓶なので、フタを開けなくても中身が見える。……何がが入っているようだが、これは何だろう?)
    青緑色で……ふわふわした綿みたいな……カビか?
    (何らかの遺物が、長い年月によってカビて、原形を失ったのだと考えるのが自然だろう)
    (さすがの私も、カビたものに魅力を感じるほど特殊な趣味はしていない。興味を失い、瓶ごと窪みに戻そうとした、そのとき──)

    『懐かしいな。人の気配だ。あなたは私の民か? 我が愛する民が、私の墓所をついに見つけたのか?』

    (頭の中に、奇妙な声が響いた)

  • 196ぼっち24/07/10(水) 21:39:51
  • 197ぼっち24/07/10(水) 22:02:00

    (突然の声に、私は息を飲む)

    (誰かがそばにいて話しかけている……わけではない)

    (今のこの環境について考える……この場所に、私以外の人間がいるわけがない)

    (ここに至るまでの水路は、他者が私に気付かれずに追ってこれるようなものではなかった)

    (この墓所は見通しがよく、誰かが隠れ潜むこともできそうにない)

    (さらに、この声の質……耳に聞こえるのではなく、頭の中に直接響いてくる不思議な感覚をもたらすもの……これは……)

    ……魂魔法か……?

    『ああ、わかるのか。遠い時間の彼方でも、我が民は魔法の知識と技術をしっかり引き継いでいるらしい』

    (声が、満足そうに含み笑いをした)

    『いかにも。今私は、魂魔法の基礎中の基礎である《伝心(テレパシー)》を使ってあなたに話しかけている』

    『姿を現さず、唇から出る声で挨拶をしない無礼をどうか許してほしい。今の私には、唇も、他のすべての肉体もないものでね』

    肉体が、ない……? 妖精族ですか?

    『違う違う。私は肉の体を持っていたが、失ってしまったのだよ。もはや必要ないと思ったから捨て去ったのだが、もしかしたら早計だったかもしれない』

    となると……んんん? 後天的な魔族の類ですか? 人から魔族になると、容姿が人間離れしたものに変わることもあると言いますが。

    『それも違……いや、違わないのかもしれないな。今となっては、魔族と私を区別する方法はないのだろう』

    『まあ、その辺は深く掘り下げるほどのことではない。後回しにしよう』

    『私があなたに声をかけたのは、聞きたいことがあるからだ』

    ふむ……? 何でしょうか?

    『あなたは──』

    dice1d4=4 (4)

    1、何を求めてここに来た?

    2、どうやって、ここに至る道を見つけ出した?

    3、自国の民を幸せにしたいと思うか?

    4、永遠の幸福を手に入れたいと思うか?

  • 198ぼっち24/07/10(水) 22:29:14

    『──永遠の幸福を手に入れたいと思うか?』
    めっちゃ欲しいです。
    『即答かぁ……』
    (こ、こいつ! 自分から聞いといて、私が答えたら呆れてないか!?)
    『ああ……ああ、すまない。つい感情が《伝心(テレパシー)》に乗ってしまった』
    『内心がどうあれ、こういう質問をされた人間はね……否定的な答えを返すか、肯定的であっても、ある程度の思慮を挟むことが多いのだよ』
    『どうやら、「永遠」も「幸福」も、どちらも胡散臭いものと見なされるらしいのだね』
    『悲しい話だ。余計な味付けをせずに吟味すれば、どちらも素晴らしいものに決まっているだろうにね』
    ええ、わかります。とてもよくわかります。
    (私は力強くうなずく)
    (永遠の命を得るために魔族になろうと努力している私にとって、それらはこの世で最もポジティブな概念であった)
    『ふーむ……長い年月の果てに、ここを訪れたあなたが、そういう考え方のできる人であったとは……』
    『柄ではないが、「運命」というものの力を感じずにはいられないな』
    『我が民のお嬢さん、名前を聞いてもよろしいか?』
    ……エメラチェリー。エメラチェリー・ラダーです。
    『美しい名だ……気に入ったよ』
    『エメラチェリー。あなたに折り入って頼みがある。私をここから連れ出してはくれないだろうか?』
    えっ……? ここから、って……?
    そもそもの話になるのですが、あなたはどこにおられるのですか?
    『あなたの目の前にいる。さらに言うと、あなたは既に私に触れている』
    ……まさか。
    『その小瓶の中のカビが私だ』
    『私が望んでこの瓶に入って、900年近い月日が経った。そろそろ研究に区切りをつけて、ここを出てもいい頃だろう』
    き、900……?
    あなたは……い、いえ、もしかして……あなた様は……?
    『私はかつて、魂の王と呼ばれていた』
    『我が国──バリウラ王国の民の幸福のために、再び働きたい。手を貸してくれ、エメラチェリー』

  • 199ぼっち24/07/10(水) 22:49:07

    (その名乗りを聞いて、私の額をだらだらだらだらと脂汗が流れる)

    (「魂の王」! 歴史の授業で当然習う、超有名な偉人!)

    (どういう風に有名かって……「歴代でも3本の指に入る酷い性格の王様」としてだよ!)

    (何か歪んだ倫理観の持ち主で、民を幸福にするために、得体の知れない実験を繰り返したマッドサイエンティスト)

    (もちろん過去の人で、とっくのとうに亡くなっているはずだが……常識的に考えて、生きてるわけがないんだけど……)

    (今現在の王様、「時の王」の桁違いの魔法について、噂でよく聞くバリウラ王国民としては)

    (そのご先祖である魂の王が、桁違いの魔法で生き延びてたとしても……「あの王家ならやるかもしれんね」と思えてしまうのだ……)

    (で、この自称魂の王がガチだとして)

    (その歴史に燦然と輝くマッドを連れて帰って、社会に放流するとか……何が起きるかわかんなすぎて怖い!)

    『無論、タダで手伝えとは言わないよ』

    (古代の王様は、謙虚なことをおっしゃる)

    『私を連れ帰ってくれるなら、それなりの礼はしよう。具体的には──』

    dice1d4=3 (3)

    1、私が隠した財宝をあげよう

    2、私の知識を教えよう

    3、私の魂をあなたに混ぜ込もう

    4、あなたを私の妃にしよう

  • 200ぼっち24/07/10(水) 22:49:57

    【では、次のスレでもよろしくね……!】

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