【ブルーロックSS】人狼ゲーム

  • 1二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:58:46

    この物語は二次創作です

    人狼ゲームの仕様上、キャラが退場することがありますので苦手な方は気をつけてください

    なお、役職や勝敗は書き始める前にあみだくじで決めました キャラヘイトなどの意図は全くありません

    主は全く人狼に明るくないド素人なので間違っている可能性が大いにあります

    以上をご了承いただける方のみ読んでいただけるとうれしいです

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:59:16

    「…ん、なんだここ…?」
    目を覚ますと、そこは知らない場所だった。
    洋館、と言って差し支えない内観。
    確かさっきまでブルーロックの中でいつものように練習をしていたはずだ。
    というか、椅子に座っている。何故だ?

    「潔?」
    驚いて顔を上げると隣には同じように驚いた顔をした蜂楽の姿があった。
    「なにここ…」
    あたりを見渡すとブルーロックの仲間たちが周りに座っていた。
    なんだこれ?ただごとではないだろう。
    ドッキリにしちゃ手が込みすぎているし、何より前後の記憶が全くない。

    とりあえずメンバーを確認していく。
    蜂楽、千切、國神、馬狼、凪、玲王、馬狼、雪宮、凛、冴…。冴までいるのか?

    各々が目を覚ましていく。
    しかし誰も口を開かない。
    何が起こっているのかわかっていないから動けないといった具合だ。
    その沈黙を破ったのは機械音声だった。

    「今からみなさんには人狼ゲームをしていただきます。」

  • 3二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 21:59:44

    「…人狼ゲーム?」
    「人狼ゲームってあの人狼?」
    破られた沈黙はすぐさま喧騒に変わる。
    天井のスピーカーにみんな顔を向けた。

    「みなさんの椅子の裏には役職のカードが貼ってありますので、誰にも見られないように今確認してください」
    「あの…誰がこんなことしてるんですか?」
    訊いたのは雪宮だ。
    だが機械音声はプログラム通りにしか話さないらしく、何の反応も示されなかった。
    その代わり、先ほどと同じ言葉を繰り返す。
    あまりにも不気味で、逆らう気なんて起こらない。言われた通りにみんなカードを見ていた。
    俺も慌てて椅子の裏に貼り付けてある四角を剥がした。
    カードは古い紙のような質感で、セピア色をしている。
    ゴク、と喉が鳴った。
    そのカードを表に向ける。

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:00:13

    「カードが全員確認できましたので人狼ゲームについて説明します」

    淡々とした声でよく知った人狼ゲームのルールを説明していく。
    だけどそのよく知っただって、遊びでやったものだ。とてもではないが、きっと、遊びでは、遊びではないのだろう。

    「一日の終わりにはみなさんの話し合いで決定した怪しいと思われる人物を決めて、投票していただきます」
    「選ばれたらどうなる?」
    凛が訊く。声の主が答えないとわかっているのか、わかっていないのか。
    しかし奇跡的に返答が噛み合う。

    「選ばれた方は、残念ながら退場していただきます。以後ゲームには参加できません」

    途端にざわめきが起こる。
    退場、その意味は。
    首にじわと浮いた脂汗が垂れていくのがわかった。

  • 5二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:00:44

    「また、夜の時間になりましたら、人狼の方は一人を襲撃してください。襲撃された方も、残念ながら退場となります」

    もうざわつきは起こらなかった。
    みんな恐怖でそれどころではないようだった。

    「それでは説明は以上です。カードの右下に書かれている番号がみなさんの部屋番号になりますので移動してください。部屋間の移動や館内の移動は自由となります」


    「それでは今日の話し合いを開始してください」

  • 6二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:01:32

    〜以下補足説明〜

    【役職】

    [村人陣営]
    村人 ×3
    占い師 ×1
    騎士 ×1

    [人狼陣営]
    人狼 ×2
    狂人 ×1

    [その他]
    狐 ×1
    てるてる坊主 ×1


    人狼はカードに書いてあるため、相方がわかっています

    席順は画像の通り

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:01:58

    うおおお!リアル人狼ゲームスレだ!!

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:02:38

    それを告げると、ブゥンと音がした。
    おそらく電源が切られた音だ。

    「オイ!なんだよこれ!」
    円形の机がガタンと揺れる。
    声を上げたのは馬狼で、現状を飲み込めずに動転しているようだった。
    「お、落ち着けって…」
    宥めようと立ち上がったが、目の前が見えていない馬狼には簡単に振り払われてしまう。

    「なんだその態度」
    冴が冷たい声で言う。
    それまで高揚していたような雰囲気が一瞬にして落ち着く。
    「…吊られてぇのか?」
    それを聞いた馬狼は途端に顔を青くして椅子に座った。
    しかしもう遅い。
    誰も投票なんてしたくないのに、雰囲気が流されていく。
    ジリジリと気持ち悪い空気が立ち込める。

    「それでは投票の時間です」

    無慈悲な機械音声。
    罪悪感とは、ここで別れなければいけないのだろう。

  • 9二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:02:41

    國神二人おって草

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:05:35

    >>9

    修正しました…

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:06:37

    「九票獲得した馬狼さんが退場となります」

    「…ハ、?」

    その瞬間、馬狼の座っていた椅子ごと床が抜けた。
    突然のことに反応が遅れた馬狼は、抵抗もできずに奈落に吸い込まれていく。
    それを見ても、俺たちは誰ひとり小さな悲鳴すらあげなかった。
    馬狼を退場に追い込んだのは、俺らだ。

  • 12二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:07:12

    次の晩、あの声に集められた俺たちは絶句することになる。
    もうひとつ、椅子が減っていたからだ。
    「…ァ、國神………」
    玲王が震えた声で言った。
    その席は國神の場所だった。
    「…人狼だね」
    雪宮が呟く。そうだ、國神は人狼にやられたんだ。
    いよいよ、みんなこの現実を信じられなくなっていく。目をそむけたくなる。

    「それでは今日の話し合いを開始してください」

    それでもまだ、終わらない。

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:07:43

    「占い師っていないの?」
    蜂楽が言った。
    占い師がいれば、少なくとも一人の役職がわかる。
    しかし、それに反応する奴はいなかった。
    それもそのはず、あまりにもリスキーだろう。

    その後は不毛に根拠のないアイツが怪しいだの、俺は白だのの主張が続いて、話し合いは膠着していた。

    「残り5分です」

    突然のアナウンス。
    「ハ?聞いてねぇよ」
    凛の明らかにイラついた声に対して誰も何も言えずにいた。

    「もう、誰でもいいから、各々怪しいと思うヤツに入れるしかないだろ!」

    千切の発言にみんなが納得しかけたところで、それまでダンマリだった凪が口を開いた。

  • 14二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:08:10

    「俺、占い師」
    みんな一斉に凪を見る。頬杖をついたその目はいつも通りに開き切っておらず、咄嗟に出た嘘にはとても見えない…ように思う。
    「で、結果は?」
    冷静な冴が先を急かす。

    「レオ、白」
    すぐ隣を指差して眉すら動かさずに言った。
    「だから、投票するなら俺とレオ以外ね。対抗もいないなら占い師は生かしといた方がいーよ」

    焦った俺たちにはもう、それが正しいのかを判断できるほどの時間は残されていなかった。

    「それでは投票の時間です」

  • 15二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:09:17

    「三票獲得した蜂楽さんが退場となります」

    「エ、…?」
    俺は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
    蜂楽は、そこまで積極的に意見もしていなかったので怪しまれる要素は少なく思えたからだ。
    それなのに、なんで三票も集まってしまったんだ。
    そんな俺のことを見透かしたように、蜂楽は答えた。

    「怪しい人とかわかんなかったから、自分に入れた!」

    明るく言わないで欲しかった。
    心底悔しがって、絶望してくれたらよかった。
    漏れそうになる謝罪を堪えて、俺は下を向いた。
    謝る資格もない、誰に投票していたって、どちみち誰かがこうなっていたんだから。

    「ばいばい潔」

  • 16124/01/20(土) 22:10:50

    一時休憩します

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:11:21

    凪は本物の占い師か騙りかどっちかな ワクワク

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:15:28

    凛ちゃんさんに人狼ゲームは荷が重すぎるだろ
    けど冴も通知表見たことないし潔も成績はそんな良くないんだっけか

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:28:10

    一人称視点なのに潔の役職が明らかになってない場合は潔が人外という謎の偏見がある
    なんでだ

  • 20二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:38:33

    スレ画久しぶりに見たけどヤバいな…
    なんか最近オシャレな描き下ろしばっかりだったから余計にクるわ

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:38:50

    続き楽しみ楽しみ

  • 22124/01/20(土) 22:42:35

    再開

  • 23二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:43:28

    次の日も、また俺らは集められる。
    それからまたしても減っている座席を目の当たりにするのだ。
    「え?玲王は?」
    首や肩を触りながらに凪が言う。
    昨日の冷静さが嘘みたいに、立ち上がったり座ったりを繰り返して、玲王が襲撃された事実を否定している。
    「な、なぎ…」
    それでも感情を露わにするわけでもなく、凪は席についた。

    「それでは今日の話し合いを始めてください」

    俺たちにもう他人を気にしている余裕なんてないのだ。

  • 24二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:43:50

    「凪、今日は誰を占った?」
    あくまでも普通のような顔をしているのが、余計に見ていられず俺は自分から話を振った。
    「凛。白だったよ」
    目もくれずに言う。
    「…フン」
    当の凛もなんの否定もしないので、特に反論はないようだ。
    「昨日言えなかったけど、実は俺占い師なんだ」
    「え?」
    手を挙げているのは、雪宮だ。
    それまで無反応だった奴もみんな振り返って注目する。
    「なんで昨日言わなかったの?」
    途端饒舌になる凪に、雪宮は真っ直ぐな目で答えた。
    「すぐ占い師をカミングアウトするのはいくら騎士がいてもリスキーだと思ったから。どのタイミングで出ようか迷っていたら偽物が名乗り出てくれたおかげで言えなかったんだよ」
    理論的にはおかしくない。事実、昨日は凪が話し終わってすぐ投票になってしまったし、あれ以上話し合いを引き延ばすことは無理だっただろう。

  • 25二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:44:16

    「ちなみに昨日は蜂楽くんを占って白だったよ。もう証明できる人はいないけどね」
    目を伏せつつ言う雪宮。昨日の蜂楽に罪悪感を煽られているのか、ばつが悪そうにした。
    「…今日は?」
    凛が訊く。自分が占われていることを望んでいるのか、怖がっているのか。
    「千切くんを占って白、…どう?千切くん」
    優しげな笑みを浮かべて言われれば、納得できなくても思わず頷いてしまいそうである。
    しかし、千切は全員の期待を裏切る。

    「ちがいまーす」

  • 26二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:45:51

    「え?違うって…」
    雪宮は急激に態度を変える。
    焦っているのが誰に見ても明らかだった。
    「じゃあカミングアウトするけど、俺狐だから」
    「あ………」

    狐。襲撃されても無事、占われたら退場。
    つまり、ここにいる千切を占った雪宮は占い師ではない。
    もちろん千切が狐というのが本当ならだけど。それでもこの雪宮の動揺具合を見ていれば、信ぴょう性は充分であった。
    「人狼の思い通りになるくらいなら、自分の意思でカミングアウトした方がマシだね」
    千切はそう言って遠くを見る。狐を名乗った時点で、生き残ることはおそらく不可能だろう。

    「それでは投票の時間です」

  • 27二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:50:12

    天国部屋見たくなってきた

  • 28二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:50:46

    「五票獲得した雪宮さんは退場となります」
    「嘘だッッ!!!」
    語尾に食い入るように叫ぶ雪宮の姿は実に悲痛だった。
    「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…」
    何度も何度も頭を抱えてのたうち回る雪宮。
    冷たい顔で目も合わせない千切。
    その目がもうない未来を見据えている。

    「アハ、」
    終わりを確信した雪宮が、唐突に笑った。
    剥かれた目があんまり狂気的で怖かった。
    ガコ、と床が抜けた音がしたがそちらを振り返ることはできなかった。

  • 29二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:55:06

    雪宮は人外確定か

  • 30二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 22:58:39

    次の日、なくなっていたのは凪の椅子だった。
    昨日の話し合いで雪宮は少なくとも人狼陣営だったはずだから、真占い師が確定したのにも関わらず。
    「なんで…」
    呆然とする俺をよそに、千切が言う。
    「俺に投票しろ」
    その目は昨日と同じく、真っ直ぐだが、どこも見ていない。
    「どちみち俺が一人勝ちはもう無理だ。…だから、絶対に勝ってくれよ」
    そう言って、もう何も言わなくなった。
    必要な議論は済んでしまったが、心はとてもじゃないが決まらない。

    「ごめん、千切…ごめん…」
    謝らないと決めていたのに。
    罪悪感とは決別したのに。
    冴も凛も、何も言わなかった。

    「それでは投票の時間です」

  • 31二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:00:13

    占い師が襲撃されたってことは騎士はもういない感じなのかな?

  • 32二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:00:41

    玲王が騎士だったのかな

  • 33二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:02:22

    「四票獲得した千切さんは退場となります」

    今までの投票のどれよりも静かだった。
    千切は抗うことも、怯えることも無く、据わった目で強かに黙っていた。
    その姿を逸らすことなくジッと見つめる冴が、何を考えているのかはわからない。

    「あーあ、」

    そう悔しそうに呟いたら、目をつぶって落ちていった。


    俺も、覚悟を決めなきゃいけない。

  • 34二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:04:28

    凛ちゃんが生き残ってんの奇跡だな

  • 35二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:06:50

    これで、最後。
    だと、思ったのに。


    残念ながら、椅子はまだ二つあった。



    「兄ちゃん…!」
    生きてたんだね、とでも言いたげに噛み締めた凛の声とは裏腹に、冴は俺をジトリと見つめていた。

    「テメェが黒か」

    「…エ、」

    明るく開いた瞳孔のまま、凛はロボットのように首を動かしてコチラを見た。
    凛は案外馬鹿だ、こうなったら冴か俺がみんなを襲った人狼だということがわかっていないのだ。

    「…冴、わかったよ」
    「あ?」

    「お前、騎士のクセに誰も守ってなかっただろ」

  • 36二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:08:20

    冴が占い師守らないでずっと凛守ってたのか
    霊界の凪はキレていい

  • 37二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:08:20

    凛ちゃん…😭

  • 38二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:09:27

    >>36

    それだと「凛を守ってた」って言われる筈だから凛ちゃんさえ守ってなかった説あるぞ

  • 39二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:09:56

    じゃあカミングアウトの夜に凪が襲われなかったのは雪宮が占い師を語る為かな?

  • 40二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:10:07

    変態護衛ですかw

  • 41二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:13:30

    「は?」

    冴が初めてこの場所に来て動揺を見せた。
    むしろ、ここまで態度に出さなかったのは上等である。

    「そうだよ、俺が人狼だ」

    「えっ、ェ、……ア、…ッ」

    ようやく凛は、命運が自分の手にあることに気がついたようだ。

    「冴、…凪はなんで死んだ?」

    ビク、と肩を揺らした冴。
    図星なのか、呼吸がどんどん粗くなる。

    「お前、凛のことだけずっと守ってたな?」

  • 42二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:14:09

    凛ちゃんwww

  • 43二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:14:52

    「…兄ちゃ、」

    「うるせェ!」

    バン!
    机を拳で叩きつけて、激昂する冴の横で、見たことがないものを見るように凛が怯えた。
    その姿はいっそ、俺より人狼みたいだった。

    「凪も、玲王も、お前が騎士じゃなきゃ今ここにまだいたかもな」

    凛は唖然としていた。
    何を信じたらいいのか、どんな感情でいるのか、わからないみたいだった。

    「それでは投票の時間です」

  • 44二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:16:15

    いやまだ退場組が天界でわちゃわちゃしている可能性があるから!

  • 45二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:18:35

    まあそりゃよく知らん奴らと弟なら弟守るよな、他のブルロ勢と違って一緒に暮らしてる期間も無いわけだし

  • 46二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:19:42

    「二票獲得した冴さんは退場となります」

  • 47二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:19:54

    これで凛ちゃんがてるてるだったら面白い

  • 48二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:20:30

    「なんで?…兄ちゃん」

    溢れそうに湛えた涙を、ついにこぼした凛は、椅子から崩れ落ちて膝をついた。

    「ごめんな、凛」

    俺はもう何も言うことはなかった。

    「俺が弱いから…誰の事も、守れなかったから…」

    顔を上げなかった。
    冴は自分で自分に投票したのだ。


    冴が最後に「凛」と呼んだ声を聞いて、それきりは沈黙だった。

  • 49二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:20:50

    凛も人狼?

  • 50二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:21:15

    「村人陣営と人狼陣営が同じ人数に達したため、人狼陣営が勝利しました」

  • 51二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:21:59

    冴なんで自分に…?

  • 52二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:22:02

    てるてるの勝利条件って人狼に襲撃された後吊られるだっけ

  • 53二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:22:49

    ってことは潔への一票は凛ちゃんが入れたのか

  • 54124/01/20(土) 23:23:00

    以上で終了です
    最後まで読んでくださった皆さんありがとうございました
    これ以降は解説になります
    よかったら感想などいただけたらうれしいです

  • 55二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:24:36

    目の前で首チョンパとかじゃないから案外全員生きてるかもしれん

  • 56二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:25:10

    おつ
    雪宮が華々しく散ってくれて俺は満足だ

  • 57二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:25:18

    >>54

    面白いSSをありがとうございました!

    これって結局潔以外は死亡ということでしょうか?

  • 58二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:26:51

    >>11

    ここ多分馬狼が潔に入れてるののおもろかった

  • 59124/01/20(土) 23:27:11

    〜以下解説〜

    退場としか伝えられていない上に奈落の底は誰も見ていないので死んでいるかはわかりません
    もしかしたらスポンジがモサモサに敷き詰めてあってみんなで潔にブチギレてる可能性があります

  • 60二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:28:23

    馬狼と凪ブチ切れてそう

  • 61二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:28:39

    千切も潔に入れてたのは人狼読めてたの?

  • 62124/01/20(土) 23:29:29

    【各役職】

    潔→人狼
    蜂楽→村人
    千切→狐
    國神→てるてる坊主
    馬狼→人狼
    雪宮→狂人
    玲王→村人
    凪→占い師
    凛→村人
    冴→騎士

    でした

  • 63二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:30:45

    國神!?!?!?

  • 64二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:30:54

    狼仲間が初日でいなくなったのに1人で村人陣営追い詰めまくったの怖すぎだろ

  • 65二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:31:23

    雪宮結果的に有能すぎる

  • 66二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:33:04

    これ千切が狐COしなかったら全然一人勝ちできた説ある?

  • 67124/01/20(土) 23:33:22

    【1日目】

    凪は即決で玲王を占いました。
    もし玲王が人狼だったら、実質狂人が二人になっていたかもしれません。

    馬狼が潔に入れたのは、自分の負けを確信した時に少なからず人狼陣営を勝たせるためです。
    まさか初手で仲間に入れないだろと思わせたかったのと、全然潔が一緒に戦ってくれないのでキレて投票しました。

    國神が噛まれたのは本当に運が悪かったです。
    白っぽかったのと、発言に説得力があるタイプだと思ったので早めに襲撃しました。
    全然てるてるの良さ出してあげられなくてマジでごめんね。

  • 68二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:34:43

    途中まで國神が騎士だと思ってた

  • 69二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:35:15

    >>67

    「もし玲王が人狼だったら、実質狂人が二人になっていたかもしれません。」


    いや草

  • 70二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:35:15

    実質狂人が2人になってたルート見てぇ~…

  • 71二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:36:51

    狂人2人ルート、どっちの占い師も人狼に利するの面白すぎるな

  • 72124/01/20(土) 23:36:56

    【2日目】

    ランダム吊りになりそうだったので、慌てて凪さんカミングアウトしてしまいます。この時内心ヒヤヒヤでした。

    しかし、凪さんが白出ししてしまったことにより玲王は襲撃されてしまいました。
    とにかく吊らせたくないがあまりに気が急いていた凪さん。

    もしかしたらここで「騎士は守ってね」と言っていれば、まだぶっ壊れていなかった冴が守ってくれていたかもしれません。

  • 73二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:37:03

    潔が有能狼すぎた

  • 74二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:38:41

    凪は誰かを黒って言うべきだったのかなと思ったけど、凪が玲王を真っ先に占わない理由も無いよな…

  • 75二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:40:43

    >>67

    これ凪が狼の玲王に白出してたら玲王は凪を狂人=同陣営だと思っていて人狼陣営が勝った時に凪が市民陣営なこと知って玲王が絶望するな

  • 76124/01/20(土) 23:42:06

    【3日目】

    このへんから冴がぶっ壊れ始めます。守ろうと思えば守れた人を、個人的な感情で切り捨てている自分を許していいのかわからなくなってきます。

    雪宮が占い騙りをしたのは、ターンを稼ぎたかったからというだけで人狼が誰なのかは全くわかっていませんでした。最初から最後まで泥舟だった。

    ここで千切が狐カミングアウト。この時冴がぶっ壊れていることに気がついていたら、どうにか勝ち筋はあったかもしれません。
    しかし奇しくも自分の言葉で覚悟を決めてしまった人狼に勝たれるという國神の次くらいに報われない人でした。

  • 77二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:43:14

    運が悪かった…

  • 78124/01/20(土) 23:45:20

    【4日目】

    凪が襲撃されたことで潔は冴が凛を守っていることに気がつきました。もし凛が騎士だったら凪を守っていると思ったからです。

    千切は自分の負けをサッパリ認めてくれるいい男でした。勝てたかもしれないけど。
    多分奈落で國神がてるてるだったことを聞いてめちゃくちゃ笑ってると思います。

  • 79124/01/20(土) 23:48:14

    【5日目】

    もう完全に自分が黒だということはバレバレなので、潔は冴か凛に自投票させることしか考えていませんでした。
    まず凛はこの状況でどれだけの論拠を挙げても冴に入れないと思ったからです。

    なので冴が完璧にぶっ壊れているところをめちゃくちゃ揺さぶってやれ〜!え〜い!ユサユサユサユサという感じでかなり紙一重の勝利でした。あっぶ。

  • 80二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:51:53

    デスゲームとかにおける潔さんのこういうところ強えよなあとなる

  • 81二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 23:52:07

    えーいユサユサ!で負っていいダメージじゃないんよ

  • 82124/01/20(土) 23:59:00

    >>61


    >>33 のことだと思いますが、これ潔に入れてるのは凛です。

    凛はとりあえず入れたい人に入れるを続けていたので、最後で突然自分の選択がめちゃくちゃ重かったことに気がついてビビります。

    ちなみに2日目で蜂楽に投票した内訳は、

    完全に読み切っていた潔

    自己犠牲精神の蜂楽と

    勘の凛

    でした

  • 83124/01/21(日) 00:00:54

    ちなみに自分への投票という選択肢がある、という伏線のつもりで蜂楽の退場がありました。いい子だった。
    初期案だとパン屋でしたが、パンを焼けそうな場面がなかったので仕方なく村人になりました。

  • 84二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:01:46

    潔こわぁ…

  • 85二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:03:46

    千切諦めるの早くなぁい!?

  • 86二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:06:23

    人狼が初手で一人落ちてて騎士が実質欠けてるので諦めなければ千切はかなり有利だったね

  • 87二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:10:48

    冴は参加者に凛がいないほうがメンタル最後まで保ってそうだな

  • 88二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:12:06

    白宝と糸師兄弟のデスゲームで死にそう感は情に引っ張られるところにあるんだろうな

  • 89二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:12:16

    千切が諦めずにいたとして潔ほど人をユサユサできるタイプではなさそうな気もする

  • 90二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:13:44

    このレスは削除されています

  • 91124/01/21(日) 00:14:58

    第二夜も書こうと思っているんですが、追加して欲しい役職やキャラなどいたら教えて欲しいです!

    ここまで読んでくださりありがとうございました!

  • 92二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:18:25

    狐と確か同じ勝利条件だったはずだけど
    吸血鬼と吸血女王の組み合わせとか面白そう
    吸血女王は好きなタイミングで1人選んで噛んで、噛まれた人は吸血鬼になる

  • 93二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:18:26

    おもしろかったです!次も待ってます!

  • 94二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:19:15

    狩人とかあってもおもろそう

  • 95二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:25:43

    >>91

    面白いSSありがとうございました!!

    次は氷織と黒名も見たいですー

  • 96二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:26:31

    >>91

    とても面白いSSありがとうございました!

    次回作も待っております🙌

  • 97二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:28:29

    乙夜と烏も余裕があればご検討を……!

  • 98二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:30:56

    カイザーとネスもご検討いただければ…🙏

  • 99二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:37:09

    潔の人畜無害感えぐいから占う気にもならないのわかるなー
    白宝ダブル人狼とか見てみたい

  • 100二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:51:06

    霊能者いたら面白くなりそう

  • 101二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 02:04:52

    このレスは削除されています

  • 102二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 02:18:01

    片方が死んだらもう片方も死んでしまう恋人の役職があったら面白いと思う
    相棒とか盟友とか名前を変えて入れても可

  • 103124/01/21(日) 13:39:47

    一旦ここまでで出していただいたもので続き書き始めました!
    またすぐお会いできると思いますので、よろしくお願いします

  • 104二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:53:21

    わーい楽しみ

  • 105二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:31:03

    第二夜

    開始します

  • 106二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:31:25

    全部終わった。
    紙一重を勝ち抜いた興奮で体はまだ震えている。
    隣には絶望に打ちひしがれた凛。
    もうこの部屋の椅子はたったの二つになってしまった。

    「勝者は次の部屋にお集まりください」

    唐突に突きつけられた機械音声にハイになった脳が急激に覚醒するのがわかった。
    次の部屋、はこの大きな扉から行くのだろうか。ここの鍵はずっと開いていなかった。
    すると、キィと音がして自然にドアが開いた。
    進め、ということだろう。

    「凛、行くぞ」
    床に座り込んで動かない凛に手を伸ばす。
    それを払って凛は立ち上がった。
    兄を追い詰めた俺を許せないのだろう。当然のことだ。
    しかし、もう俺たちは戻れないところまできてしまっているのだ。それは、凛もわかっているはず。
    さぁ、こんな夜を早く終わらせよう。

  • 107二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:32:00

    言われた通りに扉を抜けると、そこには長い廊下が続いていた。
    それは今まで過ごした個室があった廊下によく似ている。そして同じように突き当たりには色の違う扉がついていた。
    個室はどれも鍵がかかっていたので、仕方なく突き当たりの扉をくぐった。
    嫌な予感は的中していたようだ。

    「潔くんも、生き残ったんですね」
    そう言ったのは。
    「二子…!」
    既に俺たち以外は席に着いているようだ。
    見知った面々が、円卓を囲うように座っていた。
    その作りは、今さっきまでいた部屋と全く同じである。
    「やっぱり…終わらないんだな」
    「そうみたいです。…わかってるなら、早く座ってください」
    そう言われ、急かされるままに空いた席に座る。
    周りを見渡すと、さっきでは背中を向いていた奴もハッキリ認識することができた。
    烏、乙夜、カイザー、ネス、氷織、黒名、雷市と二子。それと、凛。

    「みなさんの椅子の裏には役職のカードが貼ってありますので、誰にも見られないように今確認してください」

    運命が決まる時間だ。

  • 108二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:33:18

    「カードが全員確認できましたので人狼ゲームについて説明します」

    つい最近もおんなじ声でおんなじ文言を聞いたばかりだ。
    しかし、ルールというか、役職はある程度追加や変更があるらしい。
    こんにも非日常的で狂気に満ちていても、一週間もすれば慣れてしまうというのは、むしろ悲しいとすら思う。
    何度繰り返せば、こんなことをもう終われるのだろうか。
    いや、そもそも勝たなければいけない。
    勝つためには、選ばなければいけない。
    頭痛すら感じて、目をぎゅっとつぶった。

    「今回は初日から占いを行うことができます。みなさんは一度部屋に移動してください」

    聞いたことがない言葉に驚いて、スピーカーを見あげる。
    おそらくこれは誰も知らない仕様だったようで、おずおずと部屋から出ていくのだった。

  • 109二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:36:03

    〜以下補足説明〜

    【役職】

    [村人陣営]
    村人 ×2
    占い師 ×1
    騎士 ×1
    ハンター ×1
    (盟友 ×2)

    [人狼陣営]
    人狼 ×2
    狂人 ×1

    [その他]
    吸血鬼 ×1


    盟友と人狼はカードに書いてあるため、相方がわかっています


    席順は画像の通り

  • 110二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:50:25

    「準備が整いました。それでは今日の話し合いを開始してください」

    アナウンスによって集められて、席に着けばすぐにそんなことを言われる。
    本当に滅入ってしまう。今のさっきだというのに。
    それでも、話し合いにはタイムリミットがあるのだ。集中力を切らすわけにはいかない。

    「じゃあ早速やけど、占い師は名乗ってな」
    ケロっとした顔で氷織が言った。
    もうみんな既に一戦終えているので流石に飲み込みは早かった。
    「俺、占い師」
    「…黒名」
    三つ編みをいじりながらに手を挙げていたのは黒名だった。
    「結果は?」
    氷織が訊く。
    黒名はすぐに口を開いたが、それすらまたしても遮られることになる。

    「待ってください」

  • 111二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:50:56

    「ダウトです。僕が真占い師です」
    声をあげたのは、二子だ。
    占い師が二人?ありえない。
    「これ以上遅くなると後出しになると思ったので遮らせてもらいました。結果は同時に報告しましょう」
    不服そうな黒名は、三つ編みを忙しなく解いたり結ったりしていた。
    「じゃあせーので占った人指差してな」
    二人が頷いた。
    そしたら氷織は間髪入れずに、「せーの」と言った。
    二子が指差したのは黒名。
    そして、黒名が指差したのは。



    「………俺?」

  • 112二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 17:59:32

    「ほな、結果はマルかバツで答えてな。せーの」
    まだ飲み込めていない俺をよそに、どんどん議論は進む。思考を途切れさせるな。

    「バツ」
    「マルでした」

    え?
    俺、いま、黒出しされた?

    「だから潔を吊れ、それ一択だ」

    「…待ってください。僕は黒名くんを占って白でした。ということは、少なからず黒名くんは狂人でしょう。黒名くんを吊るべきです」

    しまった、という顔で瞳孔をかっぴらいてる黒名に、もう言うことはないと黙る二子。
    混沌とした中で、俺は冷や汗が滝のように背中に伝うのを感じていた。

    「待て、流石に性急すぎる」
    喧騒をぶったぎったのはカイザーだった。

    「二人の中に占い師がいることは確実だろう。それならまだ可能性がある奴を吊るのはクソ軽率だ」

    みんな納得したようで、黙ってしまった。
    上手い反論が思いつかないのか、二子は伸ばされた前髪を掴んでいる。



    「残り5分です」

  • 113二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:00:05

    冷淡なまでに落ち着いた声で、アナウンスが響く。
    まだ、結論は出ていないのに。

    「占い師かもしれない二人と、占われた奴以外に投票するしかないでしょ」
    誰とも目を合わせないで乙夜が言った。
    少なくとも無責任に発言しているわけではないと、全員が理解していた。
    むしろ、誰かがその判断をしてくれないといけなかったので、俺は皮肉にもありがたいとすら思っていた。
    それは、占われた自分が、今日ばかりは安全圏にいるからかもしれない。
    誰もが何も言えずに俯いたとき、機械音声が流れた。

    「それでは投票の時間です」

  • 114二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:05:08

    「三票獲得した雷市さんは退場となります」

    「アァ、俺か」
    いつもなら、めちゃくちゃに暴れているであろう雷市は、いとも簡単にその退場を受け入れた。
    それもこれも、先ほどまでの惨劇が雷市を変えてしまったからなのだろう。

    「…勝てよ」

    最後に、そう言って、雷市は消えていった。
    それを見て俺は、俺の中のどこかの感情がいなくなってしまったことを悟った。

  • 115二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:05:31

    このレスは削除されています

  • 116二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:11:39

    次の日、昨日よりも幾分か顔色を悪くしたみんなが席に着いた。
    なくなっている椅子は…二子だ。

    「それでは話し合いを始めてください」

    もう何度聞いたのかもわからない声。
    心底それを恨みつつ、頭だけは冷静だった。

    「氷織を占って、白だった」
    誰に聞かれずとも、黒名が言う。
    昨日二子が諭したときに見せた焦りが嘘のように落ち着いた挙動も、とても嘘をついているようには見えない。

    「僕、思うんやけど」
    みんなの逡巡を遮るように氷織が手を挙げた。一瞬で視線が集まる。
    「誰が占い師かわからへんなら、占われた方も怪しいんちゃうの?」

    …まずい。

    昨日黒名に占われた。
    議論の場に名前があがる。

    「なぁ、潔くん」

    氷織が俺に向き直った。
    ア、やばいこれ。

    みんなの視線が、許しを請うような視線が突き刺さる。
    今まで人を散々騙してきた、報いなのかもしれない。

    「それでは投票の時間です」

  • 117二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:22:47

    潔脱落来る…?

  • 118二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:25:30

    「六票獲得した潔さんは退場になります」



    …終わった




    突然支えを失った体が、ガクンと衝撃を受けたのを最後に意識はブラックアウトした。



    side 潔



  • 119二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:30:33

    次の日、またしても集められた部屋の中で俺は焦っていた。
    今の状況はヤバい。あと何人味方が残っているのかわからない。
    潔の椅子と、黒名の椅子がなくなっていた。
    席につくとすぐにあの憎たらしいアナウンスが流れる。

    「それでは話し合いを始めてください」


    side 凛



  • 120二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:31:28

    凛ちゃんさん推理できる?だいじょぶそ?

  • 121二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:35:51

    頑張れ凛ちゃん

  • 122二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:38:49

    「あー…俺の意見をちょっと聞いて欲しいんやけど」
    だるそうに烏が言う。

    「今ここにおるのが6人。もし人狼が2枚残っとってこのターンで黒を吊れんかったら、終わりや」
    「せやね、」
    氷織もそれに同意する。
    俺は反論の余地もなかったので黙って聞いていた。
    「だから、霊媒師がおったら今言え。黒が1枚でも吊れてるか教えろ」
    烏はそう言って、あたりをギョロ、と見渡す。
    俺は、兄ちゃんのことを思い出していた。
    自分に嘘をつき続けて、ぶっ壊れた兄ちゃんのことを。

    そうだよね、兄ちゃん。

    俺は初めて、自分から手を挙げた。


    「…俺が、霊媒師だ」

  • 123二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:41:32

    「まだ人狼は、吊れてない」
    一言一句に緊張が走る。
    何かひとつでも間違えれば自分が今からいなくなるのだ。

    「そうか、ほな結論はひとつやな」

    しかし、そんな俺の一大決心も、烏の軽い態度に流されてしまった。

    「俺はハンターや。…お前ら、俺に投票すれば勝てるで」

    上がった口角が耳にまで届くように見えて、その提案の不気味さを際立てた。
    ハンター、は、確か自分が吊られる時に一人道連れにできる役職だ。

    「ほな、烏は人狼が誰かわかってるん?それなら、烏やなくてその人狼に投票したらええんちゃうの」
    氷織の発言にみんなが頷いている。
    そんな中、烏は椅子にふんぞり返って「アホか」と言った。

  • 124二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:47:01

    「悪いけど、俺の予想しとる人狼はそんな簡単に吊られてくれんで。…それに、」
    それに、と言った後にたっぷりと間を取る。
    その話し方は人を惹きつけるだけの力があった。

    「完ッッッッ全に俺の勘や!!!根拠はない!!!!」

    全員が後ろに転がるような勢いだった。

    「は?お前の勘で俺らのこの先決めようとしてんのか?」
    不満を露わに言うが、クソ烏はちっともビビってないみたいだった。

    「そうや、でも、どちみちここで当てられんかったらぜーんぶ終わる。…どうや、お前らの命運、俺の勘に預けられるか?」

    シン、とした。
    その沈黙が、肯定なのか否定なのかは定かではなかった。
    ただ、時間のない今、その勘に賭けたくなる気持ちは十二分にあるのだった。

    「それでは投票の時間です」

  • 125二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:56:25

    「六票獲得した烏さんは退場になります」

    結局、どいつもこいつも責任を負いたくないのだ。この期に及んで、俺すら。

    「オイ、誰が聞いとるんかわからんけど、俺が道連れにするのはアイツや」

    そう言って指差した。

    「…乙夜」

    今から退場するというのに、眉すら動かさなかった。
    とっくに、感情をかなぐり捨てているから。

    ガタン。
    ふたりの席はなくなった。

  • 126二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 18:59:19

    烏も乙夜もデスゲーム適正の高そうな奴らだからリアル人狼の二周目ともなると歴戦の貫禄さえ漂っているな

  • 127二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:20:08

    次の日、これで最後だ。
    あれだけあった椅子も、気づけば三つ。
    なくなっているのは、氷織の席だ。

    「それでは話し合いを始めてください」


    「凛、あなたがなぜここにいるのかわかりますか?」
    ネスが俺に、訴えかけるように話しかける。
    改めて考えると、霊媒師をカミングアウトした俺が生き残っているのは奇跡だ。

    「昨日の夜、僕はあなたを守りました。…騎士です」

    「…え、」

    また、またこの場面だ。
    騎士という言葉、意味もなく生き残った俺。
    決したカミングアウトすら、結局烏の退場を確実にしただけだ。
    鼓動がうるさくなる、目の前を無意味に信じたくなる。

    また、選ばなければいけないのだ。
    この手が決めるのだ。

    そんなに、大層なモンじゃねぇのに。

    それでも、覚悟はもう決まった。

  • 128二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:31:46

    「それでは投票の時間です」

  • 129二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:32:28

    このレスは削除されています

  • 130二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:34:29

    「二票獲得したネスさんは退場になります」

  • 131二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:38:10

    「…ハ?」

    勝利を確信していたネスは、瞳孔を開いて崩れ落ちた。

    「残念だったな、ネス」









    「俺らは、盟友だ」

  • 132二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:38:34

    「人狼陣営が全滅したため、村人陣営の勝利となりました」

  • 133二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 19:40:32

    おお〜勝った勝った

  • 134二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:08:54

    以上で終了です
    最後まで読んでくださった皆さんありがとうございました
    これ以降は解説になります
    よかったら感想などいただけたらうれしいです

  • 135二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:10:59

    【各役職】

    潔→吸血鬼
    凛→霊媒師(盟友)
    烏→ハンター
    乙夜→人狼
    カイザー→騎士(盟友)
    ネス→人狼
    氷織→村人
    黒名→狂人
    二子→占い師
    雷市→村人

  • 136二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:13:11

    烏すっご!人狼道連れにできてる!

  • 137二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:20:22

    前回は全て流れを決めてから書き始めたのですが、今回は書きながらいきたい方向へ勝手に進み続けたのでどこかで矛盾が起こっているかもしれないです

    結果と役職はきちんとあみだくじで決めましたので、キャラひいきなどの意図は全くありません

  • 138二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:25:19

    めちゃくちゃおもろかった
    続編も期待させてくれ

  • 139二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 20:30:56

    【1日目】

    ネスは黒名が騙らなかったら自分が占い師を名乗り、カイザーに白出しするつもりでした
    黒名は潔がこういうデスゲームに強いことを見越して黒出ししただけで、どちみち自分が生き残ることはあまり考えていません

    潔は吸血鬼なので、占われたときに黒と言われた時点で黒名が狂人だと気がついていました
    なので「え?」という感じの反応をしてます

    乙夜が「占いは吊るな」と言います
    このままだと二子に押し切られそうだったので、黒名の追放を避けるために言いました
    烏はこのときから乙夜を疑っています

  • 140二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 21:01:23

    烏有能だなぁ

  • 141二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 21:53:30

    【2日目】

    まさかの潔脱落。
    最初に怪しんだ氷織は、自分に白出しした黒名が真占い師だと思っていたので潔を早めに退場させようとしました。

    ちなみにカイザーも黒名を守護していました。
    二子と黒名ならまだギリ情けをかけたい身内は黒名だったのかも。

  • 142二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 22:23:22

    【3日目】

    凛が推理できるのか問題ですが、推理できません。
    事実、最後まで感情論で動いており、生き残れたのは奇跡です。カイザーがめちゃくちゃ優秀でした。

    ここだけの話ですが、前回のブロックで烏と乙夜は同じ組でした。烏は前回より挙動に焦りが見える乙夜を怪しく思っていましたが、前々から見てきたからわかる!と言っても信ぴょう性に欠けるため、道連れを選びました。
    まだ人狼陣営が何枚残っているかわからないので、白を一枚吊れる方にして人狼の票も自分に集めようとしました。

    ここで初めて凛が自分の意思で発言します。
    あまり考えずに出ろと言われたので出たにすぎませんが、その結果人狼を道連れにすることができました。とんだラッキーボーイ

  • 143二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 22:58:58

    【4日目】

    ネスとカイザーの頂上決戦。
    でもこの時既に勝敗はついていました。
    ここまで全く触れられずにいましたが、凛とカイザーは盟友だったためお互いの白が確定していました

    凛は前ブロックでの冴を思い出して情緒がめちゃくちゃになってしまいますが、冴の時とは違い情報が確定的だったこともあり道を誤ることはありませんでした

    この議論でカイザーがひとことも話さないのは、勝ちが確定していたからということに加え、初めの方はネスを白く見ていたこともありショックだったからです。カイザーが冷静なおかげで勝つことができた試合でした

  • 144二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 23:05:47

    これでひとまずこのスレでのSSは完結になります
    また奈落から這い上がった者たちも含めて新たな物語も書きたいと思ってます!

    ちなみに主は、退場=死ではないと思ってます
    みなさまの解釈にお任せしますが、○んでたら悲しい!という方は安心してください

    それではまたどこかでお会いしましょう!


    次があった場合に追加して欲しいキャラや役職が他にもありましたらたくさん書いていってください!

  • 145二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 23:16:53

    面白かったです!次も楽しみに待ってます

  • 146二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 10:03:54

    面白かった

    猫又や医者も役職いれたの見てみたいです


    あとは多人数村とか

  • 147二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 19:57:09

    とても面白かったです!

  • 148二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 22:13:43

    面白かったです!ありがとうございました!

    次やるなら
    村陣営(ただし全員役職持ち)
    人狼陣営
    狐陣営
    +盟友・てるてる・その他色々追加可
    の全員役職持ち闇鍋カオス村をやって欲しいです

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