お婆ちゃん、トゥインクルシリーズを目指す

  • 1二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:09:45

    おっ……電話だ、誰からだろう。

    この番号は……お婆ちゃん!?

    はいっ、もしもしっ! お、お婆ちゃんどうしたのっ!?


    「今日からトレセン学園に通うことになったんじゃあ。これからは一緒じゃねぇ~」


    待て待て待て! どういうこと?

    お婆ちゃん今年で 60+ dice1d30=8 (8) 歳だよね!?

    それに、お婆ちゃんは dice1d3=1 (1) のハズじゃ……!?


    1 もうとっくに腰が曲がってる

    2 施設に入所したって言ってた

    3 この前お葬式したばかり……

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:10:12

    頑張って

  • 3二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:11:13

    68歳か。まだイケるな

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:11:26

    学び直しとかではなく本気でレースを?

  • 524/01/21(日) 14:13:17

    お婆ちゃん、今年で68歳だし、数年前から杖ついてたよね?

    それにトレセン学園て……ちょっとお婆ちゃん、今どこにいるの?


    「理事長室じゃよ~」


    ああもうっ! 今行くからそこで待ってて!

    トレセン学園の dice1d4=2 (2) の自分は、一目散に理事長室を目指した!


    1 生徒(中等部)

    2 生徒(高等部)

    3 トレーナー♂

    4 トレーナー♀

  • 624/01/21(日) 14:17:59

    トレーナーさんすいませんっ、ちょっと理事長室いってきます!!

    返事を聞くまでもなく理事長まで走り抜ける!


    「到着ッ! 君が彼女のお孫さんだなっ!」

    理事長室には、やよい理事長にたづなさん、そして……


    「おほほ~、早かったのう♪ こやつがわしの孫じゃあ♪」


    か、彼女は……!? dice1d2=1 (1)


    1 紛れもなくお婆ちゃんだ……!!

    2 お婆ちゃんの面影のある少女!?

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:19:36

    生涯現役だったヒカルアヤノヒメという先達もいることだし…

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:20:27

    自治体が高齢者の健康増進のために始めた事業とかかな

  • 924/01/21(日) 14:27:14

    そこにいたのは、紛れもなくお婆ちゃん。

    腰は曲がってたとはいえ見た目は確かに若かったし、URAの佐竹メイさんみたいに年齢は見た目によらないから、うちのお婆ちゃんもそんなもんだと思ってたけど……。

    さすがに、お婆ちゃんがトレセン学園の制服に袖を通しているのには違和感を覚える。

    それに……なんかシャッキリ立ってない?


    そんなおばあちゃんの見た目

    身長 : 130+ dice6d6=1 5 2 4 4 4 (20) cm

    胸囲 : 60+ dice6d6=4 3 1 6 5 5 (24) cm

    耳飾 : dice1d10=1 (1) 【1~4:右 5~8:左 9~10:なし】

    毛色 : dice1d4=3 (3) 【1:鹿毛 2:青鹿毛 3:栗毛 4:芦毛】

    流星 : dice1d10=10 (10) 【1~2:なし 3以上:数字が大きいほどエクレア】

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:28:52

    もう白面では

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:29:06

    このレスは削除されています

  • 1224/01/21(日) 14:34:14

    芦毛のように真っ白な髪に、栗毛の尻尾。間違いなくお婆ちゃん!


    「おほほ、今日からあなたと同じ学校に通えると思うと、心が踊るねぇ~」


    そういって、ぴょんぴょんと小躍りしてみせるお婆ちゃん。

    そもそもお婆ちゃん、どうやってトレセン学園に入学したの……?

    dice1d3=3 (3)


    1 「きっちり入学試験を受けて合格したんじゃよ~」

    2 「年寄りのカネとコネがあればいけるんじゃよ~」

    3 「政府の生涯学習補助の対象になったんじゃよ~」

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 14:36:28

    アキュートお婆ちゃんと違ってがちのお婆ちゃんだもんな
    若者よりも骨密度とかは落ちていそう

  • 1424/01/21(日) 14:43:15

    「生涯学習ッ! 来たる高齢化社会において、健康増進は重要ッ!」
    「……ということで、あなたのお婆さまは、政府がURAに委託した生涯学習システムのテストケースとして、トレセン学園でトレーニングを積んでもらうことになったんですよ」

    やよい理事長に続いて、たづなさんがそう続けた。
    そういえば社会の授業で「今後は高齢者と若者が一緒に学習するようなこともあるでしょう」なんて言ってたけど、まさかお婆ちゃんが、それに選ばれてたなんて……。

    ちょっと待って?
    入学するって言ったって、レースの実技試験があったはずでしょう?
    お婆ちゃん、どうやって……!?

    1「ブスッと大成功~♡ したんじゃよ」
    2「あやしい治験を受けたんじゃよ~」
    3「サトノさんちの技術の賜物じゃよ」

  • 1524/01/21(日) 14:44:05

    >>14

    dice1d3=3 (3)

  • 1624/01/21(日) 15:06:09

    「それに関しては、私に説明させてください!」


    あ、あなたは……サトノダイヤモンドさん!?


    「サトノグループはウマ娘界の発展のため、日々事業を続けてまいりました!」

    「今回、政府が推進する生涯学習システムに協賛し、高齢者のレース参戦を目指すための特別チームを結成しました!」

    「医療、最新補助器具、VR技術……サトノグループが持ちうる技術、その集積の結果! お婆さまはレースに耐えうる体を取り戻されたのです!」


    すごい……何を言っているかはわからないけど、サトノの技術力のおかげでお婆ちゃんの腰は治ったようだ。


    「お偉いさんの都合に巻き込まれちゃったけれど、おかげでまた走れるようになったんじゃよ~」


    お婆ちゃん……!

    ピンと背を伸ばして、満面の笑みで私を見つめるお婆ちゃんからは喜びを感じられる。

    当初の戸惑いとは裏腹に、私の顔にも笑顔が宿っていた……。


    そんなお婆ちゃんの名前は……

    dice1d2=2 (2)

    1 スレ主がダイスで決める

    2 お婆ちゃんの名前は >>19

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:09:35

    ksk

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:10:00

    ホップステップ

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:10:25

    サト丿ミラクル

  • 2024/01/21(日) 15:13:45

    >>19

    調べたらいたので再募集

    お婆ちゃんの名前は >>22

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:14:35

    バウララー

  • 22二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:15:14

    カナヱチャン

  • 2324/01/21(日) 15:30:13

    政府が高齢者の健康増進のために進める「生涯学習システム」。

    URAに委託された本事業は、サトノグループの協賛を受け、さらに私のお婆ちゃんこと「カナヱチャン」がテストケースとして選ばれてしまった!

    私もこれからメイクデビューだっていうのに……はっ!?

    このまま順調にお婆ちゃんのトレーニングが進めば、お婆ちゃんが同世代のライバルになっちゃう!?

    そう考えたら、授業もトレーニングも上の空だよ……。


    聞くところによると、お婆ちゃんは近々行われる模擬レースに向けて、仮トレーナーを迎えて練習を積んでいるらしい。

    そのトレーナーとは……

    dice1d3=3 (3)


    1 あれは、サトノのトレーナーさん?

    2 あの黄緑色に光っているトレーナーは……

    3 VRウマレーターの中に……!?

  • 2424/01/21(日) 15:46:06

    お婆ちゃんがVRウマレーターで使っているのは……メガドリームサポーター!

    早速私もログインしてみると、VR空間でお婆ちゃんが走っている!

    そうか、本当に走れるようになったんだね……!


    「いくら走れる体を獲得したとはいえ、最初から本物のターフに送り込むのは難しい。だからまずは、俺たちがVR空間で稽古をつけているのさ」


    あなたは、ダーレーアラビアンさん!


    「とはいえ、彼女が現実のターフを走るのはそう遠くないかもだ」


    そ、そうなんだ……。


    「そういえば君からは、彼女と同じものを感じるね。もしかして君が、彼女の言ってたお孫さんかな?」


    はいっ、そうなんです! 実は dice1d2=1 (1) なんですよ。

    【1:父親の母 2:母親の母】


    私も近々メイクデビューを控えてまして……。

    それよりも! お婆ちゃんの適正を聞いてもよろしいですか?


    適正:

    dice1d5=1 (1)

    1 長距離 2 中距離 3 マイル 4 短距離 5 ダート


    脚質:

    dice1d5=1 (1)

    1 逃げ 2 先行 3 差し 4 追い込み 5 自在

  • 2524/01/21(日) 15:56:25

    「彼女はどちらかといえば、速筋を使うよりも遅筋を使う方に長けているようだ」


    ソッキン、チキン……?


    「平たく言えば、適正は長距離向けだね。それも、最初から先頭に立って粘り込むスタイルだ」


    つまり、長距離・逃げ……ということですね!


    「それと、彼女の長所と弱点も見えてきたよ」


    長所:

    dice1d5=5 (5)

    1 スピード 2 心肺能力 3 力強さ 4 精神力 5 駆け引き


    弱点:

    dice1d3=3 (3)

    1 脚部不安 2 体力 3 勝負根性

  • 26二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 15:57:53

    >>25逃げに一番重要なのに

  • 2724/01/21(日) 16:16:12

    「彼女の特殊な事情は聞いているけど、レースに対するセンスは目を見張るものがある。

     逃げを打って、後続に否応なく『着いていく/控える』の選択を迫らせる老獪さには驚いたよ」


    そういえばお婆ちゃん、腰を悪くしてからいつもレースを見てたって聞いたけど、こういう研究もしていたのかな?


    「長距離を逃げ切る心肺能力もある、脚も今のところ問題ない。

     でも、並走や模擬レースとなると、その実力が発揮できない……」


    えっ、それって……?


    「つまるところ、彼女は長く生きてきた中で『丸くなりすぎている』んだ。

     たとえ相手がNPCでも、迫られると勝ちを譲ってしまう優しさがある。

     優しさは、ターフの上では大きな欠点になってしまうよ」


    優しさは、ターフの上では欠点……。

    いつも優しかったお婆ちゃん。でも、勝負の世界では優しさは捨てないといけないんですね。


    「ところで子羊くん? 君はメイクデビューを控えていると言っていたね? これも縁だ、彼女の並走の相手になってくれないかい?」


    ひゃ、ひゃいっ!?


    ちなみに孫の私は……

    耳飾:dice1d10=6 (6) 【1~4:右 5~8:左 9~10:なし】


    適正:dice1d5=5 (5)

    1 長距離 2 中距離 3 マイル 4 短距離 5 ダート


    脚質:dice1d5=4 (4)

    1 逃げ 2 先行 3 差し 4 追い込み 5 自在

  • 2824/01/21(日) 16:28:49

    お婆ちゃーんっ!


    「あら、三女神さま。孫が遊びに来てくれたよ~」


    うん、お婆ちゃんお小遣い~……じゃなくて! 練習中でしょ?

    私だってこれからメイクデビューするウマ娘なんだから。

    だから、並走しておいで……って、ダーレーアラビアンさんが。


    「孫と並走……ふふっ、三女神さま、ありがとうねえ。まさかこんなに早く夢が叶うなんて」


    待って待って、泣かないでお婆ちゃんっ!?

    必死になだめたあと、ようやく並走に入ったんだけど……


    孫:dice1d100=8 (8)

    カナヱチャン:dice1d75=20 (20)

    【出目の大きい方が勝利。お婆ちゃんは勝負根性の欠如でダイス目25%ダウン】

  • 29二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 16:41:59

    婆ちゃんが強いのか孫が弱いのか

  • 3024/01/21(日) 16:44:30

    今回はお婆ちゃんの練習相手ってことで芝で走ったけれど……。

    やっぱりダートでデビューする私に、芝はきついっ! 逃げるお婆ちゃんの背中が縮まらない!


    「……っ!」


    えっ……お婆ちゃん、後ろを振り返って私を見た後、減速してる……?

    ゴール前でとうとう並ぶまで行ったけど、クビ差でお婆ちゃんが先にゴール板を駆け抜けた。


    「ふう、ふう。ありゃあ……孫にあげられるものは、何でもあげようと思ってたのにねえ」


    そうか、これが優しさ……。

    ちょっとお婆ちゃん! dice1d2=2 (2)


    1 そんな勝ちなんていらないよっ!

    2 嬉しいけど、それはダメだよ……

  • 3124/01/21(日) 16:58:39

    お婆ちゃん、その気持ちは嬉しいけど、これは練習とはいえレースなんだから。

    それに、お婆ちゃんが手加減してくれた勝ちに、意味なんてないもん。


    「……そうかい? ちょっとお婆ちゃんにはわからないねえ」


    そういったあと、お婆ちゃんとは会話が続かなかった……。

    結局その後、一言も喋らないまま私はVR空間からログアウトして、自分の練習に戻った。


    お婆ちゃんの出走する模擬レースは、奇しくも私のメイクデビューと同じ週末だった。

    先に行われたのは私のレース。結果は…… dice1d10=4 (4)


    【1~2:勝利! 3~6:惜敗 7~10:惨敗】

  • 3224/01/21(日) 17:12:11

    ダート1600メートル。コーナーを抜け最終直線から追い込みをかけるも、1着まではあと1/2バ身足りなかった。

    トレーナーは「気持ちを切り替えて、次のレースに挑もう」って言ってくれたけど……。

    1着のあの子が、並走のときのお婆ちゃんに重なってしまうのを、首をブンブンと振って追い払う。


    「どうした?」


    なっ、なんでもないですっ!


    翌日、とうとうお婆ちゃんの模擬レースだ。

    生涯学習システムのテストケースということで、レースを見に来ている関係者も多く、メディアの取材も入っているようだ。

    今回は6人立て、お婆ちゃんは第 dice1d6=2 (2) ゲートからの出走。

    展開は dice1d2=1 (1) になりそうだ。

    【1:ハイペース 2:スローペース】

  • 3324/01/21(日) 17:19:45

    【脚質逃げで1枠に入ったため勝率アップ】

    【脚質逃げでハイペースになるため勝率+0】


    ゲートが開いて、お婆ちゃんは先頭を取りに行く!

    その後ろを追っていく他のウマ娘たち。展開はハイペースになった。


    第3コーナーに入って、ここでお婆ちゃんは勝負を仕掛けた!

    お婆ちゃんの仕掛けは…… dice1d2=1 (1) 【1:発動! 2:不発……】

  • 3424/01/21(日) 17:30:15

    【仕掛け発動で勝率アップ】


    《カナヱチャン、ここで減速! 後続に並ばれたーっ!》


    いいや、お婆ちゃんのタフネスであそこで減速するなんてありえない。

    これはもしかして……?


    《並んだまま最終コーナーを抜けて直線に! おっとここでカナヱチャン再び突き放つ!》


    やっぱり、最終直線に向けて二の足を溜めていたんだ!

    でも、他のウマ娘も負けじと加速する!


    そして…… dice1d6=6 (6)


    1~3 《そのまま突き放してゴール!》

    4~6 《しかし捕まってしまったー!》

  • 3524/01/21(日) 17:35:16

    《カナヱチャン逃げる、逃げる! しかしここで捕まってしまったーっ!》


    最終直線で捕まってしまい、そのままずるずると後退していくお婆ちゃん。

    抜かされる前、ちらりと後ろを見ていたような……。お婆ちゃん、やっぱり優しさを捨てきれていないの?

    結局、 1+ dice1d5=5 (5) 着でのゴールとなった。

  • 3624/01/21(日) 17:49:22

    「あのカナヱチャンってウマ娘、例のテストケースの対象の人だろう?」

    「っていうことは、もう年金もらってるのか?」

    「ああ、俺たちの母ちゃんぐらいの歳だぜ」

    「なら、走れているだけでも上手くいっているじゃないか。さすがURAの金がかかってるだけはある」

    「それよりも勝ったあの子は……」


    レースを見ていた、お父さんぐらいの年齢のトレーナーの会話が耳に入る。

    私は両手を握りしめて、うつむいて聞いていないフリをした。


    「おやぁ、見に来てくれてたんじゃねぇ。お婆ちゃん負けちゃったよぉ」


    何もなかったかのような顔で、レース後のお婆ちゃんが歩いてくる。

    お婆ちゃん、悔しくないの? 負けちゃったんだよ?


    「だって、次があるからねえ」


    次がある……果たして、お婆ちゃんにとってそれは本当のことなのか?

    もやもやが残ったまま、その日は過ぎていった……。

    ちなみに私は、この後 dice1d6=1 (1) 回目に挑んだ未勝利戦で一着を取ることとなる。

  • 3724/01/21(日) 20:11:30

    模擬レースから数週間後、ダート未勝利戦で1勝をあげた私に、お婆ちゃんが学園の施設を使って料理を振る舞ってくれた。

    大好きだったいわしのつみれ汁、覚えててくれたんだ……おいしいよ、お婆ちゃん。

    ※ちなみに私は dice1d2=2 (2) 【1:美浦寮 2:栗東寮】、お婆ちゃんは dice1d3=3 (3) 【1:美浦寮 2:栗東寮 3:専用の施設で一人暮らし】


    「ところでねえ、次は選抜レースっていうのに出ることになったんよ~」


    良くも悪くも、負けを引きずっていないお婆ちゃん。次は選抜レースへ出走するようだ。

    しかし、前回のレースの内容では、たとえ適正距離でのレースとなっても厳しいかもしれない。

    レースでは私が先輩だ。ここはひとつ、おばあちゃんに協力してあげたいな。

    ということで、お婆ちゃん…… dice1D3=


    1 弱点を克服してみない?

    2 長所を伸ばしてみない?

    3 新技術を身に着けない?

  • 3824/01/21(日) 20:12:03

    >>37

    dice1d3=1 (1)

  • 3924/01/21(日) 20:22:09

    休日、お婆ちゃんの住んでいるサトノグループの施設へと、私のトレーナーさんとお邪魔することに!


    「おやおや、そちらはトレーナーさんかい? いつも孫が世話になっております~」


    と、深々と礼をして迎え入れてくれるお婆ちゃん。

    ちなみに私のトレーナーさんは、dice1d3=2 (2) 【1:新人 2:中堅 3:ベテラン】の dice1d2=1 (1) 【1:女性 2:男性】だ。

  • 4024/01/21(日) 20:36:25

    「お婆さ……いえ、カナヱチャンさん。今日は私と彼女とあなたとで、ゲームをしようかと思いまして」

    「げぇむ……? テレビに繋ぐやつかい?」


    そうそう。トレーナーさん、準備できたよ!


    「カナヱチャンさんは、勝ちを譲ってしまう優しさをお持ちと聞きましたので、ここはひとつゲームで賭けをしようかと。

     このすごろくゲームで、総資産が一番になった人は好きな食べ物を奢ってもらえる! これでどうでしょう!」


    結果発表~~~!!!

    カナヱチャン総資産 dice1d100=69 (69)

    孫の総資産 dice1d100=45 (45)

    トレーナーの総資産 dice1d100=71 (71)

  • 4124/01/21(日) 20:50:15

    「いよっしゃああああ~~! これで七冠バ純米大吟醸は私のもんじゃぁぁ!!!」

    「惜しいねえ、札幌にもっと早く止まれれば勝ててたんだけどねぇ」


    ずっと貧乏神とお友達だったよ……しくしく。


    「でもこのままだと、この子がお金を出すことになるでしょう?

     それは可愛そうだから、もう一度、もういちどやらないかい? ねえ?」


    お、お婆ちゃん……!


    「これは私が悔しいわけじゃあ、ないからねえ?」


    結局、お婆ちゃんが勝利するまで dice1d10=10 (10) 回、ゲームを続けたのでした……。

  • 4224/01/21(日) 21:13:33

    選抜レース当日。

    ゲームで勝負根性を磨いてきたお婆ちゃん。ここで気づいたことがある。

    ……そう、どうやら孫のためなら、力を出せるようなのだ!


    お婆ちゃんが走るのは芝3000m、菊花賞と同じ条件だ。

    12人立てで、お婆ちゃんは第 dice1d12=9 (9) 番ゲートからの出走。

    展開は dice1d2=1 (1) になりそうだ。

    【1:ハイペース 2:スローペース】


    ゲートに収まる前、お婆ちゃんに声をかける

    ――お婆ちゃーん! 私のために勝ってーっ!

  • 4324/01/21(日) 21:27:18

    今回は先行するウマ娘の多いハイペースの展開、逃げを打つお婆ちゃんには厳しくなる。

    ゲートも外側。でも、お婆ちゃんのタフネスがあれば……。


    「この中で、カナヱチャンさんは dice1d12=8 (8) 番人気……」


    トレーナーさん……お婆ちゃん、勝てるでしょうか?


    「ええ、うな重とカニすきを勝ち取った、あなたのお婆ちゃんならきっと……!」

  • 4424/01/21(日) 22:01:15

    《さあ一斉にスタート、8番人気カナヱチャン外側から先頭を取りに行く!》


    中盤に入って、お婆ちゃんは dice1d2=2 (2) 【1:脚を溜められた 2:脚をためられなかった】

    終盤のコーナーで、二の足を dice1d2=1 (1) 【1:溜められた 2:溜められなかった】


    そして最終直線に入る……!

  • 4524/01/21(日) 22:16:57

    「中盤で別の逃げ馬にぴったり後ろにマークされてたけど、終盤で先頭を譲って脚を溜めて、二の足を使う……!」


    トレーナーさん、解説ありがとうございます!

    最終直線に入って、先行したウマ娘さんが垂れてきましたよ!


    さあ、お婆ちゃんは、どれぐらい勝負根性を発揮できる……!?

    dice1d10=5 (5) 【数値が大きいほど勝負根性を発揮】

  • 46二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 22:19:35

    そこそこいける

  • 4724/01/21(日) 22:27:01

    《粘る先頭、しかしカナヱチャン盛り返す! 抜き返せるか~~っ!》


    思わず私も声がでる。

    頑張れーっ、お婆ちゃーんッ!!


    そして結果は……!

    dice1d10=9 (9)


    1~5:《抜き返した~ッ! カナヱチャンッ!》

    6~8:《しかし先頭粘り切るッゴールイン!!》

    9~10:《お~っと大外から別のウマ娘突っ込んでくるッ!》

  • 4824/01/21(日) 22:35:59

    《大外から別のウマ娘が突っ込む! 3人が並んだところでゴールインッ! これは写真判定待ちです!》


    掲示板を見守る私とトレーナーさん……。

    写真判定の結果……!


    dice1d3=2 (2)

    1 《8番人気カナヱチャン!!》

    2 《粘り勝ち、先頭のウマ娘!》

    3 《大外のウマ娘、大金星~!》

  • 4924/01/21(日) 22:53:43

    写真判定の結果が出て、ザワつく場内。見に来ていた他のトレーナーの声が聞こえる。


    「このレース、上位3着までは実力が拮抗していましたね」

    「しかもあのカナヱチャンというウマ娘、例のテストケースの人ですよ」

    「あの歳でここまでの走りができるならば、きっとトゥインクルシリーズでも……」

    「でも、年齢が……」

    「年齢が……」


    観客席で見ていた私達に、お婆ちゃんが寄ってきた。


    「ふう、ふう……惜しかったねえ。孫のためにと思って頑張ったけれどもだ。

     この年になっても……悔しいことは、あるものじゃねぇ」


    ……トレーナーさん。私、こういうこと言える立場じゃないと思うんですけど。


    「大丈夫、あなたの言いたいことはわかっているから」


    トレーナーさん……!


    「やっぱり、お婆ちゃんにツインクルステエジは、無理なのかしらねえ?」

    「いいえ、お婆さん……いえ、カナヱチャンさん…… dice1d2=1 (1)


    1 「私達と一緒に、トゥインクルシリーズを目指しませんか?」

    2 「無理なんかじゃありません。一緒に夢を叶えにいきましょう」

  • 5024/01/22(月) 06:50:52

    ……というわけで、お婆ちゃんことカナヱチャンは私と同じチームでトゥインクルシリーズを目指すことになったわけなのですが。

    もうそろそろ、私の紹介をさせてもらってもいいですかね?

    今まで明かしていた内容だと、耳飾りは左耳についていて、寮は栗東寮。ダートレースでの追い込みが得意……って感じです。


    身長 : 130+ dice6d5=1 5 2 3 5 3 (19) cm

    胸囲 : 70+ dice6d5=2 4 1 5 2 5 (19) cm

    毛色 : dice1d4=4 (4) 【1:鹿毛 2:青鹿毛 3:栗毛 4:芦毛】

    流星 : dice1d10=3 (3) 【1~2:なし 3以上:数字が大きいほどエクレア】


    名前は、「マゴ + dice1d5=1 (1) 」といいます!


    1 ロクブレード

    2 イチサイカ

    3 トイウナノ

    4 ワヤサシイ

    5 イニニゴイ

  • 5124/01/22(月) 18:00:35

    というわけで、現在2戦1勝のマゴロクブレードです。

    なんか刀鍛冶に由来するそうです。エヴァ……? 知らないですね。

    芦毛の私と白面のお婆ちゃんとで見た目ソックリなんですが、ちょっとシュっとしてる方が私と覚えてください!


    ところでトレーナーさん。

    お婆ちゃんはトゥインクルシリーズを目指すわけですけれども、肝心のメイクデビューはどうですか?


    dice1d3=2 (2)

    1「このままなら年明けの早い時期に」

    2「万全を期して来年度になってから」

    3「……実は学園から『待った』がかけられている」

  • 5224/01/22(月) 22:21:15

    「予想はしていたけれど、この前の選抜レースからの回復に時間がかかっている。

     サトノグループとのすり合わせに、URAの制度改正もあるし、ここは万全を期します。

     デビューは来年度になりそうね」


    そうなると、お婆ちゃんは私の一つ下の世代になるわけですね。

    よーし、レースなら私が先輩だ!


    「じゃあ先輩のマゴロクちゃんは、自分のレースのことも考えましょうね。

     今後は……そうね」


    dice1d3=3 (3)

    1 ダートのオープンクラスに挑戦ですね!

    2 全日本ジュニア優駿に!?

    3 えっ……今、ホープフルステークスって言いました?

  • 5324/01/22(月) 22:38:38

    「いい? 年末の中山レース場の内ラチ側は荒れまくっている!

     ライバルたちが内ラチを避けて空いたところに、一気に追い込むの。

     これを先人にあやかって『マゴロクワープ作戦』と呼ぶわ!」


    でも、ホープフルステークスは芝……


    「ホープフルステークスはダート!」


    はい、ホープフルステークスはダートです!

    なんとかレースへの選考も通って、いよいよレースへ……!

    はじめてのG1レース、結果は!


    dice1d12=8 (8)

    1 マゴロクワープ炸裂!! 見事1着!

    2~4 善戦! まさか上位に入れるとは

    5~7 掲示板内! 頑張りましたよ~!

    8~12 着外……まあ、そうですよねぇ

  • 5424/01/22(月) 23:06:34

    はぁ……ワープとか以前の問題でしたわ。

    やっぱりホープフルステークスは芝でした。


    「……気を落とさないで。今回は私の落ち度だから」

    「うまくいくと思ったんじゃけどねぇ。次はがんばろうねぇ」


    そして、年末はお婆ちゃんと2人揃って実家でゆっくり過ごして年越し。

    正月は2人で地元の神社に初詣に行ったんだよね。

    両手を合わせて……今年はレースで勝てますように。そしてお婆ちゃんがトゥインクルシリーズで走れますように、っと。


    「…………んん。よし、っと」


    ……ねえ、お婆ちゃんは何をお願いしたの?


    「んー、そうねぇ……教えちゃおうかしら」


    dice1d2=1 (1)

    1「こんなお婆ちゃんでも、クラシックのG1レースを勝てれば、ってねえ」

    2「いつか、マゴロクちゃんと同じG1レースで走りたいなぁ、ってねえ」

  • 5524/01/23(火) 06:47:28

    「クラシックG1で勝利したい……カナヱさんはそう言っていたのね?」


    トレセン学園に戻ってきた後、トレーナーさんにお婆ちゃんの願いをこっそり伝えました。


    「カナヱさんの適性を鑑みると、菊花賞を見据えていく形になる……か」

     ともかく、まずはトレーニングね! マゴロクさんにも手伝ってもらうわよ」


    高齢ウマ娘カナヱチャンが目指すのは、王道の三冠路線……これで勝ったら、凄いことになりそうですね!

    というわけで、おばあちゃんと私は一緒にトレーニングをすることになったのですが、内容は……


    dice1d5=3 (3)

    1 スピード 2 スタミナ 3 パワー 4 根性 5 賢さ

  • 5624/01/23(火) 18:33:53

    「東京レースなどには、最終直線に坂が存在します。

     特に逃げるカナヱさん。最後の粘り込みでの登坂で減速しないよう、パワーを付けましょうね」

    「うんうん、このタイヤを引っ張るんだね~。サトノの人、大丈夫かねえ?」


    ……練習を視察に来ていたサトノグループの人もOKを出してます!

    って、うわ……おばあちゃん本当に引っ張ってる。私でもキツイのに。

    どうやら練習は dice1d2=2 (2) 【1:大成功 2:成功】のようですね!

    それにしてもお婆ちゃん、いくらサトノの人に色々してもらったとはいえ、その体力はいったい……?


    「よっこらしょっと……ほほほ。実は若い頃は、 dice1d3=3 (3) をしていてねぇ」


    1 トゥインクルシリーズに憧れて個人練習

    2 なんでもやるスーパー家政婦

    3 フリースタイルレース荒らし

  • 5724/01/23(火) 22:39:09

    「昔は今みたいにウマ娘専用レーンなんてのも無くてねぇ。

     トレセンからあぶれた血気盛んなウマ娘が、公道を使ってレースしてたものよぉ。

     私もちょっとヤンチャだったからねぇ。榛名や碓氷といった峠を攻めに遠征したのが、懐かしいの~」

    「えっ、カナヱさんって走り屋だったんですか!?」

    「一時期は『チャンチャン走りのカナヱ』とか呼ばれてたけどねえ、遠い昔の話よぉ」


    なるほど、お婆ちゃんのレース感は、公道を使ったフリースタイルレースで磨かれていたのね……。

    でも、今やったら絶対に警察のお世話になっちゃうやつだ。


    (チョン、チョン……)


    ん、今わたしの肩を誰かが叩いて……


    dice1d2=2 (2)

    1「ふぅン……お孫さん、少し時間はあるかな?」

    2「サトノのものですが少々宜しいでしょうか?」

  • 5824/01/23(火) 23:01:13

    あなたは……お久しぶりです、サトノダイヤモンドさん!


    「はい! カナヱチャンさんのトレーニングも順調なようで何よりです!

     実は、お孫さんのマゴロクさんには、ぜひお耳に入れてもらいたいことがあって……」


    ただならぬ雰囲気……。

    少し離れた木陰に移動して、改めて話を伺います。


    「毎週、サトノグループのバックアップのもとカナヱチャンさんの体調を確認しているのですが、

     報告されたデータからは、どうやら『本格化』が始まっているようです」


    本格化……! ということはレースに出れる体になってきているんですね?


    「しかし、ウマ娘の体にはまだ解明されていないことがたくさんあります。

     ヒトと同じ体なのに、なぜ耳と尻尾があるだけでこんなにも身体能力が違うのか。

     ヒトが同じ速度で走れば耐えられない速さで、なぜ走ることができるのか。

     ウマ娘の『本格化』も、仕組みが解明されているわけではありません」


    ちょっと、つまり……お婆ちゃんの本格化は何かマズいの?


    「前置きが長くなりましたが、つまり、ここからは未知の領域だということです。

     高齢化した体で本格化したウマ娘に、何が起こるか……。

     でも、サトノグループで取得しているデータからは、このような予想がされています」


    dice1d3=2 (2)

    1「おそらく、競争寿命は短くなるでしょう」

    2「骨格が、レースに耐えられないでしょう」

    3「体への負担は、とても重くなるでしょう」

  • 59二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 01:31:37

    このレスは削除されています

  • 6024/01/24(水) 06:35:08

    骨格が、レースに耐えられないって……?


    「はい。ウマ娘も、人間と同じく歳を重ねるごとに骨密度の低下が起こります。

     特にカナエチャンさんは、数年前から腰を痛めて運動量が一時下がっていたせいか、

     骨密度低下の進行が早まっていました。

     本格化を迎えて運動量が高まっている今、骨格が耐えられなくなる可能性が……」


    ちょっと待って。それじゃあお婆ちゃんは走れないの!?


    「いいえ! あくまで予想です!

     ウマ娘には、そういった予想や予測を超える力……いわば『魂』に寄る力があると、ある先生が仰っていました。

     私だって、できないと言われていたジンクスを、今まで何度も破ってきました!」


    サトノダイヤモンドさん……。


    「サトノグループは、これからもカナエチャンさんをサポートします!

     60代でトゥインクルシリーズを走れないなんて、誰が決めたんですか?」


    はいっ……そのジンクス、破りにいきます……!


    っと、私が走るわけじゃないのに、つい熱くなっちゃった。

    気づけばお婆ちゃんのメイクデビューは間近。その間に、孫の私のレースは……


    dice1d3=1 (1)

    1 オープンで地道にファンを増やしていた

    2 交流重賞に挑戦していました!

    3 えっ、ダート三冠路線ですか!?

  • 61二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 17:42:55

    保守

  • 6224/01/24(水) 17:54:54

    ホープフルステークスでの負けを糧に、ダートのオープンクラスでファンを増やしてきましたよ!

    昇竜ステークスで dice1d5=5 (5) 着!

    青龍ステークスで dice1d5=2 (2) 着!

    スレープニルステークスで dice1d5=2 (2) 着でした!


    さて……お婆ちゃんがメイクデビューするレース場は dice1d4=1 (1) 【1福島 2小倉 3札幌 4新潟】だね。

    政府の政策のテストケースだけあって、メディアでも取り上げられているみたい。

    ちょっと評判を見てみようかな……?


    肯定的 dice1d100=90 (90)

    否定的 dice1d100=85 (85)

  • 6324/01/24(水) 18:25:16

    肯定的な意見と否定的な意見、どっちも勢いが良くて、炎上している所もあるみたい……。

    新聞では『高齢者の星、メイクデビューを駆ける』なんて見出し付きで紹介が……『彼女のメイクデビューは高齢ウマ娘たちの希望となるだろう』だって。

    素直に『おばあちゃんがんばれ!』『勝ったら歴史が動く』って書き込みもあるね。

    一方アンチは『BBA無理すんな』『トゥインクルシリーズを学生から奪うのか』『レースを公営賭博化したい政府の陰謀』……うーん、見なかったことにしよう。


    レースは福島レース場の芝2000m、バ場は dice1d10=2 (2) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】かあ。

    ゲートは dice1d10=2 (2) 番に決まったみたいだね。

    レースが始まる前に、控室のお婆ちゃんの様子を見てこようかな。

  • 6424/01/24(水) 22:45:47

    「すうー、はあー。この年になっても、初めてのことには緊張するもんだねえ。

     ただ走って、ゴール板を目指すだけなのにねえ。

     こんなに緊張したのは、おじいさんとお見合いしたとき以来かもねぇ」

    (※なお、祖父は dice1d2=2 (2) 【1 元気 2 死別】)


    お婆ちゃんは何度も深呼吸して、気持ちを落ち着かせているようです。

    大丈夫だって、私もメイクデビューの時は緊張したもん!

    一生に一度のレース、楽しんでおいで!


    「楽しむ……ふふふ、そうだねえ。

     それじゃあ、お婆ちゃんの頑張るところ、見せないとねえ」


    そしてお婆ちゃんはパドックへ。ここからはもう、見守るしかできない……。

    注目のお婆ちゃんの出走だけあり、観客も心なしか多いように感じる。


    《本日のレースには、現役最高齢のウマ娘、カナヱチャンが出走します。

     このメイクデビューには、最高齢勝利の更新がかかっていますね》

    《我々と同じ高齢者の星ですからね、期待したいと思います》

    《バ場は良、出走ウマ娘の傾向から、 dice1d2=1 (1) が予想されます》【1ハイペース 2スローペース】

  • 6524/01/24(水) 23:03:50

    《学園の選抜レースでは逃げを打ったカナヱチャンを始め、前でレースをしたいウマ娘が多いですからね。

     ハイペースになるんじゃないかと思います》


    観客から「おばあちゃんがんばって~!」と、応援する声が聞こえます。

    それに小さく手を降って答えるお婆ちゃん。


    パドックからターフに移動して、ゲートイン。

    トレーナーさんと一緒に、お婆ちゃんのメイクデビューを見届けます!


    ゲートが開いて……スタート!


    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=1 (1) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d3=1 (1) 【1~2 余裕 2 減速】

    ・二の足 dice1d2=1 (1) 【1 使える 2 使えない】

  • 6624/01/24(水) 23:17:01

    《先手を打ったのはカナヱチャン、後続に2バ身ほどリードを持って向こう正面に入ります。

     ハイペースに後続は苦しい感じ。おっと第3コーナーに入って少し位置を下げたかカナヱチャン》


    でもここから……! お婆ちゃんの真骨頂、息を入れてからの二の足がある!


    《さあ最終直線に入って、後続に並ばれたが、カナエチャン再加速っ!

     振り切れるかっ。残り200、福島には坂があるっ! しかし物ともしないぞカナエチャン!》


    中盤でのリードも、二の足も決まった! パワートレーニングのお陰で坂も平気!

    あとはこのまま……!


    dice1d10=7 (7)

    1~6 《逃げ切った~~~っ! カナヱチャン一着!》

    7~8 《しかし後続追いすがる! これは写真判定か》

    9~10《後続差し切った! カナエチャンここは掲示板まで!》

  • 6724/01/24(水) 23:27:10

    場内の掲示板には写真判定の文字……。

    後続から追い込んできたウマ娘とゴール前でもつれ合うようにゴールしたみたい。

    そういえばあのウマ娘……選抜レースで大外から追い込んできた子だ!


    膝に手をついて、肩で息をするお婆ちゃん……そうだよね、全力で走ったからね。

    ようやくお婆ちゃんが顔を上げたその時、結果が!

    一着は……


    dice1d2=1 (1)

    1 一着は、2番のカナヱチャン!!

    2 見事な追い込み! カナヱチャンは2着です!

  • 6824/01/25(木) 06:51:40

    《カナヱチャン、見事メイクデビューを先頭でゴールイン!

     同時に、URAの日本最高齢勝利を更新しました!》


    お婆ちゃん……やった! トゥインクルシリーズで、勝てたんだ!

    思わず隣りにいたトレーナーさんと抱き合って、喜びを分かち合いますッ!


    「まあ……まあ! 本当に、勝てたのかい?」


    最初は戸惑っていたお婆ちゃんが、勝利を噛みしめるようにつぶやき、そして……両手で顔を覆って、涙を……!

    ぐずっ、お婆ちゃん……!! やっだよ゛おおぉぉぉっ!!!


    「うん、やったよ、勝てたよ……。見てたかい、お爺さん……!」


    【??? dice1d100=36 (36) / 500】

  • 6924/01/25(木) 17:56:06

    演歌リサイタル会場となったウイニングライブを終えて、一夜明けた翌日のトレーナー室。

    トレーナーさんどうもーっ! って、お婆ちゃんは来てないんですか?


    「精密検査があるって、サトノグループの人から連絡があってね。今日はお休みだよ」


    確かに、60代後半のお婆ちゃんが全力疾走したら、どうなっているか……。

    それよりも、新聞見ました!? スポーツ欄にお婆ちゃんの記事が!

    『高齢者の星メイクデビュー制す 最高齢勝利更新カナヱチャン』って見出しが!


    「そうだね……実は、トレーナーの私にも取材の申し込みが来ててね。次走はどうするかって話なんだけど……」


    そういって、トレーナーさんが今後の展望を教えて下さいました。

    年内はもう1レース重賞に挑戦して休養に当てるそうで、 dice1d3=3 (3) を検討しているそうです。

    1 サウジアラビアRC

    2 京都ジュニアS

    3 東スポ杯ジュニアS


    ついでに私もオープンでファンを増やしてきたので、重賞に挑んできなさいとのことでした!

    走るのは、 dice3d6=3 5 1 (9) の3レースです!

    1 エルムステークス

    2 レパードステークス

    3 シリウスステークス

    4 みやこステークス

    5 レディスプレリュード

    6 クイーン賞

    7 JBCレディスクラシック

    【重複は+1】

  • 7024/01/25(木) 21:51:11

    私のエルムS、シリウスSの後に、お婆ちゃんの東スポ杯ジュニアSがあって、今年最後は船橋の交流重賞クイーン賞ですね!

    ……今更ですけど、お婆ちゃん年齢からすれば完全にシニアなのに、今はジュニア級なんですよね。直接言わないようにしよう。

    翌日にはお婆ちゃんもトレーニングに戻ってきて、練習を再開しましたし、最近はトレーナーさんとプライベートでも仲良くしているそうです。

    中堅の女性トレーナーさんですが、実は……


    dice1d3=2 (2)

    1 シングルマザーで、子どもの面倒を見てもらっている

    2 仕事ばかりで婚期を逃すのではないかと焦っている

    3 ワーカホリック気味で夫と上手くいっていない

  • 7124/01/25(木) 22:14:51

    「ウマ娘ちゃんたちの未来は大事ッ……でもぉ、私の未来は誰が保証してくれるのぉッ!」(ぐびぐび)

    「今日も勢いよく飲んどるねえ」

    「女子校だから出会いもないしぃ、肝心の男の同僚はぁ……卒業した生徒とくっついてばっかだしぃ……」

    「ママや、この子のび~るをこっそりノンアルに替えてやっておくれ」

    「うぐうぅぅ……カナヱチャンさん出会いをくださいよぉ……!」

    「……そういえば取材に来てた記者の連絡先を控えていたねえ。仕事の話をしながら、食事から始めたらどうじゃ」

    「かっ、カナヱチ゛ャ゛ン゛ざあ゛んっ!」

    「昔はお見合いが当たり前だったのに、今の人は大変ねえ」


    お婆ちゃんとトレーナーさんですか? 今日は府中の繁華街で飲んでるんじゃないですかね……。

    ちなみに私の戦績ですが、

    エルムステークスは dice1d6=2 (2) 着、シリウスステークスは dice1d6=4 (4) 着でした!


    次は東京スポーツ杯ジュニアステークスですね。

    出走表には……おや、新馬戦で2着だった例の追い込みウマ娘さんが出走しています。

  • 7224/01/25(木) 23:07:12

    「新馬戦で負けた後、翌月の未勝利戦で勝利……その後、オープン戦から順当に勝ち上がってきています」

    「思えば、選抜レースからずっと一緒に走っておるねえ」

    「同世代の中では一つ頭抜けた実力を持っています。今回も要注意です」


    今回、ゲートは dice1d16=11 (11) 番、例の追い込みウマ娘さんは dice1d16=4 (4) 番ですね。

    ペースは、dice1d2=2 (2) になりそうな予感……。【1ハイペース 2スローペース】


    さて……そろそろこのライバルになりそうな、追い込みウマ娘さんの名前を覚えなくては!

    このウマ娘さんの名前は…… >>74 さんですね!

  • 73二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 23:14:38

    サルサキッド

  • 74二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 23:20:12

    プロップメイカー

  • 7524/01/26(金) 06:59:49

    プロップメイカーさん……。小道具制作者という意味ですか。

    なんだか細かな作業が得意そうなお名前ですね……。その他に特徴は……と。


    身長 : 130+ dice8d5=3 5 2 2 4 1 2 4 (23) cm

    胸囲 : 70+ dice8d5=1 4 5 2 5 4 4 5 (30) cm

    耳飾 : dice1d10=3 (3) 【1~4:右 5~8:左 9~10:なし】

    毛色 : dice1d4=1 (1) 【1:鹿毛 2:青鹿毛 3:栗毛 4:芦毛】

    流星 : dice1d10=8 (8) 【1~2:なし 3以上:数字が大きいほどエクレア】


    「……ッス、ども……。また、会ったッスね」

    「あらまあ、新馬戦ぶりじゃねえ。少し大きくなったかしら?」


    あっ、パドックでプロップメイカーさんとお婆ちゃんが話してる!


    「あのあと2連勝ッスから……まあ、勢いはあるッスよ」

    「そうかいそうかい。でも、私も頑張ってるからねえ。今日もいい勝負になりそうじゃねえ~」

    「そっスか……まあ、こういう時は、全力出すのが礼儀……ッスから。それに……」


    「高齢者の星とか言われてるッスけど……トゥインクルシリーズは、アタシらの場所と思ってる……ッスから」


    ぞっ、とその言葉を聞いたときにトリ肌が立ちました。

    パドックの外からでもわかる気迫。彼女はこのレースに、かなりの気合を乗せてきているようでした。

  • 7624/01/26(金) 18:09:22

    《さて、注目の“高齢者の星”カナヱチャンは外枠11番からの出走、対する人気ウマ娘プロップメイカーは4番ゲート》

    《逃げたいカナヱチャンには苦しい位置ですね。一方プロップメイカーにとっても、バ群に飲まれないか難しい枠順です》

    《今回、先行を得意とするウマ娘が少ないのはカナヱチャンへの追い風となるか? 中盤のペースにも注目です》


    《さあゲートイン完了して……スタートっ!》


    東京の芝1800m、ゲートが開いてスタート!


    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=1 (1) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d3=1 (1) 【1~2 余裕 2 減速】

    ・二の足 dice1d2=2 (2) 【1 使える 2 使えない】

  • 7724/01/26(金) 18:29:51

    《カナヱチャン絶好のスタートダッシュ! 向こう正面で半バ身をつけて先頭に立ちました!》

    《しかし外枠の無理が響いたか、引き離せないまま最終コーナーへ突入していく!》


    ぴったりマークされて、二の足への溜めを作らせてくれない……!

    そのまま先頭を維持する戦法に切り替えたようです!


    《最終直線、坂に入ってバ群を縫ってくるのはプロップメイカー! 先頭カナヱチャンに追いつけるかッ!》


    逃げ切りを図るお婆ちゃんに、プロップメイカーさんが迫る! ものすごい気迫……!

    ゴール板までもう少し! 先頭で駆け抜けたのは……


    dice1d10=3 (3)

    1~3《カナヱチャン大勢有利! “高齢者の星”重賞制覇!》

    4~8《プロップメイカー執念の追い込み! 借りは返した!》

    9,10《両者捕まる! 人気ウマ娘、ここでは掲示板まで!!》

  • 7824/01/26(金) 21:11:25

    《両者並んでゴール! しかしカナヱチャン、持ち前のタフネスで府中の坂を登りきり先頭を譲らず!

     シルバー世代の希望の星! 重賞初制覇となりました!》


    しばらく肩で息をしていたお婆ちゃん……でも、顔を上げたら満面の笑みを浮かべていました!

    やったねお婆ちゃん! 重賞制覇だよ!


    「これもあんたたちのおかげだよぉ、ありがとうねぇ、ありがとうねぇ……!」


    私とトレーナーさんの前に来て、お婆ちゃんは何度も「ありがとう」と言っていました。

    そっか、お婆ちゃん重賞制覇したんだ……私よりも、先に。


    「……ッスか、コレ……ッ!」


    そのおばあちゃんの肩の向こう。2着となったプロップメイカーさんが、地面を蹴っている姿が見えました。

    その時気づいたんです。私が彼女の追い込みに、私……”マゴロクブレード”を重ねていたのを。


    ……お婆ちゃん、私やりたい事ができたよ。


    【??? dice1d100=4 (4) +36 /500 】

  • 7924/01/26(金) 23:36:55

    年末、私が出走する交流重賞クイーン賞に出走したあと、トレーナーとお婆ちゃんと3人で忘年会を開きました。

    場所は、トレーナーさんとお婆ちゃんがよく来るスナック……あの、高等部の私が入っていいんでしょうか?

    ちなみに、クイーン賞で私は dice1d6=3 (3) 着でした!


    「改めて、カナヱチャンの重賞勝利にカンパァイ!」(ぐびぐび)

    「ほほほ……マゴロクちゃんはジュースにしておきなさいねえ」(ちびちび)


    あ、じゃあコーラをいただきますね。……ぷぁあっ!

    思い返せは、デビューから無敗で重賞勝利となると、来年のクラシックレースでは有力候補だ。

    本来不得手なマイル戦でも結果を出したことで、三冠レースへの期待も高まっている。

    そして何より……お婆ちゃんが“高齢者の星”として、競争内外に旋風を巻き起こしていた。


    「すっかり有名人になった気分じゃよ。もしかしたら、夢も叶うかもねえ」

    「いやいやっ、曲の歌詞を引用するなら『憧れはすでに挑戦になった』ですよぉ!」

    「ふふふっ、自分の夢をカナヱチャン……なんてねえ」

    「ふふっはははっ! それ良いですね~! ファンへの決め台詞にしましょうよカナヱさぁん!」


    うっわ、二人とも出来上がってる。

    でも大人は、こうやってお酒の力を借りて言いたいことを言うんだよね。

    お婆ちゃんがお手洗いに立って、二人きりになったときに、コーラを一気飲みして……意を決して。


    「ん………どうしたの? マゴロクちゃん、そんな顔してぇ……」


    トレーナーさん、私……


    「……本当に? 厳しくなるよ。何度もそれで膝を折った子を見てきた。でも……やる?」


    だって、私の憧れは、挑戦になったんですから。


    【孫の??? dice1d100=17 (17) / C(合計100ごとにランクアップ)】

  • 80二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 23:47:25

    期待!

  • 8124/01/27(土) 09:19:43

    年が明けて、今年もお婆ちゃんと一緒に初詣に来ました。


    「ふふ、クラシックG1に勝てるようにってまた今年もお願いしたんじゃよぉ。マゴロクちゃんは何てお願いしたの?」


    私は……今はまだ内緒っ!

    ということで、私は春までトレーニングに専念することに決めました。

    トレセン学園に戻って、早速トレーニングです!

    【孫の??? dice1d100=45 (45) +17 / C(合計100ごとにランクアップ)】


    お婆ちゃんですが、トレーナーさんによると今後のプランは、 dice1d3=1 (1)


    1 順当に弥生賞から皐月賞から日本ダービーを目指す

    2 回復とトレーニングに専念し皐月賞に直接参戦する

    3 皐月賞を回避し、青葉賞から日本ダービーを目指す


    また、お婆ちゃんが重賞を勝利したことで、世間の風はまた変化してきたようです。

    肯定的 dice1d100=39 (39)

    否定的 dice1d100=37 (37)

  • 8224/01/27(土) 09:46:28

    デビュー時には“高齢者の星”と様々な注目を浴びていたお婆ちゃんことカナヱチャンですが、重賞を勝利したことで「世代の実力者のひとり」と、良くも悪くも色眼鏡をかけられなくなっていきました。

    プロップメイカーさんと、皐月賞で再びの対戦を望むレースファンもいるようです。


    また、政府の生涯学習システムについても周知が進んでいないのか、論争自体が低調といった雰囲気……と、サトノグループの関係者の方が言っていました。


    ちなみにお婆ちゃん以外の生涯学習テストケースは、 dice1d3=3 (3)

    1 トレセン学園に何人かいて成果を dice1d2=1 (1) 【1 出している 2 出せていない】

    2 地方トレセンにはいて、成果を dice1d2=1 (1) 【1 出している 2 出せていない】

    3 お婆ちゃんが唯一のテストケース


    さて、そのプロップメイカーさんですが……


    dice1d3=2 (2)

    1 年末にジュニア級G1を勝利し最優秀ジュニア級ウマ娘としてクラシックに参戦

    2 弥生賞で再びのライバル対決に挑む

    3 「えっ……プロップメイカーさんは春シーズンを全休!?」

  • 8324/01/27(土) 10:32:07

    「……ッス。遅くなったッスケド……あけおめッス」

    「もう三月じゃよ?」

    「こういうのはまあ……ケジメなんで」


    弥生賞のパドックで、カナヱチャンとプロップメイカーさんは4度目の対峙をしていました。

    背中を丸めた陰気な立ち姿は、実は100cm前後の大きな胸を気にして目立たないようにしている……という風のウワサです。

    わかりますよその苦労。私もお婆ちゃんも、背の割におっぱい大きくて苦労してるから……。


    「……アンタみたいな人に調子に乗られると、アタシら現役世代の立つ瀬がないんス。それに……」

    「それに?」

    「……はっきり言うッスけど、アンタを見てるとムカムカするし、アンタに負けてイラついてたッス」

    「そう? こっちは一生懸命やってるんだけどねぇ」

    「……だからなんスよ。アタシにとってアンタは、頭を押さえつける『天井』なんスから。アンタが頑張るほど、アタシは『天井』にぶつかり続ける……だから」


    「今日で後進に道を譲ってもらうッスよ、カナヱ“お婆ちゃん”」


    カナヱチャンを目の前に、堂々の挑発……! 周囲も「お婆ちゃん負けるなー!」「あいつ言いやがった! カッケェ!」と囃し立てています。

    そんな弥生賞の枠順ですが、お婆ちゃんは dice1d16=7 (7) 番、プロップメイカーさんは dice1d16=14 (14) 番からの出走。

    天候は dice1d10=9 (9) 【1~4 晴れ 5~8 曇り 9,10 雨】、バ場は dice1d10=5 (5) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】との発表です。

  • 8424/01/27(土) 17:46:45

    《上位人気はやはりこの二人。若いモンには負けられない、“高齢者の星”カナヱチャン。そして今度こそ勝利をこの手に、小細工無しで勝負だプロップメイカー》

    《カナヱチャンはここまで無敗で弥生賞へ参戦です。果たしてどこまで土が付かずに行けるのか注目です》


    《ゲートイン完了……皐月賞の前哨戦、今スタートしました!》


    ・ペース dice1d2=1 (1) 【1ハイペース 2スローペース】

    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=1 (1) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d3=2 (2) 【1~2 余裕 2 減速】

    ・二の足 dice1d2=2 (2) 【1 使える 2 使えない】


    ・プロップメイカーの調子 dice1d10=4 (4) 【数字が大きいほど絶好調】

  • 8524/01/27(土) 18:39:35

    《最初に行ったのはやはりカナヱチャン。小雨の降る中、湿った芝を物ともせず進んでいきます。

     一方人気ウマ娘プロップメイカーは後方で虎視眈々と機会を伺う!

     1000mのタイムが出ました、これは少々ハイペースか。各ウマ娘、コーナーを曲がっていく!》


    パワーのいる重バ場で再加速は難しいと察したか、お婆ちゃんは先頭を保ったまま最終直線に。

    でも大外からプロップメイカーさんが迫る!


    「勝ちたいッ! アンタに勝ってアタシは……ッ!」


    先にゴール板を駆け抜けたのは……


    dice1d10=1 (1)

    1~3《カナヱチャン、悪路をものともせず3連勝です!》

    4~9《ここでプロップメイカー差し切る! 今度こそ借りは返した!》

    10 《どうしたことでしょう、人気ウマ娘は掲示板までです!》

  • 8624/01/27(土) 19:11:37

    《“高齢者の星”カナヱチャン、悪路も寄る年波もなんのその! 三連勝で皐月賞へと駒を進めました!

     プロップメイカーは dice1d4=1 (1) +1 着、濡れる芝に苦戦してしまったか?》


    「はぁっ、はあっ……なんで、なんで届かないんスかっ……!?」


    強くなってきた雨の中、両膝を着くプロップメイカーさん……その顔は雨と涙でくしゃくしゃになっていました。


    「プロップメイカーさんや、あなたは頑張ったよ、ほれ……」

    「……っ! いらないッ!」


    お婆ちゃんが伸ばした手を払って、プロップメイカーさんは一人で立ち上がると、地下バ道に消えていきました……。

    勝ったはずのお婆ちゃんが、悲しい顔でその背中を見つめています。


    「……っくしゅッ! 春はまだ、遠いのねぇ」


    ひとつくしゃみをして、お婆ちゃんは勝利者インタビューへと向かっていきました。


    【??? dice1d150=93 (93) +40 /500 】(雨天につき上昇率+50)

  • 8724/01/27(土) 21:51:55

    『“高齢者の星”カナヱチャン 無敗で弥生賞制し、クラシックGⅠに名乗りを上げる』


    翌日の新聞のスポーツ欄には、お婆ちゃんの弥生賞勝利が大きく報じられていました。

    続けて『高齢化社会で、生涯現役の道を走る彼女は年配層の希望だ。彼女には我々の夢を“カナヱ”てほしい』と……うん、これはすごく評価されているんじゃない?

    一方で、ウマッターに投稿された、パドックでのお婆ちゃんとプロップメイカーさんの会話が物議を醸しています。

    お婆ちゃんに啖呵を切りつつ2着になったプロップメイカーさんですが、レースの結果を踏まえて、同情のコメントが寄せられていました。

    『この子負けちゃったけど、言いたいこともわかる』『高齢社会の縮図』『若いうちから芽を摘むってか』『BBAは引っ込んで』……。


    「叩かれてるのは強い証拠……だけど、今回ばかりは事情が事情だからね」


    と、ウマッターを見てトレーナーさんも眉を潜めていました。


    そう。お婆ちゃんは政府やサトノグループの後援を受けて、特例のような状態でトゥインクルシリーズを走っている。

    この状態で勝ち続けているのは、文字通り大人が子どもに手を上げている事に他ならない。

    むしろ今まで無風だったのが、異常だったのかもしれません。

    トレーナーさん、この先、どうするんですか?


    「……ひとまず考えさせて。それと、マゴロクさんは今日も例のトレーニングね」


    わかりました。ちょっともやもやするけど、走っていればどうにかなるかも……。じゃあ、いってきます!

    【孫の??? dice1d100=96 (96) +62 / C(合計100ごとにランクアップ)】


    「さて……このサトノグループからの連絡も受けて……どうすればいい?」


    dice1d2=2 (2)

    1 「……皐月賞は辞退する」

    2 「そのまま皐月賞に行く」

  • 8824/01/27(土) 22:20:18

    アップで学園の外周を一周していたとき。やたらと胸を弾ませながら走る、背を丸めたウマ娘と一緒になりました。

    ……プロップメイカーさんでした。昨日の激走の疲労があるはずなのに、もう練習を再開しているなんて。

    それに弾む胸は……もしかして下着が合ってないんじゃないですか? 私が使ってるメーカー教えてあげますね!

    そういえば学年は……あっ、 dice1d2=1 (1) 【1中等部 2高等部】で dice1d2=1 (1) 【1美浦寮 2栗東寮】なんですか!


    「ん………胸、気にしてたんで助かるッス……。はあ。妙に親切なところ、アンタのお婆ちゃんにそっくりッスね」


    え、あっはい。……もしかして私がカナヱチャンの孫だって知ってたんですか? どうも改めまして、マゴロクブレードって言います! お婆ちゃんがいつもお世話に……


    「……っ」


    ……ごめんなさい。傷に塩を塗るようなこと言ってしまって。


    「……イイんス。カッコ悪いのはアタシも分かってンで。だからこうやって練習してんスよ」


    はい……あの、お婆ちゃんにあそこまでキツい言葉を向けてた理由ってあったりするんですか?

    もしよければ聞きたいなって……。


    「……アンタのお婆ちゃんに絶対言わないなら、いいスよ。アタシも、吐いてスッキリしたいッスし」


    dice1d2=2 (2)

    1 ★プロップメイカーに悲しき過去――!

    2 ★今明かされる、高齢社会の弊害――!

  • 8924/01/28(日) 08:24:49

    中等部でその胸なんだ……苦労してんね。
    プロップメイカーさんに自販機のジュースをおごりながら、大樹のウロに腰掛けて、静かに彼女の話に耳を傾けます。

    「アタシの母さん、介護士だったんスよ。重い介護がいる爺ちゃん婆ちゃんを、施設で毎日お世話してたんス。
     毎日感謝もされず、キツイ、汚い、給料安いの3Kっスよ。
     それでも母さんは『やりがい』って言い続けて毎日毎日バ車ウマ娘のように仕事してたッス。
     相手にとっても介護士は基本赤の他人スから、汚い罵倒を投げられながらもずっと。
     アタシのことを放ったらかして……やりがいって名目で、ただひたすらに奉仕する毎日。
     ……そしてある時、ブッ壊れちゃったんスよ。ある日アタシが家に帰ったら、動かなくなってたんス」

    ……っ! それって……。

    「……命は助かったッスけど、今もベッドの上ッス。それに、ブッ壊れた心はもう戻らない。
     アタシがトレセン学園に受かったって伝えても、上の空だったッスよ。
     トゥインクルシリーズで走るところを見せれば母さんも何か変わるかも、って思ってたら、
     高齢者の代表扱いされて、鳴り物入りでアンタのお婆さんが現れたんス。
     ……今思えば、完全な逆恨みの八つ当たりっス。やっぱカッコ悪いッスね、アタシ」

    いえ……ごめんなさい、そちらの事情も知らないで。ただ突っ張ってるだけかと思ってたから。
    でも、お婆ちゃんにそういう感情向けてたのは、ちょっとわかるかも。
    並走でも今まで勝ったことないし、オープンどころか重賞勝ちも先にされちゃったし。
    ……そっか、私もお婆ちゃんに嫉妬してたんだ。

  • 9024/01/28(日) 08:36:53

    「でもアンタのお婆さん、スッゲェ良いヒトってのは分かってるンで。

     それに、純粋にライバルとして戦いたいッス。もちろん来るんスよね、皐月賞」


    それは……ごめんなさい。まだちょっと言えないかな。

    知っての通りお婆ちゃん高齢者だし、関係者で話し合いながらローテーション組んでるし。


    「そッスか……まあ、いずれ戦う事になるだろうッスから、その時まで頑張って、ッて伝えておいて……。

     ……やっぱいいッス。カッコ悪いンで。そんじゃあアタシはコレで。ジュース、ご馳走さンっした。

     あと……マジで他言無用でお願いスよ?」


    大丈夫! 私、口は堅いからさ! それじゃあね!

    ……トレセン学園って、こういう芯の硬いウマ娘が大成するところなんだよね。

    彼女の思いを聞いて……私も、決心するときが来たように感じました。


    dice1d2=2 (2)

    1 ……っていう話があったんですよ。

    2 トレーナーさん! 次のレースなんですけれど……

  • 9124/01/28(日) 08:54:30

    フリでもなんでも無く本当に口の堅い私は、プロップメイカーさんの言葉を心にしまって、トレーナー室に戻りました。


    「おかえり、アップにしてはちょっと遅かったね。寄り道でもしてた?」


    まあ、ちょっと友達と駄弁っちゃってて……。あははー……。


    「それはそうと、カナヱチャンはこのまま皐月賞に行くって決めた。でも、その先は一旦白紙で。

     まずは目の前の目標に専念する。周囲の評価はその後に付いてくるはず……」


    うん、そうですね。それにお婆ちゃんだって、クラシックGⅠで勝つのが目標なんですから!

    それと……私も決心しました。トレーナーさん。次のレースなんですけれど……。


    dice1d3=1 (1)

    1 芝のOP、福島民報杯でお願いします

    2 芝のGⅢ、福島ウマ娘Sでお願いします

    3 芝のGⅠ、ヴィクトリアマイルでお願いします


    【孫の芝適性 158 / C→B】

  • 9224/01/28(日) 11:34:51

    後日。お婆ちゃんも練習を再開し、並走から戻る最中……私たちの足は、なぜか三女神像の前に向かっていました。
    そういえば、お婆ちゃんにはまだ何も言ってなかったな。三女神さまも、後押ししているのかも。

    「そういえばもうすぐ皐月賞じゃねえ。プロップメイカーちゃんも来るみたいだし、応援しに来てねぇ」

    ごめんお婆ちゃん、残念だけど、応援には行けない。私……同じ日の、福島レース場でのレースに出るんだ。
    「福島民報杯」……お婆ちゃんと同じ芝2000m。
    私ね、芝のレースに転向するんだ。

    「……本当かい? マゴロクちゃんはダートウマ娘でしょう。お婆ちゃん初めて聞いたけど……」

    うん。トレーナーさんには黙っててって言ってたから。
    年明けからずっと、内緒で芝のレースで走るためのトレーニングをしてきた。
    これも全部……私の夢のため。
    私、お婆ちゃんに勝ちたい。並走や模擬レースじゃなくて、お婆ちゃんと同じレースで真剣勝負をして勝ちたいの。

    「そうだったのかい……。孫とレースをする夢は、最初に叶ったとばかり思ってたのにねえ。
     これは、もっと長生きする理由ができたねえ。ふふ……」

    お婆ちゃんが走ってる間に、必ずお婆ちゃんに……カナヱチャンに並んでみせる。
    それまで待ってて、私のお婆ちゃんで、最大の目標……カナヱチャン!

  • 9324/01/28(日) 12:06:14

    【孫の芝適性 dice1d100 +158 / B】


    カナヱチャンに向けてそう宣言したとき、体の中がポッと熱くなりました。

    きっと三女神様たちも、私たちの後押しをしてくれているのだと思います。


    「わかった……マゴロクブレードちゃんの頼みじゃ。きっと叶えてあげるよ。

     ふふ、小さい頃から変わらんねぇ。これって決めたら、ずっと駄々をこねてる子じゃったねえ。

     おむつを替えてあげてた子が、こんなに立派になるなんて……」


    ちょっと、小さいときの事はいいでしょっ! 恥ずかしいからっ!

    ともあれ……これでもう退路は断てた。

    目標は、お婆ちゃんが菊花賞への調整で使えて、シニア混合の札幌記念、オールカマー、京都大賞典のいずれかだ。

    それまでに必ず……並べるウマ娘になる!



    そして4月。福島レース場。

    福島レース場は dice1d10=10 (10) 【1~4 晴れ 5~8 曇り 9,10 雨】、バ場は dice1d10=4 (4) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】、私は dice1d16=10 (10) 番ゲートからの出走だ。

    トレーナーさんは来てない。もちろん、中山レース場の皐月賞に出るカナヱチャンのところに行っているからだ。


    《さあ、皐月賞の前に、中継は福島レース場。福島民報杯です》

    《このレースには、皐月賞の有力候補カナヱチャンのお孫さん、マゴロクブレードが出走しています》

    《ゲートイン完了……各バそろってスタート!》


    ・ペース dice1d2=1 (1) 【1ハイペース 2スローペース】

    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=1 (1) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d2=1 (1) 【1 余裕 2 減速】

    ・追い込み dice1d10=5 (5) 【数字の大きいほど加速】

  • 94124/01/28(日) 12:58:20

    >>93

    肝心なところでダイス振れて無くて草

    【孫の芝適性 dice1d100=92 (92) +158 / B】


    お詫びにスレ主の書いた孫ちゃんのラフ画をどうぞ

  • 9524/01/28(日) 15:27:59

    《全バ好スタート、逃げ有利の福島で、激しい先頭争いをしながら客席前を通過していきます》


    福島レース場、またの名を「逃げの聖地」。かつて時代を代表する逃げウマ娘たちが、この地名乗りを上げてきた。

    きっと、お婆ちゃんだってその一人。でも、私はその背中に追いつきたい、追い越したい!


    《先頭が引っ張る形になってこれは少々ハイペース。第4コーナーを曲がり、バ群がギュッと固まる!》


    後方で粘った甲斐があった。垂れてきた先行勢の間を縫って、加速する!

    直前に振り始めた小雨で濡れた芝に、足を取られそうになる。でも、今の私なら届くはず!

    私は、あの背中に追いつくウマ娘になるんだっ!


    dice1d10=10 (10)

    1~5 《バ群を切り裂きマゴロクブレード、一着でゴール板へ!》

    6~8 《これはきわどい! マゴロクブレードは大勢不利か!?》

    9,10 《何とここでマゴロクブレード濡れた芝に足を取られる!》

  • 9624/01/28(日) 15:39:07

    ズルッ、と、足が滑る感覚があった。重心がズレて、踏み込んだ足が宙を踏む。

    支点を失った体は、慣性のまま、芝の上に叩きつけられた。


    《おっとここでマゴロクブレード転倒! 先頭はそのまま逃げ粘りゴール!》


    私が、ゴール板を通過することはなかった。

    担架に仰向けに乗せられて、顔に春の冷たい雨が降り注ぐ。


    【マゴロクブレードの負傷 dice1d100=77 (77) 】(数字が大きいほど重症)

  • 97プロップメイカー24/01/28(日) 16:03:20

    ッス。アタシはここまで2勝3敗、完全連対中のプロップメイカーっス。

    ようやく皐月賞に来れたッスが、コレまで負けたレースで全て前をいかれたスーパーお婆さん、カナヱチャンが相手ッス。

    アタシもこの日のために作ってもらった勝負服に身を包んで、パドックに行くっすよ。


    プロップメイカーの勝負服

    色 : dice1d10=8 (8) 【1赤 2青 3黄色 4緑 5紫 6ピンク 7黒 8白 9グレー 10茶】

    見た目: dice1d5=2 (2) 【1和風 2洋風 3現代風 4近未来 5アイドル】


    ……いたッス。アラセブ(アラウンドセブンティ)にして無敗で皐月賞に挑む“高齢者の星”が。

    観客席には……いつもいる連れの孫さんはいないッス。別のレース場にでもいってるんスかね?

    お上品に勝負服をめかし込んでるッスね。超えたいライバル、その意気込みを聞きに行くッスかね。


    カナヱチャンの勝負服

    色 : dice1d10=7 (7) 【1赤 2青 3黄色 4緑 5紫 6ピンク 7黒 8白 9グレー 10茶】

    見た目: dice1d5=2 (2) 【1和風 2洋風 3現代風 4近未来 5アイドル】

  • 98プロップメイカー24/01/28(日) 16:23:11

    ッス……ども、真っ黒なドレス……まるで喪服ッスね。


    「あらプロップメイカーちゃん。今日もよろしくねぇ。

     ふふ。私、これでも未亡人だからねぇ。それに、若い子みたいにピカピカしているのは、似合わないから。

     それに対してあなたは……かっこいい騎士さまかしら? 真っ白な甲冑がとてもお似合いよ?」


    ッス……あざッス。

    ……まさかここで、「胸がデカすぎるから、西洋騎士をモチーフにしてプレートアーマーで胸を隠してる」なんて言えねえッスよ。


    「今日はあなたがエスコートしてくれるのねえ。でも、クラシックのGⅠで勝つのは私の夢なの。

     譲ってくれないかしら?」


    ハッ、そうそう簡単に譲れないッスよ! 今日こそは、アンタの背中を追い越して見せるッス!!

    アタシの啖呵に、観客席からどよめきが聞こえる。そうそう、コレでこそ燃えるってもんスよ!


    地下バ道を通ってターフへ。ゲートまで来たッスが、なんか観客席が騒がしいッス。

    前のレースで負傷者でも出たんスかね? っと、ダメダメ。レースに集中!


    今日の天気は dice1d10=4 (4) 【1~4 晴れ 5~8 曇り 9,10 雨】、バ場は dice1d10=9 (9) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】。

    アタシは dice1d16=5 (5) 番、カナヱチャンは dice1d16=15 (15) 番からッスね。


    《クラシックGⅠ皐月賞、この中から新しいヒロインが今日誕生します。さあ全員準備完了し……今ゲートが開いた!》


    ・ペース dice1d2=2 (2) 【1ハイペース 2スローペース】

    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=2 (2) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d3=1 (1) 【1~2 余裕 3 減速】

    ・二の足 dice1d2=1 (1) 【1 使える 2 使えない】


    ・プロップメイカーの調子 dice1d10=4 (4) 【数字が大きいほど絶好調】

  • 99プロップメイカー24/01/28(日) 16:44:46

    《ばらついたスタートおっと5番プロップメイカー出遅れたか。注目のカナヱチャン、絶好のスタートで先頭を取りに行く》


    チッ、ぬかるんだ足元にすくわれて出遅れたッスが、アタシの足なら終盤の直線で挽回できる!

    第1コーナーから第2コーナー。はるか先頭にカナヱチャンの黒いドレスが見えたッス。

    きっと足を使ったんスね。向こう正面で後ろに捕まるも、カナヱチャンは好位置をキープして第4コーナーへ。

    重バ場の中山レース場、内側の荒れに荒れたコースを嫌ってバ群が膨らむ……いや、一人だけ内ラチをブチ進んでいる!

    漆黒のドレス、カナヱチャン!!

    あの背中に追いつくには、この荒れまくった内ラチ沿いをブチ抜くしかない!


    《先頭はカナヱチャン! 重バ場も坂も気にもとめず、先頭をひた走る!

     しかし最短経路でプロップメイカーが追いかける! 最後はやはりこの二人の勝負!

     さあ届くか、並ぶかっ! 逃げ切るかっ! どっちだぁーーーーーッ!!》


    dice1d10=1 (1)

    1~4 《先頭を守りきったっ! カナヱチャン見事皐月賞を戴冠っ!》

    5~9 《並んだっ、捉えた! プロップメイカー王座を奪還だァー!》

    10 《しかし、大外から争う二人を抜いて、新たなヒロイン誕生ー!》

  • 100プロップメイカー24/01/28(日) 17:08:11

    はぁっ……はぁっ……ダメだ、届いてないッ!


    《カナヱチャンだアァーーーーッ! 無敗で皐月賞を制覇ッ! 1つ目の冠は、“高齢者の星”の頭上に輝いた!!》


    ……ぬかるんだ芝に膝をつく。息が苦しい。鎧の中で、心臓が暴れまくっていた。

    肩で息をするアタシに、黒いドレスの影が手を差し伸べる。


    「全力でかかってきてくれてありがとう。あなたが一緒に走っていなければ、こうはなれなかったわ。

     さあ、立ち上がって。プロップメイカーさん」


    ……一度は払いのけたその手を、今度はしっかりと握りしめる。

    立ち上がって向かい合い、改めて握手をすると、観客席から歓声が湧いた。


    ウイニングランを終えたカナヱチャンさんを改めて労おうと、計量所で待ってたッス。

    声をかけようと近づくと、アタシを追い越して大人の女の人――トレーナーさんッスかね――が、カナヱチャンに走り寄った。


    「はぁはぁ……大変なの、マゴロクさんが……マゴロクブレードさんがっ!」


    マゴロクブレード……カナヱチャンの孫の!? アタシの話を聞いてくれた、あの人が?

    レース前の観客席のどよめき……アタシの想像は、最悪の結果で的中していた。


    【??? dice1d125=56 (56) +133 /500 】(重バ場につき上昇率+25)

  • 101124/01/28(日) 20:41:54

    切りが良いので、ここでプロフィールを振り返ります。

    カナヱチャン

    身長150cm、B84、耳飾りは右耳(牡馬)
    栗毛だが、流星が大きすぎる白面のため髪は芦毛のように見える
    適正は芝・長距離、脚質は逃げ(二の足を使った二段階の逃げ)
    闘争心が弱く勝負根性が低いのが弱点(克服済み)

    勝負服:喪服のようにも見える黒いドレス

    対戦成績
    新馬戦(福島2000m)1着
    東京スポーツ杯ジュニアステークス(GⅢ)1着
    弥生賞(GⅡ)1着
    皐月賞(GⅠ)1着
    【4勝0敗(無敗継続中)】

  • 102124/01/28(日) 20:52:01

    プロップメイカー

    身長153cm、B100、耳飾りは右耳(牡馬)
    鹿毛で大きめの流星がある
    適正は芝・マイル~中距離、脚質は追い込み
    胸が大きく、走りに支障が出るのが弱点

    勝負服:白いプレートアーマーを付けた西洋騎士風(アーマーには胸を押さえつける効果あり)

    対戦成績
    新馬戦(福島2000m)2着
    未勝利戦 1着
    アイビーステークス(OP) 1着
    東京スポーツ杯ジュニアステークス(GⅢ)2着
    弥生賞(GⅡ)2着
    皐月賞(GⅠ)2着

  • 103124/01/28(日) 20:53:16

    >>101

    カナヱチャンのラフ画もかいたよ

  • 104プロップメイカー24/01/28(日) 21:21:30

    アタシらはウイニングライブをキャンセルし、福島の病院に向かった。

    行きの新幹線の中で、レースの映像を見る。

    マゴロクブレードさんは転倒した後に、足を後続のウマ娘に蹴られて……。目を覆いたくなったッス。


    行きの途中で、アタシとマゴロクブレードさんの出会いの経緯に、アタシの家族のことも話しました。

    そしてアタシも、マゴロクさんがどうして福島の芝のレースで走っていたかを教えてもらったんス。

    新幹線からタクシーに乗り継ぎ、病院に着くなり「ご家族と、トレーナーの方はいらっしゃいますか」って、二人は医者と面談へ……。




    ……帰ってきたカナヱチャンさんとトレーナーさんと一緒に、病室に向かったッス。

    まだ麻酔が効いてるってんで、人工呼吸器を付けてベッドに横になってるマゴロクブレードさん。

    ……何度見ても、この光景には慣れないッスね。


    「脚部開放骨折ですって。痛かったでしょうに」


    トレーナーさんが淡々と口にする。

    開放が意味するところ、それは……。


    「あんなに、私と一緒のレースに出たいって言ってたのに……どうして……!」


    ベッドにすがりついて涙を流すカナヱチャンさん……。

    居ても立っても居られず、アタシは口を開いた。

    ――マゴロクさん、また、走れるんスよね?


    dice1d100=60 (60)

    1~77 (首を横に振る)

    77~100「……諦めちゃいけない」

  • 105124/01/28(日) 21:38:22

    マゴロクブレード


    身長149cm、B89、耳飾りは左耳(牝馬)

    芦毛で薄い流星がある

    適正はダート・マイル~中距離 → 芝に転向、脚質は追い込み

    カナヱチャンの孫にあたる


    競走成績

    新馬戦(ダート1600m)2着

    未勝利戦 1着

    ホープフルステークス(GⅠ)dice1d11=11 (11) +5 着

    昇竜ステークス(OP)5着

    青龍ステークス(OP)2着

    スレープニルステークス(OP)2着

    エルムステークス(GⅢ)2着

    シリウスステークス(GⅢ)4着

    クイーン賞(JpnⅢ)3着

    福島民報杯(OP)競走中止(予後不良)


    【生涯成績 10戦1勝】

  • 106二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 01:07:28

    ぅゎ……

  • 107とある女性トレーナー24/01/29(月) 06:46:31

    カナヱチャンさんの……そして、マゴロクブレードさんのトレーナーです。


    5月に入り、容態が安定してきたということで、マゴロクさんは府中市内の病院に転院してきました。

    久しぶりに顔を合わせると、一言目には「お婆ちゃんは?」って。余程、お婆ちゃんっ子だったのね。


    カナヱチャンは、皐月賞以降の春シーズンを全休することになりました。

    マゴロクさんの事故の件で精神的なダメージを受けていることもありますが、それ以上に危険だったのは、骨格へのダメージの蓄積でした。

    サトノグループの精密検査の結果、本格化した体に高齢の骨格がついていけず、回復が追いついていないらしいです。

    弥生賞の後に来ていた連絡は、これだったんです。


    具体的には、500を限界として、現在189ほど。負荷がかかれば、一気に数値が跳ね上がることもあるそうです。


    【カナヱチャンの競争限界 189 / 500】


    カナヱチャンのライバルで、マゴロクさんのお友達、プロップメイカーさんの次走は日本ダービーだそうです。

    ライバル不在の中、一番人気に推されています。

    当日は病室で、3人で観戦しましょう。ね、マゴロクさん。


    「……ううん。トレーナーさんとお婆ちゃんは、プロップメイカーさんを現地で応援してあげて。

     だってあの子……とっても優しい子だから。良い子だから」


    でも、あなたは……。


    dice1d2=1 (1)

    1 聞き入れて現地へ行く

    2 無理矢理にでもここで見る

  • 10824/01/29(月) 18:40:01

    5月も後半になりましたね。ということは、私が事故を起こして一ヶ月かぁ……。

    ……ッスゥー。はぁ。

    まあ、一ヶ月も経てば、それなりに気持ちの整理はつくわけで。


    お婆ちゃんの「クラシックGⅠを勝つ」という夢は果たされたけど、同じ日に私の夢は終わっちゃった。

    三女神様も残酷なことをするもんですよ。はぁ……。

    ちょっと前にネットウマムスメの私のページ見たら「登録抹消」になってるし。こういう所ばっかり仕事が速いんだから。


    先生が言うには「完全に治るのには年単位、その後も何らかの症状は残る」ってわけで、競争なんてもってのほかなんだって。

    「泣けるレース映画」ってよく最後にヒロインが怪我してお涙頂戴して終わるけど、まさかこの私が悲劇のヒロインになっちゃうとはねぇ……。


    おっと、今日は日本ダービーの日だ。

    看護師さんに車椅子に乗せてもらって、病棟のラウンジにある大型モニターに向かう。

    今日はプロップメイカーさんが走る日。トレーナーさんとお婆ちゃんは、私がお願いした通り、現地観戦するそうだ。

    府中の天気は dice1d10=10 (10) 【1~4 晴れ 5~8 曇り 9,10 雨】、バ場は dice1d10=9 (9) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】かぁ。

  • 109二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:42:51

    《泣くような雨の中、世代の頂点を極めるべく、16人の優駿が集いました。
     一番人気は白の勝負服プロップメイカー。4度のライバルとの惜敗を胸に刻み、今日こそ勝利を見せつける時》
    《勝負服のデザインが変更になって、刀を帯刀するようになりましたね。先月のレースで倒れた先輩の思いを詰めたと語っています》

    刀……孫六。あっ、私のことか。白い騎士姿に刀、アンバランスだねぇ……でも、ありがと。

    「ほら、娘さんがテレビに出てますよ!」
    「……そう」

    ラウンジに座っていた栗毛のウマ娘の女性が看護師さんに声をかけられていましたが、興味の無いように返事をしています。
    日本ダービーに出れる娘さんを持ってるんだから。もっと誇っていいのに。私のお母さんなんかトレセン学園に合格したってだけで狂喜乱舞してたよ。
    そのお母さんも、まさかお婆ちゃんまでトレセン学園入りするとは思ってなかったみたいだけど。

    《ゲートイン完了。皐月の王者不在の中、果たして2つ目の冠を手にするのは誰か……ッ! さあ始まりました第●●回日本ダービー!
     重バ場に足を取られてばらついたスタート、注目のプロップメイカーは中段やや後方でレースを進めています》

    重バ場のせいか、先頭から後方までの距離が短い団子状態で向こう正面を進んでいきます。
    降りしきる雨、重バ場……、一ヶ月前の光景がフラッシュバックしそうになる。
    でも、見届けなきゃ! 私の思いを乗せて走る、プロップメイカーさんの走りを!

    《さあバ群が固まったまま大ケヤキを超えて第4コーナー終盤に差し掛かる!
     最初に直線に飛び込んだのはピンクの勝負服! 続いて赤、黄色と並んで直線勝負!
     そしてッ! 来たぞ来たぞーっ、“ホワイトナイト”プロップメイカー! バ群を切り裂いてッ! 一人また一人切り捨てていくッ!》

    先頭は完全に垂れウマになって、最後は末脚勝負に!
    先に勝負を仕掛けた金色燕尾服のウマ娘がトップを走るけれど、プロップメイカーさんの末脚はもっと強い!

    《残り200ッ! 坂を登るッ! 金色の尾翼をなびかせてゴールにひた走るっ!
     しかししかし、戴冠するのはアタシだと言わんばかりにッ! 白の鎧が追いかけるッ!
     さあバ体が並んで末脚勝負! 世代最強はこの二人の争いかッ!》

  • 110二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:35:04

    知恵袋とか教えてくれそう

  • 111二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:48:23

    >>110

    確かに

  • 112二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 22:24:21

    保守

  • 11324/01/29(月) 22:31:53

    《並んで、先頭討ち取ったッ! プロップメイカァァァーーーーーッ!!
     世代のトップが今ここに決着っ! ダービーウマ娘、プロップメイカー! ようやく勝利に手が届きました!》

    プロップ……メイカーさんっ……! あだっ、いだだだっ!
    興奮して、骨折も忘れて立ち上がろうとしたせいで痛いです。涙が出ます。
    でもこの涙は……多分痛いだけの涙じゃない。

    「プロップ、メイカー……?」
    「そうですよ、あなたの娘さん、プロップメイカーさんが……ダービーウマ娘になったんですよ!」
    「……わたしの……プロップ、メイカー……!」

    栗毛のウマ娘の女性にも涙が……。
    そうですよ! プロップメイカーさんが、勝ったんです!
    彼女の勝利は、ここに小さな奇跡をひとつ生み出していたのでした。

    翌日、プロップメイカーさんを連れて、お婆ちゃんとトレーナーさんがお見舞いに来てくれました。
    プロップさんは「母さんに会いに来たついでッスよ」って言ってたけど……そんなこと言って、素直じゃないんだからぁ~!

    ふふっ、嬉しいな。
    こうやって、思ってくれている人がいるって。


    宝塚記念も終わり、サマーシリーズも半ばに差し掛かった頃。
    マゴロクブレードは、ようやく退院することになったのです。

  • 11424/01/30(火) 06:51:11

    あの、なんで私……退院直後で松葉杖なのに、夏合宿に連れてこられてるんですか!?

    私もう競争生活終わったんですよ!?


    「なーに言ってんの。まだトレセン学園に籍を置いてるんだから、その間は私が面倒見るってば!」


    トレーナーさんっ!?

    た、確かに両親に「履歴書に『中退』って書くのはやめろ」って言われたから中退はしませんけどぉ~。


    「リハビリだって大事なトレーニングでしょ。どうせ寮にいたってゲームしかしないつもりでしょうに」

    「そうじゃねぇ。それにこうやって、サトノさんちの施設を使えるんじゃし~」


    うお……お婆ちゃんいっちょ前にアロハ着て、すっかりリゾートモードだ。

    何を隠そう、ここはトレセン学園が合宿する所とは別にある、サトノグループ経営のリゾートホテル。

    お婆ちゃんが支援を受けている縁で、施設を貸していただける運びになっていたのだった。


    「……で、なんでアタシも連れてこられてるッスか? アタシ部外者ッスよね!?」


    ほら、プロップメイカーさんはダービーウマ娘だし、お婆ちゃんが話を通したら「いいよ」ってなったらしくてぇ……。

    ん? こっちに近づいてきて小さな声で……。


    「アタシ、胸が目立つから薄着イヤなんスけど……」


    既に私の腕に当たっているプロップさんの胸が、それを如実に表している……!

    大丈夫だって! ここにいる私たち全員大きいから……! と、根拠のない理論で言いくるめたのでした。


    さて、松葉杖ついてる私でも、タイムを測るぐらいはできるでしょ!

    お手伝いするトレーニングは……っと。

    dice1d3=1 (1)

    【1 リゾートアクティビティRTA 2 アマ娘プリティー鮑 3 地獄の温泉卓球ラリー耐久】

  • 115二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 12:09:10

    ここにいる全員…
    なるほど、トレーナーさんもたわわでしたか

  • 11624/01/30(火) 18:15:55

    (※なおトレーナー氏の身長 140+ dice1d40=26 (26) cm、バスト 80+ dice1d30=18 (18) cm)


    A.M 6:58


    メガホンを持って……よしっ。

    えー。おはようございまーす。本日のトレーニングは「リゾートアクティビティRTA」となっておりまーす。


    「あーる、てぃーえー? はじめて聴くねぇ」

    「リアルタイムアタックの略っす。要するに、ズル無しでどれだけ早く目標に到達できるかを競うってことッス」


    このリゾート施設には、全部で dice5d6=2 6 2 6 5 (21) 種類のアクティビティ、つまりは遊べる場所がありまーす。

    これら全部を、それだけ早く全部回ることができるか、お二人には競争してもらいまーす。


    「あらぁ~。遊べるうえに、トレーニングにもなるなんてとっても嬉しいわねえ」

    「ちょっと待つッスよカナヱさん! ここ、逆バンジーとか空中散歩とか、絶叫系が多くなかったッスか!?」

    「ふふ、私そういうの大好きよ~? プロちゃんは、そういうの嫌いかねえ?」

    「……ッス! やってやるッスよぉ!」


    笹針エステなどの時間のかかるものや、朝食・昼食バイキング、スイーツビュッフェといった時間限定のも含まれているので、時間配分が重要でーす。

    私の計算では、理想値はおよそ dice5d2=2 2 2 1 2 (9) 時間でーす。制限時間は、ディナーレストランの開店まででーす。


    A.M 7:00


    あっ、7時です! スタートです! 勝った方にはディナーで高級人参グラッセだそうですよー!


    「もう!? えーっと、朝食バイキングは混んでるから、先にプールっス!」

    「じゃあ私は、笹針エステから始めようかねえ。一度やってみたかったんじゃ~」

  • 11724/01/30(火) 19:04:05

    刻一刻と変わるアクティビティの混み具合、時間限定のバイキング、苦手なものを先にするか後にするか……。

    ……その時、ふと閃いた! このアイデアはお婆ちゃんのトレーニングに……


    「なーに『その時、ふと閃いた!』みたいな顔してるのよ。最初に閃いて計画したのは私よ? それに、せっかくのリゾートホテル、満喫しなきゃ損でしょ?

     ……それにしても、意外とマネージャ役がハマってるじゃない。最初に来た時はティアラ路線志望だったし、将来は指導者かな?」


    いえ、今の私は、今の自分にできることをやってるだけですから……。


    「そんなことないよ。怪我して走れなくなった子は、ほとんど学園を去って、その後レースに関わらずに生きてく。

     でもマゴロクさんは今、お婆ちゃんや友達のために、積極的にレースに関わろうとしてる。

     それはとても立派で、誰にでもできることじゃない。マゴロクブレードは、心が強いウマ娘だよ」


    そ、そうですか……? 本当は、レースに未練がいっぱい残ってて、夢も叶えられなくて……もう、走れ……なく、てっ……。

    ……自分の本音を口に出したら、涙が止まらなくなってしまって……。トレーナーさんはその間、優しく胸を貸してくれました。


    「……落ち着いた?」


    ……うん。


    「そんな小さい子みたいな返事して~。高等部のお姉さんでしょうに。

     泣いたらお腹すいたでしょ? そろそろ昼食バイキング始まるから、先に行って2人を出迎えようか!」


    ……さて、そんな感じで一日が過ぎ、午後7時のディナーレストラン開店時間。

    二人の結果は~?


    カナヱチャン:   dice5d3=3 3 3 3 2 (14) 時間

    プロップメイカー: dice5d3=2 1 3 3 1 (10) 時間  【12時間以上で失格】

  • 118二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 21:06:18

    >>1

    なんかやばいスレ見た気がするけど、興味深い

  • 11924/01/30(火) 22:18:06

    「はぁーっ、はぁーっ……最後に絶叫系を詰め込みすぎたッス……心臓しぼんだッス……」


    プロップさんは全部回れたみたいだね。お疲れ様~! 苦手なやつを最後に持ってくる追い込みタイプだね……。

    で、お婆ちゃんは……ありゃ、全部回れなかったのね。


    「最初の笹針エステがあまりに気持ち良すぎるものだから、寝てしまってねぇ。だから後はのんびり、好きなところを回ってたのよぉ」


    お婆ちゃん、トレーニングの趣旨分かってないでしょ……。

    でも、リゾートホテルを楽しめてたみたいだから……まあいいか。


    そんな感じで、夏合宿では遊びとクールタイムを織り交ぜて、効率的にトレーニングを積み重ねていきました。


    合宿も終盤に入った明け方。

    トイレに起きたら空も明るくなり始め、これは二度寝はできなさそうだなぁ……と、リハビリがてら外に出ると……


    dice1d2=1 (1)

    1 プールにいる人影は……?

    2 砂浜を走る人影は……?

  • 12024/01/30(火) 23:12:26

    この時間、開いていないはずの屋内プールに人影が……。

    ビート板を持って、一人だけプールに飛び込んでバタ足……! あの栗毛の尻尾は、間違いない。


    「ん……わっ!? ごめんなさい黙ってて……って、マゴロクさんじゃないスか。びっくりさせないで下さいスよ」


    プロップメイカーさんが、朝方こっそりプールで練習をしていたなんて。というかビート板勢なのね。

    わかるよ……大きいと浮力があって思うように泳げないんだよね……。


    「……みんなと合宿でトレーニングできんのは嬉しいんスけど、それだけだと足りないんス。

     アタシの今までのスタミナじゃ、全力を出せるのはクラシックディスタンスまでッス。

     でも、アタシはGⅠレースでカナヱさんに勝ちたいんスよ。

     次にカナヱさんが来るのは菊花賞だって分かってるんス。だから、こうやって……」


    はぁ……だったら何でそう言ってくれないの?

    そう私がちょっと拗ねて言うと「だって……ライバル陣営っスから」ってもじもじして言って……。

    そんなこと言わないで。私の思いを乗せて日本ダービーを走ってくれた、プロップメイカーさんだもん!


    「……そッスか。これが、誰かの思いを乗せて走る、ってこと……」


    私はいつも、お婆ちゃん――カナヱチャンを追いかけるプロップメイカーさんの走りに心を打たれていた。

    私が走れなくなっても、彼女が思いを引き継いでくれる……そんな気がしました。



    夏合宿が終わり、秋のGⅠに向けた前哨戦が始まりました。

    プロップメイカーさんは、聞いた通りにセントライト記念から菊花賞を目指すそうです。

    一方、我々カナヱチャン陣営は、 dice1d3=1 (1) を調整に使いながら、菊花賞へ向かうこととなりました。

    1 オールカマー

    2 神戸新聞杯

    3 京都大賞典

  • 12124/01/31(水) 06:48:12

    セントライト記念とオールカマー、奇しくも同条件で行われるレースで、カナヱチャンとプロップメイカーさんはそれぞれ存在感を示していきました。


    先に行われたセントライト記念では、プロップメイカーさんは dice1d10=2 (2) 【1~3 快勝 4~8 辛勝 9,10 掲示板内】と、ダービーウマ娘の存在感を見せつけます。


    一方、皐月賞以降の春シーズンを全休し、オールカマーが復帰戦となったカナヱチャンは、シニア混合レースにも関わらず dice1d10=9 (9) 【1~2 快勝 3~6 連対 7,8 3着 9,10 掲示板内】と、まずまずの結果に。

    もともと調整に使うということだったので、結果は期待してなかったけれども……ね。


    【カナヱチャンの競争限界 dice1d100=95 (95) +189】


    自体が大きく動いたのは、オールカマーが終わった翌週でした。

    サトノグループの関係者さんから届いたメールの内容を見て、トレーナーさんが固まっていました。


    「どういうことですか……? カナヱチャンさんが走れるのは、今シーズンまでって……?」


    唐突に通知された内容……その原因は、一体?


    dice1d3=3 (3)

    1 政府の生涯学習システムの見直しにつき

    2 トゥインクルシリーズのファンの心情を鑑みて

    3 カナヱチャンへのドクターストップのため

  • 12224/01/31(水) 18:31:03

    我がチームのトレーナー室は、URA職員、サトノグループ関係者、そしてカナヱチャン当人の集まる臨時会議室となっていた……。

    「当人のいる前で申し訳ないのですが、健康に関わるため率直に言わせてもらいます。カナヱチャンさんは、ピークアウトを迎えています」
    「……つまり私は、全盛期を過ぎた、ってことかねえ」
    「はい。そしてこのままの推移で行けば、来年2月には、サトノグループで支援を始めた時と同じ基準まで運動能力がもとに戻るでしょう」

    サトノグループ関係者からの言葉に、全員の表情が沈む。

    「積み重ねている骨格への負担もあり、医師からの提言としては、現在のようなレースをできるのは12月、いや11月までではとのことで……」
    「ちょっと待ってください! カナヱさんはもっと……」
    「いいのよ、トレーナーさん」

    声を荒げかけたトレーナーさんを、お婆ちゃんが制す。
    その顔は、いつものように穏やかだった。

    「……魔法は、いつか解けるんだから。終わることが分かっている事ほど、心強いことはないでしょう。
     私のトゥインクルシリーズの、“終活”を始めましょうねえ」

  • 12324/01/31(水) 19:02:24

    お婆ちゃんの言葉に、各々が頷いてみせる。

    前向きな雰囲気になってきた! ならばと私が一番手に声をあげた。

    菊花賞に出るのは決まっているけど、ラストランはどうするの?


    「確かに、菊花賞は10月後半だから、できれば今のままで走れる11月のレースをラストランに……」

    「やはりジャパンカップでしょうか?」

    「できればカナヱさんと相性の良い長距離がいい。でも、ステイヤーズステークスでは華が……」


    各々が意見を言い合う中、URA職員――佐武メイ氏が声を出した。


    「いや。ひとつだけある。ラストランで挑むのにふさわしい――世界最高峰の、長距離ウマ娘決定戦が」


    そのレース名を聞いて、最初はみんな無謀だと思った。

    でも、その場のみんなの意見を重ね合ううちに、現実味を帯びていく――。

    そして何よりも……カナヱチャン本人が、そのプランに頷いた。




    10月。クラシックレース最終戦、菊花賞。

    天候は dice1d10=5 (5) 【1~4 晴れ 5~8 曇り 9,10 雨】、バ場は dice1d10=10 (10) 【1~4良 5~7稍重 8~9重 10不良】。

    お婆ちゃんの終活が、幕を開ける。


    【カナヱチャンの競争限界 284 / 500】

  • 12424/01/31(水) 23:28:50

    菊花賞のパドックに、お婆ちゃんが――カナヱチャンが現れると、ドっと歓声が湧いた。
    先月のオールカマーで初黒星となり連勝記録が止まるも、人気は上位を維持し続けている。
    カナヱチャンが手をふると、観客も応えて声を上げる。
    「お婆ちゃん頑張ってー!」「年寄りの意地を見せろー!」「今日も逃げ切ってくれ~!」

    しかし、それよりも大きな歓声が上がる。白い鎧と腰に帯刀……プロップメイカーさんがパドックに姿を表したのだった。
    「今日こそ差し切ってくれー!」「ライバル対決だ!!」「私達の世代のヒーロー!」
    日本ダービーの勝利に続き、先月のセントライト記念でも強いレースを見せつけたプロップメイカーさん。
    距離の延長が不安視されているも、その人気はカナヱチャンと二分されていた。
    このレースは、この二人の事実上の最終決戦となる。

    「……ッス。お互い勝負服を着て会えるのを、楽しみにしてました」
    「これで……もう5回目じゃねぇ。もうプロちゃんは、私にとって孫みたいなもんじゃよ」
    「ちょっと、孫はもうマゴロクさんがいるじゃないスか! アタシはライバルでいたいんス!」

    と、和やかな雰囲気の二人の会話に、会場が笑みが溢れる。
    そのまま穏やかな雰囲気で、二人はそれぞれ思いを口に出した。

    「今日こそは、追い越してみなさいな。プロップメイカー」
    「……はい。必ず追い越してみせるッス、カナヱチャン」

    プロップメイカーさんには、引退のことは話していない。
    でも、彼女は何かを汲み取ったのか、地下バ道へ歩いていくカナヱチャンをずっと目で追っていました。

  • 125二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 02:08:00

    メイちゃん出てきて嬉しい

  • 12624/02/01(木) 06:39:17

    《台風一過の京都レース場、降り続いた雨によりバ場は不良との発表です。

     皐月賞、日本ダービーに続いて、この菊の舞台も、不良バ場でのレースとなります》


    《やはり人気ウマ娘はこの二人、無敗で皐月賞を制した“高齢者の星”カナヱチャンと、

     ダービーウマ娘“ホワイトナイト”ことプロップメイカー。

     お互い、最後の冠を賭けてのレースとなります》


    お婆ちゃんは dice1d16=6 (6) 番、プロップメイカーさんは dice1d16=2 (2) 番からの出走。

    観客席から、私も固唾をのんでゲートインを見守ります……。


    《さあ、ゲートイン完了して……菊の舞台の火蓋が開かれた!》


    ・ペース dice1d2=2 (2) 【1ハイペース 2スローペース】

    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=2 (2) 【1 成功 2 失敗】

    ・坂道 dice1d3=1 (1) 【1~2 余裕 3 減速】

    ・二の足 dice1d2=1 (1) 【1 使える 2 使えない】


    ・プロップメイカーの調子 dice1d100=20 (20) 【数字が大きいほど絶好調】

  • 127二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 17:36:28

    チームたわわ保守

  • 12824/02/01(木) 22:12:33

    《全ウマ娘、湿った芝に取られながらも1回目の第三コーナーへ、逃げるカナヱチャンは早くも先頭。

     後続から1バ身ほど離してホームストレッチへ。ファンが拍手で出迎えます》


    お婆ちゃんは積極的に先頭を取って、巻き上げられた芝や泥に巻き込まれないように立ち回りながら、第一コーナーを回っていきます。

    1000mのタイムは65秒と、不良バ場のため超スローペース。

    向こう正面で息を入れようとするも、皐月賞ウマ娘。ぴったりマークされて隙を与えてくれません。

    一方のプロップメイカーさんはなんと最後方。この位置で虎視眈々と機会を伺っています。


    《さあ二度目の第三コーナーも中盤に入って、おおっと、ここで上がってくるのか白い鎧のプロップメイカー!?》


    観客席からどよめきがあふれる。坂を使って加速しながら、最後方から一気に加速し勝負に出る!

    ただでさえ不良バ場なのに、そんな無茶な仕掛けをしたら、足を取られちゃうじゃない!

    でも、プロップメイカーさんなら……松葉杖を握る手に力が入る。


    一方のお婆ちゃん――カナヱチャンも、最終コーナーを曲がり切ったところで再加速!

    並びかけていた二番手との差を、再び広げていく。

    しかしそれを追うように――まるでドリフトするかのような軌道で、トップスピードまで加速したプロップメイカーが最終直線に入った!


    《やはり最後はこの二人なのか!? 先頭はカナヱチャン、大外からゴボウ抜きのプロップメイカー!》


    しかし長距離の単騎逃げ、お婆ちゃんの伸びは苦しい!

    一方のプロップさんも、距離延長がたたってスピードに陰りが見え始める!

    他のウマ娘もここぞとばかりに末脚を繰り出して……全員が大混戦でゴール板へと殺到する!


    dice1d10=9 (9)

    1~4《カナヱチャンかッ!?》

    5~8《プロップメイカーかッ!?》

    9,10《どっちだァーーーーーッ!》

  • 12924/02/01(木) 22:47:32

    掲示板の上位3着……ゴールから1分以上経過しても、その枠はまだ埋まっていない。

    静まりかえる観客席。

    そして……1着の位置に点灯したのは、【6】でも【2】でも無かった。


    《なんと、最後の冠を手に入れたのは! 皐月の王者でも、ダービーウマ娘でもないっ!

     世代の意地! 二強だなんて言わせない! 三冠は、3人のウマ娘に分け与えられた!

     二着はどうやら dice1d2=2 (2) 【1カナヱチャン 2プロップメイカー】のようです! 》


    最後の一冠を手に入れたウマ娘が飛び跳ねて、喜びを全身で表している一方、破れた世代のライバル同士が顔を合わせる。

    負けたにも関わらず、二人の表情はとても爽やかな笑顔でした。


    「はぁ……はぁ……カナヱさん、揃って最後に差されるなんて、おそろいスね」

    「……そうねえ。でも、最後でようやく一緒だなんて、嬉しいじゃない?」

    「カナヱさん……今なんて……」


    地下バ道へ戻ろうとするお婆ちゃんを、プロップさんが止める。


    「やっぱり……辞めるんスね、カナヱさん」

    「分かっちゃった? やっぱり隠し通すのは難しいねえ」

    「……アタシまだ、カナヱさんにキチンと勝ててない! イヤっス!」

    「ワガママ言わないで? ……でも、止めてくれるのは嬉しいねえ。トゥインクルシリーズで、あなたがライバルで良かった」

    「……っ! カナヱさんっ!」


    プロップメイカーさんは、お婆ちゃんの手を離した。

    押し寄せる涙をこらえて、地下バ道へと去っていくライバルを見送る。


    「さあ……最後のレースの準備をしなくちゃ」

  • 13024/02/01(木) 22:59:40

    「……カナヱさん。アンタは……何処に行くんスか」


    dice1d3=1 (1)

    1「……世界へ」

    2「……遠くへ」

    3「……頂点へ」


    【カナヱチャンの競争限界 dice1d125=77 (77) +284 / 500】(不良バ場につき上昇率+25)





    11月。

    オーストラリア、メルボルン。フレミントンレース場。

    お婆ちゃんは、世界最高峰の長距離ウマ娘決定戦の舞台に立っていた。

  • 131二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 01:50:20

    >>130

    世界へも駆け抜けるのか

  • 13224/02/02(金) 09:19:08

    ~一ヶ月前~

    「いや。ひとつだけある。ラストランで挑むのにふさわしい――世界最高峰の、長距離ウマ娘決定戦が」

    最初にそのレース名を出したのは、URA職員で、凱旋門賞をはじめとした海外レースに詳しい佐武メイ氏だった。

    「……『メルボルンカップ』」

    それは、オーストラリアのフレミントンレース場で行われる、芝3200mの国際GⅠだ。
    160年以上の歴史を持つオーストラリアで最も格式の高いレースであり、その開催自体が国の祝日となるほど。

    その提案に最初に異論を出したのはトレーナーさんだった。「日程が破滅的になる」とメイ氏に突きつける。
    出走の決まっている菊花賞は10月の3週。一方メルボルンカップは11月1週の火曜日に行われ、実質の連闘となる。
    でも……ありとあらゆる可能性は、突き詰めて考えるべきだ。

    「今オーストラリアは春……行くならば、体を慣らす必要がありますね」
    「菊花賞が終わった後すぐに出発すれば、レース開催日まで7日は取れる」
    「もっと前から体を慣らしてみては? 例えば温水プールとか……」
    「それならば、我がグループのリゾートホテルがあります。過去に海外遠征の調整で使われた実績も……」

    各方面から意見を出し合い、菊花賞→メルボルンカップの連闘が現実味を帯びていく。
    その様子を見て、お婆ちゃんは目を潤ませながら……

    「私の脚に、みんな夢を見ているのね。魔法はいつか解けるけれども……最後に、大きな夢を見てもいいかしら?
     ……行きたいわ。メルボルンカップに」

  • 13324/02/02(金) 09:21:25

    翌日から、URA、トレセン学園、そしてサトノグループのサポート体制で、お婆ちゃんのメルボルンカップ遠征計画が始まった。
    まず、菊花賞までのトレーニングを夏合宿を行ったリゾートホテルで実施。温水プールでオーストラリア現地の環境に慣らす。
    オーストラリアへのフライトは、お婆ちゃんには菊花賞翌日のファーストクラスを準備し、連闘のために少しでも体力の温存・回復を図る。
    メンバーは、サトノグループの精鋭スタッフ数人、通訳で佐武メイ氏、そしてトレーナーと……お婆ちゃんのメンタル担当で私ことマゴロクブレード(英検3級)。

    菊花賞の前の時点で、メルボルンカップへ予備登録していることは話題になっており、どちらに出走するかが話題になっていた。
    しかし、3着に破れた菊花賞後に連闘が明らかになると、国内の声はお婆ちゃんへの応援と不安の声で二分された。
    『菊花賞を調整に使った!?』『世界最強の長距離ウマ娘になれ!』『長距離から長距離への連闘ってアリ?』『さすがに今回はナシ』……。もっとも、これらの声を聞いたのは、オーストラリア入りしてからのことである。

    「国の政策でトゥインクルシリーズを走れるだけで最初は嬉しかったのに、ずいぶん遠くへ来たものだねえ」

    オーストラリアの照りつける太陽を見上げながら、ふとお婆ちゃんは呟いた。
    ……そうだね。お婆ちゃんがトレセン学園に来てから、色々あったもんね。
    メイクデビューまでの道のり、プロップメイカーさんとの出会い、皐月賞の勝利と私の怪我、泥だらけの菊花賞。

    「……みんなには、いっぱい夢を見させてもらったねえ。こんなお婆ちゃんなのに、みんなはとっても優しいんだから」

    ううん、それは間違ってる。
    夢を見させてもらっているのは、私たち。
    60代後半で本格化を果たし、若者にも負けない逃げ足で先頭をひた走るその姿に、みんなが目を奪われた。
    お婆ちゃんは……カナヱチャンは、最高のウマ娘だよ!

    「……ありがとうマゴロクちゃん。それじゃあ、いってくるねえ」

    メルボルンカップのパドックへと歩いていくお婆ちゃんの背中は、いつもと変わらない小さな背。
    でも、その背中に沢山の思いが乗っているんだ。

  • 13424/02/02(金) 17:53:03

    「……and. Today we have a guest from TOKYO JAPAN!!

     The Grandma-Superster!! Kanawe-Chan!!!」


    解説の挨拶とともに、お婆ちゃんがパドックに現れると、観客全員が拍手や指笛など各々の方法で歓迎する。

    いつも通り、お婆ちゃんは自然体で両手を控えめに振りながら笑顔で歓声に応えた。


    「Are you really going to run together? EXCELSIOR!! Welcome,grandma!!」

    「ええと、なんて……あらら」


    共に走る現地のウマ娘に挨拶代わりのハグをされて戸惑うお婆ちゃん。

    佐岳メイ氏が駆け寄ってきて「『よろしくねお婆ちゃん』だって」と翻訳を入れていた。

    その後も歓迎ムード収まらず、結局お婆ちゃんは今回のランナー全員とハグを交わしていた……。


    警戒されていないということは、実力を疑われているということだ。佐岳氏が隣で「君は今のところノーマークだ。いつも通り行けば良い」とお婆ちゃんにアドバイスするのが聞こえる。

    ……そういえばこの二人、一見するとやっぱり成人には見えないよなぁ。


    レースのために休日になるほどのレースだ。

    観客席はお祭り騒ぎで、レースへの熱気に包まれ、現地のウマ娘を応援するコールも響き渡っている。

    だからこそ……私が、お婆ちゃんを応援しないと!


    頑張れーっ! 負けるなーっ! カナヱチャーーンっ!!


    「……うん。孫の為なら……私はいくらでも頑張れるからねえ」


    長い引込線に設けられたゲートに、お婆ちゃんが収まる。

    一瞬静まり返る観客席。そして――


    ガコン! ゲートが開く。お婆ちゃんの最後のレースが始まった。


    【カナヱチャンの競争限界 dice1d100=100(100) +361 / 500】(全力を出すことにより100上昇確定)

  • 13524/02/02(金) 18:49:42

    フレミントンレース場は、洋梨のような形をしたコースに、長い引込線が付いた独特の形をした左回り。

    引込線からスタートした後、ホームストレッチを通過し一周して戻ってくる事となる。

    オーストラリアの芝は、ヨーロッパの洋芝よりも日本や香港の芝に近い。お婆ちゃんも、およそ一週間の準備期間で順応できたいた。

    最初のホームストレッチ。黒いドレスのお婆ちゃんは、先頭から1/2バ身ほど離れた番手で観客席の前を通過し、コーナーへ差し掛かる。


    「英語圏のレースは前傾ラップになる事が多い。先頭は無理に取りに行くなとは言ったけど……」


    隣でつぶやくトレーナーさんの言うこともわかる。今まで先頭を取って、中盤で息を入れた後に差し返す二段構えのレースがお婆ちゃんの真骨頂だった。

    番手につけている今、自分のレースができずにペースを崩すのではないかという不安が、私とトレーナーさんが不安視するところだろう。


    長丁場のレースだ。縦長になりながら向こう正面を過ぎ、洋梨のおしり部分のような大きなコーナーを淀みなく進んでいくバ群。

    お婆ちゃんは冷静に、先頭のウマ娘を風よけにして体力を温存する。

    勝負が動くのは……前のウマ娘が垂れてきたその瞬間だ!


    ・中盤スタミナ温存 dice1d2=1(1) 【1 成功 2 失敗】(全力を出すことで1確定)

    ・坂道 なし

    ・二の足 dice1d2=1(1) 【1 使える 2 使えない】(全力を出すことで1確定)


    カーブの終盤。先頭が垂れてきたのを確認すると、お婆ちゃんは力を緩め、遠心力を使って外側へわざと膨れる。

    そうやって息を入れたところで……垂れてきた先頭のウマ娘を交わしたことを確認すると、再加速!

    後続を突き放し、単独で最終直線に入った!

  • 136二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:14:02

    話が壮大すぎる

  • 137二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:21:33

    >>136

    と言うかこう言う系はそうなっちゃう

  • 138カナヱチャン24/02/02(金) 21:37:15

    はるか先にゴール板が見える。

    観客席から、歓声が聞こえる。

    まるで音の壁のような歓声の中から、確かに聞こえた声があった。


    「行けーーーーっ! お婆ちゃーーーーんっ!」


    そうね。

    かわいい孫の為なら、これが最後になるというのなら。


    だからお願い。あと少し、あと少しだけ。魔法よ、解けないでいて。


    【カナヱチャンの競争限界 dice1d100=10 (10) +461 / 500】(限界を超えた走りによる負荷)

  • 13924/02/02(金) 23:20:24

    最終直線、単独で入ってきたカナヱチャンを見て、歓声が上がる!
    後続から2馬身ほど先行して、大勢の観客の前を走り抜けていく!
    歓声に負けないように、精一杯声を張り上げた。

    行けーーーーっ! お婆ちゃーーーーんっ!

    残り200m。歓声がどよめきに変わった。
    おかしい、カナヱチャンと後続との差が縮まらない!
    現地の人の困惑した声が聞こえる。何を言っているのか精確にはわからないけど、きっとこう言っているのだろう。
    『おい、まさか本当に逃げ切るのか?』

    残り100m! 後続がようやく追いつき、肩が並びかける!
    歓声は最高潮に達した――しかも、その声の半分はお婆ちゃんに向けられていた。
    遠い異国から来た、しかも60代後半のお婆ちゃんウマ娘が、今まさにオーストラリア最大のレースを逃げ切ろうとしている。
    『Let's go GRANDMA!!!』『Escape GRANDMA!!!』

    そして――肩が並んだと同時にゴール板を駆け抜けた。
    最高のパフォーマンスを見せて3200mを走りきったウマ娘たちに、最大限の喝采が送られる。

    「はぁ……はぁ……は……っ!」

    地面にへたり込み、胸に手を当てて息を整えるお婆ちゃん。
    共に走った現地のウマ娘が「Nice Game,Grandma!」と手を伸ばすと、お婆ちゃんは手を取って立ち上がる。
    そしてターフビジョンに、ゴールの様子が映り……。

    ハナ差――わずかにお婆ちゃんの胸が先に、ゴール板を通過していた。

    【カナヱチャンの競争限界 471 /500】

  • 140二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 00:33:22

    >>139

    勝った…?

  • 14124/02/03(土) 06:53:34

    お婆ちゃん……やったんだ! ラストランのメルボルンカップで……、一着を……!

    泣き崩れる私。そして、ターフに飛び出していくトレーナーさんたち。


    「カナヱさんっ!! やりましたねっ……!」

    「ちょっと待ちなさいっ、トレーナーさん苦しいわ」


    お婆ちゃんを全力で抱きしめて、そのお婆ちゃんの声で我に返って手を離すトレーナーさん。その後、もう一度優しく抱き合って、


    「あなたのトレーナーになれて光栄でした。ありがとうございます、カナヱチャン」

    「……私もよ。みんな、ありがとうねえ」


    ターフの上で抱き合うみんな。観客席からは『GRANDMA!! GRANDMA!!』と、お婆ちゃんを称えるコールが湧き上がっていた。

    そして最後に、お婆ちゃんはスタンドの私に近づいて……。


    「最後の直線、あなたの声が聞こえたの。そのおかげで、ここまで走れたのよお。ありがとう。マゴロクブレード」


    うん……お婆ちゃん、ありがとうっ! 私、お婆ちゃんの――カナヱチャンの孫で良かった!!



    ……帰国後、お婆ちゃんの代理でトレーナーさんが会見を開き、今シーズンでのトゥインクルシリーズ引退が正式に発表された。

    そして同時にサポートチームは解散となり、カナヱチャンの、生涯学習システムのテストケースとしての役割も終わった。

    この結果をもとに、政府はURAや地方レース運営に対し、生涯学習への貢献事業に対する補助金を制定。高齢ウマ娘の健康増進に大きく貢献することとなった。

    ――カナヱチャンの、短いながらも鮮烈な競技生活は、引退後に彼女に送られた称号が表している。

    それは……【1 dice1d3=3 (3) 】【2 dice1d3=3 (3)


    【1】    【2】

    1 銀色の   1 一等星

    2 漆黒の   2 特異点

    3 遅れて来た 3 大嵐

  • 14224/02/03(土) 07:12:34

    『遅れて来た大嵐』。

    60代後半で本格化しメイクデビュー。URAの最高齢勝利記録を更新し、クラシックGⅠ、海外GⅠを勝利。

    その巧みな逃げ足は常に、重バ場と共にあった。まるで自身が嵐を呼んでいたかのように。

    本人が温厚な性格なのも、まるで台風の目のようだと、ファンは彼女を敬う。

    この世代にまるで嵐のように襲来し、あらゆる常識を破壊して去っていった――カナヱチャンはそういうウマ娘だった。



    < カナヱチャン >

    競走成績

    ・メイクデビュー(福島2000m)1着

    ・東京スポーツ杯ジュニアステークス(GⅢ)1着

    ・弥生賞(GⅡ)1着

    ・皐月賞(GⅠ)1着

    ・オールカマー(GⅡ) 5着

    ・菊花賞(GⅠ)3着

    ・メルボルンカップ(海外GⅠ) 1着

    競争能力喪失により引退 【生涯成績 7戦5勝】



    ……って、ちょっと仰々しいなかぁ? まあいいか、お婆ちゃんが凄いことをしたのには変わりないし!

    お婆ちゃんのトゥインクルシリーズは終わりを迎えたけど、最後にもう少しだけ。

    その後のお婆ちゃんたちのことを書かせて下さい!


    トゥインクルシリーズを引退し、ピークアウトを迎えて普通のウマ娘に戻ったお婆ちゃんは、なんとその後……

    dice1d3=1 (1)

    1 地元のクラブで後進の育成を始めた

    2 シニアタレントになった

    3 フリースタイルレース荒らしを再開した

  • 14324/02/03(土) 09:11:35

    「今日から、みんなの先生になるカナヱチャンじゃよ~。気軽に『カナヱせんせい』って呼んでいいからねえ」


    引退後、地元に戻ったお婆ちゃんは、地元にあるジュニアクラブの特別講師として生活している。

    本人曰く「生涯現役じゃよ♪」とのこと。

    評判も上々らしいんだけど……何故か逃げウマ娘ばっかり輩出するクラブになったんだって。



    「……まあ、お嬢ちゃん、どうして泣いてるのかしら」

    「ぐすっ……あのね、わたしもおねーさんたちみたいに、トゥインクルシリーズにいきたくって……。

     でも、パパとママに、まだはやいっていわれちゃって……」

    「あらまあ。でも大丈夫よ。あなたはきっといつか、あのターフの上を走ることができるわ」

    「いつか、って……どれぐらい?」

    「さあね……。でも、いつだって良いのよ。走りたいって夢を見た時が、いつだって始めどきなんだから」



    カナヱチャンと5度の接戦を演じた、私の友達プロップメイカーさん。

    彼女はその後 dice1d4=3 (3) 年間トゥインクルシリーズで現役を続け、日本ダービーを含めてGⅠを dice2d3=1 2 (3) 勝。

    その中でも特に印象に残るレースは…… dice1d10=2 (2)

    【1大阪杯 2天皇賞春 3安田記念 4宝塚記念 5天皇賞秋 6マイルCS 7ジャパンC 8有馬記念 9ドバイターフ 10香港カップ】

  • 14424/02/03(土) 14:33:43

    お婆ちゃんと激戦を繰り広げた菊花賞の後、有馬記念に出走し掲示板内の好走をするも、その際に発生した怪我の療養のためシニア1年目シーズンのほとんどを休養に充てることになる。

    翌シニア2年シーズン、春三冠を狙ったプロップメイカーさんは、復帰戦のAJCCで掲示板内に好走すると、大阪杯を豪脚で勝利しGⅠ二勝目。

    そして、雨天となった天皇賞春。菊花賞の再現とばかりに終盤の坂から加速したプロップメイカーさんは、最後方から15人抜きをしたうえで1バ身つけて勝利!

    この勝利でGⅠを3勝したプロップメイカーさんは、URAヒロイン列伝ポスターにも選出されたんです!

    残念ながら、その後は練習中の怪我で宝塚記念を回避。秋には復帰してシニア3年シーズンまで現役を続けたものの、その後GⅠは掲示板までが最高でした……。


    『一刀 両断』


    ライバル不在の中、手に入れたダービーの冠

    遠き異国で立てたライバルの金字塔への憧れは止められず

    同じ芝3200m 遠きライバルにその刃は届いたか

    切り裂くような剛脚 白き騎士は次なる戦場へ

    (URAヒロイン列伝 No.XX プロップメイカー)




    私のトレーナーは、お婆ちゃんがメルボルンカップで勝ったことで躍進。

    新しくデビューするウマ娘をスカウトして、私も卒業までマネージャとして一緒に頑張りました。


    そんなトレーナーさんなんですが、なんとこの度……

    dice1d3=3 (3)

    1 婚約!

    2 結婚!

    3 懐妊!

  • 145二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 14:44:13

    どこのウマの子よ!

  • 14624/02/03(土) 15:01:35

    ある日のトレーナー室……。


    「私、赤ちゃんできたわ」


    ブーッ!!!! 思わず飲んでたお茶を吹き出しました!

    トレーナーさん、今なんて!?


    「いや、昨日二日酔いひどいって言って病院行ったじゃない。そしたら産婦人科を紹介されてさ……」


    調子悪いの、つわりだったんですか!?

    いやそうじゃなくてお相手は!?


    「いや、ちゃんと付き合ってる相手よ? カナヱさんの取材の縁で知り合ったレースのライターなんだけどさ」


    トレーナーさんに彼氏さんができたのは、なんとなーく気づいてましたけど……。よもやそこまで進んでいたとは。

    ……トレーナーさん、どうするんです?


    「……まあ、今すぐじゃないけど産休かなぁ。それまでに担当してる子たちを他のトレーナーさんに移籍して……。

     それと、相手との生活も考えないとなぁ。はぁ~っ、忙しくなるぞ~っ!」


    その後、トレーナーさんとお相手のライターさんとの間に、元気な dice1d2=1 (1) 【1男の子 2女の子】が生まれたそうです!



    さて……。最後に私、マゴロクブレードなんですが……。

    あの、トレーナーさん。産休前に見てもらいたいものがあって!


    「ん……マゴロクさん、それって……。サポート科への転入願書と、参考書?

     ……そっか。しょーがないなぁ。産休まであとちょっとだけど、付き合ってあげる。

     その代わり、ちゃんと一発で受かるのよ?」

  • 147二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 15:56:19

    なんか話が…

  • 148とあるトレセン学園の学生24/02/03(土) 16:39:18

    ~ 数年後 ~

    はぁ……今日の模擬レース、勝てなかったなぁ。
    ちゃんと頑張ってるのに……やっぱり才能ないのかなぁ。
    憧れのトレセン学園、やっぱり私には向いてなかったのかな……。

    「ねえ君、さっき模擬レースで走っていた子だよね? ちょっといいかな?」

    ベンチに座って落ち込んでいる私に、声がかけられる。
    顔をあげると、杖をついた大人のウマ娘さんの姿があった。

    「さっきレースを見てたんだけど、ちょっと周りを意識しすぎてなかった?」

    え? だって周りを見ないとちゃんと走れないでしょ……?

    「でも、さすがに顔ごと動かして走るのはちょっと……」

    たはは……そうですよね。
    やっぱり私、レースに向いてないんでしょうか?

    「そんなことないよ。周りにはついていけてたし、コーナリングには良いのを感じた。
     ……ねえ、ちょっと私に指導させてくれない?
     私これでも、元トゥインクルシリーズのウマ娘で、今はトレーナーなの。新人だけどね」

    よく見ると、そのウマ娘の胸元には、ピカピカの中央のトレーナーバッジがキラリと光っていた。
    杖をついた、芦毛のそのウマ娘は……。

    「私の名前は『マゴロクブレード』。どう? やってみる?」

  • 149124/02/03(土) 17:09:20

    およそ2週間にわたり掲載をお許しいただき、ありがとうございました
    先人のようにサクサクとはいきませんでしたが、安価、保守などありがとうございました
    ……95あたりでダイスに冲方丁か何かが憑依したのが、長大化した転機でしたかね
    何かまとめ直す機会があったら、孫ちゃんの引退理由は「競争能力喪失」と変えておきたいですね

    以下、感想や質問等ございましたら受け付けますので、よろしくお願いします

  • 150二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 22:25:08

    >>149

    2週間に渡りお疲れ様でした

    マゴロクちゃんが物語の途中でまさか競争能力喪失に陥りプロップちゃんやカナヱ婆ちゃんとトゥインクルシリーズ上で対決や一堂に会することなくターフを降りたのは驚きと同時にダイスの仕様とは言え残念でしたね。有マ記念あたりで3人走るかと思ってました

    ただプロップちゃんが勝負服に帯刀する形で想いを引き継いだり最後の最後はカナヱ婆ちゃんが有終の美で終えることができてある程度マゴロクちゃんが救われましたね

    まさかの高齢者がヒロインでウマ娘ならぬウバ(姥)娘やんけって気持ちで見初めましたがシリアス展開とダイスで刻まれる物語終了のカウントダウンのハラハラ感を交えつつも重くなり過ぎない明るい内容で最後もハッピーエンドで良かったと思います

  • 151124/02/03(土) 22:27:45

    そういえば >>115 でご指摘のあった「全員大きい」について、まとめてみました


    トレーナー氏    166cm B98

    プロップメイカー  153cm B100

    カナヱチャン    150cm B84

    マゴロクブレード  149cm B89


    (比較)

    スーパークリーク  168cm B97

    メイショウドトウ  164cm B99

    アストンマーチャン 152cm B86

    マーベラスサンデー 145cm B87


    うーん……やはりこれはチームたわわ

  • 152二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 02:01:44

    >>1

    >>149

    お疲れ様でした

  • 153124/02/04(日) 08:30:35

    >>150 >>152

    ありがとうございます! ウバ娘シルバーダービー始まっちゃう……

    ダイス目がカナヱチャン以外を全力で曇らせる方向に振られてて、もう吹っ切れるところは吹っ切れるしかない! って感じの舵取りでした

    もしダイス目が皆に優しかったら、札幌記念かオールカマーで一同に介していたかもしれませんね

  • 154二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 20:21:01

    ほしゅ

  • 155二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 05:31:00

    乙でした!

  • 156二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 06:45:55

    >>155

    ありがとうございます! 励みになります!


    個人的な感想ですが……

    マゴロクブレードさん、なんか「ウイポでデータ始めた直後に自家生産した馬」感がある成績で愛着が湧くんですよね

    ……そういうわけで、本編では登場叶わなかったマゴロクブレードさんの勝負服の要素を決めていきます

    今日戻ってきてスレ落ちてなかったら、ダイスの結果を元にちょっとだけ続きやります


    色 : dice1d10=3 (3) 【1赤 2青 3黄色 4緑 5紫 6ピンク 7黒 8白 9グレー 10茶】

    見た目: dice1d5=4 (4) 【1和風 2洋風 3現代風 4近未来 5アイドル】

  • 157二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 09:38:47

    お疲れ様でした!
    プロップメイカー名前安価取った者です
    こういうスレで初めて安価取ったからプロップメイカーが出てくる度に嬉しかった
    拙い絵だが勝手にプロップメイカー勝負服も描いてみた
    イメージと違ったらすまん

  • 158124/02/05(月) 19:44:32

    >>157

    アッアッ……ファンアート嬉シイデス! これほど嬉しいことはない……!

    プロップメイカーちゃんのハサミ型の耳飾りは、名前が意味する「小道具制作者」と、カナヱチャンのライバルである理由の内向的で自罰的なイメージからでした。

    勝負服は、ダイスで洋風が出て「舞台関係ならば鎧でも問題ないな!」という理由からです。

    素敵なお名前……ありがとうございました!


    では、スレも無事だったようなので、ちょっとだけ後日談を……

  • 15924/02/05(月) 20:33:00

    お婆ちゃんのトゥインクルシリーズの激闘から数年。
    時同じくして夢破れた私――マゴロクブレードは、トレーナーとして再びトレセン学園の門をくぐった。
    「ヒトとウマ娘の絆が走る力を生む」と言われている通り、私のようなウマ娘のトレーナーは多い訳では無い。
    それでも私がトレーナーを目指したのは――夢は、誰かにつなぐことができると思ったから。

    「そんじゃあ改めて、マゴロクさんのトレーナー着任に乾杯~!」

    ……というわけで着任して早々、私の元トレーナーさんにいつものスナックに連れてこられている。
    打ち上げでは何度か来たけど、お酒を飲めるようになってから来るのは初めてだな~。
    というかトレーナーさん、今日は息子さん大丈夫なんです?

    「大丈夫大丈夫、今日は旦那が面倒見てくれるって言ってたから~! それにもうこんなに大きいし~」

    そういって見せてくれたのは、ぱかプチで遊ぶ息子さんの動画! やだぁ、かわいい~!
    っていうか息子さんに遊ばれてるぱかプチ、良く見たらカナヱチャンのぱかプチじゃん!

    「この子ね、カナヱさんの人形が一番お気に入りなの。将来はおばあちゃんっ子かな?
     ……ふふ、あの時は凄かったよね。何年分もの山と谷が一度に来たみたいでさ」

    ははは……そうですね。私もあの年に走れなくなった時、まさかトレーナーになるとは夢にも思ってませんでしたからね。
    それに、初めて行った海外で、お婆ちゃんのGⅠ勝利を目にするなんて……ホント、夢みたいでしたよね。

    「まあ、いっぱい話を聞かせてよ。トレーナーはね、元担当と一緒にお酒を飲むときが一番楽しいんだから!
     あっ、そうそう! トレーナー室掃除してた今の担当の子が見つけたんだけどさ。コレ、返すね!」

    そういってトレーナーさんがカバンから出したのは……ッ!?
    そ、それって私の勝負服のデザイン考!?
    そのとき不意に蘇る、当時の記憶……!!

  • 16024/02/05(月) 21:13:56

    「どうかしら、着てみたけれど、おかしくないかねえ……?」

    それは、お婆ちゃんの出走する皐月賞の半月ほど前。
    お婆ちゃん――カナヱチャンの勝負服が仕立て終わり、試着をしていた時のことだ。

    「カナヱさん、似合ってますよ! 大人の女って感じ!」
    「そう? ふふふ……なんがかこそばゆい感じがするわぁ」

    お婆ちゃんの勝負服は、刺繍の入った黒いドレス。
    頭に被ったトーク帽に、胸元のコサージュも、濃淡の違う黒で統一されたデザイン。所々に入った真珠のワンポイントも、まるで星のように見えた。

    「これはねえ、お爺さんと社交ダンスを踊っていたときの服を、仕立て直してもらったの。
     思い出にするのにはもったいないし……これを着て皐月賞を勝てたら、お爺さんも喜ぶでしょうねえ」

    そういえば実家の仏間に、若い頃のお爺ちゃんとお婆ちゃんの写真があったなぁ。
    ……そっか。きっとお爺ちゃん喜んでるよ。そう私はお婆ちゃんに優しく告げた。

    「……で、マゴロクさんの手元のそれはなに?」

    そうトレーナーに指摘されたのが……件の「私の勝負服のデザイン考」であった。
    その時のわたしは自信満々で……。今になるととても恥ずかしい。

  • 16124/02/05(月) 21:38:10

    「なになに……。コンセプトは『サイバー忍者』。網タイツ、インナーはレオタード、山吹色のミニ着物に、頭にはサイバーサングラス……」


    と、脚注を読み上げるトレーナーさんの横で私は「うんうん! 格好いいでしょう!」と得意げに頷いてました。

    今あらためて思い返すと……どこぞの“対魔なんちゃら”だよ、ってデザインですわな。

    想像してみなさいよ。ミニ着物レオタードで網タイツって。ウマミミバニーガールか? 歌舞伎町のお店か?

    まだ純真だった私は、このいかがわしさに気づいていないのだった……。


    「刀を背負ってるんだねえ。なるほど、孫六といえばサイトウハジメだものねえ」


    そうなのです! マゴロクブレードの名の通り、刀を背負っているのです!

    ……でもサイトウハジメって何?


    「幕末の京都で活躍した『新選ウマ組』のウマ娘のひとりよぉ。オキタソウシ、ナガクラシンパチと並ぶ剣の腕前を持っていたのよねえ」


    ÆüËÜ¿ÍÇϼ礬Îò»ËŪV!¾¾ËܽÓ×¢»á½êÍ­¤Î¥ª¥­¥¿¥½¥¦¥·¤¬±Ñ¥í¥¤¥ä¥ë¥¢¥¹¥³¥Ã¥È¤Ç¾¡Íø | ¶¥Çϥ˥塼¥¹ - netkeiba.com¡¡±Ñ¹ñ²¦¼¼¤¬¼çºÅ¤¹¤ë¥í¥¤¥ä¥ë¥¢¥¹¥³¥Ã¥È¤Ï23Æü¡¢¥¢¥¹¥³¥Ã¥È¶¥ÇϾì¤Ç³«ºÅ4ÆüÌܤò·Þ¤¨¡¢3R¤Î¥Ï¥ó¥ÇÀï¡¢¥Ç¥å¡¼¥¯¥ª¥Ö¥¨¥Ç¥£¥ó¥Ð¥éS(¥¯¥é¥¹2¡¢¼Ç2400¥á¡¼¥È¥ë)¤Ë¾¾ËܽÓ×¢»á¤¬½êÍ­¤¹¤ë¥ª¥­¥¿¥½¥¦¥·(²´5¡á¡Ä No.1¶¥ÇϾðÊó¥µ¥¤¥È¡Önetkeiba.com¡×¤Î¶¥Çϥ˥塼¥¹¡£news.netkeiba.com

    「そのサイトウハジメが使っていたのが、孫六という刀匠が作った刀だったのよお」

    「おおっ、カナヱさん、実は歴女ですか?」

    「腰を悪くしてから歴史ドラマにはまってねえ。すっかりファンなのよ~」


    と、トレーナーさんとお婆ちゃんは、私そっちのけで歴史トークを始めてしまい、不貞腐れた私はどのデザイン考をトレーナー室の棚にしまって……そのまま回収しないで今に至ったのか。



    「……結局作られることは無かったけどさ。はぁーっ、見たかったなぁーっ。マゴロクさんのミニ着物レオタード網タイツ!」


    やっ、止めてくださいよおっ!

    けらけらと笑いながらグラスを傾けるトレーナーさんに、私は頬を膨らませる。

    そして、そのデザイン考を乱暴に奪い取って……ちょっとだけ見て、丁寧にカバンの中にしまい込んだ。

  • 162二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 23:25:24

    お疲れ様

  • 163二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 00:36:54

    お疲れさまでした
    面白かったです!

  • 164124/02/06(火) 07:00:25

    >>162

    >>163

    ありがとうございます! 読んでいただけて嬉しいです。

    先人に憧れて始めたオリウマスレでしたが、初めてということもあり至らぬところもあったかと思います。

    また機会がありましたら、よろしくお願いします!

    改めてありがとうございました!

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