- 1二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:06:58
「トレーナーさん、今年はいつもより咲いてるねぇ」
「今年の冬はいつもより暖かったからな」
2月の上旬。澄んだ水色の空の下。私達の目線の先に、つつましくも可憐に咲き誇る紅白入り乱れる梅の花。
決して派手ではないけれど、凛としたその立ち姿が麗しい。
華やかで甘い香りはほんのりと早春をつげているみたいだ。
アキュートに誘われて、初めて見に来た時は、この時期に咲くことも知らず、梅をまじまじと見たこともなかった。
それが、今では彼女と一緒に眺めるのが恒例になっている。
アキュートに教わったのだが、梅の花には、気品、優雅、清らかさなど上品な花言葉がある。その言葉のように、咲く花は優雅で彼女が私を花見に誘ったのも今なら分かる気がする。
彼女はのんびりな所がある為、人が多く集まる桜より、ゆっくりと花見ができる梅を気に入っているかもしれない。
かくいう私も今ではすっかり梅を気に入っている。
梅の花や香りも好きなのだが、その在り方に魅かれたのだ。
梅には桜のように華やかさはない。だが、他の木が花をつけない時でも、寒さに耐えて花を咲かすその力強く、美しいその姿。
その花弁が散っても、実をつけ、日本人に馴染み深い梅干しなどを届け、また花を咲かせるたくましさ。
そんな魅力が彼女と重なって見えた。
今も梅の木を見ながら嬉しそうに微笑む彼女にも、そのたくましさと美しさがあるようにも思える。
だから、私はこの花が好きになったのだ。
「どうかしたの、トレーナーさん」
「いや、梅の花に見惚れていたんだ」
「ふふっ、トレーナーさんもすっかり梅の花がお気に入りだねぇ。あたしと一緒だねぇ」
「一緒ねぇ……。ああ、そうだ。アキュート、来年は太宰府に梅を見に行かないか」
「……まぁ、飛梅かい。一度は見に行きたいと思ってたのよ。トレーナーさんとなら、あたしはもっと楽しめそうだよ」
「楽しみにしていてくれ。あっちの梅を見に行こうか」
そう言って、手を繋いでいるアキュートを引っ張る形で進む。その彼女の手を少しばかりぎゅっと力を少し込めた。
「うんうん、楽しみにしとくよ」
アキュートは柔らかい笑みを浮かべながら、私の手を優しく握り返してくる。
そんな未来を描きながら、私達はその日、一足早い春を楽しむのであった。 - 2二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:10:27(ようやく分かったSSを書ける人は凄いのだ)35|あにまん掲示板「初めてSSを書いてみたら難しすぎて一作品完成させる事ことすらできなかったのだ。スレでハートを50近く貰う人…pixivでランキングに乗る人は雲の上の存在なのだ」 という初代の嘆きに応えて文字書き達が…bbs.animanch.com
こちらのお題の梅で書かせてもらいました。
1レスにするため、読みにくい形だったら、すみません。
- 3二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:10:45
良いね
ところで以前トプロの1レスSS投稿したか? - 4二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 20:54:01
梅の花見ってあんまり飲食はしないんだっけ?
- 5二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 21:05:38
良作をいつもありがとうございます