- 1二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:47:51
オグリキャップさんの調子を何としても落としたいのに空回りする>>1ちゃん、そしてルームメイトの>>110ちゃん、さらには二人の後輩ちゃんたちのあれやこれやを妄想して楽しむスレです。
次スレは>>190の人がお願いします。
- 2二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:49:13
- 3二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:50:22
- 4二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:51:04
- 5二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:53:51
- 6二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:55:50
イチちゃんの後輩②
名前:ドゥアスグリサリア(仮)
愛称:グリちゃん、リサちゃん
アルファベット表記:Duas Grisalia
オグリキャップ先輩に憧れている、ベリちゃんのルームメイト。
内気で臆病なお嬢様風だったり、外国からの留学生だったり。いろんな世界線のいろんな姿。
こちらも葦毛。
あとはふんわり
https://bbs.animanch.com/storage/img/2710514/6
- 7二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:57:11
- 8二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 21:59:22
わからないことは下のwikiにアクセス!
過去スレへのリンクはもちろん、SSやファンアートも詰まっています。
派生スレなど、細かいところも掲載してますので是非一度お目通しください
resanchorone @ ウィキ【7/18更新】レスアンカーワンwikiへようこそ https://bbs.animanch.com/board/255217/ を発端に、ウマ娘世界に爆誕した>>1ちゃん(仮名:レスアンカーワン)のまと...w.atwiki.jp編集のお手伝いをしてくれる方をいつでも募集しています。
- 9二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:00:05
◇ルールのようなもの◇
合言葉は「あとはふんわり」!
イチちゃんをはじめ、オリキャラたちの外見や性格、戦績などの設定、そのほかカップリングなどは全く固定されていません。
大小問わずすべての概念(妄想)を受け入れ、楽しむスレとなっています。
しかしながら、
・本家ウマ娘の二次創作ガイドラインの順守(例:直接的なセクシー表現・演出などの禁止)
・他スレなど外部への持ち出し
これら迷惑行為はしないようにお願いします。 - 10二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:14:26
立て乙保守
- 11二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:18:36
【前スレのあらすじ】
「あけおめ、イチ」
「あ、モニー。今年もよろしく」
「実家、どうだった」
「お父さんもお母さんも元気だったわ、モニーは?」
「あー……まあ、うん」
「どうしたのよ」
「いや、まあね」
「煮え切らないわね」
「色々あんの、そのへんは。それより年末の特番見た?」
「オグリとタマモ先輩の?」
「そうそう! 私、アレで特集されてたとこ行ってきちゃった」
「えっ、ホントに?!」
「いーでしょ。餅、ウマかったよ。ほら」
「……まさかアンタ、これSNSに上げてないでしょうね」
「上げるに決まってるでしょ。でもタマセンパイは上げてないから、匂わせじゃねーよ?」
「程々にしときなさいよ、もう……」
「レスアンカーワン!」
「わぁ!」
「どしたの後輩ちゃんその一」
「グレイベリコースですわ! あっ、あけましておめでとうございます」
「あ、ああ、うん」
「それより、ベリ……わたくしのルームメイトをご存じ無い?!」
「いや、知らないけど……」
「一緒に探して! 変な事してなければ良いのだけど……!」
「……なんなのかしら、ベリコース」
「まぁ、探してやろ?」 - 12二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:21:07
鏡開きで身の回りの餅を粉砕してそうなグリちゃん
- 13二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:27:18
【前回のあらすじ続き】
「Em resumo, コレがニホンのAno novoネ!」
「そのとおりだ、ドゥアスグリサリア。お餅の他にも、富士、鷹、茄子なども縁起がいいとされている」
「フジ……? リョウチョウさんのコト?」
「あはは、そうだな。確かにそう聞こえてしまうかもしれない」
「でもコレは楽しいネ!」
「『もち』ろん、食文化も用意しているぞ」
「Eu estou feliz!」
「フフフ、年始から喜ばしいな……!」
🇧🇷🇧🇷🇧🇷🇧🇷🇧🇷
「な、なんでグリサリアが、会長さんと……!?」
「……なんだお前は」
「こ、これはナリタブライアン副会長……! 申し訳ありません! 私のルームメイトが失礼なことを!」
「知らん」
「どんなお叱りでも受けますので、どうか私だけは見逃していただきたくって……」
「だから知らんと……おい、今お前、ひどいことを言わなかったか」
「あ、あけましておめでとうございますですわ」
「お、おう……新年から調子が狂うな」
了 - 14了船長24/01/31(水) 22:28:22
- 15二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:32:13
立て乙なんだ
- 16二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:43:36
ベリちゃんw
- 17二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:46:04
カイチョー
- 18二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:33:55
前スレ最後の方でイチモニが第四の壁超えてるんだ
- 19二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:37:14
イチモニをのぞく時イチモニもまたこちらをのぞいているのだ
- 2012924/02/01(木) 00:19:18
たておつなんだ
自分は前スレ167の続きを置いていくんだ - 2112924/02/01(木) 00:23:23
放課後。 あるものはトレーニングをし、あるものは気晴らしのおでかけをし、またあるものはさまざまな勉強に充てる時間。
「行くわよ、あの地方バをあっと言わせにね!」
「気に入ったのかしら、地方バって言うの」
「こーゆーとこが可愛いのよね、イチって。 ちょっと高校生とは思えないけど」
なにをー!? ごめんごめん。 と、わいわい話しながら正門で待機する3人に駆け寄る芦毛の影一つ。 オグリキャップである。
「すまないな、待たせたか?」
「お、噂をすればじゃん。 おつまるー」
「とりまモール向かおっか、どーせイチも詳しく決めてないだろうし、話しながらね」
「どうせって何よ、失礼ね! まぁ、決めてないけど!」
ぞろぞろと動きはじめる一行。 当然の質問が、驚いた顔のオグリから発せられる。
「今日、何をするか決めてないのか?」
「きめてなーい」「イチゴイチエってやつじゃん?」「いつもその時の気分で決めるわ!」
(ふ、不安だ……)
オグリは耳を垂れさせた。 それを見てギャル3人組はいつものノリに巻き込んで、少し悪いことをしたかな、という気分になった。 そのうち二人は、イチは一体何を考えているんだろうとも思った。
⏰
「すごく大きいな……」
目の前に聳え立つショッピングモールに気圧され、それでも楽しそうに尻尾と耳をそわそわと動かすオグリ。 ドヤ顔でふんぞりかえるイチ。 呆れ顔で待つギャル二人。
「どーよ! 地方にはこんなのないでしょ!」
「いや、あんたの手柄じゃないでしょ」
「コーガンムチじゃんね。 イチがそんな子だったなんて……ヨヨヨ……」
うるさいわね! といきりたつイチをよそに、オグリはぽつりと呟く。
「母さんも一緒に連れてきたいな……」
「「「………」」」
「いや、お金がないから来ても意味がないかもしれないな……」
「「「………………」」」
「どうしたんだ? 早く入ろう!」
「そ、そうね! 今日は楽しませてあげるんだから!」
えいえいおー! と気合の入ったギャル3人と、首を傾げて、急にどうしたんだ? と疑問を抱くオグリキャップであった。 - 2212924/02/01(木) 00:29:04
まとめて投げたほうがいいんだろうかと思いつつ一旦〆
イチ
よく知らない転入生が持て囃されているからと勢いで誘いに行った。 誘った相手は思ったより普通……よりちょっとかわいそう? ちょっと責任を感じて、楽しんでもらう気持ちにシフトしている。
ギャルウマ娘1
イチを可愛がっているが普通に同年代。 四字熟語は語感で使っている節がある。 今回もまぁ悪いようにはならないでしょ、と思っていたが、オグリの呟きを聞いて、ちょっと気合が入っている。
ギャルウマ娘2
今日の解散後にでも叱るか……と思っている。 幸薄そうな呟きを聞いて、まぁそんな人もいるよね、とフラットな考え。 それはそれとして出来るだけお金を使わない楽しみ方を考えている。
オグリ
純粋に楽しみにしている。 大きいモールに気を取られて、頭に浮かんだことが口から漏れた。 口から出たとは気づいてない。 別にしんみりともしていない。 - 23二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 01:33:24
人様の家庭事情に慮りを持つギャルだなんて
ええ子らや… - 24二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 07:40:38
立て乙&投稿乙なんだ
- 25二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 12:31:45
ありがてぇ
- 26二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 20:33:43
3人の根っからの人の良さが滲み出てるww
- 27二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 21:08:59
ひょっとしてギャルなのは口調と容姿だけじゃな?
- 28二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 21:18:05
見た目がバリバリ大和撫子のお嬢様チックだったらすごい刺さる
- 29了船長24/02/01(木) 22:15:46
(前スレ178~183の続きです)
ⅠⅠⅠⅠⅠ
『イチ』
『これを見てくれ』
『ずいぶん豪華なお弁当ね』
『撮影スタッフの人が用意してくれたんだ』
『取材なのに、アイドル待遇ね』
『美味しかった?』
『ああ』
『収録も早く終わりそうだ』
『だから、今日はいつもよりはやくトレセンに帰る』
『そうなの』
『だから、いつものベンチで待っていてくれ』
『一緒に寮まで帰ろう』
『分かった。待ってる』
『😸』 - 30了船長24/02/01(木) 22:30:50
オグリとやり取りした連絡の履歴は、喜んでいる猫のスタンプで終わっていた。オグリもようやくスマートフォンをうまく使えるようになって、返事の幅が増えてきた。
そんなオグリを待って、1時間くらい。座りはじめにはひんやりとしていたベンチの板もすっかり私の体温で暖かくなって、からりと晴れ渡った空を見上げる。
ひゅう、と風が吹く。冷たいけれど、まだ我慢できないほどではなかった。念のために、首元に巻いているマフラーを締めなおす。手に握っているスマートフォンだけが冷たく感じられた。
~⏱~
『早く終わる』と言っていたのに、まだオグリは帰ってこない。
追加の質問でも受けているのだろうか。それとも、スタッフの人たちの余ったお弁当でも貰っているのか。それならすぐに帰ってきそうだから、そういうわけではなさそう。
――オグリのことなら、後にごはんが待っているとわかったら吸うように食べつくして、帰り道の途中でお腹を空かせる。
そもそも、最後には寮に帰るのだから、律儀に待っている必要もないんだな、という考えが脳裏をよぎる。寒いところで凍えながら待つことはない。
けれど、オグリが学園に戻ってきて、約束した場所に私がいなかったら慌てるだろうことは想像に難くない。
私を探して学園の中をさまよって、道に迷う――なんてことはもうさすがにないだろうけど、約束したことを裏切るのは、気分が良くない。
それに、私も選手を引退して時間があるから、急ぐ必要もなかった。
これだけないないづくしなのだから、目を閉じて、ゆっくりオグリの到着を待つことにする。
私が目を閉じていても、オグリはどうせ、私のことを見つけるだろうから。 - 31了船長24/02/01(木) 22:31:30
(2レスずつ進めるのはなんだかキリが良さそうなので、これで!)
- 32二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 22:34:50
やっぱりあの中庭のベンチは聖地なんやなって
デジたんあたりが聖地巡礼してそう ご利益ありそうだし - 33二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 01:07:44
- 34二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 01:13:45
- 35二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 01:17:24
- 36二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 02:18:54
👍
- 37二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 07:38:19
ありがてぇ
- 38二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 17:37:05
素晴らしいんだ!
- 39了船長24/02/02(金) 22:24:55
意識がはっきりしてくると、私はとても暗いところにいた。目が慣れず、どこにいるのかわからない。
さっきまでベンチに座っていたはずなのに、今の私は二本脚で立っているようで、相変わらず寒かった。
周りを見回すと、見慣れた窓ガラスと窓枠の向こう側に、月が登っていた。握っているスマートフォンで時間を見ると、『2:37』と表示されている。
ここは私とモニーの寮室だ、と直感した。月がこんなふうに窓越しで見える場所を、私は他に知らなかったから。
放課後にオグリを待っていて、寝過ごした挙句、寮まで運ばれてしまったのかと思った。
でも、それなら立っているわけがない。
せめて動こうとすると、金縛りにあったかのように脚が動かない。
恐ろしいことのはずなのに、今の私はどういうわけか、何の疑問も持たずにそれを受け入れてしまっていた。
ずっと立ち尽くしていると、だんだんと目が闇に慣れてきて、パソコンを出しっぱなしにしているモニーの机が見える。
私は今、自分のベッドの前に立っているみたい。
ゆっくりと視線を下げると――そこには、私が寝ていた。 - 40了船長24/02/02(金) 22:30:37
「わッ」
思わず声が出る。しまった、と思って口を手でふさいだけど、ベッドの上の『私』は気にもせず、眠ったまま。
ショックを受けたにも関わらず、私の身体はバランスを崩すこともなく直立不動で、それもまた不気味だった。
これは夢だわ――
真夜中に自室で、まっすぐ部屋の真ん中に立ち、自分の姿を見下ろすことなんで、現実じゃあり得ない。何か意味の分からない夢を見ているんだ。
ビュウ、と吹く強い風が私を打ち付ける。
室内にいるはずなのに。
反射的に窓を見ても、当然のように閉まっている。
その風は、ゾッとするくらい冷たかった。
『起きた?』
「えッ」
『気が付いてるわよね』
ベッドの方から声がして、私はまた振り向いた。
寝ている私が、目を覚ましてこちらを見ている。
「どういうこと」
『寒い?』
「何を言ってるの」
『凍えてまで待つほどじゃないでしょ?』
普通じゃないことが起きてる。 - 41了船長24/02/02(金) 22:37:34
- 42二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 22:39:43
なんだこのホラー展開は…
- 43了船長24/02/02(金) 22:45:21
(今日はここまでです もうちょっとだけ続けさせてください)
(イチちゃんと同じ、ある日々の記憶が戻ってきた方には特大の感謝を)
(続きはまた明日……といっても投稿できるほど書けたら……) - 44二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 22:48:48
すげー懐かしい話だ
Part10とかそのくらいの頃のやつじゃなかったかな - 45二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 00:15:27
唐突にホラーはやってくる
- 46二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 02:52:07
- 47二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 08:06:41
投稿乙
- 48二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 13:32:38
色つきましたー
今日中に間に合えばいいな…… - 49二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 13:33:00
- 50了船長24/02/03(土) 16:05:48
「セーンパイ」
「おっ、なんやモニ……ギャーッ!?」
「な、なんすか」
「モモ、モニちゃん、なんやそのカッコは」
「コスメ買っちゃってお金なくて。バイトの衣装っす」
「アホ! トレーナーには言うてるんやろな」
「いや?」
「な〜にやっとんねん! 着込み、腹冷やすで」
「え〜、カワイイのに。惚れました?」
「ああ惚れた惚れた、ホンマに惚れとる。せやからそんな……色々と……見せたらアカン!」
「タマセンパイだって駿大祭の衣装で脚めっちゃ見せてるくせに!」
「あれはなんや……その……祭り事やからまた別や!」
「うわ、ズッル!」
「とにかくあかん!」
「イヤですッ」
「……ほんなら、どうしても着込まんといけんようにしたる」
- 51了船長24/02/03(土) 16:25:01
◯●◯●◯
「……タマセンパイ、サイテー」
「言う割には止めんかったやんけ。ウチかて恥ずかしいわ」
「ホントにバカ」
「アホなんかバカなんかはっきりせえ」
「噛むの、クセでしょ」
「……がー! はよバイト行き、行き!」
「……ん。行ってきまーす。ね、センパイ」
「なんやっ」
「惚れました?」
「いつだって惚れとる」
「やった」
「せやから他の連中を遊びで惚れさせ回ったらイヤや」
「……あい。ゴメンナサイ」
了
これ自分で書いたスレのルール守れてるのか????
(タマモクロス号の逸話である「噛みつき注意」の逸話をいつかやりたかった)
&
(とてつもなく妖艶で鬼衣装が似合いすぎてるモニちゃんを見て惚れ込むタマセンパイが思い浮かんでしまった)
&
(口元の表情が明らかに「誰かに見せてやろ」といういたずらっぽいものでとてもモニちゃんらしすぎた)
↑ここまで言い訳
首をはねられる用意は……あります……板から飛び降りる用意も……
- 52二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 17:34:08
- 53二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 17:34:56
モニちゃんの肌は少し不健康そうに見える色白
異論は認める!! - 54二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 20:41:08
ありがたいんだ!
- 55二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 23:21:02
- 56二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 01:29:41
おおーっええやん!!!しかし令和に鬼柄がプチ流行るとはこのリハクの目をもってしても
- 57二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 08:07:56
素晴らしいんだ!
- 58了船長24/02/04(日) 13:20:18
「うわー寒かった、ただいまー」
「おかえりー。寒いやろう思て豚汁作っててん……ん、モニちゃん、なんや出かける前より色鮮やかになっとらん?」
「どーいうことですか?」
「いや、なんもないならええねんけど」
「変なこと言ってますよ」
「ウチもそう思う。まあええか」
◯●◯●◯
「タマセンパイのせいで首元出せなくて、ずーっと上着着ることになったんですけど!」
「ええこっちゃ」
「せっかく可愛い衣装だったのにな」
「またつけたるで?」
「……つけたいんでしょ?」
「そ、そんなことあらへん」
「いいですよ」
「なッ」
「でも今度はもう少し下の方にしてください」
「先輩をからかったらあかん」
「もうつけちゃってるんだからいーじゃないですか。あ、あと私もつけたい」
「……ったく、一緒に住み始めたと思うたらすぐこれや」
「噛み癖、カワイくて好き」
「なーっ、言うなや、恥ずいやん」
「口さみしくなったら言ってね」
「アホっ」
了
- 59二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 18:37:39
👍
- 60二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 18:52:06
凄くいいな
- 61二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 20:23:42
素晴らしいんだ!
- 62二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 22:19:04
- 63二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 02:37:56
タマ噛み癖あるのか
なんだかこうh - 64二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 07:41:31
- 6512924/02/05(月) 08:05:39
とてもかわいい鬼モニイラストとタマモニSSが生まれている……作者お二人と節分に感謝
- 66二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 08:12:59
- 67二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 12:24:21
- 68二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 14:24:57
- 69二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 14:40:27
雪がえげつないほど降ってるんだ……
雪見て買い物の心配するのがイチちゃん
寒さで弱るのがモニちゃん
テンション爆上がりで駆け出すのがグリちゃん
それを必死の形相で止めに駆け出すのがベリちゃん - 70二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 18:59:44
節分すぎればバレンタイン
今年もイチモニのバレンタインが楽しみなんだ - 71二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 20:59:02
どんなチョコになりそう?
- 72了船長24/02/05(月) 21:11:10
『私』の言葉に、口をつぐむ。
私はウソつきだ。私は自分自身にウソをつくのが、とても得意だ。
得意になった方が、いろんな人たちとうまくやれるから。
『昔からバ鹿正直だったものね。どんな小さな悪事も見逃そうとしなかったりして』
「だって、その方が」
『――みんなのためになるから? いつか将来の役に立つから?』
「……そうよ。正しいことをしろって、お母さんもお父さんも、おばあちゃんたちも言ってたもの」
『でもあなたが良かれと思ってやってきたことは、周りの子たちから疎まれてたじゃない。レスアンカーワンはおカタいやつだって』
「だって……」
『ねえ、寒い?』
私は、『私』の質問に答えられず、もっと小さいころのことを思い出していた。
- 73了船長24/02/05(月) 21:14:22
宿題を自分でやらずに、誰かに任せっきりの子がいた。ちゃんと自分でやらないとダメ、って注意した。
当番制で決まっていた学校の用事を押し付けられている子がいた。それは不公平だからやめよう、って注意した。
レースの条件を相手に伝えずに始めようとした子がいた。きちんと勝負しないとダメ、って注意した。
こんなことをしていくうちに、だんだん周りから避けられるようになった。何かを正そうとするのは、本当は良くないのかもしれないと思った。
でも途中で妥協してしまったら、私の両親が、おばあちゃんたちが間違っていることになる。それはイヤだった。
だから、私は自分にウソをつくことにした。私は成長したんだって思うようにした。
風のように吹き付ける寒さは、いつの間にか、じっとりと身体にまとわりついて離れない、霧のような寒さに変わっていた。
『アイツのことを初めて知ったとき、羨ましかったんでしょ。昔の自分とは違って』
「誰のこと?」
『自分の前でくらい、誤魔化すのは止めてくれる? ぽっと出のことよ』
「……知らない」
『とっても強くて、脚が速くて、それでいて自分自身の気持ちにまっすぐで、しかも周りにそのまま伝える。言われた子たちも、それに頷く』
「それは、オグリが立派だからよ」
何とか絞りだした私の返事に、『私』はフン、と鼻で笑う。
『立派かしら? ズルいだけでしょ?』
「地方出身でいろいろなことを言われていたのに、全部跳ねのけて勝ったから」
『子供のころのあなたは同じことをして、諦めたじゃない!』
「だからって妬むのは、筋が違うわ。諦めようと思った私が悪いの」
『今さらになって、あなたの理想通りのことを見せつけてくるのよ?』
目の前の『私』が言葉を切って、冷たい空気を大きく吸う。
『あなたは、失敗して妥協して、弱かった』 - 74了船長24/02/05(月) 21:39:55
(続きはもうちょっとまってくださいね)
- 75二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 21:56:16
- 76二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:07:43
- 77二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:29:50
幼少の頃いい子になろうと真面目にやろうとすると返って煩わしがられるジレンマよな
- 78二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:30:11
そういえばイチちゃんは秀才タイプの優等生でしたね…
- 79二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:31:26
家族思いで両親とおばあちゃんの言いつけをきっちり守ろうとするあたりが幼少期のイチちゃんらしさが出てていいんだ
- 80二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:59:23
船長 wiki編集お疲れ様なんだ
- 81二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 02:00:27
入学初期のやさぐれたイチちゃんの理由はこれか
- 82二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 07:38:44
投稿乙なんだ!
- 83二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 09:24:29
唐突だけどローマンとミヤマポピーの妹コンビとイチモニの絡みが見たい
早くウマ娘になって来てくれえ - 84二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 17:40:20
楽しみなんだ
- 8512924/02/06(火) 20:11:01
>>21 の続きを置いていきますね
あまりオグリが出てこない回になってしまった……オグリ好きには謝りたい
- 8612924/02/06(火) 20:12:53
ここはショッピングモール。 シューズ専門店から服飾品店、ゲームセンターだってある、ハズレのないお出かけ先のひとつだ。 そんな場所に、姦しいウマ娘グループがひとつ。 だれあろうイチ達である。
「よし! 最初はシューズ見にいくわよ!」
「「異議なーし」」
「そ、そんなに引っ張らないでくれ、普通に歩けるんだ」
「アンタがおのぼりさんでキョロキョロして進まないからよ! いいから行くわよ!」
少し崩した制服を着こなすギャルウマ3人と、囲まれて連行される、未だ制服に着られているような印象を受けるオグリの4人はきゃいきゃいと騒ぎながら歩いていた。
「シューズにはイッカゴンあるウチが新作シューズをヒンピョーしてやろうじゃないの」
「あんたのそれは品評というかなんというか……」
「なんだかんだしっくり来るから信用してるわよ! 今日はオグリの分ね!」
「まかせんしゃい! その次は服見に行こ!」
やいのやいのと騒ぐ中、オグリがおずおずと声を上げる。
「す、すまないが今日は持ち合わせがあまりないんだ、というか、いつも……」
「あー……まぁ今日は様子見で、お気にを見つけるくらいでいいんじゃない?」
「(まぁ売り切れたりはぜんぜんするケドね)」「(シーっ)」
こそこそ話もウマ娘の耳にはしっかり聞こえたし、オグリは耳を垂らした。
⏰
シューズ専門店に着くと、ギャルウマ娘の一人が棚から靴を一足取り出して話し始めた。 目は輝いているし、顔は微笑みで固定されている。
「さてここに取り出したりますはかの有名メーカーのシンショーヒンでございます、このケーサンされたソールの厚みとゼツミョーなクッション性が憎い一品で───」
「???」
「オグリさんが完全に固まってるわね」
「普段とのギャップがすごいもんね、あの子のアレ。 なぜか敬語になるし」
「よ、良くわからないがすごいんだな」
「「あっ」」
「そりゃもう凄いってなトコロじゃ収まりませんよ! ワンオフの“勝負服”にこそ勝てませんが“まるで素足に蹄鉄が”をコンセプトにしたこの靴は、今は昔ウマ娘シェア100%とも言われるほどイッセーをフービしたモデルの───」
「??????」
「オグリさんが情報の濁流に押し流されてるわね」
「見事に地雷を踏んだわね……。 アレがおさまったら服見にいくわよ。 人が集まる前に出られたら良いんだけど……」 - 8712924/02/06(火) 20:15:13
「ひゃー、ハズいわ。 顔あっつ」
店の一角に人だかりを生み出した張本人は、テンションが戻るや否や真っ赤になった顔を、手でパタパタと煽いでいた。
「あんたシューズ屋行くたびアレするじゃん、恥ずいなら辞めたら?」
「や、アレは辞めない」
「アンタも頑なよね。 なんだかんだ聞くのは楽しいけど。 次は服見るわよ! オグリのをね!」
「服はいっぱい持っているぞ?」
ギャルウマは揃って肩をすくめ、いーからいーから、と口を揃えてオグリを連行した。
⏰
「じゃーん! このセット着てみてよオグリ!」
「こ、このシャツ、丈が短くないか?」
こっちのズボンは破れてるぞ!? 尻尾穴と似たようなものよ! つべこべ言わない! と騒々しい二人を尻目に、ギャル二人はゆったりと服を見て回りながら雑談していた。
「芦毛仲間が出来て楽しそーだね、イチ」
「そうね、芦毛の競争バはまだまだ珍しいし」
「ちょっと前も、そのせいで半笑いで絡まれてたもんねぇ」
───イチさんって選択教科、競争技術だったんだぁ
───……だから何?
───いやぁ、その毛色で珍しいなぁって思ってぇ
芦毛は目立つ。 希少さとその優美さ故に。 数が少ない故に、同じ毛色の勝ち星が少なく、“芦毛は走らない”とも言われた。 目立つ容姿、悪し様な定説とくればそう言った絡まれ方をするのも珍しくなかった。
「あの時が一番激おこだったわね、イチ」
「いや、自分を棚アゲするのはダメじゃん? マジビビりしたんだけどあの時」
「そんな古いこと忘れたわね。 あんたも忘れなさい」
「いや、“毛がクソの色だと口から出る言葉もクソになるのかしらね?”は一生忘れられんて。 仮にも指導者志望じゃん。 しかもアレのせいで二人もワケわかんない喧嘩するしさぁ」
───アンタ自分の毛色までバカにして頭おかしいんじゃないの!? アタシの好きなアンタの毛色を言うに事欠いてクソ色ですって!?
───そ、そんなこと言ってないじゃないの! イチの色がバカにされたから売り言葉に買い言葉で!
「いやぁ、あれこそ“犬も食わない”ってやつじゃんねぇ」
「忘れなさい! もう!」
ふん、とそっぽを向いて、赤面するオグリと喜色満面のイチとの合流に急ぐ彼女の顔はそれなりに赤かったし、怒んないでよぉー、ごめんてぇー、と言いながら追いかける彼女の顔はにやにやしていた。 - 8812924/02/06(火) 20:31:41
モール店内編一旦おしまい?
名無しのギャル達回でした。 ギャル……?
イチ
ぽっと出が芦毛で普通に嬉しくなっている。 作者の手を離れて全てを光で埋め尽くしていきそうな勢いになっている。
(オグリの走りパートで一回曇らせたいという闇の被害者になる予定)
ギャルウマ娘1
名無しのシューズオタク。 よくよく吟味してシューズを買うために調べていたらハマったと言う裏話。
(傍観者枠として置いている。 ギャルウマ娘2よりも実際ドライ)
ギャルウマ娘2
それなりに丁寧な話し方をするが、それなりに口は悪い。 認めないが、推しはイチ。
(なんだかんだイチオシのウマ娘になりつつある、というかこれ他世界線の……)
オグリ
ヘソだしダメージジーンズを着てくれ。 着てる。 カッコいいし可愛いような服装が良く似合うウマ娘人気一番。
(いつか「中央では“栗毛が走らない”のか?」とか無自覚に煽らせたい) - 89二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 22:01:10
- 90了船長24/02/06(火) 22:29:30
- 91二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 23:41:17
このレスは削除されています
- 92二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 00:18:43
ふむ…良いな
- 93二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 07:38:47
投稿乙なんだ!
- 9412924/02/07(水) 09:22:58
なんか違う気がするな、と自分ではおもってたので褒めてくれて嬉しいんだ
ちらっと出てきた友達ーズが好きでこの話を書こうと思い立った(魔改造済み)ので、実はイチの話というより名無しウマ二人を書きたくて書いてるんだ
イチの話じゃなくなりそうで怖いんだ - 95二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 12:34:44
- 96二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 20:35:32
このレスは削除されています
- 97了船長24/02/07(水) 20:40:37
それは違う――とは言えなかった。
トレセン学園に合格したときは、とてもうれしかった。私は速いんだ、レースで勝てるし、テレビで見るような大きな舞台にも立てると思ってた。
でも現実を見ると、もっと速くて、もっとレースで勝っていて、私はとても大きな舞台に立つことができる実力は無かった。
選手として走るのをやめた今でも、私の心に深く刺さっているその棘は、ひどく痛んだ。
『ねえ、寒い? その寒さはこれからもずっと続くわ。誰も助けることができなくて、一人で悲しむの』
打ちひしがれている私が愉快なのか、少し声色が高くなる。嫌なヤツ。
でも、こんな嫌なヤツの言いなりになってちゃいけない。
私はちゃんと成長した――それも、私だけの力じゃない。それを教えてあげないと。
「……私は」
返事をしようと口を開いた私に追い打ちをかけるように、冷たい風が強く、もう一度私を打つ。
負けないように拳を握って、お腹に力を入れる。
冷たい空気を力いっぱい吸って、自分の熱で温める。うん。大丈夫。
「私は、助けたことがあるわ」
『誰を?』
「アンタの言う『ぽっと出』よ。まだこの部屋の中にこもってるから知らないでしょうけど、アイツもびっくりするくらい負けた時があったの」
- 98了船長24/02/07(水) 20:55:47
オグリにとって苦い半年間があった。
それまでも常勝というわけではなかったし、大舞台に出て負けるなんてのは、私たちのようなレベルから見たら経験すらできないようなあこがれだ。
だけど、オグリは確かに苦しんでいた。自分の思い描いた未来は、実際の現実と離れてしまい、目標の達成なんてまるでできない結末。
もっと悪いのは、それを他の人たちからもてあそばれるように話題にされてしまったこと。オグリ自身が扱える範囲を軽く超えて、良くない言葉で返ってくる。
オグリは――その時、外から見ていても痛ましいほど、傷ついていた。
「誇って言うようなことじゃないけど、私はオグリのことを、確かに助けたと思う」
『そんなの、本人に聞いてみないと分からないじゃない――』
「聞くまでもないわ。オグリは勝ったから」
オグリキャップは、間違いなく私にとってあこがれそのものだった。
そのあこがれが、消えてしまおうとしていた。私の目の前で、消え入るその過程すらすべてを見せつけながら。
私はそれを認めたくなかった。私のワガママだったと思うし、押しつけでもあった。
アンタは凄いんだ、私ができなかったこと全部をやってきたんだ。
だからお願い。どうか離れていかないで。
あなたは、オグリキャップなんだから――
『ぽっと出が勝つところを見て、自分も走ろうと思ったの?』
「憧れていないで、ちゃんと自分の脚で走るって決めたの。過去のあなたじゃなくて、未来のあなたが後悔しないように。私ができる最後まで、限界まで走ろうって決めた。その限界はついこの間、来ちゃったけど」
『私はアイツのことを、どうにかしておとしめてやろうって思っていたじゃない――』
「私じゃないわ。私たちよ」 - 99了船長24/02/07(水) 21:04:24
私の脚は相変わらず氷のように固まっていて、やっぱり動かなかった。
けれど、もし動いていたら、この『私』の肩に触れてあげたい。きっと、『私』はずっと不安だったんだ。
「あなたも、私も、きっとどこかにいる未来の私も、限界まで走った今の私のことを、誇りに思うわ」
『私は――』
「私たちはもう一人じゃない。モニーや友達もいるし――そうそう、後輩もできたのよ」
ベッドの中の私は、目を丸くしているように見えた。
そんなに時間が経ったはずじゃないのに、今の自分よりも少しだけ純粋で、幼い様子をしてるように見えた。
遠い遠い回り道だったけど、今の私が選手として走れたのはこの子のおかげだと思うと、大切にしないといけない、とも思った。
私と「ぽっと出」がめぐり会ったのは、疑う余地なく、この『私』のおかげだ。
「ありがとう」
『どうして?』
「あなたにも感謝はしてる。私が歩んできた、私自身の一人だもの」
『私』は、ヒュッと息をのんで、私から目を逸らす。
『――ねえ、一つだけ聞かせて』
「何?」
『今は、寒い?』 - 100了船長24/02/07(水) 21:14:14
目を閉じて、身体全体に神経を集中させる。
あれだけ私を打って、まとわりついていた寒気は今ではもう、ちっとも感じられなかった。
「寒くない」
『それなら、早くここから出てって。ぽっと出が待ってるから』
「うん」
石のように硬かった私の脚は、いつの間にやら普通に動くようになっていた。
寮のドアまで歩いて、後ろを振り向く。
月明りだけが差す真っ暗な寮室だけれど、『私』が横になっているベッドの掛布団をよく見れば、規則正しく上下していた。
「おやすみなさい」
私は、ゆっくりと扉を開けた。 - 101了船長24/02/07(水) 21:23:05
◇◇◇◇◇
「――イチ!」
暗くて寒い夢から覚め、目を開けると、目の前には私と反対の色をしたマフラーを首に巻くオグリがいた。ずいぶん心配したような表情をしている。
「ああ、良かった。待たせてしまってすまない」
「私こそごめん、寝ちゃってた」
「こんな寒いところで寝ていたのか!?」
「オグリが連絡をくれなかったからよ」
実際に遅れてしまったことでばつが悪いのか、悲しそうに眉と耳を落としている。
「本当にすまない。連絡を取る暇もなくて……」
「スーパー・スターだもんね」
「そんなことない。ただのトレセン学園の生徒だ。そんなことより、熱は無いか、寒気はあるか?」
寒気という言葉に、夢の中の寮室を思い出す。
そのときとは裏腹に、今の私は本当に少しも寒くなかった。
「ううん、大丈夫」
「本当か? ウソはいやだぞ」
そう言うやいなや、オグリは私の手を取って、両手で握りこんだ。オグリの手は大きくて、とても暖かった。
何よりも、いきなり触れてきたことに驚いた身体が、私の体温を――顔のあたりだけだったけど――引き上げた。 - 102了船長24/02/07(水) 21:32:10
「こんなに冷えてしまっているじゃないか」
「手だけよ。寒くないったら」
「ウソをついてはダメだ、イチ。すぐに帰ろう」
「ちょ、ちょっと! 自分で立てるから!」
手を握ったまま私を立たせようと、オグリが引っ張り上げるしぐさをした。私はその手をほどいて、ベンチから立ち上がる。
その勢いのまま、寮までの道を歩き出す。後ろから小走りで追いかけてくる音がして、すぐ横に並ぶ。
私たちの身体は同じ方向を向いていたけど、オグリの顔だけは私のことをじっと見つめていた。
「前見ないと、危ないわよ?」
「それよりもイチの手が――」
「大丈夫だってば。確かにずっと外で待ってたし、寝ちゃってたけど、別に凍えてたからじゃ――」
凍えてた、という言葉が悪かったのか、なおさら心配そうな表情が深くなる。
「すっかり冷え切ってしまって、自分では気づいていないだけじゃないのか」
「そんなわけないでしょって――くしゅん!」
今日、学園のあちこちで聞こえていたくしゃみの音が自分自身から発せられる。
しまった、と思った。私がティッシュを取り出すよりも早く、オグリが慌てだす。 - 103二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 21:35:54
これはイチちゃんの深層心理の話なのか……!?
ちょっとブルっちゃったんだ - 104了船長24/02/07(水) 21:36:04
- 105二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 21:36:47
うおおおおイラスト付きで声出ちゃった!!!
- 106二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 21:39:32
オグリがイチの王子様に見える
- 107了船長24/02/07(水) 21:43:16
◇◇◇◇◇
正門からつながる大通りを、二人で寮へ向かって歩く。
オグリは、嬉しさと安心に、少しの恥ずかしさが入り混じったような顔で歩いている。
私は、これでオグリが静かになってくれて寮へ帰れるならそれでいいと思って、歩く。
ゆっくり歩くオグリのスピードに合わせて、私も一歩ずつ丁寧に踏み出す。
どうしてかは分からないけれど、オグリに触れている私の手の感覚は、私の頭の中いっぱいを埋め尽くして、感じたことのない変な気持ちになっていた。
歩いているだけなのに、鼓動が早い。顔だけじゃなくて、身体全体が熱くなってくる。
そういえば、今日はアキツテイオー先輩も、食堂で転んでしまったあの子も、みんな手をつないでいたな――
だから、私とオグリが手をつないでいるのは別に、何にも不思議なことじゃない。大丈夫。
寒いし困っていたら、みんな手を取り合って歩く。
そう自分に語り掛けて、歩く。
これは、私とオグリが初めて手をつないだ日の、思い出。
了 - 108二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:03:51
──暖かい
──そうか これが
──心か - 109二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:05:05
いや、やべえって!?
なんやみんな今年はロケットスタート決めすぎじゃないか!!? - 110了船長24/02/07(水) 22:30:46
そういうわけで、久しぶりのやや長イチオグSSでした。疲れたけど楽しかった
普段、SSにはタイトルを意図的につけないようにしている(自分はあくまで、レスアンカーワンというウマ娘の切り取られた日常を観測して文章に起こしているだけで、他人の人生にタイトルをつけれるほど自分は高尚な存在ではないため)のですが、今回のSSのタイトルは『手を取り合って』です。
また、今回のSSを書くにあたり、非常に多くの参考文献からお力をお借りしました。
作品または作者のお名前を、敬称略ですがいかに列挙します。感謝申し上げます。
・ビデオゲーム「タクティクスオウガ Let us Cling Together」
・本スレPart5 自分のSS(>>113~)
・漫画「ウマ娘 シンデレラグレイ」
・アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top」
・本スレPart15 王(便宜的に自分が呼ばせていただいています)のイラストと名文(>>42)
→もっと言えばこのスレの>>18さん。自分のレスアンカーワン像の根幹を練っていただきました
・競走馬オグリキャップ号 競走成績
・Goto氏のあり得ないくらい本当に素敵なイラスト
- 111二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:40:33
お疲れ様です船長
いいもんが見れました - 112二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 07:37:40
投稿乙なんだ!
- 113二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 12:36:31
お疲れ様なんだ!
- 114二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 12:53:14
- 115二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 19:14:09
- 11612924/02/08(木) 20:28:51
- 117二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 20:32:44
- 118二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 22:57:30
GOTO先生、絵巧すぎんだろ……
- 119二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 01:18:01
いい…よすぎる…
- 120二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 02:22:33
うおすっごい熱量!待ってくれないか言葉の洪水をワッと浴びせかけるのは(画像略
- 121二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 07:35:31
すごいんだ…!
- 122二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 13:20:55
- 123二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 15:38:52
👍
- 124了船長24/02/09(金) 20:40:52
これすごいっすよね……実はこの絵をいただいたのは去年の4月19日で、用意された挿絵のあるSSをいつか書きたいなという夢をかなえてくれました。でもイラストのパワーが高すぎて約1年も練ることに……実力不足。
もしよろしければSSR友人サポカ「レスアンカーワン(オグリキャップ)」バージョンもどうぞ!
オマワリサン。
レスアンカーワン(仮)、相当魅力的なキャラなんですよ。自分も狂わされて3年目です。 3年目!?!
今思うと、心の中の弱い自分と対話するっていうのす~~~ごい陳腐かも……と思って不安になっています。もっと言えば初めての人向けなSSじゃないですよね(事前知識が必要なため)
でも冬を季節において、「寒さ」を色々な暗喩やバックボーンに使えたのはちょっと上手かったかな、って自画自賛してます! 自尊心高めていけ(
Gotoさん、可愛いだけじゃなくて肉体もきっちんと描かれるのが本当に大好きで。オグリキャップさんのアスリートっぽい筋肉質なふくらはぎや、イチちゃんの太もものあたりがマジで「イイ」んですよね……素敵……
実際がっつりな文章と一口サイズの概念的なものって、どっちが良いんでしょうか……たまにはこういうのがあってもいいと思うんですけど、読むの疲れちゃいますよね
- 125二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 20:44:54
>実際がっつりな文章と一口サイズの概念的なものって、どっちが良いんでしょうか……たまにはこういうのがあってもいいと思うんですけど、読むの疲れちゃいますよね
どっ゛ぢも゛欲じい゛です゛っ゛!!!!!!!(血涙
- 126二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 07:42:25
がっつりな文章も一口サイズの概念的なものも両方ください!
- 127了船長24/02/10(土) 08:20:50
頬が切れそうなほど寒い日。
通常の日程よりもコンパクトに全体トレーニングが終わる短縮日程となり、空からちらほらと白く輝く粒が舞い降りてくる。
あちらこちらで年相応に「雪だー!」と盛り上がる子たちと、うわあ雪かぁ、と地元を思い出して肩が重くなる子たち。
そんな中、イチちゃんが雪のかけらをを頭のてっぺんに乗せたまま寮に戻ると、オグリさんが出迎えしてくれる。耳の間に積もった雪を優しく払いながら「みぞれ鍋みたいで可愛いな」とつぶやく。かわいい、という言葉に顔を赤くしてうつむくイチちゃん。
後から思い出して「みぞれ鍋ってどーいうことよっ」とつっかかる。
(いちイチコピペ保守) - 128二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 17:36:04
可愛いんだ!
- 129二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 21:15:12
いい概念でした
- 130二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 21:20:43
- 131二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 00:06:29
好きだな、こういうの
- 132二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 00:08:19
オグリ以上の逸材感がある…
- 133二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 00:13:33
天真爛漫な子って食いしん坊キャラとか似合うよね
- 134二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 08:09:22
食べ過ぎ注意
- 135二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 18:14:35
かわいい!
- 136二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 19:25:26
お疲れ様
- 137二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 20:51:02
このレスは削除されています
- 138二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 23:59:38
バレンタインの日にオグリにチョコを渡そうとするも緊張と照れでなかなか渡せないべりちゃん概念
後手にチョコ隠してうつむきながら顔真っ赤にしてるといいよね - 139二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:00:46
- 140エスコンの人24/02/12(月) 00:12:33
- 141二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:15:58
- 142了船長24/02/12(月) 00:28:50
!!!!!! 気づかなかったです……ありがとうございます。お手間をおかけしました
皆さんもどんどん書いていってくださいまし!!! もちろん楽しんでるんですけど、独占してるみたいでやや申し訳なさがあります
- 143二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:37:35
今日、ふと2chまとめにあった「嫁に愛してるって言ってみた」ってスレを見ていたんだ
言う側なのか言われる側なのかわからんけどイチちゃんたちもこんなシチュエーションになったらどうなるんだろうか
- 144二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:38:55
- 145二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:39:52
- 146二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:48:33
いいだろ? 急2chの名作スレだぜ?
- 147了船長24/02/12(月) 01:34:31
「最近、イチが私の手を取ってしきりに『好き』と伝えてくるんだ」
「ええ、そうなの? 実は、僕の奥さんも同じことをよくするんだよ。遺伝だなあ」
「そうなのか!」
「うん。やられっぱなしだと悔しいから、たまに手を握り返して「愛してる」って言ってる」
「そ、それは……お義父さんはすごいな。私は……恥ずかしい」
「僕もいまだに恥ずかしくて。でも、効果はてきめんだと思うよ。ワンちゃん、うちの奥さんに似てきてるみたいだし。」
「そうか……」
「いたずらのつもりなんだろうね。実際、言われるとこう、ドキッとしてしまうし。付き合ってる頃からそうだったの?」
「ううん、本当に最近からだ」
「そうかあ。お互い頑張ろう、なんてね。お茶、もう一杯飲むかい?」
「うん。あっ、もしできるなら、梨も貰えないだろうか」
「もちろん、食べてもらわないと困るくらいあるよ」
ある休日、イチちゃん実家にて。何故かウマが合うイチちゃんパパとオグリさん。
- 148了船長24/02/12(月) 01:41:25
あっ、これも過去のいちイチからのコピペです!!!!!!!(去年の3月頃のやつでした)
こんなネタ昔書いたな、と思って検索したらやっぱりありました。一回分の保守を消費しちゃったけど共有するなら今だなって思いまして……
元々が牡馬なオグリキャップ号なので、イチちゃんパパと話が合うと面白いなという妄想&「馬は母親に似る」と発言した武豊騎手の言葉を組み合わせた結果でした
成長するにつれ、だんだん強かで優しく、でもちょっとイタズラ好きなイチちゃんママに似ていくイチちゃん、素敵じゃないですか??? あと身体の特徴とかも……
気に入ってるので、自分の中ではこの思考をベースにウマ娘世界を妄想しています - 149二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 01:51:00
- 150二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 12:25:59
かわいいねぇ!
- 151二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 17:04:21
ノースフライトちゃんのサポカシナリオみてイチモニと絡んで欲しい欲が湧いてきたんだ
ファッションリーダーな彼女にコーディネートされた二人の姿が見たすぎる - 152二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 23:09:21
- 153二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 23:52:41
間違えた仰ぐじゃなくて扇ぐや
- 154二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 00:02:24
- 155二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 07:39:40
なかなか可愛い
- 156二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 08:48:52
紙装甲なのに自爆技を使うのがモニちゃんであり混乱させて得意げになりながらたまに攻撃を喰らうタイプ
- 157二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 12:30:11
相変わらずなんだ!
- 158了船長24/02/13(火) 20:54:49
(前略)
ところでイチちゃんはレースゲームをすると身体も一緒に曲がりそうなタイプだし、モニちゃんはチーム対戦ゲームでIGLしながら大キャリーをたま~にかませるくらい上手そう。
とはいえイチちゃんはゲームより他のことで時間を潰す(本を読んだり友達と話したり)のがメインで、逆にモニちゃんはゲームのために時間を作りそう。
ベリちゃんは勝つと心底嬉しそうにするし、負けると勝つまでやる。どんなに遅くなっても勝つまでやめようとしない。上達は悲しいことにちょっとだけ遅い。
グリちゃんは反応で勝つ。目と指が連動しているかのようにすぐ動ける。日本語のルールはいまいち理解できないけど、生来の「どうにかなるさ」という楽観的な姿勢と、リスクよりもリターンを重視するので、最後に「なんか勝ってる」ことが多い。嬉しそう。
(いちイチコピペ&追記保守) - 159二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 22:19:16
- 160二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 22:35:25
- 161二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 22:55:22
- 162二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 23:02:31
- 163二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 07:39:24
投稿乙なんだ!
- 164二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 12:31:40
お仕事お疲れ様です
- 165二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:55:32
バレンタイン……うう……バレンタイン……
イチちゃん……チョコをちょうだい…… - 166了船長24/02/14(水) 22:22:25
「――おいしい。クリークさん、どうやってこんないいレシピを仕入れるんだろう」
「やっぱり、料理の若き天才、なのかな」
「いけない、行かなきゃ。『洗い物残したままでごめんなさい』――っと」
「クリークさん、ごめんなさい、行ってきます」 - 167了船長24/02/14(水) 22:22:37
◇◇◇◇◇
「……ほっ、ほっ」
「おつかれさま」
「おはよう、イチ」
「ん、おはよ。今日はちょっと遅かったじゃん」
「ああ。実は、いつもすれ違う、犬の散歩をしているおじさんからお菓子を貰って……待ってくれ」
「どうしたの?」
「前にもこんな話をしたような気がするんだ」
「あー……そりゃあ、するかもね」
「そうなのか? どうしてだろう」
「今日は2月14日でしょ」
「……そうか!」
「そうよ」
「煮干しの日だな!」
「バカっ」
「冗談だ、すまない」
「あーあ、煮干しをおかずにすればよかった」
「それもおいしそうだな」
「今日の分、いらないってこと?」
「あっ、ち、違う!」
「座って食べましょ?」
「待ってくれ、イチ……」
了 - 168了船長24/02/14(水) 22:25:44
- 169二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:31:01
多くのオグリが海に駆り出しちゃう……
- 170二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 03:20:01
以前もバレンタインssでお弁当出してた記憶があるんですねえ
- 171二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 08:12:58
- 172二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:44:20
このレスは削除されています
- 173二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 20:44:48
でもこのオマワリサンは逃げるじゃん
- 174二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 07:37:20
食べ過ぎ注意なんだ!
- 175二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 12:30:39
あっという間に売り切れそう
- 176二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 22:35:02
この世の何所かってどこにあるのよおおおおおおおおお!!!
- 177了船長24/02/17(土) 08:08:05
- 178二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 08:08:20
どこにも無いならあなたが作るんだ!
- 179二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 08:47:33
ありったけの金をかき集め、捜し物(料理)を探しに行くのさ
- 180二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 13:48:26
ほうほう後で覗いてみるぜ!
- 181二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 20:48:23
ありがたいんだ!
- 182二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 21:59:38
もしかしたらあるかもしれないイチちゃんのIF世界線
いつも通り友人たちとカフェテリアで談笑を楽しむイチちゃん
世間はすっかりクリスマスと有馬記念で話題が持ち切りになっていた。
晴れて自身もOPウマ娘になったものの自分には到底縁のない話だなと思っていると、友人の一人からふざけた調子でイチも出れるんじゃない?と言われる。
そんなわけないでしょと一蹴するものの憧れがないと言えば嘘になる。なにせ、アイツと同じ舞台に立つということだ。かつて、アイツが何度も駆け抜けたレースを自分も走る。
それはどんなに素晴らしいことなのだろう。有馬記念を走る自分の姿を想像していれば、カフェテリアの扉が勢いよく開かれて周囲の視線を一挙に集める。
自分もそちらに目をやってみれば馴染のある男性──イチちゃんのトレーナーが肩で息をしながら立っていた。
あまりの出来事に困惑していると、イチちゃんの姿を捉えたトレーナーはヘロヘロになりながらイチちゃんの下へとやってくる。
困惑するイチちゃんをよそにトレーナーは手に握っていた書類をイチちゃんに見せてきた。
そこに書いてあったのは有馬記念の人気投票結果であった。錚々たる顔ぶれの中、上位10人の中に馴染みのある名を見つけて戦慄する。
それもそのはずその馴染のある名前は──
続きはwebで - 183二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 08:06:27
投稿乙なんだ!
- 184二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 14:24:31
誰の名前なんだろう…?
- 185二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:58:00
もしかしたらあるかもしれないイチちゃんのIF世界線その2
上位十名のうち最下位にではあったもののそこに書かれていた名前は紛れもなく自分の名であったイチちゃん。
なぜ? どうして? と疑問が渦巻くのもよそに友人たちやトレーナーは大はしゃぎで称える。
気づけばカフェテリア内にいる娘達がお祭り騒ぎの状態で誰も彼もが両手で拍手を送ってくる。
突然の自体についていけないイチちゃん。
それからというものどこへ行っても調子の狂う日々。
馴染の商店街に顔を出せば店主や店員から応援の声や 有馬記念選ばれてよかったな! だの、投票した甲斐があっただの。どこへ顔を出しても期待の声。
クラスのみんなはもちろんのこと、オグリとタマやイナリ、クリーク、ブラッキーにチヨノオー、ヤエノ、アルダン、バンブーといった面子から応援の声が送られた。(ブラッキーからは半ばやけくそ気味なのとどこかこっちを気遣ったものであったが)
突然世界が変わってしまったかのような状態、寮に戻って部屋で一息ついている頃。背中からモニーの一声が。
「平気なの?」 どこか不安そうな声に対してイチちゃんは「どうってことないわよ」といかにも強気に返して見せるのだった。
──震える膝を隠しながら。
記録はここで途絶えている。 - 186二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 20:11:08
- 187二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 00:22:26
もしかしたらあるかもしれないイチちゃんのIF世界線その3
イチの様子がおかしい。そう一番に気付いたのはオグリだった──きっかけはイチと同室のモニーからの相談だった。
といっても、モニーから直接イチの様子が変だと聞かされたわけではない。モニーから相談ついでに頼まれたのは、イチのことだから張り切りすぎて無理をしないように注意しておいてくれといったものだった。
頼まれた当初、オグリもイチの念願だったG1レース出走に湧き上がっており自分のできることで役に立ちたい思いでいっぱいだった。
明確に異変に気づいたのはいつものようにお弁当を堪能している時だった。いつものやり取りとしてはお弁当に舌鼓を打ちながら他愛のない会話をしていたのだが、その日はオグリがなにか言ってもイチ自身はどこか遠くに思いを馳せているかのような上の空。会話を聞き逃す素振りが目立つ。
おまけにぜったい普段はしないような卵焼きに殻が僅かに混ざっていたり漬物が切れておらず繋がっていたり。
特に目を引いたのはイチの指先。真新しいバンドエイドが巻かれていた。
有馬記念が不安なのだろうか。オグリがそう聞くとムキになって否定するイチ。大丈夫だからそう言って立ち上がると足早に去っていくイチ。
握りしめた拳が震えているのをオグリは見逃さなかった。
【体験版はここまでとなっています。続きは本編で】 - 188二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 00:26:27
実力不足なのに何で選ばれたのか分からず葛藤してそうなんだ
- 189二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 07:38:44
投稿乙なんだ!
- 190了船長24/02/19(月) 17:49:09
- 191二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 17:50:41
このレスは削除されています
- 192二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 19:05:52
立て乙ですー
- 19312924/02/19(月) 19:31:18
- 194二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 20:30:01
うめうめ
- 195二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:07:39
埋めるか
- 196二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:07:39
- 197二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:31:50
- 198了船長24/02/19(月) 22:47:06
「ダメだ、ダメだウーナ、気をしっかり持つんだ」
「見て、シャペウ。星がとってもきれいよ」
「傷は浅くない、私がすぐにフォルクサの病院まで連れて行くから……」
「もういいの。私はあなたに出会えて、ここまで一緒に過ごせて。とっても幸せだったわ」
「それ以上ものを言ってはいけない。そうじゃないと――」
「……」
「――」
「『星に吸われて』よ」
「そうだ、ありがとう、イチ。星に吸われて――」
「待った! オグリ、またセリフ忘れたでしょ!」
「すまない……」
「もう少し早く言い出せば良かったわね」
こんな感じのイチちゃんたち用お芝居脚本を書きたいな~ってずっと思ってます。おそらく手につくことはないだろう……(埋め) - 199二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:57:58
オグリとイチちゃんで【銀河鉄道の夜】みたいな劇やってくれたら泣ける
- 200二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 23:07:05
200ならIFストーリーハッピーエンド