TOUGH ◇ニンジャを殺す男◇

  • 1二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:32:34

    (これまでのあらすじ)
    R国暗黒エージェントの手練れニンジャ、ハイパーボーンとの激戦を制したニンジャスレイヤー
    ニンジャスレイヤーはハイパーボーンから奪い取った機密USB巻物を解析してもらうため
    協力者の元へ向かうのであった

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:33:42

    「KGB出身の首相って…ま…まさか」
    「すべては悪魔のようなあの男が仕掛けたこと」

    重金属酸性雨の雲に覆われたネオコウベの空は、月光を全く通さない。
    代わって地上を照らすのは、互いを押しのけあうように設置されたネオン看板の、誘蛾灯めいた輝きばかりである。

    バイオイノシシやバイオタヌキが跋扈する、ナダシンカゲ・ドーの廃ドージョーにて、
    ニンジャスレイヤー…ミヤザワ・キイチは、協力者であるヤバイ級ハッカー、
    ソンオー・ニーから告げられた事実に愕然としていた。

  • 3二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:35:30

    「つまり…”あの男”はニンジャだと?」
    「その可能性は高いだろうな。そもそも傀儡ではなく、名実ともに国のトップにのし上がりたいなら、ニンジャとしての強さが無ければ到底無理だ。
    だが、今回の要点はそこではない。
    R国のトップを殺すのは、流石のニンジャスレイヤー=サンでも相当骨が折れるだろう」

    「そこは関係無い。ワシはニンジャを殺すだけやからな。地位や難易度は無関係や」
    なんたる増上慢!だが、ニンジャスレイヤーの眼光に宿る鬼めいた光を見れば、それが虚勢や妄言で無いことは明らかだ。
    ニンジャ殺すべし。慈悲はない。抑えきれぬ憎悪が陽炎めいてニンジャスレイヤーの周囲を歪める。
    互いに深い信頼関係で結ばれている筈のソンオーですら一瞬怯むほどの気迫。

    「……やけど、今回の件はそこやないな…
    詳しく聞かせてくれ。なんやねんその”Gシリーズ”って
    ワシは知らんで!」

    「冷静になってくれて助かる。ただ…Gシリーズについて得られた知識はそう多くない」

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:35:34

    シトカ…?

  • 5二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:37:33

    機密USB巻物には恐るべき内容が記されていた。
    すなわち、暗黒メガコーポであるヨロシサン製薬とR国が手を組み、
    クローンニンジャ”Gシリーズ”を製造、販売せんとする、共同極秘プロジェクトの詳細が!

    R国大統領の素性はその過程で得られた情報だ。
    機密USB巻物に同封された契約書PDFには彼のハンコが押されていたが、その印影は斜め45度のお辞儀をしており、そのうえカラテ粒子の残留すら認められた。すなわちニンジャだ。

    「クローンヤクザにニンジャソウルを憑依させる。
    普通ならニンジャソウルの影響で自我が強まるから兵隊としては扱えないが、
    ”Gシリーズ”はその欠点を強靭な肉体と調整したニューロンで補うらしい。
    …つまり、クローンヤクザニンジャの誕生だ」

    ソンオーはそこまで一息に説明すると、改めてその計画のおぞましさに身震いした。
    かつて江戸大火を引きおこしたアケチ・ニンジャは、
    自らに従うモータルへと桔梗の紋を刻み、ゲニン・トルーパーとして使役したという。

    クローンヤクザニンジャが広まれば、その脅威度は当時とは比べ物にならないだろう。
    ニンジャソウル憑依者は強弱の差こそあれ、実際ニンジャなのだ。
    そのうえ、クローンヤクザ特有の圧倒的な統率力!

    「そんなことになれば、社会はますます強者に抑圧される事になる。すなわち暗黒メガコーポと…」

  • 6二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:40:25

    「ニンジャや。
    クローンヤクザニンジャを制御するのはニンジャしかおらん。
    結局、この計画で一番得するのはニンジャなんや」

    「そういう事だ。正義を愛するジャーナリストとして、この件を看過はできない。
    そしてニンジャスレイヤー=サンとしても、ニンジャの増加は見過ごせない事案というわけだ」
    ”正義を愛する”という言葉に悪戯っぽい笑顔を浮かべるソンオー。

    「幸いにして、G計画の根幹を成す最重要遺伝子キーはまだ受け渡し前…
    つまり、ここでそれを阻止することが出来れば、Gシリーズは台無しだ。
    そしてその受け渡し地点こそが…」

    いつしか重苦しい重金属酸性雨は降りやんだ。
    晴れることのないマッポー級大気汚染雲の下を、
    マグロツェペリンの無機質な漢字サーチライトが煌々と照らしていた。

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:42:36

    ネオコウベ郊外、キョート共和国との緩衝地帯でもあるヒラカタ・グラウンドは、
    電子戦争の傷跡を大きく残す過酷な環境だが、
    それだけに暗黒メガコーポの支配が及ばぬある種のアジールと化していた。
    マッポーの世らしからぬ安穏としたアトモスフィアは、
    かの岡山県に存在するシズカガオカを彷彿とさせる。もっとも、そこに立ち並ぶ建物はおしなべて新しい。

    キョート共和国との小競り合いは時折勃発し、
    そのたびにこの荒野はバンザイ・ニュークやアンタイ地上ミサイルの暴威に晒されてきた。
    築かれた人々の営みはその度に灰燼と化し、
    紛争が止めばすぐさまテクノピューリタンやシュゲンシャ、
    あるいは都市に病んだ哀れなマケグミ・サラリマンたちによって小さな村が築かれる。

    短いサイクルで崩壊と再生を繰り返すヒラカタ・グラウンドは、
    さながらブディズムにおけるサンズ・リバーのほとり、賽の河原の石積みめいた、
    01へと帰す為だけの無為無限の営みである。

    故に、そこに住む彼らもまた、生活のための終わりなき労働に従事せねばならないのだ。
    いつ降るともしれぬ重金属酸性雨に一喜一憂し、言葉の通じぬバイオ動物に餌をやり、
    ”旅先では恥ずかしいほど楽しい”を実践する観光客への対処に心を砕く。
    それでもなお都市における暗黒メガコーポの歯車として、精神をすり減らす不快とは比ぶるべくもないが。

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:44:56

    そんな中にあって、寒村テンオージヴィルにおけるこのバイオ動物園は一応の成功を見たと言っていい。
    安い土地代と天然のバイオ植物による、本来の生息地にそっくりな飼育エリア。
    オイラントレーラーの騒音やコケシツェペリンによる喧しい宣伝広告が届かない静かな環境。

    昼夜を問わず地上を照らすネオンの明かりから解放され、
    太古から続く昼夜のリズムに包まれたバイオ動物たちの健康状態は実際良い。
    村内で収穫された飼料は輸送や選別にかかるコストをほぼ0にまで抑えられ、
    来園者たちに”体験”と称して業務の一端を任せることでさらなるコストカットにも成功していた。

    ネオコウベから数時間で来園可能なこの自然豊かな動物園は、
    週末ともなれば近くの村に住む家族連れや、
    ようやく取れた休暇を家族サービスに費やすサラリマンたちで素晴らしい賑わいを見せる。
    実際テンオージヴィルの現金収入のほとんど8割を占めるほどの盛況ぶりだ。

    「バイオ水牛ヤッター!」「むくむくでかわいいねえ」
    「鹿センベイの購入はこちらドスエ」園内を巡回するセンベイ売りオイランドロイドの後ろを、
    安全性に配慮して角を切り取られたバイオ鹿が抜け目なく付き歩く。
    「アイエエエエ!」

  • 9二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:46:44

    センベイを購入したばかりの女子高生にバイオ鹿が殺到!
    彼女が購入したセンベイは瞬く間に粉クズと化し、
    地面に散らばった破片をバイオ鹿が奪い合う。
    連れだって来ていた友人がその姿に笑いをこらえきれず吹き出した。
    都会の喧騒から少し離れれば、人々の荒んだ心にも一筋のさわやかな風が吹く。
    この時ばかりはと、皆ひとときの平穏を心から満喫しているのだ。

    中でも園長サルワタリの肝いりで建てられた、園の四隅にある四聖獣・ケージは、ひときわ人を集めている。
    バイオイーグル。タコ。ドラゴンに代わるのはネオサイタマの下水道で捕獲されたアルビノワニだ。
    東西南北に対応する動物をディスプレイした奥ゆかしい展示は実際ポエットで、
    IRC-SNSでもしばしば話題になる動物園の目玉である。

    そしてゴリラ!15フィートはあろうかというその威容は見るものを圧倒し、また魅了する。巨大な獣だ。
    タマチャン・ジャングルの奥地に生息するゴリラはその巨体に見合わぬ温和な性格と優れた知性で知られており、
    老若男女を問わず人気の動物である。

    コンクリートと堀で区切られた展示スペースで、悠然と歩き回る巨大動物の迫力に人々も大興奮。
    「ゴリラおおきいねえ」「自撮りしたーい!」
    IRC端末を手に柵に腰掛け、ゴリラとの撮影を楽しもうとする観光客。

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:48:34

    「全く…面倒を増やしてくれる。
    ドーモ、ゴリラ=サン、ゴールデンムーヴです
    …フフフ…なんてなぁ…!」

    「アイエエエエ!?」「ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」
    「アイエエエ! アイエーエエエエエエエエエ!」

    突然現れたニンジャの姿に、観光客たちはたちまちNRS(ニンジャリアリティショック)を発症!
    平穏で長閑なバイオ動物園は、たちまち悲鳴を上げて逃げ惑う哀れなモータルの展示場と化した。

    パニックをおこす人々を愉快そうに眺めながら、ゴリラの前に落ちたIRC端末を拾いに行くゴールデンムーヴ。
    突然の闖入者を前に、ゴリラはしかし動じず、頭を下げ、そして…ゴウランガ!
    手を合わせ、確かに今、名乗りらしきものをあげたのか!?

    「俺なんかが手を使わずとも、狂ったモータルを処刑する技なんて…
    あん…?なんだその動き…!?まさか…アバーッ!?」

    皆さんの中にニンジャ動体視力をお持ちの方がいれば、
    この瞬間ゴールデンムーヴの身体を吹き飛ばした衝撃の正体を確認できたかもしれない。
    それは怒り狂うゴリラの巨岩のごとき拳であり、
    一方的な挨拶…カナリ・シツレイな行為を咎める制裁であり、
    ゴリラの正体を見抜けなかったサンシタへの手痛い罰であり…

    「AHRRRRRRRR……!AHAAAAAAAA!」

    「アバーッ!!アババーッ!!!」

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:48:47

    な…なんやこの見事なテキストカラテの業前はギュンギュン

  • 12二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:50:06

    「Wasshoi!」

    勝利の雄たけびと哀れなニンジャの断末魔を切り裂いて、赤黒の旋風がエントリーする。
    槍のごとき飛び蹴りがゴールデーンムーヴのカラダをも切り裂き
    「サヨナラ!!」
    爆発四散するニンジャの後ろから飛び来たった死神は、鬼めいた眼光でゴリラを睨めつけながらアイサツした。

    「ドーモ、ゴリラ=サン、ニンジャスレイヤーです」
    「AHOOOOOO…ドーモ=ニンジャスレイヤー=サン…タフゴリラ…デス…」
    手を合わせ、頭を下げる古式ゆかしい挨拶。
    ニンジャの…ゴリラ!
    森の賢者たるゴリラに、ニンジャアニマルのソウルが憑依したのである!

    「Gシリーズの名を聞いたときにもしかしてと思ったけどやねぇ…
    まさか本当にゴリラの…それもニンジャゴリラの遺伝子を使うとは…!」
    「AHROOOOO!AHRRRRRUUUUU!!」

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:52:07

    (((グググググ…でかしたキイチよ!!目の前のケダモノに憑依したニンジャソウル、ゴリラ・ニンジャのもので相違なし!キンボシ・オオキイ!)))
    ニンジャスレイヤーの目が鬼めいて真っ赤に輝く!
    彼が宿す内なるニンジャソウル…キリュウが獲物を前にして、その自我をニューロン内で炸裂させ始めたのだ!

    (((ゴリラ・ニンジャはビッグニンジャ・クランに仕えたニンジャアニマル。
    その腕の一撃は一振りであらゆる手練れをも粉砕したという…
    グググ…オレにカラダを貸せい!一度闘ってみたかった相手…)))
    (((黙らんかいキリュウ!)))

    憎悪を糧とした赤黒い炎がニンジャスレイヤーのメンポから漏れ出す。
    一触即発の張り詰めたアトモスフィアのなかで、先に仕掛けたのはタフゴリラ!!
    「AHROOOOOOOO!」
    「イヤーッ!」

    猛烈な腕の一撃を3連続側転で回避すると、その隙を狙い決断的にスリケンを投擲。
    対するタフゴリラは振りぬいた腕を支柱に半回転しスリケンをよけると、勢いを載せてドロップキックを繰り出した!

    「AHROOOOOOOOO!」
    「グワーッ!」
    両の手を交差させ受け止めるニンジャスレイヤー。
    ドウグ社製品のブレーサーが嫌な音を立てて軋み…砕ける!

    「グワーッ!」なんたる破壊力か!ガードの上から圧倒的なダメージを受けたニンジャスレイヤーは、受け身を取ることもかなわず吹き飛ばされ、展示場の壁に激突した!

    (((バカ!ウカツ!ゴリラ・ニンジャのカラテがゴリラに宿る、これすなわち100倍のゴリラカラテ也!
    それを見切れず愚かにもガードするなど…やはりオマエには任せておれん!替われいキイチ!!)))(((まだや!)))

  • 14二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:54:20

    ネックスプリングで体を跳ね上げると同時に再度スリケンを投擲するニンジャスレイヤー。
    追撃に腕を振りかぶっていたタフゴリラは、やむなく腕を下してこれをガードすると、その巨体を活かしたまま肩を怒らせ突っ込んでくる。
    恐るべき暗黒カラテ、ボディチェックだ!

    「イヤーッ!」「GROOOO!「イヤーッ!」「GROOOOO!?」「イヤーッ!」「GROOOOO!」「イヤーッ!」「GROOOOO!!」「イヤーッ!」「GROOOOOOOOーーーッ!!」

    しかしニンジャスレイヤーは地面スレスレにスライディングすることでこれを回避。
    そのまま後ろ足でタフゴリラの腰を蹴ると、その勢いのまま3回転しつつ連続蹴りを叩き込んだ!
    側面からの衝撃に思わず倒れるタフゴリラだが、ニンジャスレイヤーの手ごたえは薄い。
    圧倒的な筋肉の鎧が衝撃を吸収してしまっているのだ。生半な攻撃では致命傷を与えられない!

    「AHROOOOOO!」
    起き上がったタフゴリラが、再度ニンジャスレイヤーへと突進。
    再び右腕を振り上げ、突進の勢いを加えたラリアットだ!

    ニンジャスレイヤーはこれをブリッジで回避すると、
    再度がら空きになった背中に蹴りを…いや、背中を蹴り上げ駆け上る!
    一呼吸の間にタフゴリラの頭上を取ると、そのまま足を振り上げ脳天へと踵を振り下ろす!
    「グワーッ!」

  • 15二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:56:25

    だがしかし、タフゴリラは首をずらすことで被弾個所を肩口にずらす!
    さらに直後、首を横にすることでニンジャスレイヤーの足首を抑え込んだのだ!ワザマエ!
    (((逃れよキイチ!このままでは…)))

    「AHROOOOOOO!!!」「グワーッ!!」
    身動きの取れなくなった左足をつかみ取ったタフゴリラは、
    そのままヌンチャクめいてニンジャスレイヤーを振り回す。

    「AHROOOOOOO!」「グワーッ!」「AHROOOOOOO!」「グワーッ!」「AHROOOOOOO!」「グワーッ!」「AHROOOOOOO!」「グワーッ!!」
    何度も地面にたたきつけられるニンジャスレイヤーになすすべ無し!
    鬼めいて残像を残していた彼の眼から徐々に光が失われていく。

    「AHROOOOO!!」
    勝利を確信したタフゴリラが、
    宙吊りにしたニンジャスレイヤーへと、とどめのセイケンヅキを繰り出した!
    「AHROOOOOOO!」

    その時…おお!ゴウランガ!ゴウランガ!
    白く濁っていたニンジャスレイヤーの目に再び火が…それも鬼めいた憎悪の炎ではなく、
    ナダシンカゲ・ドー15代目当主のカラテの火が灯ったのだ!

  • 16二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:58:04

    「イイイィヤッシャアーーーーッッッ!」
    ナダシンカゲ・ドー奥義、弾丸滑り!!
    体を捩じり、敵からの攻撃を受け流すナダシンカゲ・ドーの奥義によって、
    殺人的なセイケンヅキの威力をすべて受け流す!受けて…流す!
    「GROOOOOOOO!!?!?!?」

    セイケンヅキの威力をすべて回転エネルギーと変換したニンジャスレイヤーは猛烈な勢いで回転!
    ニンジャスレイヤーを宙吊りにしていたタフゴリラの左手が、捩じれ…千切れた!
    ”勝っている時がアブナイ”剣豪ミヤモトマサシの言葉を
    果たしてこのニンジャアニマルは知っていたであろうか!?
    「イイイイイイイヤァァーーーーッ!!!」

    解放されたニンジャスレイヤーはさらに回転!回転!!回転!!!
    逆立ちの体制のままに両手を組み換え、ゴリラカラテとナダシンカゲ・ドーのパワーを重ね合わせさらに回転!!
    (((グワハハハハハ!100倍ゴリラカラテにナダシンカゲ・ドー、そしてオレのカラテをかけ合わせれば破壊力はさらに倍!10000倍のカラテ也!)))

    「GROOOOOOOO!!!」
    左腕をねじ切られたタフゴリラが放ったヤバレカバレの右ストレートを
    赤黒のつむじ風めいたニンジャスレイヤーは半回転飛び上がって回避。
    中空で体を捻り、極端な前傾姿勢で着地すると…

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:58:30

    なにっスレ画の一発ネタじゃない

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 22:59:33

    メイアルーアジコンパッソ!何十回もの回転によって遠心力とカラテの凶器と化けたニンジャスレイヤーの右足が
    タフゴリラの頭部を捉え、その首を刈り飛ばした!
    「GROOOOOOOO!!!……サヨナラ!」

    首から上を失ったタフゴリラの巨体が爆発四散し、コンクリートの展示スペースに断末魔の悲鳴を響かせる。
    ザンシンをする余裕もなく倒れ伏したニンジャスレイヤー。
    その負傷は実際重く、休まねば体は動きそうにない。

    ゴールデンムーヴの死はおそらくR国にも知られているはずだ。
    疲れ果てた体ではニンジャ治癒力も頼りなく、増援部隊の到着までに回復しきるのは難しいだろう。
    だが、無理をしてでも逃げねばならない。
    待ち受けるのはR国か、あるいはヨロシサンの企業ニンジャによる凄惨な拷問と死だ。

    (((なんたるブザマか!こうなれば俺に体を明け渡し、もって追手のニンジャどもを血祭りに…)))
    「…待ちいやキリュウ…これは…」
    傷だらけの体を起こしたニンジャスレイヤーの目に飛び込んできたのは、
    コメの上に黄色い果実の乗った…すなわちバナナ・スシであった。

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:01:01

    ポスト電子戦争の世では、環境エンリッチメントという言葉など失われて久しい。
    暗黒メガコーポの運営するバイオ動物園では
    動物のストレスに気を配るより定期的に新しく作ったバイオ動物を導入するほうが経済的であるし、
    逆に運営母体の貧弱な動物園では、動物のストレスに気を使うほどの余裕など無いからだ。

    だがここ、テンオージヴィルの動物園はその類稀にして決断的な経営努力によって、
    飼育バイオ動物本来の生息環境を極力再現しようとしていた。

    バナナ・スシを握るために、タマチャン・ジャングルの奥地にて両手を発達させ、
    ニューロンを進化させたゴリラにとって、スシを握る事こそ本来の習性。
    では、なぜ森の奥に住むゴリラがスシを知りえたのか?
    いったい誰がそれを教えたのか?
    不用意に歴史の闇に触れるのは得策では無いと申し上げておこう。

    バナナ・スシを食し終わり、メディテーションを終えたニンジャスレイヤーが
    IRC端末を懐にしまい込みその場を後にする。
    パニックを起こしていた客たちは、いつの間にか避難を終えていた。

    目玉の一つを失ったバイオ動物園は、それでもどうにか経営を続けるだろう。
    データを紛失したヨロシサンの研究員は、今頃夜逃げか、それともセプクの準備だろうか。
    既に空には髑髏めいた月が上り、
    コンクリートで固められたゴリラの展示場を、
    ニンジャスレイヤーの激闘の後を、
    明々と照らし出していた。

  • 20二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:01:07

    アケチ・ニンジャの伝説を知るマネモブって…ま、まさか…

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:02:08

    ファイト・ア・ゴリラ・アット・ズー・オブ・テンオージ 終わり

  • 22二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:04:29

    ◇タ◇
    ニンジャ名鑑#1021
    【ゴールデンムーヴ】
    R国に所属する残虐なニンジャ
    テレキネシス・ジツの使い手で、敵対するモータルの睾丸を手を使わずにねじ切って殺すことを楽しみとする
    ニンジャスレイヤーが機密USB巻物を奪い取ったためGシリーズの詳細が彼に届かず、それが原因で対応を誤った
    ◇フ◇


    ◇タ◇
    ニンジャ名鑑#1022
    【タフゴリラ】
    動物園に飼われていたゴリラへゴリラ・ニンジャのソウルが憑依
    かつて賢人と称されたソウルの影響か、血液採取にも反抗しないほどの温和な自我の持ち主だが
    己のテリトリーを侵す相手には一切の容赦がない
    ◇フ◇

  • 23二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:04:45

    ワザマエやな...

  • 24二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:15:16

    >>9>>10の間に存在するはずのテキストが抜けてたのん…

    この件は担当者が自分で気づいたので実際ケジメは必要ありません。


    >>9から

    その集団に紛れ、にこやかにIRCカメラを構える男の口元は…

    おお!もしやあれはメンポでは!?では彼はニンジャだとでも言うのか!?

    そう、彼こそがこの”Gシリーズ”における最重要遺伝子データをヨロシサン製薬へと渡すため、R国から派遣されたニンジャなのだ!

    そんな彼の横で、緊張した顔を浮かべながらゴリラとの自撮りをIRC-SNSに投稿している男性。

    彼もまた、この”Gシリーズ”計画に関わるヨロシサンの研究員、ヨキカワに他ならない。

    二人は観光客に紛れ、喧噪の中でデータ素子をやり取りするために、あえてこのバイオ動物園を取引先にえらんだのである。


    「ド、ドーモ…そ、その…しゃ、写真を取って貰えませんか?自分じゃ上手く撮影できなくて…」


    ヨキカワはそう言って、横に立っていたニンジャへとIRC端末を渡す。

    なんたる巧妙!こうして偶然出会った観光客を装うことで、IRC端末を自然にやり取りする計画なのだ。

    渡されたIRC端末はニンジャがすかさず同じメーカーの製品とすり替える。

    ニンジャ動体視力の持ち主でなくば、この一瞬のやり取りを捉えることなどできまい。


    しかしヨキカワ研究員がIRCを渡そうとした瞬間!

    「アイエエエ!」「アハハ!」鹿に追われた子供が彼に激突!

    「アッ!」思わずIRC端末を取り落とすヨキカワ!すかさずニンジャが手を伸ばすも人ごみに阻まれ届かない。

    「チイッ!」勢いづいて飛んで行ったIRC端末は人ごみを超え、

    おお!なんたることか!そのままゴリラの展示場へと落下してしまったではないか!


    「ア、アイエエエっ!スミマセン!スミマセン!」

    最重要遺伝子データを取り落とすというケジメ重点インシデントにパニックを起こしたヨキカワがドゲザ謝罪。

    衆目のただ中での土下座はすさまじい屈辱だが、ニンジャはそんな彼に目もくれず、

    ニンジャ跳躍力をもって一息で柵を飛び越えると、そのままゴリラの展示スペースへと侵入した。


    >>10

  • 25二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:36:05

    おーっ タフカテでも忍殺の実況やって…
    なにっワザマエテキスト・ジツ!

  • 26二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:51:55

    タフカテでこんなワザマエが見れるなんてワタシは聞いてないよっ

  • 27二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 23:54:26

    でニあ
    すンな
     殺た
     ・は
     ヘ優
     ッ秀
     ズな
     で
     す

  • 28二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 07:42:43

    ゴウランガ!(IRC書き文字)

  • 29二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 07:59:06

    よくあるクソスレ…なにっなんだあっ
    お見事ですスレ主ボー、やはり貴方は素晴らしいワザマエを持っている

オススメ

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