- 1イッチ24/02/02(金) 19:36:35
- 2二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 19:37:27
イッチ!イッチなのね!?
- 3二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 19:38:25
🛸のスレ主!?
- 4二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 19:38:35
リョナスレのイッチ!?待ってました!
- 5イッチ24/02/02(金) 19:39:05
「どこだここ、俺は確か部屋で株の勉強してたはずじゃ…?」
ふと気が付くと、玲王は知らない場所に立っていた。あたりを見渡すとそこは路地裏の様で、壁にスプレーで下品なイラストが書いてあることから治安はあまり良くないことが分かる
何が起きたのかさっぱり分からないが、状況を把握する為に路地裏から一歩外に出る
そこはまさに地獄絵図であった
角や尻尾、蝙蝠の様な羽が生えた、明らかに人間ではない生き物があちらこちらで暴れている。当たり前のように死体が転がり、建物のガラスの向こうでは人目を気にせず性交を行う輩が見えて思わず目を逸らした
そんな喧騒の中にも子連れの女や暴れずに連れと歩く男も居るが、それらもこの喧騒を気にしない事からこの場所ではコレが普通なのだろう
「何なんだよここ…ん?」
不意に、ひらりと紙が落ちてきた
咄嗟に手にとって読んでみる
"ゴメンね!天界のミスでうっかり君を魔界に送っちゃった!本当なら今すぐ迎えに行くべきなんだけどコッチは今忙しいんだ。出来れば自力で人間界へ生還してほしい、健闘を祈るよ
勇敢な少年へ、天使より愛をこめて"
丸っこく可愛い丁寧な字で、とんでもない事が書かれていた - 6イッチ24/02/02(金) 19:39:57
「ッッざけんなよ!!??」
ぐしゃぐしゃと手紙を丸め、衝動的に地面へ叩きつける。
ミスって何だよ!?ここ魔界なの!?自力で生還しろって何の冗談だ!??
どうやらお伽噺に描かれていた心優しい天使は居なかったらしい、こんな場所に一人でほっとかれた挙げ句自分の尻も拭わずこっちに解決させようとしてくるなんて
しかしもう、起こってしまったことはしょうがない。何としてでも人間界に帰らねば
「大丈夫、俺は優秀。こんなクソみてぇな場所からは一刻も早くオサラバしてやる」
こうして玲王の魔界探検は始まった - 7イッチ24/02/02(金) 19:41:08
- 8二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 19:42:42
悪魔玲王来たばかりじゃん!
タイムリーなスレだな! - 9イッチ24/02/02(金) 19:42:51
おっじゃあ悪魔の力も使えるって事で
玲王の力量dice1d100=62 (62)
1〜40➝一般的な悪魔並
40〜70➝ちょっと強い
70〜100➝特殊能力持ち
- 10イッチ24/02/02(金) 19:49:43
とにかく、情報収集が先だ
すぐ横に転がってきた魔物の死体をひょいと避けつつ、玲王はあてもなく歩いてみる。そこらへんに居る悪魔のような人々と話が出来れば楽なのだが、どいつもこいつも血気盛んでマトモな話が出来そうにない
何だか少し頭が痛い
側頭部に何気なく手を伸ばすと、そこには角が生えていた
(……は?)
慌てて建物のガラスに張り付く。奥でSMプレイをしていた男達は意識の外に追いやる
短い二つの角、腰から生えた大きな翼、そして細く長い尻尾
紛れもない悪魔がそこに居た
「なんだコレ!??」 - 11二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 19:54:27
腰から羽生えてるのエロいよな…
魔界に人間がいたら狙われそうだけど悪魔の姿なら多少は平気なんかな? - 12イッチ24/02/02(金) 19:57:22
ガラスに映る自分に呆然としていると、突然強い力で尻を揉まれる
「うおっ!?」
『よぉ色男、この先のバーで一杯どうだ?』
横を見ると、これまた角の生えたムキムキの兄ちゃんがニヤニヤと玲王の顔を覗き込んでいた。さわさわと腰の辺りを弄り、尻尾を撫でてくる
「……き」
『ん?』
「きったねぇ手で触んじゃねぇよ、この痴漢野郎!!」
腰の入ったアッパーをキメる。玲王と並ぶほどの身長をした悪魔の兄ちゃんはまるで漫画のように吹っ飛んでいった
予想外の威力に、自分で殴ったくせに玲王は面食らう
「何だ今の力?いや、そうか。こんな姿になったんだからある程度強くなってんのかな」
少しも痛まない右手をまじまじと眺めつつ、今の男を上手く転がして情報を聞き出せば良かったと軽く後悔をした - 13イッチ24/02/02(金) 20:07:35
話の分かる悪魔は居ないかと、玲王は道を歩き続けた。たまに男や女から声を掛けられるが、どいつもこいつも強烈な酒の匂いを漂わせ、挙句の果てにはラリっていた。どうなってるんだここの治安は、冗談じゃない
ため息を吐き、休憩しようと人通りの少ない小道に移動する
そこには複数の悪魔が集っていた
(マジかよ運悪ぃ、別の場所探そう)
『おら早く来い!』『目を離した隙に逃げるたぁ油断ならねぇ奴だな』『オイそっち抑えとけ』
(……ん?)
何やら不穏な会話が聞こえる。少し耳を澄ませて見ると、か細い悲鳴も聴こえてきた。
誰かがリンチされているのだろうか
咄嗟に玲王は地面を蹴る
「おい、何やってんだテメェら!」
『あぁ?』『誰だよお前』『やっちまえ』
男達に掴みかかると、当然反撃された。しかし今の玲王の敵ではなく、一分もしないうちに全員アザだらけになりながら逃げていった
返り血を拭いつつ、暴行を受けていた誰かの状態を確認するべく振り返る
そこにはdice1d2=1 (1)
1:少年が居た
2:少女が居た
- 14イッチ24/02/02(金) 20:08:10
- 15二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:12:12
なんとなく國神っぽい容姿
- 16二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:27:15
ですます調
- 17二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:27:32
羽が片方ない
- 18イッチ24/02/02(金) 20:39:24
前スレで凪がお労しかったから玲王一人で投入したのに國神が犠牲になりかけてる!?いやいや、別人だしええか、容姿は中学生くらいの國神くんだと認識して下さい
少年はdice1d3=2 (2)
1:奴隷商人から逃げていた
2:娼館から抜け出した
3:自分に執着してる金持ち変態悪魔から逃げていた
- 19イッチ24/02/02(金) 20:40:54
片羽根なのはdice1d3=3 (3)
1:ストレスで自分でむしった
2:客にやられた
3:親にやられた
玲王の事はdice1d3=2 (2)
1:自分を回収しに来た別の人だと思ってる
2:助けてくれた恩人
3:一目惚れ
- 20二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 20:47:26
親にやられたのか…
- 21イッチ24/02/02(金) 22:34:02
「國…っ!?いや別人か」
『………』
「大丈夫か?立てる?」
全身に傷を負っている、見た目は年下の少年。橙色の髪に琥珀色の瞳はかつて同じチームになっていた仲間を思い出させるが、彼ほど筋骨隆々ではないし何よりこんな所にいる時点で同一人物でないのは明白だった
差し出した手を恐る恐る掴んだ彼は、よろめきながらも立ち上がる
『あ、ありがとうございます』
「結構怪我してんな、病院行くか?こんなとこにあんのかは知らねぇけど」
『大丈夫です、すぐ治るので』
「マジ?すげーなお前」
軽く言葉を交わしながら彼の容姿を観察する。角や尻尾は玲王とほぼ同じ、だが
「何で羽片方仕舞ってんの?」
『これは…』
「あーごめん、言いたくないならいいよ」
気まずそうに目を伏せた橙色の彼に手を振り、言葉を遮る。だが、彼は首を横に振ると言葉を続けた
『親に毟られて…そのまま娼館に売られたんです。それが嫌で俺、逃げてて』
「……!」
『お兄さん強いですよね?お願いします、助けてくれませんか』 - 22イッチ24/02/02(金) 22:35:52
玲王の答えdice1d3=1 (1)
1:当たり前だ!
2:いいぜ、その代わり娼館のお偉いさんと話がしたい
3:じゃあ俺が代わりにそこで働くよ
- 23二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 22:42:10
眩しいなこの御曹司…!
- 24イッチ24/02/02(金) 22:47:58
「当たり前だ!」
『!』
「親に好き勝手される人生なんてあっちゃダメなんだよ!お前のことは俺が何とかしてやる、安心しろ」
力強く言い切ると、少年はぐっと下唇を噛んで俯く。そして目元を拭うと、深々と玲王に頭を下げた
『よろしくおねがいします…!』
「任せとけ。んで、お前の働いている娼館ってどこだ?」
『少し遠いです、遠くに見えるピンク色の塔は分かりますか?』
「おー、スカイツリーみたいなアレか」
『あれ全部娼館です』
「はぁっ!?」
さすが魔界というべきか、そんなもんにあんなご立派な建物作るんじゃないと内心毒づきながら、玲王は踵を返して歩き出す
「じゃ行ってくるわ」
『お、俺も行きます』
「いいよ別に、隠れてろよ」
『いえ、また見つかって連れ戻されたら元も子もないので。守ってください』
「ふてぶてしーなお前」
しれっと言う少年に少し呆れるが、この混沌とした世界で生き抜く為にはこれ位の図々しさは必要なのだろう、そういう度胸は嫌いじゃない
「よし、行くか」 - 25イッチ24/02/02(金) 22:49:11
行ってどうするの?
dice1d2=2 (2)
1:取引する
2:殴りゃ解決だろ!俺強えし
- 26イッチ24/02/02(金) 22:50:45
どうした玲王!頭まで悪魔になったか!?
殴りに行った結果dice1d3=1 (1)
1:思い直して取引する
2:全員ボコってるとトップがやって来た
3:いいトコまで行ったが取り押さえられた
- 27イッチ24/02/02(金) 22:55:00
- 28二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 22:59:31
めっちゃデカくて怖いヤクザみたいな感じ
- 29二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 23:15:41
前回で誰よりいい空気吸ってたお兄ちゃん!!
安価合わせる感じじゃないならニコニコの胡散臭い高身長悪魔 - 30二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 08:22:09
双子で細身、羽がデカくて性格が悪い
- 31二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 17:32:35
どうなってもヤバそう
- 32二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 19:32:38
昔の漫画で天使は羽を切られるのが死ぬよりつらいってネタを見たことがあるけど悪魔もそういうのあるのかな
- 33イッチ24/02/03(土) 19:41:16
安価ありがとうございます!
dice1d3=1 (1)
1: 28 2: 29 3: 30
どうなんだろう
この魔界ではdice1d3=3 (3)
1:下手すりゃショック死
2:無茶苦茶痛い
3:羽に神経通ってない
- 34二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 19:43:30
神経通ってないの!!?
じゃあセッで後ろからする時に手綱代わりに掴むくらいか… - 35イッチ24/02/03(土) 20:10:23
ゴテゴテした装飾で飾られた、目が痛くなるような桃色の塔へ辿り着く
『ところで、何をするつもりなんですか』
「おーん?そんなの一番偉いやつを殴り飛ばして二度と関わるなって言い聞かせて終わりだろ」
『ちょっっっとそれは…!』
自信満々に言い放つと、少年は玲王の手を引っ張って塔から引き離した
『貴方が強い事は重々承知ですが、それはあまりにも無茶過ぎます!この塔は色んな客が来ますからもちろん警備だって沢山いるんです!』
「そっか、じゃあやっぱ話し合いで穏便に解決するか?」
『そうして下さい…!!』
思い直した玲王に、少年は心底ホッとしたような顔をする。何はともあれ上の悪魔に会えなければ進まない、二人は連れ立って塔の中へ入っていった - 36イッチ24/02/03(土) 20:11:35
『ちょっとアンタ!!』
入って3歩で早速声を掛けられ、二人は硬直する。まさかカチコミかけようとした事がバレたのか?と思ったが、玲王に隠れるようにしていた少年は声の主を見るとパッと顔を輝かせた
『ねぇさん!』
『バカ、せっかく抜け道教えてあげたのにもう捕まったの?』
その様子を見て、味方なのだろうと玲王は確信した。声の主は布面積の極めて少ない格好をした美魔女で、小ぶりな羽をはためかせながら少年を軽く小突いていた。玲王の事を追手か何かと勘違いしているのか、鋭い眼光で睨まれる
『あのね、ねぇさん、この人が捕まりそうだった俺を助けてくれたんだ』
『あらそうだったの…へぇ、セクシーなボウヤじゃない』
「はは、どうも。コイツのお姉さんですか?」
『やだお上手ね!たまたま仲良くなっただけの他人よ、私は弟の様に思ってるけど。そんな事よりボウヤ、アンタみたいな顔のいい男が居るとすぐあの野郎に…』
『おやおやこれは、逃げ出した小鼠くんじゃないか』
「!?」
『……ホラ来た』
三人の会話に突然入り込んできた低い声。聴こえてきた方向を振り向くと、数人の男女を侍らした大男がそびえ立っていた。見上げる程のその男はサングラスを掛けていて、身なりは相当に良い - 37イッチ24/02/03(土) 20:12:52
「でっか…」
『ふぅん?それは俺のアソコの事かい?はは!冗談だよ。小鼠、抜け出した仕置きを考えていたが身代わりを連れてくるとはな』
『ち、ちがう!そんなんじゃ』
『合格だ。ふむ、この見た目なら客は腐るほどつくだろう』
大して面白くもないジョークを発し、侍らした男や女の尻や胸を揉みながら、大男は玲王の頭から爪先までじっくり眺めて満足気に笑った
「オイ、アイツは」
『この娼館のトップです』
「うげぇ…いかにもって感じ」
思い切り顔をしかめると、大男は笑いながらエレベーターを指差した
『目的はお話だろう?俺は今機嫌が良い、運が良かったな?付いてこい、聞く位はしてやる』
歩き出す大男と、お付きの男女達
『ねぇ、今からでも逃げた方が』
『良いんだねえさん、俺はお兄さんを信じるよ』
「ま、コイツだけは何があっても助けるから心配しないで下さい」
玲王達を心配する美魔女。おそらく彼女もここで働いている者だろうに、本気で気遣ってくれているのだ。
そんな彼女の憂いを拭う為にも、少年は必ず助けなければならない。
意を決して、玲王は大男に付いていった - 38二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 20:15:44
お兄ちゃん🛸よりヤバそうな人来たな…
- 39イッチ24/02/03(土) 20:38:29
「単刀直入に言う、コイツを自由にしてやってくれ」
綺羅びやかな一室、塔の最上階で、玲王と少年、そして大男は向かい合って座っている。大男の両隣には相変わらず際どい格好をした男と女が座っており、扉の両脇には黒服を着た警備が鎮座している
『なるほどな、ベイビーの願いは小鼠の解放か』
ニヤリと笑いながら、大男は膝を組む。じっとりとした視線が玲王に絡みつき、先程から不快で仕方が無かった
『だがなぁ、俺だってその小鼠をタダで手に入れてる訳じゃないんだぜ?ちゃーんと金を支払って、正当な手続きを踏んで手に入れてるんだ。それを手放せなんていくらベイビーの言う事でも聞けないなぁ』
「ベイビーって言うな…それに、コイツはモノじゃない。本人の同意無しに売買するのは違法なんじゃないか?」
『法なんてこの場所じゃ無いと同じさ』
魔界の法律なんぞ知りもしなかったが、一応カマをかけてみて正解だった。言い返されはしたが、要するに合法でない事は確かなんだろう
「別に俺は通報してやろうって言ってる訳じゃ無いぜ?ただ無理やり身体を売らせるなんて真似はダセーからやめろって言ってんの」
一か八か、強気に出てみる
大男はニヤニヤとした笑いを止め、じっと玲王を見据えていた - 40イッチ24/02/03(土) 20:39:38
『…気に入った、ならば小鼠を売るのは止めにしてやる。だがなぁベイビー?この世界で何の力も持たないちっぽけな小鼠が投げ出されて、生きていけると思うのか?』
「俺が面倒見てやるから大丈夫だ」
『いいや無理だね、勝手ながら君の事は調べさせて貰ったよ、といっても時間が無かったから伝手の限りではあるが。君はどこにも所属してないだろう』
「!!」
『最近生まれたのかな?それとも死んだばかり?どっちにしろ、力はある様だが生きるための術はまだ無いと見える。そんな体たらくで自分のみならず小鼠まで養えると思うのか』
「それは」
『そこで提案だ!ウチで働かないかい?』
正直、大男の言う事は図星だった。反論を探していると、思考に重ねるように大男が提案をしてくる
「身体を売るなんて御免だね」
『早とちりはいけない、君は見た目だけでも売れるだろう。おまけにその話術!良い客が付きそうだ、どうだ?ベイビーを気に入ってるから提案してるんだぞ?』
「……」
『衣食住は完璧に用意してやろう、そこに小鼠も住むと良い!小鼠はそうだな、警護でもやるか?なんならベイビー付きでも良いぞ』
次々と提案する大男の腹の底は、サングラスに隠れて見えない。もっと警戒するべきなのだろうが…
(客か、こんな所に来るくらいなら偉い奴らも居るんだろうな。身体を売らなくていいなら、ここで人間界に帰るための情報収集をするってのもアリか?) - 41イッチ24/02/03(土) 20:40:28
「…いいぜ、ノッてやる」
『そう来なくちゃ!』
玲王の答えに、大男は満足げに指を鳴らす。一方で、少年は慌てて玲王を止めた
『そんな!俺なんかの為にお兄さんがなんで!』
「バカ、お前の為だけじゃねぇよ。俺にも目的ってもんがあるの、それより警備だってさ、やれるか?」
『それはもちろん、前に比べたらずっとマシですが…』
「じゃあ問題はねぇな、よろしく頼む」
ニコッと笑ってやると、納得はしていないようだが少年は渋々頷いた。その様子を見ていた大男は手を叩いて部下を呼ぶ
『紫の方は新しい商品だ、丁重に扱え。そうだ、良い部屋を用意してやるんだぞ』
その言葉に頷いた部下は、玲王と少年を塔の社員寮の様な場所へ案内する。その後ろ姿を、仄暗く微笑みながら大男は眺めていた - 42イッチ24/02/03(土) 20:41:53
という訳で働く事になった玲王
一日目の出来事はdice1d3=2 (2)
1:玲王を買いたがる客が出てきた
2:襲われかけたので反撃した
3:めっちゃ固定の客が付いた
- 43イッチ24/02/03(土) 20:44:13
反撃した事でdice1d3=2 (2)
1:Mっ気のある奴がよく来るようになった
2:襲って来たやつにめちゃくちゃ気に入られた
3:適正が無いって事で大男に仕えなきゃならなくなった
- 44イッチ24/02/03(土) 20:45:06
- 45二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 21:52:28
加虐趣味
- 46二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 21:56:05
人に見られながら致すのが好き
- 47二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 22:00:08
嫌がられると燃える
- 48イッチ24/02/03(土) 23:08:01
ありがとうございます!これまた濃いなぁ
襲った客はdice1d3=3 (3)
1:成金
2:いいトコ(貴族)の坊っちゃん
3:まさかの天使
- 49二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 23:58:33
天使が悪魔にわからせはアリだ
- 50イッチ24/02/04(日) 07:27:26
翌日
塔の上層階、とある一室に呼び出された玲王と少年は複数の男女と同じ部屋に待機していた。部屋にいる悪魔達は揃いも揃って美しい顔立ちと肉体の極地と言うべき身体を誇っており、隣にいる少年は空気だけで中てられたのかその場にいるだけでもいたたまれなさそうにしていた。
彼ら彼女らの格好は多彩であり、ただ単にその肉体美を見せつけるような薄く狭い布を巻きつけただけの格好の者や、これでもかと着込んでその身を飾っている者も居る。おそらく、客を取る際の"役割"が違うのだろう
じっと観察していると、彼らもまた玲王を観察していた事に気が付いた
『あの子新人なんでしょう?』『それなのに俺らと同じVIP対応なのかよ、ボスの縁故じゃないか』『まさかぁ!全然似てないわぁ』『顔だろ顔、肉付きも悪くない。ありゃあ上客が付くぜ』
(聞こえてるっつーの)
仕事仲間なら仲良くしておくべきかと思い、玲王は彼らに声をかけるべく口を開いた。が、それと同時に扉が開いて中断になる
『よぉー!調子はどうだい愛しの稼ぎ頭達よ!今日も張り切って金を巻き上…お客様に奉仕していこう!』
サングラスの大男が、意気揚々と部屋に入って来た。部屋にいた悪魔達は大男に向かい直り背筋を伸ばすと、次の言葉を待っている
『さぁ持ち場につけ、自分の個室にな。お前らの穴を今か今かとあの豚野郎共…お客様は待っておられるぜ!』
『はーい』『やだぁアイツじゃなきゃいいけど』『ホラ文句言わない』 - 51イッチ24/02/04(日) 07:28:43
娼婦、男娼達はぞろぞろと部屋を出ていく。個室とやらを知らない玲王はその場に残っていた
『さて、ベイビーちゃんは身体を売るのは嫌だったんだっけ?』
「ベイビーって呼ぶな」
『おっと失礼!名前を知らないもんで』
「…玲王だ」
けらけらと笑いながら話しかけてくる大男への不快感を隠すことなく対応する。名前を聞いた大男は玲王という名前を繰り返し口の中で唱えた
『レオ、レオねぇ…まぁ明日忘れてなきゃ覚えてるよ!』
「そりゃどうも」
『さて、君も今日から彼らと同じ仕事をしてもらおう。気付いたと思うが、彼らは見た目ともう一つの特技でここまでのし上がってきた!歌や踊り、板の上のゲームの上手さだったりな。まぁ半分以上はセッ○スの上手いやつなんだが』
不敵な笑みを絶やさない大男は、相変わらず面白くもないジョークを飛ばしてくる
『君にはもう客が付いてるんだ、新人だって言ったら興味が湧いたらしくてね。そうそう、衣装も用意したんだぜ!夜なべで考えたんだ、見てくれよ』
そう言って、大男は玲王の接客用の服を取り出した - 52イッチ24/02/04(日) 07:29:30
- 53二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 08:11:17
黒のノースリーブハイネック!
- 54二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 08:19:54
網ニーハイにガーターベルト!
- 55二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 08:21:49
ロング丈の上着が欲しいな
着崩して肩を見せろ
チラ見せは正義だ - 56二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 18:25:09
スレ民の性癖が解き放たれる
- 57イッチ24/02/04(日) 19:57:47
バサリと音を立てて現れたそれに、玲王は眉を顰める。全体的に黒色で、布と仕立ては良い。ノースリーブハイネックとロング丈の上着はまだ分かる。だが
「おい、これは何の冗談だ」
『良いだろ網ニーハイ♡ガーターベルト付きだぜ、親切だろ』
「ふざけんなよ、俺が着たらただのグロ画像じゃねぇか」
『いーやいやそんな事はないさ自信を持て!その鍛え上げられた脚は露出するべきだと思うぜ?』
「しかも何だこのズボン、ほぼビキニじゃねーかチ○コはみ出るわ」
『ちゃんと収納出来るようになってるから!ホラ着てきて!客をあまり待たせるんじゃない』
部屋の隅に置いてあるフィッティングルームに押し込まれ、玲王は渋々渡された服を着た。カーテンを開けると、大男はパッと顔を輝かせ、少年はサッと顔を逸した。少し耳が赤くなっている
『素晴らしい!客もきっと喜ぶぞ!』
「クソが…覚えてろよ」
玲王が客を迎えるための個室は塔の奥の方にあるらしく、場所を聞いた玲王と少年はその場所まで歩いて行った
『その…ごめんなさい、やっぱり嫌ですよね接待なんて』
「自分で決めた事だから良いってば、それより俺の事全然見ないよな。やっぱ似合ってないか?」
『似合ってはいますよ、びっくりする位です。ただ目のやり場に困るっていうか』
「ぷはっ!男同士だろ?気にすんなよ!」
『お兄さんは男に買われてるんですけど…』 - 58イッチ24/02/04(日) 20:00:54
「へっ?俺の客って男なの?」
『そりゃあハイ、名簿見せて貰いましたけど男性名でしたし。網ニーハイの時点で察してるかと思ってました』
「えっちょっと待て嘘だろ、聞いてねぇ!なんで男が俺を買うんだ?おかしいだろ!」
『そんな珍しい事でも無いですけどね。やっぱり止めにしますか』
「…いや、やるよ。今更逃げるなんてだせぇし」
『そうですか……じゃあ、部屋ここです。俺は外で待機してるんで、何かあったら呼んで下さい』
玲王に憐憫の眼差しを向けながら、少年は扉の横に立った。覚悟を決めて、玲王はドアノブに手を掛ける
安価ありがとうございました!
眠いから今日はここまでにします、次のエロシーンは元気ビンビンな時に書きたいので
変態天使くんはどんな見た目ですか?先着3レスでお願いします - 59二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 20:12:33
金髪でちょっと長めの前髪を分けてる👼
スレ主いつも神SSありがとう…!
続きも楽しみにしてます!! - 60二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 20:27:50
タレ目でまつ毛が上にはねてるウェーブ状の赤眼。
- 61二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 23:23:45
190cm
- 62二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 23:29:23
人間でいう50代くらいの見た目
- 63二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 23:57:45
- 64二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 00:07:19
- 65イッチ24/02/05(月) 06:48:05
- 66二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 11:52:42
- 6766 1/3【オリキャラ注意】24/02/05(月) 17:34:06
- 6866 2/3【オリキャラ注意】24/02/05(月) 17:36:25
- 69二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 17:39:35
このレスは削除されています
- 7066 3/3【微エロ?も注意】24/02/05(月) 17:42:04
- 71イッチ24/02/05(月) 18:12:29
わぁあ!ありがとうございます!好き!玲王のツッコミが面白いw
本気になった玲王がちょっと悪魔化進むの良いですね!でも目の色赤はおじ天使の要素なので緑色とかにしますね!
所々お借りして書くと思います!マジでありがとうございました!! - 72二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 18:19:21
このレスは削除されています
- 736624/02/05(月) 18:26:52
- 74イッチ24/02/05(月) 22:09:45
『やぁ、来たか』
まず目に入ったのは流れる様な金髪だった。少し長めの前髪を分けており、その隙間から見える目は血のような赤色で、目の下に2つ並んだシルバーストーンがよりその真紅を引き立てている。小首を傾げながらこちらを見る男の声は低く、若々しい見た目をしているが玲王よりは相当年上だろう。目元の皺がそれを物語っていた
「どうも玲王です」
『待っていたよ、隣においで。たくさん話がしたいんだ』
部屋自体は簡素ですっきりしているが、置かれた机や大きなソファは一目で高級品と分かるものだった。部屋の中に居た男は玲王の姿に目を留めると優しく微笑み、座っていたソファから立ち上がって寄ってきた。随分と背が高く、玲王ですら少し見上げてしまう
(角も羽も、尻尾も無い)
男の格好は白い布を何枚も羽織ったようなものであり、悪魔というよりも天使を想起させた。ここが魔界であり、娼館な以上天使など居る訳が無いのだが
『店長から気の強い子と聞いていてね、本当に楽しみにしてたんだ。期待よりもずっと僕のタイプだよ』
「そうですか」
他人に良く見られる様仕向けるのは得意だ。だが、こんな場所で変に気に入られてしまってはたまらない。なるべく素っ気無く返答をするように心がけながら話をする。
白い布の男はわざわざ玲王を迎えに来て、ソファまで誘導してきた。抱き寄せられた際、男の筋肉が思ったよりも逞しくて、思わず肩をすくめてしまう - 75イッチ24/02/05(月) 22:11:55
『アハハ、緊張してる?新人だもんね』
そんな玲王の様子を見て、白い布の男はくすくすと笑う。それが気に入らなくて少し睨んでしまったが、自分の立場を思い出して慌てて笑顔を作った。ソファに座ると、その柔らかさに思わず驚いてしまう
「すげぇ、ベッドみたいなソファ」
『まぁその役割もあるからね』
隣に並んで座った男は、机に置いてあったメニュー表を開く。たしかこの娼館は部屋代と接待代とぼったくりメニューで稼いでいる筈だ。玲王の役目はこの男になるべく高いものを注文させること
『玲王、お酒は飲める?ああここに居るんだから飲めない訳ないか』
「(ホントはまだ飲んだこと無いけど腹くくるしかねぇよな) もちろん飲めます」
『じゃあ僕とゲームをしよう!今から注文するお酒を玲王が全部飲めたら、僕がこのメニューで一番高い酒を頼んであげるよ』
そう言うと、男は玲王の返事も聞かずにメニュー表のとある酒を指差した。魔界の金銭の基準は分からないが、載ってある場所や文字の装飾具合でその酒が相当高価な物だと分かる。机の上に魔法陣が現れ、その真ん中にグラスに入った桃色の飲み物と請求書が現れた。どうやらこれが魔界式の食事の提供らしい
『さ、どうぞ』
「でもこれお客様のモノじゃ」
『言っただろう?ゲームだって』
一応抵抗する素振りを見せたが、男は笑顔でグラスを差し出してくる。根負けして、玲王は酒を受け取った
「じゃあ…頂きます」 - 76イッチ24/02/05(月) 22:13:17
グラスを傾けると、舌の上を控えめな炭酸が通り過ぎていった。花のような香りは気品があり、甘みも丁度いい
「うま…!」
『そうだろう、気に入ってくれたかい?』
男の言葉に素直に頷く。正直、魔界の治安の悪さは知っているし、いくらここが高級娼館だとしても品物の程度は知れていると思っていた。しかし、あるところにはあるもんだと感心する。これは美味しい
『まさか"ソレ"を本当に飲んでくれるとは思わなかったよ。よし、じゃあ約束通り僕も君の望みを叶えなきゃね、どれが良い?』
桃色の酒の旨さに気を取られていたが、そういえば玲王はこの男と賭けのような事をしていたのだった。差し出されたメニュー表を見ながら、なんでも良いという言葉を思い出して、玲王は悪戯っぽい笑みを浮かべる
「それじゃあ…これとか?」
『容赦が無いなぁ!』
指差したのは明らかにこの店で一番高いであろう飲み物。案の定、男は額に手を当てて大笑いした。しかし、キッチリ注文してくれたのは流石こんな場所で遊ぶだけあるというものだ
(よし、こうやって仕事をこなせば良いんだな。まぁ今回はコイツが太客なだけな気もするけど) - 77イッチ24/02/05(月) 22:14:22
変化は突然現れた
男の話に相槌を打っていると、ぐらりと視界が揺れ、片手をソファに付いてしまう
『大丈夫かい』
声を掛けられるが、返事が出来ない。身体のあらゆる場所が熱かった
(なんだ?風邪?こんな急に…?)
呼吸が荒くなり、身体に籠もる熱はますます温度を上げるばかりで、接待どころでは無かった。申し訳無いがこれ以上は断ろうと男を振り返る
「なん、で、笑って…」
『いやぁ、やっと効いてきたね。あんなに強い媚薬を飲んでくれるなんてサービス精神が旺盛な子だよ』
上手く力の入らない状態で肩を押され、呆気なく玲王は倒れる。男の放った言葉で、ようやくあの桃色の酒が媚薬だったのだと気付いた。魔界の事情に詳しくない事が、こんな形で牙を剥くとは
「違っ、俺そんなの知らなくて…聞いてないのかよ、身体売るのはNGだ!」
『聞いてたよ。だから飲んでくれたのはOKのサインかなって、この店で働いてるんだからあの媚薬を知らない訳ないじゃないか』 - 78二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:25:20
うおおおSS来てるやったぜ!
ここから撃退出来るのが…!? - 79イッチ24/02/05(月) 22:26:14
- 80二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:49:30
- 81二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 09:55:25
おはよう玲王
今日もかわいいね… - 82二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 19:26:29
早く帰って凪とサッカーしたいね
- 83二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 21:12:03
供給感謝
- 84イッチ24/02/06(火) 22:24:29
勢いよく扉を閉めると、その途端に恐怖が改めて襲ってくる
「くっそ…だせぇ俺…フルチンだし…」
『これ俺の上着です、どうぞ』
「ありがとう…」
壁にもたれ掛かる玲王を心配して、少年は着ていた黒色の上着を渡してくれた。露出した下半身を隠すように巻きつけ、一応立派な息子を隠す事に成功する
『本当にごめんなさい、僕のせいで』
「だーかーら、俺が自分で決めた事だってば。んな顔すんなよ」
少年が捨てられた仔犬の様な顔をするもんだから、玲王は思わず頭を撫でてしまった。ツンツンと尖った髪の感触は案外心地良い
「さっきは本当に助かったよ、お前がいなきゃどうなってたか。流石ヒーローだな」
『ひーろー?』
「あぁごめん、お前って俺の友達に似てるからつい。気にしないでくれ」
橙色の少年は首を傾げる。悪魔だというのに優しい所や、玲王が大変な時に気に掛けてくれる面倒見の良い所が、別人だというのに妙にダブってしまうのだ。何も知らない少年からしたら訳の分からない話である - 85イッチ24/02/06(火) 22:26:34
(あーあ、こんな目に遭ったのに結局人間界への行き方とか聞けなかったし)
着たことのない挑発的な服や、人外の相手。挙句の果てには襲われたと来たもんで、イレギュラーに慣れずに聞きたいことは一つも聞けなかった。まぁ、過ぎた事をグダグダ考えても仕方がない。それより触られた身体が大変不愉快なので、早く控室に戻って着替えたい
玲王は来た道を戻り、控室を目指す。少年も後ろから付いてきてくれた
『おや?早かったな』
「……てめぇ」
控室の中には、デカいテーブルに鎮座して大量の書類に目を通している大男が居た。それ以外には誰も居らず、娼婦や男娼達はまだ仕事中だということが分かった
ずかずかと大男に近付き、玲王はテーブルを思い切り叩く
「俺は身体を売るのは無しって言ったよな!?なんだあの客は!堂々と襲って来たぞ!お陰で俺のケツを掘られるトコだった!」
『え?掘られてないの?マジ?よく逃げ出せ…おっと口が滑った』
「やっぱ分かってたんだな、アイツがそういう奴だって」 - 86イッチ24/02/06(火) 22:27:58
大男の反応から、あの天使がド変態だということは了承済みで玲王を寄越したのだと確信する。許せない、契約違反だ
思い切りぶん殴ってやろうと拳を握る。が、パンチを決める前に玲王の身体はガクリと力なくへたり込んでしまった
「はっ…クソ、身体熱い…!」
『あーあーやっぱあの媚薬お前が飲んだんだなベイビー?そりゃ襲われるに決まってんだろ』
「あれが媚薬とか知らねっつの!」
『えぇ?お前字も読めねぇの?ちょっと玲王くん、おじさんギャップ萌えしちゃう♡』
膝をつく玲王を見下し、馬鹿にした顔で大男は嗤った。気に食わない、絶対に後で殴ってやる。だけど今はこの熱をどうにかするのが先だ
『トイレなら向こうのドアから出て突き当りを左だよ〜』
「………!!馬鹿に、しやがって」
今、玲王が何をしたいのか。そんな事は全てお見通しだと言わんばかりに、大男はサングラスをわざとらしく上げながらトイレの場所を教えてくれる。もう意地でもこの部屋に残ってやろうかと思ったが、心臓の鼓動がえげつない事になっている。本気で命の危機を感じた - 87イッチ24/02/06(火) 22:29:10
「覚えてろ…!」
『あっ、俺も一緒に』
「付いてくんな!」
ふらふらと立ち上がって、玲王は教えられた扉を開けて出て行く。少年が後に続こうとするが、それは強く断った。
玲王が居なくなった控室で、少年は不安そうに扉を見つめた後、キッと大男を睨む
『何てことしてくれたんですか、最初にあの客は問題があるって教えてくれてれば…しかも天使だなんて、俺達じゃ太刀打ちできないことは分かってたでしょう』
『口答えか?小鼠の分際で。アレは太客なんだよ、要望には応えなきゃならねぇんだ。俺も苦労してんだぜ?ま、途中で逃げたんだから二度と指名は……』
大男が途中で言葉を切る。部屋の真ん中に魔法陣が現れて、そこから誰かが飛び出してきたからだ
『やぁ店長、元気かい?』
『これはこれは"大天使"様、この度はウチの店員が失礼を致しました』
出てきたのは、玲王を襲った天使。その姿を目にした途端、少年は敵意を剥き出しにして天使を睨む。だが、そんな少年を気にする様子もなく天使は大男と話を続けた - 88イッチ24/02/06(火) 22:50:42
『気にしなくていい、確かに最後の一撃はキツかったが、それ以上に良い体験をさせてくれたよ』
『ですが途中で逃げられたのでしょう?』
『ああ、アレは時間をかけて籠絡させなければならないな』
『と、いう事は…』
『今後とも、彼とは長い付き合いになりそうだよ。代金だ、いつもより多めに支払ってやる……また来るよ』
にっこりと笑った天使は、大きな袋をサングラスの男に投げて渡し、そのまま光の粒となって昇っていった。
袋の中身を見て目を輝かせる大男に、少年が詰め寄る
『まさかあんな事があったのに、また玲王さんにあの天使の相手をさせるなんて言わないですよね!?』
『……うるせぇぞ、餓鬼』
食って掛かる少年に、大男は低い声を出す。テーブル越しに殴りつけると、まだ育ち切っていない少年は思い切り後ろへ吹っ飛んだ。倒れた少年へ大男が近付くと、足で腹の辺りを踏み付ける
『黙って聞いてりゃ生意気ばっか言いやがって…そもそもお前の身代わりでアイツが身体を張ってんだろうが、テメェに口出しする権利なんかねぇんだよ』 - 89イッチ24/02/06(火) 22:52:19
ぐりぐりと踵に力を入れられ、少年は苦しさにぐっと口を噛む。その苦悶の表情に満足したのか、大男は足を離すと、ついでとばかりに少年を蹴り上げた
『何ならテメェの身体を売ってもいいぜ?ま、お前じゃまだ安い値で穴にハメてもらうしか価値はねぇがな』
『……それであの人が解放されるなら』
『ハッ!馬鹿言え!お前とアイツじゃ等価交換にならねぇよ!なんたって玲王はあの大天使に気に入られたんだからな!全く可哀想な奴だぜ、ありゃあぶっ壊れるまでヤられるな』
くつくつと大男は嗤う
『しかし…そこまで気に入る程の何かがアイツにあるなら、味見位はしておくか』
次はTelegraph案件です、後ろじゃなくてチソチソイジるので苦手な方は注意してください
オヤスミ - 90二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 08:27:46
あ〜〜〜活力活力
抵抗しまくって悪態つくけどそのうち泣いて謝るときが来るのが待ち遠しいな - 91二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 10:05:17
最初にやらかした天使も玲王に雑に自力で帰れしてるし
天使にとって人間ってどうでも良くて犯したりリョナって玩具にしたり何やらかしても神様からはお叱り受けたりしない塵みたいな存在だと思っていい? - 92イッチ24/02/07(水) 11:13:02
人間そのものってよりは人間の身体に興味無いんだと思います、あくまで救済して導くのは魂であって、魂の入れ物がどう動こうと死なない限りは無関心なんじゃないでしょうか。
それから変態天使は玲王が人間だと気付いてません、玲王自身も今は完全に悪魔になってるのでああいう扱いをしてますしこれからリョナったり犯したりします。流石に人間にあんな事したら神様から怒られそうです
というのを即興で考えました
質問下さってありがとうございます!
- 93二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 13:42:23
変態天使より手紙の天使の方が神様からきついお仕置き受けそうw
- 94イッチ24/02/07(水) 19:47:55
- 95二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 20:07:46
オホホホホホホホホホ(感謝の舞)
尻尾で脚を一纏めにするのめっちゃエッだな…と思いました
あと前スレでも思ったけど抵抗する玲王のセリフが良くて…もっと酷いことしたくなるね… - 96二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 20:56:43
活力過酷大好
- 97イッチ24/02/07(水) 22:05:59
与えられた部屋の中で玲王の帰りを待っていた片翼の少年は、部屋の扉が開いた瞬間に駆け寄ってきてくれた
『だ、大丈夫ですか!?痛いとことか、変な感じがするとか無いですか?』
「もう平気だよ、心配すんな」
眉を下げながら玲王の身体に怪我はないか確認した少年は、玲王の手を引いて椅子に座らせた
『すっごく心配したんですからね!お腹空きましたか?今からご飯作ります』
「おーペコペコ。でも俺が作るよ、俺の方が料理上手いし」
『ダメです、待ってて下さい』
立ち上がろうとすると慌てて手で制される。あまりの気迫に、大人しく料理を振る舞ってもらう事にした。
出来上がったのは肉野菜炒めで、少年の年齢にしてはかなり良い出来栄えだった。
完食すると、皿を下げようとする玲王をまた座らせ、皿を洗ってから、少年は玲王をベッドへ連れて行く
「なんだなんだ忙しいな」
『下、脱いで下さい』
「あ?」 - 98二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:07:45
えっ!!?
- 99イッチ24/02/07(水) 22:08:19
「何で?」
『だって、今日は色々あったでしょうし、その…お尻の穴にコレ塗った方が良いかなって』
そう言って少年が差し出したのは軟膏だった。玲王の顔は一気に青くなり、直後に朱色へと変わる
「掘られてねーよ!!!」
『ええっ!?そうなんですか!?』
思い切り軟膏を叩き落としながら叫ぶと、少年は目を見開いて驚く。どうしてそう簡単に玲王が股を開くと思うのか。いや、この治安が最悪の魔界の事だ、セッ○スは日常的なものなのかも知れない、それはそれとして
「ヤッてたとしてもテメェにケツの穴晒す訳ねぇだろーが!バカ!」
『でっでも俺にもこの状況の責任はありますし、せめてケア位はしたいなって』
「ッぐ、くそ、良い子だなお前…!」
玲王の尻が無事な事による安堵と、叩かれた手の甲の痛みで涙目になっている少年は、それでも殊勝に玲王を助けたいと言う。コレには思わずグッと来た。
玲王は少年の頭を抱き締めて、そのままベッドへと倒れ込む
『わぷっ!?』
「はぁーあ、もぉ、お前だけが俺の癒やしだよちび神くん」
『かっ、神!?俺なんかにそんな、罰が当たりますよ!』
「ぷはっ!信心深え!悪魔のくせに!」 - 100イッチ24/02/07(水) 22:10:25
彼とよく似た友の名をもじったあだ名で少年を呼ぶと、勘違いした少年はあわあわと手を振る。それがまた可愛くて、玲王は少年を抱き枕にするかのようにぎゅうっと抱きしめた
「ま、一日目にして結構大変だったけど、俺は諦めないから大丈夫だよ」
『……』
「それでも心配だって言うなら、今日みたいに俺の側に居てくれ。なんかお前といると安らぐんだよ、向こうで世話になった奴に似てるからかな」
『その俺に似てる友達ってどんな人なんですか?』
「んー、一言でいうならきんにくん。真面目でいいヤツだよ。あっそうだ!俺の友達といえばさ、ずっと一緒にサッカーしてる超絶カッコいい相棒がいるんだけどさぁ!」
人間界の事に思いを馳せると、大切な宝物を筆頭に、色々な人物の顔や、達成するべき目標、やりたい事が次々に浮かんでくる。
少年は聞き上手で、玲王の話を「魔界のどこのことだろう?」という顔をしながらも真剣に聞いてくれたので、つい夜中まで話し込んでしまった。気が付くと二人並んで眠っていて、目覚まし時計がなるまで二人は夢の中に居ることとなる - 101イッチ24/02/07(水) 22:17:33
次の日dice1d3=3 (3)
1:順調に客を取る
2:↑しかし、ちょっとニッチな方向に売れてしまう
3:天使が再臨
- 102イッチ24/02/07(水) 22:18:57
- 103二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:26:34
プレゼントだよ♡って拘束具を持ってきた
- 104二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 22:33:08
塗るタイプの媚薬♡(うっかり手が滑っちゃったりね)
- 105二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 23:26:43
体がうまく動かなくなるお香を焚きしめた部屋に呼ぶ
- 106二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 10:04:39
せっかく気持ちよくしてもらったのにもう前は使わないの可哀想可愛い
- 107二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 10:05:08
天使さん本気すぎるw
よくファンタジーもので聖水とか綺麗な物が悪魔にダメージ与えたりするけどこの世界はどうなんだろう? - 108イッチ24/02/08(木) 16:44:30
ありがとうございます!
さてここまでしたけど天使は玲王のヴァージンを奪えるのかどうか
dice1d2=1 (1)
1:ヤれる 2:ヤれない
どうなんだろうdice1d3=1 (1)
1:めっちゃ効く
2:効くものと効かないものがある
3:基本効かない
- 109イッチ24/02/08(木) 16:45:30
うおお!エロだけでなくリョナまで道が拓けたぞ!やったぁ!
- 110二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 16:46:09
やったーーー!!
- 111イッチ24/02/08(木) 20:55:35
翌朝
少年を起こさないようにそっとベッドから降りた玲王は、朝風呂や着替え等の身支度を整えて、朝食を用意してから少年を起こす
『俺がやるのに…』
「俺は仕事中座ったりできるけどお前は立ちっぱなしじゃん、ちょっと位世話させてくれよ」
しゅんとしながらも、玲王が用意した朝食を美味しそうに食べ終わった少年は、手を合わせてご馳走さまと言った後に、朝の準備を始める。彼は生まれも育ちも劣悪な筈なのに、妙にしっかりしているのが不思議だ
「ほいじゃあ出勤しますか」
『また何かあったらすぐ呼んでくださいね』
「わーってるって、そのための警護だもんな」
諸々済ませて、二人は扉の前に立つ。住み込みと言うのは便利なもので、仕事へ行くのにもドアツードアで一秒だ。
かなり早く到着したのに、控室には数人の娼婦と男娼が和気藹々と話していて、彼らは玲王と少年に気付くと笑顔で手を振ってきた
『よぉ新人!昨日はどうだった?』『いつ見ても綺麗な顔だわぁ』『あの小さい子、ちょっとタイプかも♡』『こっち来いよ!しつこい客のいなし方とか教えてやるぜ』
昨日は玲王達を警戒していた彼らだったが、すっかり既知の友人の様に振る舞ってくる。わざわざ取り入る苦労をせずに済んだので有り難い - 112イッチ24/02/08(木) 20:57:29
彼ら彼女らのセッ○ス自慢や客の愚痴を聞いていると、いつの間にか全員が集まっていた。暫くして大男も入ってくるが、どういう訳かいつも連れている彼専用のお付の者たちは今日は居なかった
『気合い入れて稼いでくれよ!今日は太客揃いだ、搾り取れるだけ搾り取ってこい!』
店長の掛け声に各々返事をし、娼婦と男娼達は散っていく。玲王も自分の個室へ行こうと少年を連れて控室を出ようとした時、大男に呼び止められた
『待て小鼠、今日のお前は俺の補佐だ』
『はぁ?何でですか、嫌ですよ』
『拒否権は無いぞ、立て込んでるんだから早くしろ』
『嫌ですってば、俺はお兄さんの警護として雇われたんだからそれ以外はしません』
『テメェ殴られたいのか?』
少年を連れて行こうとする大男と、それに反発する少年。一触即発の空気に、玲王は慌てて割り込んだ
「待て待て!俺は大丈夫だから行ってこいよ」
『お兄さんまで…何されたか忘れたんですか?こんな奴信用出来ません』
「気持ちは分かるし同意見だけど、流石に年下のお前に守られてばっかじゃダメだろ」
『そんな事無いです、お兄さんは今危ない目に遭いやすいんだから』 - 113イッチ24/02/08(木) 20:59:33
「だぁから大丈夫だってば!いざとなったらすぐ逃げるし、なんなら金玉蹴り上げて不能にしてやる!」
『でも』
「なぁ、変に逆らって俺の前から居なくならないでくれよ、言ったろ?お前だけが癒やしなんだからさ」
『……!』
そう言うと、少年はグッと唇を噛んで、頷く。少々卑怯な言い回しだったが効果は覿面だった
『じゃあ…気を付けてくださいね』
「おう、また後でな」
そしてそれぞれ反対側へと歩き出す。
怖くないと言えば嘘になるが、少年に言った言葉は本心だった。それに、一人で仕事を出来るようにならなければやっていけない。男娼や娼婦達の話を聞いて尚更そう思った
個室へと辿り着き、深呼吸を一つ
「失礼し……またお前か」
『バッチリ予約してきたからね』
扉を開けると、昨日の天使が満面の笑みで扉のすぐ側に立っていた - 114二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 21:27:29
またお前かw
なんて強気な美人なんだ… - 115二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 08:22:24
わからせ〜〜
- 116二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 08:24:02
スレ主に質問ー
悪魔は天使の力に弱いなら中に出されたらリョナ的ダメージあったりする? - 117イッチ24/02/09(金) 08:50:51
- 118二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 13:02:19
最高です, ありがとうイッチ!!
- 119二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 13:20:49
- 120二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 13:57:37
救いのないバドエンリョナは苦手だけどハピエンリョナ好きだから楽しく見てる
- 121二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 14:00:05
屈辱的なのに頼まざるを得なくなって敬語でお願いする玲王いいな……
- 122二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 14:01:11
- 123二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 14:08:36
- 124二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 14:17:48
レ…されるだけでも最高なのに中〇しされたら実質死ぬとかエロとリョナの最高傑作すぎる設定を生み出すスレ主天才すぎない…?
あと天使さんの「頑張ってね」に( ◜ω◝ )ニチャア……ってした - 125イッチ24/02/09(金) 15:29:30
ポチポチ書きながら一人で大興奮してたシーンがスレ民にも刺さっててめちゃくちゃ親近感湧きました!レスありがとうございます
今回の事があって玲王はdice2d4=4 2 (6)
1:男娼ではなく裏方になった
2:悪魔の力が弱まった
3:娼館トップの大男に少し依存気味になった
4:天使について調べる事にした
あと感度がdice1d100=15 (15) %上がった
- 126イッチ24/02/09(金) 15:31:18
- 127二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 16:19:15
天使の嫌いな食べ物が分かった!
- 128二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 16:38:39
- 129二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 20:58:42
じゃあ好きな食べ物!
- 130イッチ24/02/09(金) 21:44:32
ありがとうございます!
弱点はともかく食べ物の好き嫌いって何だよ!
嫌いなのは多分リンゴかな?好きなのは分かんないから適当にダイス振ります
dice1d3=1 (1)
1:みかん 2:ぶどう 3:いちご
弱点はdice1d3=1 (1)
1:魔界の深層に漂う瘴気
2:悪魔の呪い
3:動物の血
- 131二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 22:22:37
>>128以外役に立たない情報で草
- 132イッチ24/02/10(土) 06:54:30
酷い頭痛と共に、玲王は目を覚ました。腹部が妙に重かったので視線を下に送ると、自室のベッドに横たわっている玲王の、直ぐ側に座っている少年が、寝落ちして腹の上に突っ伏してしまっていることが分かる
「重いわバカ、起きろ」
『いたっ…あ、お兄さん!』
軽く頭を叩くと、少年はパッと顔を上げた。そして玲王が自分を見ている事に気が付くと、顔を輝かせて安心した様な顔をする
『心配したんですよ!店長が気を失ってるお兄さんを連れてきて、身体を酷使してるから休ませてやれって…!』
「へぇあの人が。意外と面倒見良いのかな?ってやべぇもう夜じゃん!お前飯食った?すぐ作るから待ってろ」
『身体を!酷使してるから!休ませてやれって俺は言われたんです!!』
時計を見て、すでに夜も更けている事に気が付いた玲王はベッドから降りようとする。それを全力で阻止しながら、少年は念押しするように叫んだ
『やっぱり俺が付いてるべきだったんだ!なのに誰でも出来るような仕事押し付けられて!二度と一人にはしませんから!あ、おかゆ作ってるんで温めますね』
「至れり尽くせりだな…ありがとう」 - 133イッチ24/02/10(土) 06:56:30
少年が慌ただしく玲王の食事の用意をする様子を横目で見ながら、玲王は天使の男にされた様々な所業を思い出していた
(本当に危なかった、あと少し助けられるのが遅かったら…)
そう思うと、体の芯が冷えて、微かに震えてしまう。そんな情けない自分を叱咤する様に玲王は握り拳を作り、震える代わりに頭を回した
(アイツは強い。特殊能力も変な道具もたくさん持ってるし次に会う時に何の策も無かったら今度こそ天使にされるかも知れねぇ…対策を練るには、もっと相手を知らなきゃ)
「あのさ、お前って天使についてとかなんか分かる?それか調べられる場所とか知らないか?」
『それならこの塔の5階に図書室があるので行ってみたらどうですか』
「図書室か、でも俺文字を読めねぇんだよな」
『なら俺が内容を教えますよ…よし温まった。特製卵がゆです、どうぞ』
湯気を立てるお椀を受け取りながら、玲王は驚いて少年を見た
「え、お前って字読めるの?魔界って識字率高め?」
『珍しい事じゃないですよ、この世界で文字が読めなきゃどんなふうに利用されるか分かったもんじゃないですから』
「そっか、お前も苦労してんだな」 - 134イッチ24/02/10(土) 06:58:56
翌日
大男から今日は休むようにと言い付けられ、玲王は早速少年を連れて図書室に訪れていた。中にはちらほらと利用者が居るが、ほとんどが漫画のようなものを読んでいて、調べ物をしている者は少ない
『天界についての本はあっちにありますよ、何を調べたいんですか?』
「あいつらが何に弱いのかとか、そういうのが知りたいな」
『…戦うつもりですか?止めたほうが良いと思いますけど』
「そんなんじゃねぇよ。一応な」
ずらりと並んだ本の中で少年は一冊の白い表紙の本を選び、玲王へと広げてみせる
『こんな感じで、イラスト付きで説明されてますね。どんな仕事をしてるかとか、成り立ちとか。あっ、天使ってリンゴが苦手みたいですよ』
「ふぅん?アダムとイヴ関係かな」
『みかんは好きみたいです、同じ果物なのに何が違うんだろう。他には…』
「いやアイツらの趣味嗜好は興味ねぇ」
『おっと、結構面白くてつい…えーと、あったあった、天使が忌避感を抱くもの───魔界の深層に漂う瘴気、らしいです』 - 135イッチ24/02/10(土) 07:00:50
「瘴気?それってどうやって手に入れるんだ?」
『簡単ですよ、下の階層に降りていって、そこの空気を瓶の中に入れるだけです』
「それだけ?マジ?よっしゃ、じゃあ今すぐにでも取りに行こうぜ、瘴気!」
『そんな喜び勇んで行くようなとこでもないんですけどね…分かりました、もちろん俺も行きますよ』
「ああ、よろしくな」
有力そうな情報に喜んで手を合わせる玲王と少年。早速外へ行こうとしたその時、二人の前にガラの悪いヤンキーが数人現れた
『さっきからうるせーよ坊っちゃん達よぉ?』『図書室では静かにって習いませんでしたかぁ?』『有り金全部置いてけや』
「うげ…こんなとこにも居るのかよこういう輩」
幸先のいいスタートになるかと思ったのにと、玲王の気分は急落する。荒事となれば自分の出番だと、玲王は少年を庇って前に出る
『お、やる気か?大人しく金出しとけって』『それとも俺の棒をしゃぶるか?』『ひゃははやめとけ!ボッタクられるぞ!』
「うるっせーな」
一番大柄なツッパリに向かって、玲王は思い切り拳を突き出す。これまでの経験上、ソイツは大きく吹っ飛ぶはずだが
『がふっ!!』『うおお!?ユエ兄大丈夫か!』『俺らの兄貴に手ぇ出しやがった!もう容赦しねぇぞ!』
(…あれ?なんか思ったより吹っ飛ばなかった) - 136イッチ24/02/10(土) 07:02:02
速やかに残りの二匹も退治した後で、玲王は自分の両手を見つめる
『やっぱ凄い!ありがとうございます!…お兄さん?どうしたんですか?』
「や、なんか今の俺弱くねえ?」
『ええ?そんなことないですよ!めちゃくちゃ強かったです!』
むぅと眉を落とす玲王を少年がフォローするが、玲王は納得できなかった。ついこの間まで、自分はもっと強かったはずだ。悪魔パワーとでも言うべきなのだろうか、そういうものがもっと溢れていた。けど、今はそれががくりと少なくなってしまっている
考えられる原因は一つだけ
(やっぱ、ちょっと浄化されちまったままなんだろうな)
こういう風にあの天使の影響が身体に出てると思うと、気持ち悪くて仕方がない。今は他に考える事がたくさんあるからまだマシだが、ふとした瞬間に、組み伏せられた時のアイツの顔が浮かんでしまって、玲王は時々吐きそうになってしまうのだ
『…お兄さん、あの』
「あ、ごめんごめん、急ごうぜ!」
『………はい』 - 137イッチ24/02/10(土) 07:17:13
魔界の深層
そこはとにかく空気が重く、緑色の霧が立ち込め、あちこちから不穏な唸り声が聞こえる荒野だった。
巨大なエレベーターのようなもので深層へと辿り着いた玲王と少年は、持ってきた瓶を取り出す
「そんで、どこの瘴気を取り込むのが一番良いんだ?」
『基本的にはどこでも良いですよ、ここには太古の昔から居る力の強い悪魔が蔓延っているので、彼らの側に行けばより濃いものが手に入りますが、オススメはしませんね』
「へぇ、そいつらが登ってきたらどうすんの」
『それについては大丈夫です、あの方達は魔界の深い場所でしか生きる事が出来ませんので』
話をしながらエレベーターを降り、玲王と少年は荒野を歩いた。悪魔でさえも重苦しく穢れていると感じるここの空気は、確かに天使にとっては限りなく嫌なものであるだろう
(アイツに効くかは分かんないけど、お守り程度に持っとかねえとな)
そう思いながら、玲王は瓶の蓋を開け、手のひらサイズのそれに瘴気が入ったのを確認して蓋を締める。これで少しは安心できるだろうか
『……ん?』
「どした」
『何か感じませんか?大きな気配が近付いて来ているような…』 - 138イッチ24/02/10(土) 07:19:01
言われて、玲王は気配を探る
すると確かに、なにか強い気配が徐々にこちらへ近付いて来ていることが分かった
『引き返しましょう、もし敵意を向けられたらひとたまりもないですよ』
「まぁ待てよ、ここにいる悪魔の側の方が強い瘴気を手に入れられるんだろ?」
『でも!』
「お前は先に帰っとけ。俺は採ってから追いかけるから」
『〜〜っ!もう!一緒に居ますよ!いざとなったら引っ張ってでも逃げますからね!』
すぐ近くまで迫る気配に怯えながらも、少年は玲王の側を離れなかった。その姿は単純に嬉しくて、玲王は思わず表情をほころばせる
「お前ってやっぱカワイイな」
『冗談言ってないで警戒してください!来ますよ!』
- 139二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 08:17:13
のんびり感のある白いモフモフしたでかい獣型でうっかり凪を思い出しちゃう
- 140二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 11:26:42
背中から触手がいっぱい生えてる半魚人みたいなやつ
- 141二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 13:22:08
霧状の闇みたいな不定形
- 142イッチ24/02/10(土) 14:23:58
ありがとうございます!
dice1d3=1 (1)
1:白モフ
2:触手半魚人
3:闇の霧
- 143イッチ24/02/10(土) 14:25:34
白モフくんはdice1d3=1 (1)
1:犬っぽい
2:猫っぽい
3:未知の獣だけど可愛い
白モフくんの最初の行動
dice1d3=3 (3)
1:襲ってくる
2:じっと玲王たちを観察
3:何故かめっちゃ懐く
- 144二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 14:52:32
これは玲王が絆されて拒めないやつ
- 145二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 16:04:13
天使に抱かれたせいで悪魔の力弱まったんなら強強悪魔に抱かれたら力戻るかな
- 146イッチ24/02/10(土) 16:19:21
とんでもないこと考えるスレ民居るやん
正直獣○はめちゃくちゃ好きだけどこの子には癒やし枠になって欲しいなあ
dice1d3=2 (2)
1:ぎゅーで戻るよ
2:セッで戻るよ
3:戻らないよ
どれが出ても今の所交わる予定はありません
- 147イッチ24/02/10(土) 16:20:09
とか言ったけど明日には素知らぬ顔でヤッてるSS書くかもね
ダイスの女神が見たいと言うなら仕方ないよね - 148イッチ24/02/10(土) 20:24:06
ずしん、ずしん
重い足音は段々と大きくなり、それと比例して瘴気が濃くなっていく。二人の緊張も高まり、それが最高潮に達したとき、霧の中から巨大なナニかが現れる
────それは、白くてモフモフな、一本角の生えた犬だった
「……へ?」
『で、出ましたよ!早く瓶を!早く!』
「ちょっと待て、え?これ悪魔?ホントに?俺にはむしろ天界の生き物に見えるんだけど』
『何言ってるんですか、悪魔なのに白い時点でヤバい悪魔ですよ!うっ…目眩が…早くして下さい…』
片翼の少年はよほど目の前の巨大犬が怖いらしく、玲王を守ろうとしているのか縋ろうとしているのか分からないがキツく腕にしがみついてくる。そんな少年と犬を交互に見て、玲王はどうしても怖いとは思えないながらも、早く済ませてやろうと白い犬に近付いた。
玲王達を丸く黒い目で見つめていた白犬は、玲王が近付いてくるのを見ると、尻尾をピンと上げて振り始める
「お?なんか喜んでね?」
『ううう、怖い…お願いですから早く…』
「いや見てみろって、めっちゃ尻尾振ってるぞ」
白犬が駆け寄ってきたのと、少年が伏せていた顔を上げたのはほぼ同時だった。その結果、少年は顔を上げた瞬間迫りくる白犬を目撃することになり、そして彼は
『───…』
「うわっ!?嘘だろおい、しっかりしろ!」
白目を剥いて卒倒した - 149イッチ24/02/10(土) 20:25:42
倒れた少年が地面に体を打ち付ける前に、何とか少年を支えた玲王は、駆け寄ってきた白犬を振り返った
「急に動くなよ、ビックリするだろ」
人差し指を横に振って注意するが、白犬は小首を傾げてよく分かっていない様子だ。そんな白犬を、玲王は改めて観察してみる。
見上げるほどの巨体に、ふわふわと柔らかそうな体毛。色は透き通るような白色で、眠たげな黒目をしている。どことなく、人間界に居るであろう相棒の姿に似ているような気がした
「全然怖くは見えないなぁ…あ、瘴気貰うぞ」
少年を背負った玲王は、器用に片手で瓶を開けて、白犬に瓶の口を向ける
「よし、これでオッケーだな。ありがとな白犬、助かったぜ」
中に入った瘴気を確かめ、玲王は笑顔で白犬に礼を言う。すると、帰ろうとする気配を感じ取ったのか、白犬はきゅーと寂しそうな鳴き声を上げながら、玲王の身長ほどもある大きな頭をすりすりと擦りつけてきた。それだけで危うく吹っ飛ばされかけた玲王は、ギリギリで踏ん張って耐える
「な、なるほど。力の差はめちゃくちゃありそうだな、俺も怖がった方が良いのかな?」
《きゅー、きゅうー》
「うぐぅ可愛い…!!」 - 150イッチ24/02/10(土) 20:29:53
あまりに寂しそうな声で鳴くので、玲王は暫くその場に留まることにした。玲王が居なくなって寂しいだなんて、そういう所はあんまり凪には似ていないなと玲王は思う
「はぁ〜癒やされる、お前の毛ふわふわで最高だよ」
気絶した少年を、お座りした白犬の胴体にもたれさせて座らせ、玲王は存分に白犬の頭を撫で回した。白犬は大きな尻尾をブンブンと振って喜んでくれるので、撫でがいがあるというものだ
「可哀想に…こんなとこに一人で、そりゃ寂しくもなるわな…お腹空いてないか?寒くねえ?やって欲しいこととかある?」
懐いてくれる愛くるしい生き物に、玲王の甘やかしたい欲はMAXに上がっていた。玲王の呼び掛けに白犬は答えないが、その代わり目を瞑って玲王のナデナデを享受しているので、腕がもげるまで撫でる勢いで、その大きな頭を玲王は撫で続けた
白犬はdice1d3=2 (2)
1:ナチュラルに懐いてくれてる
2:大昔に神様に呪われた悪魔、真実の愛(という名のセッ…)で元の姿に戻る
3:玲王と少年を気に入ったので帰すつもりはない
- 151二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 20:37:42
わーい獣○!!!盛り上がってきました!!!
- 152イッチ24/02/10(土) 20:41:36
え?ほんまに獣○してもええの?イッチ的には大歓喜だけどさすがにニッチ過ぎない?ええんか?というか女神おいここで2が出なかったら獣○はやめようと思ってたのにオイ
眠いのでここまでにします
白犬の真の姿がどんなものかご意見下さると嬉しいです、多分明日のめっちゃ早朝に続き投下します - 153二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 20:45:43
- 154二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 20:47:50
ダイスの女神が圧倒的獣○推し…!
真実の姿はここまで来たらいっそのことコラボの悪魔凪そっくりな姿してても面白い - 155二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 20:53:12
ダイス女神の嗜好が一貫しすぎて面白い
・1:白モフ
・1:犬っぽい
・3:何故かめっちゃ懐く
・2:セッで戻るよ
・2:大昔に神様に呪われた悪魔、真実の愛(という名のセッ…)で元の姿に戻る
凪似犬に懐かれて絆されてドロドロ獣○セッした後に真の姿凪似悪魔にトロトロにされてくれないかなー - 156二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 23:54:08
さんざん気持ちよくさせられて喘いだ後に玲王が「最低だ、俺って…」しそうw
- 157イッチ24/02/11(日) 07:50:48
- 158イッチ24/02/11(日) 07:53:53
白犬くんの真の姿は凪似が良いとの事なので、それをベースに行きます
白犬くん(真)はdice1d2=2 (2)
1:まんまコラボの悪魔凪
2:体の一部(髪の長さや目の色など)が違う
- 159二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 08:18:03
目の色赤がいいなー!!髪の長さはそのまま派
- 160イッチ24/02/11(日) 08:18:07
なるほど?
違うのはdice1d3=1 (1)
1:髪の長さ
2:目の色
3:その他
- 161イッチ24/02/11(日) 08:18:53
- 162二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 09:29:12
- 163二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 11:19:30
- 164二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 12:48:33
イッチめちゃくちゃ筆早いな!?
クオリティ高くて筆も早いとかどうなってんだよ…
目が覚めたチビ悪魔くんは元🐶の悪魔さんにどんな反応するんだろう楽しみでしかない - 165二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:58:31
玲王悪魔の力めっちゃ強くなってんのかな?大天使の反応気になるブチ切れて欲しい
- 166イッチ24/02/11(日) 14:05:12
- 167二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 14:39:00
168ならそのまま!
- 168二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 15:44:51
- 169二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 16:00:27
- 170イッチ24/02/11(日) 17:29:13
ありがとうございます!
髪の長さはそのまま、昂ぶった時だけ目の色が赤紫色に変化するんですね。
基本は凪ってことですかなるほど、目を覚ました時の玲王の反応が面白そうだ - 171二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 18:13:24
凪似悪魔さんはいい流れなのかそれともいよいよ玲王に依存先ができて堕ちそうになっちゃう流れなのか
ハピエンとはいえまだまだ波乱万丈そうだし楽しみだなあ - 172二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 22:49:03
凪のそっくりさんが魔界にいるの笑う
玲王もびっくりだろうな - 173イッチ24/02/11(日) 23:08:43
『ぎゃああああっ!!!』
「うわぁっ!?」
つんざくような悲鳴に、玲王は思わず飛び起きる
「な、なんだなんだ!?何があった!?」
『ああ…そんな…!ごめんなさい、俺が、俺が守るって決めてたのに…!』
「おお起きたのかお前心配したぞ。で、何があったんだ?」
起きて早々、玲王は絶望しながら謝る少年に抱きつかれた。少年の背中を叩いて落ち着かせ、顔を覗き込むと、はらはらと涙を流す少年は『ごめんなさい』と謝罪を繰り返す
『お、俺が弱いから…守れなくて』
「守るって何から何をだよ」
『こんな時まで強がらないで下さい!その姿を見たら、何をされたのか誰だって分かりますよ!』
涙を拭いながら、少年は来ていた上着を脱いで玲王の身体に押し付けてくる。戸惑いながら押し付けられた服を見下ろし、玲王はようやく気が付いた。自分が下半身裸で、しかも、足元には白い液体がぽたぽたと…
「うぎゃああっ!?み、見るな!」
『嫌です!もう片時たりとも目を離しません!』
「時と場合によりけりだろ!?」
ぎゃいぎゃいと揉み合っていると、背後からのんびりとした声が聞こえる - 174イッチ24/02/11(日) 23:10:17
『うるさぁい、何してんの?』
「あっお前!ちゃんと説明しろって、言…」
声音であの白犬だと分かり、玲王は怒り顔で振り向くが、文句は尻切れトンボになる。何故なら、振り返った先に居たのは
「な、凪…?」
『誰それ』
人間界に居るはずの、玲王の宝物であり相棒である男と瓜二つの悪魔だったからだ
『あ、起きたんだねその子』
『コイツが悪漢ですね…!?こんな所でまで他人に無体を働くなんて。俺が成敗してやります』
どこから持ち出したのか、すらりと短剣を抜く少年と危機感の全く無い凪に似た悪魔の間に、玲王は間一髪で滑り込む
「違う違う!お前勘違いしてんだよ!これは仕方ねぇ事だったの!」
『仕方ない?他人を傷付けた事実に仕方ないなんて通用しません』
「俺別に傷付いてねぇし、とりあえずそのナイフ仕舞えって!」
両手で必死に少年を制止しながら、玲王は元白犬の悪魔を振り返る
「お前も何とか言えよ!刺されるぞ!」
『あー…、ごめん少年。君と仲良しのお兄さんとヤっちった』
『○す』
「説明下手くそか!アホ!」 - 175イッチ24/02/11(日) 23:12:22
玲王の奮闘により何とか落ち着いた少年と、凪に角と尻尾と羽をくっつけた様な悪魔、そして体を拭いて下を穿き直した玲王は3人仲良く円になって座った。
一方は國神を縮めた様な少年、一方は凪のそっくりさん。こうなると、潔や千切に似た悪魔も居るかもしれないと、玲王はそんな事を考えてしまった
「一応聞くけど、お前は凪では無いんだよな?」
『うん、そんな名前知らない。そんなに似てるの?ソイツと俺』
「めっちゃそっくり。一瞬見間違えたぜ」
念の為確認したが、やはり元白犬の青年は凪とは無関係らしい。それでも、見た目はどこからどう見ても凪なので、玲王は奇妙な気持ちになってしまう
(つか俺、コイツとヤったんだよな?不可抗力とはいえ…うわぁもう、最悪だ)
うっかり今の姿の青年と自分がヤっている画を想像してしまい、玲王は顔面を蒼白にして俯いた。勝手に顔色をくるくる変える玲王を青年は不思議そうに眺め、一方で少年は何を勘違いしたのか『やっぱり気にしてる…?』と、玲王を非常に心配してくれていた
「まぁいいや、事情は分かったろ。誤解は解けたか?」
『はい、理解はしました』
「納得は?」
『しません』
「変なとこ頑固だよなお前」 - 176イッチ24/02/11(日) 23:16:03
次どうしようかなぁdice1d4=3 (3)
1:大男とのイベント
2:少年とのイベント
3:青年(凪のそっくりさん)とのイベント
4:天使再来
凪のそっくりさんは魔界の深層から出られません。悪魔側ではトップレベルに強くて付いてくれてたら色々解決しちゃいますし
- 177イッチ24/02/11(日) 23:17:15
どんな事が起こりますか?
先着3レスでご意見下さると嬉しいです! - 178二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 23:28:38
天使への対抗策として悪魔の力を強くするために運動(意味深)する
- 179二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 23:48:04
悪魔さんに相談して中に出されても浄化されない対策で胎内に何かを仕込む(もちろん手段はほにゃらら)
- 180二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 23:56:01
煩悩を1度消そう
そっくりさんの名前決めなきゃ名前呼びのイチャラブセッセが出来ない - 181イッチ24/02/12(月) 00:00:01
- 182二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:07:08
- 183二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:23:00
こういう話スレチになっちゃうだろうけどスレ主やスレ民の好きな漫画とか聞きたい
- 184イッチ24/02/12(月) 06:39:46
- 185二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 07:19:47
おおかっこいい名前だ
- 186二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 07:54:28
- 187イッチ24/02/12(月) 08:24:20
『というか、二人はなんでこんなとこに来たの?わざわざ観光に来るような場所じゃないでしょ』
「あーそれは…」
青年が首を傾げながら聞いてきたので、玲王はあの天使にされた事は伏せて、天使に狙われているから瘴気が必要だったということだけを伝えた。すると青年は
『なるほどね、対抗策が欲しかったんだ。でも話を聞く限り相手って大天使でしょ』
「えっそうなのか?」
『うん、てかずっと気になってたんだけどお兄さん、俺とヤる前は随分と弱ってたよね』
「お前その顔でヤるとか言うな…ん?前はって」
『俺のをたくさん中に入れたから、力は元に戻ってるよ。なんならちょっと強くなってるかもね』
と、知らない事実を淡々と教えてくれた。二人の会話を顔を赤くしたり青くしたりしながら聞いていた少年は、『弱ってたんだ…あの強さで…』と少し驚いている。
一方で玲王は、中にアレを入れると強くなったり弱くなったりするなんて大変な世界だなとうんざりしつつ、その仕組みは対策として有用なのではと思い付いた
「それって、の、飲んだりとかじゃ効果は現れないのか?」
『無理だよそしたら胃液で溶けちゃうし。直接じゃないと』
「そっかぁ…じゃあ無理かな」
恥を忍んで聞いてみたが、青年の答えは期待していたものではなかった。しゅんと肩を落とす玲王を、青年はじっと見つめる - 188イッチ24/02/12(月) 08:26:23
『俺はさ、もうここから出られないんだよね』
「…え」
『だからもう一度会いに来てくれる?そしたら、君の悩みを解決してあげられるかも知れないよ』
玲王の目を見つめながら、青年は提案をする。しかし玲王の方は提案の内容よりも、青年がこの場所から出られないという発言に気を取られた
「なんで出られないんだよ?だってお前、元は俺らと同じじゃ」
『うん、そうだったけど、ここに長い間居すぎたから。上の空気はもう俺には綺麗すぎる』
「そんな…」
玲王は周囲の景色を見渡す。こんな何もない所で、せっかく元に戻ったのに、一人で居なくてはならないなんて
『そんな顔しないでよ、今の俺には君達が居るから寂しくないよ』
「………」
『また明日会いに来て。あ、久しぶりに上の食べ物食べたいかも』
「…分かった、美味いもん持ってきてやる」
青年の表情は凪いでいて、それが玲王の目には相棒の様に写って辛かった。別人だとは分かっているのに、側に居たいと願ってしまう - 189イッチ24/02/12(月) 08:28:35
『あなたの事は信用しませんけど、でも俺のお気に入りのお菓子を持ってきてあげます』
『うん、ありがと』
「あ、そうだ」
帰路に着く直前、玲王はふと気が付いて、少年と会話をする青年の方へ振り返った
「お前の名前を教えてくれよ」
『サタナキア。なんだっけ、ナギ?って奴は俺と似てるんでしょ?だったら俺の事はナキって呼びなよ』
「ははっ、なんだそりゃ。分かったよナキ、俺の名前は玲王だ」
『レオ、また明日』
二人を見送るナキの姿が見えなくなるまで、玲王は手を振り続けた
『…図書室で調べれば、あそこに取り残された悪魔を元に戻す方法が見つかりますかね』
「なんだよお前、やっぱアイツのこと気に入ってたのか?慧眼だな」
『違いますよ、まぁ、寂しそうだなって思いましたけど…お兄さんが、あの人と一緒に居たそうだったので』
エレベーターの中で、少しだけ頬を膨らませながら、少年がそう言う。その姿のあまりのいじらしさに、玲王思わず少年の頭を撫で回した
『わぁっ!?』
「お前とも一緒に居たいよ俺は。向こうに連れて帰りたい位だ」
『む、向こうって…?あ、着きますよ』
そして二人は、魔界の深層からいつもの塔の立つ層へ帰ってきたのだった - 190二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 08:33:55
サタナキアくん…😭
いつかは出られるといいな…! - 191二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 09:27:53
教えてくれてありがとう知らないのは今度読んでみる絶対楽しめる!!スレ主のスレいつもぶっ刺さるから知りたかったんだ!!
ヒロインは絶望しましたトップ3に入るくらい自分も好きだ…きたない君がいちばんかわいいっていう漫画おすすめです、百合になっちゃうけど
- 192二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 20:16:02
サタナキアくんルート見てぇ〜
- 193二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 01:00:35
キてる…
- 194二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 11:21:25
サタナキアくんルートリョナスレとは思えないかわいさだ…
いちゃラブからのモブ玲リョナレは一番悲惨で大好きです!天国と地獄だね! - 195イッチ24/02/13(火) 13:48:28
一日休みを貰ったにも関わらず身体を再び酷使し、玲王は腰痛と腹痛に悩まされていた。それでも翌日には仕事、そしてサタナキアと会う約束があるので、そのことは表情に出さず、少年と共に飄々と出勤してみせる
『来たか玲王、今日からお前は大人数で仕事をしてもらう』
控室に入るなり寄ってきた大男からそう告げられ、玲王は内心飛び上がるほど嬉しかった。これで少なくとも、また逃げ場の無い場所で襲われるような事は無くなる。
控室に居た娼婦や男娼達に指示を飛ばした後、大男は二人を連れて下の階へと降りていった
『気ぃつけろよ?下の商品達は上の奴らと違って競争してっから、お前みたいな上物は目の敵にされやすいんだ。うっかり食われでもしたら商品価値が下がる!』
「誰に言ってんだ。見てろよ、今日中にNO.1を獲るからな」
『ハッ!また俺にヘロヘロのお前を助けさせるんじゃないぞ?ベイビー』
大男と会話を交わしていると、その様子を少年が訝しげに眺めていた
『…いつの間に仲良くなったんです?』
「別に仲良くはねぇよ、ただ」
少年に問われ、玲王は慌てて手を横に振った。しかし、最後にこう付け足す
「───思う程、悪い奴でもねぇのかなって」
『俺を買うような奴なのに?』
「ああそれは絶対許さねえ、お前は俺が守る」
『酷いなオイ!俺が買わなきゃソイツは親に殺されてたんだぜ?』 - 196イッチ24/02/13(火) 13:49:30
大男には二度助けられた恩があるが、少年にした仕打ちとそれは別だ。
二人のやり取りを聞いて、大男は特に傷付いた様子も無く、いつも通りヘラヘラと笑って一つも面白くない軽口を叩いてくる。
玲王は少年の背中にある片方だけの羽を見て、そういえば少年がどういう経緯で親にこれ程の虐待をされるようになったのかを知らない事に気が付いた
『…なんですか?別にこれくらい、魔界じゃ普通のコトですよ』
「なんだそりゃ狂ってんな」
玲王の痛ましいものを見る視線に気付いた少年は、事も無げにそう告げる。玲王が酷い目に遭った時はあれ程取り乱したというのに、自分の事になるとまるで天気の話でもするかのように軽く流す少年は、一体自分の存在をどれ程軽く見積もっているのだろうか
「もっと俺を頼れよ」
『十分頼ってますよ、めっちゃ守られてますし』
少年は日が差す様に笑う
これ以上は踏み込めないと察した玲王は、少年に投げ掛けたかった言葉を飲み込んだ - 197イッチ24/02/13(火) 13:50:58
辿り着いたのは随分と大きな部屋だった
そこら中に置かれている机や椅子、壁などは目が痛くなるほどキラキラと飾られていて、部屋の中にはその装飾に引けを取らないほど着飾った娼婦や男娼達が居り、それぞれ手鏡を持って化粧の確認をしていたり、衣装を整えたりしている
彼らは扉を開けたのが大男だと気が付くと、一斉に立ち上がって姿勢を正し、『おはようございます』と大声で挨拶をした
『元気だなお前ら!紹介したい奴が居る、見ろ!コイツが新たなライバルだ!元々上で接客をしてたんだが、どうにもコイツは他人を狂わせるもんでな、仕方ねえからお前らで中和する事にした。可愛がってやれ』
そう言われた彼らは揃って玲王へ視線を向け、頭の先からつま先までじっくりと観察すると、露骨に嫌そうに顔を歪めた
「な、なんだ…?」
『お兄さん、顔はぶっちぎりですからね。そりゃ嫌な顔もされますよ』
向けられる身に覚えのない悪意を、少年が解説してくれる。なるほど確かに、玲王の容姿は自他ともに高く評価出来るレベルだが、まさかここまで疎まれるとは
「ま、いいさ。全員まとめて俺が手懐けてやる」
そんな負の感情達を受け、玲王は自分の士気が上がっていくのを感じる。ハードルは高いほどやりがいがあるというものだ - 198イッチ24/02/13(火) 13:53:51
- 199二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 14:08:17
立て乙です!
うおおおいっぱいSS来てて嬉しい!! - 200二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 17:21:16
200!
次スレでも楽しくリョナろう!