- 1二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:48:13
- 2二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:52:22
愛の戦士くんの家に帰ってくれピエール
- 3二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:53:08
コイツは担当に手を出すからダメだ
- 4二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:53:35
表蓮華しろ
- 5二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:53:57
タスケテー!カイチョ~!!
(トウカイテイオー(CV:香山ピエール)) - 6二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:54:16
アッアッアッ ナカヤマフェスタくんパック開封デスマッチだ!
- 7二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:55:31
シリウスくん!デスマッチに私情を持ち込んではいけないと言ってるだろう!
- 8二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:56:10
当たり前のように愛の戦士バージョンで草
- 9二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 18:56:34
アッアッアッ私の計算によれば、我々がアオハル杯一戦目に勝利する確率...90%!
- 10二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:21:37
やめてくれゴールドシップ君!メガネに触るんじゃない!
- 11二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:22:16
ネオも混じってんじゃねぇか!
- 12二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:22:34
- 13二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:37:05
最低ですよピエールさん!
- 14二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:38:27
それでもトレーナーなんですかピエールさん!
- 15二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:40:23
リカ「やっと見つけたわ、パァパァ!」
ピエール「うおおおリカ!ウマ娘よりヤバイ速度で追ってくるんじゃない!」 - 16二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:40:52
- 17二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:51:12
リカならやりかねない…
- 18二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:52:25
書き込みがほとんど愛の戦士クンの声で脳内再生されるんだよなぁ…俺もう駄目かもしれん
- 19二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 20:52:44
なめるなよ小娘(ゴルシ)!!
今日の勝利の女神はなぁ!私だけにチュウするんだよー--っ!!
ピエール・スピニング・うまぴょい伝説・ドロォーーーッ!! シュン…シュン…シュン…パァシィィ… - 20二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:19:07
レースに私情を持ち込んではいけないよライスシャワークンッ!!勝った奴が正義なんだっ!!
- 21二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:23:15
うまぴょい伝説がデスマッチのテーマになっちまうじゃねぇかよえーっ。
- 22二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:27:47
「ヤメタマエッ!オトナヲカラカウンジャナイヨ!ワタシハネェユウメイナトレーナーナンダカネナラアル!!」
- 23二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:28:58
勝ったものはうまぴょいを踊り負けたものは罰ゲームか…
- 24二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:29:50
ライスにこんなイカれ狂人を近付けるんじゃない
- 25二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:32:02
手を出す(パック開封デスマッチのヒトジチ)
- 26二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:33:18
とうとう自立したんかこのデスマッチャー
- 27二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:34:47
あの世界はウマ娘カードとかありそうだからデスマッチもあるだろうな
- 28二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:43:45
トレーナーじゃなくてライブの監督とかやらせた方がマシだろ
- 29二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:46:14
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:47:09
- 31二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:47:47
- 32二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:48:45
実はお前そんなロジカルじゃないだろ
- 33二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:49:55
- 34二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:52:16
- 35二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:52:54
来るか……新育成キャラカヤマリカ。
- 36二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:56:42
- 37二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 21:58:34
音楽関連が好きなウマ娘って誰かいたっけ?
- 38二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:03:50
気のせいかあのトレーナーの背後に死んだ目の男がいるような……
- 39二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:05:55
お前ひょっとしてこの世界からやって来た?
- 40二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:08:22
担当の命を賭けて勝手にデスマッチしそうな人はちょっと
- 41二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:10:33
- 42二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:18:49
この係の人来るとクリームパンや、歌い手、犯罪上等な人とかも来そう
- 43二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:22:15
- 44二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:24:02
ピエールさん(真)への風評被害がやばい
- 45二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:26:08
香山家の優しいパパのイメージをデスマッチ狂いのプァプァ!のイメージに変えたゴリラの罪は重い
- 46二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:31:18
本家ェ…
- 47二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:34:05
デスマッチの時間だアイノセンシクンッ
- 48二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:39:43
このレスは削除されています
- 49二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:43:08
愛の戦士のせいでルドウイークと塔の騎士とオンスモの楽曲聞くだけで笑ってしまう
- 50二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 22:49:38
なんで封印されてるのに普通に出てくるんですか
ピエールさん!! - 51二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:03:20
- 52二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:17:40
ライバルのネオピエールトレーナーとは外見が瓜二つなのでこうしてメガネの有無で見分ける
- 53二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:29:33
ピエールトレーナーの背中には戦いで負った
傷があるからそこでも見分けられるぞ - 54二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:31:19
ほら人形浄瑠璃は子供に受けるでしょ
教わってきたらどうだい?クリーク? - 55二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:46:03
理子ちゃん?何してるの?
- 56二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 01:55:56
担当と切磋琢磨(デスマッチ)するタイプか
- 57二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 07:21:00
耐久性が異常に高いのでウマ娘に蹴られても
死なないな - 58二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 12:08:04
プァプァ!!ドコニニゲテモムダヨ!!コノカヤマケノノロイカラハニゲラレナイノヨ!!
- 59二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 19:10:42
担当を魔女にしそう
- 60二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 19:15:37
サポカに安心沢が必ず入ってそう
- 61二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 20:48:07
動くたびにパキパキ音してそう
- 62二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:03:34
ある意味不死身みたいなもんだし、封印されても魂が実体化するから担当が曇らないな!
- 63二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:17:52
- 64二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:18:57
担当もデスマッチャーかもしれないだろ❗️
- 65二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:19:11
香山ピエールのイメ損が酷過ぎて芝
- 66二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:22:33
香山ピエールは本名なのに何故か全員デスマッチャーを思い浮かべている…
- 67二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:30:38
フクキタル君の枠番が7になる確率、77.7%!
- 68二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:37:41
- 69二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 00:53:47
仮にも既婚者が他の女と温泉行くのは不味くねぇか?
- 70二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 00:54:33
未婚者でも関係を持ってない人と行くのはアウトだよ!!
- 71二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 01:35:20
愛の戦士の世界線でもピエール愛妻家だからね
- 72二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 09:59:57
トレーナー向いてないだろ魔女作り上げたし
- 73二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:00:44
実質ゴリラトレーナーじゃん!
- 74二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:07:04
負けるとウイニングライブのバックでスノードームに封印されてそう。
- 75二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:14:44
なんだかんだで落ちずにしぶとくたまに上がってくるの元ネタみたいで芝生える
- 76二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:25:52
音楽家なんだからうまぴょい伝説の指導してたほうがまだマシだろ
- 77二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:26:21
暴走気味のピエールを止めるゴリラか…
- 78二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:38:43
レースの結果でデスマッチを行い負けたらオブジェにされるイベントが発生する
- 79二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 10:53:10
半角テイオーと相性いいよね
- 80二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 13:16:31
デスマッチスルモンニ!!
- 81二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 13:59:00
お前より不人気なウマ娘いねえよ
- 82二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 17:23:22
イメ損にイメ損かけても+にはならんぞ
- 83二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 17:28:17
やだよ最初はミキちゃんマキちゃんみたいに優しいパパとして接して、トロフィーとって人気になったら急に冷たくなるトレーナー
- 84二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 18:52:19
レースとデスマッチ合わねぇと思ったけどそもそも元がパック開封とデスマッチとかいうイカれた組み合わせだった
- 85二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 23:01:11
そうだこのアイデアはデスマッチの罰ゲームにいかせるかもしれないぞ!!アッアッアッ!!
- 86二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 23:04:01
愛の戦士くんが人気なのは嬉しいけど一番盛り上がってるのがTCGでもその他(二次以外)でもなくウマ娘カテのスレなのは笑うしかない
- 87二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 23:41:26
- 88二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 23:47:51
- 89二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 01:54:03
同じ半角同士相性は良いのか?
- 90二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 01:57:08
アッアッアッ!!キタチャンデスマッチノジカンダモンニ!!
- 91二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 07:38:44
- 92二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 14:28:41
- 93二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 16:25:26
クロスギアデッキみたいなやり方で救済者してくるライバルトレーナー......
- 94二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 22:35:11
担当とデスマッチして賢さトレーニングしろ
- 95二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 00:29:23
- 96二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 05:12:37
デスマッチは因縁吹っ掛けて来るばっかりで勝ってもリターン無いから流石に針の方がましでは
- 97二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 07:18:21
- 98二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 07:55:33
だって否定されない要素のが少ないし……
- 99二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 10:21:01
- 100二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 12:22:17
笹針とデスマッチは近寄ったら最後ろくな目にわないぞ
- 101二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 12:23:25
混ざるな混ざるな
- 102二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 12:30:51
- 103二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 15:42:49
- 104二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 15:44:05
やだよデスマッチに負けてスノードームに封印されるトレーナーなんて……
- 105二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 17:51:14
ゴルシのドロップキックに耐えられる代わりにパキパキ変な音が鳴るトレーナーか……有りだな
- 106二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 17:58:41
本人もそのあたり自覚してて単発にする予定だったのに、生放送でアンコールが多すぎて引いたって話好き
- 107二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 18:00:00
なんだこのスレ…?
- 108二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 22:19:35
学生相手にデスマッチを仕掛けるな
- 109二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 22:30:52
クイッ
- 110二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 22:33:09
マガイマガドくん、デスマッチといこうじゃないか!
- 111二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 22:35:55
差し入れで新しい車貰ってたから
担当と一緒に色んな所に行けるな❗️ - 112二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 23:26:46
- 113二次元好きの匿名さん22/01/20(木) 10:20:34
ペガサスと化しとる、確かに雰囲気はそうだけどさあ
- 114二次元好きの匿名さん22/01/20(木) 11:15:36
的が小さすぎて吸盤が引っ付かないぞ愛の戦士君!企画倒れだよ愛の戦士君!!!
- 115二次元好きの匿名さん22/01/20(木) 13:09:03
血の海を赤い入浴剤で表現するのマジで天才だろw
- 116二次元好きの匿名さん22/01/20(木) 20:33:50
あの狂人の担当になる娘が可哀想すぎる……
フク、愛ゴリの世界線に返してやれ - 117二次元好きの匿名さん22/01/21(金) 08:30:01
保守
- 118二次元好きの匿名さん22/01/21(金) 17:35:58
ピエールさん金だけは有るからデスマッチさえ目を瞑れば最高の人材なんだよなぁ……理事長と組んだらヤバそうだけど
- 119二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:03:38
深夜だし、こっそりクソSS投稿してもバレへんやろ……
「クソがっ!!」
今日の模擬レースの後アタシは他のヤツから離れた物陰で一人惜しがっていた。今日は高等部に上がって初めての模擬レース。中等部の時に燻っていたアタシにとっては最初で最後のトレーナーが付くチャンスだったって言うのによ。結果は10人中9位、掛かり気味になってスタミナを使いすぎちまった。それでも最後まで集団に喰らいついてやったんだ、落ちこぼれのアタシにとっては良くやったほうだろ。
「あーあ、これでアタシのレース生命も終わりかねぇ、アタシみたいな落ちこぼれはトレセン卒業まで何すりゃいんだよ……」
そう口に出したところでこちらに近づいてくる足音が聞こえて振り返ってみると一人のトレーナーがアタシの方にやってきた。
「こっちに来てもらってワリぃがスカウトするならあっちだぜ。」
そう言って模擬レースに勝ち笑顔を見せているウマ娘の方を指差したがそいつはそっちには目を向けずアタシの方にやってきた。
「さっきの走り凄かった。ロマンあふれる走りだった!!是非俺に救済させてくれ!!」
それを聞いた時アタシはまず耳を疑い次に怒りが押し寄せた。
「ふざけんな!!安っぽい同情なら他所でやれ!!アンタだってさっきのレース見たんだろ?」
そんなアタシの言葉を聞いたトレーナーを良く見ると悪い意味で有名なトレーナーでアタシも知っている人物だ。実力こそあるものの新入生に人形劇を見せ、リカちゃん人形を恋人と言い張っているというとんでもねぇ評判の愛の戦士だった。
「完全にスタミナを使い果たした筈なのに、千切れずに最後まで集団の最後尾に付くなんて他の誰にもできない!!俺に救済させてくれ!!ソウヨッ!!アイノセンシサンハアナタノタメニガンバッテクレルワッ!!」
また人形通して喋ってる…こんな色モノにトレーナーになられても、と思ったがそもそもアタシはレースを諦めようと思っていた所だ。割れ鍋に綴じ蓋って言うしアタシみたいなのにはこんなので案外丁度良いかもしれねぇな。 - 120二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:04:09
「分かったよ……その代わり条件がある。一つ目、アタシに二度とあんな無様な負け方させないこと。二つ目にユメノパステル……今日の模擬レース1位だったあのチビに絶対勝つことだ。アタシのトレーナーになるってんなら当たり前だよな?」
その言葉に満足そうに頷いてアイツは言った。
「わかったぜ!!俺がお前を絶対に勝たせてやるからな‼任せろ!!」
これがアタシとあいつとの出会いだった。
------
「さぁ~て、次のレースはっと」
アタシはタブレット端末を操作してレース一覧を確認する。あいつが言うにはどうやらアタシにはステイヤーの才能があるらしくスタミナや根性を重点的に伸ばすのが良いらしい。だから今見ているレース一覧にあるレースも距離2400m以上のレースばかりだ。始めはいきなり長距離のレースに出るのかと不安だったがあいつ曰く長距離の方がスタミナも根性も伸び代があるアタシにはかえって良いとのことらしい。
「うーん、どれにしようかな……おっ、これなんか良さそうだな」
昔のアタシなら絶対に選ばなかったであろうレースだ、昔のアタシは速くゴールしたいという気持ちから短距離ばかり選んでいたが今はあいつに言われたように他のウマ娘と少しでも長く闘える長距離の方が良いと思う気持ちが勝っている。そんなことを思っていると愛の戦士トレーナーがトレーナー室に帰ってきた。とりっぴぃトレーナーとタラチオ教官も一緒だ。三人はまたくだらない事を話しているようで、何かを言い争っている。まあ、いつもの事だし気にしない。
「俺の愛バおるか〜、愛の戦士君が帰ってきたで〜」
「愛の戦士聞け!!やっぱりとりっぴぃさんは串カツのソースは付ければ付けるほど美味しくなると思うんだよ!!タラチオも何か言ってやれよ。」
「とりあえずとりっぴぃ、それ絶対食堂では言うなよ話ややこしくなるから。」
「えぇー、なんでだよ。俺はただあのタレの味はつけすぎるぐらいつけてこそ完成すると思ってるだけだぞ?」
「お前のそれはもう料理じゃなくてただのジャンクフードなんだよ。それに俺だって言いたいことあるんだぞ?この前も飯食いながら長々と持論を語って……」
「まぁ良いじゃないですか、タラチオさ〜ん。それより俺の愛バの体力測定の補助宜しくお願いしますよ〜」 - 121二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:04:44
何やら喧嘩を始めた二人を仲裁しつつトレーナーはアタシに向かってそう言った。どうやら今後のレースに向けてアタシの体力測定をしてくれるようだ。
トレセン学園には様々な施設があるがレース場以外の設備は基本的に予約制であり、アタシのように伸び悩んでいるウマ娘は予約が埋まっているため練習ができないなんてこともざらに起こる。しかし学園には練習場とは別にトレーナーや保健医など一部の職員しか使えない特別なトレーニングルームがあるのだ。そしてそのトレーナーの一人である愛の戦士はアタシの体力測定のために予約を取ってきてくれたらしい。
「悪いなわざわざアタシを特別扱いしてもらって」
「良いんだよ、俺がやりたくてやってるんだから。それに今の時間は誰もあっちのトレーニングルームを使ってないから一人で使えてお得なんです!!」
「まあ本当はウマ娘用の整備の手間があるからあんまり褒められた事じゃないんだが、今回は特別だぞ愛の戦士」
「タラチオさん俺も今度使っていいか?最近またリバウンドしてきたんだよ。」
「お前はトレーナーなんだから好きに使えるだろ……というかまたリバウンドしてるのかよ。」
「そういえばとりっぴぃさっき担当ウマ娘ちゃんにクリームパン呼びされてたぞ。や~いクリームパーンw」
「その話は今良いだろ!!もう、行くぞ。」
そう言ってアタシ達四人はトレーナー寮の方のトレーニングルームへ移動を始めた。
------
「よし、着いたぞ!ここが今日使う部屋だ。普段はトレーナーや事務員以外はあまり使わないんだけど、今日だけは特別に貸し切りにしてもらったからな。」
「本当に助かりますよ、タラチオさん。」
「良いってことよ。それじゃ、俺の出番が来たらいつでもメールしてくれ。俺は少し用事があるから一旦失礼する。」
そう言ってタラチオさんはトレーニングルームから出て行った。
「それじゃ、早速始めましょうかね!」
「順番はとりあえずパワーから始めるか?愛の戦士」
「そうだね、まずはどれほどのものなのか見たいからよろしく頼むわ。じゃあ俺ととりっぴぃで用意するからそれまで準備体操しながら待っててクレメンス。」
どうやらパワーから測定するらしい、そりゃそうかアタシのスタミナはそれなりにあるが現状まだまだだしな。出せるうちに全力を見せてやるか - 122二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:05:49
「オッケー、わかったぜ」
そう言ってアタシは軽くストレッチをしながら待つことにした。
「よし、準備できたからいつでもいいぞ。」「こっちもOKだ」
そういって用意されたのはゲームセンターでよくあるようなパンチングマシーンだった。
「おい大丈夫かよ、ウマ娘のパワーでやったら壊れちまうんじゃねえの?」
「そこは心配いりません!!こちらたづなさんが愛用している特殊設計のマシンなんですよ~」
「それ理由になってるか?」
不安になりつつも自信満々な表情の愛の戦士ととりっぴぃさんの二人の顔を信じて全力でパンチを打ち込んでやった。
「オラァッ!!!!」
バキッ!!
「どうよ?アタシも中々のパワーだろ?」
そういって画面上に表示された数字を二人に見せるがなにやら微妙そうな表情をしていた。
「あー…うん。流石だぞ!!俺らじゃ絶対出せない数値だな!!」
「いや愛の戦士これ多分高等部の平均より下……」「バァカ!良いんだよこれから鍛えるんだから!!」
「それもそうだな、すまんかった。じゃあ次はとりっぴぃさんがやってみていいか?」
「やめとけって、絶対痛い目みるだけだぞ。」
そう言って今度はとりっぴぃさんが機械の前に立つ
「フゥ~ン、俺をあなどったなぁ愛の戦士ぃ~。」
「いや、だから特殊設計のマシンにしたって言いましたよねとりっぴぃさん……。」
そんなトレーナーの忠告を聞かずとりっぴぃさんがパンチをしたがマシンは微動だにしなかった。
「痛ってぇ!!は?固定されてるこれ?まじで痛いんだけど?」((アホだ………))
「とりっぴぃは放っておいて次は柔軟性のテストを行いま~す。」
「良いのか?とりっぴぃさんスゲェ痛そうだけど?」
悶えてるとりっぴぃさんを放置してアタシは柔軟性、瞬発力、バランス感覚などのテストを行っていき、最後の持久力のトレーニングを行う前に休憩を取るように言われた。
「じゃあちょっと休んでから最後、全身持久力の測定するぞ。」「おう、わかったぜ。」
ガチャ
「おーい、愛の戦士もう俺の出番か?」
そう言ってタラチオ教官が戻ってきた。
「タッちんお帰り~」
「タイミングばっちりですよタラチオさん。もう後は全身持久力だけなんでよろしくお願いしますよ。」 - 123二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:06:15
「ああ分かった。ところで…とりっぴぃは何で萌え袖になってるんだ?」
「とりっぴぃさんはアタシのあとにあの特製パンチングマシーンにパンチを打ち込んで手を痛めた。」
「そっか…後で氷嚢持ってきてやるからな。」
「じゃあタラチオさんも来たことだし始めますか。タラチオさん僕たちこの機械使ったことないんで設定お願いできますか?」
「本当にしょうがねぇなあ、今回だけだぞ♪、えーっと、この測定器は……最新のやつか、確か…よし出来た。それでどのくらいの負荷にするとか時間設定とか色々できるけどどうする?」
「体力測定だから規定通り10分で測定した方が良い確率99%!!」
「お…おう。じゃあそう設定するが良いか?」
変なテンションのトレーナーをスルーしてタラチオ教官がアタシに聞いてきた。
「構いませんよ。タラチオ教官。」
「じゃあそう設定するな。良し、じゃあこのサドルに座って自転車と同じような感じでペダルを回してくれ、だんだん負荷がかかって重くなってくるけど頑張って一定のペースで回し続けてくれ。」
「分かりました。」
「とりっぴぃさんも応援してるから頑張れよ~」
「体力テストの段階でそこまで良し悪しが出るかは分からないが、俺も応援してるぞ。」
「ユーなら絶対に良い記録が出るとミーは信じてマース!!」
「「愛の戦士、人格が漏れてるぞ。」」
「あっ、すいませんとりっぴぃさん、タラチオさん」
「それじゃあ始めるぜトレーナー」
ピッ!ピッ!
電子音がなるとともにアタシはペダルをこぎ始めた。初めの方は余裕だったがだんだんキツくなってくる。疲労と機械がかける負荷でペースが落ちそうになるがなんとか耐え続ける。
「ふぅ……ふぅ……」
「がんばれ~!」
「あとちょっとだぞ~」
「ハァ……ハァ……」
(なんでこんなことになってんだ?アタシは誰からも見向きもされなかったのに、少なくともこの三人はアタシのことを応援してくれてる。)
そう思いながらアタシは最後の一踏ん張りをした。
ピーーッ!!
「はぁ……はぁ……どう?アタシの記録は?」
「良かった!!本当に!!マジで伸びしろしか感じなかったぞ!!やっぱり君はデスマッ…いやステイヤーになれる!!絶対俺が救済してやるからな!!」
「最新型の機械はよく分かんないけど多分いい記録だったと思う!!ねぇタラチオさん今度うちの担当にもやらせて見せて良い?」 - 124二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:06:46
「良いけど予約はちゃんと取れよ。このマシンはペースの乱れなさに反比例して負荷が上昇するシステムだったんだが最後のほうの負荷を見る限りかなり根性があるな。」
三者三様にアタシに言葉を投げかけてくれる。こんなに満たされた気持ちになるのはいつぶりだっただろうか。
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それからステイヤーを目指すためのトレーニングが始まった。最初はスタミナ強化のためのジョギング、次は脚力の強化のために階段ダッシュなどのインターバル走、時々心肺機能を強化するためにプールで水泳というメニューをこなしていく。他のウマ娘達と違い全力疾走やパワーのトレーニングは必要最低限しか行っていなかったがどうやらアタシみたいなのを気にかけるような奴はいないらしく誰からもとやかく言われずに満足にトレーニングを行えた。それにジョギングコースやプールは広いから事前に予約する必要も無いし、予約を行うのは時々とりっぴぃさんの担当ウマ娘と併走を行うくらいだな。
「よっし、じゃあ今日はここまでするか。」
「おう、お疲れ。あっ、そうだ後でアンタの部屋に行くからな。」
「分かった。待ってるで~」
今はもうすっかり日課になったトレーニングを終えて寮の部屋に戻る。ルームメイトに軽く挨拶をして少し休憩をしてからトレーナー室に向かう。今日はアタシのデビュー戦の相談をしにいく、アイツがどんなレースにあたしを出場させる気か聞いておかないとな。
「よう、邪魔するz……何やってんだアンタ?」
トレーナー室に入ったアタシの目に入って来た光景は、既に今日に仕事は終わらせているのか閉じたパソコンの上に3体の人形を乗せて人形劇をしているトレーナーの姿だった。
「いや~やらなくちゃいけないことがあってな、それに最近リカに構ってやれなかったからたまには構わなくちゃな。ソウヨッアイノセンシサンハトッテモヤサシイノヨ!!ダカラアナタモヨウケンヲイイナサイッ!!キットナンデモコタテクレルワ!!何でもは無理だよ~リカ。ウルサイワッ!!アナタトレーナーナンダカラナンデモカナエテアゲナサイ!!」
アタシの目の前でも顔色一つ変えず人形劇を続けるそのハートの強さは尊敬に値するがはっきり言って頭がおかしいとは思う。そりゃ実績はそれなりにあるのに中々担当つかなかったわけだ。こうしてる間にもずっと一人でしゃべり続けているのでアタシは話を切り出した。 - 125二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:07:13
「そろそろ良いか?アタシの初レースについてあんたの意見を聞きに来たんだが?」
そう言った途端、今までずっと一人で喋っていたトレーナーが急に黙った。そして
「おぉすまんな。つい夢中になってしまった。えーっと、そうだなぁ……」
と、言いながらパソコンを立ち上げて操作して画面を見せてきた。もちろんパソコンの脇にはさっきの人形たちが置いてありこちらを見ている。視線を感じつつもパソコンの画面に目を落とすと3つのレースが表示されていた。しかし、そこにあったのはアタシにとっては想定外のものだった。
「おい、何で全部マイルなんだ、アンタあたしをからかってるのか?」
特に最後のレースなんて、デビュー前のアタシじゃ勝てる見込みすら無かったはずなのに……するとそんなアタシの考えを察したのかトレーナーが口を開いた。
「まあ最後まで話を聞いてくれ、確かに君の適正距離は長距離だ。でも俺は救済者だ、救済者には救済者なりのレース設計ってもんがあるんですよ。想像してみてくれ!!ノーマークで飛び出して周りに掛かり気味だと思わせておいてそのスタミナと根性でいつまでも逃げ続ける姿を、これならパワーなんて関係ないぞ。すべてが終わるまでオンリーワンであり続けられる。こんなに素晴らしいレース展開は他にないぞ!!それに、この作戦は君にしかできない。だってこのレースに出てくるウマ娘たちは君と同じでレース経験が少ない、そんな子達がいつまでも前方にいる君を見てまともに判断できると思うか?いや無理だね。そ゛う゛っ゛す゛よ゛ね゛ク゛ラ゛ウ゛ド゛さ゛ん゛!!あ~あと流石にステイヤー目指しててもデビュー戦で長距離は絶対無理だゾ」
(クラウドさんって誰だよ……)
言われてれば納得できることもあったがそれでもまだ反対意見のほうが強い。
「確かにそれがアタシ適してるってのは分かった。でもよ、そもそもアタシだって別に最高速が速いほうじゃない。スタートダッシュ決められずバ郡に飲み込まれたらそのまま沈んじまうぜ。」
「さすがだぞ!!作戦の肝をバッチリ理解しているんだな!!大丈夫、俺が前に担当していたウマ娘達の中にはスタートダッシュが上手いヤツがいてな、今日はソイツの人格を思い出すために人形劇を行っていたんだ!!」
「何言ってんだコイツ」(何言ってんだコイツ) - 126二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:07:31
アタシは目の前のトレーナーを正気に戻そうと2,3発ぶん殴ってやろうと思ったがふとこの前聞いたコイツの噂が頭をよぎった。『愛の戦士トレーナーは今まで担当したウマ娘の人格をそのウマ娘のぱかプチで人形劇をすることで呼び出せられるらしい。』というものだ。まさか、と思いつつも確かにパソコンの横にはリカちゃん人形、ピンクのシャツを着た大人の男の人形に加えてどこかで見たようなウマ娘のぱかプチがあった。
「おい、まさかお前…………。」
「私とは始めましてですね、これからよろしくお願いいたしますわ。」
と、言いながら高々とぱかプチを持った右手を上げて見せた。どうやらこのトレーナーは本気で言っているらしく、本当に人格を呼び出しているようだ。そして、これが初めてではないことが容易に想像できた。
「え、マジで?アンタ、今までに何人もの人格を呼び出してたのか?」
「そうだぞ!ソウヨッ!!アッアッアッヨロシクタノムヨ!!お~よろしく頼むぞ~、お願いしマース、多重人格…卑怯とは言うまいな!驚異の根性1200!!一つ教えてやるこれはセミナーだ!キマシター!!全ての障害をデストロイ!!イクヨッドラシエルッ!!(T)行くぞ…担当ウマ娘よ…、初陣に勝てる確率99%!!誉…、私は元帥だぞ!!スタミナを重点的に鍛えるのがよろしいかとイーサン様、そうだな、デューク‼興味ないね!!長距離は良いぞクラウド…、行くボルよ~、マスオ君左様、まさにデスゲーム!!ん~~許可するっ!!レースプランは一任するわ。」
蜂の巣をつついたようなとはまさにこのことをいうのだろうか、顔色一つ変えずに違う人物の人格が次々登場しては消えていった。中には体力測定の時やアタシをスカウトした時にいた人格もいたようだがそんなことはどうでもよかった。体力測定の時にとりっぴぃさんとタラチオ教官が言っていた人格が漏れてるというのはこういうことだったのか。
「驚いたよ…どうやらあの噂話はマジだったのか…」
「噂話とは?」
「ああ、アンタには人格が複数あってアンタの前職時代に吸収した人格とは別にぱかプチを使うことで今まで担当したウマ娘の人格を呼び寄せられるって噂話だよ。」
「そうなのか?まぁ確かに俺は今まで担当してきたウマ娘全員の人格を吸収してきたからその噂話は本当だけど。」 - 127二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:07:53
「そうなのか…まっまあそんなことは今のアタシにとっちゃどうでもいい、今更担当を変えようとは思えないしな。(それに多分コイツ以外にアタシを担当してくれる奴なんていねぇだろうし)で、アンタは本当に強えーのか?」
トレーナーの手からぱかプチを奪い聞いてみる。
するとアタシの手からぱかプチを取り戻したトレーナーがぱかプチを操りながら答えた。
「心外ですわね、私現役時代は【遥か手前の城門】の二つ名で呼ばれた先行・妨害のプロフェッショナルですのよ。そしてこの二つ名に恥じぬように当然先頭に立つ術をマスターしていますわ。」
「遥か手前の城門っていえばあの原黒三冠って言われた…」
そう言ってる最中にトレーナーがぱかプチでアタシを指さして言った。
「次にその名前を口に出したらシバき倒しますわ。よろしくて?」
「おっ、おう分かったよ……」
謎の迫力にたじろぎながらアタシはそう答えた。確かにそこには有無を言わせない三冠ウマ娘のオーラがあった。そして結局そのオーラに流されるまま苦手意識の強いマイルに出場することになってしまった。
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そこからはスタミナ・根性に加えて腹黒三冠の指導もあって先行するための技術を学んでいった。そして指導を行うためにぱかプチを持ち歩いているうちのトレーナーは否が応でも注目を集めたが、勝つためだとアタシは割り切った。それにどうやらとりっぴぃさんがフォローしてくれてるみたいで自分の担当ウマ娘とぱかプチの良さを中等部のウマ娘に広めていた。そんなことを思いながらゲート近くで練習をしているととりっぴぃさんがやってきた。
「おや?何だ愛の戦士じゃないか。ゲート近くに不審者がいるっていうから来てみたら何してるんだ?」
「あら、あなたは確かクリ……とりっぴぃさんではありませんか、お久しぶりですわ。お変わりないようで何より。実はこの子どうしても先行したいらしく、こうして教えて差し上げていたのですのよ。」
「あー、いつもの多重人格トレーニングだったか。それで久々に城門ちゃんが来たって感じか?」
「えぇ、それにしても懐かしいあだ名ですわね。まだ覚えていてくれたなんて嬉しい限りです。」
どうやら二人は知り合いらしい。二人といっても愛の戦士の中の人格ととりっぴぃさんだが。 - 128二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:08:16
「ところで愛の戦士に一つ質問があるのだが変わってもらって良いかな?中等部の子達から両手に人形を持って死んだ目をしながら延々しゃべり続けてる不審者の情報が来て、まさかと思ったから俺一人で来たわけだがひょっとしなくてもお前のことだよな?」
「違うんですとりっぴぃさん。これもあの子の練習に必要なことなんです。」
「やっぱりお前じゃないか……まだお前のことを知らない中等部の新入生もいるんだから人形劇も程々にしとけよ。」
「すいませんねえ〜毎年毎年対応してもらって。」
そう言いながらトレーナーは元の人格に戻った。
どうやらとりっぴぃさんがここに来ているのはアタシのトレーナーが不審者と間違われたからのようだ。
「それで、城門ちゃんが出て来てるってことはかなり自信があるんだろ?」
「勿論!見ててくださいよこの子の初陣、きっと誉れ高い試合展開になりますよ。」
「そうか、俺もレースに向けて担当を鍛えている所だから簡単な手伝いくらいしかしてやれないが、また俺の担当と併走とかしたくなったらいつでも言ってくれ。」(絶対エゲツない戦略だろうな……)
そういうととりっぴぃさんは去っていった。
「それではもう少ししたら今日のトレーニングの総括を行いますわよ。」
いつの間にか腹黒三冠の人格になったトレーナーがそう言ってきたので、アタシは練習を終えて、座学に移ることにした。ちなみに腹黒三冠はマジで腹黒だったということだけ伝えておく。
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アタシは今、トレセン学園のライブレッスン用のトレーニングルームにいる。
今日はデビュー前のウマ娘に対して最後のライブレッスンを行う日であり、今日の課題は最初から最後までうまぴょい伝説を踊りタラチオ教官に合格を貰うというものだ。
ステージの上にはタラチオ教官とその補助員としてとりっぴぃさん、そして人形を両手に抱えたアタシのトレーナーと他に何人かのトレーナーがいた。
「それじゃあ今から愛の戦士トレーナーがうまぴょい伝説の歴史について分かりやすく教えてくれるから心して聞くように。」
タラチオ教官がそういうと同時に照明が消えて舞台袖に引っ込む。 - 129二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:08:39
しばらくすると人形を持ったトレーナーが出てきて観客席に向かって語り始めた。
『皆さんこんにちは、私はトレセン学園の新人トレーナーです。突然ですが、あなたはこのトレセン学園の名物をご存知ですか? それは、この学園には様々な個性を持つウマ娘達が所属しており、そんな彼女たちが日々切迫した状況で練習を行っていることから発生したある現象のことを……』
正直に言うとアタシのトレーナーの人形劇は滅茶苦茶上手かった。他のトレーナーも毎年やってるのかとても本職がトレーナーとは思えないほどのクオリティだったが最後のタラチオ教官が全てを持っていった。
『…とこのようにうまぴょい伝説には古き時代のウマ娘達とトレーナー達の望みと情熱が込められているのです。』
「それではタラチオさん!!お願いします!!」
人形劇が終わるとライブ用なのか黒色でパンクスタイルな服に身を包んだタラチオ教官によるうまぴょい伝説が始まった。
「皆さん、今日は集まってくれてありがとうございます。今回私が歌う曲は先ほどお話しした「うまぴょい伝説」です。それでは聞いてください。」
スゥ~
「位置について、よーいドン!!」オオー!!
「みんなー!!盛り上がってるかぁあああ!?」ワァアアアア!!!
「いいぞぉおお!!もっと盛り上げろぉお!!」ウオオオォオオオ!!!
タラチオ教官が間奏の間に舞台上で叫ぶとそれに合わせて聞いていたウマ娘達も盛り上がる。
こうしてテンションが上がったアタシ達は休憩を挟んでから、かなり集中して特訓することが出来た。
(レッスンに参加した一部のウマ娘はタラチオに掛かり気味を得た!!)
「お前らよくやったな!これで全員デビューできるぞ!」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
アタシ達はタラチオ教官から労いの言葉を貰って、練習場を後にしたのだった。
---------
その後も初レースに勝つための特訓を続け、とうとう本番の日がやってきた。
「どうした?緊張するか?心配するなって、俺を信じろっ!!」
アタシのトレーナーが考え事をしていたアタシに声をかけてきた。
「はっ、違えーよ。ウイニングライブのレッスンを思い出してたんだよ。勝ったら踊るんだろ?アンタの人形劇に負けないモンを披露してやるよ。」
「えー、でも俺パペットマスターだからなぁ〜俺の人形劇に勝つのは今日のレースで勝つより難しいぞ。」 - 130二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:09:03
「まあ見てろってアタシの勇姿を。」
トレーナーと軽口を言いあってるとレースの時間がやってきたようだ。アタシは軽い足取りでゲートに向かいながら辺りを見回す。
観客席は満員だ。新しくデビューするウマ娘達のレースを楽しみにしているレースファンがアタシ達のレースを今か今かと待っている。
レースに出るウマ娘達もいろんな表情を浮かべている。緊張、期待、自信、平静、色んな表情を浮かべては消えていく。
(ああ……いいね)
この空気。この緊張感。この高揚感。全てが心地よい。唯一トレーナーがアタシを見送ってどっか行きやがったってのが気に食わねぇがあの変人のことだ、どっかで見てんだろ。
「さあ、いよいよ始まります!デビュー戦、芝1800m右回り東京レース場、天候晴れ、バ場状態良好です。」
実況の声が聞こえる。
そしてゲートが開きアタシの初陣が始まった。
「各バ一斉にスタートしました!!スタートダッシュは概ね良好と行ったところか!!」
「さぁ集団から飛び出したのはユメノパステル!!その後ろに…おっとここで外側!!集団から離れた位置にいたもう1人が加速を始めたぞ!?」
アタシは指導された通りスタートしてから集団から少し離れた所で走り続け、集団が出来たタイミングで加速を始めた。
-------
『いいこと、集団が完成したタイミングで加速しなさい。集団に属する安定志向のボンクラ共はそのタイミングで走り出した貴方を追おうとは思いませんことよ。』
-------
「おっと?ここで加速したもう一人が先行しているユメノパステルと集団の間に位置したぞ?ひよっとして掛かり気味でしょうか?」
「仕掛けるにしても妙なタイミングですねぇ、何か狙いがあるのでしょうか?」
(好きなだけ言ってろ。勝つのはアタシだ。)
アタシは集団を頭の中から排除して先行した1人の様子を観察する。
「さぁ最初の緩やかなカーブを越えて現在トップはユメノパステル!!このまま逃げ切れるか?」
(どうやらこれ以上ペースを上げる気はねぇみたいだな。)
ユメノパステルがペースを安定させたタイミングを見計らってアタシはまた加速していく。ただし今度はゆっくりとだ。
ユメノパステルが反応したらそこからがこのレースにおけるアタシの勝負所だ。まったく、アタシのトレーナーも愛の戦士だなんて名乗っておいて随分とエゲツない作戦を立てやがる。 - 131二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:09:21
自分からペースを乱すのと他人を気にしてペースを乱すのじゃ天と地程の差があるってのは分かるが、相手がペースを安定させたタイミングで仕掛けろなんて簡単に言いやがるぜ。ま、やるしかねぇんだけどな。
そしてアタシはユメノパステルにアタシの走る音が聴こえるように距離を詰め始めた。これでユメノパステルがこっちを意識し始めるはずだ。
「おおっと!?これはどういうことだ?逃げているユメノパステルが再びスピードを上げ始めた!!」
「どうやらこのタイミングでペースを上げた2番手に釣られてしまったようですね?」
(せっかく先頭でペースを維持できると思ったのに!あの掛かり気味が!ここはあなたがボロ負けした模擬レースじゃないの!)
先行しているウマ娘の走りを見るに明らかにイラついている様子だった。
そりゃそうだろう。アタシがわざとペースを乱したんだからな。
アタシがペースを上げてもどうせ後続の集団の奴らは掛かり気味と先行で潰し合ってラッキーくらいにしか思ってないだろうな。もう勝負はほとんど付いてるのによ。さあ、ここからが本番だ。
アタシがペースを乱してから少し経って、ユメノパステルは苛立たしげに一瞬だけ怒りの表情を見せてこっちを見た。無理もない。せっかくのデビュー戦なのに自分のペースで走れないばかりか、アタシのペースに合わせて走らなくちゃいけないからだ。そしてこのままだと後ろに付かれると判断したのかさらにペースを上げることにしたようだ。だが、それは悪手だぞ。
「おおっと!ユメノパステルが更に速度を上げた!後ろに付かれそうになってペースを乱してしまったのか?」
「まあ、このレースはデビュー戦ですからね。仕方がないと言えば仕方がないことでしょう」
(くっ……!この私が初レースとはいえこんなにもペースを乱されるなんて……!でも、このコーナーで逃げ切ることが出来れば……!!) - 132二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:09:41
これでアタシの勝ちだ。残念ながらもうアンタに逃げ道は無い。焦燥感に追い詰められて普段より速いスペースで入ったカーブは効くだろ?それにアタシ達が潰し合うのを悠長に待ってる後ろの集団もこのカーブを超えた先の直線だけじゃもう追いつけねぇよ。1800mしかないのに随分悠長に走ってたもんだ。
---------
『良いか?カーブに入る前に前に居る逃げを追い詰めるんだ。そうすれば絶対勝てます!!そうだよな?その通りですわ愛の執事…「戦士です。」どちらでも宜しくてよ。ともかく経験の少ない小娘が間違ったカーブの入り方をして立て直せると思いまして?ソウヨッ!!アタシタチヲ信ジナサイッ!!』
『前はそれで良いとして後ろはどうすんだよ。』
『あら、貴方レース中にティータイムでもする気ですの?追い立てているのだから当然距離が開いているに決まってるじゃありませんか、そのままのペースでゴールまでブッちぎれば宜しくてよ。』
『無茶だろ……いくらスタミナ重視してもそんな持つわけが』
『それは違う、模擬レースを思い出せ!スタミナを速くに使い切ったのに最後まで喰らいついてたじゃないか!君には途方も無い根性が秘められてるぞ!!うおぉぉ!!スタミナ最強!根性最強!』
『分かった、分かったよ。』
---------
ペースを乱し精彩を欠いたユメノパステルをコーナーの出口で抜いた所でふとオーラを感じて近くの観客席をチラリと見るとそこには左手でぱかプチを持ち、こちらに右手を大きく振っているトレーナーがいた。激励のつもりだろうかあの死んだ目では判断できないが、何にせよそこにいるって事はアタシが1番で最後の直線に入るって信じてたって事だろ?アタシにはあんたの方が集団よりよっぽど重いプレッシャーだよ。
「さぁ!!コーナーの出口で先頭が入れ替わったぞ!!先頭に立ってそのまま駆け出したぁ‼このまま逃げ切れるか!!」
「ユメノパステルはコーナーで消耗してしまったのでしょうかこれを追いかけられない。独走状態ですね。さぁ後方集団のラストスパートから逃げきれるか?」
アタシの目に見えてるのはもうゴールだけだった。もう考えることは無い。 - 133二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:10:04
「おっとぉ?ペースが落ちないぞぉ!?さぁ集団もコーナーを抜け各自最終スパートにかかる!!がっ!!差が大きすぎるっ!!」
「序盤に仕掛けておいてラストスパートではペースを乱しませんねぇ、まるでもうウイニングランを走っているかのような安定感です。」
もう他の何も気にならなかった。初めての勝利を目前にしても心は落ちつていた。トレーナーととりっぴぃさんとタラチオ教官に認められて頑張ったこの数ヶ月がアタシを成長させてくれた。
残り200m、150m、100m、50m…………………………そしてアタシは最後まで走り抜けた。
「今一着でゴーーールッ!!圧倒的!!圧倒的です!!二着以下と大差をつけてゴールイン!!」
歓声が上がった。その歓声を聞いて初めて勝ったという実感が湧いてきた。
そのまま観客席に手を振りながらウイニングランを行った。
「最高のレースだったぞ!!やっぱり君は最強だ!!」
「どうだ、最高だったろ?愛の戦士さんよ、ウイニングライブも楽しみにしとけよ。」
レース後アタシに話しかけてくるトレーナー。相変わらず目が死んでいたがその顔は満面の笑みを浮かべていた。アタシはその言葉を聞くだけで嬉しかった。
「それと……これからもよろしくなトレーナー!!アタシのぱかプチが出来るくらい勝ちまくってやるよ!!」
そう言ってアタシも笑顔で答えた。
こうして変人トレーナー愛の戦士と後に【浮上する勝利】の二つ名で呼ばれたアタシの物語は幕を開けた。 - 134二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:12:08
>>119 さん!?急に文章量多いのを投下されても困ります!
- 135二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:17:24
何だこの熱量は…こんなイカれデスマッチャーの何がお前をこんなに引き付けるんだ…
- 136二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:21:37
>>リカちゃん人形を恋人と言い張っているというとんでもねぇ評判の愛の戦士だった
いっぺんの擁護の余地無くとんでもなさすぎて草
- 137二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:23:10
てかこれトレーナーピエールじゃなくて愛ゴリかよ!
- 138二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 00:50:19
タラチオが全部半角なの謎のこだわりを感じる
- 139二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 01:55:03
アッアッアッナンダネ!コノカイブンショハ!ワタシガイナイジャナイカッ!
- 140二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 09:58:04
直接言われてないけどお前らしき存在は何回か出てるぞ
- 141二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 14:55:48
これが救済か……
- 142二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 15:14:29
とんでもない超大作投下されてて草生えたわ
- 143二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 15:37:28
まさか愛の戦士君も自分がエミュされるとは思って無かっただろうな
- 144二次元好きの匿名さん22/01/22(土) 22:48:39
いっそ新しくスレ立てて投下しろ。多分その方が見てもらえるぞ
- 145二次元好きの匿名さん22/01/23(日) 01:57:17
》「そうだぞ!ソウヨッ!!アッアッアッヨロシクタノムヨ!!お~よろしく頼むぞ~、お願いしマース、多重人格…卑怯とは言うまいな!驚異の根性1200!!一つ教えてやるこれはセミナーだ!キマシター!!全ての障害をデストロイ!!イクヨッドラシエルッ!!(T)行くぞ…担当ウマ娘よ…、初陣に勝てる確率99%!!誉…、私は元帥だぞ!!スタミナを重点的に鍛えるのがよろしいかとイーサン様、そうだな、デューク‼興味ないね!!長距離は良いぞクラウド…、行くボルよ~、マスオ君左様、まさにデスゲーム!!ん~~許可するっ!!レースプランは一任するわ。」
ここ完全にホラーゲームの豹変シーンだろ - 146二次元好きの匿名さん22/01/23(日) 10:09:22
話自体は悪くないのにあのゴリラの多重人格知らないとセリフが滅茶苦茶に感じる。
- 147二次元好きの匿名さん22/01/23(日) 19:24:27
やっぱりウマ娘とデスマッチは相性良いですねピエールさん
- 148二次元好きの匿名さん22/01/24(月) 02:02:03
日曜の夜にとんでもないものを見つけてしまった……