深夜だから言うけど｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 03:17:52

本当はずっと彼女を守ってあげたかった。
チンピラに絡まれた時も、身長がデカいからと世間に注目された時も、大きな体格のせいで選手生命が危ういと言われた時も、俺はずっと叫びたかったよ。
「どうしてこの子だけがそんな風にならなきゃいけないんだ」って。「彼女はただの女の子じゃないか」って。
本当は彼女だって身体のせいで悲しい目に遭ったり、理不尽に思う気持ちになった経験があったはずなんだ。
着られる服も普通の人よりずっと少ないし、何度も低い天井に頭をぶつけることになる。力が強いから人間どころかウマ娘と喧嘩する事さえ許されない。
けれど、他の人はそんな苦しみに気が付かず、「身長が高いっていいよな」と見上げて的の外れた羨望ばかり向けてくる。
誰も彼女の苦しみに気付けない。誰も彼女と同じ目線で物を見る事ができない。
だから俺は守りたかった。自分を曲げなくてもいいように、同じくらい大きな俺が君の痛みを肩代わりしてやりたかった。
君にはずっと自分を好きなままでいてほしかった。俺みたいになってほしくなかった。

でも、俺がやってきた事は全部無駄だったみたいだ。
君は俺なんかよりずっと強くて、俺と同じ痛みを受けても笑顔を絶やさなかった。
俺が下手に君を傷付けまいと身体を絞らなくてもいい様にしたせいで、君の選手生命は縮んでしまった。
全部俺のせいだ。君を壊したのは君の身体なんかじゃなく、俺のおせっかいだったんだ。

ごめんな、ボーノ。
無力でごめん。
弱くてごめんな。