【SS・ウマトレ♀】Ask for the moon

1二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 18:37:57

！注意！ 
＊ナカヤマフェスタとトレーナー♀がお泊まりデートでイチャつくだけの話です
＊ひたすらイチャイチャラブラブ距離近め、激甘です 
＊宗教上の理由でトレーナー♀からの呼び方は「フェスタ」です

以上ご了承頂けましたらお進みください

2二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 18:38:31

「おいで、フェスタ」

ベッドに腰掛け、ポンポンと軽くシーツを叩いて呼びかける。
これは私の担当ウマ娘……ナカヤマフェスタが自宅へ泊まりに来た日のルーティーンだ。髪を乾かし終えた後に、尻尾のお手入れと耳のマッサージをする。
敏感な部位をこれほど触らせてくれるなんて、結構すごい話ではないだろうか。

それはトレーナーだから？
ううん、それもそうだけど、私達は恋人同士だから。

洗面所から戻ってきた彼女は、尻尾が乗るように横向きで私の隣に座り、早く触れと言わんばかりにペしぺしと軽く腿を叩いた。

案外知られていないのだが、ウマ娘の尻尾の本体そのものはそれほど長くはなく、犬や猫のように先端まで自在に扱えるわけではない。長く見えるのはそれだけ毛を伸ばしているからで、頭髪と同じようにケアする必要がある。

尻尾用のオイルを毛先中心に塗り、手のひらに付いた残りを全体に広げていく。
引っかかる箇所があれば都度解きながら、丁寧にブラシをかけた。

「サラサラだね」
「まあな。髪ほどの癖毛じゃねえのは助かる」
「今度アイロンでストレートヘアにしてあげようか？」
「ククッ……誰だか分からなくなりそうだな。罰ゲームのラインナップにでも入れといてくれよ」

こんなに信頼して身体の一部を預けてくれて、なんでもない話をしながらゆったり過ごすこの時間が私は好きだ。
ヒリつきとは無縁だけど、こういうのも悪くないと感じてくれていたら嬉しい。本人には聞いたことないし言われたこともまだないけど。

次は耳だよ、と促して膝枕をした。彼女の表情は至って穏やかで、耳は横に開いてリラックスしている。

3二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 18:39:24

ウマ娘の耳は人間のそれよりずっと自由自在に動くから、日常的かつ無意識に酷使している。
特に凝りやすい根元付近の筋肉を中心に、温めたタオルで耳を揉んだ。

「あ゛〜……最ッ高……」
「こらこら、おじさんみたいな声出さないの。せっかく華の女子高生なのに……」
「アンタくらいのもんだよ、私を可憐な女みたく扱う人間なんて」
「可愛い恋人なんだから当たり前だよ」
「……妙な趣味だな。あ、もうちょい内側やってくれ。あーそこそこ……」

あー、とか、うー、とか、言葉にならない呻きを時折漏らしながら私に耳を揉まれている。どうせなら可愛い声を聞きたかったけど、恋人の前で気を抜いていると考えるとそれもまた愛おしく感じてしまって、我ながら手遅れだなと思う。

「――はい、おしまい。髪梳かすよ」
「へいへい。どっこらせ」
「あっこら、これじゃやりづらいでしょ！も〜」

起き上がったと思ったら膝上に向かい合わせで座ってきた。退いてくれる気配もなくそのままぎゅっと抱きついてきて、ご機嫌に尻尾を揺らしている。

4二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 18:39:40

……ここだけの話、ウマ娘達の耳と尻尾がちょっぴり羨ましく感じる時がある。
感情表現ができて便利そう。ふわふわで可愛い。尻尾ハグができるのもいいな。

でも、それは逆の立場でも同じみたいで。

じゃれついてきたのも束の間、ふわっと倒れる感覚が背中に走る。あっという間に視界が天井と愛バでいっぱいになった。
耳元に顔を寄せ、息を吹きかけたり甘噛みしたりして反応を楽しんでいる。

「ひゃあ……！」
「……ほら、もう真っ赤だ。アンタ本当に耳弱いよなァ？」
「ちょ、ちょっと、まだ終わってない……！」
「どうせ全部ぐちゃぐちゃになるんだからいいだろ」

あれよあれよという間に絆されて、指先の力が抜けてゆく。
手のひらからこぼれ落ちたブラシの代わりに、同じ大きさの手が重なった。