【🎲＆安価】アオイがチョコレートを配るようです

1二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:01:47

コートに袖を通したアオイは、鏡の前でくるりと一周回って、身だしなみを確認しました。

……乱れたところはありません。

「ウン」と頷いて、ブーツのつま先をコツコツと鳴らしました。

そうして彼女が片手に持ち上げた紙袋は、バレンタインの贈り物でいっぱいです。

このスレが完走するまでに、できるだけ多くの人に渡したいな。

なのでアオイは、少し急いで寮室を後にしました。

校舎から出て、コライドンにまたがるアオイは、とってもウキウキ気分。

空には雲ひとつなく、夜風が体に心地よい夜です。

なんだか楽しくなってきて、アオイは誰に聞かせるでもなく呟きます。

「それじゃあまず、>>5 に渡しにいこうかな！」

2二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:03:18

スグリ

3二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:03:22

ksk

4二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:03:55

ペパー

5二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:03:58

ハルト

>>1

6二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:06:47

「それじゃあまず、ハルトに渡しにいこうかな！」

ハルトは、アオイのdice1d3=3 (3) です。

1.きょうだい

2.幼なじみ

3.>>8

7二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:08:02

いとこ

8二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:08:16

双子の兄

>>6

9二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:08:17

双子

10二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:13:38

「……ハルトにい、どこにいるんだろう」

彼はふたごの兄なので、アオイと同じく自由奔放な性分です。

なのでアオイには、彼の居場所が皆目見当もつきませんでした。

アオイは途方に暮れて首をかしげますが、時間は有限です。

ここで迷っていても仕方がありません。

アオイは、コライドンにこう伝えました。

「コライドン。とりあえず、 >>13 に行ってみようよ」

11二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:14:37

エリアゼロ

12二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:16:00

エリアゼロ

13二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:16:14

コサジの実家

>>10

14二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:16:21

エリアゼロ

15二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:16:33

実家にいるかな

16二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:22:24

「コライドン。とりあえず、わたしたちのお家に行ってみようよ」

「アギャッ」

元気いっぱいに返事をするアギャスとともに、アオイは実家へ帰ってきました。

実家とはいえ、越してきたばかりなのであんまり感慨深くはありません。

けれどママと久々に会えるのは、まだまだ子供である彼女にとっては、とってもうれしいことでした。

「ママ、ただいま！　ハルトって帰ってきてる？」

「あら！　おかえり。……ハルト？　dice1d3=2 (2) わよ。」

1.帰ってきてる

2.帰ってきてない

3.今さっき入れ違いで出てっちゃった

17二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:28:23

どうやらハルトは、帰ってきていないようです。

ママに久しぶりに会えたのは嬉しいことだけれど、少し時間を無駄にしてしまいました。

アオイは横目で時計をうかがいます。

そんなふうに焦る我が子を見て、ママは助け舟を出してくれました。

「これはママの勘だけどね。dice1d4=1 (1) にいるんじゃないかしら」

1.寮の自室

2.エリアゼロ

3.キタカミの里

4.ブルーベリー学園

18二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:37:59

「これはママの勘だけどね。学校の寮にいるんじゃないかしら」

「はっ」と顔を上げたアオイは、ヤドンみたいな顔で固まっていました。
……盲点でした。
浮かれぽんちのまま出てきてしまったので、彼も自分の部屋を持っていることをスッカリ忘れていたのです。
まずは彼の寮室を訪ねればよかったんだ。

そんなアオイを見ると、ママはほろほろ笑って、
「まったくもう、かわいい子ね。気をつけて行ってらっしゃい」
と、ほっぺにキスをして学校へ送り出してくれました。

19二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:49:03

ママが良いお母さんだ

20二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:53:20

さて、アオイが学園に戻ってきました。

あんなに意気揚々と学校を飛び出したのに、時間を経たずして戻ってくるのがあんまり恥ずかしくって、アギャスの首をナデナデナデナデしながらとんぼ返りしてきたのです。

アギャスはよくわかっていないので、とても嬉しそうでした。

満を持して寮室を訪ねると、やはりハルトは在室でした。

ママの勘は侮れません。

「ハルトにい、チョコ！」

「ええ。作ってないけど」

「ちがうよ、渡しにきたの！　入るね！」

dice1d5=1 (1) 。

1.ハルトはソワソワソワソワ歩き回っていました。部屋にはチョコレートがひとつも見当たりません。

2.ハルトの部屋のそこかしこに、チョコレートが山積みになって置かれていました。見ると、かわゆくラッピングされたチョコレートがたくさん――学園の女の子に貰ったのは明白です。

3.ハルトは、なにかの小箱を大事そうに抱えていました。心なしか浮かれている様子です。

4.部屋には、>>22 もいました。

5.>>23

21二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:55:47

なんやこの双子かわいいな

22二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 21:57:14

このレスは削除されています

>>20

23二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:08:23

バレンタインに何も貰えず焦る男の子のお手本みたいな仕草を、実の兄がする羽目になるなんて。

アオイからは口をついて、こんな言葉が出ました。

「かわいそう。ひとつももらえなかったの？」

「……うう」

……続けてからかってやろうとも思ったけれど、やめておきました。

彼がパピモッチみたいな目をアオイの紙袋に向けていることに気づいたからです。

我が兄ながらかなり可哀想になったので、もったいぶらずにプレゼントを差し出しました。

肝心のプレゼントの中身は、dice1d5=4 (4) です。

1.無難にチョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

>>20

24二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:09:45

クッキーもまあまあ無難やな

25二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:19:30

ハルトはしっぽを振りながらクッキーを受け取りました。

実の妹からのプレゼントなのですが、ハルトはもう大層喜びました。

誰からもバレンタインのプレゼントを貰えなかったという事実を遠ざけることができたからです。

彼はもはや、もう貰えるならなんでもよかったのです。

しばらく経って、アオイはそんな彼を尻目に、床に置いていた紙袋を持ち上げました。

「喜んでくれてよかった！　そろそろ行くね」

「チョコ……配りに行くんだね。誰に配るの？」

「ええと。次は…… >>27 の所に行くつもり！」

26二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:21:20

ペパー

27二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:22:05

ペパー

>>25

28二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:32:27

「ええと。次は……ペパーの所に」

妥当な選択です。
せっかく学園にいるのだから、近場から渡して回るのが効率的といえるでしょう。

「ふうん」

自分から聞いたくせ、ハルトは興味なさげに相槌を打ちます。
彼の興味は、もうすっかりクッキーに移っていました。

「こぼさず食べるんだよ！」
「もっしゃもっしゃ……」

>>31

29二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:32:49

さて。

ようやくペパーの部屋の前に着いたのですが、ここでアオイを一抹の不安が襲います。

なにせ……彼は料理がうまいので、アオイの用意したプレゼントを気に入ってもらえるかどうか急に心配になってきたのです。

ペパーに用意したのは、dice1d6=5 (5) でした。

1.無難にチョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

6.>>31

30二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:34:30

カップケーキか、可愛い

31二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:35:08

>>28

なんかハムスターみたいに頬膨らませて食べてそう

>>29

32二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 22:50:52

ペパーに用意したのは、カップケーキでした。

（渡す相手によってプレゼントのお菓子が違うのは、dice1d3=2 (2) です。）

1.相手の好みを考えて決めたから

2.『送る意味』を重視しているから

3.何のお菓子をそれぞれ誰に贈るか、直感的に決めたから

そういえば、見目があまりよくかったかもしれない。

アオイは提げた紙袋に目線を遣りました。

味もとびきり美味しいというわけでもありません。

ゲンメツされたらどうしよう。

紙袋だけでなく、身体が重くなったような気さえします。

……10秒数えたら行こう。

……やっぱり20秒してから、ううん……30秒！　と延ばしてもキリがありません。

時間は刻一刻とすぎてゆきます。

覚悟を決めて扉をノックすると、ハルトとは違う低い声の返事がかえってきました。

「おう、いま出るぜ」

アオイの身体は、いっそう固くなります。

33二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 23:16:33

それからすぐに、扉から顔を覗かせたペパー。
時間も時間なので、怪訝そうな顔をしていましたが、

「誰かと思えばアオイじゃねぇか！」

アオイの顔を見るなり、ニカ……！　とまぶしい笑みを見せてくれました。
彼の背後からは、チャッチャッチャ……！　とマフィティフが走ってくる音が聞こえます。

カチコチのアオイと、そんな彼女が一生懸命握っている紙袋を見て、ペパーは察してくれました。

「ま。とりあえず上がってけよ」

34二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 23:41:34

コオリッポみたいによちよち後ろをついてくるアオイをベッドに座らせて、ペパーもその隣に腰を下ろしました。

座ったあともアオイは、日の入り後のキマワリみたいに俯いてしまって、カチコチモジモジしているままです。

お膝の上の両手には、紙袋から取りだしたかわゆいカップケーキが握られていました。

カップケーキのもつ意味は、『あなたは特別な存在』。

ペパーにはカップケーキを贈ろうと思いついたときも、生地を混ぜるときも、オーブンで焼くときも、ずっと意識していたことでした。

それなのに、渡す直前の今になって、恥ずかしくってたまらなくなってしまったのです。

そして当のペパーは、カップケーキの持つ意味を >>36 。

「あの、あのね……かぷ、かぷこけこ……」

「おう。ゆっくりでいいぜ」

そんな具合のアオイが話し出すまで、ペパーは調子を合わせて待ってくれていました。

35二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 23:42:37

知ってる

36二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 23:43:08

知らない

>>34

37二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 01:08:13

かぷこけこは草

38二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 02:10:51

本日の癒しスレ

39二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 05:13:34

「かぷ、かぷ……けき」
「お！　作ったのか！」
「かぷけき……あげる」
「かぷけきくれるのか！」
「かぷけきどう……？」
「かぷけき美味そうちゃんだな……！」

このような流れでアオイからかぷけきを受け取ったペパーは、その見た目を、香りを、努力の形跡をとなんでもべらぼうに褒めてくれるのでした。
アオイは嬉しくなって、その反応をてれてれもじもじ受け止めます。

「ほんと？　かぷけき……大事にたべてね」
「勿論。ありがとなアオイ！」

けれどもその裏で、バレンタインにかぷけきを『送る意味』を理解していなさそうなペパーに対して、ほんの少し残念に思うきもちも一緒に抱えていました。……

40二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 05:42:32

名残惜しいけれど、そろそろ行かなきゃ。

アオイは、マフィティフの体をコショコショ撫でながら言いました。

「もう行くのか？」

「うん、みんなにお菓子配りたいから」

「……ふうん」

お菓子渡すのか、オレ以外の奴に……と言わんばかりの不機嫌そうな相槌が聞こえたので、アオイはベッドから立ち上がって続けます。

「心配しなくても、かぷけきは親友(ダチ)への特別待遇だよ」

そう、特別待遇なのです。

ニブチンの親友(ダチ)への、特別なお菓子でした。

こんなふうにヤキモチは焼くのに、肝心なところでドオーよりもニブい、ペパーへの。

「また明日！　感想聞かせてね」

ドアの前で振り返るアオイの顔には、曇りひとつありません。

ペパーはアオイを玄関まで見送ってくれました。

そして最後にアオイはニッと笑います。

「おかえしは5倍で結構」

「おっ、言うな。ホワイトデーは期待してろよ、よくばりちゃんめ」

ニブチンには5倍くらいがちょうどいいのです。

おやすみと言いあってその場を後にし、アオイが次に向かうのは >>42 でした。

41二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 06:50:48

ksk

42二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 06:57:09

ボタンwithスター団

>>40

43二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:01:16

イッチのやさしい文体すき

44二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:37:33

このレスは削除されています

45二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:40:25

アオイは、次にボタンとスター団のボスたちのところへ向かうことに決めました。

ボタンに用意したのは、dice1d6=1 (1) です。

ボスたちについては、

メロコに dice1d6=1 (1)

ビワに dice1d6=3 (3)

ピーニャに dice1d6=6 (6)

シュウメイに dice1d6=3 (3)

オルティガに dice1d6=3 (3)

1.無難にチョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

6.>>47

をそれぞれ用意していました。

さて、アオイの大仕事が始まります。

まずはdice1d6=4 (4) の部屋へ向かいました。

1.ボタン

2.メロコ

3.ビワ

4.ピーニャ

5.シュウメイ

6.オルティガ

46二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:43:48

トリュフ

47二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:45:48

ドーナツ

>>45

48二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 08:53:19

スター団のボス達の部屋ですが、アオイはまだ誰の部屋にも足を運んだことがありませんでした。

アジトに喧嘩を売りに行ったり、勉強を教えたりと交流こそはあるものの、部屋に誘い合うような友達にはまだなれていないのが事実です。

アオイは紙袋をぶらぶらしながら考えます。

バレンタインを機にもっと仲良くなりたいな、なれるかな。

アオイは、ピーニャに用意したドーナツを取り出して顔を綻ばせます。

ドーナツを贈る意味は、『永遠に続く愛』『あなたの事が大好き』『関係を長く続けたい』『お疲れ様』など様々ですが、ここでの意味合いは dice1d4=3 (3) 。

1.『永遠に続く愛』

2.『あなたの事が大好き』

3.『関係を長く続けたい』

4.『お疲れ様でスター！』

49二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 08:55:57

無難！
ドーナツそんなに意味があるんだな

50二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 08:56:49

アオイは、カチコミで生まれた奇妙だけれど素敵な友人関係を、末永く続けたいと考えていました。

ピーニャの部屋の前へ着きました。
アオイから見た彼は、真面目で優しいお兄さんではあるけれど、なんだかむつかしい横文字を沢山使う印象がありました。
カチコチとまではいかないけれど、ソワソワと落ち着かない気分。

ココ……と控えめにノックをすると、うっすら聴こえていたユーロビートが止まって静かになりました。
やがて、鍵が開く音がして。

「アオイくん！？　こんな時間にキミが来るなんて、想定外もいいとこだよね」
「こんばんは！　バレンタインだから、ドーナツ焼いて持ってきたの」
「へえ、キミが。意外とやるね。ドーナツって難しいイメージあるけど」

彼は付けていたヘッドホンを外して、身体の縦揺れを止めました。
ノートパソコンを片手に応対してくれる彼の後ろには、シックでチルい感じの内装が覗きます。

51二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:01:30

「曲、つくってたの？」

「まあね、バレンタインだしさ。創作意欲が刺激されたってワケ」

「それならこれ、お夜食程度に！」

ちいさなドーナツを数個つめた小箱を手渡すと、ピーニャはちょっと困った顔をします。

「ボク、夜食はしないようにしてるんだよね。健康に悪いっしょ？」

「それなら明日のおやつまでに食べて！　感想聞きに来るから！」

「明日も来るつもりなの……」

ピーニャは、もらった小箱をじっと見つめます。

ちなみに彼は、ドーナツを贈る意味について dice1d3=3 (3) ようです。

1.ひとつだけ知っている

2.複数あることを理解している

3.まったくもって知らない

52二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:07:01

うーんお子ちゃまが多い！
でも歳相応でかわいくもある

53二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:18:11

まったく、男どもは鈍くてしょうがない。

ピンプクみたいにむくれるアオイ。

しばらくして顔を上げたピーニャは、

「とにかくありがとうアオイくん。お陰でいいバレンタインになったよ。ホワイトデーにちゃんとお返しするから」

のうてんきな顔で、しらっと言いました。

なのでアオイも平然と伝えます。

「お返しは25倍でいいよ」

真面目な彼が一瞬ギョッとした顔をしたのに気づかないフリをして「またね」を言いました。

さあ、どんどん行こう。

次はdice1d5=5 (5) です。

1.ボタン

2.メロコ

3.ビワ

4.シュウメイ

5.オルティガ

>>56

54二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:27:56

男子が続きます。

スター団の男子には皆一律にドーナツを贈ることに決めて用意を進めていたのですが、オルティガ宛には dice1d4=1 (1) という意味を込めたつもりなのでした。

1.『永遠に続く愛』

2.『あなたの事が大好き』

3.『関係を長く続けたい』

4.『お疲れ様でスター！』

55二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:30:23

愛のニュアンスによって色々変わりそうなやつ！

56二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:32:11

>>53

「お返しは25倍でいいよ」

真面目なピーニャにそれは色々良くない

額面通りに捕らえられかねないぞ

57二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:40:18

愛です。

いじっぱりのニンフィアみたいなかわゆさに、アオイはもうめろめろでした。

どれくらい好きなのかというと、dice1d6=6 (6) 。

1.>>58

2.学園で見つける度にしつこく絡みに行き、ベシっと叩かれて喜ぶくらいには

3.大好きだからいじわるしたいくらいには

4.結婚したいくらいには

5.よこしまな目線で見るくらいには

6.>>59

58二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:44:18

なんと?!

>>57

59二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:45:03

弟とかに向ける庇護欲的な愛

>>57

60二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:45:07

3.大好きだからいじわるしたいくらいには

61二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:48:58

ハルトお兄ちゃんみたいにお姉さんしたいのかな……ｶﾜｲｲｶﾜｲｲﾈ

62二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 09:58:27

たくさんの人に愛を向けてるから下手なことしたら修羅場とかになりそうな気もするんだけど今のところほのぼのダイス神とイッチの絵本みたいな文体でゆるふわ世界になってるのなんか好き

63二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:31:14

オルティガに関しては……出会ってからずっと弟を見るような目で見ていました。

アオイには双子の兄のハルトがいるので、末っ子扱いされて大事に大事に育てられてきました。

けれど彼はナヨナヨしてて弱っちいので、アオイが姉なのだと間違えられることがしばしばありました。

それは、アオイの『おねえちゃん』への憧れを加速させた要因といえましょう。

そんな折に、彗星の如く現れたのはオルティガという少年。

オルティガは身長がアオイよりもちまいし、短気ですぐ怒るけれど、あんまり怖くないしむしろかわいいので、彼が何かをする度にアオイの庇護欲が刺激されまくりなのでした。

姉が弟にするみたいな可愛がり方をすると、もっちもちのほっぺをマトマの実よりも真っ赤にして怒るのが、あんまりかわゆくて仕方がないのです。

ただ、当のオルティガは、アオイの猫かわいがりについて dice1d4=3 (3) ようです。

1.すっげーすっげーウザい！！（建前）

2.すっげーすっげーウザい！！（本心）

3.別に悪かない

4.いちいち反応するのに疲れてきた

64二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:36:26

まんざらでもないのな

65二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:36:39

どっちもかわいいな…

66二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:47:28

オルティガはアオイにこねくり回されるのは別に悪かないと思っているようで、玄関先にアオイが立っていても「ゲッ」と顔をしかめる程度で許してくれました。

「……なんでオマエがいんの」

物凄く嫌そうな顔で室内に引っ込んだのも、きっと大好きの裏返しなのでしょう。

おかげで部屋の内装が確認できませんでした。

「バレンタインだもん。ドーナツ作って持ってきてあげたよ」

「ふーん……」

そして嫌そうな顔のまま、アオイが手に乗せて見せたドーナツの小箱を奪い取ります。

彼は、ドーナツを贈る意味について dice1d3=3 (3) いました。

1.ひとつだけ知って

2.複数あることを理解して

3.まったくもって知らずに

67二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:51:56

またまた知らないんかーい！

68二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:59:52

特性どんかんが多すぎるぞ

69二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 11:19:36

かーっ！　見んねぽにお！　鈍か男児ばい！

……オルティガに至っては、ニブチンのおまけに悪態をつく始末です。

「フン。なんだこれ！　安っぽ！」

カチンときたアオイはそれなら返してと手を差し出しましたが、オルティガは咄嗟に手を引っ込めて小箱を胸の前に抱き寄せます。

「はあー……！？　一度オレに渡ったんだからオレのだし！」

地団駄を踏みながら訴えるオルティガに、アオイはにへらと笑顔になりました。

なんだかんだ言ってうれしかったようです。

「そっかそっか……よく噛んで食べるんだよ」

「過保護ウザ！　もう帰れよ！」

「そんなに早く食べたいか」

「べっつに！　早く食べないと食あたりが怖いだけだし！！」

「……それじゃ、dice1d4=1 (1) にもお菓子渡しに行かなきゃだからもう行くね」

1.ボタン

2.メロコ

3.ビワ

4.シュウメイ

「とっとと行けっての」

しっしっ、アオイを追っ払うハンドサインで見送った後、スグにドアは閉められました。

カギもしっかりかけられたようで、おねえちゃんは感心。

ドアが閉まる直前のちいさな「ありがとな」も、アオイの耳にしっかり届いていたようです。

70二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 14:29:58

そろそろ女の子とキャッキャウフフのお菓子交換がしたくなってきたので、ボタンの部屋に向かうことにしました。
ボタンの部屋のいいところといえば、なんといっても出向けば必ずボタンに会えるところ。
ガラルに帰省しているとき以外で、彼女が部屋を空けているところをアオイは見たことがありません。
だから人のぬくもりを感じたくなったときには、必ず彼女の部屋を訪ねるのです。

そして彼女は同性であり、訪問者に気を遣うということをしないので、ボタンの部屋はアオイにとって居心地のよい場所でもあります。
もはや第四の自室といっても過言ではないでしょう。
第四の自室なので、ノックもせずに勝手に上がり込みました。
ブイブイの瞳とパソコンだけが光っている、暗い暗い部屋。
段ボールやゴミに何度もつまづきながら、ボタンの隣にやってきました。

「ボタン、ハピバ〜」
「はえ……うち誕生日まだ先やが」
「ハッピーバレンタイン」
「なら素直にそう言えし」

71二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 15:08:24

ほっこりする…可愛い

72二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:00:57

ボタンはアオイに見向きもせずパソコンをいじいじしていて、アオイもそれにすっかり慣れていました。

「何見てるの？」
「……けいじば……いや、SNS」
「へー」

アオイは紙袋からボタン宛のチョコレートを取り出して、封を開けました。
転写モールドでブイブイの顔を付けたチョコをつまみ上げると、

「ボタン、あーん」
「あー……」

そのままボタンの口に放り込みました。
アオイは、大粒のチョコレートを一生懸命もきゅもきゅ頬張るボタンの横顔を黙って眺めていました。
長いまつげをピクリとも動かさず、モニターの情報に夢中のボタン。
ボタンの薄いメガネに、パソコンの青白い光が反射しています。
やがて、ボタンの喉がゴク……！　と音を立てました。

73二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:01:14

「おいち？」

「おいち」

「甘さはちょうどよかった？」

「最高」

ボタンの口角がかすかに上がって、キュートなえくぼが浮かびます。

アオイはすかさずその窪みをつついて、園児みたいなバカっぽい声を出しました。

「ボタちゃんボタちゃん！　わたしにもなにかちょおだい！」

「……厳正なる抽選の結果 dice1d3=1 (1) 」

1. 残念ながらチョコレートをご用意することができませんでした

2.チョコレートをご用意できました。期限までにお召し上がりください

3.昼間にメロちゃんとビワ姉とつくったん……

74二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:29:58

「……厳正なる抽選の結果、残念ながらチョコレートをご用意することができませんでした」

と呟くと、ボタンが申し訳なさそうにモニターから目線を外しました。

それから小さくなって、壁の方をジッ……ときまり悪そうに見つめているのです。

アオイは、えくぼのあった場所をグリグリグリグリしながら顔を近づけて囁きます。

「ホワイトデーに2倍にして返してね♡」

「ええ……」

やっとこっちを見たボタンは、アオイが提げる大きな紙袋にやっと気付きました。

「てか紙袋すごい重そ……そんなたくさんの人にチョコ配って回ってるん？」

「うん。今はスター団の子達にも配ってて。ピーニャとオルティガには既に渡して、ボタンが3人目」

「いや3人目てなんかビミョいな」

「次ね、dice1d3=2 (2) にあげるの」

1.メロコ

2.ビワ

3.シュウメイ

「行ってこい行ってこい」

75二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:39:34

めっちゃかわいいスレ
コメントいろいろしたいけどアオイにたくさんの人に渡してほしいからあんまり書き込みたくない
心がふたつある～

76二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:56:15

「うん、行ってくる！」

間違ってもブイブイを踏んづけないように、慎重な一歩を踏み出したアオイ。
そんな彼女を背に、ボタンは思い出したかのように呟きます。

「ありがとね。みんなにチョコくれて」

たった一言の短い言葉ではあるけれど、そこにはボタンのたくさんの想いが込められているのがわかります。

ベッドの上で寝ぼけたリーフィアが、わけも分からず「ふぃわぁ」と返事をしました。
それきり、部屋は静寂に包まれます。
けれどそれは、決して心地悪い沈黙ではありません。
やっとドアにたどり着いたアオイが扉を開いたとき、廊下から漏れる光で起きてしまったブラッキーが、「ぶる……」と唸りました。

またねを言ってドアを閉める前になって、アオイは満を持してこう返すのでした。

「友達だから当然でしょ！」

77二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 18:27:46

カチコミも、とうとう折り返し地点です。

次なる目的地は、ビワの部屋。

誇り高き雄姿と母性を兼ね備える彼女には、スター団の男性陣と同様にドーナツを贈ります。

彼女に宛てたドーナツには、dice1d4=1 (1) という意味を込めました。

1.『永遠に続く愛』

2.『あなたの事が大好き』

3.『関係を長く続けたい』

4.『お疲れ様でスター！』

78二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 18:36:27

愛です。

ルカリオのように猛る心を内々に秘めた凛々しさと、才色兼備な黒髪美人というギャップに、アオイはやられてしまったのでした。

例によって、どれくらい好きなのかというと、dice1d6=1 (1) 。

1.>>80

2.妹になりたいくらいには

3.ママになってほしいくらいには

4.結婚したいくらいには

5.よこしまな目線で見るくらいには

6.>>81

79二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 18:40:18

頭をなでてほしいくらいには

80二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 18:41:41

思い切りハグしてほしいくらいには

>>78

81二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 18:41:53

一緒にブロロロームと遊びたいくらいには

>>78

82二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 21:32:26

ビワの大きくてもちつやの身体にギューッ！　と抱きしめられたならどんなに幸せでしょうか。

じつはスター団をぶっ飛ばして回っていた当時、アオイは長いこと家へ戻っていませんでした。

帰るに帰れない事情があるです。

不良グループのアジトにカチコミして回っているなんてママに知れたら、きっと心配をかけてしまうから。

その結果アオイは、重めのホームシックを拗らせてしまいました。

ひとりでじっとしているときに、今までずっと当たり前にのように聞こえていた家族の生活音がまったくない暮らしの怖いこと。

実家の匂いが思い出せなくなってしまったことに気づいたとき、どれだけ泣いたか。

友達の力を借りても埋められない穴のような領域が、アオイの心の大部分を占めてしまったのです。

そんな折に、彗星の如く現れたのはビワというおねいさん。

彼女は周囲から「ビワ姉」と呼ばれて慕われていますが、その呼び名の通り、まるでお姉ちゃんみたいにアオイをかわいがってくれます。

色違いのポケモンを求めて一晩中歩き回っていたその翌日、フラフラと校内を徘徊していたアオイを本気で心配したビワが、「しっかり寝ないとダメだよ！」と部屋まで身体をかついでいって寝かしつけてくれたこと。

あの夜に感じた安心感と満足感はなかなか感じる事のできないものでした。

アオイの一生の思い出です。

そんなアオイのことを、ビワは dice1d4=1 (1) だと思っています。

1.可愛い妹みたいな子

2.放っておけない子

3.強くて優しい素敵な女の子

4.大切な友達のひとり

83二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 23:37:49

女の子同士の関係も良いなぁ

84二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 07:23:45

保守

85二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 08:44:20

「わあ、アオイちゃん！？」

いつものフェイスペイントを落として、艶のある黒髪のビワでした。
アオイが来るとは思っていなかったようで、両手で口元を隠しながら、目をぱちぱちさせています。
アオイはビワの顔をがんばって見上げて、てれてれしながらドーナツの入った小箱を取り出しました。

「あのね……どーなつ渡しにきたの」
「本当？　わ……もしかしてアオイちゃんが作ってくれたの？」
「……えへ、うん」
「すごいね！　この小箱もステキ！　ルカリオの顔のシールも……いっぱいこだわってくれたんだね！」
「えへ……えへへ」

ほわほわ優しい雰囲気が二人を包みます。

86二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 12:11:08

優しいスレ…

87二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 17:48:41

保守

88二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 17:58:29

「そうそう、わたしからもアオイちゃんに渡したいものがあるの」

手をパチン！　と胸の前で合わせて、こう切り出したビワ。

「ほんの少し待っててもらえる？」

「うん、」

アオイを見てはにかむと、小走りになって部屋の中に引いていきます。

ちょっとだけ背伸びをしたり紙袋の中身を整頓したり、アオイは言われた通りよい子で待っていました。

……それにしても、いい匂いがしたな。

ブーツのつま先をコン、と鳴らして右頬に手を添えます。

ビワが細かく動く度に、フローラル系なのにどこか落ち着いた大人の匂いがいっぱいに散り敷かれて。……

彼女が部屋の中に戻って経ちましたが、まだほのかな余香が感じられるのです。

アオイはぎゅむっと目をつむって、しばらくうっとりと自分の世界に浸っていました。……

「お待たせしちゃってごめんね……！」

戻ってきたビワは、大きな身体の後ろに何かを隠しているようです。

ふう、と息をついて差し出された手に握られていたのは、dice1d6=1 (1) 。

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

6.>>89

89二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 18:47:52

とってもかわゆいチョコレートの小袋でした。
ロリポップみたく、棒付きのまるいチョコレートが一束になって6本入っているのです。
その持ち手の部分には、星型モチーフの大きなリボンが結ばれています。
まるでチョコレートのブーケみたい。
アオイはそれをこわごわ受け取りましたが、すぐに目をきらきら輝かせながらビワを見上げます。

「すごい！　かっわいい！！　ありがとうビワ！」

それはもう大喜びでした。

「アオイちゃんがとってもこだわってドーナツを作ってくれたのがわかったから、わたしも喜んでもらいたくって。飾り付けをビルドアップさせてきたんだ」

先ほどアオイを待たせてしまったのは、そのためだといいます。
もう大感激です。

「……ぎゅってしていい？」
「えっ。ぎゅ……？　い、いいよ！」

ビワは優しいので、テンションの狂ったアオイによるダイブもしっかり受け止めてくれました。
元々アオイの体重がそんなにないこともあるのですが、ビワの身体は不動どころかピクリとも揺れません。
恐るべき体幹です。

>>88

90二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 18:48:02

……すると。
ビワの胸あたりがアオイの頭の位置になります。
長いことその場所でひっつき虫をしていたアオイは、ビワの身体に密着したまま彼女の顔を見上げました。

「ビワもぎゅってして……」
「えっと……こう？」
「もっともっと！」
「……もっと？　こう？」
「もっと……！」
「え……えいっ！」

メキコキゴシャグキャ！！
背骨から嫌な音がして、それきりアオイは脱力しました。

「あああっ、アオイちゃん！！！！」

アオイは目の前が真っ暗になりました。
結論から言うと、死にませんでした。

（わいわいきゃっきゃするアオイを「廊下だからちょっと声抑えよっか」とビワが困り顔で宥める一幕もありましたが、最後には「喜んでくれてわたしもうれしい」と目を細めるのでした。）

91二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 18:51:01

大好きなビワに思い切り抱きしめられたいという夢が叶って、アオイはもうるんるんでした。

スキップしながら向かうのは、dice1d2=1 (1) の部屋です。

1.メロコ

2.シュウメイ

92二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 18:57:07

最後に回されるシュウメイに草

93二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:55:46

アオイは　ビワを　悲しませまいと　もちこたえた！

94二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 22:24:51

「チッ……誰だよ」

そばかすがキュートな愛嬌のある少女が、すごく険しい面持ちのまま出てきました。

ものすごく低い声で唸るように吐く言葉には、痛々しい威圧感が込められているようです。

ドアの向こうに馴染みのあるアオイの姿をみとめると若干表情が緩みましたが、碧のきれいな瞳は変わらず彼女を睨めつけます。

「……なんでテメェがいんだよ」

それからオルティガと全く同じことを言って、全く同じように扉の向こうへ首から下を隠してしまいました。

「チョコ渡しにきただけ！」

そんなメロコの警戒を解くために、アオイは努めてパッ！　と明るく笑います。

彼女の目の前に差し出したのは、他でもない彼女のために用意したチョコレートです。

メロコはアオイの顔をジッ……と窺って、手を伸ばすのをためらっている様子。

なので彼女の前で、小袋を軽く揺らしてみせました。

「もらってくれる？　メロコのためにつくったんだよ」

そのままじっくり向かい合っていると、心配になるほど細くて華奢な手がゆっくり伸びてきたので、dice1d3=1 (1) ました。

1. 彼女が自分から受け取るまで、ジッ……と待ち続け

2.その手にチョコレートを握らせてやり

3. その手を取って、部屋の外に引っ張り出し

95二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:16:04

メロコをびっくりさせてしまわないように、おしゃべりなお口をしっかり結びます。
若々しくしなる指先が微かに震えているのが愛おしいけれど、チョコレートをアオイの方から押し付けるようなことはしません。
なぜなら、他でもない彼女のために用意したチョコレートだから。

「……カルボウ」

メロコの爪先が袋を掠めて、シャリ……と小気味よい音が鳴るのとどちらが先だったでしょう。
メロコがぽつりと呟きました。

間もなく、小さな手のひらがチョコレートの袋を支えます。
アオイは袋から手を離して、明るく答えました。

「そうなの。カルボウの顔の転写モールドが売ってたから使ってみたんだ」
「悪くないな」
「でしょ！」

アオイはニッ！　と歯を見せて子供っぽく笑います。
ここにきてようやく、メロコがハ……と小さな笑みを見せてくれたのです。

96二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:16:21

「そういやオレも用意してあんだったな、明日渡そうと思ってたけどよ」

「ほんと！？」

「……ここまで凝ったモンじゃねえけど。いいか、ぜってぇ……笑うなよ」

そう念押しして、部屋の奥から彼女が持ってきたのはdice1d6=6 (6) でした。

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

6.>>98

97二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:20:44

ガトーショコラ

98二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:22:37

生チョコ

>>96

99二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:42:20

いつの間にか、玄関ドアはさっきの3倍くらいの角度で開かれていました。

メロコの持ってきたものは、ただの生チョコではありません。

ラッピングにかな〜り気合いの入った生チョコです。

まったく彼女の柄ではないようなピンクの包装、コッテコテのリボン。

メロコに半ば押し付けられるような形でそれを受け取ったアオイは、

「 dice1d4=4 (4) 」

1.すっごい可愛い！　このラッピングどこで買ったの！！

2.美味しそー！！　ありがとメロコ！！

3.あはははは

4.>>101

100二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:49:42

ハッサク先生並みに感情がだいばくはつ

101二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 23:54:24

嬉しさより驚きが先に来た

>>99

102二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 07:26:40

心底驚いて、声がひっくり返ってしまいました。
メロコの顔とチョコレートで視線を何往復もさせながら、パルデアの大穴でパモでも見たみたいな顔をして固まっているのでした。
メロコがアオイ宛のチョコレートを用意してくれていたのは、まったくの想定外だったのです。

「いらねぇのなら無理して受け取る必要ねえよ」

アオイのオーバーな反応に恥ずかしくなって、メロコはふいっと目を逸らします。
そして、名残惜しそうにゆっくり引っ込んでいく手から生チョコを颯と取り上げました。

「もらうよ！　うれしいもん！！」

それから胸の前に大事に抱いて、

「一度わたしに渡ったんだからわたしのだよ。返したりなんかしません！」

と、誰かさんみたいなことを言うのでした。

103二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 10:07:26

支援保守

104二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 17:26:03

保守

105二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 17:44:26

「大事に食べてね！　わたしも大事に食べるから！」
「適当にとっとと食えっつーの」
「明日感想伝えにくるねー！！」
「テメェ明日も来んのかよ！！」

なんだかとても名残惜しくて、何度も何度もメロコの方に振り返っては、その度に大きく手を振ります。
なんだかんだメロコも手を振り返してくれるので、階段の踊り場に差し掛かってお互いの姿が見えなくなるまでずっとこんなことをやっていたのです。

「つーかチョコ袋にしまえ！！　剥き出しのまま歩くんじゃねえ！！」

106二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:22:11

青春可愛い保守

107二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:31:29

メロコのチョコレートを敵将の首みたいに堂々と胸の前で抱きながら、アオイは廊下を我が物顔で闊歩していました。

片腕に提げる紙袋は随分軽くなったような気がします。

アオイによるスター団バレンタイン行脚のラストを飾るのは、シュウメイです。

彼の順番を頑なに後ろへと回していたのには、訳がありました。

ズバリ、dice1d4=2 (2) でした。

1. 顔があんまり良すぎるので、心の準備が必要だから

2.お約束のような気がしていたから

3.なんとなく

4.>>108

108二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:42:48

草

>>107

109二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:46:28

お約束のような気がしていたからです。

ボタンも彼のことだけを呼び捨てにしていたり、顔は強烈に良いのだけれどもなんだか挙動がおかしかったりするので、スター団の中でもそういうノリなのかなと。

アオイはそれに従ったまでで、そこに他意などありません。

さて。

ここまでスター団の男子には皆一律にドーナツを贈りましたが、例によってアオイが彼宛のドーナツに込めた意味は、 dice1d4=3 (3) でした。

1.『永遠に続く愛』

2.『あなたの事が大好き』

3.『関係を長く続けたい』

4.『お疲れ様でスター！』

110二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 01:51:35

アオイからみたシュウメイは、とっても多才で面白くって、更には浮世離れした美貌を持ち合わせたきらきらのお兄さん。
出来ることならば卒業してからも仲良くして欲しいなと、一生懸命にドーナツを作ったのです。 
シュウメイの部屋の前。
ピーニャの時と同様に、アオイには心の準備をする時間が必要でした。
でなければ、不思議な眼力に魅せられて、何も言えなくなってしまうかもしれないからです。

ゴクリ……！　喉を鳴らし、ついつい強めのノックを2回。
すると、扉の奥から「しばし待たれよ！」と、かっこいい声が響きました。
そういえば彼は声もかっこいいのです。
ただその声で紡がれる内容が残念なだけで。

「何用でござろう」

青い切れ長の目を眩しそうに顰めて姿を現したシュウメイもまた、例によって素のイケメンフォルムでした。
アオイは言葉を失いかけながら、やっとのことで要件を口に出します。

111二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 01:51:48

「ば、ばれんたいん……」

察しの良いオタクのシュウメイは、そのたった一言だけでアオイの意図を理解してくれたようです。

「ハッ！　もしかせずとも、アオイ殿が持っておられるプリチィなソレは」
「……！　わたしがメロコにもらった生チョコ！！」

咄嗟に後ろ手で隠します。
「だから仕舞えっつったろ」。
脳内メロコが呆れた顔で言いました。

「や、失敬。それにしても、その包装をメロコ殿が」
「そう！　そうなんだよね！！　まさかこんなに可愛いのもらえるなんて思ってなかった！！」
「所謂ギャップ萌え、ということでござろうか。……そそるでござるな」
「……？　うん！」

112二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 09:38:13

「生チョコっていうチョイスがすてき」「我ら男性陣には生チョコを渡しこそすれ、そのような装飾は施してやくれなかったでござるよ」だの。……

その流れでメロコ談義、ひいてはスター団談義が盛り上がり、アオイはしっかりシュウメイの目を見て話せるようになりました。

共通の話題が人と人との隔絶を埋めるツールになるとはよく言ったものです。

「そうそう、シュウメイに渡したかったのはこれなの！」

一連の話題が途切れた時、アオイは紙袋からドーナツの入った小箱を取り出しました。

「ドーナツだよ」

「む。砂糖天麩羅でござるか……！」

「うん、ドーナツ」

「まさか我がスター団の女子（おなご）以外から菓子を預かり受く日が来ようとは……」

「なんたる僥倖……」とシュウメイはしみじみ目を細めます。

彼は、ドーナツを贈る意味についてdice1d3=1 (1) いました。

1.ひとつだけ知って

2.複数あることを理解して

3.まったくもって知らずに

113二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 09:41:00

さすがはシュウメイ。

さすがはオタクです。

ほかの男どもとは一味違うのです。

ちなみ彼が知っていたのは、dice1d4=3 (3) 。

1.『永遠に続く愛』

2.『あなたの事が大好き』

3.『関係を長く続けたい』

4.『お疲れ様でスター！』

114二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 09:43:24

シュウメイ殿ー！！
最後の最後にパーフェクトコミュニケーションじゃん…！

115二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 10:21:45

ダイス神…！

116二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 13:35:04

予想に反してとても平和な流れだな…！1の文才も絵本みたいで素敵だ

117二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 18:57:09

皆にアオイの想いが詰まったお菓子が届いて良かった

118二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:30:44

アオイの想いはしかとシュウメイに届いていました。

修羅を往く漢シュウメイ、ここでも格の違いを見せつけます。

見てるかピーニャ、見てるかオルティガ。

シュウメイはできる男なので、「かたじけない」という簡素なお礼の後、かっこいい声でこう続けます。

「dice1d4=1 (1) 」

1. 合縁奇縁は見てわからず……まさしくユーと我を指す言葉でござろうな。

2.我もねんごろな関係をキープしたく思っている次第。ゆえに、ユーには一ヶ月後の果報を楽しみに待つよう願いたいでござる。

3.ユーと我の想いが通じ合った瞬間……高まるでござるな。

4.>>120

119二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:52:38

やはりシュウメイ殿は出来る漢であったか

120二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:56:36

ちょっとアレなセリフを綺麗に回避してて笑った

>>118

121二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:58:09

「合縁奇縁は見てわからず……まさしくユーと我を指す言葉でござろうな。」

胸に手を置き、噛み締めるように言います。

スター団の一ボスと、その座から引きずり下ろすための鉄砲玉。
そんな奇妙な繋がりが、形を変えて今なお成り立っているのは、きっと出逢いが何かの運命（さだめ）だったからなのでしょう。

アオイも同じ思いです。
顔をほころばせ、シュウメイに手を差し出しました。

「これからも仲良くしてね！」
「承知ッ！」

一回りも二回りも大きな手が、アオイの手を包みます。
二人はいまここに、永久の絆を誓って盃を交わしたのです。

122二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 20:04:54

スター団バレンタイン行脚がここに終結しました。

六人と存分に触れ合い、絆を確かめ合えてアオイは大満足。

紙袋は軽くなったけれど、気持ち的には行脚の以前よりも中身が増えた気分です。

まだ時間とチョコレートに余裕はあります。

アオイが次に向かうのは、>>124 のところ。

123二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 20:05:34

ネモ

124二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 20:06:01

ネモ

>>122

125二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 21:57:31

絶対に忘れてなどいません。
はやる気持ちに身を任せ、大切なライバルの元へ一直線に駆けてゆきます。
少し遅くなってしまったけれど、彼女は絶対にアオイを待ってくれているでしょう。
そんな気がするのです。

早くネモの喜ぶ顔が見たいな。
アオイの口角が上がります。

ネモの部屋への行路は、長いようで短いものでした。
ドア横のネームプレートを見ずとも、もはや場所がわかるくらい行き慣れている部屋。
大切に扱われているようで、汚れ一つないまっさらな扉です。
踊る心につられてか、ノックの音も自然と弾みます。

「はーい！　今出ます！」

と、同じようにご機嫌な返事がドアの向こうから返ってきました。
まるでネモにもアオイが来るタイミングがわかっているかのように。

ゆっくり開けられたドアの中へ、アオイはぴょんこ！　と飛び込みました。

126二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 21:57:51

「ネモ！　お待たせ！」

「アオイー！　待ってたよ！！」

その後ろ手には、ネモに宛てた dice1d5=5 (5) を隠しています。

そしてネモもまた同じように、アオイに宛てた何かを隠し持っているようです。（dice1d5=2 (2) ）

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

それから示し合わせたみたいに、二人は同時にかけ声を上げます。

「せーのっ！」

127二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 21:58:23

女の子同士も良い‥‥

128二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:55:31

息ぴったりじゃん流石ライバル…かわいい…

129二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 07:20:38

隠していたものを一斉に差し出しました。

「ンジャカパーン！！　わたしが用意したのはマカロンでーす！」
「わたしはカップケーキつくってきたよ！」

マカロンとカップケーキ。
種類こそ違えど、どちらも日常的に食べるお菓子ではないことから、『あなたは特別な存在』という意味が込められているといいます。
対等に力を出し合える無二のライバル。
互いが互いに格別な感情を向けていることは、もはや言うまでもないでしょう。

二人はそれぞれ交換し、贈り物がお互いの手に渡りました。

「カップケーキふわふわ……おいしそう！　パモ柄のシーリングスタンプもとっても可愛い！」
「マカロンもカラフルで素敵！　……もしかしてだけど、わたしの手持ちポケモン達をイメージしてくれた？」
「気付いてくれた！？　そうなの、さっすがアオイ！」

130二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 07:28:42

流石はライバル

131二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 08:03:16

「……それじゃあさ」

受け取った小袋とその送り主を愛しそうに眺めながら、ネモがポツリと呟きます。

「アオイは……今わたしが考えてること、わかる？」

まったくもって、ずるい女の子です。

アオイが分かってくれていることを確信したうえで、ネモはわざとらしく小首を傾げたのでした。

これには耐えきれず、ふふっ、と吹きだすアオイ。

「もー、分かってるくせに」

「……アハハ！　それじゃあ行こっか！」

二人はdice1d3=3 (3) にてdice1d360=273 (273) 分もの間、思う存分勝負に興じたのでした。

1.テーブルシティ中央のバトルコート

2.学園屋上のバトルコート

3.>>132 のバトルコート

132二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 08:09:26

セルクルタウン

>>131

133二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 08:18:59

「実りある勝負をしよっ！」

「うん！」

セルクルタウンのバトルコートをお借りして、およそ6時間もの大激戦を演じた末。

ツヤツヤになった二人は「おやすみ」を言って、やっとこさ別れました。

近隣住民やカエデさんにとってはとんだ迷惑だったでしょう。

けれど、二人にはお咎めなし。

それどころか、皆楽しげに二人の真剣勝負を観戦してくれていたのでした。

一人になって、アオイは次の行き先について考えます。

>>135

134二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 08:21:10

キタカミ

135二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 08:21:21

キタカミ姉弟

>>133

136二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 15:23:23

支援

137二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 16:09:30

やってきました、ブルーベリー学園！

バレンタインのお菓子を配りにパルデアからイッシュへ飛ぶ人間なんて、きっとアオイぐらいでしょう。

本当であればイッシュ地方なんて、ちょっと買い物に行くみたいな感覚では足を運べないような場所なのですから。……

慣れた足取りで降り立ったエントランスは、なんだか普段よりも色めき立っているような気がします。

バトルコートを取り囲むベンチに腰掛けて、お喋りしながらチョコレートを摘む女の子達と、その姿を羨ましそうに見つめる男子諸君。

今日の学食にはチョコケーキが出るという噂も聞こえます。

パルデアから遠く離れたここイッシュでも、みな思い思いのバレンタインを楽しんでいるようです。

そんな雰囲気に背中を押されて、校舎へのゲートをくぐります。

この時間であれば、きっと二人はそれぞれの部屋にいることでしょう。

アオイはちょっと考えて、まずはdice1d2=1 (1) の部屋へと向かうことに決めました。

1.ゼイユ

2.スグリ

138二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 16:25:24

姉からか

139二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 21:44:24

支援

140二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:50:25

やはりまずは、姉であるゼイユの方を訪ねるのが妥当でしょう。

彼女の部屋を訪ねるにあたって、アオイはアポイントを取っていませんでした。

というのも、驚いたときのゼイユは並のリアクション芸人よりも遥かにおもしろい反応をするためです。

まさかパルデアに戻ったばかりのアオイが、一息つく暇もなくイッシュに飛んでくるだなんて。……

ゼイユはそんなこと思ってもみないでしょう。

アオイは正直、彼女の反応をかなり楽しみにしていたのです。

ゼイユの部屋はアオイの部屋の一階層上にあるので、いつもよりも一回多く階段を登ります。

オレンジアカデミー名物地獄の階段に比べれば……こんな階段、なんてことありません。

アオイは元気に二段飛ばしで駆け上りながら、ゼイユに用意した dice1d5=4 (4) を傍らに取り出しました。

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

141二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 23:25:44

ブルーベリー学園の寮室には、ドアホンが完備されていました。
ドアベルを押すと、ゼイユはすぐに玄関までやってきました。
ドアの向こうでドアチェーンが外れる音がします。
アオイはまんぷくもようのモルペコみたいにニコニコしながら、ゼイユが出てくるのを今か今かと待っていたのですが。

「ふーん。随分早いのね」

ゼイユは思ったような反応（「は！？　なんでアオイ！？　……いや違うゾロアークでしょ！！　わかってんのよ！！　変身解きなさい！！」）をしてくれませんでした。
それどころか両手で口元を隠して、全部知ってる顔でおかしそうに笑い出したのです。

「真っ先にあたしのとこに来るなんていい心がけじゃない。うふふ……グラエナにするみたいに頭ワシャワシャ撫でてあげるべきかしら？」

142二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 06:19:09

「な、なんでわたしが来るって知ってたの……？」

アオイは三つ編みをいじいじ触りながら俯いて、口先をとんがらせました。

計画が打ち壊されたのが相当ショックだったようです。

せっかく何も言わずお忍びで来たのに。……

それじゃあ何故、ゼイユがアオイの来訪を事前に知っていたのでしょうか。

「dice1d2=1 (1) 」

1.あんた自分が何者なのか、もしかしてわかってない？　しばらく見てなかった現チャンピオンが帰ってきたら、そりゃ噂にもなるわよ

2.カキツバタが『キョーダイが帰ってきてる』って送ってきたんだもん。写真付きでね、見る？　ちょっと、機嫌直しなさいよ！！　気に食わないなら後でぶん殴ってやればいいんじゃない？　あたしが許可してあげる

143二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 08:00:35

今更だがどうしてハルトは１つも貰えなかったのか……作ってる子はちょくちょくいるのに……

>>154

144二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 13:42:50

若者だらけの学園という特殊な閉鎖的環境下、このような噂は一瞬で広まってしまうのです。
しょも……と萎んでしまったアオイをみかねて、ゼイユが続けます。

「残念ねー。ま、その噂も学園のネット掲示板伝いだし、スマホロトム見てなさそうなのに当たればいいんじゃない？」

イタズラに加担するこどもみたいな、ちょっと楽しそうな顔をして「心当たりあるでしょ？」と。
けれども、アオイがここまでするほど見たかったのは、他でもないゼイユ本人の驚く顔だったのです。
アオイは小さく頷きこそすれ、とても不服そうな顔をして言います。

「くやしい」
「へぇー、そんなにあたしがよかった？」
「むぐ……」
「あっは。150年早いのよ」

むくれるアオイを散々こねくり回して気が済んだのか、ゼイユは「ふう……」と一息ついて、両手をアオイの前に差し出します。
それからあざとく首を傾げて、ふんわり微笑みました。

「さあ、とっとと出すもん出しなさい」

145二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 13:48:43

ゼイユのお返しが楽しみだ

146二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 18:11:56

あーすてき

147二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 18:23:19

一枚上手なねーちゃん可愛すぎる
これは勝てないわ

148二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 18:32:23

何か言いたげに口をぱくぱくさせるアオイでしたが、最後には黙ってクッキーを包んだ袋をゼイユの両手の上に乗せました。
高飛車に振る舞うゼイユに対して何か言ってやろうと一度は思ったのですが、彼女の100万点の微笑みを見ると、たちまち何も言えなくなってしまったのです。

まるで女王様に貢ぎものを献上する商人にでもなった気分でした。
受け取った小袋を手のひらで転がしながら、魔性の眼力でジッ……と観察するゼイユの綺麗な顔を、どぎまぎしながら見上げているのです。

「これをアオイが焼いたの？」
「ん、やいた……」
「へえ……」

クッキーから目を離したゼイユと目が合って、アオイはちいさくなってしまいました。

そしてもう一度、ゼイユが手中のクッキーに目線を戻して一言。

「こんなに綺麗なクッキー作れるのに、どうしてサンドウィッチになるとてんで駄目なのかしらね」

ゼイユは切実な声で言いました。
どきどきそわそわしていたアオイも、これにはスン、と真顔になります。

149二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 19:17:48

サンドウィッチ爆発勢か……

150二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 19:40:42

「……そ！」
「そ？」
「それじゃあゼイユも出すもん出してよ！！」

サンドウィッチ作りの腕をストレートになじられたアオイは、ムキャ！　と怒って両手をゼイユの前に差し出しました。

「は！？……何それナマイキ！　それがヒトにものを頼む態度！？」

けれども何故かゼイユがそれ以上に凄んだので、アオイはすっかり圧倒されて、黙らされてしまいました。
自分も同じことを言っていたのに。
理不尽なことこの上ありません。

151二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 19:41:34

最近のゼイユは、スグリだけに向けていた理不尽を、ついにアオイにまで振りかざしてくるようになりました。

そんなときはスグリにならって肩をすくめたり、うなだれてみたりするのですが、なんだかんだ言ってうれしく思っているアオイがいます。

ゼイユがアオイに遠慮をする必要がないくらい、親密になれたということなのですから。

「ゼイユさま、お菓子ください」

「分かればいいの、分かれば！」

目を細めて優しい笑顔を見せると、ゼイユはそのまま部屋の奥へと消えてゆきました。

「悪いけど、あたしって結構料理できるのよ。ばーちゃんに色々教えてもらってるんだから」

戻ってきたゼイユが抱えていたのは、dice1d6=2 (2) です。

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

6.キタカミ風のお菓子　>>153

152二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:44:51

マカロンとは可愛いな

153二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 23:50:55

ゼイユがマカロン渡してくるの良いな

>>151

154二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 02:07:22

>>143

ハルトには1番に渡しに行ったから…まだみんなが来る前だったんだよきっと…

155二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 09:51:16

ばーちゃんマカロン作れるのか。ハイカラやな

156二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 10:13:10

アオイはマカロンが丁寧に包装された透明な袋を受け取りました。
見た目が驚くほど綺麗だったものですから、つい零します。

「お店で買ってきたやつ？」
「何よそれ、あんたほんっとムカつく！！」

胸の前で拳をつくってわなわな震えるゼイユですが、マカロンに夢中のアオイを見ると両手を下ろしてニイっと笑います。

「でもまあ……そう思っちゃうのも仕方ないわよね。……いい？　ありがたーく思って大事に食べるのよ」
「うん、ゼイユありがと」

ゼイユからもらったものを、紙袋の中に大事にしまいました。

「スグにもよろしくね。あいつ、きっと大喜びするから」
「うん、これからスグリのところに行くつもり」
「そう。それじゃまたね」

157二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 19:25:23

ほしゅ

158二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 19:36:42

次はスグリか

159二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 19:57:18

さて、リベンジマッチです。

ゼイユにはドッキリを華麗に交わされ、既にチャンピオン来訪の噂も回りきっているといいます。

誰かの驚く顔を見てからじゃないとパルデアには帰れないアオイにとって、スグリへの訪問は一縷の望みでした。

彼はスマホロトムを持っていないため学園の掲示板を見ることができないので、アオイがブルーベリー学園に戻ってきていることを知る術はないはず。

すべてはスグリにかかっていると言っても過言ではないのです。

一生懸命上った階段を、今度は急ぎ足でせかせか下りてゆきます。

そんなアオイが携えるのは、dice1d5=2 (2) です。

1.チョコレート

2.マカロン

3.ドーナツ

4.クッキー

5.カップケーキ

160二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 19:58:24

マカロンか

161二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 20:46:04

可愛い

162二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 21:30:42

やばい….楽しみ過ぎて口角あがっちゃう

163二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 01:22:05

鯖が不安定で怖いので保守

164二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 09:47:01

楽しみにしてます

165二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 14:19:56

奇しくもアオイはスグリに対して、ゼイユと同じようなマカロンを用意していました。

ゼイユからはスグリにもマカロンを渡したという話を聞いてはいませんが、アオイもハルトにお菓子を贈ったくらいです。

ですから、マカロンが被ってしまっていても何ら不思議ではありません。

先述の通り、アオイはお菓子ごとの『贈る意味』を重視しながら適当なお菓子を選出したため、他の人へ贈るものと取り替えようにも差し障りがあるのです。

なんだかスグリに申し訳ないような気持ちと依然としてワクワクした気持ちを同時に抱えながら、アオイはスグリの部屋の前に佇みます。

新しくてまだ固いドアホンを押し込むと、扉の奥から「はーい」なんて気の抜けたかわいい返事が聞こえました。

「いま出ます」

スグリはドアホンで応対する訳ではなく、そのまま出てくるようです。

不用心極まりありませんが、なんともスグリらしくほっこりします。

それから間もなく鍵が開く音がして、そっとドアが開きます。……

そしてアオイと目が合った瞬間、

「dice1d3=3 (3) 」

1.わぎゃーっ！！　あ、アオイ！？　なんでアオイがここにいるの！？！？

2.わやー　アオイだ！　ポケモン勝負さしに来てくれたの？　

3.わやじゃ！？　アオイ！？　……や、帰ったばっかのアオイが来るわけね。ゾロアークが変身さして俺をだまくらかそうとしてんだ！！　変身さ解けーっ！！

166二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 14:25:11

100点満点の反応で草
かわいい

167二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 20:02:52

「わやじゃ！？　アオイ！？　……や、帰ったばっかのアオイが来るわけね。ゾロアークが変身さして俺をだまくらかそうとしてんだ！！　変身さ解けーっ！！」

ビシッ！
スグリは、ちまこくて華奢な人差し指を突き出します。
すると間もなく周辺の学生たちがなんだなんだと部屋から顔を出してきたので、アオイは慌ててスグリの手を引き、一緒に部屋の中へ引っ込みました。

スグリはその勢いでドサッ！　と玄関先に尻もちをつき、アオイがドアをすごい勢いで閉じる音に「わぎゃッ」と身体を大きく跳ねさせます。
後ろ手で鍵を締めたアオイがしゃがんでスグリと目線を合わせながら、

「スグリ静かに！　わたし、アオイ！！　本物！！」

口の前で人差し指を立て、小声で諭すのです。
さらに引いていた手をゆっくり一定のリズムで揺さぶり、スグリを落ち着かせます。

168二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 22:01:40

スグリの反応かわいいな

169二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 01:34:51

スグリとゼイユの反応の差が激しくて姉弟って感じで好き

170二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 06:21:18

キタカミの里にペパー達と訪ねたときもそうでしたが、スグリは案外パニックに陥りやすい性質なのかもしれません。

どれだけ一生懸命飾っても、彼の本質はおっとりした優しい男の子なのですから、急で大きな感情の揺れが苦手なのです。

……申し訳ないことをしてしまったな。

上がっていたスグリの息が次第に落ち着き、まばたきの数も減ってきた頃。

スグリの手を両手で温めるように挟みながら、謝るのでした。

「落ち着いた？　ごめんね、びっくりさせちゃったね」

「……俺の方こそごめんな。まさかアオイが来るとは思ってなくて」

ヘアバンドから垂れた前髪を弄いながら、「わや恥ずかしいとこ見せちまった……」と項垂れるスグリ。

「今度からは来るときはちゃんというね」

「うん。いってくれたらポケモン勝負の準備もするし、お菓子ぐらい用意すっから」

「……あ、そうだ！　お菓子」

彼の発言をきっかけに、アオイは本来の目的を思い出しました。

突然紙袋を床に置いてガサゴソやり始めたアオイを、スグリはdice1d3=3 (3) 。

1.どぎまぎしながら、しきりにチラチラ様子をうかがっています。……今日この日のアオイの訪問は、『そういうこと』なのだと既に察しがついているようです

2.キョトン……！　と首を傾げながら眺めています

3.悠然と、ニコニコしながら待っています。どうやらアオイの訪問の動機を理解している様子。余裕の笑みでしょうか

171二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 12:28:18

これは番外編のスグリですわ

172二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 16:59:39

包装の柄や、中身のマカロン。……
他と取り違えないよう紙袋の中で入念に確かめてから。用意していたマカロンを袋から取り出しました。
自分の体の前で、小袋の口が手前に来るように回転させたら、両手でスグリに差し出します。

「バレンタインにマカロン作ってきたんだ。これ食べてね」
「ありがと……わやうれしい」

スグリの方も、両手を伸ばしてそっとマカロンを受け取りました。
……思ったより反応がないな、やっぱり気に入らなかったかな。
アオイはスグリの顔を覗いて考えます。

冷静になって考えてみると、非常に短い期間とはいえ、彼はブルベリーグのチャンピオンであった男。
ですからゼイユ以外にも、学園の女の子からお菓子をたらふく貰っていても何ら不思議では無いと思い至ったのです。

目の前のスグリは太い眉毛をハの字にして素直に喜んでいる様子ですが、アオイは「他の子と被ってたら、その時はごめんね」と保険をかけてしまうのでした。

173二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:21:03

保守

174二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 05:43:55

目の前のスグリは太い眉毛をハの字にして素直に喜んでいる様子ですが、アオイは「他の子と被ってたら、その時はごめんね」と保険をかけてしまうのでした。

頭に浮かんだ女の子特有の面倒臭い謙遜にアオイ自身も嫌になって、けれど言わずにはいられません。
うつむき加減でそんな卑屈なことを言ったのはアオイ自身なのに、彼女はそれを明るく笑い飛ばそうとするので、スグリはほぼ反射で。

「ううん、そんなことない」

アオイは待ち侘びた否定のことばに吸い寄せられるみたいに、スグリの目を見てしまいます。
更に言葉を求めるようなアオイの視線に気づいたスグリですが、どのような言葉をかけるべきか言葉に詰まってしまうのでした。

175二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 08:30:57

がんばれスグリ！

176二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 14:46:03

頑張れ！応援したくなるな

177二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:51:09

保守

178二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:32:55

スグリがんばれ♡がんばれ♡

179二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 05:25:38

ふと、ゼイユにマカロンを貰った時のことが思い出されます。

「去年はあたしからしか貰えなかったんだから、今年も素直に貰っときなさい」

今朝のことです。
ゼイユが朝早くに部屋へ押しかけてきて、スグリは半ば押し付けられるみたいにマカロンを受け取りました。

「……何か言うことあるんじゃない？」

マカロンを両手に持ちながら眠くてぽやぽやしているスグリに、ゼイユはわなわなしながら言葉をうながします。
しかしスグリにとっては、実の姉からバレンタインギフトを貰っても特に嬉しくもなんともなかったのです。
別にお菓子を作るよう頼んでもいませんでしたし。
なおかつ突然叩き起されて虫の居所が悪かったのもあって、「どうも」とだけ言って早々と部屋の奥に引っこもうとしたとき。

「折角作ってやったのに！！　ほんとナマイキ！！」

と。
ゼイユにキレられて、頭のてっぺんに手加減なしのゲンコツを一発もらったのでした。

「普通はね、お礼を言うか感想を述べるかくらいするもんなの！！　そんなだからモテないの！！」

180二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 07:29:21

草
まあ家族からはね……もらってもそんなにね……

181二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 11:10:01

保守

182二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 19:32:48

スグリは主人公と関わっても姉と関わっても面白いな……

183二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 21:23:07

姉からもらうとこんな反応になるの弟感あって可愛い

184二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 07:57:28

女子は、たとえお世辞だとしても言葉を求める生きものなのです。

既にお礼は伝えました。
であれば、伝えるべきことは。……

「アオイ、マカロンっこ……いまここで食べてもいい？」

両手の中のマカロンに落としていた目を、再度アオイに向けて訊ねました。
キョトン顔のアオイ。
その顔を見据えたまま、スグリはもう一度訊きます。

「……いい？」
「……あ、うん。いいよ」

承諾のことばがあって、スグリは小袋の口を縛るリボンを丁重に解きました。
カジッチュそっくりの緑色のリボンは、アオイの創意工夫が伺えます。
どうにも無下にはできなくて、スグリはそれをそっと膝の上に置きました。

185二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 12:52:07

スグリかわいい

186二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 21:19:38

スグリくんの反応可愛いなぁ‥‥
良いぞ

187二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 07:03:55

保守

188二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 17:42:06

保守

189二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 21:19:05

楽しみにしてます
スグリくんどういう感じになるんだろうか

190二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 05:02:19

小袋の中に人差し指と親指を差し入れて、桃色のマカロンを摘み上げました。
一口サイズの小粒のマカロンです。
すみずみまで一片のズレなく綺麗に成形されていて、これがお店のショーケースに並んでいてもスグリには何ら不思議ではありません。

その旨を思ったまま口にすると、アオイはてれてれにこにこ笑みを零します。

「そうなの。成形に一番苦労したんだ」
「すげー……俺は絶対こんな綺麗にできね。多分ねーちゃんもこんな綺麗にはできねーと思う」
「あはは……ゼイユに怒られちゃうよ」
「本当のことさ言って何が悪い？」

もしゼイユがここにいたら、彼はまたゲンコツを食らう羽目になっていたことでしょう。
挑発的に声を張ってそれだけ言えば、小粒のマカロンを口に運びます。

191二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 13:52:26

ついに口に入れた
反応が楽しみだ

192二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 15:50:50

その食感はdice1d2=2 (2) 。

1.サクサクとまらない 2.しっとりやさしい

マカロンを縦に割るようにして食むと、中にはあまずっぱいジャム……でしょうか。

割れ出てくるそれを舌の上で転がしながら、スグリは記憶をたどります。……

この味に覚えがあるのです。

それはなつかしい味。

小さい頃から何度となく味わったことのある。

「……キタカミのリンゴだ」

ハッとしてアオイを見つめる瞳は、アップルヒルズから見える満月みたいにまんまるです。

193二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 15:55:00

終盤スレ主の力の入れ具合がどんどん増えたからキタカミ姉弟で終わっちゃいそうだな
他の面子も見たかったし結果的に最初の面子がアッサリになっちゃったのでちょっと残念

194二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 16:30:02

キタカミのリンゴジャムは、お菓子の材料の買い出しにアルデネーノを訪れた際に、たまたま見つけたものでした。
目と目が合うまで商品が存在することすら知りませんでしたし、本当であれば、いつも買う120円のベリージャムで済ませるつもりだったのです。

しかし。
キタカミのリンゴの瑞々しくシャキシャキとした食感、そしてくどく感じない上品な甘みをアオイは既に知ってしまいました。

「ふーん。キタカミのリンゴジャム、ね」

ねっとりと品定めするみたいにそう呟いて。
お値段いくらかしらと考えてしまう前に、アオイはそれを光の速さでカゴへと突っ込みました。
そして次の瞬間には、スグリのマカロンに使おうと心を決めたのです。

このような特産品の加工食品は往々にして高価でありますが、アオイにはノーダメージです。
なぜなら、値札を見ないようにしていたから。

お菓子作りにおいて、節制なんて野暮。
出すところはどーんと出さなければ、美味しいものはつくれない。
そう自分に言い聞かせながら、買ってきた次第でした。

そんなささやかな工夫にスグリが気づいてくれたので、アオイはもう満面に笑顔を湛えてごきげんです。

「そう！　そうなの！！　よく気付いてくれたね！！」
「やっぱそうだべ！？　生地がしっとりしてっから、ジャムのおかげでスッキリ食べられるな」
「……もしかしてエスパー？　同じこと考えてた！」……

アオイの望み通りの返答ができたようで、スグリはそっと胸を撫で下ろすのでした。

195二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 17:06:43

……

アオイは紙袋を持ち上げました。

「そろそろパルデアに戻らなきゃ」

貰った分のお菓子も含めて、スッカリ軽くなった紙袋です。
そこまで重くはないものの、「よっ！」と声を出すアオイを見て、スグリも立ち上がります。

左手にまだ幾つか残ったマカロンの小袋を包むように持って、右手で垂れた髪をいじりながら、名残惜しそうにはにかみました。

「遠くないうちに、またこっちさ来てな」
「うん、また来るよ」
「くれぐれも気ぃつけてな。エントランスまでだけど、送るべ」
「いいよ！　大丈夫。今日はポケモン6匹連れてるし」
「そういうことじゃねえんだけどな……」

196二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 17:11:41

美しい四分割のドームに見送られながら、アオイは飛行機でパルデアを目指します。

アオイのバレンタインの旅はここでおしまいです。
まだまだ渡したい人はいますし、一人一人にあまり時間を割けなかったのは心残りではありますが、終わります。

最後になりますが、ここまで見てくださってありがとうございました。

終

197二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 17:12:49

お疲れ様でした
スター団やホームウェイやキタカミなどなど見れて本当に良かったです
楽しく尊い話を読ませていただきありがとうございます

198二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 17:18:24

乙です
1の文章あたたかみがあって優しい世界観で好き

199二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 18:17:12

なんだろう神ですか？

200二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 18:20:53

暖かくてやさしい物語をありがとうございました