ユメ先輩は美味しい｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:03:24

私はあの日食べたあの人が忘れられないんだ。
長い戦闘により疲弊したユメ先輩は油断していたのか地雷を踏み抜いてしまって、足が吹き飛んでしまったユメ先輩は一瞬状況が理解できなくなり、少しした後に立てなくなって足の感覚も無くなっていることに気付く。
あのときの叫び声は今でも耳に残っている。
その声を聞いた後、地面を這ってこちらに来るユメ先輩を見つけた私は慌ててユメ先輩の方へ駆け寄るも、その姿を見て固唾を飲み込む。
私は過呼吸になって足が竦む。
ユメ先輩は消えた腰から流れ落ちる雫で赤い線を描きながら、私の方へ進む。
瞳の色が薄れていくユメ先輩を見て、私は自然と頬を濡らしていた。
いやだ、いやだ、いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
ユメ先輩に死んでほしくない、ユメ先輩を助けなくちゃ
そうは思うものの、ただの一人の子供に過ぎなかった私に出来ることなどあるはずもなく、ただ消えゆくその魂の依代を抱いて、その最期を温かなものにすることしかできなかった。

>>7 >>8

2二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:04:02

……そのとき、私はお腹が空いていた。
そして、目の前には魂の消えたユメ先輩の肉がある。
これ以上の説明はいらない。
私はユメ先輩だった物の腕に歯を立て、強く噛み付いた。
そして、首を思い切り横に振り、肉を噛みちぎる。
人の肉は不味いと聞いていたけど、ユメ先輩の肉は不思議と美味しかった。
それまでに食べたなによりも、そして今もあれ以上の物は口にしていない。
これが愛？なのか。
こんな形で自覚したくなかったな……。
口元を赤く染め上げ、一心不乱に肉を貪り喰らう。
嗚呼、なんて美味しいんだろう。
ユメ先輩を失った不幸とユメ先輩の肉の味による幸福が私の脳を潰しに来る。
情緒のジェットコースターは既に線路を外れ、倫理の車輪は粉々に砕け散っている。
美味しい
美味しい
美味しい
こんなに美味しい物、他にない。
それだけは断言出来る。
そして最後に残ったユメ先輩の脳を齧った。
すると、ユメ先輩の何かが流れ込んできた。
形容し難い何か。
恐怖でも悲しみでもなければ喜びでも楽しみでもない新たな感情。
けれど、その感情はたった一度、そのときだけのものだった。
もう一度あれを感じたい。
もう一度あれを味わいたい。
不可能だと分かっていても、体が求めてしまう。
気が付けば、可愛い後輩の腕を齧っていた。
「ん、今日の先輩は甘えん坊」
うへ…私は一体何をやっているんだ。