【CP注意】イオリ、君を── 一生、許さない

1二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:17:40

彼は、極楽でも地獄でもない場所にいた。
周りには何もない。あの平原を思い出すような業火に囲まれた荒野のようなところで彼は何ともないのか立っていた。

「──何しに来た。セイバー」

一歩近づくと彼は反応した。目の前に斬撃が通る。よほど近寄らせたくないようだ。

「君を迎えに来たんだ──イオリ」
「……俺は、もう貴殿の知る者ではない。なくなったのだ」
「いいや、その剣は君にしか出せないものだ。だから私の知るイオリだ。しかし驚いたぞ、地獄にいると思ったらいなかったのだから。探すのに苦労したぞ？」
「……鬼に堕ちた俺に地獄なぞ、何の責め苦にもならない。故にここにいる」

ようするに、ここにいるのが罰として相応しい、か。相変わらず不器用なやつめ。
業火の中へ入り、私は一歩、歩みを進める。斬撃が頬を掠める。

「……来るな。貴殿との縁は、あの夜で終わったのだ。そも、貴殿は皇族で俺は浪人、釣り合うはずがない」
「つれないことを言うな。私たちの間にそんなものは無粋だ。それに、私はあれだけで終わる気は毛頭ないぞ」

一歩、進む。斬撃が来るが避ける。

「…来るな。俺は此処で終わる。それが世のためなのだ。俺のことなぞ忘れて、ここから去れ。貴殿ならば、善を為せる素晴らしい友を得れるはずだ」
「嫌だ。私の友はイオリだけだ。本霊も記憶しているから全ての私が君の友と胸を張って言う。諦めろ」

一歩。いや、面倒だ、一気に駆け出す。斬撃が飛んでくるが全て弾く。

「…来るな！なぜ俺にこだわる！俺を恨んでいるだろう！俺にそんな価値はない！貴殿を、裏切った、俺に……！」
「そうだイオリ、君を─── 一生、許(はな)さない」

2二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:19:51

修羅道かな？悪鬼羅刹達が戦う世界

3二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:19:55

何故こんな場末の掲示板に良SSを――？

4二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:19:56

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5二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:20:42

ふぅん…地獄へと身を落とした剣鬼伊織をセイバーが迎えに行くルート…
ありがとう…ありがとう…

6二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:21:01

理解した
つまりラスエピだな？

7二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:22:36

大変よろしいと思います
続けてください

8二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:23:02

私は悟れないが故に極楽への道行きを示す事しか出来ない、だが六道内でこれくらいの事なら出来る

>>9

9二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:26:33

>>8

タケルを修羅道に連れてきたのか？

>>10

10二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:28:00

>>9

まぁ出来るか出来ないかなら出来そうではあるしやってくれそうでもあるから…

11二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:28:12

いいぞやれ

12二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:34:05

「何故、だ……？何故……」
「確かに私たちは、あの夜に道を違えた。──でもそれ以上に、君は多くのものをくれたんだ」

アサクサで過ごした日々。生前知らなかった人々の暮らし。屋台で得た美味なるものと君からの施し。
儀で各地を駆け巡り、多くの者と言葉を、武器を交えた。それがどれほど尊いものだったか、イオリ、君には知ってほしいんだ。

「だから、私は君を見捨てない。見捨てるぐらいならこの世から消えた方がマシだ」
「セイ、バー……」

イオリが離れないように、彼の温もりを、少しでも逃がさないように私は抱き付く。
君は──ここにいるんだな、イオリ。

13二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:35:39

続きだ！！

14二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:37:12

今イマジナリーわえちゃんが心の中でペンラ振り回してる
ありがとうスレ主…

15二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:37:34

どんな場所でもイチャイチャ

16二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 16:49:30

「……離れろ。貴殿は、ここにいるべきでない」
「そうだ。なら君が私を連れていってくれないか。イオリのいる場所が、私の場所なんだ」

イオリは離そうとしてるが、絶対に離れない。離すものか。
たとえこの業火に焼かれようが君といれるなら、何の悔いもない。あってたまるか。

「……こんなことになるのなら、あの時、正雪の刃で倒れるべきだったな」
「それは過ぎた話だぞ。君が死にたくないと願ったからこそ私は喚ばれたんだ。ふふっ、ユイには感謝しないとだ」

心臓の音なんて聞こえない。だけど、こうしてイオリの胸に耳を当てるのはなんと心地が良いのだろう。

「イオリ。私は──君が好きだ。大好きだ。だからここまで来たんだ。さっさとここから離れよう、イオリ」

17二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 17:03:09

「大好き、か。貴殿に言われるのは光栄だな。だが──俺は地獄にて裁きを受ける。迎えも来たようだからな」

後ろを振り向くと地獄の獄卒たちが私達、いやイオリを囲んでいた。
するといつの間にか私の抱擁から抜け出したのか、イオリは大人しく彼らのお縄になっていた。

「元々俺は地獄から抜け出したんだ。貴殿といるならば、罪を清算しないと話にならないだろう。だから……」
「ん？私も地獄に行くが？」
「「「──は？」」」

おお……獄卒、お前たちも喋れたのか。

>>36

18二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 17:04:44

セイバーーーー！！！！
このセイバーイケメンだな！？！！？
いいぞもっとやれ！！そのクソボケ回収してこい！！

19二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 17:46:29

かっこいい…
これは主人公

20二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 17:52:56

ラスト獄卒まで困惑しているし、獄卒が喋れることにセイバーも困惑しているのおもろいな

21二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 18:06:26

「待て待て待て！セイバー、お前は何を言ってるんだ！」
「ようやく貴殿と呼ばなくなったな。その呼び方はあまりしないでくれ。寂しい」
「俺はともかくお前は行く必要が無いだろう！そうだろう！」
「は、はい！閻魔大王様からは宮本伊織だけを連れていけと言われてるでガンス！」
「そもそも千年以上前の者を今裁くなんて事例は無いっキー！」

むう……そんなに私といたくないのか？

「そも、善を為すのならば、私も生前の罪を清算しないといけないだろう。そうでなければ私が殺めた者たちに申し訳ない。それに、元々そのつもりでここに来たんだ」
「……なに？」
「本霊が行こうとしてたが、座から止められてな。仕方なく分霊に任せたんだ。それでも大変だったぞ。全員が行きたがるから座で聖杯戦争をしていたようなものだからな」

イオリといる権利を求めて争うイオリ戦争……
途中我慢出来なくなった本霊も参戦してきたが、あれは酷かった。最後は騒ぎを聞いたワカダンナが本霊を止めて、結局私が勝ったが。
今頃、私のところは死屍累々。今、現世に喚ばれたらボロボロだから即退場待ったなしだろうな……。

「とにかく、共に行くぞ、イオリ。君となら地獄だって怖くない！」
(それ地獄行く意味ないんじゃっキー……)
(黙るでガンス！宝具出して暴れられたら恐ろしいでガンス！)

>>31

22二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 18:27:35

子鬼トリオやんけ！

>>31

23二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 18:49:43

そもそも日本武尊の魂管轄は地獄じゃなくて黄泉の国か根の国だろうしな‥

入ったこと無いし地獄をテーマパーク扱いしても仕方ない

>>29

24二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 18:59:38

閻魔大王は地蔵菩薩の半身かそういやアショカ王はこのまま閻魔大王に判断委ねるかな？

25二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:10:38

このセイバーはらっきょ読んだのか？

26二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:10:54

いいじゃないか！！
こういうのでいいんだよ！！こういうので！！

27二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:11:22

…いやイオリ戦争って何？？？？？？？

>>28

28二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:17:37

>>27

ヤマトタケルという全ての存在がイオリの隣を求めて争う戦争のことだが？

29二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 19:23:57

>>23

伊織と共にいる限りわくわく冒険野郎(キルケー認定)になるセイバーつよい

30二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 20:11:02

「えーと、とりあえず逃げた罪人の宮本伊織とヤマトタケル殿は別々なのは確定ね」
「は？」

──地獄は、地獄を見た。

一緒ではないことに腹を立てたヤマトタケルが界剣をブンブン振り回し、ボロボロになった。
閻魔亭から例外中の例外として応援に来させるほどに。
最終的に一緒にするとの閻魔大王の決定と宮本伊織の魂を懸けた制止で治まった。
無論、その止まった９割の原因は宮本伊織の制止だったのは言うまでもなかった。

地獄の関係者はあの黒く濁った瞳を忘れることはなかったという──