沖トレ×キタサンブラック SS

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:06:23

    ※以前どこかのスレでレスしたスピカに入部した設定の沖トレ×キタちゃんSSです。粗くてスミマセン


    あたしがあの人の事を初めて意識したのは、菊花賞を取った日だと思う━━

    トレセン学園に入学したあたしは、サトちゃんと一緒にチームに入部した。勿論、チームはスピカ! あたしの憧れのテイオーさん、マックイーンさんのいるチームだ。

    一応、スピカのトレーナーさんには、テイオーさんの関連で入学前から面識はあったので入部については問題なかった。スピカのトレーナーさんは、テイオーさんやマックイーンさん始め、トレセン学園でも一流のウマ娘を育てた凄いトレーナーさんだ。見た目は軽めのお兄さんって感じで凄くは見えないけど、テイオーさんを指導したトレーナーさんにあたしも指導してもらえるのだから、頑張らないと!

    そう思ったあたしは、テイオーさんが取った皐月賞やダービーを目指す所謂クラシック路線に進む事に決めた! テイオーさんみたいに走って、テイオーさんの様に勝つんだ! そう言うあたしを、スピカの先輩方は応援してくれた。でも、何故かトレーナーさんだけは難しい顔をしていた。

    それで、クラシックに目標を定めたあたしはメイクデビューから3連勝! 憧れのテイオーさんが取ってた皐月賞へと順調に歩を進めた。

    でも、快進撃はここまで。皐月賞は3着、ダービーに至ってはダメダメの14着。後半スタミナが切れて、大失速したのが敗因だ。掲示板にすら入る事が出来ないなんて……。やっぱり、あたしなんかじゃテイオーさんみたいになれなかったのかな……? ダービー後、あたしのために開いてくれた残念会を抜け出し、あたしは大樹のウロで思いっきり泣き晴らした。


    「キタ、ここで泣いてたのか」

    「トレ……ナー、さん?」

    途中で抜け出したあたしを心配したのだと思う。トレーナーさんがいた。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:07:54

    ダービー、取れなかったな……。俺のトレーニングが甘かった」

    「……そんな事、ないです。あたしがテイオーさんみたいに走れなかったから━━」

    「テイオーは関係ないッ!!」

    「……ッ!?」

    声を張り上げるトレーナーさん。いつもみたいに飄々とした感じではなくて、怒気を含んだ声と表情。そんなトレーナーさんは初めてで、あたしは思わずビクッとしてしまった。

    「おまえはキタサンブラックだ。テイオーじゃない。テイオーみたいに走らなくていい」

    「で、でも……テイオーさんはあたしの昔からの憧れで……テイオーさんみたいに走りたくて……」

    「テイオーはシンボリルドルフに憧れているが、あいつはシンボリルドルフの走りの真似はしなかったぞ」

    「……」

    何も言い返す事が出来ない。そうだ、あたしが今までしていたのはテイオーさんの真似だったんだ。

    「キタ、俺がスピカにお前を入れたのはテイオーの推薦だからじゃない。お前自身に期待したから入れたんだ」

    「俺はお前の走りが見たい。幸い、クラシックはまだ一つ残っている。菊花賞。ここでお前の走りを皆に見せてやれ」

    あたしの肩に手を置き、熱く語るトレーナーさん。その気持ちは嬉しい。でも、

    「でも、無理ですよ……。あたし、ダービーの2400mで失速したんですよ。それを3000mなんて━━」

    「テイオーは菊花賞を走れなかった」

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:08:25

    ドゥラメンテ「キタサン、幸せになれ。絶対に幸せになれ」

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:09:15

    「……ッ」

    「怪我をしたからな、あいつ。クラシック最後の一冠。挑戦すら出来なかった。テイオー泣いていたよ」

    「挑戦してダメだったなら良い。諦めもつくからな。でも挑戦しないのは論外だ。後悔がずっと続く」

    「だから、走れキタ。俺が専用にトレーニングも組み直す。3000mでバテないスタミナも付けさせる」

    「テイオーが取れなかった菊花賞。俺達で取ろうぜ、キタ」

    そう言ってトレーナーさんはハンカチで私の顔の涙を拭い、手を差し出した。

    「……信じてもいいですか? トレーナーさんの言葉も、あたしの走りも」

    「ああ、勿論だ」

    そう笑うトレーナーさんは、いつもよりもカッコよく見えた。

    「……なら、信じます! 改めて指導、よろしくお願いします!」

    「よろしくな!」

    トレーナーさんの手をあたしは精一杯握る。もう迷う事はない。あたしはあたしで走っていける!


    その後、あたしとトレーナーさんはチームの練習とはまた別に個別のトレーニングに取り組んだ。ハードな練習だったけど、トレーナーさんがいてくれたから辛くはない。サトちゃんも度々顔を出し、差し入れをしてくれた。

    その甲斐もあって、あたしは菊花賞を取った。初めてのGⅠ勝利。あたしは嬉しさのあまり、皆の前なのにも関わらずトレーナーさんに思い切り抱きついた。

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:09:54

    「トレーナーさん! あたし勝ちました! ギリギリだったけど、あたしの走りで勝ちました!」

    「お、おう。おめでとう、キタ……。でもな、皆見てるから……」

    「これもトレーナーさんのトレーニングのおかげです! ありがとうございます! あっ……」

    ここでようやくとんでもない事をしたと、あたしは気付き、トレーナーさんから身を離す。心臓がバクバクし、顔が紅潮していくのを感じる。トレーナーさんも顔が真っ赤だ。でも、不思議と悪い気はしない。あたしもしかして、変になっちゃったのかな、サトちゃん?

    これが、あたしキタサンブラックがトレーナーさんを意識し始めたきっかけ

    おしまい

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:11:04

    素晴らしい!!

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:13:10

    沖トレのキタちゃん呼称が多分ないので、とりあえずキタ呼びにしました。レースの順位は史実ですが、競馬素人なんで動画で見たくらい。違和感あったらごめんなさい

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:15:14

    沖Tは絶対キタって呼ぶわ 君は正しい
    感謝

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/03(金) 23:15:34

    .

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/04(土) 00:13:17

    ありがとう…ありがとう…!!

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