「３冠を取ってからだと記憶していますが…」

1二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 00:17:21

スティルインラブの父から、意外な人物の名前を聞くことになった。
　
「（マヤノ）トップガンから、自分はいいから幸トレーナーに担当させてやってくれ、と頼まれたんだ」

　幸トレーナーの姉弟子だったマヤノトップガンはこのころ、すでに競バ社会から離れていた。幸トレーナーも疎遠になっていたが、恩あるウマ娘の名前をこうした場面で耳にするとは想像していなかったし、それが“発露”となっていようとは思いもしなかった。確かにあの時、突如として名門・松元家から声がかかった。ホーマンランドオーの担当依頼があった時に、姉弟子のマヤノがすでに松元に頼んでいたのだ。普段は厳しい松元がスティルだけではなく、どのウマ娘も自由に走らせてくれたこと。チューリップ賞の敗戦のあと、励ましの言葉を掛けてくれたこと。点と点が線で結ばれたようだった。

「その時、もう競バ界を辞められていましたからケータイにメールをしました。返事はありませんでしたけど」

　当時、マヤノの電話番号が変わってしまっていたのかは定かではない。しかし、そのメールを目にしたからといって田原は折り返し返信をするようなやぼな男ではないだろう。幸トレーナーとスティルはマヤノが松元に「幸トレーナーを頼みます」と頼んだ、その時の縁で生まれていた。こうした数奇な巡り合わせが重なり、牝馬３冠の偉業を成し得たのだ。