- 1二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 21:31:30
- 2二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 21:36:34
え!?
つまりショタおねフリリコからのおにロリフリリコってことですか!?!? - 3セレビィ24/02/23(金) 21:41:06
- 4セレビィ24/02/23(金) 21:48:35
- 5二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 21:57:14
楽しみです!
- 6セレビィ24/02/23(金) 22:04:53
◓フリード視点
――最近、リコの様子が変だ。
時々ぼうっと空を見上げては天気がいい日でも溜め息を吐いている。
そうかと思えば、とても張り切った様子でロイや、時々手の空いたマードックやオリオとまでバトルをしている。
何故かバトルの相手として俺には声がかからないが…困っていることや不安なことがあれば相談に乗ってあげたいんだがな。
フリード視点終わり◓
◓リコ視点
――最近、フリードの様子が変です。
フリードはよく空を見上げていますが、いいお天気でも溜め息を吐く日が増えた気がします。
フリードみたいなトレーナーになりたくて、ロイや無理を言ってマードックとオリオにもバトルの特訓相手になってもらっていますが、何だかムッとした顔をしているフリードとよく目が合います。
何か気になっていることがあるなら相談してほしいし力になりたいな……
リコ視点終わり◓ - 7セレビィ24/02/23(金) 22:08:12
- 8二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:10:42
リコと一緒にマードック特製ドーナッツを食べる
- 9二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:13:43
二人っきりで野生のポケモンを観察
- 10二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:14:49
冒険譚(一部)をリコとニャオハたちに聞かせる
- 11二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:22:51
- 12二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 22:35:06
ミーティングルームでおしゃべり
- 13セレビィ24/02/24(土) 00:09:38
- 14二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 09:08:14
すごい…選択肢のセリフが違和感がない…
二人きりで楽しくおやつ食べるのか - 15二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 09:10:07
リコ→フリードから始まるフリリコスレはあったけどフリード→リコから始まるものは初めてだね
安価とダイスのスレだからあまりレスできないけどどうなるか楽しみ&期待を込めての保守 - 16二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 14:16:14
このスレで幼少期フリードとリコの邂逅が見られる可能性があるってこと?
・・・・・・支援!!! - 17セレビィ24/02/24(土) 20:47:48
◓フリード視点
「リコ」
「あっ、フリード!」
名前を呼ぶとリコは俺に視線をやり、ぱっと表情を明るくすると足の向きを変えてこちらへ歩いてきた。
そんな些細なことに感動して、目の前までやってきて俺を見上げたリコにそっと耳打ちする。
「マードックが美味いドーナッツを作ってくれたんだ。休憩がてら一緒に食べないか?」
「うん!それじゃあ、ロイやドットも呼んで皆で食べよっか」
「あー……すまん。今日は俺とリコの分しか作ってないみたいなんだ」
手を合わせて喜ぶリコに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら事情を説明する。
資金の関係で今までのような豪華な食事や凝ったお菓子を作ってあげられないとマードックが嘆いていたこと、1日の冒険に影響を及ぼさない範囲で作れるお菓子は2人分であること。
「それを私が食べても良いのかな?」
「明日か明後日にロイとドットの分を作るってマードックが張り切ってたから、リコが気に病むことはないぞ……って、ひょっとして俺が気にしなさすぎなだけか?」
「ふふっ」
「ミッ、ミミッ」
おどけてみせれば、眉を下げていたリコに笑顔が戻ってフードの中にいたミブリムが顔を出して弾んだ声を上げた。
やっぱりリコもポケモンも笑顔が1番似合うな――緩んだ頬をそのままにリコとミブリムを見た後にリコの腕に抱かれたニャオハに視線をやると、大きく頷かれた。
「それじゃあ、キッチンにいるマードックからドーナッツを受け取ったらdice1d4=2 (2) で食べるとするか!」
1:ミーティングルーム
2:操舵室
3:俺の部屋
4:リコの部屋
- 18二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:03:03
操舵室って思いきりフリードのテリトリーじゃん
よっぽどじゃなきゃみんなやってこないじゃん
まあキャップのノズパスとニャオハとミブリムは一緒だろうけど人間は来ないよね - 19二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:23:37
フリリコダイススレだ
楽しみにしてます - 20セレビィ24/02/25(日) 01:17:31
◓フリード視点
「ドーナッツを受け取ったら操舵室で食べるとするか!」
「うん!」
キッチンはマードックとマホイップの料理の邪魔になってしまうから選択肢から除外するとして、ミーティングルームは他のメンバーがいる可能性が高く、ドーナッツに気付かれたら「2人だけ狡い」と言われて暫く解放してもらえないだろうし、俺やリコの部屋だと俺が嬉しくてもリコの方が緊張して折角のドーナッツを楽しめなくなってしまう。
頭に浮かんだ候補の中から無難な操舵室を提案したが……どうやら正解だったみたいだ。
嫌な顔をせず元気よく頷いたリコと、俺の感情をキャッチしても逃げ出さずリラックスしているミブリムにほっと胸を撫で下ろして、マードックが自信作だと言った特製ドーナッツを貰いに俺とポケモン達を連れたリコは肩を並べてキッチンへと向かった。
――――数分後。
誰にも遭遇することなくマードックの元へ辿り着くミッションを達成した俺とリコは操舵室の扉を押し開けた。
「お、お邪魔します」「にゃ」「ミィミミッ」
「サンキュー、キャップ。休憩が終わったら代わる」
「ぱぁご!」「ピッ? ピピーカ?」
現在ブレイブアサギ号は停泊中だが、椅子の背凭れに立って天候を見てくれていたキャップに声を掛けると、遊びに来ていたらしいテラパゴスがリコ達に気付いて、ノズパスの上で体を揺らしながら甘えた声を出した。
一方キャップは緊張した面持ちで操舵室に足を踏み入れたリコを見た後に、腕を組んで「とうとう連れ込んだのか」と言いたげな目で俺を見た。
「マードックからドーナッツを2個貰って、他の場所だと食べ辛いから操舵室で食べようって俺がリコを誘ったんだ」
「ここに来る途中、食べる量は減っちゃうけどニャオハ達とリザードンの他にキャップとノズパスにもドーナッツを分けようってフリードと話してて……あの、キャップは甘いのと苦いの、どっちが好きですか?」
そう言ってリコが白い皿に乗った茶色のドーナッツと桜色のドーナッツを見せれば、俺に下心はあれど邪心はないと納得してくれたのか、キャップは普段より少し寄っていた眉を元に戻して茶色のドーナッツを小さな手で指差す。 - 21セレビィ24/02/25(日) 01:20:32
- 22セレビィ24/02/25(日) 01:30:03
- 23二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 08:46:43
どんな時でもポケモンを大切にするリコちゃんとフリード博士が解釈一致で素敵です
可愛いと尊いが詰まってて思わず顔が緩んじゃいました…(笑)
リコちゃん→フリード博士への行動は「フリード博士にバトルの特訓相手を頼む」で - 24二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 09:22:48
ほのぼのしててかわいい
一緒にお出かけ - 25二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 11:43:18
雰囲気…〇 ポケモンが空気になってない…◎
これは期待のアニポケカプ新スレ
ミーティングルームでフリードのポケモンゼミを受ける - 26二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 19:08:01
- 27セレビィ24/02/25(日) 20:49:02
数多くの感想とお褒めの言葉をありがとうございます!
お一人ずつお返事を返せないのは心苦しいですが、こうして見ていただけてとても嬉しいです
筆は遅いですが完走できるよう努力いたしますので、お付き合いいただけたら幸いです
◓お詫び◓
説明文で
「幼い頃にセレビィの時渡りで現在のリコと出会って恋をして、その初恋を抱えたまま大人になった世界」
「昔よりも広がってしまった年齢差に頭を抱えているがリコと仲良くなるために現在奮闘中」
このように書いたので最初はフリードだけダイスを振ってリコの好感度をどんどん上げていくスレにしようと思いました
しかしリコは一方的に好意を受けるだけの子ではなく、親切にしてくれた人やポケモンに何かお返しをする子という印象が自分の中にあったため、急遽リコにもダイスを振ってもらう形に変更になりました
そのためダイスによっては「フリードよりもリコがフリードと仲良くなるために奮闘している」流れになり、若干スレの詐欺?になってしまう可能性があります
大変申し訳ありませんが、予めご了承ください - 28セレビィ24/02/25(日) 21:56:30
◓リコ視点
「皆で食べたマードックが作ってくれたドーナッツ、美味しかったね」
「にゃう」「ミッ、ミーミ」「ぱぁご」
お皿を持ってフリードと一緒にキッチンへ行って、ボウルを洗っていたマードックにドーナッツのお礼を伝えたら凄くホッとした顔をして、フリードが「どうしたんだ」と聞いたらシンプルなドーナッツだから物足りなかったんじゃないか心配だったみたい。
そんなマードックに私とフリードは自分のポケモン達とノズパスにドーナッツを分けたことと、皆マードックのドーナッツが美味しくて笑顔になれたことを伝えました。張り切りすぎてほっぺは熱くなって声も裏返っちゃったけど、マードックに想いは伝わったみたいで「ありがとうな。今度のおやつはもっと工夫してみるから楽しみにしててくれ」と、マードックも笑顔になってくれました。
キッチンを出て操舵室で次の目的地の確認をするというフリードと別れて、数十分が経ったんだけど…
「フリードって、やっぱり凄いよね」
「ミィ!」
ドーナッツを分ける時にキャップとノズパスは私が持っていた茶色のドーナッツを指差して、ニャオハとテラパゴスはフリードの足元で桜色のドーナッツをおねだりして、ボールから出されたリザードンは悩んだ後に頭を低くして「茶色のドーナッツちょうだい」と言うように口を開けて、私が大きな口の中にドーナッツを入れたら嬉しそうに食べていた。
でもミブリムは減っていくドーナッツを見て遠慮したのかフードから出てドーナッツを選んで食べようとしなかった。無理に食べさせたくないけどミブリムだけ仲間外れにもしたくない私はどうしたら良いのか分からなくなって、ちょっと困ってしまった。
そんな私の肩を叩いて、ミブリムの目の前に一口サイズの桜色のドーナッツを差し出して「幸せのお裾分けだ。ミブリムが食べてくれたらリコも俺も嬉しい」と、ミブリムが気にしないように優しく声を掛けてドーナッツを食べさせてくれたフリードには、本当に毎日驚かされる。
(もっと目標の、フリードみたいなトレーナーになりたい。近付きたい。そのために……)
1:フリード! バトルの特訓相手になってください!
2:あのね、フリード。その、一緒にお出かけしたいんだけど……
3:私、フリードにポケモンについてもっと聞きたいな。
4:まずお礼にマフラーを編んでみよう!
dice1d4=3 (3)
- 29二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 22:56:15
うーん、真面目!
真っ当な行動で好感度上げていくの良いね - 30セレビィ24/02/26(月) 07:05:27
◓リコ視点
「フリードにポケモンについて聞いてみよう」
初めて見るポケモンでも、ポケモン図鑑を見ればそのポケモンについて知ることができる。フリードは親切心からスマホロトムにポケモン図鑑を入れてくれたし、私もロイもポケモン図鑑にはとてもお世話になっている。
でも、最初から登録されている内容を読む図鑑よりもフリードの説明を聞いた方がもっとそのポケモンについて興味が出て、もっと知りたいって気持ちが強くなってそれが結果的に自分の知識になるんじゃないかって、時々思ったりする。
(そうと決まれば早速……)
船での自室として宛がわれた部屋のベッドに腰掛けて、スマホロトムを操作してライジングボルテッカーズアプリを開く。
直接操舵室にいるフリードに会いに行ってお願いしようかと思ったけど、もしまだお仕事中で操舵室のドアを叩いて集中力を途切れさせてしまったら申し訳ないし、考えすぎかもしれないけど私の顔を見たらフリードも断り辛いかも。
それなら、顔が見えない分まだ断りやすそうな電話でフリードにポケモンについて教えてもらえないかお願いしてみよう――確かにそう決めたはずなのに、フリードに電話しようと画面に伸ばした人差し指が途中で止まった。
「やっぱり電話は止めて、もう少し時間が経ってから直接お願いしに行った方が良いかな? あっ、でも直接行くと急かしてるように思われちゃう? それなら電話の方が、」
「……にゃっ!」
「うわあぁぁぁ!?」
肩に乗っていたニャオハが往生際が悪くて優柔不断な私に痺れを切らして私の指をぷにぷにの肉球がある前足で押した。
頭の中で「どうしよう」を繰り返してわたわたする私を余所に、フリードに電話が掛かってコール音が鳴り響く。
2回目のコール音の途中で音が途切れて『もしもし。リコ?』とフリードの声が聞こえて、どきどきと煩い心臓を落ち着かせることができないまま電話に出た。
「ごめんね、フリード。お仕事中なのに電話しちゃって」
『いや、少し前に終わって寛いでたから大丈夫だ。ぐるみんに頼まれごとでもされたか?』
「えっ? ううん、違うけど……何で?」
『リコの叫び声が操舵室にまで響いてな。前にぐるみんのことで叫んでたから、てっきり今回もそうだと思ったんだ』
フリードの言葉の節々から笑いを堪えているのを感じ取って顔が熱くなる。 - 31セレビィ24/02/26(月) 07:12:33
◓リコ視点
もう1度「違うよ」と念押しして、フリードにポケモンについて教えてもらえないか聞いた。
『ポケモン図鑑が故障したのか?』
「図鑑は壊れてないよ。ただ私が、フリードに色々教えてほしいって思ったの」
『ん゛っ』「ミミッ!?」
「えっ、なになに、どうしたの!?」
フリードとミブリムが同時に大きな声を出して驚いた私はスマホロトムとミブリムを見る。ビデオ通話にしてないからフリードの様子は分からないけど、ミブリムは顔を真っ赤にしていた。
熱があるんじゃないかって心配になってミブリムに触ってみたけど熱はないから、ミブリムが船の誰かの恥ずかしい感情をキャッチして顔が赤くなってしまったんだと分かった。
(私と電話して照れると思えないし、多分フリードじゃないよね)
『いや、すまん。ちょっと邪……じゃない。喉が痛くなっただけだ。ポケモンについて知りたいんだな? OK、任せとけ。それで、どのポケモンが良い?』
「えっと……dice1d6=1 (1) でお願いします」
1:ミブリム
2:ソウブレイズ
3:ブラッキー
4:オーベム
5:オニゴーリ
6:キョジオーン
『分かった。準備をするから30分後にミーティングルームに来てくれ』
「ありがとう、フリード」
『ははっ、どういたしまして。じゃあな』
フリードとの通話を終えてベッドに横になる。私の心臓は期待からか、暫くどきどきと煩いままだった。
- 32二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 07:35:10
もう見た強敵たちのポケモンを徹底的に避けていくスタイル
- 33二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:07:29
リコもフリードもポケモンも可愛くていいね
更新がんばって - 34二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 10:31:27
リコ×フリードのダイス神様が高確率で敵を避けるのおもしろい
- 35二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 13:00:48
よく見たらセレビィがスレ進行してて草
- 36二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 17:08:21
このレスは削除されています
- 37セレビィ24/02/26(月) 20:36:28
◓リコ視点
ミブリムについて聞きたい内容を箇条書きで纏めて、髪や服装を整えているうちにあっという間に20分が経った。
(フリードは30分後にミーティングルームに来てくれって言ってたけど、待たせちゃ悪いしそろそろ出ようかな。フリードなら、少し早く来ても許してくれるよね)
何回か瞬きをして「おう、早いな」と言って太陽みたいに明るく笑うフリードを想像して顔が緩んだ。
姿見で全身を映して色んな角度から状態を見て問題がないことを確認してから、ベッドに乗って私の様子を見ていたニャオハ達を振り返る。
「私、これからミーテングルームに行くんだけど、ニャオハとミブリムとテラパゴスはどうしたい?」
「にゃっ」「ミッ」「ぱぁ……ご」
少しだけ屈んで皆と目線を合わせたらニャオハが左肩に乗ってミブリムが右肩から定位置のフードに滑り込んで、テラパゴスは大きく欠伸をした後にベッドの上でくるりと丸くなって、すうすうと寝息を立て始めた。
「……おやすみ、テラパゴス。起こさないように、そーっと出よっか」
人差し指を唇に当ててニャオハとミブリムに目配せして、私はドアを静かに開け閉めしてフリードが待つミーティングルームに向かった。
――カチャリ。
「おう、早いな」「ピーカ」
「ごめん、待たせちゃった?」
「いや。たった今準備が終わったところだからナイスタイミングだ」
「良かった」
想像した通り、何回か瞬きをして太陽みたいに明るく笑ったフリードに何だか嬉しくなって、でもちょっぴり照れ臭さもあって少しだけ顔を逸らして緩んで少しだけ熱いほっぺを人差し指で揉み解す。 - 38二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:42:35
甘酸っぺえ
ちょっとよくわかんないんですけどこれ以上仲良くなるんですか? - 39セレビィ24/02/26(月) 20:50:38
リコかフリードの好感度が「500」に到達したらエンディングです
現在リコのフリードへの好感度が「90」でフリードのリコへの好感度が「80」なので、もっともっと仲良くなります
リコもフリードもお互いの初期好感度がもっと高くても良かったなあと思ったのはナイショ
- 40二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 22:53:35
ポケモンについて聞く選択肢はフリード→リコの好感度だけじゃなくてリコ→フリードの好感度も上がりそう
自分の為に時間を割いてミブリムについて教えてくれるなんて優しいって思うもん - 41セレビィ24/02/27(火) 07:37:54
◓リコ視点
「テラパゴスは留守番か?」
「うん。何だか眠くなっちゃったみたいで……部屋で寝てるの」
「船内を一通り回って最後に操舵室に遊びに来てドーナッツを食べたからな。たくさん歩いて美味い物を食べて満たされたんだろう。それじゃあ、スクリーンが見えやすい好きな席に座ってくれ」
私はdice1d3=2 (2) に座ってスクリーンを見る。
肩に乗っていたニャオハは私の膝の上に移動して、興味があるのかフードの中にいたミブリムはテーブルの上にちょこんと座った。
1:フリードとキャップから離れたスクリーンを真っ直ぐ見られる席
2:立っているフリードに1番近い席
3:キャップに1番近い席
「さて、始めるとするか。ポケモンゼミの時間だぜ!」「ピピーカチュウ!」
(わ、ぁ…っ!)
「今日はおだやかポケモンのミブリムについて見ていこう。ミブリムは君が知っている通り、頭の突起で生物の気持ちを感じ取るポケモンだが……この突起は他にもできることがあるんだ。それが何だか分かるかい?」
スクリーンの中央にミブリムの姿が映し出されて、その下に「A:食事をとる B:攻撃をする C:伸び縮みする」と選択肢が出て、私はさっと目を通してから挙手をする。
「分かりました先生!」
「はい、リコさん。答えをどうぞ」
「答えはBの、攻撃をする、です!」
「正解です。よくできましたね」
ちょっとだけふざけてフリードを「先生」と呼んで敬語を使ったら、フリードも乗ってくれて顔が緩んだまま答えを言えば、フリードは目尻を下げて褒めてくれた。
- 42二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 09:09:28
フリード博士のポケモンゼミだー!(歓喜)
こういうポケモンの問題って考えるの難しいのに言い回しがフリードっぽくて素敵
あと他の人も言ってるけどポケモンが目立っててとてもいいと思います! - 43二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 14:08:49
フリードに一番近い席に座るリコちゃん可愛いね
リコちゃんと一緒にスクリーンを見るニャオハとミブリム可愛いね
リコちゃんに先生って呼ばれて先生っぽく振る舞うフリードさんノリよくて可愛いね
可愛いがゲシュタルト崩壊してるね
- 44二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:16:56
じわじわと距離感を縮めていく感じいいなあ
微笑ましい - 45セレビィ24/02/28(水) 00:57:52
◓リコ視点
そのまま少しの間じっとお互いの目を見て、私とフリードは小さく噴き出した。
膝の上にお行儀よく座っていたニャオハはくすくすと笑う私達に変な顔をしたけど、特に大きな反応をしないミブリムを見て悪い感情じゃないと分かってくれたみたいで、仕方ないなぁって感じに苦笑いした。
「くくっ……悪いリコ、先生と生徒ごっこは終わりで良いか? 先生ってガラじゃないのは俺が1番よく分かってるから、そう呼ばれると笑っちまう」
「ふふっ。うん、良いよ」
(珍しい「先生」なフリードを見れて私も楽しかったし)
私が頷いたらフリードはゴホン、と咳払いをしてスクリーンにキャップと映るミブリムに視線を移す。
「ミブリムの頭の突起は攻撃にも使われる。特にエスパータイプの技を使用する際は頭の突起を対象に向ける子が殆どだ。青い房のような部分を攻撃に使用するミブリムもたまに見るが、基本は物を持って運んだりと手として使っていて攻撃に使う子は僅かだな。だから、もし房を使った攻撃が増えてきたら進化の兆しかもしれない」
フリードの話を聞きながらスマホロトムにメモを取る。
ニャオハもミブリムもテラパゴスも力を貸してくれている六英雄達も私にとって大切な子で、本当なら自分で観察して皆のことを知ってあげたい。
でも私は最近になってパートナーのニャオハが育った場所を知ったくらいで、自分だけの力で皆について知るには時間も知識も足りなかった。自分だけで何とかしようと無理をして、そのせいでポケモン達や皆に迷惑を掛けたくなかったから、フリードに我儘を言ってミブリムについて教えてもらうことにした。
(フリードに頼んで正解だった)
山小屋でミブリムに出会った時にフリードが例えとして食堂夫婦の話をした時はミブリムが優しいポケモンだってことしか分からなかったけど、フリードのポケモンゼミは面白くて自然と知識が身に付いて引き込まれる。
「何かミブリムについて聞きたいことや相談事はあるか?」
ミブリムと私を見たフリードに、私は挙手をしてずっと気になっていたことを聞いてみることにした。
「えっと、ミブリムがいやしのはどうを覚えてくれたんだけど、モリー達の仕事のお手伝いでその技を使うと凄く疲れちゃうの。どうしてかな……?」
「ミィ……」 - 46二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 08:04:49
真面目だ
ポケモンの話しかしてないけど逆にそれがお互いの好感度上がってそう - 47セレビィ24/02/28(水) 11:47:12
◓リコ視点
「ご、ごめんね! ミブリムが悪いとかそんなんじゃないの!」
私の気持ちを感じ取ったのか、それとも私の言葉が原因なのか小さく鳴いて俯いちゃったミブリムに慌てて手を横に振る。そんな私とミブリムを見て「なるほどな」と呟いてフリードは顎に手をやった。
「それは技をコントロールしきれてないからだろうな。例えばキャップ……ピカチュウの進化前にピチューというポケモンがいるんだが、電気を溜めておくのが苦手で驚いたり怒ったり、感情の変化ですぐに放電して時には自分の電気で痺れちまうんだ。これはピチューがまだ小さく、体内の電気に順応できていないからだ」
フリードが自分のほっぺを指で叩いて話を続ける。
「だが、ポケモンも人と同じで失敗をバネに成長する。どこまでなら電気を溜めて留めておけるのか、どのくらい電気を出したら痺れてしまうのか、加減を覚えて技をコントロールできるようになっていくんだ。今はピチューのような小さなポケモンを例にしたが、大きいポケモンでも初めて覚えた技を使おうとしてコントロールできずに失敗するなんてのはよくある話なんだ」
「大きいポケモンでも……?」
「ああ。これは俺の憶測だが、ミブリムは皆の気持ちが分かるからラッキー以上に皆に元気になってほしいという気持ちが強い。だから少しでも早く癒そうと、無理をして最大パワーでいやしのはどうを使うから疲れちゃうんじゃないか?」
「そうなの? ミブリム」
フリードの話を最後まで聞いてミブリムに視線を合わせると、ミブリムは落ち込んだ様子で皆の顔を見てから小さく頷いた。
「ミブリム。俺達のために一生懸命頑張ってくれてサンキューな。ただ、うちには優秀な船医とラッキーもいる。焦ることも、1人で抱え込むこともないんだ」
「うん。私にはラッキーやミブリムみたいな癒しの力も、モリーのような専門的な知識もないけど……でも、ミブリムとモリー達の負担を軽くするお手伝いはできるよ」
フリードと一緒に落ち込んでるミブリムに努めて優しく語り掛ける。ゆっくり顔を上げたミブリムに私達が手を伸ばしたのは同時だった。
「最初から上手くできなくて良いよ。大事なのは最初の1歩を踏み出す勇気だから」
「それでも不安な気持ちになったら遠慮なく言ってくれ。この船には頼りになる仲間がいっぱいいるからな」
「……ふにゃお」 - 48セレビィ24/02/28(水) 11:49:44
◓リコ視点
少しでもミブリムの暗い気持ちがどこかに飛んで行ってほしい――そんな想いを込めて私がフリードと一緒にミブリムの体を撫でていたら、静かに私達の会話を聞いていたニャオハがテーブルに飛び乗ってミブリムのほっぺを舐めた。
ニャオハもミブリムのことを心配してくれていたことが分かって、嬉しい気持ちとポケモンが大好きな気持ちがぶわっと胸いっぱいに広がる。
私達の気持ちが伝わってくれたのか、暗かったミブリムの顔が明るくなっていって、笑顔が戻った。
(ミブリム、元気になってくれたみたい……良かった!)
「よし! 他に聞きたいことはあるか? 今日は特別に何でも答えるぞ」
「あっ、じゃあ、気になってたことがあるんだけど――――」
ミブリムが元気になって嬉しくなった私は、その後もフリードにたくさん質問をした。
パートナーと理想の絆で結ばれた目標とする人から多くのことを学んで満たされた私は、幸せな気持ちでフリードのポケモンゼミをニャオハとミブリムと同じように、笑顔で終えたのでした。
リコ視点終わり◓
※>>40の人の意見に「なるほど!」と思ったのでリコからフリードへの好感度も上がります
フリードのリコへの好感度:80 + dice1d100=27 (27)
リコのフリードへの好感度:90 + dice1d100=97 (97)
- 49セレビィ24/02/28(水) 12:00:08
- 50セレビィ24/02/28(水) 12:50:44
- 51二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 13:04:35
- 52二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 16:39:22
一緒にポケモンウォッシュ
- 53二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:03:15
「肩叩き券」ならぬ「何でもします券」
- 54二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:09:21
手作りのミサンガをあげる
- 55セレビィ24/02/28(水) 22:16:07
◓リコ視点
「フリードが貰ったら喜ぶ物って、何だと思う?」
「いや、どうして本人じゃなくてボクに聞くんだよ……」
部屋のドアをノックして「相談したいことがあるの」と言った私を部屋に招き入れてくれた友達――ドットはベッドに腰掛けた私の言葉に溜息を吐きながら言った。
ドットの疑問は尤もだけど、本人に直接聞かないのは理由があった。
「だってフリードに聞いたら、お礼ならいらないぞ、リコの気持ちだけで充分だ……って言いそうだし」
「確かに言いそうだな。あっちも見返りを求めてやってないんだろうし、気にしなくて良いんじゃないか?」
「それはそう、なんだけど。いつもフリードにいっぱい貰ってばかりだから少しでも恩返ししたくて」
「いっぱいって……何かプレゼントでもされたのか?」
「えっと、物に限った話じゃなくて困った時や辛い時に安心と優しさをくれるというか」
言いながらフリードを「まるで物語のヒーローみたいだ」と思った私は、あることに気付く。
それを自覚した途端に、顔はどんどん熱くなって汗まで滲んできた。
(前に自分を「物語のヒロインですか!?」なんて思ったのに、今度はフリードをヒーローだと思うなんて! それだとまるで、フリードが私の……って、だめだめ! 勝手にそんな妄想したらフリードに失礼だよね。フリードにだって選ぶ権利はあるし、私なんかより大人の女の人がお似合いだよ)
フリードの隣に立つ女の人のシルエットを想像したら顔の熱は治まったけど、少しだけ嫌だなって思った。
自分のことなのに何でそう思ったのか分からなくて、何も言えなくなった私の頭をドットが軽く小突く。
「ボクにウザ絡みした時みたいに相手が喜ぶ喜ばないとか考えずに、リコがしたいことをすれば良いだろ」
「えっ!? う、うざっ……!?」
「……何ショック受けてるんだよ。その結果が今のボク達に繋がってるんだから結果オーライだろ」
「~~~っ! ありがとうドット! 私、フリードにしたいことやフリードと一緒にやりたいことをそのまま本人にぶつけてみるね!」
モヤモヤを一瞬で吹き飛ばしてくれた友達に抱き着きたい衝動を抑えて、私はドットにお礼を言って部屋を飛び出した。 - 56セレビィ24/02/28(水) 22:17:19
◓リコ視点
(私にフリードにしたいこと。それか、フリードと一緒にやりたいことは……)
1:お礼にマフラーを編みたい!
2:フリードと一緒にポケモンウォッシュしてもっと仲良くなりたいな。
3:色々ありすぎて迷っちゃう……「肩叩き券」じゃ子供っぽいし「何でもします券」を渡してみようかな?
4:おばあちゃんの時も上手に作れたし、ミサンガを作ってフリードにあげよう!
dice1d4=2 (2)
- 57二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:30:49
フリリコ安価ダイススレなのに他キャラにも出番があってやりとりがあるの有難すぎる
リコとドットの可愛い会話ありがとうございます! - 58二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:32:55
リコがちゃんとポケモンのことも大切にしてるの解釈一致
ダイスの女神様と握手して語り合いたい - 59二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 23:16:04
このレスは削除されています
- 60セレビィ24/02/28(水) 23:16:37
ポケモンウォッシュはdice1d2=2 (2) 行います
1:リコ&フリードとニャオハ達で小規模に
2:ブレイブアサギ号のメンバー全員で大規模に
- 61二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 07:32:27
二人っきりじゃないけど全員が登場してポケモンと絡む描写があることにとても喜んでる自分がいる
- 62二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 13:00:14
どっちの好感度が先に500に達するんだろ
展開が読めなくてわくわくするな・・・ - 63二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 21:47:25
みんなでってところがリコっぽいな
閲覧注意ついてるのに閲覧注意が必要な展開がないな…? - 64セレビィ24/02/29(木) 22:21:23
◓リコ視点
(フリードと一緒にポケモンウォッシュしてもっと仲良くなりたいな。あ、でもブレイブアサギ号の皆でやったら凄く楽しそう!)
リザードンとキャップの体を泡の付いたスポンジで慎重に洗うフリードの隣で、ニャオハとミブリムとテラパゴスの泡をシャワーで流す自分を想像する。2人でのんびりポケモン達を洗いながら話す時間はきっと素敵。でも皆でわいわい賑やかにポケモン達を洗うのはもっと楽しくて素敵な時間になると思った。
ポケモンゼミの時みたいに、部屋に戻ったらスマホロトムでフリードに連絡して相談してみよう――そう思ったのに、部屋に向かいかけた足が止まる。
「……操舵室に行って直接フリードにお願いしてみようかな。ゼミの時とは違って、今度は皆でやりたいことを相談するんだからスマホロトムで用件を言って済ませるのは良くないよ。ニャオハとミブリムもゼミが終わって部屋に戻ったらテラパゴスと一緒に寝ちゃったし、電話の音や話し声で起こしちゃうのは可哀想だよね」
何だか言い訳みたいになっちゃったけど、全部私の本心だった。
だから、空の色が青色から橙色に変わった時間のフリードは普段何をしているのか気になったとか、操舵室にいるフリードに会いに行く口実が欲しかったとか、絶対そんなんじゃない。
操舵室の前まで来ると心臓がどきどきどきと大きく脈打つ。
ごくりと唾を飲み込んで目の前のドアを3回ノックしたら、それほど待たずに「開いてるぞー」と少し間延びした声が聞こえてきて、私は深呼吸して操舵室のドアを開いた。
大きな窓から見える空と夕日がとても綺麗だからか、肩にキャップを乗せて夕日をバックに私を振り返ったフリードの雰囲気はいつもと違っていた。
私を見て目尻をとろりと下げて微笑んだフリードは、今まで見たことのない「大人の男の人」の顔をしていた。
「あ……」
ゴツ、ゴツ、ゴツ。
コンバットブーツの靴音を響かせながら、フリードが近付いてくる。
フリードはフリードなのに、どうして自分の心臓がこんなに煩く鳴って顔と手に汗をかいているのか分からなかった。 - 65二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 07:49:17
フリードへの好感度が上がってて、もうリコちゃん完璧にフリード意識しちゃってるじゃん
- 66二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 11:57:42
健全な雰囲気を一気にひっくり返すのが安価&ダイススレの恐ろしさだからな
油断したところで急にガラッと変わるかもしれない
でもこのほんわかした雰囲気は好きだからスレ主が苦手な安価が来てもスルーしていいと思う
- 67二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:22:03
フリードさんを意識し始めてきたリコちゃんかわいい
- 68二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 09:39:07
「フリードはフリードなのに」のところ意識しはじめたんだなっていうのがわかりやすくていい
- 69二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 14:21:36
これは間違いなく大作の予感
- 70セレビィ24/03/03(日) 01:18:08
◓リコ視点
悪いことをしたわけでも、後ろめたいことがあるわけでもない。
でも、何故か分からないけど……今だけは私の目を見つめて近付いてくるフリードから目を逸らしたい。
頭ではそう願っているのに、首を動かして顔を逸らすことも目を瞑ることもできなくて、綺麗な金色の目をじっと見つめることしかできなかった。
そうこうしているうちに目の前までやって来たフリードは、私の顔を至近距離で覗き込むと歯を見せて笑った。
「ふはっ。やっぱりリコだったか」
「やっぱりってどういうこと?」と聞く余裕もなくて、へなへなとその場に尻もちをついた私にフリードはぎょっとして、私に合わせるようにしゃがみこんだ。
「どっ、どうした? 大丈夫か?」
「……大丈夫、何でもないよ」
(雰囲気が違うフリードにどきどきして、いつも通りの笑顔を見て安心したら腰が抜けちゃいました、なんて本人に言えないよ!)
えへへと笑って誤魔化す私の心の声はフリードには聞こえない。
それでも全然動かない私に、動くことができないんだと察してしまったみたいで、フリードは顎に手を当てて唸った後に頭を下げた。
「悪い、リコ」
「え、なに――」
フリードは肩にいるキャップに目配せする。
キャップが軽やかな音を立てて床に着地したのを確認すると、フリードは私に手を伸ばして私をdice1d3=1 (1)
1:おんぶした
2:お姫様抱っこした
3:抱き締めた
- 71セレビィ24/03/03(日) 10:59:17
◓リコ視点
(なんで? なんで! なんで!?)
突然の温もりにとても動揺してしまって意味もなく手をあわあわと動かす私に「手を離したら危ないぞ。俺の肩に手を置くか、首にでも抱き着いてくれ」と、フリードがやんわりと注意する。
いくらフリードでも男の人の首に抱き着くなんて大胆で恥ずかしいことはできなくて、少し迷ってがっしりして逞しいフリードの両肩に手を置いた。
フリードはぴくりと小さく肩を震わせてから、長い溜め息を吐いた。
「……駄目だな、俺は」
「え?」
「多分、俺がリコを怖がらせるようなことをしちゃったんだろ? それで俺を見て腰を抜かして……原因が分からないのに謝るのは不誠実だが、どうか謝らせてくれ。本当に……すまなかった」
首だけを動かして振り返ったフリードは私の手首の怪我を気にしていたニャオハと同じで、とても落ち込んだ顔をしていた。頭を深々と下げるフリードに対して、私は今のこの状況を理解するのに時間が掛かってしまっていて、何も反応できなかった。
「怖い俺におんぶされるのは嫌だろうが、部屋まで送り届けるまで我慢してもらえると助かる」
悲しそうに笑って私を背負い直して操舵室のドアへと体を向けたフリードに、ぽけっとしていた私は我に返って全力で首を横に振る。あまりにも酷い誤解だった。
「ち、違うの! フリードが謝る必要なんか全然ないし、私はフリードのこと怖くないよ! フリードがいる操舵室に望んで来たのは私だし、私がっ……! 私が1人で勝手にフリードにどきどきして、フリードの笑顔に安心して腰を抜かしただけなの!」
声に出すと自分の情けなさに恥ずかしくなるけど、それでもフリードが私に悪いことをしたって誤解して、自分自身を責めてしまうことに比べたらずっとマシだ。ドアに向かって歩こうとしたフリードは突然大きな声を出した私に驚いたのか、大きく体を震わせて止まった。
「どきどきして、安心した?」
「は、はい。フリードに、どきどきも、安心も……しちゃいまし、た」
「そうか…………そうかぁ」
振り返って私の目を見つめて聞き返すフリードに緊張して途切れ途切れに白状すれば、フリードは噛み締めるように言葉を繰り返して――ふわりと笑った。夕日のせいかフリードのほっぺと耳が赤く染まって見えて、なんだか落ち着かなくて恥ずかしくなってしまう。 - 72二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 11:25:14
>ほっぺと耳が赤く染まって見えて
本当か?本当に夕日のせいか?
公式で心配性と言われたマードックに「俺より心配性になってきた」って言われた男は反応が違えな
- 73二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 11:57:05
好感度上昇ダイスをまだ振ってないのに甘酸っぺぇやりとりを見せられて顔がにやけた
いやー、ご馳走さまです - 74二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:01:11
- 75二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 09:59:17
健全路線も不健全路線も大歓迎だから現状の健全路線も楽しいが果たして今後不健全展開になることはあるのか
それはダイス神のみぞ知る - 76二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 11:13:28
このレスは削除されています
- 77セレビィ24/03/04(月) 11:34:23
◓リコ視点
(フリードにおんぶしてもらってるから恥ずかしいんだ。うん、きっとそうだよ)
「あの、フリード。私なら平気だからそろそろ、」
「リコが平気でも体はそうじゃないかもしれないだろ? 念のためにベッドで横になって安静にしていた方が良い。リコを部屋まで送ってくるからここは任せたぜ、キャップ」
「そろそろ降ろしてほしい」と言うより先に、真剣な顔をしたフリードが私を抱える腕に力を込めた。他の人に触られたことのない場所を触られているせいか、フリードの指の一本一本の動きと熱を意識してしまって、顔からかえんほうしゃが出てしまいそう。
そんな私とは裏腹に至って普通のフリードを恨めしく思いながら操舵室を見渡す。
ノズパスは私が操舵室に入って来た時からずっと窓の方を見たままで全然こっちを見ないし、椅子の背凭れに器用に立つキャップは「諦めろ」と言いたげな顔で私を見て、そっと首を横に振った。
味方がいないことを悟った私は、操舵室のドアを開けて廊下に出たフリードを見ながら「せめて誰にも会いませんように」と、強く祈った。
祈りが届いたのか、私をおんぶしたフリードは誰にも会わずに私の部屋の前まで来た。
律儀に「開けても良いか?」と小声で確認してくれたフリードに頷けば、フリードは部屋の中で眠っているニャオハ達をびっくりさせないためか、静かにドアを開けた。
「にゃ」「ミッ」
それでも物音に敏感なニャオハと気持ちを感じ取れるミブリムにはバレバレだったみたいで、2人はベッドに座って部屋に入ってきた私達をお出迎えしてくれた。テラパゴスはすうすうと眠っている。
「ただいま、皆」
「寛いでいたところ悪いが、リコをベッドに寝かせてあげたいから少し退いてくれないか?」
ニャオハとミブリムがベッドから降りて、今も夢の中のテラパゴスをミブリムがねんりきで部屋の椅子に移動させたのを見て、フリードは私を優しくベッドに寝かせて毛布を掛けてくれた。毛布に潜り込んで私に寄り添ってくれるニャオハの体温に安心して、大きく深呼吸する。
(こうして迷惑を掛けるなら、やっぱり部屋から電話した方が良かったかも)
フリードへの申し訳なさと恥ずかしさで目に涙が溜まって顔も耳も赤くなる。
驚いた顔でベッドに寝た私を見下ろすフリードにますます恥ずかしくなって、思わず目を瞑った私の耳に誰かが生唾を飲み込む音が聞こえた。 - 78二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 17:19:50
据え膳
- 79二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 01:12:56
リコが狙ってやってるわけじゃないのが余計に刺さる…
どうするフリード - 80二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 08:26:13
初恋で現在も好きな人がベッドの上で無防備に横になってるというこの状況でもフリードなら我慢できると信じてる
- 81二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 13:19:40
順調に健全にお互いの好感度を高め合っているフリとリコ
それなのになんだろうこのえっっっな雰囲気 - 82セレビィ24/03/05(火) 22:41:13
◓リコ視点
「今、モリーを呼んでくる。後はモリーが診てくれるから安心してくれ」
続けて聞こえた少し上擦った声に驚いて目を開けると、部屋を出るためかフリードが私に背中を向けてベッドから離れようとしていた。思わず手を伸ばしてフリードのジャケットの裾を掴んでしまった。
「リコ?」
「あ、えっと……その、ごめんね。私、重かったでしょ?」
衝動的に動いてジャケットの裾を掴んでしまったから、引き留めた理由を話すことができない。話題に困った私は、フリードにおんぶしてもらった時からずっと気にしていたことを謝る。
フリードは皆を安心させるいつもの笑顔を浮かべて緩く首を横に振った。
「いや。リコを軽々抱えて走れるような大人になろうってガキの頃から体を鍛えてきたから、全然重くなかったぞ。むしろ軽すぎて心配になったよ」
「もう。大袈裟だよ」
軽すぎるっていう感想もだけど、私のために子供の頃から鍛えてきたみたいな言い方をするフリードに苦笑する。フリードは俯いて何かを呟いたけど、フリードらしくない小さな声だったから内容までは聞き取れなかった。
でも、いつもの笑顔が消えてなんだかフリードが拗ねたような、悲しんでいるような複雑な顔をしたから。
ジャケットの裾を掴んでいた手を離して、フリードの右手を握る。
「でも……嬉しい。ありがとう、フリード」
「――――おう!」
自分に今できる1番の笑顔でお礼を言ったら、俯いて影ができて少し暗くなっていたフリードの金色の瞳がきらりと光り輝いて、手を握り返されて眩しいほどの笑顔を向けられた。
フリードがとても嬉しそうに笑って、それにつられるようにミブリムが飛び跳ねるから私も嬉しくなる。手も心もぽかぽかと温かくなって、その心地良さにもう少しこの時間が続けば良いのにって、わがままなことを考えてしまう。
「そういえば……聞いてなかったよな、操舵室に来た理由。俺に会いたかったからだったら嬉しいが、微妙に違うんだろ?」
フリードの言葉に音を立てて固まる。今日だけでドーナッツを分けて貰って個別にポケモンゼミを開いてもらった上に、おんぶまでしてもらった。
あまりにも至れり尽くせりで腰を抜かすまでフリードに言おうとした無茶なお願いは、今日は言わない方が良いと思ってそのままなあなあにしようとしたのに。 - 83二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:15:16
>俺に会いたいからだったら嬉しいが
ナチュラルに口説いてるな
この調子でアピールしてたのに気づかれてないとしたらリコちゃんとくせいどんかんもしくはてんねんすぎる…
- 84セレビィ24/03/06(水) 10:52:02
◓リコ視点
「ミブリムにも言ったが遠慮なく言ってほしい。お願いだ」
でも、フリードがずるいくらい優しい目と声でお願いするから、フリードが弱点な私はあっさり口を開いて「お願い」を声に出した。
「じゃあ、わがまま、言っても良い?」
「ああ、勿論だ」
「ブレイブアサギ号に乗っている皆でポケモンウォッシュをしたい、です」
「ポケモンウォッシュ……パルデア発祥でピクニックの時にポケモンの体を洗って仲を深めるやつだったよな」
「うん。新しい仲間も増えて賑やかになったけど、まだあまり交流したことがない子もいるから、この機会に少しでも仲良くなれたら良いなと思って。小さな子も大きな子もいるから、1日とか1回でポケモン達全員と仲良くなるのは難しいかもしれないけど、皆でやってみたいな」
話し始めてから話し終わるまでフリードはずっと目をぱちぱちしていて、気まずくなった私はフリードと握っていた手を離そうとした。
「ごめん、やっぱり良「全然我儘なんかじゃないじゃないか」……えっ? あ、あの」
「皆がもっと仲良くなれることをしたい。リーダーとして、リコがそう思ってくれたことが何よりも嬉しい。だから、リコの願いは我儘でも迷惑でもないんだ」
離そうとした手をフリードの大きな両手が包み込む。
フリードの言葉と手の熱さに不安な気持ちを溶かされた私は、空いていたもう片方の手でフリードの手の甲を撫でながら、今日何度目か分からないお礼を言った。
その後、フリードが部屋を出てモリーが触診と腰に湿布を貼りに来てくれて、モリーが帰った後にロイとドットが心配して様子を見に来てくれた。
フリードが元気いっぱいに「1週間後にブレイブアサギ号のメンバー全員でポケモンウォッシュをするぞ!」と船内放送をしたのは、2人が来てすぐのことでした。
そして、1週間後。
ブレイブアサギ号は海がよく見える浜辺に停泊していました。
- 85セレビィ24/03/06(水) 11:11:18
◓リコ視点
「リコの調子も大分良くなったし、今日は快晴だ! 予定通り皆でポケモンウォッシュをするぞ!」
「おっ、お待たせしました!」
フリードの隣に立って皆に頭を下げたら口々に「お~!」「良かった」と言ってくれて、皆の優しさにほっぺがほんのり赤くなる。
「それじゃあ、早速始めるか」
「ちょい待ち。泡とか水が嫌いなアローラベトベトンとマグマッグとトロッゴンは無理強いできないから数えないとしてさ、誰がどのポケモンを洗うの? じゃんけんで決める?」
「いつもならじゃんけんをするが、今回はこれで決めるぞ!」
オリオの質問にフリードが取り出したのは、神社とかでよく見る6角形の細長い筒だった。
「……くじ?」
「オリオが今言ったポケモン達以外の自分のパートナー達と船のポケモン達、テラパゴスと六英雄達の名前が書かれた26本のくじがこの筒の中に入っている。皆にはくじを2本引いて、そこに書かれているポケモン達を洗ってほしい。誰がどの子を洗うかは俺にも分からない」
「おー! 何だか楽しそう!」「ホンゲ!」
「くじで決めるのは構わないよ。ただ、私達は8人しかいないからどうしても選ばれない子は出てくるよね。その子達はどうする? まさか仲間外れなんてことはしないよね」
少しだけ声を低くして腕を組んだモリーに目を丸くする私とロイに対して、フリードは笑顔で頷いた。
「当然だ。仲間を仲間外れにするなんて笑い話にもならないからな。今日くじで選ばれなかった子は、明日時間を掛けて洗ってあげたいと思ってる」
「そう。なら私からは特にないよ。異論なし」
「よし! じゃあ皆、くじを引いてくれ」
そう言ってフリードは最初に私にくじの筒を差し出した。 - 86セレビィ24/03/06(水) 11:32:57
◓くじの流れについて◓
ダイスを振って誰がどのポケモンを洗うかを決めます。複数の人で同じ数字が出た場合は、番号が若い人が優先されます。
【例:「1番目」にくじを引いたリコと「2番目」にくじを引いたロイが「1」のニャオハを引いたら「1番目」にくじを引いたリコがニャオハを洗います。ロイは振り直しをします】
1番目:リコ …1匹目:dice1d12=6 (6) 2匹目:dice1d14=11 (11)
2番目:ロイ …1匹目:dice1d12=10 (10) 2匹目:dice1d14=14 (14)
3番目:ドット …1匹目:dice1d12=11 (11) 2匹目:dice1d14=11 (11)
4番目:オリオ …1匹目:dice1d12=10 (10) 2匹目:dice1d14=9 (9)
5番目:マードック …1匹目:dice1d12=12 (12) 2匹目:dice1d14=14 (14)
6番目:モリー …1匹目:dice1d12=11 (11) 2匹目:dice1d14=14 (14)
7番目:ランドウ …1匹目:dice1d12=6 (6) 2匹目:dice1d14=12 (12)
8番目:フリード …1匹目:dice1d12=3 (3) 2匹目:dice1d14=2 (2)
※くじの中身です。誰がどのポケモンを洗うか予想したい方は見ない方が良いかもしれません。
Write an article | Write a story | Write a blog | Publishing tool | BlankaryBlankary is a minimalist publishing tool. Write and publish with one click.blankary.com - 87セレビィ24/03/06(水) 11:50:21
1番目:ドット …2匹目:dice1d9=8 (8)
2番目:オリオ …1匹目:dice1d7=4 (4)
3番目:マードック …2匹目:dice1d9=7 (7)
4番目:モリー …1匹目:dice1d7=3 (3) 2匹目:dice1d9=8 (8)
5番目:ランドウ …1匹目:dice1d7=5 (5)
※残りのくじの中身です。誰がどのポケモンを洗うか(以下略
Write an article | Write a story | Write a blog | Publishing tool | BlankaryBlankary is a minimalist publishing tool. Write and publish with one click.blankary.com - 88セレビィ24/03/06(水) 12:00:03
長くなりましたが、モリーがくじを引いたら本文を再開します。
1番目:モリー…2匹目:dice1d7=7 (7)
※残りのくじの中身です。
Write an article | Write a story | Write a blog | Publishing tool | BlankaryBlankary is a minimalist publishing tool. Write and publish with one click.blankary.com - 89二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 13:17:58
時渡りしてリコに出会ったフリードがリコを抱えて走れるようになりたいと思った切っ掛けが今後明らかになる…ってこと!?
- 90二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 21:54:20
ドキドキしてます
続き待ってます - 91二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 09:08:20
皆で仲良くポケモンウォッシュするのか
楽しみだ - 92二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 18:07:56
とても可愛いフリリコスレだな・・・支援
- 93二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 00:26:00
良いスレだ
- 94二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 11:32:21
最後だと不利なのに誰ともくじが被らずに一発で決めるフリードは流石だな
- 95セレビィ24/03/08(金) 23:04:20
まさか新たなポケモンが追加されるとは思わず、くじに名前を書かなかったため結果的に仲間外れになってしまいました……ごめんなさい。
密かに推しポケモンだったので登場して嬉しい反面、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
そして更に申し訳ありませんが更新が遅れます。もう暫くお待ちください。 - 96二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 08:22:11
フリリコ供給が最近少なくて飢えそうだったからこういうスレは本当にありがたい
- 97二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 18:28:15
恋は盲目にならず、ポケモン想いなの好感持てるし応援したい二人だ
- 98二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 01:07:59
楽しみだな
- 99二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 10:19:19
リコがフリードを意識し始めた時点で勝ったな風呂に入ってくるってなったよ俺
- 100二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 21:14:44
あれ・・・くじが見れなくなってる?
- 101二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 08:12:53
楽しみにしてます
- 102二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 18:06:15
期待のスレだから保守しとくわ
- 103二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 19:58:46
このレスは削除されています
- 104二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 07:20:41
今まで見てきたフリリコとは違う面白さがある
- 105セレビィ24/03/12(火) 07:35:54
レスと保守でスレを延命してくれた皆様、ありがとうございます。
かなり遅くなりましたが、ようやく本日夜の9時あたりに続きをアップできそうです。
サーバーの影響なのか、くじの結果が見れなくなっていますが幸い見なくても問題ない内容となっておりますのでご安心ください。 - 106二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 14:57:38
誰がどのポケモン担当か分からないからワクワクしてる
- 107セレビィ24/03/12(火) 21:43:38
◓リコ視点
「ふふ。よろしくね」
「カヌ!」「「「「カッ」」」」
屈んでポケモン達と目を合わせればカヌチャンは笑顔でハンマーを高らかに上げて、イッカネズミは歯を見せて返事をしてくれた。
凄く元気な子達だから私も泡だらけになることを覚悟して、メリープのスポンジ片手に気合を入れる。
「よぉーし! ヌオーもラプラスも、ぴっかぴかにするからね!」
「ぬ~おっ」「……くぅ」
ロイはヌオーの背中とラプラスの長い首を撫でて太陽みたいに明るい笑顔で話し掛けている。
ヌオーは手を叩いて喜んで、多分ポケモンウォッシュが初めてのラプラスも周りの皆の様子を見て悪いことをされないって安心したのか、落ち着いていた。
「上手くできるか、正直やってみないと分からない、けど……よろしく」
「グォウ」「ヤチャッ、チャチャチャ」
ドットはリザードンとふわふわ浮いているヤバチャを見上げた。
リザードンは私やロイよりもドットとの付き合いが長いからか、目を細めて大きく頷いている。ヤバチャは楽しそうに周りを……というか、フリードをずっと見ている。
ヤバチャは自分のお茶を飲んだ時のフリードの反応が好きみたいだし、もしかしたらフリードに悪戯する機会を窺っているのかも。
「今日は機械や部品じゃなくて君達を磨いちゃうから、そこんとこよっろしくー!」
「クッワッス」「スススススッ。ポッ」
からりと笑って片手を上げるオリオに目を閉じて手を上げるクワッスは今日も可愛くてクールです。
ポットデスはオリオとクワッスの真似をして手を上げた後にドヤ顔でツボツボを見たけど、ツボツボはユキワラシとお話をしてるみたいで、ポットデスに全然気付いていないみたい。 - 108二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 21:50:29
すでにみんなかわいい
- 109セレビィ24/03/12(火) 22:01:56
◓リコ視点
「終わったら美味いポケモンフーズを用意するからな~」
「ピカ」「ビビビッ!」
両膝に手を当ててキャップとエレキッドを見るマードックの背中に、オリオが「2人は繊細なんだからちゃんと洗ってあげてよね」と一言。
マードックが「分かってるよ」と眉を少しだけムッと寄せたから焦ったけど、すぐに笑顔でキャップとエレキッドに内緒話をしてたから喧嘩にならなくてホッと一安心。
「もし、洗ってる途中で痛い所や違和感がある所があったら教えて。すぐ診てあげる」
「カー!」
小さな翼を大きく広げて元気いっぱいに返事をしたカイデンとは対照的にガラルファイヤーは静かにモリーを見下ろしている。
初めてガラルファイヤーを見た時に、その迫力に圧倒された私と違って動じず目も逸らさないモリーは流石です!
「ふむ。この様な好機は滅多にない。故にこうき、こうきん……抗菌をしっかりせぬといかんのう」
「メタ?」「シュー……?」
メタグロスとオリーヴァは不思議そうな顔をして、髭を手で撫でているランドウのおじいちゃんを見ている。
うーん、ちょっと私にもランドウのおじいちゃんの言葉の意味は分からないかな。
「ポケモンウォッシュの相棒はホゲータとマホイップか。よろしくな!」
「ホンゲ~」「マッホ♡」
ホゲータとマホイップを片手で軽々と抱き上げて拳を突き出すフリードに、笑顔で手を伸ばしてフリードの拳にタッチするホゲータとマホイップ。
そんな2人に歯を見せて凄く嬉しそうに笑っているフリードは、何だか可愛いです。 - 110二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 09:27:35
ほしゅ
- 111二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 20:01:57
笑ってるフリード(成人男性)をかわいいっていうのは、もう恋に足を突っ込んでませんか
- 112セレビィ24/03/13(水) 21:37:46
◓リコ視点
そんなわけで、くじを引き終わった私達はそれぞれポケモン達とご挨拶をしていたんですが――
「に゛ゃ~」「ミィ?ミミ?」「ぱーご?」
(うっ……視線が痛いし心も痛い)
イワンコとラッキー、ヨルノズクとノズパスとツボツボ、ユキワラシとパモは特に気にしてなさそうだけど、ニャオハは拗ねた声を出しながらジト目で私達を見ている。
ミブリムは皆の嬉しくて楽しい気持ちと隣にいるニャオハの気持ちを同時にキャッチしてオロオロ。
テラパゴスは不機嫌なニャオハとオロオロしてるミブリムに首を傾げてから皆を見て、また首を傾げてを繰り返していた。
(ニャオハもミブリムもテラパゴスも選ばれないなんて凄い確率。でも、これに関してはくじの結果だから仕方ないし、折角フリードが手作りのくじを用意してくれたのに選ばれなかった子達が可哀想だから、くじは無かったことにして皆を洗ってあげようとは言い辛いし)
カヌチャンとイッカネズミが入っても余裕がある大きさのポケモン用のバスタブにお湯を張って、うんうん悩む私の視界の端でフリードが立ち上がった。フリードは一か所に集まって皆を見ているくじで選ばれなかった子達に横から近付いて、ゆっくりした動きで隣に座ったと思ったら、腕を広げてその子達を纏めて抱き寄せた。
フリードの胸に抱き寄せられたニャオハとミブリムとテラパゴスの表情は見えないけれど、多分私と同じかそれ以上にびっくりしてると思う。
「ごめんな。くじを作った俺が言うのもなんだが、あまり気を落とさないでくれ。今日は難しいが、明日は俺が責任取って気持ち良くしてやるから。な?」
ポケモン達を撫でるフリードの手つきと声は眠れない子に絵本を読んであげるお母さんみたいに優しくて、不機嫌だったニャオハを含めたポケモン達の表情が少しずつ穏やかになっていく。
(フリードって、あんな声も出すんだ)
ポケモン達と笑い合っているフリードに釘付けだった私の肩に誰かが手を置いた。
驚いて振り返ったらオリオとモリーが後ろに立っていて、瞬きが多くなる私に「突然ごめんね」とモリーが謝って、オリオがフリードを見ながら口を開く。
「あいつって本当に人たらしでポケモンたらしだよね」
「えっ……あ、うん。そうだね」
「本人は否定するだろうけど育て屋とか天職なんじゃない?」 - 113セレビィ24/03/13(水) 21:50:21
◓リコ視点
腰に手を当てたモリーの言葉に育て屋さんをしているフリードを想像する。
(毎日たくさんのポケモン達のお世話をして時々失敗しちゃうことがあっても、フリードならポケモンにも人にも信頼されて皆に愛される育て屋さんになるんだろうなぁ。でも1人じゃ絶対大変だから、万が一フリードが育て屋さんを始めたらお手伝いしてあげたいかも)
目と目を合わせて会話をしているオリオとモリーは顔が緩んでいる私に気付いていないみたいで、オリオは「うーん」と唸ってからフリードをちらりと見た。
「どうかな? フリードはバトルが好きだからポケモンが好きでも育てるだけじゃ満足できないんじゃない?」
「確かにそうだ。何たって〝戦うポケモン博士〟だからね」
「……で、その言葉を聞いたら眉間に皺作って、博士はやめてくれって言うのがオチだよね」
オリオとモリーの会話を聞いて、緩んでいた顔を元に戻しながら私は思いました。
リコが思ったこと
- 114二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:22:14
「フリードみたいに、私もポケモンともっと仲良くなりたい」
- 115二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:52:44
オリオとモリーはフリードのことよく知ってるんだ
そうだよね、私よりずっと前からフリードと一緒にいるんだから
私ももっとフリードのこと知りたい - 116二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 23:17:49
(オリオとモリーの会話を一度頭の隅に追いやって)
フリードに体を洗ってもらうのってそんなに気持ちいいんだ
私も洗ってもらいたいな……な、なんてね - 117二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 06:59:53
明日、フリードのお手伝いしたいな
- 118二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:30:45
とうとう微不健全な安価が出てきたな・・・ダイスがどの選択をするか気になる
- 119セレビィ24/03/14(木) 19:22:17
◓リコ視点
1:フリードみたいに、私もポケモン達ともっと仲良くなりたいな。
2:オリオとモリーはフリードのことよく知ってるんだ……私も、もっとフリードのこと知りたい。
3:フリードに体を洗ってもらうのってそんなに気持ち良いんだ……私も洗ってもらいたいな。
4:明日、フリードのお手伝いをしたいな。
dice1d4=2 (2)
- 120二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:22:24
健全だったか
このゆっくりとした進展具合じれったいな - 121二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 07:37:59
段階を飛ばさないで綺麗な少女漫画みたいにリコがフリードを意識し始めてますね……
- 122二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 18:06:07
このスレ最高…本編でもこんなほのぼのフリリコが見たい…
- 123二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 01:15:07
このレスは削除されています
- 124二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 12:43:26
フリード視点だと初恋の相手が自分のこと知りたい!って言ってくるのかあ
大丈夫? - 125二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 18:06:44
- 126二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 00:44:32
なんとか表には出さなくても、湧き上がる感情の嵐でミブリムが卒倒してしまう!
- 127セレビィ24/03/17(日) 01:13:18
◓リコ視点
(オリオもモリーも、フリードのことよく知ってる。そうだよね、私よりずっと前からフリードと一緒にいて旅の中で辛いことも嬉しいことも共有してきただろうし、私が知らないフリードをいっぱい知ってて当然だよ)
わしゃわしゃわしゃ。
そんなこと、ライジングボルテッカーズの一員になった時から分かってた。オリオやモリーを頼りにするフリードを見る度に、守られてばかりの私はまだまだフリードの隣に立てていないんだって実感もしてきた。
私の何十倍も知識があって色々な人やポケモンと出会ってバトルをして、キャップやリザードンと固い絆で結ばれたフリードに簡単に近付けるとは思わない。
思わないけど――いつも皆を助けてくれるフリードに少しでも追い付いて負担を減らしてあげたいから、もっとフリードのことを知りたい。
(……でも、キャップとフリードのことを知りたくて私とロイがぐるみんの真似をして操舵室のドアを開けた時、フリードちょっぴり不機嫌だったんだよね。後でオリオからフリードがカメラが嫌いなんだって教えてもらったけど、カメラのことを抜きにしても、全部の質問をはぐらかされちゃって……オリオの大胆な行動と言葉があったからフリードがキャップとの出会いを話してくれたけど、私じゃ絶対にできなかった。信頼の差なんだろうけど幼馴染って、やっぱりすごい)
もこもこもこ。
(皆に聞けば私の知らないフリードを教えてくれるだろうけど、フリードにも隠したいことはあるだろうしフリードがもっと私を信じて自分のことを話してくれるまで、待った方が良いのかな。私が知りたいからってこそこそ嗅ぎ回ったら、フリードに嫌われちゃうよね)
「やっぱり本人が話してくれた方が嬉しいし、そうし「ミッ、ミィッ」……え」
ミブリムの声に考え事を中断してフリードの方を見たら、全身を震わせてしゃくり上げるミブリムの小さな背中をフリードとラッキーが撫でているのが見えた。慌てて立ち上がった私の肩に手を置いたモリーが「病み上がりなんだから、無理しない」と言いながら私の身体を後ろに追いやって、私の代わりにミブリムの方へ駆け足で向かってくれた。
モリーの背中でミブリムが完全に見えなくなって、小さな声でやり取りしているのかフリードとモリーの会話も聞こえないからそわそわしてしまう。 - 128セレビィ24/03/17(日) 11:27:44
◓リコ視点
私は、私の肩に手を置いて動けないように固定しているオリオを見上げた。
「あの、オリオ……」
「だーめ。ミブリムが心配なのは分かるけどモリーの言う通りリコは病み上がりなんだから、ここはお姉さんお兄さん達に任せなさい」
「すまんミブリム! もしかしたら洗ってやれなかったイワンコを可哀想だと思った俺の気持ちが出すぎたかもしれない……!」
マードックが大きな声で謝ってくれたけど、どう考えてもミブリムが泣いちゃうくらいフリードを知らないことが悲しいって思った私が原因だった。
本当は、私のせいですって告白してミブリムと、ミブリムを心配してくれた皆にちゃんと謝りたい。ミブリムがあんなに泣くのは初めてだから、私が謝ったらきっと皆は私のことも心配して何があったんだって聞いてくれると思う。
(でも、もし聞かれたら……ミブリムを泣かせちゃったのにすごく勝手なんだけど、フリードのことを全然知らなくて悲しくなっちゃったなんて子供っぽい理由、恥ずかしくて皆が見てる前で話せないよ)
色々考えて、いっぱい悩んで、結局自分の気持ちを優先して動けずにその場で足踏みして、すぐに謝ってあげられないミブリムと心配を掛けちゃった皆への申し訳なさと、臆病な自分への恥ずかしさで手元にあるバスタブに視線を落とす。
バスタブにはいつの間にか30cmくらいの泡の塔が出来上がっていて、考え事をしながら無意識にポケモン用石鹸で泡立たせ続けていたことを今更知って、ますます自分が情けなくなって頭が重くなって俯く。
「リコ」
肩に固定されていたオリオの手がぱっと離れたと思ったら、俯いて低くなっていた視線の先にコンバットブーツが見えた。顔を上げたら私の悩みの種であるフリードが目の前に立っていて、予想していた筈なのに驚いて肩が跳ねた。
(オリオは……って、いない!?)
「ミブリムなら大丈夫だ。モリーが診てくれたがすぐ元気になるそうだ」
「え、あ、ありがとう、フリード」
後ろを振り返っていつの間にかオリオがいなくなっていたことに驚いて、モリーとラッキーに撫でられて泣き止んで笑っているミブリムにほっとして、首を傾げて私を見ているロイとドットに苦笑いを返して、少し近くなったフリードの顔に慌てて目を逸らす。
落ち着かない私の態度に何かを感じたのか、フリードは屈んで顔を私の耳に寄せて小さな声で喋った。 - 129セレビィ24/03/17(日) 11:36:36
◓リコ視点
「ポケモンゼミの時にミブリムにも言ったことだが、不安な気持ちも悲しい気持ちも遠慮なく俺に、あー……いや、1番話しやすい人に言ってくれ」
「どうして」
「そりゃあ、いつも見てるからな」
「どうして私が悲しんでるって分かったの」と聞く前にフリードが金色の目を蕩けそうなくらい細めてそう言ったから、一瞬自意識過剰に受け取っちゃった私は恥ずかしさで熱くなったほっぺを手で仰ぎながら、ぎこちなく笑う。
「そうなんだ。いつもブレイブアサギ号の皆を見てるなんて凄いね」
私の言葉にフリードはにっこり笑うだけで、頷かないし何も答えない。
フリードの笑顔は見慣れているのに、今は何故かそわそわとどきどきが混ざった変な気持ちになっちゃって、どうしようってオロオロしていた私の耳にフリードを呼ぶドットの声が聞こえた。
「カヌチャンとイッカネズミのポケモンウォッシュ、大変だろうが頑張れよ」
ぽんと頭に軽く手を置いてフリードはドットの方へ歩いて行った。遠くなるフリードの背中にほうっと息を吐いてから、かなり小さくなったバスタブの泡を見つめる。
(フリードに直接言っても良いのかな……貴方のことを知りたいって)
私の欲しい答えをフリードから貰えるか分からないけど、このまま悩み続けてミブリムが疲れちゃうのも皆に迷惑を掛けちゃうのも嫌だから、怖いけど今日のポケモンウォッシュが終わったらおばあちゃんの言葉通り最初の1歩を踏み出そう。
私はバスタブを抱えてカヌチャンとイッカネズミと一緒に、洗いやすいようにスペースが空いていた dice1d7=2 (2) の隣に移動して、腕捲りをしながら強く誓った。
1:オリオ
2:ドット
3:フリード
4:マードック
5:モリー
6:ランドウのおじいちゃん
7:ロイ
- 130二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 13:36:42
少女マンガ〜!
みんなのことも見てるだろうけど「いつも」フリードが見てるのはリコちゃんのやつ! - 131二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 01:25:36
このレスは削除されています
- 132二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 07:51:03
フリードがドットに呼ばれて行った後、リコちゃんがドットのそばに行くの、ダイスなのに無自覚にフリード追いかけたみたいな結果だな
- 133二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 07:59:05
フリードの喜ぶことについてリコが相談したのもドットだし運命的なものを感じるよね
- 134二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 14:52:41
一旦フリードが離れて安心したのにフリードを追うようにドットの方に行っちゃうの可愛いな...
- 135二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 22:59:31
ミブリムが泣いちゃうほどフリードを知らなくて悲しいと思ってるリコちゃん
これもうほぼ両思いでは…!? - 136二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 08:21:20
あにまんダイス様フリリコ好きすぎるだろ
ありがとうございます! - 137二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 18:35:49
フリードの押し方絶妙だな
リコちゃんを困らせない程度に、しかし近い距離でささやいたりボディタッチしたりしてさっと引くんだもんな - 138二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 00:29:19
- 139二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 11:50:32
DTフリード概念は笑う
- 140セレビィ24/03/20(水) 23:31:18
◓リコ視点
「気合入ってるな」
濡れちゃうからか、脱いだ上着を腰に巻いてタンクトップ姿でバスタブいっぱいに泡を作っていたドットが、隣に座って腕捲りした私を見て言った。
「うん! こんな機会滅多にないし、今すっごくどきどきしてる!」
「そっか。ところで、ボクじゃなくてフリードの隣に行かないのか?」
「えっと、ドットが近くにいた方がカヌチャンも安心するかと思って。もしかして嫌だった……?」
「そんなこと言ってない。ただ、この前ボクに言ったフリードと一緒にやりたいことがポケモンウォッシュなんだろ? フリードが勘違いしてリコが2人っきりでしたかったことを皆でやろうって言ったんなら、せめてフリードの隣に座った方が話せるし楽しめるんじゃないかって思っただけ」
ショックを受けて落ち込みかけた私に、ドットはたくさん喋って私の後ろ向きな考えを否定してくれた。
ドット本人の言葉を聞いて大切な友達に嫌われていないことが分かって安心した私は、スポンジにもこもこの泡をつけてポケモン達を洗っている皆を見渡す。
「確かに最初はフリードと2人でのんびりポケモン達を洗いながら話す時間は素敵だろうなって思ったよ。でも、皆でわいわい賑やかにポケモン達を洗うのはカレーを皆で食べたあの時みたいに、もっと楽しくて素敵な思い出になると思ったんだ。それを私から言ったらフリードも喜んで賛成してくれたし……だから、ドットとこうしてお喋りしながらポケモンウォッシュするの、とても楽しいよ」
「……それなら良いけど」
頭を掻きながら下を見たドットを、心配そうな顔をしたカヌチャンがハンマーを大事に抱えて覗き込む。でもすぐにぱっと表情を明るくしてカヌチャンはハンマーを横に振った。
「カッチャ!」
「うん。良かったな、リコに洗ってもらえて」
「キュ~♡」
カヌチャンの頭をドットが撫でたらカヌチャンは顔を赤くして口を緩めた。
それは私やロイ、フリード達にも滅多に見せない笑顔で、やっぱりパートナーは良いなぁって思った私は2人を見つめていたリザードンと顔を見合わせて笑った。
(そういえば……)
フリードの話をして、リザードンを見て。私はほんの少しだけ――ううん、凄く気になっていたことを皆に聞こえないくらいの小さな声でドットに聞いてみることにした。 - 141セレビィ24/03/21(木) 00:17:35
◓リコ視点
「ねぇ、ドット。さっきフリードを呼んでたけど何かあったの?」
「別に。何か、困ってたから。フリードの気を逸らすために呼んだだけ」
「えっ……!」
なんと、ドットがフリードを呼んだのは原因不明のフリードへのどきどきで困っていた私を助けるためだったみたいです。
「~~~っ、ドット!」
「うわっ!? ちょ、泡だらけの手で引っ付くな!」
感極まってドットに抱き着いてしまった私に、イッカネズミ達は揃って首を傾げてヤバチャはケラケラ笑って、カヌチャンは嫉妬しちゃったのかほっぺを膨らませて私とドットを引き剥がした。
ドットとカヌチャンに謝った私が顔を上げたら、何故かリザードンが大きな翼を広げていて、私の視線に気付いて溜息を吐いて欠伸をしながら翼を折り畳んだ。
何でリザードンが焦った顔をしていたのか気になったけれど、ドットに「ぼーっとしてたら夜になるぞ」と注意されて、今度こそポケモンウォッシュを再開した。
「「カッ! カッ!」」
「ごめん、嫌だった?」
「まずい。どんどん泡が大きくなっていくんだけど……!」
イッカネズミの小さな子達をスポンジで洗おうとしたら、頭と耳の上に泡を乗せた大きな子達が前に出て手を広げながら歯を見せた。
大きな子達に怒られてしまった私の隣で、ドットはヤバチャを洗っている途中で泡が少し紅茶の中に入っちゃったみたい。小さな泡はヤバチャの紫色の紅茶の流れに沿ってぐるぐる回って、嘘みたいに大きくなる。
「おいで。今すぐ泡を取って……って、何で逃げるんだよ!?」
「ヤチャチャチャチャッ」
ドットが手を伸ばしたら遊びだって勘違いしたのか、ヤバチャはドットがジャンプしてもギリギリ届かないくらいの高さまで浮かんだ。その様子を見て、少し離れた場所で洗い終えたホゲータの体をタオルで拭きながらフリードが口を開く。 - 142二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 08:01:56
いつも見てるフリードが、ミブリムが泣いちゃうくらい悲しんでたリコがドットと話して嬉しそうに抱きつくところ見てないはずがないですよねえ
相棒のリザードンが一連の流れを見てたフリードの様子に気づかないはずないよね - 143セレビィ24/03/21(木) 19:20:09
すみません、更新少し遅れます!
ご報告兼保守です! - 144二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 00:28:16
ゆっくりやっても全然大丈夫です
応援してます - 145二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 09:52:10
展開を考えるのって大変ですからね…
フリリコだけでなくポケモンも他のキャラクター達も目立ってる良スレですし保守もするので全く問題ないです
今後も無理なく頑張ってください 応援してます - 146二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 20:37:59
ドキドキと感じている作品でいつもすごいなぁと思っています
これからも頑張ってください - 147セレビィ24/03/23(土) 07:33:56
◓リコ視点
「ヤバチャは紅茶をかき混ぜられることが苦手だが、泡が多少混ざってもヤバチャの体に悪影響は出ないから心配しなくても大丈夫だぞー」
「そうだけどさ。ヤバチャのお茶を誤って飲むの大体フリードなのに良いの?」
洗い終わって毛並が良くなったカイデンにポケモンウォッシュを頑張ったご褒美として、食べやすい大きさにカットされたきのみを渡しながら静かに言ったモリーに、目尻を下げてヤバチャについて話していたフリードの表情が強張った。
「リザードン! 急いでヤバチャを捕まえて泡を掃ってくれ!!」「グォウ!?」
「フリードのやつ、必死だな」「ビッビビ」
「ピピーカ……」
突然ヤバチャを指差したフリードにリザードンは目を丸くして、その様子を見ていたマードックとエレキッドのしみじみした声とキャップの溜め息混じりの呆れた声が聞こえました。
他には――――
「ごめんねクワッス! 綺麗になるから喜ぶかと思って……ああもう、ポットデスはすぐツボツボにちょっかい出しに行かないの!」
オリオは頭についた泡を叩いて落としているクワッスに謝ってポットデスを注意してと、凄く大変そう。
「こうして泡と一緒に汚れが落ちて行くのを見ると気持ち良いなぁ。ねっ、ヌオー、ラプラス!」
ロイは楽しそうにラプラスの甲羅をヌオーと一緒にスポンジで擦っていて、事前に敷いてあった水色の大きなビニールシートの上には汚れを含んだ泡がいっぱい落ちていた。
(ポケモンウォッシュをする場所に海がよく見える浜辺を選んだのは、泡が下に落ちても海の水が洗い流してくれるから……最初はそう思ったけど、開放感があって水タイプのポケモン達がリラックスできる場所として選んだだけで、ポケモンに害がない石鹸を使っていてもポケモンも暮らす海を汚すのは良くないって考えるの、フリードらしいよね)
本人に直接聞いたんじゃなくて、休んでいる間定期的に私の腰の状態を診に来てくれていたモリーがそう教えてくれた。
「ポケモンウォッシュ用のバスタブと、大きいポケモンを洗う時用の使い捨てのビニールシートを買ってきた――そう言って明らかに多すぎるバスタブとビニールシートの束を笑顔で抱えて見せに来た時のフリードの顔を、リコにも見せてやりたかったよ」と溜め息を吐いて言ったモリーに、子供っぽく笑うフリードを思い浮かべながら、今日まで来た。
- 148二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 18:06:21
ポケモン達は可愛いし各キャラの解像度が高くてイイネイヌ
フリードとか特に仲間でやるイベントで人一倍張り切って力入れそうだよね - 149二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 01:44:26
リコからのお願いを聞いた次の日の朝にはもう買いにいったんだろうなと容易に想像できる
はりきっているフリード可愛い - 150二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 12:36:55
ほしゅ
- 151セレビィ24/03/24(日) 22:44:57
◓リコ視点
(フリードに全部任せっきりになっちゃって悔しいな。私が問題なく動けてたら、一緒にバスタブを選んだり荷物を持ったりくじ作りを手伝ったりできたのに)
もう済んだことなのについ「もしも」を考えちゃって、ヤバチャを捕まえて泡を掃ったリザードンに両手でガッツポーズをしたフリードを見つめてしまう。フリードなら「大した手間じゃなかったから気にするな」と笑って許してくれるだろうけど、違うの。
確かに申し訳ないって気持ちも凄くある。
でも、計画するのも準備をするのもフリードとなら絶対に楽しかった筈なのに、その時間を手に入れられなかったことが1番悔しいんだ。
(――なんて、フリードには言えないよね。自分でもすっごく自分勝手だと思うし、フリードに面倒臭いとか気持ち悪いって思われたくない)
ミブリムがまた体調を崩してしまわないように、どんどん増えそうになる悪い気持ちを無理矢理振り払って、私は次にランドウのおじいちゃんの方を見た。
「オリーヴァよ。お主は本当に心優しいのう」
メタグロスに乗せて上昇してもらえばかなり大きいオリーヴァの頭のてっぺんから足の先まで洗うことができるけど、ランドウのおじいちゃんが安全に洗えるようにか、オリーヴァは自分からビニールシートの上に横になった。
オリーヴァが胸の前で組んだ葉っぱで覆われた腕を撫でるランドウのおじいちゃんの声は嬉しそうで、撫でられているオリーヴァと見守っているメタグロスもなんだか嬉しそう。
「「「「カッ、カカッ」」」」
「わっ……! 待たせちゃってごめんね。今、泡を落とすね」
温かくて穏やかな光景を見て癒された私は、イッカネズミが小さく起こした水飛沫に驚きながら電動式のポータブルシャワーで重くて暗い自分の気持ちを泡と一緒に洗い流した。
- 152二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 22:59:53
リコちゃんが一緒に準備したかったってわかったらきっとフリードは喜ぶのになあ
もどかしい - 153セレビィ24/03/24(日) 23:09:13
◓リコ視点
今日のポケモンウォッシュは、途中お昼と休憩を挟んで空がオレンジ色になる前に終わった。
夕方くらいまで掛かると思ったけど、お昼を食べた後からニャオハ達が手伝ってくれたから最初の子を洗った時よりも、皆かなり順調に次の子を洗うことができた。
まだ洗えていない子達はいるけど、今日洗って綺麗になったポケモン達の笑顔を見たら達成感があったし、明日も頑張ろうって早くも気合が入った。そんな満たされた気持ちで私は今、ブレイブアサギ号の廊下を歩いている。
目的はもちろん――
「フリード、どこにいるのかな」
ポケモンウォッシュが終わった後に皆で片付けをしたけど、私とロイとドットで皆が使った石鹸とスポンジを回収して泡を洗い流して水気を切っている間、フリード達はバスタブとポータブルシャワーを船の中に運んだり、使用済みのビニールシートを綺麗にして小さくカットして透明な袋に入れたりしていた。
全部の石鹸とスポンジの保管を終えた私は、ロイとドットと別れて疲れて寝ちゃったニャオハ達を部屋のベッドに寝かせてからフリードを捜した。
マードックと道具を運んでいるのを見たから、てっきり資材とかが保管してある物置にいると思ったんだけど……
「フリード? あいつなら俺と一緒に道具をこの物置に運んだ後に救護室に行ったぞ」
「フリードならさっき来たよ。必要な物を受け取ったらさっさと出て行ったけどね。この時間帯はよくミーティングルームにいるな」
「アイツなら顔見せてすぐ帰ったよ。キッチンに行ってみるかーって言ってたし、今頃つまみ食いでもしてるんじゃない?」
「フリードはどうやらマホイップに会いに来たようじゃ。笑顔で礼を言ってそのままキッチンを出て行った。片手が塞がっているから、そう遠くへは行ってないじゃろうて。焦らず、時には初心に帰ることも大切」
(同じ船内にいるのに、何でこんなに捉まらないんですか!?)
歩幅が違うのか歩く速さが違うのか分からないけど、フリードの情報はいっぱいゲットできるのに、いざフリードがいる場所へ行くと一足遅く肝心のフリードに会えない状態が続いていた。早歩きをしても、悪いことだけど廊下を走っても結果は変わらなかった。 - 154二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 08:29:43
保守
- 155二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 20:28:26
フリードもリコも擦れ違ってますねぇ...
- 156セレビィ24/03/25(月) 21:19:03
◓リコ視点
他の場所にも行って最後に操舵室を覗いてみたけど今日も変わらずカッコ良いキャップと可愛いノズパスがいるだけで、フリードの姿は見当たらなかった。疲れてしまった私は膝に手をついて呼吸を整える。
(ランドウのおじいちゃんの言う通り、1度初心に帰って自分の部屋からスタートしてまた最初から捜し直してみよう)
操舵室のドアを背にぐっと拳を握って気合を入れ直して部屋に向かう。
明日になれば確実にフリードに会えるけど、こんなに擦れ違って会えないと絶対に今日が終わるまでに会おうって気持ちが強くなって、また日を改めて……という考えは頭から綺麗に無くなっていた。
「えっ!?」
「ん?」
そんな感じで少し興奮しながら廊下を歩いて自分の部屋が見えたと思ったら、そこに立っていた人に私はとても驚いてしまった。何故なら、あれだけ捜し回っても会えなかったフリードがマグカップ片手に私の部屋の前で立っていたから。
驚きとやっと会えた感動で、私はフリードと目が合った瞬間に駆け寄っていた。
「フリード……! 捜したんだよ。でも、どうして私の部屋の前に?」
「そうだったのか? 悪い、リコにこれを渡したくてな」
フリードがジャケットのポケットから取り出したのは、ミツハニーとフラベベのイラストが描かれたハンドクリームだった。
可愛いけど何で私に、と尋ねる前にフリードが早口で話し始める。
「モリーを説得して予備を貰ったんだ。これを薄く伸ばして塗り込むと、手荒れやあかぎれの治りが早くなるらしい。今日リコが何だか落ち着かない様子だったから、てっきり水仕事で手が荒れて痛がっていたのかと思ってな。あとは……俺からリコに差し入れ」
フリードは手に持っていたカップをずいと私の目の前に差し出した。
中にはマホイップのクリーム入りコーヒーが入っていて、湯気と一緒に甘い香りがふわりと漂って、その香りに疲れた身体が解れて自然とほっと息が漏れた。
「甘い物を口にすると沈んだ気持ちも少しは良くなるだろ?」
落ち着かなかったのはフリードにどきどきしていたからで、手荒れの方は親指の付け根あたりが少しヒリヒリするけど大したことなかった。だから、フリードが心配するほど私の気持ちは沈んでいなかった。 - 157二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 21:23:21
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- 158セレビィ24/03/25(月) 21:25:01
◓リコ視点
(でも、私のためにフリードがハンドクリームとホイップ入りのコーヒーを用意してくれたって思うと、凄く)
「ありがとう、フリード。凄く嬉しい……」
どきどきしてふわふわした嬉しくて温かい幸せな気持ちのままフリードにお礼を言う。
見上げたフリードの優しく垂れた金色の目が大きく見開かれて、喉仏がゆっくり上下に動いた。それを目で追っていたら、何故かフリードが笑顔を引き攣らせて大きな手で私の視界を遮った。
「……っ、それなら良かった。じゃあ、用も済んだし俺は戻るな」
「まっ、待って! フリードに相談というか、2人っきりで話したいことがあるの。だから、dice1d5=1 (1) 」
1:私の部屋の中に、来て。
2:操舵室にお邪魔しても良い?
3:フリードの部屋……行きたいな。
4:一緒に展望室に行きたい。
5:ウィングデッキで空を見ながらお話しませんか。
- 159二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 07:27:24
リコが自分を探してた+落ち込んでたリコがプレゼントにすごく喜んでくれたし笑顔も見せてくれた+部屋に誘われた
フリード大丈夫?スキルリンク4倍弱点きゅうしょに当たった!になってない? - 160二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 15:23:26
笑顔を見せてくれた時点でHPが0になったからフリード自らが撤退を選んだのかもしれない
逃げ切れずに多分お顔を真っ赤にしているであろうリコに二人っきりで話したいから私の部屋に来てって誘惑されたがな!
- 161二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 00:29:21
続きいつまでも待ってますわ!
- 162セレビィ24/03/27(水) 11:43:13
◓リコ視点
背中を向けて速足で操舵室か自分の部屋に戻ろうとしたフリードの手を握って言ったら、まるでかなしばりを受けたポケモンみたいにフリードが固まった。手を振り払われることはないけど、フリードはこっちを見ないし何も言ってくれない。
手を握る力を少しだけ強めて、ダメおしでもう1度言ってみる。
「フリードに相談というか、2人っきりで話したいことがあるの。だから、私の部屋の中に、来て」
「べ、別の場所じゃ駄目か? ミーティングルームとか、救護室とか機関室とか」
「だめです」
(自分でも無理してる自覚はあるけど、もうこうなったら根競べです!)
フリードの提案を切り捨てて、握っていた手を離してからフリードの腕を抱き寄せて「絶対に逃がしてあげない」という意味を込めて片腕で固定する。片手にフリードから貰ったココアを持っているから両腕で固定することはできないけど、フリードなら力づくで振り払ったりしないって信じている。
「なぁ、リコ……ほんと、頼むよ。解放してくれないか」
下を見て小さく弱った声を出すフリードに胸がちくちく痛んで、良いよ、わがまま言って困らせちゃってごめんねって謝って腕を離してあげたくなる。そうしたらフリードは困った顔で振り返るけど、きっと笑って許してくれる。
でも、それだと何も変わらないからダメ。
何を変えたいのか、変わらないことが何でダメなのか自分でも分からないけど、わがままを言って無理をしてでも、ここは譲っちゃいけないって思った。
「じゃあ、私の部屋でお話聞いてくれる?」
心臓のどきどきが伝わってしまいそうで恥ずかしいけど、腕をもっと抱き寄せてフリードが折れてくれないと離さないことをアピールして、背中を向けたままのフリードを観察する。フリードは手を握った時からずっと深呼吸を繰り返していて、耳とうなじは真っ赤に染まっている。
(カジッチュみたいに赤くなるくらい、言うことを聞かない私に怒ってるってことだよね……)
それでも怒鳴ったり空いている腕で突き飛ばしたりしないフリードは本当に優しい。罪悪感が一気に押し寄せて、折れる気なんてなかったのにフリードがこれ以上嫌がるなら、私から離れてフリードを自由にしようと思った。
黙ってフリードの言葉を待っていたら、吐息混じりのフリードの声が聞こえた。 - 163二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 13:13:46
>カジッチュみたいに赤くなるくらい、言うことを聞かない私に怒ってるってことだよね
フリードかわいそ…
- 164二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:29:36
フリードはもうちょっとストレートにリコちゃんに迫っても許される状況だと思うよ!
- 165二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 07:53:49
これリコもうフリードに恋しちゃってるでしょ
- 166セレビィ24/03/28(木) 19:24:07
更新ゆっくりでごめんなさい!
素敵なフリリコ作品をいっぱい摂取したので今日中には何とか更新できそうですという報告 兼 保守です(2回目) - 167セレビィ24/03/28(木) 23:59:53
◓リコ視点
「リコがニャオハもミブリムも連れていないってことは、2人共部屋でテラパゴスと休んでるってことだろ? こうして話している間に前みたいに起こしちまった可能性はあるが、俺が長居したらニャオハ達が気にして休めないだろうからさ」
フリードの言葉に衝撃が走って、ポケモンのひやみずを浴びせられたみたいに力がなくなってフリードの腕を抱き締めていた手を離す。誰にも見られない誰にも知られない場所でフリードの口から彼のことを聞きたい――そのことで頭がいっぱいで、少しの間とはいえニャオハ達のことが頭から抜けてた。
1週間前、私が腰を抜かしちゃった時は緊急事態だったから気持ち良く眠っていたニャオハとミブリムは嫌な顔をしないで私とフリードを出迎えてくれてベッドまで譲ってくれた。
でも、今フリードを部屋の中にお招きしたいのは完全に私の都合でニャオハ達がどう思うかとか、何も考えていなかった。トレーナーとして、失格だった。
「ごめんなさい」
頭を下げてフリードと部屋にいるニャオハ達に向けて謝る。軽い言葉かもしれないけど、それでも謝らないと私自身が納得できなかったしフリードやニャオハ達に顔向けできないと思った。
そんな私に背中を向けたままフリードがゆっくり頭を横に振って咳払いをひとつ。
「いや、リコは悪くないしお誘いは嬉しいよ。ニャオハ達に申し訳ない気持ちがあるのは本当だが、ポケモンが傍にいるとはいえ自分の部屋に俺が長時間一緒にいると、最初は平気でも最終的に怖がらせちまうんじゃないかって、俺が不安だったんだ」
「私はフリードを怖がらないよ」
反射的にそう答えたら、フリードが勢い良く振り返った。耳やうなじと同じで顔は赤いけど、怒って吊り上がってると思っていた眉毛は八の字に垂れていて、想像と違うフリードの表情に驚いたけど凄く安心した。
「良かった。手を握ってから全然目が合わなくて不安だったの」
「リコ、俺は」
フリードが言葉を切って、大きく口を開いて何かを言おうとしたタイミングで明るい着信音が鳴った。
上着のポケットから飛び出して私の目の前に移動したスマホロトムの画面を見たらマードックからで、フリードの視線を痛いくらい感じながら電話に出る。 - 168セレビィ24/03/29(金) 07:51:33
◓リコ視点
「もしもし」
『悪いな、フリードを捜してる途中で。今、時間は大丈夫か?』
「フリードとは今会えたから大丈夫だよ」
『それは良かった。ニャオハとミブリムとテラパゴスなら、今キッチンに来て一足先に夕飯を食べてるから部屋にいなくても心配しないでくれって伝えたくてな』
「えっ、あ、そうなの? ニャオハ達が急にごめんなさい……」
『ははは。食欲があるのは健康な証拠だし、ニャオハ達が美味しく食べてくれて嬉しいから気にしないでくれ。ああ、フリードが一緒なら悪いが俺達の夕飯はまだ時間が掛かるって伝えてくれるか?』
「分かった。ありがとう、マードック」
ピロン、と可愛い音が鳴るのと同時にマードックとの通話も終了する。
「ニャオハ達、キッチンでマードックが作ってくれたご飯を食べてるみたい。それと、私達の夜ご飯はまだ時間が掛かるって」
「……聞こえた。マードックは声が大きいからな」
「それで、あの。ニャオハ達は部屋にいなくて、私は貴方を怖がったりしない。フリードが心配してることは多分なくなったと思うんだけど、フリードはどうしたい、ですか」
緊張で声が震えながら何とかフリードに伝える。また目を逸らされちゃうかなって不安になったけど、見上げたフリードはじっと私を見つめていて、そんな些細なことがどうしようもなく嬉しかった。
「今から別の場所に移動したら折角のそれが冷めちまうし、リコさえ良ければニャオハ達が帰ってくるまでお邪魔しても良いか?」
(飲み物にこんなに感謝したのは、生まれて初めてかも……)
目尻を下げて私が持っているコーヒーを指差したフリードに、私は大きく何度も頷いて緩んだ顔で部屋のドアを開けた。
私がベッドに座ったらフリードは椅子に座ろうとしたけど、私とロイとドットの部屋の椅子とフリード達大人の部屋の椅子は大きさが違うみたいで、フリードが軽く座っただけで椅子が軋んだ音を立てた。
「うぉっ、壊しちまいそうだ」
「フリード。ベッドなら丈夫だしこっち座って良いよ」
「んん゛ッ! あー、部屋の主にこんなこと言うのは非常識なんだが、リコには椅子に座ってもらいたいんだが……良いか?」
コーヒーを三口くらい飲んでから笑顔で隣を叩いたらフリードが大きく咳払いをして椅子を見下ろした。 - 169二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 08:03:06
キャー(大歓喜)
キャー(尊い)
ヤバい(ヤバい) - 170二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 20:02:21
ほしゅ
- 171セレビィ24/03/30(土) 00:52:43
◓リコ視点
お行儀が悪いけどコーヒーに口を付けながら立ち上がった私に、フリードは「悪いな」と謝って椅子から立ち上がってベッドに座る。私もフリードと入れ替わるようにベッドから椅子に移動しようと……するのを止めて、フリードの隣に腰を下ろした。
「なっ、リコ!?」
「今日のポケモンウォッシュ楽しかったね。自分のポケモン以外の子を洗ったことがなかったから大変な部分もあったけど、やっぱり皆でやると何倍も楽しくて幸せな気持ちになるっていうか、凄い満足感だったよ」
目を大きく見開いて口をぱくぱくさせているフリードに気付かないフリをして、私はスマホロトムをタブレット型に変えて録画していたポケモンウォッシュをする皆をフリードに見せる。
ロイがラプラスを洗っている最中に野生の水タイプのポケモン達が寄ってきてあっという間に仲良くなるラプラスとヌオーとロイとか、フリードに悪戯する前にリザードンに捕まって不機嫌だったヤバチャがカップが輝くくらい綺麗に洗ってくれたドットに擦り寄る様子とか、カメラが苦手なフリードを撮るのをできるだけ控えた分、他の皆の動画をたくさん撮った。
最初は困った顔をしながら動画を見始めたフリードだけど皆の笑い声にすぐに表情は和らいだ。
泡を流す前にドットに抱き着こうとするカヌチャンを必死に止める私とドットの動画を見終わったあたりで、フリードが口を開いた。
「ドットも積極的に参加してたし、一緒に楽しめて良かったな」
そう言ったフリードの横顔がなんだか寂しそうに見えて、私は思わず目を擦った。目を開けて数回瞬きをしたけど他の皆の動画を見るフリードの横顔は寂しい色をしたままで、やっぱり私の気のせいなんかじゃなかったんだって分かった。
ただ、フリードが寂しい顔をする理由が分からない。
(……うん。よしっ!)
私は残りのコーヒーを飲み干して空になったカップを机に置いて本題に入る。
「フリード。あのね、私の部屋で2人っきりでフリードに相談したかったのは私が今1番知りたいことについてなの。ポケモンのことじゃなくて、その、いつも私を助けてくれる人についてなんだけどね」 - 172二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 08:38:25
好きな相手にベッドに誘われた(語弊のある言い方)なのになあ
リコちゃんはまた…誤解を招く言い方を…
別の意味でフリードが大丈夫そうじゃないな - 173二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 20:34:40
これ自分があんまり映ってないことにもちょっとショック受けてそうだなフリード
- 174セレビィ24/03/30(土) 20:37:36
◓リコ視点
(わあぁぁ! フリードについて知りたいって言うつもりが、緊張して回りくどい言い方になっちゃった! フリードじゃなくて膝の上で弄ってた自分の指を見ながら喋っちゃったし感じ悪かったよね!? どうしよう!?)
言ってからもっとこうすれば良かった、ああすれば良かったって後悔する。でも時間は戻らないから、せめてここから先は後悔のないようにしたい。そう決意して恥ずかしさで熱くなった顔をフリードに向けたら、フリードは息を呑んだ後に目を細めてまたあの寂しそうな顔をした。
「ドットのことなら俺よりマードックの方が詳しいんじゃないか?」
「……何でドット?」
私が首を傾げたらフリードも首を傾げる。2人してぱちぱちと瞬きをして暫く見つめ合ってからフリードがほっぺを掻いた。
「ポケモンウォッシュの時にリコがドットの隣に移動して思いっきりドットに抱き着いてんのが見えたし、動画でもドットが隣にいて嬉しそうだからてっきりそうだと……違うのか?」
「確かにドットと肩を並べてポケモン達を洗うのは楽しくて嬉しかったし、ドットには凄く助けられてるけど違うよ。私が今、1番知りたいのは……フリードのことだから」
「――――は」
「私、dice1d3=」
1:どんな些細なことでも良いからフリードのことを知りたい
2:オリオやモリーが知らないフリードのことを知りたい
3:誰も知らないフリードの秘密を知りたい
私の言葉にフリードはひゅっと息を吸って目をこれでもかと言うほど大きく見開いた。
- 175セレビィ24/03/30(土) 20:39:07
初歩的なダイスミスをしていましたすみません!
「私、dice1d3=1 (1) 」
1:どんな些細なことでも良いからフリードのことを知りたい
2:オリオやモリーが知らないフリードのことを知りたい
3:誰も知らないフリードの秘密を知りたい
- 176二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 00:08:33
ドットのことなんだろうなって思ってたフリードにリコちゃんからの「あなたのことが知りたい」は劇薬では
- 177二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 12:06:07
ほしゅ
- 178セレビィ24/03/31(日) 12:09:30
◓リコ視点
「私、どんな些細なことでも良いからフリードのことを知りたい」
この一言だけでフリードの幼馴染のオリオや、長い間フリードとリザードンとキャップを癒してきたモリーと同じくらい、フリードのことを目の前にいる本人から教えてもらえるなんて思わない。
(でも、どうしても)
よく無茶をして、いつも皆を助けてくれるフリードの負担を少しでも減らしてあげたいから、嫌いな食べ物でも苦手なことでも本当に何でも良いから知りたかった。そうすれば、嫌いな物を私が食べたり苦手なことに一緒に挑戦したりできるし、私でもフリードの力になれることがあるかもしれない。
金色の瞳から目を逸らさないでフリードが何て答えるか待っていたら、フリードが「つまり」と小さな小さな声で呟いた。
「リコが俺の腕を抱えてまで部屋に誘ったのは、俺のことが知りたかったから?」
「そ、そうです」
知りたい人に指摘されるとなんだか恥ずかしくて上擦った声で返したら、フリードは口を手で覆って何故か私に背中を向けて顔を隠した。見せたくないなら無理に見ない方が良い。いつもの私ならそう思ってこれ以上踏み込まなかった。
でも、やっと目が合ったのにまた逸らされたせいか、今だけはフリードの顔を見たい――そう思った。
「こっちを……見て!」
ぐっと手を伸ばしてフリードの首に抱き着いて自分の方へ引き寄せたら、あっさりフリードの身体が傾いてきて、その重さでフリードよりも軽い私の身体は後ろに大きく動いた。
(あっ……どうしよう、倒れる!)
ぎゅっと目を瞑って次に来る衝撃に耐える。フリードの驚いた声と背中に当たるベッドの感触と大きく軋む音に恐る恐る目を開けたら、視界いっぱいに天井と顔を真っ赤にして私を見下ろすフリードが映った。
- 179二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 21:22:33
据え膳パート2じゃん…
真面目にフリードはちょっとくらいタガが外れても許されると思う - 180二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 08:58:36
保守
- 181二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 20:25:22
ほ
- 182二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 07:37:52
フリードは理性が壊れないように部屋に入らないようにしてたんだろうなぁ
- 183二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 18:24:27
また随分と気ぶれるフリリコ概念スレが誕生したな
フリリコはなんぼあってもいいから増えてくれるのは大歓迎
完結できるように応援してるぞ! - 184二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 01:32:37
ダイスの結果かSSでフリードが据え膳食わぬは男の恥するのか理性が鋼テラス化するのかが決まるな
- 185二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 12:40:36
こういう場面でフリードの行動をダイス神の導きに委ねるのは危険だ!ってばっちゃが言ってた
- 186セレビィ24/04/03(水) 22:56:40
◓リコ視点
「ぁ……」
私が首に抱き着いて引っ張ったところで男の人の身体はびくともしないだろうけど、驚いたフリードが逸らしていた目を私に向けてくれるかも。
そう考えて凄く恥ずかしかったけどフリードの首に抱き着いて、フリードが痛くない程度に少し強めに引き寄せてみたのに――
(待って待って待って! この展開は想定外!)
顔の両脇にフリードの手が置かれているのに気付いて、湯気が出ちゃうくらい顔が熱くなる。
まさか、びくともしないと思っていたフリードの身体がこんな簡単に動いて、私がベッドに押し倒されたような絵面になるとは思わなかった。
(私、私……物語のヒロインですか!?)
雰囲気に流されて初めて会ったフリードにそのままついて行って、ペンダントを狙ってアメジオ達が追ってきた時に、ついパニックになって心の中で叫んじゃったあの日と同じ台詞を心の中で叫ぶ。
「あー、リコ? この手を外してくれたら退いてやれるし俺としても大変助かるんだが」
どうすれば良いのか分からなくなって固まる私に、フリードは眉を八の字にしたまま首を上下左右に小さく動かして笑う。操舵室に行った時に夕日に照らされてほっぺと耳が赤くなっているように見えた時とは違って、間近で見る今のフリードの顔はオリオに対してほっぺを赤くして怒っていた時よりもずっと真っ赤に染まっていた。
そのことに気付いたら……何でか分からないけど凄く嬉しくて、どきどきして、もう少しこの距離でフリードを見つめたいと思った私は自分でもいっぱいいっぱいなのに、フリードの首の後ろで組まれた手を動かしてちょっとだけ引き寄せた。
「わっ、私ならこのままでも大丈夫。それより教えてくれる? フリードのこと」
「……この体勢でか?」
「だめかな?」
私が聞き返したらフリードは首を横に振って、息を吐いた。
フリードがとった行動は?
- 187二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 06:02:11
開き直ってリコの耳元で何が知りたいんだ?って聞く
- 188二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 06:19:13
負けるなフリードの理性!
ジャケットを脱いでゴーグルを外した後に黒のインナーも脱ぐ - 189二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 06:42:47
普通にリコに自分のことを教える(理性の勝利)
- 190セレビィ24/04/04(木) 07:14:47
- 191二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 09:04:12
そこで三分の一の不健全引き当てるとかwwwwwww
- 192二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 11:44:19
まだエンディングを迎える「500」の半分も行ってないのにいきなりぶっこんで来たな…
リコがゆうわくを使い続けたから?それはそう - 193二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 12:52:39
女神様さぁ……
- 194二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 16:14:01
このスレが終盤だからって女神様はりきりすぎだろ
なお好感度の数値的にまだまだスレは続く模様 - 195二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 01:03:39
とうとう不健全な結果が出てしまった
でもフリードは我慢してよく粘った方だよ - 196二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 11:34:57
ちゃんと閲覧注意のつく展開だな!ヨシ!
いや展開早くない? - 197二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:59:12
告白すっ飛ばして勢いよく進んでるな
リコちゃんすごすぎ - 198セレビィ24/04/06(土) 00:04:07
- 199二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 08:47:10
続き楽しみ埋め
- 200二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 20:39:35
素敵なフリリコスレをありがとう
続きも楽しみ支援埋め&200ならアニポケ新章でもフリリコがたくさんある