- 1122/01/18(火) 21:08:08
- 2122/01/18(火) 21:08:48
『疲れてないのか?』
「すっごく疲れてるよ〜。でも、カワイイと両立するって決めたことだから」
『そうか…無理はするなよ』
「うんっ!ありがと!」
そう言ってスマホに向き直ったカレンチャン。
少し時間がかかりそうだしすぐ終わるが片付けでもしながら待っていよう……
「あ!そうだお兄ちゃん!」
「昔遊園地で案内してくれた時、ピアノ弾くの得意って言ってたよね?」
だいぶ昔の話ではあるが、たしかに案内した時に趣味の話になってピアノを弾くと答えたこともある
「もしよかったらカレン聴きたいな〜♪ほら、そこにあるピアノ使って?」
『………そこまで上手くもないけど、それでいいなら』
「わーい♪ありがとね♪お兄ちゃん!」
そうしてまたスマホに向き直る
聴く気あるのかないのかどっちなんだ…
それはそれとして…言われたからには弾かなければならない
両手を洗ってきてピアノ椅子の調節をし、
鍵盤蓋を開き、弾き始めた… - 3122/01/18(火) 21:08:59
- 4122/01/18(火) 21:09:38
……弾き終え、熱中して弾いてしまったとハッと気が付きカレンの方を見ると既にカレンはSNSの更新を終えてスマホを仕舞って静かに拝聴していた
『……待たせたかな。申し訳ない』
「ううん、いいの。すっごく嬉しかった」
「……ねえお兄ちゃん、今度はカレンが弾いてもいい?」
『カレンが?』
「うん♪私、ピアノ得意だから♪」
カレンちゃんに席を譲って今度は俺が席を立つ
今度はゆったりこちらが聴く番だ
「じゃあ弾くね。ちゃんと聴いててね、お兄ちゃん♪」
そう言ってカレンは指を鍵盤に添え弾き始める… - 5122/01/18(火) 21:10:02
- 6122/01/18(火) 21:10:32
カレンの腕は見事なものだった
乱れもなく優しい音色で、かつ激しい時には激しい曲調で
なおかつ弾いてるその姿はカワイイを維持しながらも感情を揺さぶらせるような綺麗さを持っていた
何かに思いをぶつけるようなそんな何かが…
そして弾き終えたカレンは鍵盤を見つめながらポツポツと語り出した - 7122/01/18(火) 21:10:56
「……この曲ね。私がピアノを習い始めてから初めて弾きたい!って思って弾き始めた曲なの」
「エリーゼのために、テレーゼって言う人のために捧げた曲なんだ」
「だから私も、その作曲家さんみたいになりたかった」 - 8122/01/18(火) 21:11:21
『……カレン?』
俺が声をかけた時にパッとコチラを見たカレンにはさっき見えた気がした儚げな印象は全く見えないいつも通りのカレンだった
「ふふ、どうだった?お兄ちゃん?カレンの生弾いてみただよ〜?」
『ああ、とてもよかった。すごくよかったよ』
「ふふ、ありがと♪お兄ちゃん♪」
鍵盤をピアノに備え付けてあったタオルで拭き、そそくさと帰る支度をする
「改めて今日もお疲れ様、お兄ちゃん!」
『ああ、また明日な。カレン』
「………うん!」 - 9122/01/18(火) 21:11:47
「……作曲はできないけど、カレンなりの方法でいつか捧げてみせるからね」
(Fin) - 10二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 21:18:41
イイ…
- 11二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 21:50:53
そういえばカレンピアノ弾くの得意だったな…
- 12二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 22:13:18
カワイイカレンチャン!
- 13二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 04:55:03
お兄ちゃんがピアノ趣味でカレンチャンも……あっ