- 1二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 18:48:46
週末、午後8時前、本日もアポ無しでシャーレに向かう。
結局年明けから毎週来てしまっている。
最初はサプライズのつもりだったがここまで来るともう日常だ。新しい日常に心が躍る。足が軽い。この時間ならもう当番の子も帰っている。今日も今日とて先生との他愛のない雑談に興じるのだ。
手慣れた手つきでシャーレのセキュリティをカードキーで開錠し、先生がいるであろう部屋に真っ直ぐ向かう。
「こんばんは先生。今日も来ちゃ…ん…?」
先生が机に突っ伏している。駆け寄ってみるとすぅすぅと寝息を立てて眠っていた。
「珍しい…いつもだったら背もたれによっかかって寝てるのに…」
私が夜に訪ねた時に先生が寝ているのは珍しくはない。大量の事務仕事に追われている身だ。仕方がない。でも私が近づいても起きないのは本当に珍しい。
「どうしようかな…」 - 2二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 18:50:09
内なる悪のカズサ「襲いなよ?」
内なる善のカズサ「ダメだよ、普段から襲われちゃうよなんて言ってる手前、襲ったら面目丸つぶれだよ?」 - 3二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 18:51:18
- 4二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:00:49
さあ、この後シャーレの当番でやってきた生徒の運命やいかに
- 5二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:01:53
「は?」
________________
私、百花繚乱紛争調停委員会 作戦参謀の桐生キキョウは多忙である。
この前の花鳥風月部の一件もあり、火災や戦闘で起こった被害に関する諍いや示談交渉などに現在進行形で奔走していた。
当然だがストレスが溜まる。滅茶苦茶溜まる。それはもう幼馴染のレンゲと些細なことでしょうもない喧嘩を多発させてしまうほどに。
しかし、最近の桐生キキョウは一味違う。ストレスの発散先ができた。シャーレの先生だ。
発散すると言っても暴言を吐いたり、暴力を振るったりとそんな野蛮なことは行わない。
いつも見返りを求めない先生からどうやって要求を引き出すか、そのための作戦を考え、実行に移すことがストレス発散になっている。作戦の成否はどうでもいい。この前のバレンタインデーなんかも盛大に空回りして失敗してしまったがそれはそれでよかった。もはや行うこと自体が趣味になりつつある。
「さて、今日は…」
本日は時間ができたのでシャーレに向かっている。先生のスケジュールは把握済み。今日のシャーレの当番は18時には帰っているタイプの生徒だ。今から行けば2人きりになれる。
そう思った次の瞬間にはシャーレの前に着いていた。まだ先生と知り合ってから日は浅いが道を間違えるなどと言うことはもうない。
慣れない手つきでシャーレのセキュリティをカードキーで開錠し、先生がいるであろう部屋に真っ直ぐ向かう。
「こんばんは先生……は?」
先生がいた。否、先生とよく知らん猫耳の女生徒が仲良く並んで机に突っ伏していた。
誰だこの女。今日のシャーレの当番…ではないはず…。不法侵入?違う。それなら寝るなんて迂闊なことはしないはず、多分先生の知り合いの生徒…。 - 6二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:04:32
あっ……
- 7二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:08:11
いや、もうそんなことはどうでもいい。これからどう行動するか考えなければ
①泥棒猫を叩き起こす
→初対面で微妙な雰囲気になる。→❌
②先生を起こす
→おそらく隣で寝ている泥棒猫も先生が起こす。→微妙な雰囲気になる→❌
③見なかったことにして帰る
→負けた感じがして嫌→❌
となると私が取るべき行動は…
泥棒猫を起こさないよう、彼女の体の位置をずらしていく。「うぐぅ」とか不満気な声を漏らしているが起きてないのであれば関係ない。
小一時間格闘してようやく先生と泥棒猫の間に1人分のスペースが空いた。
「これで良し」
椅子を持ってきて座り、隣の2人のように机に突っ伏す。先生の寝顔を見る。間抜けな顔。おかしくなって少し笑い、日頃の業務の疲れもあってそのまま意識を手放した。 - 8二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:08:42
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- 9二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:11:29
またシャーレにカビが生えちゃう…
- 10二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:17:41
春の前の雨シーズンだからジメジメしてますね
- 11二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:20:55
- 12二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:27:11
時計を見ると夜12時を過ぎている。流石に起こして帰らせるには遅すぎる。しかしこのままの体勢だと体を痛めてしまう。なんとか移動させたいが2人とも年頃の気難しいタイプの女の子だ。運搬の最中に起きられたら変態教師の烙印を押されかねない。……まぁ一部の子達からはすでにその烙印を押されてはいるが、それは例外だ。心が通じ合っているからね、特にイオリとはね!…多分。
気配を感じる。明らかに頼ってほしいとの合図だ。色々とツッコミたい気持ちはあるが仕方ない。
"セリナ…?もしかして…いる?"
「はい!先生のセリナです!お呼びですか?」
なんでこの時間にここにいるの?とか、どこに隠れてたの?とか、色々疑問は浮かぶが現状を鑑みると救世主としか言いようがないので今回は何も言うまい。
"セリナ、頼みがあるんだけど…"
「はい!状況は把握してます。この2人を運べば良いんですね!」
"うん…まぁそうだね…"
多分数時間前からいたなこれ…。
"悪いけど仮眠室の方まで運んでもらえるかな?"
「いえ先生、2人とも学生寮まで私が送っておきますよ。」
"……え?"
セリナはそう言うと恐ろしいほどの手際で2人を起こさないように担ぎ上げ、シャーレから出ていった。 - 13二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:30:43
頼りになるなぁ(思考停止)
- 14二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:33:02
力持ちだなぁ
- 15二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:39:35
もうこれ怪異の類だろ
- 16二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:42:59
翌日、トリニティ総合学園学生寮の一室
見慣れた天井だ。違和感。
確か昨日はシャーレに行って、先生の寝顔に悪戯して、そのまま寝たはず…。先生が送ってくれたのだろうか?
悪いことしちゃったな。今度お詫びに美味しいスイーツ持って行こう。
そんなことを寝ぼけた頭で考えていると、ベッドの横の机に見慣れない便箋があるのに気づいた。
「…なんだろこれ?」
_____________________
同時刻 百鬼夜行連合学院 百花繚乱詰所
見慣れた天井だ。反吐が出るほどの違和感。
昨日は間違いなくシャーレで先生の隣で寝たはず。なんでここに…。先生が送ってくれた…?いや、それは多分ない。じゃあ一体何が…?
そんなことを寝ぼけた頭で考えていると、詰所の机に見慣れない便箋があることに気づいた。
「なにこれ…?」
_______________
『杏山カズサさん(桐生キキョウさん)へ
あんまり先生を困らせてはダメですよ?
白衣の天使より 』
「「………」」
「「誰だこの女」」
尾張 - 17二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:44:43
運んだやつ以外誰もどうやって運んだか分からないの普通にホラー
- 18二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 19:53:04
デウス・エクス・セリナ
- 19二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:41:05
セリナはあらゆる場所に偏在するからね
- 20二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:42:52
救護における剛のミネ、柔のセリナ
- 21二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:54:02
- 22二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:54:56
キヴォトス人
- 23二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 20:56:48
やはりセリナの神秘はティンダロス...
- 24二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 21:20:34
おかしいな…湿度高い2人のキャットファイトが起きるやつかと思ったらホラー話だった…
- 25二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 21:51:04
キャットファイトもいいけどね
先生と一対一のイチャイチャが好きなの
それはそれとしてバチバチ寸前の状態から第三者の突入で場が完全に支配されるのも好きなの