- 1二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:50:01
- 2二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:52:16
先生がイオリに絡む時はおかしくなるの、元々先生が覚悟ガンギマリなのもあるけど
イオリがリリス辺りの上級サキュバスの魅了の能力を宿してるからじゃないかなって思ってんだ - 3二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:53:02
荒川のおやっさんじゃないんだから
- 4二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:54:41
指の1本くらい救急医学部に頼めば繋がるでしょ多分
- 5二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:55:44
まあでもこの場面言われてたら実際しただろうし要求が足舐めだけだったイオリって優しいよね
- 6二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:14:49
先生の左手、絶対に外されない革の手袋を見るたびに今でも瞼の裏に見る光景。
毎夜のように夢に見る光景。
私があんなに浅慮でなければ、もう少しでも考える性格であれば、と。
大人が必死になっている姿がその時の私には滑稽に思えてしまい
最近見た映画の台詞を口走っていた「指の一本でも詰めてもらおうか」
そこからは先生がナイフを取り出し、自分の手に振り下ろし、地面に血だまりができるまで
私は、どうせ格好だけだろうなんてタカを括って腕を組んでいた
それが振り下ろされて、ヒナ委員長が焦った顔で先生に駆け寄り
アコちゃんに「すぐに救急医学部に連絡を」と連絡してから救急トラックが来るまで、私は永遠のようで、一瞬の時間を過ごしていた
体感は無限のように感じるのに、私の体は一瞬の出来事のように何もできなかった。
ただ頭からは血の気が引き、胃からは強い酸が逆流してくる感覚に浸されていた。いや、浸っていたのだと思う。
ヒナ委員長が傷口を押さえ、止血しながら何かを叫んでいる姿をただただ、ぼうっと見ていただけだった。
あれから先生は一度も私を責めていない。
それどころか、私と会うときは左手をポケットに入れたり、左側にいたりとその手を見せないようにしてさえくれている。
いっそ、責めてくれれば楽なのに、と私は考える。
いっそ、怒ってくれれば楽なのに、と私は感じる。
それでも先生は「イオリのせいではないよ、むしろおかげでアビドスの皆を助けられたんだ」なんて言葉を軽々しく言うのだ。
頼むから、早く、できるだけ早く、感情のままに「お前のせいだ、お前が悪いのだ」と
罪を断じて罰を与えてはくれないだろうか。
もし、私が選択を間違えなければ、ほんの少しでも考えを巡らせることが出来ていたのなら
私はこの素敵な、残酷なほどに優しい人とどれだけ楽しい時間を過ごせていたのだろうか。
そんな妄想をしながら、今夜もこの丈夫な体の左端に、ライフルを突き付けては引き金を引いていた。
とか、こういうのでいいんですかね? - 7二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:16:06
いい
- 8二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:17:01
まぁ先生は責めないし風紀委員も口外はしないだろうなぁ
- 9二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:17:24
"よおおおく見とけやあああああ!!"
- 10二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:18:06
ちょっと目を離した隙に良質なものが投稿されてる...感謝
- 11二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:19:20
- 12二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:21:30
一刻を争う事態だからノータイムで「分かったよ。」くらいしか言わないで行きそうなんだよな……
- 13二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:23:07
先生、人の為とは言え自分の身体切り売りしては、幸福の王子様になってしまいますよ
- 14二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:42:19
- 15二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:48:20
- 16二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:49:57
安いもんだよ 指の一本くらい
- 17二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:51:53
そうだね、どこかのマンガじゃあ腕一本くれてやったもんね
- 18二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:54:37
キヴォトスならつなげるくらい簡単でしょ
さすがに痕は残るだろうけど - 19二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 20:57:01
学園青春モノで任侠映画始めた......
- 20二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:02:55
ミレニアムの技術でレーザー機能付きの擬指をつけた先生!?
- 21二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:05:58
皮肉にもこの経験が糧になって猪武者っぷりが相当ましになっているため
ゲヘナの一流テロリスト相手への鎮圧成功率が本家イオリよりも格段に上がっているんだ - 22二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:06:44
- 23二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:14:54
ナイフや短刀じゃなくて一応念のために持ってた拳銃かなんかで行うとかできるかな?銃器無知勢だから現実的かどうかはよくわからないけど
- 24二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:16:12
>>14 曇らせを晴らす方法が分からねえよ…これではだめだろうか…
先生は物をよく落とす。左手に持っているものを。
小指がないと、物をつかむ力が大きく減じるのだそうだ。
今日は先生が来ている。ヒナ委員長と先生がゲヘナの治安向上についての話し合いをするのだそうだ。
私は自ら望んで、扉の外での警護を買って出ていた。先生の姿を見ない言い訳だとは分かっている。
ほのかに珈琲の焦げた香りが隙間風に漂ってくる。そういえば、最後に珈琲を飲んだのはいつだっただろうか。
あの件以降、私はすべてを忘れたくて治安維持活動に没頭していた。
今日だって、ヒナ委員長に呼び戻され、アコちゃんに説得されなければ街に繰り出していただろう。
委員長室からガシャン、と派手な音がした。何かのの割れる音と遅れて外からの発砲音。狙撃、それなりの長距離だろう。
私は委員長室の扉を蹴破りながら叫ぶ「狙撃だ!!」
しかし、委員長室の窓ガラスはどれも陽の光以外を通してはおらず、驚いたような先生と、風紀委員達の目が私に向いていた
「ごめんね、イオリ、カップを落としてしまっただけだよ、心配させちゃったね」
先生の右手にはペン、革手袋をした左手は、ティーカップを掲げたようなポーズのまま止まっていたがすぐに頭を掻くように襟首に隠されてしまった
いつかの光景がフラッシュバックし、少しずつ動悸が早くなる。私はもう動けない。
「…もう先生!そのカップがいくらするのかご存知ないのですか!?」
アコちゃんの怒声に張り手をされたように、緊張の糸が弾け、チナツは先生が零した珈琲を拭いに駆け寄る
「不器用なのに、利き手でもない手でコーヒーを飲もうとしちゃったのが悪かったかな」
チナツに拭われるのに照れたように、自分のハンカチを取り出しながら先生ははにかんで見せていた
私の悪い癖が疼く。あの日に後悔したはずの悪い癖だ。そして生まれ持ったそれは抑えられない
「私が!…私が先生の左手になるよ!」
- 25二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:18:11
- 26二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:19:18
素晴らしい・・・素晴らしいSS書きが来てくれた・・・ありがとう・・・
- 271424/02/28(水) 21:21:45
そうそうそういうのいいよそういうのちょうだい!(例の画像
- 28二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 21:32:46
- 29二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:09:14
>>25 こういうこと?
頭を下げるという光景に似つかわしくない剣呑な雰囲気がそこにあった。
噴水の広場という、老若男女が集う場所には似つかわしくない張り詰めた空気だ。
「はぁ?風紀委員に会いたい?おめえ如きが容易く会えるとでも思ってンのか?」
一触即発、いや一指即発であろうか、長銃の引き金には指が掛けられ、今にも先生の頭を打ち抜きそうな剣幕でイオリは捲し立てる
それでも頭を下げて微動だにせずに先生は九十度地面を睨み唇を噛んでいた
「そうだな、土下座して指の一本でも詰めれば…おい、用意して差し上げろ」
白木の塚のドス、同じく白木のゲタが先生の眼下へと差し出され、先生は思わずイオリへと目を向けた
そこには勝ち誇ったようなイオリの笑みが、ニタニタとした笑い顔があった
「指の一本で、約束を守って頂けるなら。」
「出来たなら考えてやるよ」
先生はドスを手に取る。エンコ、自傷というのは想像を絶する覚悟を求められるものだ
先生は左腕を上着から抜き、空になった袖を硬く噛みしめると
ギリギリとおおよそ歯が鳴らせるとは思えない音量の軋む音、ズシリ、とドスが先生の指へと食い込み、両断する
「これで、……風紀委員長に会わせて頂けるのですね?」
「ははは、やりやがった!でも私は"考える"としか言ってないんだけどなぁ」
「楽しそうな事をしているな、アコ」
「い、委員長…?」
「約束も守れねェ女は、風紀委員にはいらねえ。イオリには海か山か赤冬か好きなトコ選ばせてやれェ」
「そんな、ヒナ委員長!?」
「他人のためにエンコ詰められるような始めてだ、おう先生とやら、顔を上げな。」
これちゃんとイオリ曇ってるかな…
SSなんて十数年ぶりに書いたけど楽しいね。でも30行でまとめるのって難しいなって
褒めてもらえてうれしかった。また誰かが求めてて、書いてよさそうな雰囲気の時に来させてください
- 30二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:17:19
待ってくれヒナの作画とか変わってちゃってないか?
- 31二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 08:21:10
アビドス組も相当ショック受けそう
当番とかで先生に同行する時は、左側にぴったりくっつくようにして護衛するんだろうな - 32二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:28:48
この世界線のキヴォトスは任侠すぎない?
- 33二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:39:58
"先生の世界にK.O.は無ぇ 指の1本や2本無くそうが
黒服やカイザーにカシラ取られようがそんなことは構やしねえんだ…" - 34二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:50:00
- 35二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:55:19
“いや、利き手じゃない方のしかも小指にボールペンがあっても使いづらいと思うんだけど……。”
- 36二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:55:47
自分の指を切り取って先生に差し出そうとするイオリ
- 37二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 09:56:56
これ腕一本ならサイコガン装備できたのになぁ…
- 38二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 10:00:57
自分を助けるために小指を差し出したことを知ったホシノ
- 39二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 10:06:56
- 40二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 10:30:05
セナがかっとんでくる
- 41二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 10:30:46
完全に如く世界ですありがとうございました
- 42二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 11:08:10
そんな…せっかく24色切り替え可能なのに…
- 43二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 11:18:00
このレスは削除されています
- 44二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 11:46:47
最初は責任感と罪悪感から無理やり時間を作ってはシャーレに行くイオリ
勿論風紀委員の仕事をやらない訳には行かないので、休む時間は削るイオリ
先生の笑顔を見る度に、とてもなんて言葉じゃ表現出来ないほど痛いだろうに何故か達成感すら感じる笑顔を浮かべていたあの時を思い出すイオリ
長い時間が経って今では「自分がいるのに一人でなんでもしようとして困る、もっと頼って欲しい」とか「先生の行動がヘンタイじみてる」とかの愚痴をちょっと嬉しそうに語るくらい回復したイオリ - 45二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 14:39:48
暴動鎮圧とかの日常業務の最中に怪しい動きをする黒服に出会って何をしていたのか問い詰めるんだけど「銀髪の風紀委員.....。なるほど、あなたがあの......。」と的を得ない答えを返されて困惑してほしい
後にイオリはアビドスの例の騒動に関わっていた要注意人物であることを先生に知らされ「イオリが無事で良かった」と言われるんだけど、そんな相手から「あの」と特筆されるような心当たりがひとつしかない事に気付いて思い悩んでほしい
黒服は黒服で最も守りたい存在に不可逆的に傷付けられた先生のことを皮肉だと思いながら哀れんでいそうだし、イオリに対して軽はずみなことをすると若干の呆れや侮蔑の気持ちを抱いていそうな気がする - 46二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 14:45:53
覚悟と誠意を示すための指なのにくっつけてどうすんだよ
- 47二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 20:47:34
手袋の下の秘密を知った生徒がその経緯まで辿り着いてしまって、「あなたがあの…」って複雑な目を向けられる機会は多そう
- 48二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 20:53:07
イオリ=サキュバスの女王リリス説を取ると先生の変態行為はもちろん躊躇いなく指を詰めたこともイオリの神秘の影響があるということになるが
自分自身に制御できない部分で先生を不可逆的に傷つけたことに悩むイオリもウマそうやね…… - 49二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:13:49
>>48 こういうことだろうか…
先生と共に行動するようになって気付いたことがある。
私と話しをしていると、時折先生の様子がおかしい、と感じる事がある。
「先生、何を見ているんだ?」
「イオリが飲んでるの、美味しそうだな、って。」
今みたいに、少しぼんやりとした目で私を見る事があるのだ。
そういうときに限って、私が言った冗談を何も考えずに実行しようとしたりする。
この前なんて足を見ていたから「何、舐めたいの?」と足を差し出してみると、すぐに舐めようとしていた
未だに先生の手を見ると緊張してしまう私を解すための冗談だろう、と思ってはいたのだが
どうも、他の生徒達への反応を見るに、そういう冗談を言うタイプではなさそうなのだ。
「センセ、時々気持ち悪いこと言うよね」
「…そうかな。ちょっと冗談が過ぎたかな、ごめんね」
そう答える先生の目が、やはり少しぼんやりとしているのだ。
もしかして、今答えを求めたら従ってくれるかもしれない。
「正直に教えて。先生は私のことをどう思ってるの?」
「イオリを見ていると、時々逆らえなくなるんだ。イオリの神秘なのかもしれない。
……何を言ってるんだろうね、私は。軽口が過ぎたかな」
途中まで答えて、先生はハッとしたようにぼんやりとした目をやめる。
頭を振りながら夢から覚めようとするような先生に、口を開けた水入りのペットボトルを渡すと一気に飲み干して、空のペットボトルが返される。
『神秘』という言葉が私の中に引っかかる。キヴォトスの生徒が持つ特殊な力の総称。
私には、私の知らない力がある?それが他人を、先生を従わせてしまっている?そんな考えが私の頭を占領する。
その日から私は、先生に会いに行くのをやめた。
- 50二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:24:16
イオリ曇らせのプロがいるんだが…
- 51二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 10:54:42
イオリをまだ曇らせたいんだ…落とすわけにはいかない…
- 52二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:52:30
保守
- 53二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:31:52
>>6 この後のお話。曇らせと言うのはね、刻み付けないと、だめだと私は思うんです。
私は大人という生き物を信じていなかった。怠惰に子供だからと見下して、傲慢に大人だからと偉そうにのたまう。
それは、私の狭い世界の常識だということを、この日まで私は知らなかった。
私はヒナ委員長に風紀委員会の車の荷台へと乗せられて、救急医学部のトラックを追った。学園まではそんなに時間はかからなかった。
せいぜい、5分から10分といったところだろう。まあ、あの日の私の体感時間なんてアテになったものではないだろうけれど。
学園に着くと、アコちゃんやチナツ、風紀委員会の面々が正面玄関に待ち受けていた。
「イオリ!どういうことですかこれは!これは…大きな外交問題になりかねない事ですよ!」
「アコ行政官、落ち着いて!まずは先生の治療が先決です。」
荷台から私を引きずり降ろそうとする勢いのアコちゃん、それを引き留めて救急医学部のトラックの方へと向かおうとするチナツ
さすがのヒナ委員長も、どうすればいいのか、と息を吸い込んだままに止まっている
「…いいんだ。いいんだよ、これは私の選択だ。私の指くらい無くても支障はない。時間がないんだ。……ヒナ委員長と話をさせてほしい。」
先生が救急医学部のトラックのドアを開ける。その左手には元の色が分からないほどに赤く染まったガーゼが巻かれていた。
セナの肩を借りながらトラックを降りてくる先生、その後ろで瓶を抱えた救急医学部員が降りてくる。
その瓶の中身はきっと切り落とした小指だろう。瓶の中は今の私の瞳よりも赤く、濁った色に染まっていた。
先生がセナの肩を離れて、フラフラとこちらに歩み寄る。ヒナ委員長が気押されている姿なんて見たことがなかった。
「……ええ。…ええ、分かったわ。話を聞きましょう。私は、何をすればいい?」
「助けて欲しいんだ。私の大切な生徒達を。」
まっすぐに、そして純粋に、私たちを見据えたその目には一つの曇りなんてなくて。
その言葉には、私たちを子供と見下す大人の傲慢さなんてものは何一つなくて、
とても高い空を見上げているかのような人を、踏みにじってしまったのだと、私に再認識させた。
「イオリは置いていく。これでは戦えない。部屋で休ませて。」
- 54二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:01:40
>>53のつづき
事の顛末は聞いていた。あの後すぐに、先生とヒナ委員長達はアビドスへと飛んだ。
おかげで、せっかく保存していた指も戻ってきた頃には駄目になっていたらしい。
私はあれから自室を一歩も出てはいない。万魔殿からも、風紀委員会からも謹慎の命が出ていない。
誰もからその咎の連絡は来てはいないが、出てはいけない気がしたのだ。
扉がノックされた。出るのが怖かった。足音を隠してドアへと近づく。
古い建物だからこそ、のぞき窓が無くてもだいたい扉のドアの向こうに誰がいるのか分かるものだ。
その隙間から見える影は、私が知っている誰よりも大きな影だった。
あの光景が甦り、思わずその場でへたり込む。何時間も空になったままの胃は何かを吐きたがって喉が嗚咽を漏らした。
「イオリ。大丈夫!?…ごめん、開けるね。」
何かを床に置く音、ガシャンと金属の束の落ちる音。金属の束を手繰る音。錠が開く音。
そして、扉が開く音と共に、眩しすぎる光が部屋の中に落ちる。
「イオリ、部屋から出てきていないって聞いて…」
優しく伸ばされた手を避けるように、私は後ずさる。
自分が今、どんな表情をしているか、してしまっているかは分かっていた。
怯えた顔、そしてきっと窶れきっているのだろう。髪だってボサボサだし、服だってボロボロだ。
そんな私を見かねたように、先生が手を伸ばすのをやめた。
振り返り、部屋から出ようと足を進める。その行動に私は少しだけ安心をしていた。
しかし、先生は扉の前から何かを持ちあげて、またこちらへと向かってくる
私は逃げるように、壁際まで下がってゆく。ドン、と背中が何かに当たり頭上から本が降り注いだ
先生はそれに驚いたようにこちらへと手を伸ばしかけたが、諦めたようにそれをやめ手に持った何かをテーブルに置き部屋を去った
それが食事であったと気付いたのは、何日も食べていなかった私への気遣いあったことは、それが腐り異臭を放つまで気づけなかった。
- 55二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:03:57
はい。すみませんここまでが書きたかったことです。
スレ主さん、場所をお借りいたしました。ありがとうございました。
たぶん色々まだ書けるとは思いますが
以降はたぶん曇ったり晴れたりと、スレの趣旨とは違うのでいったんここまで書かせていただきました。
とても楽しかったです。ありがとうございます。
ハートつけてくださった方もありがとうございます - 56二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:11:24
スレ主ではないけど、こちらこそありがとう。とても良いものを見せてもらった
- 57二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:51:10
赤く染まった瓶ではなく先生の目を見て自らの行いを再認識するのが素晴らしい
とても良い文章を読ませて頂いた事に感謝します - 58二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:59:22
ああ。ミスってる…すまない…イブキになりながら書いたから…
誤>>それが食事であったと気付いたのは、何日も食べていなかった私への気遣いあったことは、それが腐り異臭を放つまで気づけなかった。
正>>それが何日も食べていなかった私への気遣いあったことは、優しく暖かい味のはずだったそれが腐り異臭を放ち始めたあとのことだった
- 59二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 03:09:29
「見て見てイオリ!」
それは、先生の左手だった。相変わらずに革の手袋をした左手。
いや、厳密に言えば、少しだけ違うのは、私とお揃いの手袋だということだ。
私はもう、竦まない。
「なに、センセ。いつも通りじゃん」
「ほら!」
先生が勢いよく手袋を外すと、そこにはなくなったはずの小指があった。
驚きすぎて何も言えずに、口をパクパクとさせていると先生はしたり顔で語り始める。
「ミレニアムのエンジニア部に作ってもらったんだよ。義指なんだけどね
見てよ、ボールペンにもなるんだよ。それも24色に切り替えられるし、替え芯にも対応してる。」
先生が代わる代わる見せてくる機能はおおよそ義指に必要のなさそうな機能ばかりだ。
缶切り、電話、Bluetooth接続、タッチペン、レーザーポインター、自爆装置
そして、挙句の果てには、私の手からクラックショットを取り上げて、ライフルドリルまで決めて見せる。
「待ってよ、自爆装置!?」
クラックショットを取り返して、物騒な機能について尋ねるが先生はやはり、したり顔
「それじゃあ私(左手)はお役御免って事かよ」
「これからも、頼りにしているよ。イオリ」
「……おう!」
それは、私の心が曇り、晴れ渡る青空になるまでの物語 - 60二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 14:47:07
このレスは削除されています
- 61二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:20:40
先生の切断された小指の義指を自分の手で作れないかと独学で学んで試行錯誤した結果、部屋が失敗作の義指だらけになっていそう
イオリ自身も部屋にいる時は取り憑かれた様に義指を作っているせいか濃い隈が出来ていて肌艶も悪くなっている - 62二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:55:35
何とか完成させた義指を握りしめて先生に会いに行くとミレニアムのエンジニア部に先を越される
不格好な出来の義指と目に見える形での償いを求めていた自分が恥ずかしくなって、嬉しそうに24色ボールペンを披露する先生の顔を直視できなくなってしまうんだ
義指イベントもタイミングによってはイオリを追い詰めてしまいそう…
- 63二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 11:44:06
このレスは削除されています
- 64二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 20:59:15
このレスは削除されています