- 1スレ主24/03/02(土) 23:27:18
- 2スレ主24/03/02(土) 23:43:09
玲王「…」
凪「…ダメだった?」
露骨に首を傾げてそう言った凪は、短い時間ながらも今までの経験上、優しい玲王なら可愛く甘えれば許してくれるだろうと思っていた
しかし、玲王から飛び出した言葉は凪の予想とは全く違っていたのである
玲王「ばっかやろう」
凪「…え?」
玲王「どーすんだよ、これ…」
凪と普通のプリクラを撮ろうと思っていたのに、騙し討ちのようにキスをされて
挙句にその様子はしっかりと綺麗に画像におさめられていた
玲王「(コイツ、最初からそのつもりで帽子取ってたのか…?)」
あの時、凪が被っていたキャップを取って向かい合わせにしてきた時点で、違和感に気付くべきだったのに
顔だけではなく、耳から首筋までを真っ赤にした玲王が少し潤んだ瞳で凪を睨みつける - 3スレ主24/03/02(土) 23:45:36
玲王「…もうやだ、帰る」
凪「は?まだ途中じゃん。ちょっと待ってよ」
結果、またしても凪の良いように流されてしまった
その事実に居た堪れず、その場を去ろうとする玲王の腕を凪が掴んだタイミングで、空気を読まない能天気な機械の音声が流れてくる
『撮影終了だよ〜!らくがきコーナーに移動してね』
玲王「…」
凪「あっ、らくがき?だって。なんかおもしろそーだよ。せっかくだし、見るだけ見よ?」
勿論、凪はらくがきなど1mmも面白そうとは思っていない
しかしここで玲王に帰られては、せっかくのデートが終わってしまう
機嫌を損ねた玲王の背中をさすってなだめ、凪はなんとか玲王と一緒に外のらくがきブースへと移動した - 4スレ主24/03/02(土) 23:53:13
『印刷する画像を選択してね♪』
凪「え…何コレ、全部選べないの?」
らくがきブースで付属のタッチペンを持った凪が、表情一つ変えないままで途方に暮れていた
どうやら印刷用に選択できる画像は各々一枚だけらしい
玲王「…さっきのやつ」
凪「え?」
玲王「コレ、お前が俺の口にキスしてるやつ選んだら…ころすから」
薄っすらと涙目になってしまっている玲王が、タッチペンで例のチュープリを差しながら、物騒な視線を凪に送る
凪「いや、『ころす』って…プリクラくらいで、いくらなんでも大げさすぎない?」
玲王「プリクラくらい、じゃねぇ。やだって、こんなの残すなよ。デジタルタトゥーの怖さを知れっ!」
冗談などではなく、玲王は本気で怒っているようだった
しかし、その言葉の内容は違う意味で凪に響く
凪「デジタル…?もしかして、これって画像保存とかできんの?」
玲王「あ」
余計なことを言ってしまった、と玲王が慌てて自身の口を押さえるも時すでに遅し
凪は筐体に貼られている案内を見て、全てを理解していた - 5スレ主24/03/03(日) 00:02:53
凪「…ほんとだ、画像全部ダウンロード出来るんだね。『QR読み込んでアプリから保存』て書いてある」
他者と交流せずSNSも利用しない凪は、プリクラのメインがデータであることなど知らなかった
玲王「…」
要らない知恵を付けてしまった、と玲王が再び沈黙する
先程から玲王の心の中には自己嫌悪の嵐が吹き荒れていた
凪「心配してんの?」
玲王「…何が」
凪「大丈夫、俺が一人で楽しむだけだから。誰にも見せたりしないよ」
玲王の可愛いキス顔を他の奴らに見せるワケがない
それを見て良いのは、世界中で自分ただ一人だけだ
しかも、自分のキス顔まで見せるような趣味も凪にはなかった
玲王「そーいう問題じゃねぇだろ…」
凪「つーかマジでヤバいよね、プリクラって。玲王目ぇデカくなりすぎて別人じゃん…あ、でも加工外せるみたいだよ?」
玲王「おい、誤魔化すな!」
らくがきの画面に表示された画像を見て、玲王の顔の良さが加工により半減されていることに不満を露わにしていた凪が、可愛く綺麗に盛るために開発された最新鋭の加工技術を躊躇いなくオフしていく - 6スレ主24/03/03(日) 00:06:07
凪「ほら、やっぱ玲王は元の方が可愛いよね…って、俺の話聞いてる?」
玲王「人の話聞いてないのはお前だろ」
先程から凪のペースになっていることに、玲王は警戒し始めていた
凪「…ごめんね、玲王。急にチューしたの怒ってんの?」
玲王「だから、急とかじゃなくて、するって宣言してても許してねぇよ」
周りから隠された場所とはいえ、公共の場で口へのキスだなんて
元の凪にもそんなこと易々とはさせていなかったのに
玲王「…」
こんな遊びの延長みたいな感じで軽くキスされてしまったことで、自身の危機意識の低さとか、固く守ってきた貞操観念だとか、他にも色んなものが欠如してきているのでは、と玲王は落ち込む
玲王父『今まで玲王に近づく輩は過剰なほど徹底的に排除してきた…玲王が気付かないうちに、ばぁやに頼んで相手に手切れ金を渡したこともある』
玲王『えー、いつだよそれ?』
玲王父『お前が気にしなくてもいい男だ』
玲王父『だからこの子は、17にもなって付き合うことの意味もよくわかっていない子に育ってしまったのかも知れない』
玲王「(やっぱ、過保護すぎだろ。父さん…)」 - 7スレ主24/03/03(日) 00:16:58
凪「…」
玲王『だーかーらー、さっきのあれは忘れろ!もうお前とはキスしないから』
凪『…あっそ』
凪「…だよね。先に言おうが言わまいが、玲王は俺とはもうチューしないって言ってたもんね」
玲王「はぁ?…つーか、お前好きな子いるんだろ?こんなコト、誰とでも簡単にしたらダメだろ」
そんな人として当たり前のことまで教えなきゃいけないのか
まるで今まで色んなことを教えてきた凪への、子育てのやり直しだ、と玲王は軽くため息を吐く
凪「…いや、こんなの、誰にでもするワケないじゃん」
玲王「ハハ、たしかに?ホントに好きな子相手にこんな軽いコト…フツーは出来ねぇよな?」
凪「え」
玲王は幾らか自虐的にそう言ったものの、この凪から自分は『何をしても良い相手』くらいにしか思われていないのだろうか、と胸が痛んだ
玲王「さ、らくがきしよーぜ。タイムイズマネー!」
凪「…玲王さ、またなんか誤解してない?」
凪『あと、さっき俺が食べたくないって言ったの…アレ、冗談で言ったんだけど』
玲王『そーなの…?』
凪『うん…だから、誤解しないでください』
凪は、自分の言動によって、また玲王に誤解を与えているのでは、と心配になった - 8スレ主24/03/03(日) 00:34:32
玲王「(誤解?)あ、ちなみにらくがきでも絵はもう描かねぇからな!次はちゃんと、プロに習ってからだ!」
たとえらくがきと言えど、負けず嫌いの玲王は凪の前で絵を描くのを拒否する
凪「えー。玲王の描くぼのぼのさん、味があって可愛いのに」
玲王「っ、ホラ!やっぱそう言ってバカにすんじゃん。ぜってーやだ」
凪「別にバカにしてないって。じゃあ、俺の玲王への気持ちを文字にするね」
そう言って、凪は黒一色のシンプルなペンで文字を書いていく
『玲王大好き』
凪「はい、出来た」
玲王「…お前なぁ」
どれだけ甘々カップルなプリクラに仕上げたいのか、と玲王は呆れた目で、自分より少し高い位置にある凪の横顔を見上げる
凪「これが俺の、今の気持ちだから」
玲王「…また」
凪がキスや言葉にして、自分へ想いを伝えるようなことをすればするほど、そこに真剣な気持ちなどまるで存在し無いような気がしてくる
好意というのは、その想いが強ければ強いほど、伝えるのにも凄く勇気が必要なことを玲王は知っているからだ - 9スレ主24/03/03(日) 00:38:00
玲王「…」
玲王『…大好き』
凪『…!』
玲王『って、…言った』
玲王『…初めて人に言ったから』
玲王『俺が人に「好き」って言うのは、お前が初めてだから』
玲王『凪、お前のことが…スゲェ好き、大好き』
あの時、波打ち際で掠れた声を震わせながら凪に告げた三文字と、今ここに落書きとして書かれた三文字が、同じ想いの強さだとは玲王には到底思えなかった
こんな簡単に伝えられる想いなど、相手にどう思われても平気だから言えるんだ、と玲王は考える
でも、それも仕方のないことなのかも知れない
この凪とは昨日出逢ったばかりなのに、記憶をなくした凪に自分から一方的にキスをしてしまったせいで、その後もなし崩しに関係を進めてしまったのだから - 10スレ主24/03/03(日) 00:48:35
お互い本気で好きでもないのに、恋人同士のように距離を近くしてしまったのは全て自分の責任だ、と玲王は一人反省していた
玲王「つーか…お前、ちゃんと俺の名前の漢字、覚えてくれてたんだな」
凪『…どんな字、書くの?れおって』
玲王『左が王様の王に、右が命令の令。それに、王』
凪『ふぅーん。似合ってるね、玲王』
凪「…そりゃ、あの時車の中で玲王に直接教えてもらったから。ちゃんと覚えてるよ」
玲王「そっか」
凪「だから、玲王も俺とのこと…忘れちゃダメだよ」
玲王「…?」
凪「ねぇ、玲王からも…俺の気持ちに返事書いて?」
凪くんの想い、玲王には真剣に受け取られていないみたいだけど…
玲王は凪からの『玲王大好き』に対して、プリクラになんと返事を書いた?
玲王の返事を下3レスから🎲 - 11二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 01:22:16
待ってましたー!!
「俺の宝物」で - 12二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 09:13:34
俺も好き
- 13二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 11:50:46
俺の宝物
- 14二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 12:15:30
リセマラしながら待ってました
- 15スレ主24/03/03(日) 20:26:52
- 16二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:34:03
宝物かー
- 17二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:31:27
楽しみに待ってました〜!
おうちデート楽しみ - 18二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 10:05:31
保守
- 19二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 20:04:18
ほしゅ
- 20二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 22:42:51
🌵
- 21二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 08:27:30
ほしゅー
- 22二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 17:29:53
🌵
- 23スレ主24/03/05(火) 18:59:27
玲王「お前への、返事?」
凪「うん」
玲王「…わかった」
言葉に少し間を空けて、意を決したように玲王が画面にスルスルとタッチペンで文字を書き綴っていく
『俺の宝物』
凪「…何、これ?」
書かれた文字に納得のいっていない凪が、玲王に質問した
玲王「何って…ちょっと達筆すぎたか?これは、『お、れ、の、た、か、ら、も、の』」
子どもに言って聞かせるようにして、玲王が一文字ずつゆっくりと声に出して凪に教えてやる
凪「いや、文字が読めないんじゃなくてさ…どういう意味なの?コレ、って」
告白に対する返事が『宝物』というのは、一体どういうコトなのか
もしや、御曹司流の遠回しで意味深な、洒落たレトリックか何かなのか…?と凪は頭を捻るが、もちろんその言葉に他意はなかった
玲王「何って、俺も凪のこと好きだよ?大好き」
凪「…ホントに?」
今までいくら自分が人の心に関心がなかったとはいえ、玲王のその言葉には重さが感じられず、凪は疑うようにして聞き返す - 24スレ主24/03/05(火) 19:12:02
玲王「だから、お前は大事な『俺の宝物』なの。俺の宝物になったコトを、誇りに思うのだ!」
凪「いや…その、物、とかじゃなくてさ。もっと…」
玲王が何の悪意もないようなキュルンとした曇りのない澄んだ眼で凪を見つめるので、凪はそれ以上何も言えなくなってしまった
凪「(…もう、いいや)」
自分なりの告白のつもりだったのに、玲王にまったく真面目に受け取られていなかったことに凪はショックを受け、玲王に気付かれないようにして軽いため息を吐く
そして、印刷の待ち時間にQRコードを読み取り、ファイルにダウンロードしたプリクラ画像を玲王のスマホへ共有した
玲王「いや、画像送ってくんなよ。いらねえって」
凪「は?…傷つくなぁ、俺と玲王の記念すべき初プリなのに」
信じられないものを見るような暗いジト目で、凪が玲王を見つめる
玲王「だって…どーすんだよ?コレ」
凪「いいじゃん。強烈すぎて忘れたくても忘れられないでしょ?このプリクラは、玲王に俺とのことずっと覚えててもらうために撮ったんだから」
玲王「はぁー?別にんなコトしなくても、お前のことは忘れたりしねぇって」
お前と違ってな、と玲王は凪の肩を突きながら笑って冗談のように言うが、凪は「自分が去った後、元の自分へのちょっとした当てつけで撮った」など、そんな子どもっぽ過ぎるもう一つの理由はとても玲王に言うことは出来なかった - 25スレ主24/03/05(火) 19:24:02
凪「そうだ。せっかくだから、この画像待ち受けにしてよ」
玲王「なんで?」
凪「なんでって…玲王が俺のものだって、周りに見せたいから」
天気と株価のチャートしか表示されていない玲王の合理性を極めたようなスマホの待ち受けを、自分とのプリクラ画像にしてくれ、と凪が頼む
玲王「そういう独占欲出すような事…お前はしないタイプだと思ってたんだけどな」
凪「何?元の俺は、こーいうコトよくしてたの?」
玲王「んー…つーか、アイツはもうめちゃくちゃだったよ。すぐ他の奴を牽制してマウント取るし、人前でイチャつこうとしたり、屋上からビラ撒いたりとか…?とにかく、マジで手のかかるめんどくさ赤ちゃんだから」
そう言いつつも、プハッと玲王が思い出したように笑う
凪「ビラ?赤ちゃん??」
玲王から出る単語のインパクトに、凪の頭の上に疑問符が並んだ
玲王「他にも、『レオの隣に座らないとバス酔いしちゃう病なんです』って見え見えの嘘ついて先生にゴネて、合宿のバスの出発が30分遅れたりとかしたな」
凪「ほぇー…」
元の自分は、玲王から話を聞く限りどう考えてもヤバい奴だ
そんな奴のどこを好きになったの、と凪は思わず聞きたくなる - 26スレ主24/03/05(火) 19:37:41
それでも、優しい瞳をしながら元の自分とのことを楽しそうに思い出しているのだから、困った思い出よりも好きの思い出の方が勝っているし、そんな手のかかるところさえも玲王は心から元の自分のことを愛しいと思っていたのだろう
凪「…ねぇ、チューしてる方の画像、玲王のスマホの待ち受けにしてよ。しかも、ホーム画面じゃなくてロック画面ね」
それならば、自分だって玲王に少しワガママを言ってみようか、と凪は玲王の気持ちを確かめるような願いを口に出す
玲王「はぁ?お前…キスプリ待ち受けにしてたら、俺完全に頭イカれた奴だろ」
凪「そんなコトないって。ねぇー、お願い。とりあえず今日一日だけでもいいから待ち受けにして?」
今日だけなら、俺以外に誰にも会わないから良いでしょ?と凪がきゅるるん顔をしてダメ押ししてきた
玲王「えー…じゃあ、せめてもっとまともな方の画像にしよーぜ」
しかし、まともな方と言っても他にあるのは顔が見切れたハグ、バックハグ、バックハグからのほっぺにチューしかない
どっちもどっちなのだが…しかも、凪はチュープリじゃなくても納得するのか?
結局玲王が待ち受けにしたのは、四枚のうちのどの画像?
下3レスから🎲 - 27二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 20:25:31
バックハグからのほっぺにチュー
- 28二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:55:01
バックハグからのほっぺにチュー!
- 29二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 08:15:11
バックハグ
- 30スレ主24/03/06(水) 17:01:14
- 31二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:08:52
事後玲王えちえちだ〜漫画もめちゃくちゃ可愛いです
スレ主お大事にしてね… - 32二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:35:59
スレ主お大事に💊あんまり無理しないでね
- 33二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:37:43
しっかり療養してねスレ主
- 34二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 07:27:59
元凪くん嫉妬する所見たいですねぇ
- 35二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 17:41:53
前髪あり玲王良いよね
- 36スレ主24/03/07(木) 19:35:09
凪「まともって…どーいうコト?」
玲王「いや、訂正する。マトモな画像なんて、この中に一つもねぇんだったわ」
プリクラ画像をスクロールしながら、玲王が渋い顔をして待受候補を吟味する
玲王「バックハグが一番マシか…?いや、顔が見えてないやつの方が…」
凪「何ブツブツ一人で悩んでんの。じゃーコレにしてよ。玲王が『俺の宝物』って書いてくれたやつ」
横からスマホを覗き込んだ凪が、バックハグからのほっぺにチューの画像を指差す
玲王「えー、これは二番目にヤベェやつじゃん…」
凪「いいじゃん、別に。今日一日だけなんだから」
今日一日だけ。それならば、今日は凪以外と会う予定も無いし、誰にも見られないなら良いか、と玲王はその画像をスマホのホーム画面に設定してみる
玲王「…ぶはっ。いや、無理無理!こんなのマジでバカップルみてぇ」
満更でもない様子で、玲王がスマホの画面を見て笑う - 37スレ主24/03/07(木) 19:37:57
玲王「これで、独占欲は満たされましたか?ダンナ」
凪「えー、全然足りないんだけど」
玲王「お前なぁ…俺にここまでさせておいて」
揶揄うように凪に訊いた玲王は、全然足りないという凪のその返答に呆れた顔をする
凪「何言ってんの、チュープリの待ち受けとかフツーでしょ。もっと楽しまなきゃ。だって、こんなの出来るの高校生のうちだけだもん」
玲王「まぁー、お前が言うことも一理あるか?それに、凪との写真って貴重かもな」
そう言って、玲王は自身のスマホのカメラロールを遡って見るが、凪の写真はサッカーのプレー動画や記事のスクショくらいで、プライベートで撮ったものはほとんど見つからなかった
いつも凪に撮られてばかりで、自分は凪の写真をほとんど撮ってなかったことに玲王はようやく気付く
玲王「…あ」
その中で唯一プライベートの凪を見つけたのは、ディ◯ニーで撮ったあのイタズラ写真
玲王「(これ…ショーを見て寝ちまったアイツの上に、ジェラくんとルーちゃんを乗せて撮ったんだよな…)」
凪「何見てんの?」
スマホの画面を眺める玲王の横から、凪も再びヒョイッとその画面を覗き込んだ - 38スレ主24/03/07(木) 19:40:34
凪「え、コレ俺じゃん」
玲王「…そーだよ」
凪「…」
幸せそうな顔をして眠る自分の上には、互いに贈り合ったという、あのぬいぐるみ二体が乗せられていた
凪「…思いっきり寝てるし。何?玲王って隠し撮りが趣味なの?」
元の自分の写真を見て優しい目をしている玲王を見るのが面白くなくて、凪はつい嫌な言い方をしてしまう
玲王「ちげーよ!これはディ◯ニーでショー見た後に凪が寝ちゃってたから、ほんのイタズラでさ…」
玲王『俺といるのつまんない?』
凪『つまんなくない!!むしろ安心しすぎて寝ちゃったっていうか…ごにょごにょ…』
玲王『何?』
凪『いや、レオと手繋いだら安心して眠くなっちゃったんだよね…』
玲王『はぁあ?』
玲王「…」
好きな相手の一挙手一投足に翻弄されていたのは、凪だけではなく玲王も同じだった - 39スレ主24/03/07(木) 19:45:51
玲王『俺は、どうしたら凪にもっと好きになってもらえるか、どう甘やかしたら凪が喜んでくれるか。無表情なアイツが頭ん中で何を考えてるのか、とかさ…。目がいっつもよりキラキラしてるから今は嬉しいのかなー、いつか、コイツも俺の前で笑ってくれんのかな、とかって…寝ても覚めても、ずっと凪のこと考えてる』
玲王「凪…」
凪「…」
玲王が口に出して呼んだその名前は、恐らく自分に対するものではなく元の凪に向けられたもので
玲王が元の自分を想って感情が揺れる時、凪は面白くないような気になっていた
カタンッ
印刷されたシールが取り出し口に出たのを、窮屈そうに身を屈めながら凪が取り出す
凪「玲王、見てー。シール透明だよ?凄くない?」
話題を変えようとした凪が、玲王にプリクラを渡した
玲王「ホントだ。スゲェな…スマホのケースに挟んどけ、ってコトかな」
スケルトン仕様になっているプリクラを天井の光に翳した玲王が、眩しそうにしながらそれを見つめる
玲王「とりあえず半分こにしとくか」
切り取り線のところでパキッと二つに折ったプリクラの片方を、玲王が凪へと渡した
玲王「これ、他のやつに見せたらダメだからな」
凪「うん、わかった。俺と玲王だけの秘密ね」
玲王「ハハ、そーいうコト」
そして二人は、プリクラ店から出て街をブラブラと歩き始める - 40スレ主24/03/07(木) 20:13:26
玲王「…この後はどうする?外さみーし、手袋でも買いに行くか?」
隣を歩く玲王が、上目遣いで凪の顔を覗き込んでくる
道行く人達はひいき目なしにみんな玲王を見ているし、何度見ても本当に綺麗な顔で、自分がこの人と付き合っていたなんて凪は未だに信じられないような気持ちだった
そして、そんな玲王が自分と過ごす一日、何をしようかと考えてくれているのを見ていると、凪は幸せな気分になるのと同時に、ずっと続けば良いと思うようなこの時間を失いたくない気持ちがどんどんと強くなっていく
凪「…手袋?」
玲王「とか、なんかいるもんねーの?だって、お前とこんなにゆっくり過ごせるなんてさ」
普段ねーじゃん、と玲王が言う
自分と過ごす時間を玲王が心から楽しそうにしてくれているからか「俺とこんな風に過ごせるのは、これが最後かもね」なんてこと、言える雰囲気じゃなかった
手袋を買っても、今の俺にはきっと必要無くなるから要らない、だなんて
玲王が悲しむようなそんなことは、とても言えない
凪「…」
そして、少し考えた凪は玲王に向かってそっと手を差し出す - 41スレ主24/03/07(木) 20:35:41
凪「俺の手が冷たかったら…その時は、手袋じゃなくて玲王が手ぇ繋いであっためてくれたら良いじゃん」
玲王「は?」
急に凪から手を差し出されてそんなことを言われたから、玲王はどうしたものかと面食らう
玲王「…んなの、俺がいない時はどーすんだよ」
凪「いない時?…そんな時、あるの?」
玲王「いや、だって…」
自分と二人でいることを疑いもしないような凪の真っ直ぐな瞳に見つめられ、玲王はたじろぐ
玲王父『絶対?断言はするな、と普段から言ってるだろう』
玲王「…そんなの、わかんねーじゃん…」
冷静に考えてみれば、自分と凪はいつまでこうして一緒にいられるのだろう
お互いプロになれたとして、同じチームに入れるかも分からない
そして、父親からの反対だってある
この先も絶対ずっと二人が一緒だと断言するようなことは、玲王は言えなかった
凪「どうしたの?」
玲王「あ、いや…お前といつまで一緒にいられんのかな、って。ちゃんと考えたことなかったからさ」
凪「考えたら、不安になった?」
玲王「そりゃ、まぁ…」
凪「玲王も俺と同じキモチなら、大丈夫だよ」
玲王「え…?」
キッパリと断言する凪に、玲王は驚き聞き返す - 42スレ主24/03/07(木) 20:40:43
凪「二人でいたいなら、ずっと一緒にいたらいいじゃん」
玲王「お前、んなカンタンに言うけどな…」
凪「人のこととかいいからさ、玲王がどうしたいかを教えてよ」
凪『ね?そんな難しく考えないでー。アタマでばっか動いてたら、本当に玲王がしたいコトわからなくなっちゃうよ』
玲王「…それは、だから…俺も、お前と一緒にいたいよ」
凪「ね?だったらいてよ、一緒に。だからホラ、手ぇ繋ごー?」
あっためてー、と凪は玲王に向けて手を出して、子どものように甘える
しかし、人前で恋人っぽいことをすることは玲王には躊躇われた
玲王「いや、さすがにそれは…」
人目を気にして凪と手を繋ぐのを拒否する玲王の言動は、凪にとっては、やはり本命ではない自分とは恋人のようなことをしたくないのか、といった誤解をあたえてしまう
凪「…玲王」
玲王「ん?」
凪「さっき話した、俺の好きな人だけどさ」
玲王「…お、おう」
誰かに対して特別な関心も感情も無かった凪から恋バナを持ちかけられるなんて
今更どんな心境で聞いてアドバイスをすれば良いのか、と玲王は思わず身構えた - 43スレ主24/03/07(木) 20:44:33
凪「俺の、片想いだよ」
凪「今はね」
凪『でも、その好きな人には、俺じゃない好きな人がいるんだよ』
玲王「あー…お前、言ってたもんな。その子には、他に好きな人がいるって」
凪「うん。でもさ、やっぱ玲王が言ったとおり『好きな人のことは、諦めたくても諦められない』と思う」
玲王「うん…まぁ、そうだろうな。本当に好きなら」
玲王『当たり前だろ!最初から諦められるくらいなら、それってホントに好きじゃねーと思うし、俺は欲しいものは全部手に入れる男なの』
玲王「…」
あの時、玲王は自分から凪にそう力説したものの、実際無関心の塊のような凪がそんなに強く想いを寄せる相手が存在していることに胸の奥がズシリと痛むのを感じた
凪「だからさ、その人と上手くいくように…玲王が俺に教えてくれない?恋人っぽいこと」
そう言って、凪は再び玲王の前に手を差し出す
微妙に想いがすれ違っている二人
玲王は、凪に「恋人っぽいことを教える」という名目で手を繋ぐことを許す?下3レスから🎲 - 44二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 20:56:17
そういうのは練習とかしないで好きなひととやるもんなのということで繋がない
- 45二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 22:05:28
……手繋ぐのだけだぞ
- 46二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:01:40
無言で恋人繋ぎする
- 47二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 08:23:14
記憶取り戻して消えちゃう前に、片思いの相手が誰かはっきり伝えたほうがいいと思うよ…
- 48スレ主24/03/08(金) 17:24:24
- 49二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:20:37
記憶無くても凪は凪だからね…
あとバカップルプリとってもかわヨです - 50スレ主24/03/09(土) 00:47:06
玲王「……」
玲王「…ハァー」
しばらくの沈黙の後、玲王は地面を見つめて深いため息を吐く
凪「…」
その様子を見た凪は、表情にこそ出さないものの、自分と手を繋ぐのがそこまで嫌なのか、と密かにダメージを受けていた
玲王「…ホラ」
凪「え」
玲王「……手繋ぐのだけだぞ」
どこか怒ったような、照れたような
そして、少し困った顔をした玲王が、凪に向けて手を伸ばす
凪「う…うん」
そう言って、凪はハッキリとは感情が読めない玲王の表情と、差し出されたその手とを交互に見つめた
さっきは自分からバックハグも、キスもした
なんなら昨夜はこの綺麗な手に自身のものを触らせて、もっと凄いことまでしていたのに
今更、どんな顔をして恋人達がするように玲王と手を繋げば良いのか分からず、凪は自分の手の平に汗をかいたりしていないだろうか、と自身の手を見つめて、思わず手を握っては開いてを繰り返した - 51スレ主24/03/09(土) 00:51:48
玲王「…なぁ、手、繋がねーの?」
凪「あ、ゴメ、つなぐつなぐ」
玲王の気が変わってしまわないうちに、と凪は慌てて玲王の手を握り込むが、自販機超えの高身長、そしてお揃いの服を着た二人が、明るいうちから往来でそうしているのはどうしても人目を引いてしまう
玲王「…やっぱ、目立つよな…さすがに、街中じゃ」
凪「そう?」
凪自身は人目などまるで気にしないのだが、玲王の表情の変化には敏感だった
せっかくお許しをもらった玲王との手繋ぎデートのチャンスを、簡単には失いたくないのだ
凪は玲王の手を握り込んだまま、自分のジャケットのポケットにスポッとその手を入れる
凪「これならどう?周りからあんま、わかんない?」
玲王「…んー、いや、どーだろうな…」
苦笑いのような、相変わらず読めない、不安げな表情をした玲王が、ポケットの中に入っている二人の手を見つめる
凪「…?玲王は、俺と付き合ってんの周りに内緒にしてたんだっけ」
玲王「そりゃ…一応、な」
玲王『だって、有名人はお前だからな』
凪「…それって、俺が有名人、てヤツだから?」
玲王「…まぁ、それもあるけど…」
凪「?」 - 52スレ主24/03/09(土) 00:54:50
いつもなら途切れなく、テンポの良い会話を進める饒舌なはずの玲王が、先程から言い淀んでいる
そんな様子を目にするのは珍しいし、恐らく誰にでも見せる姿ではないのだろうと思うと、凪は今の玲王の顔ももっと見ていたくなったのだが、玲王のその表情は心配になるほどにどんどんと曇っていってしまう
凪「玲王…?」
凪『二人でいたいなら、ずっと一緒にいたらいいじゃん』
玲王『…それは、だから…俺も、お前と一緒にいたいよ』
凪『きっと俺、アンタに合わせてスゲー我慢してたよ。だからもし記憶が戻ったらさ、よくガマンしてたな、って、もっと褒めてあげてよ』
玲王『お前に言われなくても…褒めてたよ』
凪『あと、いっぱい、甘やかしてあげて』
玲王『甘やかしてた、って』
玲王「…」
玲王は、自分は本心では凪と一緒にいたいと思っているのに、二人の先の、未来のことばかりを考えて、凪の今の気持ちや自分自身の本当の気持ちにまで蓋をして、それらを蔑ろにしてしまっていたことに思い当たっていた
玲王「(あーもう…ダセェな、俺。マジで…なんも大事なコト、わかってなかった…)」 - 53スレ主24/03/09(土) 01:01:32
凪『何言ってんの、チュープリの待ち受けとかフツーでしょ。もっと楽しまなきゃ。だって、こんなの出来るの高校生のうちだけだもん』
外でのキスも、人前で手を繋ぐことさえも
恋人の凪には一つも許していなかったのに
今更になって「凪との今を楽しむ」という一番大事なことに、玲王は気付いた
玲王「(ごめんな、凪…)」
そして、隣にいる凪に対しては、恋人ではないのにどうしてこんなにも好きにさせてしまうのか
玲王『何、お前、もしかして…好きな子、いんの…?』
凪『うん…いるよ』
それは、この凪には、自分以外に好きな人がいるから
凪『だからさ、その人と上手くいくように…玲王が俺に教えてくれない?恋人っぽいこと』
「その子と上手くいくように、俺に練習台になれってことかよ?」
普段の自分であれば、それくらい茶化して、気安く凪に言い返しているはずだ
なのに、それを言えなかった - 54スレ主24/03/09(土) 01:04:49
「よそ見すんなよ、俺だけいたら十分だろ」
「つーか、男でも女でも俺以上にスペック高くてお前のこと惚れさせるやつって、どんなやつなんだよ?」
玲王「(…ヤバい)」
凪に他に好きな人がいると聞いてから、胸の奥に湧き上がってくるのは経験したこともないくらい黒くて醜い感情ばかりだった
もし思うままに口を開けば、自分の口からどんな言葉が飛び出してしまうか分からない
凪の部屋に未開封のゴムの箱があった時でさえ、勘違いしてあれだけ嫉妬したのに
玲王『なぁ…お前、女いるだろ』
凪『おまっ、ちょ、何勝手に見てんの!?』
玲王『勝手に?お前が俺に袋の中のモン冷蔵庫に入れていいって言ったんじゃねーか!すげぇな凪。こーいうの俺に見せてもヘーキなんだ?』
凪『は?』
玲王「あぁ…」
凪「?」
その時のことを思い出した玲王は、恥ずかしさのあまり、繋いでいない方の手で頭を押さえて身悶えてしまう
この凪は恋人の凪ではないとはいえ、凪本人の口から「好きな人がいる」と告げられたことは、玲王が自覚している以上にその心にダメージを負わせていた - 55スレ主24/03/09(土) 01:08:38
玲王「(…コイツの容態を見守っとくのって、48時間、だよな…?あと、24時間くらいか?丸一日もあんの…?)」
凪『玲王は元の俺を喜ばせるために気持ちいいコトして”練習”出来るし、元の俺は記憶戻った後に玲王とすぐエッチ出来るし、俺も玲王と出来るし…それって、みんながWin-Winのカンケー、ってヤツじゃない?』
隣に立って不思議そうに自分を眺めてくる凪は、恐らく自分の身体にしか興味はないのだろうし、プリクラの落書きで「大好き」と軽く告げてくるのも、全て大事な本命の子との予行演習でしかないのだろう
でも、もしこのペースで自分と、この凪がずっと一緒にいたら…?
凪『玲王、最後までしてみたい。お願い?いいでしょ。だって、こんなの頼めるの玲王しかいない』
練習という名目であっても、恋人の凪じゃないと分かっていても、もしそんなふうにお願いされてしまったら
玲王「…」
玲王『だって、このままお前が記憶取り戻さなかったら…そしたら恋人じゃない俺にはもう、別人になったお前が選択したことを引き留める権利なんてないんだよなー、と思ってさ…』
昨夜までは、48時間はパートナーとして凪の身体を気遣うが、そのあと凪の記憶が戻らないままだった場合どうするかは今の凪の自由だ、と考えていた玲王だが、今日半日この凪と一緒に過ごしてみて、ハッキリと気付いたことがある - 56スレ主24/03/09(土) 01:11:21
凪『いーよ、行こ。それ食べて喜んでる玲王が見たい』
玲王『…やっぱお前って、凪だよな』
凪『今の俺も、元の俺も…どんな記憶が乗ってるかの違いだけで、中身は同じ凪ってコト』
記憶を失くしたって、たとえ出逢い方が違ったって
隣に立つこの凪は、その顔や声だけじゃなく、中身だって、紛れもなく自分が心から愛した記憶の中の凪本人と変わりないのだと、そう気付いてしまった
玲王「(…ダメだ…もし、お願いされたら…断り切れる自信がねぇ…)」
今の自分は、この凪の気持ちが他の誰かに流れることを、きっともう受け入れられない
もし凪に『お願い』されてしまったら
そこに本物の愛が無かったとしても、たとえ練習台の扱いだったとしても
凪を自分の元に繋ぎ留めるためならば、なんでも許してしまいそうだった - 57スレ主24/03/09(土) 01:14:22
玲王「(ヤバい、よな…この状況は。ぜってぇヤベェやつ…)」
リーダーの資質として(?)瞬時に危機を察知した玲王は、凪と二人きりになってしまう、そんな危機的状況だけはなんとか避けなければ、と考える
玲王「あ、あのさぁ!この後なんだけど」
凪「…ただ、こーして二人で歩いてるだけでも楽しいよね」
玲王「えっ?あ、ああ…」
意を決して話を切り出したものの、まるで変わらない凪のペースに、玲王は会話の流れをもっていかれてしまう
凪「このまま…時間が止まっちゃえばいいのにね」
玲王「…え」
自分と気持ちいいコトをしてる時だけじゃなく、ただ二人で手を繋いで街を歩いている
そんな何気ない瞬間に「時が止まればいい」と不意に独り言のようにして告げてくるなんて
玲王「…」
そんなの、単純に「大好き」と告げられるよりも、よっぽどズルいだろ、と玲王は思う
しかし、「それは本命の子にしか言わない台詞だろ」「勘違いするだろ!」と、冗談ぽく凪にツッコミを入れることは、やはり玲王には出来なかった - 58スレ主24/03/09(土) 01:17:16
凪『え?玲王、勘違いしちゃったの?これも練習だったんだけど。効果アリなんだね、覚えとくよ』
玲王「(…う、うわぁ…)」
もしこんなこと凪に言われたら、きっともう立ち直れない
玲王「あ、あのさぁ、この後なんだけどさ…」
凪「…うん、この後ね。もう俺んち行こっか」
玲王「はぁ!?」
凪「…?」
急に大声を出した玲王に、凪が目を丸くして驚く
表情の乏しい凪からしたら、これはなかなかレアな顔であった
凪「どしたの…?玲王。急におっきい声出して」
玲王「いや、お前の家ってさ…まだ全然明かりーし、こんな天気の良い日はだなぁ!」
ヒュウッ
玲王が顔を赤くして力説するも虚しく、ビルの間を抜けて木枯らしが吹き荒ぶ
街路樹から落葉した枯れ葉たちが、綺麗に舗装された道の上を舞っていき、道行く人達は寒そうに肩をすくませていた - 59スレ主24/03/09(土) 01:19:48
凪「…たしか、午後から天気崩れるってあったよね。元々本物のチョキ見に俺んち行こうって話してたし、早めに移動しよっか」
玲王「いや、待って!無理無理無理!!」
凪「え?」
家に連れて行かれて、二人っきりになる=危機的状況になってたまるものか、と、凪に握られたままの手を離そうとした玲王は、散歩から帰りたがらない犬のようにその場で足を止めてグイグイと自分の手を引き戻そうとする
凪「…何してんの?早く行くよー」
玲王「やだ!」
凪「やだ、って…子どもじゃないんだから。他に行きたいとこでもあんの?」
さむーい、このまま外いたら風邪ひくよ?早く家帰ろーよー
隣にいる凪からブーブーと文句を言われているが、玲王は変わらず力任せに手を引いている
しかし、体幹鬼フィジカルの凪は玲王に引っ張られたくらいではビクとも動かなかった
元々おうち大好きインドア派の凪である
お外デートはもう満喫したし、そろそろ家に帰って玲王とイチャ…ゆっくりしたいのだ
駄々をこねている御曹司を何と言って家に連れて行こう?
ウルトラジーニアスのお持ち帰りテク(語弊のある安価)を下3レスから🎲 - 60二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 01:25:47
「寒いよ玲王…このままじゃ俺風邪ひいちゃうかも…早く帰って家のお風呂で温まりたい…」
玲王が凪に風邪をひかせる訳無いのでぶるぶると震えるふりをして見せてくしゃみもする(名演技) - 61二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 10:48:19
寒いし俺おうちで玲王とゆっくりしたいー、一緒に漫画読んだりしようよー(きゅるん)
- 62二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 21:52:29
玲王も疲れてるでしょ、うちで一緒にゆっくりしようよ
- 63二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 01:32:32
巧みだなぁ凪くん
- 64二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 11:57:51
そして御曹司はチョロい(凪限定)
- 65二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 21:14:30
鯖落ち怖いんでほしゅ
- 66二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:06:26
公式でバックハグ来たね!?(玲王からだけど)
- 67スレ主24/03/10(日) 22:18:22
- 68二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 23:22:00
映画PV最高でしたね!
凪くんはしれっと一緒にお風呂ルート入りかけてる? - 69二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 08:49:17
ほしゅ
- 70スレ主24/03/11(月) 16:36:51
凪「寒いよ玲王…このままじゃ俺風邪ひいちゃうかも…」
玲王「あ、ああ…」
秋の天気は人の心に喩えられる程に変わりやすい
先程までは気持ちよく晴れていて、パンケーキを食べたカフェでは日差しの強さを気にしていたくらいだったのに
プリクラ店を出た途端木枯らしに吹かれ、アウターを着ているとはいえ二人の身体は次第に冷えていく
凪「早く帰って家のお風呂で温まりたい…」
玲王「風呂!?」
玲王『あっ、もぉ…そこ、ダメっ…』
凪『何がダメなの?腰、こんな揺れてんじゃん』
玲王「…〜〜ッ!」
凪との風呂
そこで思い起こされるのは、昨日の情事だった
玲王「…だっ、ダメだダメだっ!」
凪「どしたの、顔赤くして」
玲王「あっ…そーだ!風呂に入りてーなら、俺が会員になってるホテルのスパとかは?」
凪「スパ…?何それ」
玲王「そこならジャグジーもあるし、マッサージも受けられてさ、一石二鳥だろ?」
凪と二人っきりになるまいとして、玲王は人の目がある施設に行こうと提案する - 71スレ主24/03/11(月) 16:39:32
凪「…ジャグジーは昨日玲王の家で入ったし、マッサージも玲王にしてもらった方がいい…それに、そこのホテル泊まるの?」
玲王「え、いや…それは、無し。明日学校あるし」
凪「だったらさ、帰る時に湯冷めしちゃうから、家のがいーよ。俺」
玲王「ぐっ…」
凪の言うことは何も間違ってはいない
ここで無理を通せば道理が引っ込んでしまう
それでも、何か他の策はないかと思案していた玲王の耳に「くしゅん!」と可愛らしいくしゃみの音が聞こえてきた
玲王「な、凪!?」
凪「へっ…ぷしゅん!…ヤバ。ねー寒いよ玲王ー。ダンスゲーの時に汗かいたからかな?俺、風邪引きそうなんだけど」
玲王「あ…」
凪『…脱がないでね、その服』
玲王『えー?室内暖房効いててあちぃし、中のシャツだけで良いって』
そういえばあの時、たしかに自分も暑くて、パーカーの首元を持ってパタパタと扇いでいたくらいだ
その後中のシャツも着替えないまま遊んでいたため、凪は身体を冷やしてしまったのかも知れない - 72スレ主24/03/11(月) 16:42:11
見れば、凪は寒そうに肩をすくませて、ブルブルと小型犬のように震えていた
玲王「(…ま、俺が凪と風呂に入らなきゃいいだけだよな…)」
玲王「よしっ、じゃあお前んちに行くか!」
これ以上外にいて凪に風邪を引かせるわけにもいかず、玲王は急いで凪の家に向かうことにする
再びばぁやの運転するリムジンに乗り込み、二人は白宝高校近くの凪が住む寮を目指した
凪「…ばぁやさん、俺んちの近くのコンビニで降ろしてもらえマスか?」
ばぁや「かしこまりました」
玲王「コンビニ?どうした、風邪薬とかならばぁやに手配してもらうけど」
凪「いや…俺んち何もないから、ちょっと買い物するだけ」
凪は直行で寮に着くのではなく、その前に降りて、少し玲王と外を歩きたかった
玲王「あー…買い物ならお前、いっつも自炊するのに利用してるスーパーのが良いか?」
凪「自炊…?」
玲王「そ、お前最近自炊してんだよ。俺が持ち込んだ調理器具使ってさ、前家に行った時もうどん作ってくれたりとかして」 - 73スレ主24/03/11(月) 16:44:33
凪「…」
怠惰が服を着て歩いていると言われる自分が、汗をかいて疲れるサッカーだけではなく、調理も後片付けも全てが面倒な自炊をしている…?
凪「…玲王、食べたいの?俺の作ったうどん」
玲王「……いや、べつに…」
少しの間があった後にそう言った玲王の表情は、どこか違うところを見たまま強張っていた
きっと心の中に何かを隠しているのだろう、と凪は思う
玲王「…」
凪『レオ、最近マジでうどん好きだね』
玲王『ハマったからな。結構色んなとこのうどん食べてる』
凪『えー、じゃあ今度レオの作った美味しいうどん食べたい。それか、もっかい俺んち来て俺の作ったうどん食べる?』
その時玲王が思い出していたのは、まだ体育祭が始まる前の凪とのカフェテリアでの会話
玲王『あんまり、くっついたりとか、そーいうのは…ちょっとやめね?って』
玲王「(あの時…言ったんだ、凪に…。最低な、傷つけるようなこと…)」
あの時は、それが最善だと思っていた
ホテルに泊まったことを父親から指摘されたばかりだったから、「しばらく大人しくしていよう」と思ってそう言った - 74スレ主24/03/11(月) 16:46:39
それについて凪の気持ちを訊くことはなかったし、一方的に自分の要求だけを押し付けて
恋人の二人にとっての大事なことなのに、一緒に話し合うことすらしなかった
車に積まれていたサボテンダーのぬいぐるみを、玲王は膝に抱えてギュッと抱きしめる
凪「…今の俺は自炊とかしないから、コンビニ行こ」
玲王「おう」
少し元気のない玲王を乗せた車は、凪の寮の近くのコンビニへと向かった
in コンビニ
〜♪
店員「いらっしゃいませ〜」
凪「やほー」
学校と寮との間にある凪の行きつけのコンビニ
ばぁやには店の前で下ろしてもらい、あとはもう大丈夫、と帰ってもらった
店員「凪くん、今日は私服じゃない!いつもよりさらにカッコイイわね」
お馴染みの店員のおばちゃんが凪に声をかけてくる - 75スレ主24/03/11(月) 16:51:02
凪「ありがと…」
店員「あ!あのイケメンのお友達も一緒?今日はデートだったのかしら」
凪「…」
自分の記憶から失くなった玲王の存在を、店員のおばちゃんは知っている
しかもその口ぶりから察するに、もう何度も自分と玲王が一緒にいる所を見たことがあるようだった
凪「うん…外寒いから、俺んちであったまろーって」
店員「あらあらあら!」
凪「?」
何が「あらあら」なのか分からないが、おばちゃんはテンションが上がっている
店員「あ、そーだわ」
凪「?」
先程までよく通る声で凪に話しかけていたおばちゃんは急に小声になり、凪に内緒の取引を持ちかけるようにして話し始めた
店員「…凪くんに頼まれてたアレ、店長に頼んで入荷してもらっといたわよ」
凪「…アレ?」 - 76スレ主24/03/11(月) 16:52:06
おばちゃんを見れば、立てた親指をクイクイと奥の衛生用品のコーナーに向けている
店員「大きいサイズのゴ・ム!頑張ってね!」
凪「え…」
大きいサイズの…ゴ、ム?
ようやく入荷された大きいサイズのゴム
凪くんはそれを買うのでしょうか?
そして、外はちょっと寒いけど…凪と玲王の二人はコンビニで何を買った?
(▶︎安価のデートプラン後半は『それからお菓子とか飲み物買って凪の家でのんびり映画観ながらイチャイチャ』となっております)
凪がゴムをどうしたか、また、二人がそれぞれコンビニで買った物を下3レスから🎲 - 77二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 17:08:00
何かがあるかもしれないのでゴムはこっそり買う
凪と玲王2人でお弁当と飲み物とお菓子を好きなやつ選んで買う(凪はた●のこの里) - 78二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 21:27:41
ゴムは買ってフードのポケットにIN
玲王はポップコーン 凪はたけのこの里
飲み物は大きいサイズのレモンティーを買う - 79二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 06:43:31
ゴムは買う
凪→オレオとレモンティー
玲王→たけのこの里とコーヒー - 80スレ主24/03/12(火) 15:32:31
- 81二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 21:26:55
オレオw
- 82二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:54:40
恋人凪くんに戻った時、記憶喪失時の記憶って残るのかな…?
- 83二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 10:13:42
ほ
- 84スレ主24/03/13(水) 17:36:44
凪「(元の俺が頼んだアレ、って…?)」
おばちゃんの指し示す方向へ進むと、マスクやお泊りセットの中に大きいサイズのゴムが『新入荷』の目立つポップとともに、堂々と鎮座していた
凪「…」
もちろんそこには普通のヘアゴムもあるのだが、わざわざヘアゴムを買うのに店員があんな意味ありげな顔で「頑張ってね」と応援してくるだろうか
店員『…凪くんに頼まれてたアレ、店長に頼んで入荷してもらっといたわよ』
凪「俺が…これを、頼んだって?」
おそるおそる、初めて目にするその箱を手に取り、裏返したりしながら眺めてみると、ご丁寧に注意書きや潤滑剤のレベルまで書かれていて、まごうことなきゴムであった - 85スレ主24/03/13(水) 17:38:33
玲王「凪!」
凪「うっわ!!」
急に背後から声をかけられた驚きで、凪が持っていたゴムの箱は手から滑り落ちて、買い物かごの中に入ってしまった
凪「あ」
玲王「お前なー。やっぱ体調悪ィんだろ?さっき持ってた箱、何?風邪薬じゃねえの?」
腰に手を当てた玲王が、しょーがねぇなーと言った風にして心配そうに凪を見る
凪「いや、これはちが…玲王は?もう、買う物決まったの?」
かごを自分の後ろに隠しながら、得意のポーカーフェイスで凪はなんとかその場を凌ごうと試みた
玲王「俺は即断即決の男だからな!タイムイズマネー。ほらっ、もう会計も済ませてるぞ」
ニッ、と玲王が白いコンビニ袋を顔の横に掲げる - 86スレ主24/03/13(水) 17:40:14
それを見た凪は「じゃあ、俺もすぐ買ってくるね」と言って、お菓子の棚にあるオレオと、冷蔵庫から取り出したレモンティーを、ゴムの箱を隠すようにして上に置いた
玲王に見られている以上、もうゴムは元の場所には戻せそうにない
レジでゴムを購入していることを玲王に気付かれないよう、横目で玲王の姿を追いながら凪が会計をしていると、玲王は出入り口付近にあるコーヒーマシンでコーヒーを淹れているようだった
会計が終わり、玲王の元に向かう凪の背中に向けて、店員のおばちゃんがサムズアップしてくる
凪も一応それに返したが、このコンビニは気まずくてもう利用出来ないかも知れない、と思った
凪「お待たせ〜」
玲王「おー、ナイスタイミング。ちょうどコーヒー出来たとこ」
凪「玲王ってコンビニのコーヒー飲むんだね」
玲王「まぁな。早いし、うめぇだろ」
凪「あー…うん…俺、コーヒー飲まないからわかんないけど…。玲王がそー言うなら、きっと美味しいんだろうね」
玲王「ぷはっ、絶対君主の王様かよ?俺は」 - 87スレ主24/03/13(水) 17:42:51
抽出が終わったコーヒーに、玲王が棚から取り出した砂糖とミルクを入れて混ぜていく
凪「…意外」
玲王「何が?」
凪「玲王って、ブラック飲んでそうなイメージあるから」
自分にストイックな完璧御曹司は、ブラックコーヒーを好むイメージだった
玲王「んー…お前と逢うまでは、そうだったかもな。でもなんか、無理に大人びたりとかしなくても良い時はさ、俺も、もっと自分のこと甘やかそっかな、と思って」
凪「…そうなの?」
玲王「その方が、お前も気ぃ遣わねーし、俺も自然体でいられんのかな、って」
玲王「…でも、それもお前の前でだけ、な」
そう言ってニコッと笑う玲王に、凪は再び恋に落ちた気がした - 88スレ主24/03/13(水) 17:48:12
コンビニから出た二人は、買い物袋をぶら下げて凪の寮までの道を歩く
玲王「…外、陽が沈むの早くなって来たよな」
凪「うん。もうすぐ真っ暗になるね」
今日残りわずかな夕陽に照らされながら、一歩ずつ確認するみたいにして、道を歩いて行く
道には長い二つの影が出来ていた
一人だけの時は歩くのも長く、億劫に感じるこの道も、玲王と一緒ならあっという間に思えた
玲王「…あの店員さんのことは、ちゃんと覚えてるみたいだったな」
白い湯気の立ち昇るコーヒーを口にしながら、玲王がポツリと、どこか寂しそうにして凪に告げる
凪「…うん」
最初に試してみるべきだった可能性
それは、凪が、玲王と玲王に関係ある人間以外の記憶を覚えているのかどうか - 89スレ主24/03/13(水) 17:49:45
スマホで、監獄の仲間やクラスメイトの写真を見せてみれば良かったのかも知れない
必要であれば、彼らと接触すれば、もっと早く凪の記憶を取り戻すための手がかりを見つけられていたかも知れない
それでも、玲王はそうするのが怖かった
どうして凪が自分の記憶だけを忘れてしまっているのか、なんて
玲王「(忘れたいほど…俺のこと、嫌だったのかな…)」
玲王「学校、見たら…なんか思い出すかもな」
凪「学校?逆方向だよ」
玲王「んー、だから、それは明日でいいけどさ」
凪「明日、ね…」
今の凪にとっては、来ないかも知れない明日のことを考えることは辛く、秋の日暮れのせいだけではない寂しさがその心を覆っていく - 90スレ主24/03/13(水) 17:51:14
凪「俺…玲王と、毎日こうして過ごしたいな」
玲王「ハハッ、んな毎日今日みてーに遊んでたらさ、俺らダメ人間になるって」
毎日同じことを繰り返すと思える青春時代にも、いつか必ず終わりが来る
凪「明日、何しよっか…」
来るか分からない明日の予定を立てる
そうしていないと、凪は気持ちが塞がってしまいそうだった
玲王「明日ー?そりゃ朝から学校行って、授業受けてー。昼は俺と一緒に食べて、午後からまた勉強して。あ、明日世界史あるから選択授業は一緒だな。んで、放課後は部活あるだろ?その後は…二人で居残り自主練、もちろん凪も付き合うよな?」
ニヤッと試すような目で、玲王が凪を見る
凪「…うん、いいね」
玲王「へ?」 - 91スレ主24/03/13(水) 17:53:48
てっきり「サッカーとかめんどくさーい」と言うかと思っていたのに
玲王は、思いもよらない凪の返事に驚いた
玲王「…あっ、嘘ウソ!まだ48時間経過してねーから、明日も体育とか部活は危ないから禁止な。放課後は俺と病院行くぞ」
凪「…うん。玲王と一緒なら、どこでもいーよ」
隣を歩く玲王から香るシャンプーの匂い
夕陽に照らされて、茜色に優しくぼんやりと輝くその横顔
顔に落ちた翳の形すらも綺麗で、凪は思わず玲王に見惚れてしまう
記憶を思い出すために必要なものは、もう揃っていた
in 凪の家
玲王「おじゃましまーす」
凪「いらっしゃーい、って…玲王、ほんとに俺んち来たことあるんだね。部屋迷わなかった」
玄関で靴を脱いで、凪が部屋の明かりをつける - 92スレ主24/03/13(水) 17:55:01
玲王「だから言ってんじゃん。この狭い玄関も、なつかしーな。マジで来るの久しぶりだわ」
凪「スリッパとか無いけど、お上がりください」
凪はリモコンで暖房を付けながら、玲王が座りやすいよう落ちた枕をクッション代わりに整えて、ベッドの前に置いたりしている
玲王「俺のことはいーよ。お前風呂入るんだろ?湯溜めてこいって」
凪「いや、お客さん優先でしょ」
ふと凪がベッドに目をやると、そこには見慣れないものがあった
凪「ん?このぬいぐるみって…」
玲王「あっ、ジェラくんじゃん!なつかしー!」
元気してたかー?と、玲王が上着のままベッドに上がってジェ◯トーニに飛びつく
凪「ジェラくん…?えっと、ジェラシー(嫉妬)の、ジェラ?」
玲王「バカ!そんなひでぇ名前つけるかよ。ジェ◯トーニのジェラ!」
ベッドに乗っている玲王が、ジェ◯トーニを腕の中に抱えたままクルリと仰向けになって、ベッドの近くに立っていた凪をジト目で見上げる - 93スレ主24/03/13(水) 17:57:02
ゴトンッ
その拍子に、何かがベッドの下に落ちるような音がした
凪「…今、なんか落ちたよね」
玲王「えー…?」
ベッドの上でジェ◯トーニを片腕に抱えたままの玲王が、自身の上着や尻のポケットの中を探る
玲王「あ、俺のスマホが落ちたのかも」
そう言ってうつ伏せになった玲王が、窓とベッドとの隙間にその長い手を差し入れた
玲王「えー?わかんね…どこ行った?」
うつ伏せになり、床を触りながらスマホの行方を探る玲王の身体の上から凪が覆い被さって、同じようにベッドの隙間に手を伸ばして来る
玲王「おい!お前、何上乗ってんだよっ」
凪「え、俺の方が手ぇ長いから、俺がスマホ探した方が早いかな、って」
玲王「いいって、風呂は?」
突然凪に上から乗られて、訳が分からず顔を赤くした玲王が慌てて抗議するが、凪は平常運転であった
凪「…お風呂めんどくさい。玲王があっためてくれた方がいい」
そう言って、玲王の上から凪が暖を取るようにして甘えて抱きつく - 94スレ主24/03/13(水) 17:59:52
玲王「ふざけんなって…湯入れてきてやるよ。退けて」
うつ伏せの状態から190cmに上から乗られると、普段から鍛えている玲王と言えど簡単には抜け出せなかった
凪「無理、うごけなーい。スイッチ切れた」
玲王「ったく、しょーがねぇなー」
凪の腕の隙間からなんとか這い出そうと上体を起こしかけた玲王の目に、床に置かれた凪の買い物袋から少しはみ出した箱が見える
玲王「(あれ、さっきの…。風邪薬、じゃねぇよな)」
どこかで見覚えのある赤い箱
玲王『お前、女いるだろ』
玲王「…あ」
あの時、結局使わなかったあの箱を再び買って来ているなんて - 95スレ主24/03/13(水) 18:01:29
凪『玲王は元の俺を喜ばせるために気持ちいいコトして”練習”出来るし、元の俺は記憶戻った後に玲王とすぐエッチ出来るし、俺も玲王と出来るし…それって、みんながWin-Winのカンケー、ってヤツじゃない?』
凪『…玲王』
玲王『何』
凪『俺、好きな人、いるよ』
玲王「…」
凪『だからさ、その人と上手くいくように…玲王が俺に教えてくれない?恋人っぽいこと』
凪「スマホ、見つかんないね。いーや、ベッド動かそ」
これ以上玲王を押さえつけていたら苦しいだろうと思い、手をついて起き上がろうとする凪のその腕は、再び仰向けになった玲王に掴まれる
凪「え?」
玲王「お前、俺で…練習したいとか、思ってる?」
玲王と…練習?
中途半端に想いを告げたから、やっぱり玲王とすれ違ったままだ
でも、そろそろタイムリミットも近い…ちゃんと本音を伝えなきゃね
凪の返事を下3レスから🎲 - 96二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 18:04:03
玲王とは、何をするにしても本番になっちゃうじゃん
このにぶちん - 97二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 19:15:13
玲王とじゃ練習になんないし…
今の俺が好きなのも玲王なのになんでわかんないの?頭いいくせに玲王のあほちん! - 98二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:23:07
練習って…何の?
ちゃんと玲王の気持ちを聞いてすれ違わないように会話しよう! - 99二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 08:10:00
ほしゅ
- 100スレ主24/03/14(木) 17:17:34
- 101二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:23:03
このレスは削除されています
- 102二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:02:02
元凪くん恋しいね
- 103スレ主24/03/15(金) 04:51:09
凪「練習って…何の?」
掴まれた腕をチラッと横目に見ながら、凪が玲王に問いかける
玲王「何って…お前、そのつもりで買ったんじゃねーの…?アレ」
気まずそうに視線を床へと落とす玲王の目の先には、コンビニの袋からはみ出した赤い箱があった
凪「…うぇ」
玲王が自分の部屋にいること、久しぶりに二人っきりになれたこと
そして、玲王が自分のベッドの上にいることに舞い上がってしまっていた凪は、ついそれを片付けるのを忘れていた
凪「ハァ…」
ここで嘘をついても仕方がない。凪は、正直に経緯を話すことにする
凪「あれはね、元の俺が店の人に入荷するように頼んでたみたい。それで手に取ったら、ちょうど玲王が話しかけて来て…戻すタイミング無くしたの」
玲王「凪が…店の人に、頼んでた?」
そのまましばらく黙って考えていた玲王が、口を開く
玲王「あのな、凪がこんなもん注文するワケねーだろ」
ようやく口を開いたかと思いきや、玲王は疑い全開の眼差しで凪を見上げてきた - 104スレ主24/03/15(金) 04:55:01
凪「いや、ホントだって。さっきいた店のおばちゃんに聞いてみてよ」
玲王「バカッ!んな変なコト聞けるかよ…」
凪「…変なこと、って…」
玲王は、元の自分に対してどこまで夢を見ているのだろう
玲王『凪なら…アイツなら、俺がやめてって言ったら、ちゃんとやめてくれたから』
凪「玲王…いくらなんでも元の俺に夢見すぎじゃない?俺だって一応、男だよ」
玲王「分かってるよ。でもな、凪は赤ちゃんだからな」
思い出の愛しいぬいぐるみを抱きしめながら、玲王は得意げにそう言う
恋は盲目、というやつだろうか
ディ◯ニーでぬいぐるみ交換を持ちかけるようなロマンチックな男が、学校の近くにある行きつけのコンビニで自分サイズのゴムを入荷するよう店員に頼むなんてこと、この純粋培養御曹司は信じたくはないのだろう
凪「…まぁ、この話はもういーからさ。人のベッドに上がる時は、上着くらい脱いでよね」
よいしょ、と仰向けに寝ていた玲王の脇の下に手を入れた凪は、ベッドの上に玲王を座らせて、着ていたベージュのトレンチコートを肩から落として脱がせていく - 105スレ主24/03/15(金) 04:57:34
玲王「ちょっ、お前…ヤケに慣れてるっつーか…なんなんだよ、マジで」
凪「え?」
本気の想いがないというだけで、こんなにもスムーズに事を運べるのか
玲王「なんか、さっきから俺ばっかそーいうの意識してさ…バカみてーだな」
口元に手をやり、玲王は顔を赤くしながら拗ねたようにそう言う
凪「…」
玲王「だいたい最初にさ、お前から言ったんじゃん。本番の練習しよう、って」
凪『じゃあ、恋人の俺に戻る前に練習しとく?』
玲王『え』
凪『男同士のやり方、ホンモノの俺と実際に試した方が早いじゃん?』
凪「あー…あの時は…」
あの時は、玲王を自分のものにしたくて事を急いていた
とはいえ、冷静になって今考えてみれば、とんでもないことを言ってしまった、と凪は痛みそうな頭を手で押さえる - 106スレ主24/03/15(金) 05:05:51
凪「練習でもいいから…玲王のこと、早く手に入れたかったんだけど。ごめん、俺、あの時最低なこと言ってたよね」
玲王「…」
凪「…でも、今はもう違うよ」
互いにベッドの上に座ったままで、目の前にある玲王の顔を見つめた凪が正直な想いを伝える
凪「身体だけじゃなくて、心も…全部、俺のものにしたいって、そう思ってるから」
玲王「…ハハ、何それ、スゲーな。これも練習か?」
凪「いや、違うって」
身体から始まった関係は、肝心なところで想いが伝わらない
玲王『凪は俺のためなら何でもするし、俺のことしか頭にない奴だった!』
めんどくさがりの元の自分が、本音を口にしない玲王の心を開いて信頼されるために、どれ程の時間と想いを費やしてきたのか
玲王『凪は…いつでも俺を優先して、助けてくれて、そんな凪のことが俺は大好きで…』
自分と恋人だったと言う玲王を疑った時に聞かされた、あの惚気
今であれば、あの言葉は全て本当だったと分かる
自分の全身全霊を捧げなければ、この宝石みたいにキラキラした人の心まではきっと手に入らない - 107スレ主24/03/15(金) 05:07:55
凪「…俺、好きな人がいるって玲王に言ったでしょ?」
玲王「ああ…」
凪「今はその人のことで頭の中がいっぱいだから。練習なんてする余裕、ないよ」
もう、他のことなんて考えてられない
脅したり嘘をつくようなズルいやり方は、玲王には通用しない
好きになってしまったら、もう頭の中はこの人のことしか考えられなくなる
玲王「…それって、誰のことでいっぱいなんだよ」
腕の中にあるぬいぐるみをギュッと抱きしめたまま、玲王が凪を真っ直ぐに見つめる
玲王も、これ以上逃げるのは自分の性に合わないと思っていた
だから、早く凪の口から答えを聞きたかった
凪「玲王が、よく知ってる人だよ」
玲王「俺が…?」
凪からの意外な答えに、玲王は喉の奥が詰まる
凪と自分の共通の知人というなら、監獄の中の誰かなのだろうか
玲王「そっ、か…じゃあ、俺で良ければ…」
協力する、その一言が玲王には言えず、不安げに瞳を揺らして凪を見つめる - 108スレ主24/03/15(金) 05:12:52
玲王「…その子には、告白、したのか?」
凪「ううん。…でも、今からする」
玲王「え」
ハッと見開かれた玲王のその大きな瞳の後ろ
自分と玲王が並んで肩を組んでいる写真が、額に入れて棚に飾られているのが凪の目に入った
凪「…あの写真は?」
玲王「あ、ああ…凪と俺が、初めて撮った写真だな」
初めて凪の家に泊まった時に、こっそり玲王が入れ替えた写真
凪「…」
玲王「アイツと出逢ってすぐに、二人で世界一になろうな、って約束した時に撮ったんだよ」
その写真の中の自分は、少し頬を赤らめて、見たこともないほど満たされた顔をしていた
他人が見ても気付かないような、ほんの些細な表情の変化
それは自分だけではなく、隣に映る玲王も同じ表情をしていた
凪「…」
凪『好きな人のことを応援してあげるのが、ホントの愛なんじゃないの?』
玲王『…応援?』
凪『うん。もし、好きな人に他に好きな人がいるの分かってるのにこっちの気持ちを伝えるのってさ…ただ、相手を困らせるだけなんじゃないのかな…』 - 109スレ主24/03/15(金) 05:15:25
凪「玲王は、プリクラの時にデジタルタトゥーの怖さを知れ、って言ってたけどさ…写真に残るのって、悪いコトばっかりじゃないんだよね」
玲王「…そりゃ、当然な」
要は何でも使い方次第だろ、と玲王が笑う
凪「…告白は、今はいいや。なんか映画でも観よっか」
玲王「映画?」
凪「一緒に観に行く時間はないけど、玲王と二人で映画観たい」
そう言って、凪が机の上からタブレットを手に取り、サブスクのアプリを開く
玲王「え、お前…しねーの?好きな子に、告白…」
凪「…うん。まだ、今じゃないかな、って」
残るリミットはわからない
あとわずかしかない時間だとしても、今ここでフラれて気まずいまま過ごすことに耐えられそうにない凪は、心地良い関係のまま玲王への告白を先延ばしにした
映画を見てイチャイチャ良い雰囲気になるのか?
二人は何の映画を見た?下3レスから🎲 - 110二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 12:36:26
エターナル・サンシャイン
- 111二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 13:24:51
エタサン!
- 112二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 13:57:40
エタサン
- 113二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 18:08:01
べたべたの恋愛映画見てほしい
- 114スレ主24/03/15(金) 22:29:30
- 115二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 02:45:17
エタサン視聴済み!自分は箱ティッシュ1個使い切るくらい感動したけど凪と玲王はどのくらい感動するかな〜?
- 116二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 11:21:40
エタサン未だに見たこと無い
凪玲の解像度上げるために見るべきだよね… - 117二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 20:10:11
凪玲の解像度上げるために見たんだけど普通に面白かったけど凪お前これが好きなのか…ってなった
- 118二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 22:23:32
エタサンまだ見たことないんだよね
よく話題にでるしやっぱり見るべきだろうかでもNTR地雷なんだよなぁ - 119スレ主24/03/17(日) 08:39:49
凪「…」
タブレットを持ったままの凪が、不思議そうな顔をして玲王の座るベッドをじっと見ている
玲王「…どした?まだなんかしようとしてんのかー?」
身体の前で手をクロスさせて、玲王は凪に対して分かりやすい警戒の姿勢をとった
凪「いや、このベッド…よく見たら元々俺んちにあったやつじゃないんだけど」
そう言って、凪は確かめるようにグニグニとベッドを手で押して、ここは本当に自分の部屋で間違いなかっただろうか、と辺りを見回す
玲王「あー…このベッド、お前が俺の寝室のベッド気に入ったっつーからサイズ違いをプレゼントしたんだよ」
玲王『いやー、お前が前泊まりに来た時スゲェ気に入ってたからさ♪』
凪『バカなの?いくらしたの?』
玲王『ん?キングサイズだとマットとフレームで200万くらいじゃね?』
凪『〜〜〜ッッ!!?今すぐ返しなさい!』
玲王『まぁまぁ、そんなに遠慮すんなよ』
凪「何それ…ホントなの?やることが御曹司だね」
玲王「ぷはっ。そりゃ、一応俺も御曹司だからな。で、何観んの?またお前の好きな映画?」
ホラーだけは無しな、と言いながらベッドの上であぐらをかいた玲王が立ったままの凪を見上げる - 120スレ主24/03/17(日) 08:43:17
凪「…俺の好きな映画?」
玲王「え?アレだろ、たしか俺の好きな映画と同じ主演俳優でさ…貸して」
凪の手からタブレットを受け取った玲王が、記憶を頼りにその映画のタイトルを探す
玲王「なんだっけアレ…マンシャイン…じゃなくて」
凪「それ、ホントに俺が好きな映画なの?」
今度は凪が、疑いのジト目で玲王を見つめる
今の凪には好きだと言える映画の心当たりがなかった
玲王「ホントだって!お前が恋とか好きって感情を理解するのに見たって、勉強合宿の時にちゃんとこの耳で聞いたんだから」
玲王『ふーん。てか凪ってさ、何かにつけ青春したがるよな?屋上とか二人乗りとか。何、凪って結構ロマンチスト?好きな曲とか、映画とかもさ』
凪『んー…そうかもしんない』
玲王『何で?』
凪『恋とか好きとかってのが、昔の俺が一番理解できない感情だったから、理解しようとしてた』
凪「恋とか好きの感情を…?それは、俺はもう理解してるから観なくてもいいんだけど」
再び過去の自分との思い出を語られ、玲王とイチャつきながら映画を観たかった凪は少し機嫌を損ねる - 121スレ主24/03/17(日) 08:47:33
玲王「ハイハイ、たしかに現在進行形で誰かさんに恋してるお前には要らないかもな。でも、その気持ちを非合理的だって言ってたお前は観た方が良いんじゃねえの?…あった、これ。『エターナル・サンシャイン』」
サブスクの画面に表示されたのは、某有名コメディ俳優と某沈没船映画でヒットした実力派女優の二人が唇を寄せ合うサムネイル
凪「…これ、ホントに俺が好きな映画なの?」
甘い雰囲気のロマンチックな恋愛映画を好きだという元の自分を、凪は信じられない思いで疑う
玲王『「エターナル・サンシャイン」?へぇ〜、お前が恋愛モノ好きとか意外』
凪『そう?このヒロイン、突発的で嵐みたいでさ、レオに似てるとこあるんだよ』
玲王「うん、間違いねーよ。ホラ、観るぞ」
タブレットを机の上に置いて、ベッドと机の間に勢い良く座り直した玲王が、コンビニで買ったたけのこの里を袋から出して鑑賞モードへと入る - 122スレ主24/03/17(日) 08:51:48
光の差し込む朝、頭を押さえて気怠げに起き上がる男性のシーンから映画は始まった
凪「…ねぇ、面白いの?コレ」
玲王「んー…正直、前に俺のベッドでお前と観た時は意味分かんなくてほとんど寝てた」
凪「ちょ…」
玲王の隣に座ってレモンティーと一緒にオレオをつまんでいた凪は、玲王を見る疑いの眼差しを強める
画面の主人公は、駅のホームで人波をかき分けながら職場とは違う方向の列車へと駆け込み、行き着いた先の海岸で一人の女性と出逢う
凪「…このヒロイン、奇抜な髪型してるね…なんか玲王みたい」
玲王「お前さ、やっぱ俺の髪型バカにしてるよな」
凪「あ、家で観ると感想とかすぐ言えるから良いよねー」
玲王「話を逸らすな!」
主人公『なぜ僕は自分に少しでも関心を示されると恋に落ちてしまうのだろう』
海岸からの帰りの列車の中で、主人公は少し離れた場所に座るヒロインを盗み見ながら、彼女の絵を描いていく - 123スレ主24/03/17(日) 08:59:13
凪「…うわ、俺ダメかも…引くでしょ、こんなヤツ」
凪は自分と少し似たところのある主人公に対して、共感性羞恥に苛まれていた
玲王「いや、お前もこの主人公みたいに日記とか書いてたぞ」
凪「…俺が?」
大げさに目を丸めて、まるで信用出来ない、といった風に自分を見つめてくる凪に腹を立てた玲王は、立ち上がって部屋の本棚を漁り始める
玲王「見とけよー?たしかこの辺にだなぁ……あった!」
本棚の奥から真っ黒のノートを見つけた玲王は、ドヤ顔でそれを凪の目の前に差し出した
玲王「ホラ!お前の書いた『俺の永遠の太陽』」
凪「…何、これ…」
引き気味の凪が玲王からそれを受け取り、中のページを捲ると、たしかに自分の筆跡で日記らしきものが書かれている
凪「えっと…?『今日の玲王 ○月○日 今日の玲王は寝癖がついててかわいかった。この状態でメイドコスしてほしい。』…メイド、コス…?」
玲王「あ、いや、いーわやっぱ。本人が居ないとこで勝手に日記読むのはモラルに反するだろ」
凪「玲王が出して来たんじゃん…」
メイドという響きに目の色が変わった凪に嫌な予感がした玲王は、その手から日記を奪って机の上に置いた - 124スレ主24/03/17(日) 09:02:20
凪「…ねぇ、玲王の部屋のクローゼットにあったあのメイド服ってさ…もしかして、俺のため…?」
玲王「違う!いーから、映画に集中するぞ!」
一方映画の二人は、ヒロインの持ち前の強引さもあり、加速度的に仲を深めていく
二人は凍ったチャールズ川に寝そべり、空を見上げて星座を探していた
玲王「…」
そのシーンを観ながら、玲王は白宝祭の自身のクラス展示で凪とプラネタリウムを見ながら星の話をしたことを思い出す
凪『ねぇ、ベテルギウス?が爆発する近い将来っていつなの?』
玲王『んー?近いっつっても、宇宙からすると明日かも知んねぇし、10万年後かも知んないって』
凪『へぇー、星って…いつか消えちゃうんだね』
玲王『当たり前だろ。どの星も消えない星はねーよ。太陽だって、50億年後には消えるって言われてるだろ』
玲王の視線はタブレットの画面ではなく机の上に置かれた黒いノートのタイトルに注がれ、凪が白宝祭のミスターコンで発表した即興ポエムが、連想ゲームのようにしてその頭に浮かんでいた - 125スレ主24/03/17(日) 09:04:28
凪『…オホン、ある人への想いを言葉にして綴ります。聴いてください「俺の永遠の太陽」』
凪『ある春の日、退屈に満ちていた俺の世界に 一筋の暖かな陽光が射し込んだ』
凪『その人はまるで太陽みたいに熱くて、眩しくて、ずっと日陰で生きてきた俺の世界が一瞬で色づいた』
凪『眩しくて、目も合わせられなくて、近づくほどにこの身が焼け焦がれてしまうような———きっとこれが恋なんだって、俺はその日初めての感情を知った』
凪『でも恥ずかしくて言葉にうまくできなくて 見ないふりをしていたら、その太陽はいつのまにか夕暮れみたいに俺の目の前から隠れていなくなってしまった』
凪『だから、俺は必死で追ったんだよ』
凪『次にもし、太陽がまた俺のことを照らしてくれるなら 次はたとえこの身が焦がれて燃え尽きたとしても 二度と目を逸らさないって決めたんだ』 - 126スレ主24/03/17(日) 09:09:09
凪『ずっと一緒にいたい そして、いつまでも隣で太陽のように、その笑顔で俺を明るく照らしていてほしい』
凪『お前がずっと笑顔でいられるように 俺がお前を曇らせるものを全部なくして、俺たち二人が繋がるための空を一面晴れ間にするから』
凪『俺の永遠の太陽』
凪『それは、他の誰でもない』
凪『お前なんだ、レオ……愛してる』
玲王「…嘘つき」
凪「…?」
映画に集中しているのか、途端に静かになった玲王を横目で見ながら、凪はどうしようかと考えていた
凪「(映画観ながら良い雰囲気にして告白したかったんだけど…ストーリーもよく分かんないし、そんな雰囲気になれるのかな)」
感傷に浸り始めた玲王をよそに、凪は残された時間の中でなんとか玲王とイチャイチャした良い雰囲気を作りたいと考える
今はタイミングがちょっと心配だが…
凪くんのイチャイチャ作戦とは?下3レスから🎲 - 127二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 11:13:18
玲王の手をそっと握る
- 128二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 11:23:13
肩を抱いて自分の方にもたれかからせて耳元で玲王の好きな所を囁く
- 129二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 19:06:00
いっぱい好きだよって伝えて、手や耳や頬など色んな箇所にちゅーする
- 130二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 19:47:15
甘〜い!けど先に誤解解かないとだね…
- 131スレ主24/03/17(日) 22:01:03
- 132二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 23:12:13
スレ主のぬい毎度かわいい
このパネルって自販機サイズなのかな?大迫力だね - 133二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 09:36:53
ほしゅ
- 134二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 19:45:04
ガ○ダム映画ってSEEDかな?
すれ違いからのラブになかなかオレオ感じるよね - 135二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 23:33:29
多分変までやるだろうし熱い想いバレちゃうね!
- 136スレ主24/03/19(火) 08:37:38
- 137二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 14:51:43
自販機サイズで目線近くて合わせやすいの最高カップル過ぎる
キスしやすくて良かったよね凪くん - 138二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 22:29:33
自分からしたら見上げる存在だな自販機カップル
- 139スレ主24/03/19(火) 23:43:21
凪「オレオ食べる?」
玲王「いや、別にいいわ。俺のもチョコ系だし」
凪「…だね」
少し落ち込んでいる様子の玲王を眺めながら、先程のように強引に抱きつくのは悪手だと凪は考える
自分にはタイムリミットがある
それでも、焦らずもっと自然に、ゆっくりと玲王に想いを伝えて、心を通わせたかった
玲王「さっき、家で映画観ると感想とか言えて良いって言ってたけどさ…お前、誰かと映画とか行ったことあんの?」
凪「…え?いや、小さい頃に親と行ったくらいだけど」
玲王「へぇー、そーなんだ」
凪の答えを聞いた玲王は、何故か満足そうな顔をしていた
車に乗った怪しい男二人組が、主人公をつけ狙う
玲王「不穏な空気だな…まさか、ホラーじゃねえよな?この映画」
凪「最後まで観たんでしょ?」
玲王「あん時は、ほぼ寝てたからなー」
たけのこの里をつまみながら、玲王は気が抜けたように後ろにあるベッドに背中をダラリと預けた
凪「じゃあさ、今日は映画観ながらずっと俺と話しとこーよ。そしたら眠くならないでしょ?」
玲王「バカ、それじゃ映画に集中できねーだろ?」
談笑して良い雰囲気を作りながら、凪が隣にある玲王の手をそっと繋いだその時だった - 140スレ主24/03/19(火) 23:54:25
ある会社から届いた一通の手紙が画面に映され、玲王の顔色が変わる
『クレメンタインはジョエルを記憶から消去』
玲王「……」
凪「どしたの?」
玲王「…お前も、俺との記憶だけ消した…とか?」
凪「んなワケないって」
急に真顔になった玲王に驚き、落ち着いてよ、これはフィクションだよ、と凪は冷静に諭すようにして言うが、その言葉が耳に入らないのか、玲王はタブレットから流れる言葉と画面に釘付けになっていた
手紙を見た主人公はその送り先の会社へと訪れ、担当した博士にヒロインが自分の記憶を消した理由について尋ねる
博士『私に言えることは、彼女は幸せではなかったので…過去を捨てたかったのです』
玲王「…つまり、凪は俺といて、幸せじゃなかったってこと…?」
凪「…ねぇ、どうしたの?玲王。さっきから考えすぎだよ。大丈夫だって、これは映画だから」
この映画を選んだのは玲王自身だが、記憶の有無に関して今の自分達と重なる点からか、玲王は非現実な妄想に取り憑かれる程に不安を煽られているようだった
玲王「でも…なんで、都合良く俺の記憶だけ…」
自室のベッドで、初めて二人でエタシャンを観た時のことを玲王は思い出す - 141スレ主24/03/19(火) 23:57:16
凪『この映画はね、恋人の記憶を消す話だよ』
凪『レオは?消したい記憶、ある?』
凪『俺は、もし記憶を消されても消えないくらいのレオとの大事な思い出あるよ』
玲王「…もし記憶を消されても、消えないくらい俺との大事な思い出があるって、あの時、言ってたのに…」
凪「…」
また、自分との過去を思い出しているのだろうか
先程から握っている玲王の手に、次第に力が込められていくのが伝わる
玲王「なぁ…お前、なんで俺のこと忘れたんだよ?」
凪「え?」
玲王「俺が、全然お前のしたいことさせなかったり、避けるみたいなことばっかり言うから…嫌いになった?」
昨日から、普段と勝手の違う自分相手に看病を続けている疲れとか、部屋に入って二人っきりの空間になったことで気が緩んでいるのか、今の玲王は学校で見ていた時の完璧な王子様などではなく、まるで不安を抱えた小さな子どものように見えた
凪「…そんなことない、大丈夫。嫌いじゃないよ」
そう言って、凪は繋いでいない方の手で玲王の背中を安心させるように摩る
凪「それに、元の俺は…玲王のこと、忘れてない」 - 142スレ主24/03/20(水) 00:02:00
昨日思い出した朧げな記憶の中に、ゆっくりと煌めくオレンジ色の景色と、その時に感じた「死んでもいい」と思えるほどの幸せな気持ちが、たしかに自分の中に存在していた
それは間違いなく、元の自分が経験した記憶
凪「実は俺…記憶を、思い出しかけてる」
玲王「え…」
窓のカーテン越しに射し込んでいた外の光はすっかり落ち、薄暗くなった部屋の中で、タブレットの明かりに照らされた玲王の瞳がキラリと期待に湧いたように輝く
凪「玲王と出逢った日の階段でのやり取りとか、二人でどこかを移動してる時に見た、オレンジ色に染まった玲王の制服の後ろ姿とか…ちょっとずつだけど、元の記憶を思い出してきてる」
玲王「ッ、凪っ!どうやって?どうやって思い出したんだよ?」
興奮したように玲王は凪の肩を掴んで揺すり、性急に先を促してくる
凪「えっと、それは…」
昨日玲王を抱きしめて、その髪の匂いを嗅いだ時に記憶が戻りかけたことを、凪は正直に言えなかった
それを玲王に言ってしまったら、今すぐにでもその方法を実行して、自分は記憶を完全に取り戻し、元の凪へと戻ってしまうだろう
玲王にうまく今の想いを言葉にして伝えられるまで、あと少しで良いからまだ玲王と一緒にいたいと、自分の中のエゴが邪魔をしていた
そう思う凪の気持ちは、目の前にいる好きな人の願いを叶えてあげられないのに - 143スレ主24/03/20(水) 00:10:25
凪「…ハァ」
玲王「大丈夫か?記憶を思い出しかけて、頭痛くなった?」
無理しなくていいからな、と心配そうに自分の顔を覗き込んで来る玲王を見た凪は、ジレンマによって罪悪感を刺激される
凪「ううん。今日が…終わらなきゃ良いのにね、って、そう思っただけだよ」
玲王「今日?家で、こうして映画観てるだけだろ?」
凪の言葉に、不思議そうにした玲王が首を傾げる
凪「…うん。でも、それが楽しいんだよ、すっごく。玲王と一緒にいると、いつものコンビニも、家までの道も、全部が特別で…デートみたいだから」
玲王「…俺といると?お前の好きな子じゃなくても?」
凪「それは、ね…」
一瞬、俺が好きなのはお前だよ、と言ってしまおうかと凪は思ったが、あと一歩のところで勇気が出なかった
玲王「…マジで、どうした?さっきから、お前なんか変だぞ。悩んでることとか、気になってることがあんなら遠慮なく言えよな」
玲王が凪の白い頬に触れ、そっと優しく撫でる
凪「…」
凪『もし、俺が…玲王のお願いを叶えてあげられなかったら…その時は、どうする?』 - 144スレ主24/03/20(水) 00:14:50
玲王『その時はさ、二人で一緒にどうするか考えたらいいじゃん』
凪『…うん。…玲王って、あまいんだね』
玲王『?あまい?』
凪『だって、めちゃくちゃ甘やかしてくれるじゃん…俺のこと』
玲王『ハハッ、んなの、当たり前だろ?お前は俺の大事な宝物なんだから』
凪「…元の俺じゃない、今の俺のこともさ」
玲王「ん?」
凪「玲王は、宝物だって、そう想ってくれてるの?」
凪から突然言われた言葉に、玲王は目を丸くする
玲王「そんなの…当たり前だろ?俺との記憶を失くしたって、たとえサッカーしてなくたって、凪は凪だからな。俺の大事な宝物だよ」
自分の頬に添えられた玲王の手の上に、凪は自身の手をギュッと重ねて、その感触を確かめるようにしてそっと目を閉じた
凪「うん…ありがと」
玲王「だから…俺も、ゴメンな?最初の時、お前は凪じゃない、って、酷いこと…言ったよな」
凪「あれは、俺が玲王のこと無理矢理、傷つけるようなこと言ったから」
玲王の鎖骨にキスマークを付けたいと言ったあの時のこと
玲王『ここには付けさせない。凪と俺の、想い出の場所だから』
凪『は?その凪は俺なんだけど』
玲王『お前は凪じゃないよ。だから俺は、お前のモノじゃない』 - 145スレ主24/03/20(水) 00:20:13
凪「…ごめんね、玲王。あんなの嫌だったよね」
玲王「んー…でも、俺もあの後お前のこと『上げて落とそう作戦』とかしてみたけど、全然上手くいかなくて…結局、二人でその後もっとすげぇコトしちゃったしな。ま、お互い様だろ」
慣れてねーコトはしちゃダメだな、と困ったような顔で玲王が笑う
あの時、欲に任せて理不尽なことをした凪に対して、玲王は怒ったり責めたりするどころか、こうして自分のことを省みている
そんな底抜けに優しい玲王に対する愛しさと、こんなにも心までもが綺麗な人を一時でも傷つけて、その口から酷いことを言わせてしまったという自責の念で、凪は胸が苦しく締め付けられるようだった
玲王「だからさ、お前が悩んでることとか、やりたいことがあるなら、どうすればいいか二人で一緒に考えようぜ?」
凪「…二人で?」
玲王「そう。俺はさ、欲しいものをただ与えられるんじゃなくて、俺の夢を叶えるために、面倒臭がりの凪が一生懸命に考えて、一緒に行動してくれたのが、何よりも一番嬉しかったんだよ」
凪「…」
玲王の瞳が、再び宝物を見つめるような愛しげで優しい瞳へと変わる
玲王「…って、なんでだろーな。お前といると、素直に本音が言えてるわ。こんなの、アイツにもまだ話したことねーのに」
映画の中では、今の自分達の雰囲気とは反対に、主人公が記憶の中のヒロインに対して、自分の記憶を消したことについて怒鳴っていた
主人公『朝までには君は消えるんだ!これで完全に終わりさ』
その言葉に、幸せの中にいた凪はハッと我に帰る - 146スレ主24/03/20(水) 00:22:07
凪「…結局また、映画観れてないね」
玲王「ハハ、だな。やっぱ映画館じゃねーと、気が散るっつーか」
凪「隣にいる俺のことが、気になって?」
玲王「…うん。気になる」
映画の主人公の記憶の描写は、ヒロインとの思い出の過去を次々と遡っていく
ヒロイン『あなたは何も話さない…私はその逆。どんなに恥ずかしいことでも打ち明けるのに。私を信じてないの?』
主人公『いつも喋ってることがコミュニケーションじゃない』
ヒロイン『私はただ、あなたを知りたいの。人生をあなたと分かち合いたいの。それが愛情ってもんでしょ』
玲王「俺、お前のこと気になるよ。だから、悩みがあるなら俺になんでも話してほしいと思ってる…凪のこと、もっと知りたいから」
二人は黙ってお互いを見つめ合って、もうタブレットの画面なんて見てはいなかった
だって映画よりも気になる人が隣にいるのに、他のものなんて目に入らない
良い雰囲気になってきた
凪くん、今こそ玲王に素直な想いを伝えてください
凪の告白を下3レスから🎲 - 147二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 01:33:23
俺の好きな人は、記憶なくしても変わってないよ。今も好きなのは玲王だよーーーーーーーーー+ーーーーーーー
- 148スレ主24/03/20(水) 08:39:21
(夜まで戻らないので念のため保守させといてください🙏)
- 149二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 11:33:29
玲王のことが好き。玲王とずっと一緒に居たい。何度記憶が無くなっても、玲王以外と恋するなんて考えられないよ。
- 150二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 12:08:40
俺が好きなのは玲王だよ
すごいよね、俺って何度でも玲王を好きになるみたい
きっと何度記憶がなくなっても俺はお前に恋するんだと思う - 151スレ主24/03/20(水) 21:48:49
- 152二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 23:32:19
コマ突き抜け告白きたー
- 153二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 09:52:11
保守
- 154二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 20:01:13
現凪くん切ねぇ…
- 155二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 22:21:23
コマ突き抜けてきたー
- 156スレ主24/03/21(木) 22:33:40
凪「…玲王は、俺のこと、もっと知りたいと思ってくれてるの?」
玲王「思ってるよ」
優しく凪を見つめて微笑みながら、玲王が頷く
愛から一番遠いのは、憎しみではなく無関心
自分に興味を持ってくれているということは、少なからず愛に近い感情を持ってくれているということ
自分が玲王のことをもっと知りたいと思うように、玲王も自分のことを知りたいと思ってくれている
このキラキラした人の綺麗な心の中に、紛れもなく自分のためだけの居場所があって、互いを理解し、認め合おうと試みてくれている事実は、最後の一歩を踏み出せずにいた凪の背中を押した
玲王『もしかしてさ…』
玲王『俺のこと、好きになってたりする?』
凪『好きとかは…わかんないけど、玲王とずっと一緒にいたい』
昨夜、玲王の部屋で訊かれた時に、ハッキリとは答えられなかったその答えを、凪はとうとう言う時が来た
凪「俺の好きな人は、記憶なくしても変わってないよ」
凪「今も好きなのは玲王だよ———」——————
玲王「凪…」 - 157スレ主24/03/21(木) 22:36:10
凪の想いは、言葉の枠をとうに突き抜けていた
その感情は決められた場所になど、とても収まらなかったのだ
玲王「…何だ、それ。また練習かよ?」
しかし、傷つくのを恐れた玲王はせっかくの凪からの告白も、はぐらかすようにしてその言葉を茶化してしまう
凪「…練習じゃないよ。玲王、俺の顔見たら分かるって言ってたでしょ?俺が今、何考えてるのか」
ほら、もっとよく見えるように近づいて、と薄暗くなった部屋の中で凪が玲王に顔を寄せる
玲王「…ぁ」
この状況はマズい、と流されそうになる雰囲気の中で、玲王は後ろに手をついてもう片方の手で凪の肩をそっと押し返した
凪「…どしたの?」
玲王「どしたの、はこっちのセリフだよ。急に好きとか言われて、ハイ、そーですかなんて、すぐには信じられねーだろ…」
凪「なんで?」
暗い室内で、凪が子どものように黒い瞳を輝かせて、玲王に問う - 158スレ主24/03/21(木) 22:40:31
玲王「だって、まだ今のお前と出逢って一日くらいしか経ってねーのにさ…そんなすぐに人のこと、好きになったりしねぇだろ、って」
ジッと真っ直ぐに自分を見つめてくる凪から目を逸らし、少し顔を赤くした玲王が気まずそうに斜め下を見たままそう答える
その視線の先には、片付けられていないゴムの箱が転がったままだった
凪「…人に恋をするのに、時間なんて必要なのかな」
玲王「え?」
凪「少なくとも、元の俺は玲王に階段で抱きつかれた時に、もう玲王のこと好きになってたんだと思うよ。だって、今俺の心の中にある玲王への感情と、階段の記憶の中の俺の感情は同じだ」
玲王「あ…」
凪『お前と階段で出逢った時、俺を見て熱くなったお前を見て、コイツが欲しいって、思ったんだ』
凪『だから昔の俺には、もう戻れない。お前と出逢ってから、俺は変わったんだ。熱くなれることも、夢を見ることもないって思ってたのに…』 - 159スレ主24/03/21(木) 22:42:45
家庭科室でメイド服の採寸をしていた時、たしかに元の凪は自分に対してそう言っていた
玲王「(俺のこと欲しい、って…そう言ってたっけ。それで、その後は…)」
凪『今は、こんなにもメイド服を着たお前を見たいって思ってるし、授乳プレイだって、夢に…見てる…ハァ…ハァ…』
玲王「うわッ!?」
凪「!?」
元の凪のトンデモ発言まで思い出してしまった玲王は、背筋をゾクリとしたものが駆け抜け、咄嗟に凪の両肩を掴んで自分から引き離した
凪「っ、玲王…?なんか、嫌だった?ごめんね」
玲王「いや、ワリィ…お前のせいじゃねーんだけど、つい反射で」
両手で自身の身体を守るようにして抱きしめた玲王が、小刻みに震えながら凪にそう告げる
凪「(やっぱり昨日、無理矢理っぽくしちゃったから、怖がられてるのかな…)」
玲王が凪を避けたのは、今の凪ではなく元の凪の発言のせいなのだが
優しい玲王は気を遣って自分のせいではない、と言ってくれているのだろう、と凪は考えた - 160スレ主24/03/21(木) 22:47:45
凪「…あのさ、昨日玲王から『好きになってたりする?』って訊かれた時の俺は、好きって言葉の意味がよく分かってなかったけど…今なら分かるよ」
玲王『グルグルとあれこれ考えて悩んでるその時間は、たしかにお前が言うように非合理的だし、苦しいだけの時もあるけど…誰のことも好きになって無かった一人だけの時よりも、俺にとってはスゲェ幸せな時間だよ』
凪「その人のことを考えて、悩んで…そーいう面倒臭いはずのことが、楽しいとか、幸せな時間に変わる、ってことだよね」
玲王「おっ…スゲェじゃん凪!さっすが天才。俺の言ったこと、もう分かってきてんだなー」
恋愛においても飲み込みが早い天才に対して、玲王はヨシヨシと頭を撫でてやる
玲王「それって、俺のおかげ?なんつって」
凪「うん…玲王のおかげだよ」
玲王「え」
凪「この感情の意味を俺に教えてくれたのは、玲王だから。玲王と過ごした時間は、たった一日だったけど…その全部が、玲王みたいにキラキラしてる」
玲王「ん?」
凪「だから…ありがとね、玲王。俺に、この気持ちを教えてくれて」
玲王「…凪?それって、どーいう…?」
これからもまだ、自分と凪は一緒に過ごしていくはずなのに
まるでお別れのような言葉を口にする凪に、玲王は瞳を揺らして動揺する
凪「…俺が、元の記憶を取り戻すってことは、今の俺は、完全に居なくなるってことだから」
凪の記憶を取り戻すことに一生懸命で、玲王は考えていなかった
元の凪に戻るということは、今の凪との別れがくるということ
その事実にようやく気付いた玲王の言葉を下3レスから🎲 - 161二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 23:29:16
…練習じゃないなら、「本番」でお前が何をしたかったのか教えろよ
スレヌシのコマ突き抜けの表現オシャ過ぎる - 162二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 10:37:23
…今のお前がいなくなるなんて考えもしなかった
気付いてやれなくてごめんな - 163二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 19:59:52
……今の自分が完全に消える前に、俺とシたいってこと?
- 164二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 23:32:10
玲王も複雑だよね…
凪なのは変わらないけど一緒に居た恋人凪くんじゃない
けど凪なのは変わらないし、記憶が無くても自分の事好きになってくれたし - 165二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 09:58:11
ほしゅ
- 166スレ主24/03/23(土) 16:24:37
- 167二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 21:37:51
エ◯メスっぽい袋かわいー!
- 168二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 08:42:00
マフラー似合ってて可愛い
- 169スレ主24/03/24(日) 18:20:32
保守アリ!🌵
エピ凪スペシャルステージ配信見たー
潔視点じゃなく凪と玲王のむき身の演技楽しみだね〜♡
更新、今しばらくお待ちください🙇♀️ - 170二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 22:30:14
ソファに座ってケーキ食べようとしてるの可愛いー
マフラーも似合ってるよ凪 - 171二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 07:24:26
続き楽しみに待ってます!
- 172二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 17:51:23
🌵
- 173二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 22:48:18
✌️
- 174スレ主24/03/26(火) 04:54:00
玲王「…今のお前がいなくなるなんて考えもしなかった」
先程まで照れて少し顔を赤くしていたはずの玲王は、自分の凪への言動を思い出し、むしろ青ざめた様子で呟いた
玲王「気付いてやれなくてごめんな」
凪の記憶を取り戻す所まで、あと少しなのに
自分の願いを叶えるということは、目の前にいる今の凪を消してしまうということ
玲王「…」
凪『俺とも、忘れられないような思い出…作って、欲しい』
恋人の凪と自分がしたことのないことをして、一日を過ごしたいと言ったあの時も
凪『だから、玲王も俺とのこと…忘れちゃダメだよ』
プリクラに『玲王大好き』と書いて、教えた名前の漢字をちゃんと覚えている、と言ったあの時も
凪はずっと、心のどこかで、いつ自分が消えてしまうか分からない恐怖と共に在ったと言うことか
それなのに、自分は目の前の凪の気持ちに寄り添うどころか、元の凪の記憶を取り戻すことを切望して、少しでも記憶が戻りそうな気配を感じては凪の目の前で一喜一憂していた - 175スレ主24/03/26(火) 04:58:03
玲王「ごめんな、凪…。俺、お前が記憶取り戻しそうになる度に喜んだりとかして、無神経だったよな」
自身の膝の上に置いた手をギュッと握りしめ、俯いたままの玲王が搾り出すようにして声に出す
凪『あ、でもさ。俺の記憶が戻った時、今こうしてる記憶の方は消えちゃうパターンもあったりして』
玲王『…?どーいうコトだよ?』
凪『つまり、元の俺に戻った時、記憶を失ってた間に俺がしてたことは全部忘れてる可能性もあるかも、ってこと』
玲王「あの時、言われてたのに…記憶が戻った時に、お前が消えちゃうかもしんねぇこととか、ちゃんと考えもしてなくて…。俺に遠慮して、今まで言わなかったのか?」
顔を上げた玲王が、凪を真っ直ぐに見つめて訊く
すっかり陽が落ちて暗くなった室内では、タブレットからの明かりを頼りにして凪の表情を探るしかなかった
凪「うん…」
玲王「っ、いつそうなるか分かんなかったの…一人で悩んで、ずっと、怖かったよな」
凪の返事を聞いた玲王は、弾かれたように膝立ちになり、そのまま凪の頭を抱えるようにして自身の胸元へと引き寄せる
凪「…」
凪も玲王の腰へと手を回し、その胸に顔を埋めた
凪「…ごめんね、玲王。謝んないで」 - 176スレ主24/03/26(火) 05:04:36
凪「いつお別れになるか分からないのに、玲王といる時間を暗い気持ちで過ごしたくなかったから。だから、ずっと言い出せなかった…言ってれば、もっと早く記憶を取り戻せてたかも知れないのにね」
少し上にある玲王の顔を、怒られないかと不安になった子犬のような瞳で凪が見上げる
玲王「そんなこと…お前こそ、謝んなよ」
凪は、湿っぽくなりたくなかったからだけではない
玲王と一緒に過ごすこの時が止まれば良いのに、と
そう思えるほどの満たされた時間が、このままずっと続いていくような
そんな幸せな夢から、凪は醒めたくなかっただけ
いつか記憶が戻るなら
その時、自分が消えてしまうなら
この一日を、残された時間を
目一杯楽しもうと
凪はそう願っただけだった - 177スレ主24/03/26(火) 05:07:26
凪「俺の願いは、もう叶ったよ。玲王と一日デートも出来たし、玲王への想いも、ちゃんと言えた」
玲王「…うん。ありがとな」
凪は自分を抱きしめていた玲王の身体を引き離し、暗がりの中でその顔を見つめる
凪「好きな人のことは諦められないって玲王は言ってたけど、でも、やっぱり俺は、好きな人には…玲王には、いつも笑っていて欲しい」
玲王と過ごした、たった一日の記憶
隣で見つめたクルクルと変わるその表情の中で最も記憶に残ったのは、太陽みたいな玲王の笑顔だった
凪「玲王が、どうしたらずっと晴れた日の空みたいな、曇りのない笑顔でいてくれるのかな、って考えた時に…やっぱり、これしか思いつかなかった」
玲王『それでさ、明日もいっぱい…』
玲王『いっしょに、サッカーしような、凪…』
凪「だから、元の俺に戻ろう」 - 178スレ主24/03/26(火) 05:11:40
自分が見ていたキラキラした玲王は、元の自分に恋をしていた玲王だった
ただでさえ綺麗なこの人を、太陽の光で輝く宝石のように煌めかせていた存在は、元の自分
そんな玲王に、自分は恋をした
玲王「元のお前に…戻る?」
凪「うん。玲王を抱きしめて、その髪の匂いを嗅げば…きっと、玲王との記憶を取り戻せると思う」
玲王「俺の、髪…?」
玲王は自分の顔の横にかかる長い前髪を手に取り、不思議そうにそれを眺めながら、パラパラと顔に落としていく
凪「昨日の夜、俺が玲王の髪を梳かしてた時…知らないはずなのに、懐かしいって思うような匂いがした」
玲王「昨日…」
玲王『もーいいだろ!あんま触んなって!』
凪『ちょっと待って、あと少しで、なんか思い出せそうな…』
玲王『もうその手には乗らねーよっ!』
玲王「あ…あの時、か」
昨夜、自室で凪に頭を引き寄せられた時、また記憶を口実にして好き放題されると抵抗したが、あの行為が本当に記憶を取り戻すためのトリガーになっていたのか、と玲王は驚く - 179スレ主24/03/26(火) 05:14:39
玲王『自転車の後ろってこんな感じなんだなー。お前っていっつも俺の後ろで何考えてたの?』
凪『んー、レオいい匂いだな〜って』
初めて凪の家に泊まった日、買い物に行くために凪の漕ぐ自転車の後ろに乗った時
凪『あー、俺、マジでレオのこの匂い好きなんだよなー』
玲王『だから嗅ぐなって。そんなに好きならうちのシャンプー持って帰れよ』
凪『違うの。俺がレオと同じシャンプー使ってもこの匂いにはならないの。だから、レオを俺んちに持って帰ってもい?』
初デートで喧嘩した後、凪が雨の中を走ってきて、好きなところを言いながら髪にキスしてくれた時
玲王「…お前って、ほんと、俺の髪好きだよな」
タブレットの画面を流れる映画は、物語終盤
記憶を消して一度別れた二人は、次に逢った時はやり直せるかも、という話をしていた
記憶を遡った先で、主人公はどうすればお互いがやり直せるかのヒントを見つけ、再びモントークの地で逢うことを記憶の中のヒロインと約束して朝を迎える - 180スレ主24/03/26(火) 05:20:48
凪『俺は、もし記憶を消されても消えないくらいのレオとの大事な思い出あるよ』
凪『多分俺たちも、この主人公達みたいにすれ違ってるんだよ』
凪『だから、もっとこうしてたくさん一緒に過ごして、色んなこと話す時間が必要だと思う』
玲王「…」
たった一日会っていないだけなのに
玲王は、もう何年も恋人の凪と会っていないような、そんな気持ちになっていた
凪「…玲王、元の俺に…会いたいでしょ?」
玲王「…それ、は…」
今の凪の目の前で、恋人の凪に会いたい、と正直に言うことが躊躇われた玲王は、自然と溢れてくる涙をその大きな瞳に湛えたまま、凪の顔を見つめる
凪「いいよ、正直に言って?自分の気持ち我慢しないでって、前も言ったでしょ」
凪『さっきも言ったけど、玲王って結構我慢して生きてんじゃない?』
玲王『…そーかもな』
凪『だからね、ムズカシイこと考えずに、さっきみたいに俺が玲王のこともっと解放してあげたいな、って思った』
玲王「…逢い、たい」
凪「うん」 - 181スレ主24/03/26(火) 05:25:26
凪『ね?そんな難しく考えないでー。アタマでばっか動いてたら、本当に玲王がしたいコトわからなくなっちゃうよ』
玲王「凪に…逢いたい、すごく。逢って、それで…もっとちゃんと、アイツと話したい。どんな小さなことでも良いから、色んな、たくさんのことを」
凪は、玲王の形の良い丸い頭へと手を伸ばし、先程自分が玲王からしてもらったようにして、ヨシヨシとその頭を撫でる
凪「玲王、よく言えました」
凪『玲王が我慢してるもの俺が全部取り払ってあげたい。そしたらどんな顔するのかな、って』
凪「…素直な玲王は、やっぱスゲェ可愛いね」
玲王「可愛いとか、言うなって…」
泣きたいのは凪のはずなのに、玲王は胸に抱えていた想いを口に出したことで、ぐちゃぐちゃになった感情から零れる涙が止まらなくなっていた
その涙の粒が、下に座っている凪の頬の上に、雨のようにポタリと落ちる - 182スレ主24/03/26(火) 05:31:08
玲王「お前のことも、大事な宝物だと…思ってる」
凪「分かってるよ。大丈夫」
凪は玲王と目線が合うよう膝立ちになり、抱きしめて玲王の背中を手の平で優しく摩る
凪「じゃあ、最後に甘えさせて。元の俺じゃなくて、俺のことだけ想って…お別れの、キスして欲しい」
いよいよラストダイス
記憶喪失の現・凪くんとお別れの時が来てしまった
最後に、元の凪くんじゃなく、今の凪のことを想ってキスをしよう
玲王は凪のどこにキスをした?
また、その時の玲王から凪への最後のセリフを下3レスから🎲 - 183二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 05:41:31
このレスは削除されています
- 184二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 05:43:06
ほっぺにキスする
俺が好きなのは元の凪だけど、それでも…お前のことも大好きだから
今日1日すげぇ楽しかった、絶対に忘れない - 185二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 11:39:59
- 186二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 21:37:24
お二人より良いの思いつかないー!
- 187二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 22:49:25
絶対忘れねぇ…ってか、お前との思い出は忘れらんねーと思うわ(優しく笑いながら)ありがとな、凪
おでこにキス! - 188スレ主24/03/27(水) 05:08:58
- 189二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 15:44:31
あーんかわいいねえ!
- 190二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 21:26:20
あーん可愛いね!
記憶喪失凪くんのラストスパート寂しいけど楽しみ! - 191二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 05:37:23
ほしゅ〜
- 192二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 16:55:38
🖤🧁💜
- 193二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 22:39:11
保守
- 194スレ主24/03/29(金) 03:22:14
お待たせしました
(※案の定ラストパートめちゃくちゃ長くなってしまったのでtelegraphに分けてまとめました)
玲王は頬を伝う涙を手の甲で拭い、躊躇いながらも凪の頬にそっとキスをした最後のお願いであるキスをするということは、凪との別れを受け入れるということ
そして、溢れる感情を素直に口にした
玲王「俺が好きなのは元の凪だけど、それでも…お前のことも大好きだから」
凪「うん…」
頬へのキスは親愛の証
もちろんそれは、目の前にいる凪は玲王にとって本命じゃないということだ
あとわずかで居なくなる自分を喜ばせるために、今だけは優しい嘘をついてくれたっていいのに
でも、こんな風にどこまでも真っ直ぐで、最後まで正直に自分と向き合ってくれるところが玲王らしいな、と凪は思う
だからこそ、自分のことを「大好きだ」と言ってくれた玲王の言葉は決して嘘じゃないのだろう
玲王「今日一日すげぇ楽しかった、絶対に忘れない」
凪「…うん、俺も」
唇が触れ合いそうなほど近くで、凪はそう告げた
凪「じゃあ、一緒にベッドで横になって」
玲王「え?」
手を引き、そのまま一緒にベッドに上がろうとする凪に玲王は驚く
玲王「えっ、あ、なんで…?」
凪「だって、記憶取り戻した時に意識失って倒れたりしたら危ないでしょ」
玲王「あ、なるほどな…」
…telegra.ph - 195スレ主24/03/29(金) 03:22:51
- 196スレ主24/03/29(金) 03:23:15
- 197スレ主24/03/29(金) 03:34:39
【あとがき】
過去最長part7となったこの連載も皆さんからの安価や保守、コメント、♡のおかげで無事完結することが出来ました🙇♀️
イブに始まった記憶喪失編💭
テーマ上、過去の思い出を引用したやり取りが多く、読みにくかったら申し訳ないです
最初は凪が隠したままのアレを現・凪くんが見つけて記憶を取り戻すギャグENDを考えていましたが、無事(?)センチメンタルENDに落ち着きました
50レスに一回くらい「もう書けないー!」となり、3スレに一回くらいは「無理だ…爆破するしか…でもエタらせたくない」というジレンマを抱えつつ
12時間に一度の投稿というあにまんの決まりに尻を叩かれながら(今回は保守頼みでお待たせすることもしばしば🙏)毎日凪玲のことを考えて過ごしていました
ここまでハマって、SSや挿し絵を描くようになったカプは初めてです
本当に凪玲の持つパワーって凄い!
彼らに出逢えて毎日が幸せです
そして、いよいよ次の12部で二人は本番を迎えられるのか?(次回作の構想はまるでノープラン…喪失中の記憶の有無も含め、今作からの続きになると思います)
作中は秋から冬ですので、聖夜🎄に初体験♡出来るといいな🎅<フォフォフォ…
季節感度外視ですが、クリスマスを過ごす二人を一緒に温かく見守っていただけたら幸いです
次回はここまでのロングランにならないよう頑張りますので、またお会い出来た時はお付き合いよろしくお願いします🌵 - 198二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 03:39:21
記憶喪失編完走おつかれさまスレ主!!
毎日更新楽しみにしながら生きてる人間がここにいるよ!!🌵
聖夜の初体験(?)楽しみ…今後も無理せず頑張って!!☺️ - 199二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 07:43:37
今作も最高でしたー!お疲れ様です!
記憶喪失凪くん切ないけど、元凪くんが見れて安心しました…
スレ主のSSも絵も大好きです🥰
よく読み返しているので、思い出の引用もニヤニヤしました🤭
クリスマス編も楽しみに待ってます! - 200二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 10:23:39
完走