【オリキャラ🎲/⚓︎】──はおともだちに会いたい生徒【ブルアカ】

  • 1◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 21:40:34

    いぶき(1.ちゃん 2.さま 3.お嬢様)。

    dice1d3=1 (1)


    (1.あたし2.ぼく3.せつ)を『お友達』と呼んでくれた、いまは遠くにいる、輝くような笑顔の女の子。

    dice1d3=2 (2) 


    "また、会いたいな───"


    日を重ねるほどに降り積もり、陽の光を浴びてなお溶けようとしない、そんな幼い欲求に。

    ある日、己は屈したのだ。


    バックパックのチャックを開く。路銀を納めたかえるの財布、帽子に水筒、学生証。絆創膏に、おにぎりをひとつ。よいしょと背負い、靴、髪型、得物の様子を検めて───


    扉を開ける。今日は快晴、差し込む光は暖かく、この小さな冒険のはじまりを、祝福してくれるみたいだった。

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 21:42:39

    定期的に立つ「本気」のスレだ

  • 3◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 21:45:29

    */

    イブキちゃんのお友達が万魔殿にお出かけするスレです。

    ダイススレを立てるのは初めてなので、不備があれば都度ご指摘いただければと思います。

    よろしくおねがいします。


    だいたい以下の通り、三つのステージで進んでいきます

    キャラ設定(交通機関利用前)

    イベント1(交通機関利用中)

    イベント2(下車後)

    ゴール!


    */


    プロフィール

    なまえ:「」

    がくえん:ゲヘナ学園初等部

    ねんれい:dice1d3=1 (1) (1.10歳 2.11歳 3.12歳)

    しょぞく:「」

    しゅみ:「」

    たからもの:「」

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 21:46:26

    このレスは削除されています

  • 5◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 21:47:14

    青く澄んだ空の下。

    近場の交通機関を利用するため歩いている最中、ぼくは彼女───いぶきちゃんとの出会いを回想していた。



    ぼくには、欠陥があった。

    それは周りから逸脱した異才であり、その異才が引き起こした『事件』によって、ぼくは独りになった。

    理解できない異物を排除しようという、集団の防衛機能によって。


    ゲヘナ学園において、自衛は義務である。銃器の携行を常識とするキヴォトスにあって、ことさらに『治安が悪い』と称されるゲヘナでは、初等部であっても、ある種の強さを求められる。

    それは周囲を味方につける気風であったり、単純な腕力であったり、賢しさであったり……あるいは、そういった傑物の下に上手く取り入る、弱さという名の力であったり。

    それを持つ者は競争に参加することを許され、持たぬ者は誰の目にも入らないようになる。


    ならばぼくは。

    消えることなく、しかし競争に組み込まれるのでもなく。その外側で、総意にて排除されるべきだとされた、ぼくの力と『事件』は───


    神秘 dice1d50=22 (22)

    (+30) 95でホシノ級


    dice1d3=2 (2)

    1.不誠実

    2.誘拐

    3.暴力

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 21:48:25

    誘拐される何か持ってるの厄ネタすぎる…

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 21:50:57

    コメントアウトが/*じゃなくて*/開始なのが地味に気になる

  • 8◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 21:56:58

    【誘拐】

    姉に会いたい、そう言われたのだ。
    同級生の知り合い未満、競争の外側で空気のように過ごしていた仲間のひとり。
    高等部に進んだ姉と離れて暮らしており、しばらく顔を合わせていないという。
    寂しい、悲しい、会いたい───
    それはなんの特別感もないありきたりな願いで、だからこそ、尊ばれるべきだと思ったのだ。

    だから、ぼくは【運んだ】。

    ───結果だけを言おう。
    ぼくたちは失踪から一日後、レッドウインター学園の郊外に広がる森林地帯で発見された。
    泣きじゃくる同級生は、しもやけた指でぼくを指さし、「アレがやった」と証言した。
    ぼくは空気ではなく、同級生を遠方へ攫った犯罪者となり。
    "関わるなかれ。神隠しに遭うぞ───"と、怖れられるようになった。

    降り注ぐ氷雪。同じだと思っていた子からの恐怖の視線。
    心をも凍てつかせる環境から戻ってきたぼくの髪は、その在り方を映すように、蒼白く染まっていた。

    神秘⇒三十の軍団を支配する力強き侯爵、バシム
    【遭遇】で、風紀委員会、犯罪者全般、227号特別クラスとの遭遇率を上昇

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:00:01

    >>8

    善意の行いで誘拐犯になったとか辛いな…

    なんで赤冬に行ったのかは、そのうちわかったりするのか…?

  • 10二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:00:53

    お姉ちゃんが赤冬にいたんでしょ

  • 11◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:02:28

    /*
    (コメントの打ち方が違うのは単に私のミスです、愚か)

    Q.バシムってなんや

    A.ソロモン王が使役されたという72柱の悪魔のひとりです。
     その姿は蒼白い馬に騎乗した男性とされており、契約者を国から国へ移動させる、瞬間移動のような力を持つとされます。
     このスレにおける”ぼく”の神秘は、このバシムを基にしたものとします。

    */
     

  • 12◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:10:02

    氷の世界から帰ってきても、ぼくの心は凍ったままだった。

    断絶した親交。日に日に蒼く染まっていく頭髪。

    明らかに───ごまかしようもなく、高まっていく"敏捷性"。


    どうなるのだろう、という不安があった。

    友達がいないのは、いつものことで。戦えない者はいないのと同じだったから、疎まれるのも耐えられて。

    ただ、自分がこれからどうなってしまうのか、それだけが、怖くて……


    ただ蹲るだけだったぼくは、けれど。

    その日、天使を見たのだ。


    イブキの感情

    dice1d4=4 (4)

    1.喜 2.怒 3.哀 4.楽

  • 13二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:12:14

    らしいとこ引いた

  • 14二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:15:54

    馬…イブキとタンデムしようぜぼくちゃんよ
    年齢的にポニーサイズか?

  • 15◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:19:46

    いぶきちゃん───丹花イブキ。
    ゲヘナ初等部において、その名を知らない者はほとんどいなかった、”つよい”生徒。
    天真爛漫な気風に端正な顔立ち。弾ける笑顔は太陽のよう。賢く親切、誰もが愛する初等部のアイドル。
    そんな、カースト最上位の生徒は、周囲の取り巻きの制止の声を飛び越えて、あっさりと。
    ぼくの手を取って、言ったのだ。

    ”───ちゃんの手、つめたいね。イブキがあっためてあげる!”

    丹花イブキはあっさりと、ぼくを雪原から連れ出した。

  • 16◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:28:58

    /*

    モブちゃんのお姉さんが赤冬にいた理由は、いちおう「温泉開発の一環」としていますが、設定の矛盾などあればあっさり変更・撤回する裏設定のようなものなので、今は気にしないでくださいまし!

    */


    いぶきちゃんと一緒にいるようになって、ぼくを取り巻く環境は変わった。

    少なくともはっきりと怖がられることはなくなったし、いきなり蒼白く染まった髪も、次第に周囲に馴染んでいった。

    感謝してもしきれない。太陽のような、一つ上の女の子。

    ある日、彼女は旅立つことになった。

    才覚を認められ、ゲヘナ学園の生徒会───万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)にスカウトされたのだ。

    取り巻きの生徒からは大いに悲しまれ、盛大な送別会が行われた。

    みんながみんな、とっておきのお菓子やら、ご禁制の飲料やら、時季外れの花火やらを持ち込んでの大宴会。


    そこから少しだけ抜け出して、ぼくといぶきちゃんはお別れをした。


    ”ぼく”の感情

    dice1d4=2 (2)

    1.喜 2.怒 3.哀 4.楽

  • 17二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:33:12

    怒るかぼくちゃん
    いいぞゲヘナ的だ

  • 18◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:38:10

    ───怒りであり、不安だった。


    ゲヘナの生徒会、その噂は聞いていた。

    突拍子もないことをいきなりやって、どたばたしている先輩の集まり。

    秩序の番人である風紀委員を目の敵にしている……(らしい。風紀委員の先輩の談笑を盗み聞いたのだけれど)こと。

    何より、高等部での争いは、初等部の「競争」とはきっと違う。


    ぼくは、この太陽のような女の子が悲しい顔をしてしまうのではないか、という不安に駆られ、そして、彼女についていけない己の未成熟な肉体と精神に、どうしようもなく憤った。


    ”なかないで、──ちゃん”


    頬を伝う、熱い雫をそっと拭う小さな指。

    ぐしゃぐしゃに泣きじゃくるぼくに、いぶきちゃんは───”たからもの”をくれた。


    ”たからもの”

    dice1d3=2 (2)

    1.おそろいのくまのぬいぐるみ

    2."ダンダーン! ちゃん"

    3.クレヨンとスケッチブック

  • 19二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:42:04

    イブキの銃の姉妹機、かな?
    そんな特別なもの渡されたらモブちゃん忘れられなくなっちゃうよ

  • 20◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:47:20

    ダンダーン! ちゃん。

    それは、彼女の得物。彼女の銃。

    いつも彼女と共にいて、いつも彼女を守ってきた、最たる忠臣。

    たくさんのステッカーが貼りつけられたその小銃を、いぶきちゃんはぼくの手に渡したのだ。


    "だいじょうぶ。とおくにいても、いっしょだよ"

    "この子のことを、おねがいね"


    ぼくは、その日───

    たくさん泣いて、喚いて、せいいっぱいの感謝を告げて、丹花イブキを送別した。


    "ぼく"の使用武器

    dice1d1=1 (1)

    1.AR『ダンダーン! ちゃん』

    イブキちゃんが初等部の頃使用していたAR。

    数多くのステッカーが貼りつけられたその銃身は、イブキちゃんの「好き」の結晶であり、

    その持ち手には、蒼白い馬のアクセサリーが取り付けられている。

  • 21二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:48:52

    一択の選択肢いいな……

  • 22◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 22:59:25

    『───、───』


    賑わいが、耳に入ってくる。

    居住区から少し離れたここは、車両がせわしなく行き交う大通り。

    ここからもう少し歩けば、dice1d2=2 (2) (1.バス乗り場 2.駅)にたどり着く。

    ……ちょうど手ごろなベンチがあったので、ここでもう一度、荷物の確認をしよう。


    よいしょと座って、バックパックを手に取る。

    かえるの財布、帽子に水筒、転んだ時のための絆創膏に、おにぎりいっこ。

    背に携える『宝物』の重み。

    そして、学生証。

    そこには確かに、()の名前と顔写真が───


    名前:>>22 ~ >>25  までで安価

    第一印象:蒼白い馬


    頭部(髪型)の特徴

    色調

    dice1d100=24 (24) 1ほど白い 100ほど青い

    印象

    dice1d3=2 (2)

    1.ゲヘナミニミニアオジロモップ

    2.馬のたてがみを思わせる軽やかな長髪

    3.走ると宙を奔る流星のようにたなびくポニーテール


    ウマの特徴は……?

    dice1d3=3 (3)

    1.ウマ耳だけだよ

    2.ウマ耳としっぽがあるよ

    3.ウマ耳、しっぽ、それと、じつは……

  • 23◆cInAT.xMjqDy24/03/03(日) 23:00:19

    ミスです、>>24 ~ >>26 でお願いします。

  • 24二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:19:19

    雪走タナビ(ゆばしりたなび)

  • 25二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:41:11

    神隠ウマコ

  • 26二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 00:58:33

    このレスは削除されています

  • 27◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 01:16:24

    名前ダイス

    dice1d3=3 (3)

    1.雪走タナビ

    2.神隠ウマコ

    3.荒晴テグサ


    髪の特徴

    夜の雪原のようなうっすらと青い白色

    dice1d2=1 (1) で1なら、一房だけかつての色を残している

    元の髪色 dice1d5=2 (2)

    1.黒 2.茶 3.赤 4.金 5.緑


    ウマの特徴

    ・ウマの耳、しっぽを持つ。

    ・『脚部の筋骨がウマのように変形している。』

    変質の度合い dice1d100=60 (60)

    30で長靴などで誤魔化せる程度。

    60で長靴と専用のストッキングを必要とする。

    90で長ズボンや丈の長いスカートで物理的に隠す必要がある。

  • 28◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 01:44:29

    学生証には確かに、ぼくの───"荒晴テグサ"の文字が書かれている。

    顔写真に映るぼくの髪色は、青っぽい白。元は茶色だったのだけれど、髪色が変わってしまったから、撮り直した。

    一房だけ残るかつての面影は、雪解けを迎えた雪原からひょっこり顔を出した、欠片ほどの大地を思わせる。

    ちなみに、写真の中のぼくは……

    dice1d3=1 (1)

    1.むすっとした表情だ。じっとしているのは苦手だ。

    2.無表情だ。こんなことより、いぶきちゃんに会いたいって顔をしている。

    3.やや緊張した面持ちだ。写真写りを気にして、撮影前には鏡とにらめっこしていたっけ。


    荷物の確認が終わったので、移動を再開しようとベンチから降りる。

    ……みしり、という鈍い音。それはぼくの足が発し、ぼくの内側に響く音だ。

    膝にちょっと届かないくらいの大きさのブーツと、収縮食である黒色のストッキングを常用することで、見た目は普通に見せれてる、この足。

    『事件』以降、走るという行いそのものを避けるようになったぼくは、コレの性能を把握していない。

    その怠慢を咎めるように、ぼくの足はみしみしと音を立てるのだ。


    そんなことを考えているうちに、駅にたどり着いた。

    何事もなければ、お昼までには高等部の学び舎の近くまでいけるだろう……

  • 29◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 01:57:19

    ☆プロフィールが更新されました☆


    なまえ:荒晴テグサ

    がくえん:ゲヘナ学園初等部

    ねんれい:10歳

    しょぞく:「」

    しゅみ:「」

    たからもの:"ダンダーン! ちゃん"(アサルトライフル)


    他ダイス

    胸部の特徴

    dice1d3=1 (1)

    1.慎ましい

    2.成長を感じられる

    3.発育目覚ましい


    下半身(太もも、おしり等)

    dice1d3=3 (3)

    1.ほっそり

    2.つやつや

    3.むっちり


    機動力(移動の速さ、身軽さ)

    dice1d40=35 (35)  +40

    馬脚補正+30 性格:活動的+5 小柄+10 武装:AR-5

    90でネル級


    /*続きは本日19時頃に進めていきます*/

  • 30二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 02:23:58

    無事にたどり着けるだろうか
    続きに期待

  • 31二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 14:20:30

    保守

  • 32二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 15:39:45

    いいトモをしている…決してやましい意味はないぞ

  • 33◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 19:55:31

    /*

    キャラエミュのための資料集めが難航しているため開始が遅れます。

    間を持たせるため特徴のダイスを振ります。

    21時を目途に開始します。

    */


    荒晴テグサちゃんのチャームポイント


    dice1d3=1 (1)

    1:ぱしぱしまつげ

    2:ぷるぷるくちびる

    3:もちもちほっぺ


    dice1d4=2 (2)

    1:オッドアイ(蒼白と茶色)

    2:邪眼(目つきが怖く動物等に怖がられる)

    3:考えてることがめちゃくちゃ顔に出る

    4:赤面癖


    dice1d3=2 (2)

    1:宝石が好き

    2:蛇が好き

    3:植物が好き

  • 34◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 21:11:25

    ☆2nd stage 『電車』☆



    『ご案内いたします』

    『まもなく、特急・ゲヘナ行きの電車が発車いたします』

    『ご利用のお客様は、ご着席くださいますよう、お願いいたします───』



    指定の席に座り、人心地つく。

    ゲヘナ行きの電車だから、周囲の乗客もほとんどがゲヘナ生らしい。不良風の格好をした三人組に、お揃いのヘルメットを被った集団客。共通しているのは、誰もがいつでも手を伸ばせる位置に銃器を携えていること。当然、ぼくも例外ではない。ゲヘナでは当たり前の景色。

    無駄にガンをかけてくる先輩を睨み返して───ぼくは目つきが悪いので、脈絡なく因縁をつけられることがよくある───追い払いながら時間を潰していると、乗務員のひとがきた。はいらんだー、の鉄道を利用するには、この白い制服を着たひとに、乗車券を見せなければいけない。

    ぼくはさきほど購入した乗車券を、乗務員のひとに見せようとして───


    ……。


    …………ない。


    じょうしゃけん が ない 。


    dice1d3=3 (3)

    1.なんですってー!? の顔

    2.真っ青にして滝のように汗を流す

    3.囧

  • 35◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 22:00:42

    ……う、うあぁああああ──!? ななな、なんで乗車券がないのっ!?

    ぼくは確かに乗車券を買って、そこに記載された指定の席にいるというのに!


    ポケットをすべて裏返して、バックパックの中もかえるのお財布の中までしっかり確認しても、ない。

    ……そこまでして、乗車券を購入した後、どこにしまったかまるで覚えていないことに気づいた。

    どうやら完全にぼくのミスらしい……目の前の乗務員の先輩が、怪訝そうに眉をひそめている……


    「……きみ、もしかして無賃で……」


    ───ぼくはまた、『犯罪者』になるのだろうか。

    そう思い、頭が真っ白になりかけたその時、声をかけてくる生徒がいた。


    誰が来た?

    dice1d4=2 (2)

    1.観測器具を背負った少女

    2.深い紅色を携える少女

    3.龍のスカジャンを纏う少女

    4.先ほどガンつけてきた不良風の生徒


    乗務員の心境

    dice1d100=16 (16)

    1ほどゲヘナっぱりがまた問題起こしやがった

    100ほど大丈夫、おねえさんがなんとかするよ


    テグサの弁明 上の数値に加算 下限0

    dice1d30=3 (3) -10

    (ゲヘナ補正 -50 子供 +30 学生証 +10)

  • 36◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 22:43:16

    「いくら子供だからって、無賃乗車していいと思ったら大間違いだぞ……っ?」

    乗務員の瞳が懐疑から嫌悪、怒りの感情に移り変わる。
    彼女はただ怯えることしかできないぼくの襟首をがしりと掴んで───

    「やりすぎよ、あなた。その子をどうするつもり?」

    制止をかける、大人びた声がした。
    深い紅色(あかいろ)を思わせる生徒だった。
    太陽よりも深く、血よりも鮮やかなそれは、古いドラマの中にあった、ワインの色に似ていた。
    自信に満ちた表情。ゲヘナの証である双角。カリスマと呼ぶべき独特の気風。
    その小さいのに大きく見える肩に携えるのは、長銃───スナイパーライフルだ。

    『陸八魔だ……』
    『風紀委員会に目の敵にされてるっていう、あの……!』

    陸八魔、と呼ばれた先輩は、軽く周囲を見渡して───ひっ、と乗務員のひとが息を飲んだ───カツン、と気品良く靴を鳴らした。
    ぼくも、乗務員も、ほかの客も、何も話せず、動けない。
    完全に、この場を支配していた。

    「……きみ、乗車券はちゃんと買ったの?」

    ついで、彼女の後ろに控えていた生徒のひとりが、ぼくに事実を確認してきた。
    白と黒が同居した外見。目つきは鋭いけれど、敵意はない。たぶん、元から鋭い目をしているんだろうと思って、少し親近感が湧いた。

    「そっ、そうだ! 無賃乗車は犯罪だ! 子供だからって許されないし、違反者をしょっぴくのは我々の業務のひとつ───!」
    「今はこの子に聞いてる。それで、どう?」
    「か、買いましたっ、でも、今はなくて……!」
    「指定席だよね。なら、データが残ってるはず。クレジットの清算に、個人情報を使っているから、それで金銭のやり取りをしたことを証明できる」

  • 37二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 22:48:02

    あるちゃんかっこいいーーーーーっ!
    憧れ確定だよ!

  • 38◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 23:03:44

    「……確認が取れた。荒晴テグサ、お前を客として認める」


    その後。

    別室に連れていかれ、乗務員のひとがどこかへ電話をかけて、十分ぐらいしてから、ぼくの潔白は証明された。

    ありがとうございます、迷惑をかけてすみませんでした、と頭を下げるぼくに、乗務員のひとは「もう無くすんじゃないぞ」と不機嫌そうな顔をして、新しい乗車券を用意してくれた。ここまで何も言わずついてきてくれたアル先輩は、満足そうに頷いていた。

    さあ行った行った、と手で払う仕草をする乗務員さんに見送られて、アル先輩とともに、別室から出る。

    元の席に戻るさなか、ぼくはアル先輩に、どうしても聞きたいことがあった。


    dice1d2=1 (1)

    1.『犯罪者』でいることは、辛くないの?

    2.あなたのようないいひとが、なぜ悪いことをするの?

  • 39◆cInAT.xMjqDy24/03/04(月) 23:55:21

    アル先輩が率いる会社、便利屋68(シックスティーエイト)。
    その業務は「依頼されればなんでもやる」という、言葉通りの便利屋であり、正しく"どんな依頼でもこなす"ために風紀委員会に睨まれている、アウトロー。法を破ることにためらいを持たない、犯罪者。……そう言われること。そう思われることは、苦しくないのだろうか。
    ぼくは、辛かった。

    「……そうね───」

    ぼくの話を聞いて、アル先輩はそっと呟いた。
    彼女は、振り返らない。足も止めない。手を握ったり、頭をなでてくれたりはしない。
    けれど、歩幅を合わせて、背中を見せてくれた。

    「あなたの悲しみは、きっと私にはわからないけれど」
    「それはきっと、犯罪者と呼ばれたことそのものじゃなくて、誤解されたから感じたことなのよ」

    ───誤解?

    「あなたは、あなたが正しいと信じた行いをした。多少の失敗はあったけれど、自分の心に従って、依頼を達成した」
    「そうして、失敗を責められて……あなた自身さえ、あなたの『正しさ』を信じられなくなった」
    「だから……」

    アル先輩が、ぼくを見ている。
    初等部の生徒の誰よりも高い背丈。すらりとした体躯。
    見上げるぼくの瞳の中に、古い赤色が混入する。

    「私はね、ハードボイルドなアウトローになりたいの」
    「それは私が信じる『かっこいいモノ』……なりたい自分になるために、事業を起こして、仲間を集めて、今に至った。それが、私の『正しさ』」
    「だから、犯罪者……アウトローと呼ばれるのは、全く苦しくない。私にとってそれは、自分の『正しさ』を信じた証明なのよ」

    だから、とアル先輩は続けた。

    「あなたの『正しさ』を信じなさい、テグサ。失敗を責められても、非難を受けても、自分がその行いを信じられたなら……なんて言われたって、あなたはあなたを誇れるわ」

  • 40◆cInAT.xMjqDy24/03/05(火) 01:11:09

    そう言い残して、アル先輩は元の場所に戻っていった。アル先輩の仲間が待つ席だ。
    さきほど助け舟を出してくれた、目つきの鋭いひと。可愛いのにどこか恐い笑顔のひと。きょろきょろと周りを見ている、ショットガンを抱えたひと。そしてもう一人、黒色のアタッシュケースを大事そうに抱えた機械のひと。
    あの人たちが、アル先輩の仲間なんだ───
    なんだか胸の奥が熱くなるような気持ちで見ていると、くふふと笑っていたひとがアル先輩に何事かを耳打ちした。
    ……アル先輩が白目をむいて『がびーん』という音が鳴りそうな顔をした気がしたが、たぶん目の錯覚だろう。

    「ええっと、テグサ、ちょっといいかしら───?」

    なんだか焦ったような口ぶりで、ぼくを呼ばわるアル先輩の声は、しかし途中で途切れた。



    『ご乗車中の皆様、及び乗務員にお知らせいたします』
    『先ほど、進路上の線路に危険物が設置されているとの報告を受けました』
    『事実確認を行うため、当列車は一時停止します───』

    という、アナウンスが入ったのだ。

    /*本日の進行はここまでです。*/
    /*ホスト規制を受けてしまったので、今後の更新は不定期になりそうです*/

  • 41二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 13:01:39

    保守

  • 42二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 20:53:57

    旅は続く…

  • 43二次元の好きの匿名さん24/03/05(火) 21:06:03

    ちゃんとアルらしいオチがついてて良い

  • 44二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 22:40:44

    アルちゃん…

  • 45◆cInAT.xMjqDy24/03/06(水) 09:33:41

    /*

    頻繁にホスト規制されて苦悶の表情を浮かべるスレ主。

    折を見て進められるようテキストは準備しているのでもうしばらくお待ちください。

    保守ついでに今後使いそうなダイスをあらかじめ振っておきます。

    他ステータス(他ダイススレでよく出てくるステータス・趣味など)も勝手に振ってもらえたらある程度汲み取って使いますのでよろしくお願いします

    */


    戦術傾向1

    dice1d3=3 (3)

    1.迫撃 2.迎撃 3.攪乱


    戦術傾向2

    dice1d100=46 (46)

    1で攻撃的 100で防御・支援的


    機動 75

    技術 dice1d50=25 (25)


    ゲヘナ度(目的のために社会を無視する度合い)

    dice1d60=25 (25) +(30.アルの薫陶)

    1でヒナ(法の番人) 90で美食研

  • 46二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 16:32:49

    どんなおにぎりかな?

  • 47二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 16:58:01

    勝手にダイス振っていいらしいので、とりあえずいつもの


    戦闘 dice1d100=11 (11)

    事務 dice1d100=22 (22)

    知性 dice1d100=27 (27)

    技術 dice1d100=4 (4)

    政治 dice1d100=80 (80)

    交渉 dice1d100=38 (38)

    倫理 dice1d100=89 (89)

    慈悲 dice1d100=36 (36)

    神秘 dice1d100=36 (36)

  • 48二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:09:16

    ゲヘナらしからぬ倫理と政治

  • 49二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:13:36

    こういうのって神秘とか前にダイスもう振ってる部分は前のやつ優先する方がいいよな?

    全体的に低いと思ったけどイブキの年下ならむしろ逆に将来有望だわ
    交渉はイブキに任せればいいだろうから安心して政治担当の副官をしろテグサ……

  • 50二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:14:31

    神秘はすでに振ってある
    10の子供ということを加味しようね

  • 51二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:35:41

    耳の大きさ

    dice1d3=2 (2)

    1でちんまり、2でそこそこ、3でうおでっか


    角はある?

    dice1d2=1 (1)

    1.ある2.ない


    おにぎりの好み

    dice1d100=2 (2)

    1.ほど王道なのが好み 100ほど奇抜なもの好き

  • 52二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 17:51:22

    おにぎり過激派……


    調理(おにぎりだけ+20)

    dice1d100=25 (25)

  • 53二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 03:24:27

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 11:42:27

    スレ主は大丈夫だろうか
    テグサちゃん頑張ってくれ

  • 55二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 19:57:08

    イブキに会えるだろうか

  • 56◆cInAT.xMjqDy24/03/08(金) 03:13:40

    アナウンスの後、車輪と線路が擦れ合うかん高い音がして、電車は止まった。

    慌ただしく連絡を取り合う乗務員と、「いつまで止まってるんだ」と声を荒げる乗客の間で険悪な空気が形成されつつある中、ただひとり、くふふと楽しそうに笑うひとがいた。


    「思ったより早かったねー、アルちゃん。どうする? 私が適当に避難させよっか?」

    「……いいえ、ムツキ。仕事に私情は挟まないわ」


    絶え間ない喧騒の中からそこだけ切り取られたみたいに、彼女らは静かだった。各々が得物の様子を検め、油断なく視線を走らせている。それは間違いなく、戦うための準備。

    思わず自分も肩から武器を───"ダンダーン! ちゃん"を下ろしてぎゅっと握りしめていると、アル先輩と視線が合った。

    その目は鋭く、冷たい。仕事に臨む、アウトローの顔つき。


    「テグサ、私たちから離れて……別の車両に行きなさい。今からここは戦場になるわ。危険よ」

    「……!」

    「『敵』の狙いは私たち。一緒にいなければ、狙われはしないはず。できるだけ離れて、安全なところで隠れてなさい。……できるわね?」


    ちら、とアル先輩の社員たちに目を向ける。各々が戦う準備をしている中に、ひとり、例外がいた。黒色のアタッシュケースを大事そうに抱えて、不安そうに周りを見ている、機械頭のひと。それで、だいたいわかった気がした。

    つまりはこういうことだろう。今回便利屋68が受けた依頼は『護衛』。さきほどからアル先輩たちと一緒にいた、機械の人がクライアント。ある場所に品を届けなければいけないクライアントが、道中の障害を排するために便利屋68を雇った。

    そして、線路に何かしらの細工をして電車を止めたのがその『障害』。アル先輩の口ぶりからして、きっと───


    「車の音。多い……どんどん集まってきてる。社長」

    「ええ。……二度は言わないわ、早く逃げなさい」


    ぞく、と震えが背中を走った。

    迫る戦いの気配。冷徹に言葉を連ねるアル先輩。武装車両が押し寄せてくる音に、何事かと混乱を深める乗客たち。

    異様な空気が満ちていく中で、ぼくは、必死に考えていた。

    ぼくは───


    ゲヘナ度チェック dice1d100=57 (57)  (<=55)

    テグサの感情 dice1d4=1 (1)

    1.喜 2.怒 3.哀 4.楽

  • 57◆cInAT.xMjqDy24/03/08(金) 03:46:14

    ───逃げるべきだ、そう理性では判断できた。
    戦いが怖いというのはあるけど、それ以上に、ここに留まっていては先輩がたの迷惑になってしまうと感じたのだ。
    すでに迷惑をかけてしまって、さらに負担をかけるわけにはいかない。速やかにこの車両を離れ、自衛に努めるべきだ。
    そう、頭の冷静な部分が訴えてくる。

    けれど、どくどくと脈打つ部分がある。それは頭の一部で、胸の奥。
    手のひらの感触を確かめる。敬愛するあのひとに───いぶきちゃんに託されたアサルトライフルを握りしめる。
    いぶきちゃんなら、困っているひとがいたら、きっと助けるだろう。それがお世話になったひとだったらなおさら、目を背けたりなんかしない。
    ぼくは、そんないぶきちゃんにふさわしいひとで在りたい。

    「……っ、ふぁ……っ!」

    わかってる。こんなのはわがままだ。それに、ぼくみたいな子供が残ったところで、何が出来るというのか。
    いまぼくが抱いているこの想いは、ただ迷惑になるだけの代物だ。
    けれど、それがぼくの足を重くして、この場に縫い留めている。
    頭が白く染まっていく。周りの音が遠く離れ、代わりに心臓の音が大きく響く。
    それでも歯を食いしばって、なんとか足を動かして、アル先輩に背を向けようとした、その瞬間。

    たくさんのガラスが破ける音と、ショットガンの銃声が鳴り響いたのだ。

  • 58◆cInAT.xMjqDy24/03/08(金) 03:55:46

    /*(なかなか筆が進まず苦悶の表情を浮かべるスレ主)*/
    /*ゲヘナ度チェックに成功すると自分の欲求に正直になります。
    感情ダイスの中身ですが、
    喜の場合「イブキに相応しい自分で在りたい」
    怒の場合「イブキに会いに行く障害を許さない」
    哀の場合「迷惑だけかけて逃げたくない」
    楽の場合「なぜ逃げる必要が? 殴ってくるなら殴り返すだけでしょう」
    という展開でした。*/

    /*アルちゃんのなんですって顔ですが、
    ムツキ「あの子に『この電車は危ないから、次の駅で降りなさい』ってちゃんと言えた?」
    アル「!!!」
    という会話がありました。アルちゃんは一般生徒はともかく子供を巻き込むことには抵抗を感じるのではと思いこのような展開にしました。*/

    /*保守ありがとうございます*/

  • 59二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 13:43:22

    ひとまず保守

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:48:06

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 02:33:50

    良いスレだ、保守

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 09:31:57

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 19:53:40

    テグサちゃん大丈夫かな

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 05:02:40

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 10:38:51

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 18:23:37

    会いたいねぇ

  • 67二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 00:45:15

    大丈夫だろうか
    両方の意味で

  • 68◆cInAT.xMjqDy24/03/11(月) 03:13:36

    あちこちの窓ガラスを破り、車内に突入してきたそれは、円盤の形をしたドローンの群れだった。

    乗客の悲鳴をBGMにして、マシン下部の連射砲を回転させる───よりも早く、ショットガンの銃声が鳴り響く。


    「消えてください消えてください消えてください……!!!」


    アル先輩の社員のひとり、ショットガンを持つ先輩の行動は迅速の一言に尽きた。小さくて素早いというドローンに対し、面制圧を仕掛ける猛攻。飛ぶ鳥を落とすような勢いで、ドローンの群れを壊滅させていく……!


    戦況ダイス

    dice1d3=1 (1)

    1.「アル様のご命令なので、消えてください……!」

    2.爆発属性VS重装甲=?

    3.ドローンの銃撃が乗客を襲う……!

  • 69◆cInAT.xMjqDy24/03/11(月) 05:23:31

    圧倒的だった。

    一瞬で全体の一部をえぐり取られたドローンが、逃げるのではなく、火力を集中させてこの脅威を取り除こうと動いたのが戦局を決定づけた。

    はたして束になって襲ってきたドローンは、藁みたいに吹き飛んだ。

    かの前衛攻手(ストライカー)は、真っ向勝負を仕掛けていい相手ではなかったということだ。


    「ひゅう♪ やるねえハルカちゃん」

    「き、恐縮ですっ、ムツキ室長」


    ハルカ、と呼ばれたショットガンの先輩が、ムツキ(シツチョウ?)先輩になでなでされている。身長にそれなりの差があるふたりだけど、ムツキ先輩の手つきは手慣れていて、お互いの関係がわかる光景だった。

    ひとまず目先の戦闘は終わったけれど、周囲は騒然としていた。乗務員も乗客も、突然の闖入者に困惑している様が見て取れる。ただの移動シーンに過ぎないはずの一幕が、いきなり戦闘シーンに塗り替わったのだから、当然の反応だ。

    その間、ぼくが何をしていたかと言うと───


    テグサの行動

    dice1d3=1 (1)

    1.バックから絆創膏を取り出す

    2.ウマの耳をピンと立てる

    3.ドローンの残骸を手に取る


    振り忘れていたテグサの身長

    dice1d20=6 (6) (+120)cm

    参考 イブキ128cm.ムツキ144cm.ハルカ157cm

  • 70◆cInAT.xMjqDy24/03/11(月) 06:23:28

    「しつれいします、ハルカ先輩」


    一言断って、ハルカ先輩の体を観察する。床に下ろしたバックパックをまさぐる都合上、かがんだ姿勢でハルカ先輩を見上げているので、身長の差を実感する。

    先ほどの戦闘で、ハルカ先輩は数発の弾丸を身に受けていた。

    それはドローンの攻撃が巧みだったのではなく、ハルカ先輩が回避よりも攻撃を優先する戦い方をするらしかったからだ。

    当然、銃撃されたのだから、大なり小なり怪我をしているだろう。ぴんぴんした立ち振る舞いを見るにあまり大けがはしていなさそうだけれど、ともかくバックから絆創膏を取り出しながら、負傷個所を確認する。


    ……ところで、ぼくは絆創膏としか言及していなかったけれど、ぼくの医療への関心度によっては他にも医療器具を持ち歩いているかもしれない。


    テグサの『医療』

    dice1d50=29 (29) (+10)

    15で簡単な傷への備えと対処の知識 60で医療系部活のモブ程度の知識・経験

  • 71◆cInAT.xMjqDy24/03/11(月) 07:35:57

    バックパックから、ぼくがいつも持ち歩いている医療セットを取り出す。
    もともと外遊びが好きで怪我をすることが多かった僕は、『事件』以来脚部がおかしくなりはじめたのもあって、子供の範疇だけれど医療に関心があった。絆創膏に消毒液、清潔な水、止血用のガーゼ、足を痛めたときのためのテーピング……これらを使うのは久しぶりだ。ぼくはあまり走らなくなったから。
    銃傷にどれだけ効果があるかはわからないけど、何もしないよりはましだと思い、手当てをしようとする……

    ……。

    …………。

    「すみません、先輩。あの、おけがなど、だいじょうぶですか?」
    「けが? えっと、あのくらいなら……?」
    「??? あのくらい? でも、銃で撃たれて、えっと……?」
    「……? す、すみません……?」

    見た限り、ハルカ先輩は無傷だった。そんなばかなと思ったけど、そういえばこのひとは銃撃されながら銃を撃ち返すなんて芸当をしていたのだった。ぼくは考えることを放棄した。先輩ってすごい。
    勝手に尊敬の目を向けるぼくとそれを受けておろおろするハルカ先輩、を見てにやにやしてるムツキ先輩という構図が出来上がっていると、怖い顔の先輩が話しかけてきた。
    その肩には、なぜかぐったりしてる乗務員のひとが担がれている。

    「食堂車両に移動するよ、ムツキ、ハルカ。隊列はハルカが先頭、私とムツキでクライアントを挟んで、最後尾に社長で」
    「はーい、でもなんで食堂に行くの? おなかすいちゃった?」
    「ここは狭いし、人が多い。それに、『コレ』に聞きたいことがあるから」

    ……なんだか物騒(アウトロー)な会話だ。不要になった医療セットをしまいながら、機械のひと……クライアントさんと一緒にたらりと冷や汗を流す。

    「きみはどうする?」
    「えっと、ぼくですか?」
    「たぶん、他の車両にもあのドローンが出て、戦闘になってる。この車両のドローンは処理できてるから、ひとまず、ここにいれば安全」

    だけど、と怖い顔の先輩が言葉を続ける。

    「あのドローンの目的は斥候、私たちの位置を探るために送り込まれたやつだから、そう遅くないうちに、本命の部隊がここに来る。そいつらはきみを無視するかもしれないし、私たち以外の乗客にも躊躇なく攻撃する連中だから、無差別に攻撃したり、私たちの動向を乱暴に吐かせようとするかもしれない」

  • 72二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 15:27:47

    切り込み隊長は耐久が違うぜ

  • 73二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 00:14:41

    流石便利屋68
    アウトローだぜ

  • 74二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 10:08:09

    ハルカは優しさでもっとふわふわしろ

  • 75二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 10:24:55

    走らなくなってから医療セットを使わなくなった
    そっか馬の脚に変質してるから速くて力強い代わりに脆いのか

  • 76二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 20:48:50

    どうするんだテグサちゃん

  • 77◆cInAT.xMjqDy24/03/12(火) 22:17:46

    「……ほかの車両は戦闘中。この車両は、今は安全だけど、これから危なくなる。……じゃあ、列車の外は……」

    「それが一番駄目よ。窓の外、見てみなさい」


    ひっしに考えるぼくに、アル先輩が助言をくれる。

    その通りに外を見て、背筋が寒くなった。


    「飛び出した人が、撃たれて……っ」

    「見境なしね。装甲車を並べて、列車の外に出た者を例外なく銃撃する。ネズミ一匹逃がしたくないってくらいの包囲網……相手の本気度が窺えるわ」


    列車を囲うように並んだ装甲車。取り付けられた大型銃器が休むことなく火を噴いて、見知らぬ誰かを打ちのめしている。

    うかつに外に出たら、同じ末路を迎えるだろう。


    「……きみはどうする?」


    もう一度、同じ言葉を告げられる。

    緊張した面持ちのアル先輩、じいっと見ているムツキ先輩、おろおろしているハルカ先輩、そして何も変わらず冷静なようで、どこかこちらを慮っているような表情の怖い顔の先輩。

    気を遣わせてしまっている。戦いが激化するまでの僅かな時間を、この人たちはぼくのために使ってくれている。

    かあっと頭が熱くなった。今すぐに行動しなければならない。ぼくの人生で最も早く頭を回転させて、どうするべきかを考えて───ふと、理解した。

    この短い時間でぼくが考えていたのは、ぜんぶただの『言い訳』だ。


    dice1d3=1 (1)

    1.『避難』

    2.『職業体験』

    3.『慈悲』

  • 78二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 22:24:22

    そうだテグサお前の目的はイブキに会うことだ
    お前が直面するにはこの困難はまだ早すぎる

  • 79◆cInAT.xMjqDy24/03/12(火) 23:06:11

    答えはするりと出てきた。


    「安全なところに、避難しようとおもいます」


    ぼく自身驚いてしまうくらい、確固たる声色だったからだろう。先輩がたの表情は、ちょっと不安そうだけれど、和らいだような気がした。


    「そ、そう? なら、その……気を付けてね。……でも、やっぱり不安だっていうなら、追加の依頼を受けるのもやぶさかではないというか───」

    「では、行ってきます」


    何事かを話しているアル先輩に背を向けて、覚悟を決める。

    心臓は早鐘を打ち鳴らし、けれど頭は冷えていて。バックパックをしっかり背負い、"ダンダーン! ちゃん"を握りしめて。

    ぼくがもっとも信頼する/恐怖する『武器』を、この瞬間をずっと待ちわびていたこの両脚を、膨張させた。


    「ッ───……!」


    背後で、息を呑む音がした。ぼくの足を見たのだから、当然だろうと思う。粗末なものを見せて申し訳ないと、今更ながら後悔する。

    ぼくの足は異常だ。保健室の先生曰く『発達しすぎている』。齢10歳でトップアスリート級の肉付きを備えた脚部は、年齢相応の身体の中で特に歪に見えることだろう。薄く小さい体躯の中で、肥大したふとももは。

    気味が悪いと思われただろうか。きっと後で悲しくなるのだろう。でも今は、気にならなかった。

    眠っていた路に熱を流し込むような感覚。血液がぎゅんぎゅん巡って発熱し、テンション爆上げで気持ちよくなる。


    この車両から食堂車までは、dice1d2=2 (2) 車両。そこが先輩方の目的地であるならば。

    『安全な場所まで避難する』ために───

    『避難する場所を安全にしてもらう』ために───

    ───発走する。


    dice1d3=3 (3)

    1.突入する───!

    2.ぶち破る───!

    3.蹴り壊す───!

  • 80◆cInAT.xMjqDy24/03/12(火) 23:29:37

    視線が集まるのを感じた。

    ドローンと格闘してたところに、扉をけり破って子供が現れたのだから、当然の反応だ。なにせぼくもびっくりしている。

    興奮に身を任せて扉に"ダンダーン! ちゃん"を叩き込み、くりぬく様に後ろ蹴りを放ったのだけど、我ながらよくやったものだ。

    じんじんと熱を発する足に努めて冷静さを呼び戻しつつ、扉相手に吐き出した弾薬を補充し、車内を観察する。

    さきほどの車両では、ハルカ先輩に一蹴されたドローンだが、統制の取れていない一般の生徒相手では十分強敵だったらしい。あちこちで弾丸がばらまかれ、撃ち落としたり返り討ちになったりして、秒単位で床に転がる生徒が増えていく。


    ───今、ぼくに狙いを定めているドローンの数はdice1d2=1 (1) (+1)機。速射砲の銃口がぼくを捉え、回転する───


    機動:75

    補正:小柄.遮蔽物あり.敵複数

    回避判定:dice1d100=47 (47) (<=75+10)


    戦闘:11の理由

    dice1d3=1 (1)

    1.気質上、戦闘に向かない

    2.銃の扱いが不得手

    3.撃たれたら走れないから

  • 81◆cInAT.xMjqDy24/03/13(水) 10:35:21

    「は───、ふッ───!」


    避ける、避ける。ドローンの精確なだけの射撃を置き去りにして、座席の影に滑り込む。


    「くらえっ……!」


    半身を出して仕返しとばかりに"ダンダーン! ちゃん"のトリガーを引くけれど、あっさりと回避される。我ながら稚拙な射撃だ。もともと射撃練習に熱心ではなかったのもあって、まともに的を狙えていない。わかっていたことだけど、ぼく自身の手で相手を倒すことは考えるべきではなさそうだ。


    「はっ、はっ……」


    努めて息を整える。この喘鳴は精神が発する喘ぎなのだから、整えるのは簡単だ。

    乗客の誰かとドローンが交わす銃撃音の中で、呼吸を繰り返す。繰り返すたびに、ほんの少しだけ抱いていた不安感が薄れていくのを感じる。生まれて初めて銃撃に晒されたという心胆寒々しくなるような恐怖が、戦場の高揚感に打ち消されていく。

    生まれて初めて経験するこの銃撃戦で、ぼくに出来るのはきっと『足を使う』ことだけだ。さんざん怖がって使わないようにしてきたこの足腰こそ、唯一の武器だと心得る。


    「───ちょっと、テグサっ!? いきなり何して……!」


    先輩方が来てくれた。足を使う時間だ。

    遮蔽から顔を出して、先頭に立つハルカ先輩と視線を交わして、飛び出す。


    ───出来るだけ敵視を集めて、先輩方に『恩返し』をするんだ……!


    機動:75

    dice1d100=71 (71) (<=75)

  • 82◆cInAT.xMjqDy24/03/13(水) 11:17:57

    /*
    あくまでイブキちゃんに会いに行くスレのはずがどんどん主題からズレていってる気がして不安に駆られています。
    最初の神秘ダイスが『誘拐犯』以外のやつだったり、列車内のお助け先輩ダイスが『アルちゃん』以外だったり、交通機関ダイスが『バス』だったりしたら、今頃イブキちゃんに会えてるはずだったのですが……
    いかんせん冤罪を気に病んでた子にアウトローはちょっと相性が良すぎましたね。
    */

    /*
    テグサの突飛な行動について解説させてください。
    そもそも『顔の怖い先輩』ことカヨコが、今後の行動について繰り返し聞いていた理由ですが、『食堂車両に移動するまで、テグサは便利屋68と一緒に行動するのが一番安全だったから』です。
    事前の説明で列車内外のほとんどの場所が危険であると説明しており、またカヨコは乗務員のひとりをどさくさでしばいで無線を奪取し『客室にドローンが出現した⇒客室以外には出てきていない』という情報を入手していました。(行動ダイスの『ウマの耳を立てる』でこちらの描写になりました)
    じつは外見の特徴で邪眼(目が怖い)を引いてるテグサは、列車パート冒頭でモブに絡まれた(のを睨んで追い払っている)描写の時点で、じつはカヨコからそれなりに高い好感度を得ていました。怖い顔仲間的な。アルちゃんがいいタイミングでテグサと乗務員ちゃんとの会話に割って入ってきたのも、カヨコがじっとテグサのことを見ていたのにアルちゃんが気づいていたからです。
    カヨコ⇒テグサの好感度が高いこと、直前にアルちゃんが『自分の身を自分で守る』ことをテグサに要求していたことから、テグサが自分の身を守るための最適解が『便利屋と一緒に食堂車に行く』ことだと判断していたカヨコは、その『お願い』をテグサの口から引き出そうとしていました。

    一方テグサですが、現在複雑な心境にあります。
    現時点での彼女の目的『イブキに会いに行く』ですが、じつは字面以上に重い目的になっています。
    現在、彼女の行動方針は
    『なんとしてもこの冒険を成功させたい(胸を張ってイブキに会いたい)』
    『アル社長のことをもっと知りたい・学びたい』
    『先輩方にこれ以上迷惑をかけたくない』
    以上の三つです。(続きます)
    */

  • 83二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 11:33:18

    ダイスは忖度などしてくれないぞ
    考え浅く振るものはダイスにゆがめられて殺される
    だがダイスを振らずに決めるのも空虚になりうる

  • 84◆cInAT.xMjqDy24/03/13(水) 11:34:05

    /*
    というのもテグサは、自分がちょっと奇妙な人生を送ることになった発端である『事件』の一連の出来事について、『自分が日常から道を外れて、冒険的な行いをしてしまったから』起こしてしまったと考えており、イブキと別れて以降は同じような事件を起こさないよう、毎日同じような日常を繰り返していました。同じ時間に起きて、同じものを食べて、同じ道を歩いて……何事もない昨日と同じように過ごせば周りに迷惑をかけないと考えていました。しかし今回、イブキへの思いがこのループから脱却させました。
    今回、テグサがこの『小さな冒険』に臨むにあたり、必要としているのは『道を踏み外す』ことです。繰り返した日常から外れた行いに、テグサは常に不安を抱えています。乗車券を失くしたミスはこの緊張が原因です。
    そこに『かっこよく道を踏み外している先達』が現れたことで、テグサはかなりアル社長に心を惹かれています。自分がイブキに相応しい人間になるために、この先輩の訓示が必要であると考えているのです。
    "この短い時間でぼくが考えていたのは、ぜんぶただの『言い訳』だ。"───とは、つまり、どうすればアル社長のことをもっと知れるか、そのために便利屋68と行動を共にできるかを考えていたことを示しています。
    しかし、無駄に倫理の高いテグサはこれ以上先輩に迷惑をかけるのは駄目だとも思っており、現在テグサは、
    『なんとしてもこの冒険を成功させたい(胸を張ってイブキに会いたい)』
    『アル社長のことをもっと知りたい・学びたい』
    『先輩方にこれ以上迷惑をかけたくない』
    の三つを考えながら行動を決めています。
    そのうえで行動ダイスの中身ですが、
    1.『避難』は、"連れてってといえば迷惑になる、じゃあ勝手に先行すれば負担にならないしむしろ撹乱で手伝えるってコト!? よっしゃあ突撃ー!! する"(ゲヘナ度が上がる)
    2.『職業体験』は"上の心情をかいつまんで話して『職業体験』をさせてもらう(この場合カヨコと今回はハルカが賛成してくれる)"
    3.『慈悲』は"カヨコが抱えている乗務員は乗車券の処理をしてくれた人でお世話になったので、何かひどいことをするのなら止めなきゃいけないと話して同行を申し出る(この場合乗務員を抱える役目を任ぜられる)"
    という展開になりました。
    見事に一番暴走する選択肢を引いてくれました。
    (まだ続きます)
    */

  • 85◆cInAT.xMjqDy24/03/13(水) 11:42:00

    /*

    加えてとってもメタい話、列車が止まっている現状、テグサがイブキに会いに行くには『装甲車を奪って逃走』か『ハイランダーと協力して敵対勢力をぶちのめして列車を動かす』の二択しかなく、どちらのルートでも便利屋68と協力するのが必須になるのでいろんな意味でテグサは便利屋から離れられません。ちんたらしてたら風紀委員がエントリーしてきて全員拘束されてしまう苦境です。


    以上が補足になります。上記は今後のお話の中で描写する予定ですがだいたいこんな感じです。予定していたよりもとんでもなく長引いていよいよ『冒険』の様相を為してきた本スレですが可能な限り書き続けますので、もうしばらくお目汚しお許しいただければと思います。

    */



    おまけ

    おにぎり王道支持者のテグサちゃんにイブキちゃんのくまさんゼリーおにぎりについての所感をお伺いするダイス


    dice1d3=2 (2)

    1.いぶきちゃんはおにぎりの良さを教えてくれたひとだから……

    2.いぶきちゃんの拵えるおにぎりは常にぼくの王道だが?

    3.食べ物で遊んだり粗末にしてないならなんでもいいじゃないか(おにぎり王道支持者穏健派閥)


    dice1d100=36 (36)

    1ほど純粋な気持ちで言っている

    100ほど目を逸らしながら震えた声で言っている

  • 86二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 11:43:39

    イブキおにぎり崇拝者

  • 87◆cInAT.xMjqDy24/03/13(水) 11:51:47

    /*たぶん喜んで食べてる(しイブキというキャラクターの性質上おそらくゲテモノっぽいおにぎりも普通においしい)けど、他の人が食べようとしたらやんわり警告するくらいの賛同者ですね。
    「常に『ぼくの』王道だから……(一般的な王道ではない)」と周りに布教活動はしない程度かと思われます。

    恥ずかしい話このスレを始めてからイブキちゃん他便利屋のモモトークを消化した先生なので、まさかのおにぎり被りでびっくりしてましたし王道ダイスでしっかり王道振り切ってて更にびっくりしてました。*/

  • 88二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:36:51

    おにぎりは美味しい

  • 89二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 10:34:06

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:23:03

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 08:32:07

    会えると良いねテグサちゃん

  • 92二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 17:38:08

    続きが気になる

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