- 11/524/03/04(月) 23:10:43
その日は暑かった
俺は取材で訪れたキタカミの里のバス停で長い長い時間古臭いバスに揺られていたんだ尻を慰めていた
俺「このご時世バスとか…尻がいてぇ…」
???「お兄さん、ここに何しに来たの?」
突然話しかけられて振り向くと桃色のお面を頭に付けた少女が立っていた
俺「この里の人?実はオモテ祭りの取材でね」
少女「へ~、ライターさん?毎年同じように取材に人が来るけど昔から何も変わらないお祭りなのにそんなに取材することってある?」
俺「まあ、掲載紙が違うなら毎年取材もあるんじゃない」
少女「ふ~ん…」
俺「それより旅館ってこの道を行けばいいのかな?」
少女「うん。鬼様の像が立ってるからわかりやすいよ」
俺は少女に礼を言って旅館に足を運んだ
事前に予約していたため旅館に着くとすぐに部屋へ案内してもらえる
お祭りの時期だからなのか旅館のいたるところに様々なお面を飾ってある
一番気になったのは緑、青、赤、グレーのお面、鬼様の面とタイトルがついている
日も暮れたころオモテ祭りの取材のためにキタカミセンターに足を運んだ
クッソ疲れる階段をのぼるとさまざまな屋台が並んでいた
スマホロトムを浮かせて写真を撮りまくる
祭りに参加している人は全員お面をつけている
少女「あ、ライターのお兄さん」
声のした方を見ると里に着いたときにあった少女がそこにいた
今度はお面で顔を隠しているが、あの時見た桃色の面が同じだからすぐにわかった - 22/524/03/04(月) 23:11:04
俺「やあお嬢ちゃん。またあったね」
少女「お兄さん、ちゃんとお面けないとだめだよ。このお祭りはそういうお祭りなんだから」
俺「ああ、それじゃあそこのお面屋で何か買うか。どのお面がおすすめかな?」
俺がお面屋の前にいきどのお面にするか悩む
少女「う~ん…それじゃあ緑のともっこ面が似合うと思うよ」
俺「それじゃあそれ一つ」
俺は少女が選んでくれた緑のともっこ面というやつを付ける
俺「どうだ?似合うか?」
少女「まあいいんじゃない」
あんまり似合ってないようだ
少女「まあ何かの縁だし案内してあげる」
少女に手を引かれて屋台の間を抜け少女がいろいろと説明してくれる
オモテ祭りの成り立ち、ともっこと鬼様、その時立ち向かったお面職人の末裔と異国の少女の話
しかしこれはネットをあされば出てくる有名な話だ
少女「さすがにこの話は知ってた?」
俺「ネットで検索すればすぐ出てくるからね」
少女「そうか~…それならキビキ…あっと…これはダメだった」
少女が謎の単語を口にしようとして口元に手を添えて抑える - 33/524/03/04(月) 23:11:22
俺「キビキ?なんだそれ?」
少女「いや、なんでも…」
あきらかに顔をそらし俺を見ようとしない少女
俺「なあなあ、別に記事にしたりしないから教えてくれよ。この里のしきたりかなんかか?」
少女「う、う~ん…まあ半端に言って探られるよりはいいかな」
その言葉を聞いて俺はスマホロトムの録音機能をこっそりオンにした
少女「この里はね、一度全滅しかけたんだ」
俺「全滅?流行り病か?」
少女「みたいなものになるのかな。本当に里の人全員に感染して危なかったんだって」
俺「それはどうやって逃れたんだ?そもそも原因は?」
少女は語った。昔々、ともっこと鬼様のいざこざを収めたお面職人の末裔と異国の少女が再びこの里を救った話 - 44/524/03/04(月) 23:11:33
いざこざを収めてしばらくして異国の少女はふたたびこの地を訪れた
理由は定かではない
一説には異国の少女は王族の姫でお面職人の末裔に惚れてしまい求婚のために来たともされているらしいが詳しいことは分かってないらしい
お面職人の末裔と異国の少女が再開したころ、この地に古くから封じられていたポケモンが目を覚まし里の人を襲った
最初は一人の少女が奇妙なことを始めたらしい
なんでも何日も立ち尽くし謎の踊りを踊る
それは次第に里中に感染しあちこちで謎の踊りをする光景が見られたとか
そして突如空に封じられていたポケモンが現れ人々を襲った
お面職人の末裔と異国の少女が再び封印しようとポケモンと相対したがその力は絶大で追い込まれたらしい
お面職人の末裔が何かないかと思案したとき、ふとよぎった、なぜ里の人は謎の踊りをするのか
もしかするとあれが封印のカギなのではないかと
そこで一か八かと里の人がしている踊りと逆の動きで踊ってみた
するとそれを見たポケモンは怯えはじめ今までの強さが嘘のように弱くなっていった
お面職人の末裔と異国の少女は踊りながら再びポケモンを封印することができた
という話だ
少女「それで再び封印が解かれないようにオモテ祭りの後にウラ祭りってのをやってみんなで踊って封印をし直しているの」
俺「そ、その踊りってどんな…」
少女「さすがにそれは秘密。ウラ祭りも開催時間は深夜少人数でやるから私も見たことないの」
俺「そ、そうか…ま、まあ面白い話をありがとう。事実がわからないんじゃやっぱり記事にはできないな、あはは」
少女「な~んだ。こっそり記事にするのかと思った」
俺「あはは、そんなわけないじゃないか」
俺はそのまま少女と別れ旅館に戻った
その時山の方で何かの声が聞こえた気がする
もしかして封印されたポケモンか…などと考えがよぎるが気にせずさっさと今の話を原稿に落とさなくては - 55/524/03/04(月) 23:11:53
少女「…帰ったね…おじいちゃん、これでいいの?」
爺「いいですよ。これで噂を聞いて怖いもの見たさでまた観光客が増えるでしょう」
少女「まったく。孫にこんないい加減な作り話させないでよね」
爺「いやいや、まったくのでたらめではないよ。実際にあった話なのだから」
少女「本当かな~?お母さんにその時のことを聞いても恥ずかしいから言いたくないって言うし」
爺「あっはっは、あの子は当時年頃だったからね」
男「あ、管理人さんこんなところに。ちょっと話が…姉ちゃんが…」
爺「はいはい。今行きますよ。あまり遅くなるとお母さんが心配するからね、ほどほどで帰るんだよ」
少女「は~い」
『ぽ~にお~』
少女の耳に楽しそうに笑う鬼様の声が聞こえてきた
~終~ - 6二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:19:53
だよな、管理人さんならそうするよな
- 7二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:20:38
いい話だ(語彙力の欠如)
- 8二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:20:57
なるほどねぇ…
元異国の少女が王族云々聞いたら果たしてどう思う事やら - 9二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:21:39
???「王族じゃないけどチャンピオンなので!」
- 10二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:23:31
意外とノリノリちゃんだぞこいつ
- 11二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 10:05:52
ほしゅ