【SS】菜の花畑ピクニック

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:38:56

    「トレーナーさん、見て下さい。あたり1面すごく、すごく黄色くて綺麗です」

    「あぁ、本当だ。そこらじゅう菜の花がびっしりだ。まるで黄色い絨毯みたいだな」

     冬の寒空が過ぎ去り、春雨も降り終った、久々の青空の下。お日様が暖かく、ぽかぽか陽気の中。今日は、トレーナーさんと一緒に菜の花畑がある公園に出かけています。 

    「菜の花畑綺麗で良かったな。スイセンとか他の花も咲いていて、楽しめるんじゃないかな。クラスの子とピクニック」

    「そうですね。菜の花畑だけでなく他の花が咲いてる場所もチェックできて良かったです」

     トレーナーさんとお出かけというわけではなく……、後日行われる、クラスの子達と行くピクニックの下見に一緒に来てもらいました。
     以前にも、クラス交流の一環で遊園地に遊びに行った時の下見をトレーナーさんと行いました。その時に、私からは見えない視点で色々とアドバイスをして下さり、本番では大成功。その経験を元に今日も下見を手伝ってもらってます。

    「この公園は、春には菜の花で一面黄色くなって、秋にはコスモスが咲くのか。季節ごとに違う花が見れそうだな」

    「はい! それに、お花以外にも遊具や遊べる原っぱも色々あって楽しめそうです」

    「あぁ、そうだな。……でも、今日は下見だから遊ばないけどね」

    「そ……そうでした。今日は下見でした」
     
     ピクニックした後の予定でクラスの子達と身体を動かすことを考えていて、その予行として、トレーナーさんと遊べると思っていました。ですが、今日は下見で遊ばないと釘を刺され、少しがっかりです。

     「あははは、冗談だよ。せっかく来たんだから少しくらい遊ぼうか」
    「……、はい!」
     
     私が微妙な顔をしたのか、トレーナーさんはそんな私の様子を見て、少し笑いながら冗談だと言いました。トレーナーさんに気を使わせてしまい、恥ずかしい反面、今の私はすごく、すごく嬉しいです。

    「とりあえず、遊んでみようか」
    「はい!」

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:39:51

    「いやー、汗かいたな。でも、久々に身体動かして気持ちよかった」

    「そうですね。トレーナーさん、とても楽しそうでした」

     少し身体を動かした後、私たちはベンチに座って休憩しています。やっぱり、身体を動かすのは気持ちいいです。

     「うーん、そろそろ、お昼か。トプロ、食べに行こっか。この辺でいいお店あるかな」

     「……あっ、あのトレーナーさん」

     そう言って、スマホを取り出して調べようとするトレーナーさんにこれから先、話す内容を思うと躊躇いながらも声をかけます。

     「どうしたの?」

     「えっ、えっと、実は私、お弁当作ってきたので一緒に食べませんか」

     そう、今日来たのはピクニックの下見。ピクニックの醍醐味であるお弁当を持参することにしていました。ただ、トレーナーさんに提案するのにやはり緊張していて……、かけた言葉はいつもより力がはいっていませんでした。

    「…トプロ、ありがとう。それじゃ、お言葉に甘えて頂くよ」

    「はい!」

     トレーナーさんが喜んでくれて、私も舞い上がる気持ちで、先程と変わって、つい大きな声を出してしまいました。

  • 3二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:40:34

    「こちらになります」

    「お!サンドイッチか。久々に食べるよ」

    「喜んでもらえて何よりです。実はアヤベさんに手伝ってもらいながら作りました」
     
     渡したお弁当の蓋を開けると、数種類のサンドイッチを見てトレーナーさんは笑顔でそう言ってくれました。

    「「いただきます」」

    「それじゃあ、これを頂こうか。うん?レタスの変わりになんか野菜の茎?みたいなのが入っているのかな。珍しいね」

     トレーナーさんが取ったサンドイッチには卵とベーコン、レタスの代わりに葉野菜が入ったものでした。

    「はい!実はそれ、菜の花なんです。菜の花畑に行くってアヤベさんに伝えたら、そのレシピを教えてくれました。それ、すごくすごく美味しいです」
     
    「そうか、これが菜の花かな。旬でいいね。」

     私の説明にトレーナーさんは納得した様子で、サンドイッチを一口、二口と味わうように食べてきます。

    「……うん、菜の花の苦みと卵のまろやかさとベーコンの旨味が合わさって美味しい。すごく好きな味だ」

    「……気に入ってもらえてよかったです。えへへ……」
     
     トレーナーさんのその感想を聞き、頑張って作ってよかったと改めて実感するのと同時に胸がいっぱいになりました。

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:41:01

    「「ごちそうさまでした」」
     
     身体を動かしたのもあってか、私達はものの数分でサンドイッチを食べ終わりました。

    「トプロ、サンドイッチすごく美味しかった。特に菜の花が入った」

    「トレーナーさん、すっかり夢中ですね。…そうだ!それなら、今度、一緒にサンドイッチ作りませんか」

    「一緒に?機会があればやろうか。作るのも食べるのも楽しみだ」

    「えぇ、すごく楽しみです!」

     今日、私はお弁当を作ってくることでトレーナーさんに食べさせる喜びを味わいました。そして、今度は一緒に作ることでもっと楽しい時間を過ごせると想像すると、心躍ります。

    「そうだ!この後、トレーナーさん、せっかくだから写真撮りませんか」

    「写真を?」

    「はい。せっかく来たんですから、この菜の花畑をバックに写真を撮りませんか」

    「そうだな、記念に取ろうか」

    「休憩した後に行きましょう」
     
     写真を撮る約束をして、ベンチで休んでいる私達二人に春風が優しく吹きぬけていきました。

  • 5二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:43:36

    少し早いですが、菜の花を題材に書きました

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:48:37

    ほのぼのしてて良きSSでした……
    (一個だけすまん、トプトレはトプロのこと略して呼ばないんだ……「トップロード」って呼ぶんだ……)

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:54:34

    下見…不自然にならずデートに誘える魔法の言葉… 実に良いですね

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:58:11

    ビューだねビューだよ
    応援スレに推薦しておk?

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 23:06:33

    >>6

    呼び名間違えてすみません ここだけはトプロ呼びってことで


    >>7

    えぇ これはあくまで下見です


    >>8

    はい大丈夫ですよ お願いします

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