- 11/424/03/08(金) 01:20:34
普段はガヤガヤとしている食堂も今日は閑散としていた
いつもの席でポツンと一人でいるカキツバタ
今日は卒業式
2年であるカキツバタは在校生として出席するのが普通だが今年はそんな気が起きないでいた
そのためこっそり抜け出して食堂でサボっていた
カキツバタ「はぁ…そろそろ式が始まるかな」
時計を見ると式の開始時刻が迫っていた
どうせ去年と同じことをやるんだ
留年しているカキツバタにとって同じことをする式典はつまらないもの以外の何物でもない
カキツバタ「今年はいろいろあったよな…」
カキツバタは1年間で起きたことを脳内にめぐらす
どれもこれもすごく楽しいとは言い切れないが悪くはない1年だったといえるだろう
しばらく思いをはせていたら食堂の前が騒がしくなった
誰も入ってこれないように鍵を閉め机を扉の前に置き、手持ちのポケモンたちに抑えさせているが扉をたたく音と向こう側で叫ぶ声は聞こえている
ゼイユ「カキツバタ!あんたなにサボろうとしてるのよ!!先生がうるさいから早く出てきなさい!!」
タロ「カキツバタ!さすがにサボりはよくない!!」
口やかましい同級生と後輩の声を無視してカキツバタはポケットに入れてあったチョコを一口頬張る
カキツバタ「どうせ去年と同じことするんだから一度出たことのあるオイラが出る必要ないねぃ」
ゼイユ「御託はいいから早く出てきなさい!!」 - 22/424/03/08(金) 01:20:49
扉をたたく音は次第に強くなる
音的に人間が叩いている音ではない
カキツバタ「いったい誰に叩かせて…ん?」
扉をたたく音のほかに何かドリルで穴をあけているような音が聞こえる
カキツバタ「ま、まさか…」
カキツバタが足元を見ると床に穴が開きタロのドリュウズが顔を出した
カキツバタ「こ、ここまでやるかねぃ…」
床の穴からタロが這い出てくる
タロ「かわいい行為とは言えませんが、一応校長の許可は取ってるので」
カキツバタ「まったく、その執念は恐れ入ったよ」
タロ「一応心配していたからね」
カキツバタ「かわいくないねぃ」
カキツバタはそのままドリュウズに拘束されタロが持っていたロープで縛られる
カキツバタの手持ちたちは撤収とばかりに扉の前の机を片付け自らモンスターボールに入っていった
扉の鍵が開くとゼイユが飛び込んでカキツバタの頭を殴る
ゼイユ「かった~!!なんて石頭…」
カキツバタ「はっはっは、ドラゴン使いの防御力をなめちゃいけないねい」
ゼイユ「まったく、それじゃあ行くわよ」
カキツバタ「もうこのままでいいから一緒にサボろうじゃないか」
ゼイユ「なんでそんなことしないといけないのよ」 - 33/424/03/08(金) 01:21:02
ゼイユは縛られたカキツバタのロープの先端を持ち引きずる
カキツバタ「わー、らくちん♪」
ゼイユ「くつろぐな!」
タロ「そういえばカキツバタ、今年も留年確定って本当?」
カキツバタ「ああ、そのようだねぃ」
ゼイユ「なんであたしより先に入学した奴が後輩になるのよ」
カキツバタ「後輩とは後から入ったやつのことを言うから先輩はオイラだねぃ」
タロ「ぶぶー、そういう意味もあるけど地位が下っていう意味もあるからゼイユ先輩の言ってることは間違ってません」
タロは腕を交差させばってんポーズでカキツバタに言う
カキツバタ「そうなのか。それじゃあよろしくな、ゼイユ先輩」
ゼイユ「うわ…鳥肌立ってきた…」
タロ「こんなのが同級生なのか…」
ゼイユ「何かあれば頭の歯磨き粉引き抜いてやりなさい」
タロ「そうします」
カキツバタ「これは髪の毛なんだけどねぃ」
カキツバタはそのまま引きずられて卒業式の会場へと向かったのであった - 44/424/03/08(金) 01:21:13
ネリネ「というのが去年の卒業式にあったことらしい。私は在校生代表で送辞を言わないといけないから会場にいてあとからゼイユに聞いた話だけど」
アカマツ「ツバッさん、今年もサボるんじゃないかな…」
スグリ「面倒だから放置しておけばいいんじゃないかな」
タロ「さすがに今年は先生もあきらめると思いますよ」
カキツバタ「ははは、ようやくあきらめてくれそうで安心だねぃ」
ゼイユ「まあ、私たちの卒業式にいてほしくないから助かるわ…」
いつものリーグ部で五人のため息と一人の笑い声が響くのであった - 5二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 01:21:52
モチーフ的にイッシュの卒業式はまだ先だろうけど、日本は卒業式シーズンなので
- 6二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 01:41:07
容赦ないゼイユ&タロと防御高いカキツバタ面白い
「私たちの卒業式にいてほしくない」とか言ったら逆に出席しそうニッコニコで座ってそう