ミノリ「贅沢は…贅沢は…」

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:30:52

    その日は条件が悪かった。

    レッドウィンター事務局からのビル建造依頼の大詰めの日の翌日で、直前に悪天候下でデモを行ってからのシャーレの当番だった。

    正直いくら私でもこんな汚い格好でシャーレの当番に行きたくはなかったが、時間に遅れるのは労働者としてあり得ない。
    そのため恥を忍んでシャーレに向かった。これが良くなかったのだろう。

    "ミノリ!?どうしたのその格好!?"

    「いや、待ってくれ先生。これは別に襲撃されたとか怪我をしたとか…いやデモ中に似たようなことはあったがこれは名誉の負傷というか…」

    "とりあえずお風呂入って!"

    シャーレに着くなりシャーレの風呂場に押し込められた。渋る私を脱がせるために脱衣所にはミレニアム製の全自動脱衣マシーンが待ち構えており、なすすべなく身に纏っていた泥だらけの衣服が脱がされていく。こんな無駄な装置を金をかけて作っているとは…、ミレニアムは憎むべきブルジョワの集団のようだな…。今度のデモ先が決まったぞ…。

    バスタオルを体に巻き付けられ浴室に放り込まれる。唖然。レッドウィンターの学生寮じゃ見たことないくらい大きな浴槽に綺麗で出方を変えられる高性能なシャワーヘッド。
    なんてことだ。予想はしていたがシャーレの設備は贅の極み。いくら先生でもこれは看過できない。すぐにここから出て先生に抗議を…

    "ミノリ?入るよ?"

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:32:49

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  • 3二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:38:10

    画像が投稿されてなかった…

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 21:42:16

    「!?」

    "あぁ、やっぱり出て行こうとしてる。ダメだよちゃんと綺麗にしなきゃ。洗ったげるからほら、座って?"

    「待て先生!何で先生が風呂場に来てるん"シャワー出すよ" ぶふーっ!!」

    私に有無を言わさずシャワーを浴びせる。私が怯んでいるのを良いことに流れる手つきでシャンプーを取り出し私の髪と頭を洗っていく。
    ちょうど良い力加減が気持ちいい。あ、この香り好きだな、いったいどんなメーカーのを…。
    ……待て、私は今何を?

    "流すよ"

    再びシャワーが私に降りかかる。泡が全て洗い流され、私の長い髪が黒く輝き出していた。

    "流石に体は私が洗うわけにはいかないからもう出るね?ちゃんと体も洗うんだよ?トリートメントはここにあるから自由に使って。"
    "あ、湯船にもちゃんと浸かること。1分は入ってね?"

    先生は嵐のように去っていった。頭がボーッとする。人に頭を洗ってもらうのってこんなに気持ち良かったか?

  • 5二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 22:00:27

    近くのボディソープを取って少し手に出す。これもいい匂いだ。レッドウィンターでは無臭だった。これもブルジョワの…だったら使うわけには…。
    そんなことを考えているといつの間にか私は体を洗い終え、広い湯船に浸かっていた。

    "ああああああああああああ…きもちぃ〜〜〜〜"

    足をピンと伸ばしてのびをする。体いっぱい伸びてもどこにもぶつからない。控えめに言って極楽だ。何か大事なことを忘れている気がする…。こんな贅沢してバチがあたる…贅…贅沢…?

    「贅沢は敵だ!!!」

    ほぼほぼ浴槽内で寝そべっていた体勢から跳ね起きる。急いで浴室の扉を開け、つけていたバスタオルを脱ぎ捨て、用意されていた乾いたバスタオルで体を拭き、おそらく先生のものであろうシャツやパンツを拝借し着用する。
    これより先生に対してデモを開始する!!

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 22:02:18

    先ミノ助かる

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 22:06:53

    スレ画ェ…

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 05:41:28

    「先生!悪いがこれから先生に対してデモを"ほい"んぐっ!?」

    口の中に濃厚なカスタードの甘さとカラメルの絶妙な苦味が広がる。プリンだ。それもとびきりいいやつ。美味しい。レッドウィンターのものより遥かに品質が高い。

    "美味しいでしょ?"

    「……うん。」

    "もっと食べる?"

    「…うん、たべる。」

    先生に促されるままに膝に座る。借りてきた猫のようにおとなしくなった私の口に先生は笑顔でプリンを運んでくる。
    なんかふわふわする。風邪でも引いたか?労働者にあるまじき体たらくだ。気合を入れなさなければ…。ん?先生?マッサージ?うつ伏せになれ?ああ、わかった。よろしく頼む。

    1時間後
    「うへへへへ…プリン…プリンがいっぱい…」

    "うーんすっごいガチガチだったなぁ。普段すごい頑張ってそうだから今日くらい休ませてあげなきゃ"

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 05:43:52

    共産主義者が贅沢品で骨抜きにされるシチュ助かる

  • 10二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 05:57:07

    >>9

    自分と同じかそれ以上に過酷な労働者で信頼のある先生からの純粋な好意と労わりでお出しされる贅沢の前にはミノリも打つ手無しよ…

  • 11二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 06:26:00

    翌日

    目を覚ます。見慣れない天井だ。いったい何が…あ…。
    昨日の醜態が頭を駆け巡る。そうだ…私は…私は…。

    "あ、ミノリ起きた?朝ごはんできてるから帰る前に食べていって?"

    「先生!!そんなことをしている場合ではない!!私は…私は反省しなくてはならない!!」

    "えー良いじゃない昨日1日くらい"

    「ダメだ!このままじゃ共に戦う仲間たちに顔向けができない!」

    "じゃあ今度は工務部のみんなも一緒に連れてきてよ"

    「そういう問題じゃあない!」

  • 12二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 06:26:29

    "うーん、そっか。じゃあこの朝食はいらないかな?"

    ハッシュドポテト、ソーセージ、目玉焼きを乗せたチーズトーストにカップスープとサラダ。ブルジョワの朝食だ。美味そうだ。…いやダメだ私は屈するわけには…

    "美味しいのになぁ"

    サクッ、と先生がチーズトーストを一口。小気味良い音が響く。

    "2人分用意しちゃったしなぁ"

    パリッ、とソーセージの皮が破れる音。

    "このままだと無駄になっちゃうなぁ"

    「あー!もう!わかった!食べる!!食べるから!!」

    屈した。私はブルジョワに屈した。この日の敗北を私は忘れないだろう。きっと、いつか、この雪辱を晴らし、労働者の権利を勝ち取ってやるのだ。あ、ソーセージおいしい。

    しばらく朝食を食べながら談笑した後、レッドウィンターへと帰還した。工務部の仲間たちの反応は…想像に難くない。


    信じて送り出した工務部長が!!   完

  • 13二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 06:28:33

    公務部一同「シャーレでの贅沢はセーフじゃないの!?」

  • 14二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 10:17:55

    贅沢が快楽?堕ちシチュになるってどういうことよ…

  • 15二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 10:25:44

    今日はこれでいいや

  • 16二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 10:27:44

    スレ画のっとりだったんだろうけど結果的にその通りになってて草

  • 17二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 19:50:09

    >>15

    えぇ…(困惑)

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