[SS注意]もう一つの部屋

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 18:16:04

    「じゃーん!トレっちの部屋だよ~」
    「本当に作っちゃった……」

    週末、ヴィブロスの実家に訪れた時、見せたいものがあると連れてこられた先は俺の部屋に改装された客室だった。

    「トレっちは家族なのに家に部屋がないのはおかしいもんね~」
    「……そうだね」

    家族扱いも極まってきたな……と部屋を見渡す
    寮の部屋より広くアンティーク調の家具が配置されており、一目見るだけでかなり内装を凝ったことが分かる

    「その、すごく張り切ってくれたみたいだね……」
    「トレっちの部屋になるんだもん。当然♪」

    家族扱いされてるとはいえあくまでもトレーナーである俺には勿体なさすぎる部屋だが、ここまでしてもらったならご厚意に甘えさせてもらおう

    「ありがとうね。使わせてもらうよ」

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 18:16:33

    夕食も終え、ヴィブロスたちが自分の部屋に戻った後、ご両親に誘われ晩酌を楽しんでいた時

    「そういえばトレーナーさん、お部屋はどうでしたか?」
    「お披露目できるってヴィブロスちゃん楽しみにしてたんですよ~」

    と客室について聞いてきた。

    「そうですね、ヴィブロスからも聞きましたが 張り切ってくれたそうで。とても過ごしやすいです」
    「それは良かった。とても真剣に家具とか選んでいたのでね」
    「ヴィブロスちゃんは本当にトレーナーさんのことが大好きよね~」
    「でも本当に良かったんですか?客室を改装してしまって」
    「いいんですよ~、最近はトレーナーさん以外使う方いませんでしたし」
    「そうでしたか。ではありがたく使わさせてもらいますね」

    そんな会話をしつつ日付も変わる頃に晩酌を終え、客室改め自分の部屋に戻りベッドに寝転がる
    今日はご両親もテンションが高くどんどんお酒を飲み、同じペースで飲んでいたためかなりの量を飲んでしまった。明日は二日酔いするな……休みでよかったと思いながら眠りについた

  • 3二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 18:17:03

    (ん…朝か……頭が痛いな……)

    翌日、瞼越しに明かりを感じて意識がゆっくりと覚醒し始める。昨晩予想した通り二日酔いで頭痛がする
    まずは今の時間を確認しようと手を動かそうとした時、腕を誰かに掴まれていることに気が付く。しばらく思考を回し腕をつかんでいる人物に気が付いた瞬間、意識が急激に覚醒し、上半身を起こす

    (なんでヴィブロスが一緒に寝てるんだ!?昨日寝た時は一人だったよな!?)

    成人男性が教え子の未成年と同衾……どうあがいてもお縄である。とりあえずヴィブロスを起こさなければならない

    「ヴィブロス起きて。できる限り早く起きて」
    「んー……」
    「ダメか……ヴィブロス起きて。色々とまずいから本当に起きて」

    呼びかけるだけじゃ起きてくれないため、体を揺すってでも意識の覚醒を促す。するとうっすらと瞼が上がる

    「あ…トレっちだ~……」
    「起きた?なら少し起き上がっ!?」

    ヴィブロスに引っ張られ再びベッドに横になる。起き上がろうにも抱きしめられていて動けない

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 18:17:15

    「ヴィブロス!起きて!」
    「えへへ~……」
    「ヴィブロス?トレーナーさんを起こしに行ったんじゃない…の……?」

    寝ぼけているヴィブロスを起こそうと必死になっているとヴィルシーナが入ってきた。入ってきてしまった

    「……トレーナーさん?これはいったいどういう状況ですか?」
    「待って!絶対誤解してるから話を聞いてくれ!」

    真顔で詰め寄ってくるヴィルシーナを制止し、状況の説明を試みる

    「その、ヴィブロスが寝ぼけているから剥がすのを手伝ってくれないかな……?」
    「あ、そうでしたのね……よく眠ってるわね……」

    とりあえず誤解は解けたため、ヴィルシーナと協力してヴィブロスを引き剥がし始める
    流石に意識が覚醒したのかヴィブロスの瞼が完全に上がり俺と目が合う

    「んえ?トレっち?なんで一緒に寝てるの?」
    「……ヴィブロス、トレーナーさんが一緒に寝てるんじゃなくて、あなたが一緒に寝たのよ」

    ヴィルシーナの言葉で状況を理解し始めたのか、だんだんと顔が赤くなっていく。そして限界に達したのか脱兎のごとく部屋から出て行ってしまった

    「…私もフォローしますが、貴方もお願いしますね」
    「はい……」

    朝から大変なことになったなと思いつつ、ヴィブロスのフォローに向かうため行動を開始するのであった

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