ヒースクリフ「どうすりゃいいんだ・・・」

1二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 02:40:25

本拠地、LCB私有地で迎えたT社戦
先発シンクレアが大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くLCC隊員のため息、どこからか聞こえる「今年は１００敗だな」の声
無言で帰り始める囚人達の中、昨年の首位打者ヒースクリフは独りベンチで泣いていた
K社戦で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のLCBで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「クソッ、どうすりゃいいんだ・・・」ヒースクリフは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、はっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「はぁ、帰ってトレーニングをしねぇとな」ヒースクリフは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ヒースクリフはふと気付いた

「あぁ・・・？客がいる・・・？」
ベンチから飛び出したヒースクリフが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにLCBの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするヒースクリフの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ヒースクリフ君！！！！！！守備練習が始まりまする！！！」声の方に振り返ったヒースクリフは目を疑った
「チ・・・チビ？」「ヒースクリフ。速く練習に向かわなければならない。」
「ム・・・ムルソー？」「いかがぜるなりひぃすくりふ君、あやしきものにも見きや？」
「イサン・・・」　ヒースクリフは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
１番：開花E.G.O/壇香梅　２番：ロボトミーE.G.O/後悔　３番：W社３級整理要員　４番：W社3級整理要員　５番：剣契頭目　６番：ぽんぽん派ボス　７番：R社第四群ウサギチーム　８番：ピークォド号船長　９番：南部ディエーチ協会4課
暫時、唖然としていたヒースクリフだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
グレゴールからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するヒースクリフ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっているヒースクリフが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った